JP2020027841A - 光または電子線に応答するパターン反転組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

光または電子線に応答するパターン反転組成物およびそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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修平 志垣
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亘 柴山
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Ken Ishibashi
謙 石橋
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Abstract

【課題】粗密差が大きく、被覆すべき段差の幅が広い段差基盤を平坦化する組成物(被覆材)を提供する。【解決手段】加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含むポリシロキサンと溶媒とを含む、有機パターン上に塗布される有機パターン平坦化用組成物であって、上記ポリシロキサンが、Si原子に対し、シラノール基を40モル%以下の割合で含むものであり、上記ポリシロキサンの重量平均分子量が1,000〜50,000であり、上記ポリシロキサン中のケイ素原子、炭素原子及び酸素原子の合計質量に対する炭素原子の質量の割合が10〜40%である組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含む特定のポリシロキサンと溶媒とを含む、有機パターン上に塗布される感光性又は感電子線段差基板平坦化用組成物、その製造方法、並びに当該組成物を用いた平坦化された積層基板及び半導体装置の製造方法に関する。
基板上に微細なパターンを形成し、このパターンに従ってエッチングを行い基板を加工する技術は半導体製造の分野で広く用いられている。
リソグラフィー技術の進展に伴い微細パターン化が進み、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、172nmを最大波長とするXeエキシマレーザーが用いられ、更にEB(電子線)やEUV(極端紫外線)を用いた露光技術が検討されている。
パターン形成技術の一つとして、パターン反転法がある。半導体基板上にレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをシリコン系塗布液で被覆する。これによりレジストパターン間にシリコン系塗布液が充填され、その後焼成し、塗膜を形成する。その後シリコン含有塗膜の上部をフッ素系ガスでエッチングによりエッチバックしてレジストパターン上部を露出させ、そしてガスを変えてレジストパターンを酸素系エッチングガスで除去して、レジストパターンが消失しシリコン系塗膜に由来するシリコン系のパターンが残り、パターンの反転が行われる。
この反転パターンが形成されたシリコン系膜をエッチングマスクとして、その下層や基板のエッチングを行うと反転パターンが転写され、基板上にパターンが形成される。
その様な反転パターンを利用したパターンの形成方法として、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、又はアリール基を有するシランと、テトラエトキシシランとの共加水分解によるポリシロキサンとエーテル系溶剤を用いた材料を利用する発明がある(特許文献1参照)。
また、ハイドロゲンシロキサンを用いた材料を利用する発明がある(特許文献2参照)。
特開2011−118373号公報 特開2010−151923号公報
前述の背景技術により、段差基盤を平坦化することが可能であるが、段差の深さや幅が余りに広い場合は、段差を十分に平滑化できない場合がある。特に、粗密差のある段差が1mm以上の幅で存在する場合、背景技術に記載の材料や技術を用いても、十分に平坦化できない。材料によって十分に平坦化できず、段差基盤上に塗布された被覆材料の被覆膜厚に差がある状態でエッチング加工を行った場合、被覆膜厚が厚い箇所は十分にエッチングされず、また被覆膜厚の薄い箇所は必要以上にエッチングされてしまい、エッチング加工不良や基板へのダメージの問題が生じる。そのため、粗密差が大きく、被覆すべき段差の幅が広い段差基盤を、被覆材により平坦化することは非常に困難である。
本発明は以下を包含する。
[1] 加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含むポリシロキサンと溶媒とを含む、有機パターン上に塗布される有機パターン平坦化用組成物であって、
上記ポリシロキサンが、Si原子に対し、シラノール基を40モル%以下の割合で含むものであり、
上記ポリシロキサンの重量平均分子量が1,000〜50,000であり、
上記ポリシロキサン中のケイ素原子、炭素原子及び酸素原子の合計質量に対する炭素原子の質量の割合が10〜40%である組成物。
[2] n値(屈折率)及び/又はk値(減衰係数又は吸光係数)が遠紫外線照射または電子線照射により変化する膜を生成する、[1]に記載の組成物。
[3] エッチレートが遠紫外線照射または電子線照射により変化する膜を生成する、[1]に記載の組成物。
[4] 遠紫外線の波長が172nmである、[2]又は[3]に記載の組成物。
[5] 水接触角が遠紫外線照射または電子線照射により変化する膜を生成する、[1]に記載の組成物。
[6] 遠紫外線または電子線照射後の水接触角の変化が5°以上である、[5]に記載の組成物。
[7] 有機溶剤による表面処理後、膜の厚みが短波長紫外線照射部、短波長紫外線非照射部で変化する膜を生成する[1]に記載の組成物。
[8] 短波長紫外線照射部、短波長紫外線非照射部での膜の厚みの変化が12.5%以上である、[7]に記載の組成物。
[9] ポリシロキサンが、Si原子に対し、シラノール基を20モル%以下の割合で含む、[1]に記載の組成物。
[10] ポリシロキサンの重量平均分子量が1,000〜6,000である、[1]に記載の組成物。
[11] ポリシロキサンの40%固形分濃度における粘度が100mPa・s以下である、[1]に記載の組成物。
[12] ポリシロキサンが、193nm以下の紫外線、電子線照射、又は酸により分解する官能基を有する、[1]に記載の組成物。
[13] 光酸発生剤、又は193nm以下の紫外線若しくは電子線照射により分解する化合物を更に含む、[12]に記載の組成物。
[14] ポリシロキサンが、式(1):
Figure 2020027841

(式(1)中、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、aは1を示す。)で示される加水分解性シランを含む加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含む、[1]に記載の組成物。
[15] Rが、メチル基、ビニル基、フェニル基、グリシジル基、グリシジルシクロヘキシル基、メルカプト基、ジアリルイソシアヌリル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェナントレニル基、スクシニル基、及びベンゼンスルホンアミド基からなる群より選択される、[14]に記載の組成物。
[16] ポリシロキサンが炭素間二重結合を含むモノマー単位を10モル%以上含む、[1]に記載の組成物。
[17] 有機パターンがレジストパターン、ナノインプリントパターン及び有機下層膜パターンからなる群より選択される、[1]に記載の組成物。
[18](i) n値(屈折率)、
(ii) k値(減衰係数又は吸光係数)、
(iii) エッチレート、
(iv) 水接触角、及び
(v) 膜厚
からなる群より選択される少なくとも1つの特性が紫外線照射により変化する膜を作製するための、[1]に記載の組成物。
[19](i) n値(屈折率)、
(ii) k値(減衰係数又は吸光係数)、
(iii) エッチレート、
(iv) 水接触角、及び
(v) 膜厚
からなる群より選択される少なくとも1つの特性が紫外線照射により変化する膜を作製するための、[1]に記載の組成物の使用。
[20] 基板上に有機パターンを形成する工程(1)、有機パターンに[1]〜[18]に記載の組成物を塗布する工程(3)、及び有機パターンをエッチング除去してパターンを反転させる工程(4)を含む半導体装置の製造方法。
[21] 基板上にレジストを形成する工程(1a)、レジストを露光と現像する工程(2)、現像中又は現像後のレジストパターンに[1]〜[18]に記載の組成物を塗布する工程(3a)、及びレジストパターンをエッチング除去してパターンを反転させる工程(4a)を含む半導体装置の製造方法。
[22] 工程(3)の後に、塗膜表面をエッチバックして有機パターン表面を露出する工程(3−1)を含む、[20]に記載の製造方法。
[23] 下記式(2)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(D)を0−10重量部、
下記式(3)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(T)を20−100重量部、
下記式(4)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(Q)を0−80重量部
含む加水分解性シラン原料を加水分解縮合に供する工程を含む、[1]に記載の組成物に含まれるポリシロキサンの製造方法。
Figure 2020027841

[式(2)中、R20はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R21はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
Figure 2020027841

[式(3)中、R30はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R31はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
Figure 2020027841

[式(4)中、R41はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
[24] R20及びR30が、各々独立に、メチル基、ビニル基、フェニル基、グリシジル基、グリシジルシクロヘキシル基、メルカプト基、ジアリルイソシアヌリル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェナントレニル基、スクシニル基、及びベンゼンスルホンアミド基からなる群より選択される、[23]に記載の製造方法。
本発明によれば、高低差や疎密のある段差基板に対し、レジストパターン間に良好に埋め込むことができるシリコン含有組成物が提供され、かつ193nm以下の短波長紫外線または電子線の照射により、有機溶剤に対する溶解耐性が発現し、感光部または電子線照射部のみ本願材料を残存させることが可能になる。すなわち、前述の平坦化が困難である段差基盤に対し、被覆膜厚の薄い箇所に対しては光または電子線照射を行い、硬化させることで保護し、被覆膜厚の厚い箇所のみ溶剤で除去することで、実際の被覆膜厚差を低減させ、基板加工を容易とするものである。
本発明は、特定のポリシロキサンと溶媒とを含む、有機パターン(例えば、レジストパターン、ナノインプリントパターン、有機下層膜パターン)上に塗布される有機パターン平坦化用組成物である。この組成物は、遠紫外線照射または電子線照射により、n値(屈折率)、k値(減衰係数又は吸光係数)、エッチレート、水接触角、膜厚等の特性が変化する膜を作製するための組成物である。
より具体的には、形成される膜のn値(屈折率)及び/又はk値(減衰係数又は吸光係数)は遠紫外線照射または電子線照射により変化する。形成される膜のエッチレートは遠紫外線照射または電子線照射により変化する。
なお、波長が300nm以下の紫外線は深紫外線と呼ばれ、波長200nm以下の紫外線が遠紫外線と呼ばれる。遠紫外線はフォトンエネルギーが通常のUV光よりも大きく、UV光では誘起できない光化学反応を誘発させ、その多くは化学結合の切断と組み換えを伴う。代表的な化学結合の結合エネルギーとそれに相当する光の波長との関係は以下に示される。C−C結合は353kJ/mol(339nmの波長に相当)、C=C結合は582kJ/mol(206nmの波長に相当)、C−H結合は410kJ/mol(292nmの波長に相当)、C−O結合は324kJ/mol(369nmの波長に相当)、C=O結合は628kJ/mol(190nmの波長に相当)、O−H結合は459kJ/mol(261nmの波長に相当)、O=O結合は494kJ/mol(242nmの波長に相当)、Si−O結合は430kJ/mol(278nmの波長に相当)する。
本発明において遠紫外線の波長は好ましくは172nmである。
光学定数は、例えば以下のような方法で測定することができる。すなわち、試験に供する組成物を、スピナーにより回転数1500rpmにてシリコンウェハー上に塗布し、ホットプレート上、205℃で1分間ベークし、被膜を形成する。この被膜を分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、VUV−VASE VU−302)を用い、波長193nmでのn値(屈折率)及びk値(減衰係数又は吸光係数)を測定する。
形成される膜の水接触角は遠紫外線照射または電子線照射により変化する。好ましくは、遠紫外線の波長は172nmであり、照射量は400mJ/cmであり、水接触角の変化は5°以上である。
有機溶剤による表面処理後、膜の厚みが短波長紫外線照射部、短波長紫外線非照射部で変化する膜を生成する。好ましくは、短波長紫外線の波長は193nmであり、照射量は10−400mJ/cmであり、膜の厚みの変化は12.5%以上である。
上記のような用途に適した組成物に含まれる特定のポリシロキサンは、Si原子に対し、シラノール基を40モル%以下の割合、好ましくは30モル%以下、好ましくは20モル%以下の割合で含むものである。
ポリマー中のシラノール基比率はH−NMRにて算出することができる。測定は例えば、JNM−ECA500(JEOL製)を用いて行う。
まず、トリエトキシメチルシランまたはジメチルジエトキシシランのメチルプロトンの化学シフト値(0.0−0.6ppm)の積分比を取り、基準とした場合、シラノール基は5−7ppmでブロードなピークとして検出される。この5−7ppmの積分比を比較することで、ポリマー中のSi原子1個に対するシラノール基の比率(モル%)を算出することができる。
また、一部ポリマーによっては5−7ppmにシラノール基以外のシランモノマー構造に由来する化学シフトが検出されてしまうことがあるため、見かけ上、シラノール基が多く検出されてしまうことがある。トリエトキシメチルシランまたはジメチルジエトキシシランとその他の構成シランモノマーの配合比率が既存であるため、トリエトキシメチルシランまたはジメチルジエトキシシランメチルプロトンの積分比から、構成シランモノマーの5−7ppmで検出されるモノマー由来ピークの積分比を見積もることができる。
シラノール基と同一の化学シフトの範囲に化学シフトを持つシランモノマーを加える場合は、上記のようにして構成シランモノマーの積分比分を差し引くことで正味のシラノール量を算出することができる。
また、上記ポリシロキサンの重量平均分子量は1,000〜50,000であり、好ましくは、1,000〜6,000である。ここで、重量平均分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる。GPCの測定条件は、例えばGPC装置(商品名HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)、GPCカラム(商品名ShodexKF803L、KF802、KF801、昭和電工製)、カラム温度は40℃、溶離液(溶出溶剤)はテトラヒドロフラン、流量(流速)は1.0ml/min、標準試料はポリスチレン(例えば昭和電工株式会社製)を用いて行うことができる。
また、上記ポリシロキサン中のケイ素原子、炭素原子及び酸素原子の合計質量に対する炭素原子の質量の割合は10〜40%、好ましくは10〜30%である。元素組成比率は化学式に基づいて計算により求めることができる。
本発明に係る組成物は有機パターン上に塗布されるため、その塗布性を考慮すると、上記ポリシロキサンの40%固形分濃度における粘度が100mPa・s以下であることが好ましく、さらに好ましくは80mPa・s以下、さらに好ましくは60mPa・s以下であることが好ましい。組成物の粘度は、例えば、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)にて25℃の粘度を測定することができる。
[加水分解性シラン原料]
上記ポリシロキサンは、加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含む。
加水分解性シラン原料は、好ましくは、式(H):
Figure 2020027841

(式(H)中、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、aは1を示す。)で示される加水分解性シランである。
本願のアルキル基は直鎖でも分枝を有してもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基及び1−エチル−2−メチル−n−プロピル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜10のアルキル基である。
また環状アルキル基を用いることもでき、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−i−プロピル−シクロプロピル基、2−i−プロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。ビシクロ基を用いることもできる。好ましくは、炭素原子数1〜10の環状アルキル基である。
本願のアリール基としては、例えばフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−メルカプトフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−アミノフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基及びピレン基が挙げられる。好ましくは炭素原子数6以上又は10以上、40以下又は20以下のアリール基である。
本願のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基とは、それぞれハロゲン原子によって置換されたアルキル基、アリール基であり、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
本願のアルコキシアリール基とは、アルコキシ基が置換したアリール基であり、アルコキシ基としては、直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、1,2−ジメチル−n−プロポキシ基、2,2−ジメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−n−プロポキシ基、n−ヘキシロキシ基、1−メチル−n−ペンチロキシ基、2−メチル−n−ペンチロキシ基、3−メチル−n−ペンチロキシ基、4−メチル−n−ペンチロキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1,2−ジメチル−n−ブトキシ基、1,3−ジメチル−n−ブトキシ基、2,2−ジメチル−n−ブトキシ基、2,3−ジメチル−n−ブトキシ基、3,3−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、2−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ基及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が、また環状のアルコキシ基としてはシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、1−メチル−シクロプロポキシ基、2−メチル−シクロプロポキシ基、シクロペンチロキシ基、1−メチル−シクロブトキシ基、2−メチル−シクロブトキシ基、3−メチル−シクロブトキシ基、1,2−ジメチル−シクロプロポキシ基、2,3−ジメチル−シクロプロポキシ基、1−エチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−シクロプロポキシ基、シクロヘキシロキシ基、1−メチル−シクロペンチロキシ基、2−メチル−シクロペンチロキシ基、3−メチル−シクロペンチロキシ基、1−エチル−シクロブトキシ基、2−エチル−シクロブトキシ基、3−エチル−シクロブトキシ基、1,2−ジメチル−シクロブトキシ基、1,3−ジメチル−シクロブトキシ基、2,2−ジメチル−シクロブトキシ基、2,3−ジメチル−シクロブトキシ基、2,4−ジメチル−シクロブトキシ基、3,3−ジメチル−シクロブトキシ基、1−n−プロピル−シクロプロポキシ基、2−n−プロピル−シクロプロポキシ基、1−i−プロピル−シクロプロポキシ基、2−i−プロピル−シクロプロポキシ基、1,2,2−トリメチル−シクロプロポキシ基、1,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ基、2,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ基、1−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−1−メチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロポキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の好ましい炭素原子数は1〜20である。
本願のアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−エテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−n−プロピルエテニル基、1−メチル−1−ブテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、2−エチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1−i−プロピルエテニル基、1,2−ジメチル−1−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−1−ペンテニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、1−メチル−4−ペンテニル基、1−n−ブチルエテニル基、2−メチル−1−ペンテニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、2−n−プロピル−2−プロペニル基、3−メチル−1−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、3−メチル−4−ペンテニル基、3−エチル−3−ブテニル基、4−メチル−1−ペンテニル基、4−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1,2−ジメチル−1−ブテニル基、1,2−ジメチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1−メチル−2−エチル−2−プロペニル基、1−s−ブチルエテニル基、1,3−ジメチル−1−ブテニル基、1,3−ジメチル−2−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、1−i−ブチルエテニル基、2,2−ジメチル−3−ブテニル基、2,3−ジメチル−1−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチル−3−ブテニル基、2−i−プロピル−2−プロペニル基、3,3−ジメチル−1−ブテニル基、1−エチル−1−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル基、1−n−プロピル−1−プロペニル基、1−n−プロピル−2−プロペニル基、2−エチル−1−ブテニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル基、1−t−ブチルエテニル基、1−メチル−1−エチル−2−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル基、1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基、1−i−プロピル−1−プロペニル基、1−i−プロピル−2−プロペニル基、1−メチル−2−シクロペンテニル基、1−メチル−3−シクロペンテニル基、2−メチル−1−シクロペンテニル基、2−メチル−2−シクロペンテニル基、2−メチル−3−シクロペンテニル基、2−メチル−4−シクロペンテニル基、2−メチル−5−シクロペンテニル基、2−メチレン−シクロペンチル基、3−メチル−1−シクロペンテニル基、3−メチル−2−シクロペンテニル基、3−メチル−3−シクロペンテニル基、3−メチル−4−シクロペンテニル基、3−メチル−5−シクロペンテニル基、3−メチレン−シクロペンチル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基及び3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数2乃至10のアルケニル基である。また、上記ハロゲン原子によって置換された上記アルケニル基も挙げられる。
本願のエポキシ基を有する有機基としては、グリシドキシメチル、グリシドキシエチル、グリシドキシプロピル、グリシドキシブチル、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
本願のアクリロイル基を有する有機基としては、アクリロイルメチル、アクリロイルエチル、アクリロイルプロピル基等が挙げられる。
本願のメタクリロイル基を有する有機基としては、メタクリロイルメチル、メタクリロイルエチル、メタクリロイルプロピル基等が挙げられる。
本願のメルカプト基を有する有機基としては、エチルメルカプト、ブチルメルカプト、ヘキシルメルカプト、オクチルメルカプト基等が挙げられる。
本願のシアノ基を有する有機基としては、シアノエチル、シアノプロピル基等が挙げられる。
好ましくは、Rは、メチル基、ビニル基、フェニル基、グリシジル基、グリシジルシクロヘキシル基、メルカプト基、ジアリルイソシアヌリル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェナントレニル基、スクシニル基、及びベンゼンスルホンアミド基からなる群より選択される。
本願のアルコキシ基としては、直鎖、分岐、環状のアルキル部分を有するアルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、1−メチル−n−ブトキシ基、2−メチル−n−ブトキシ基、3−メチル−n−ブトキシ基、1,1−ジメチル−n−プロポキシ基、1,2−ジメチル−n−プロポキシ基、2,2−ジメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−n−プロポキシ基、n−ヘキシロキシ基、1−メチル−n−ペンチロキシ基、2−メチル−n−ペンチロキシ基、3−メチル−n−ペンチロキシ基、4−メチル−n−ペンチロキシ基、1,1−ジメチル−n−ブトキシ基、1,2−ジメチル−n−ブトキシ基、1,3−ジメチル−n−ブトキシ基、2,2−ジメチル−n−ブトキシ基、2,3−ジメチル−n−ブトキシ基、3,3−ジメチル−n−ブトキシ基、1−エチル−n−ブトキシ基、2−エチル−n−ブトキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロポキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ基及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ基等が、また環状のアルコキシ基としてはシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、1−メチル−シクロプロポキシ基、2−メチル−シクロプロポキシ基、シクロペンチロキシ基、1−メチル−シクロブトキシ基、2−メチル−シクロブトキシ基、3−メチル−シクロブトキシ基、1,2−ジメチル−シクロプロポキシ基、2,3−ジメチル−シクロプロポキシ基、1−エチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−シクロプロポキシ基、シクロヘキシロキシ基、1−メチル−シクロペンチロキシ基、2−メチル−シクロペンチロキシ基、3−メチル−シクロペンチロキシ基、1−エチル−シクロブトキシ基、2−エチル−シクロブトキシ基、3−エチル−シクロブトキシ基、1,2−ジメチル−シクロブトキシ基、1,3−ジメチル−シクロブトキシ基、2,2−ジメチル−シクロブトキシ基、2,3−ジメチル−シクロブトキシ基、2,4−ジメチル−シクロブトキシ基、3,3−ジメチル−シクロブトキシ基、1−n−プロピル−シクロプロポキシ基、2−n−プロピル−シクロプロポキシ基、1−i−プロピル−シクロプロポキシ基、2−i−プロピル−シクロプロポキシ基、1,2,2−トリメチル−シクロプロポキシ基、1,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ基、2,2,3−トリメチル−シクロプロポキシ基、1−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−1−メチル−シクロプロポキシ基、2−エチル−2−メチル−シクロプロポキシ基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロポキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1乃至20のアルコキシ基である。
本願のアシルオキシ基は、例えばメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、s−ブチルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ基、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、及びトシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1乃至20のアシルオキシ基である。
本願のハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
[ポリシロキサンの製造方法]
本発明に係るポリシロキサンは、
下記式(2)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(D)を0−10重量部、
下記式(3)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(T)を20−100重量部、
下記式(4)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(Q)を0−80重量部
含む加水分解性シラン原料を加水分解縮合に供する工程を含む方法によって製造することができる。
Figure 2020027841

[式(D)中、R20はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R21はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
Figure 2020027841

[式(T)中、R30はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R31はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
Figure 2020027841

[式(Q)中、R41はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
式(D)、(T)、(Q)において、R20及びR30のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基は、上記Rにおけるそれらと同義である。
好ましくは、R20及びR30は各々独立に、メチル基、ビニル基、フェニル基、グリシジル基、グリシジルシクロヘキシル基、メルカプト基、ジアリルイソシアヌリル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェナントレニル基、スクシニル基、及びベンゼンスルホンアミド基からなる群より選択される。
式(D)、(T)、(Q)において、R21、R31及びR41のアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子は、上記Rにおけるそれらと同義である。
本発明に係るポリシロキサンは好ましくは193nm以下の紫外線、電子線照射、又は酸により分解する官能基を有する。そのような官能基は、上記式(H)、(D)、(T)、(Q)で表される加水分解性シランに由来してポリシロキサンに導入されてもよいが、これらに由来せずに別の原料によりポリシロキサンに導入されてもよい。そのような官能基としては、例えば、アリル基、アリール基(具体例は上記のアリール基)、カルボニル基、エーテル基、CN基、スルホニル基、NH基、NR基(Rは上記記載の炭素原子数1〜5のアルキル基)等が挙げられ、これらは解離してラジカルを生成することができる。これらラジカルも水素引き抜きによる新たなラジカル発生や、不飽和結合の重合の誘発や、ラジカル同士の再結合により架橋反応に寄与する。
酸により分解する官能基としては、例えば、酸により分解して水酸基を形成し、これが他のポリマーあるいは架橋剤の架橋形成反応活性基と反応して架橋を形成することのできる官能基である。酸で分解する官能基としては、エポキシ基、アシルオキシ基、置換あるいは非置換のアクリロキシ基その他の有機合成に常用される酸分解性官能基がいずれも適用可能である。好ましい官能基としてはアセタール及びケタールがあり、代表的なものの例示として、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−プロポキシエチル基、1−イソプロポオキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−メトキシ−1−プロピル基、1−エトキシ−1−プロピル基、1−プロポオキシ−1−プロピル基、1−イソプロポキシ−1−プロピル基、1−ブトキシ−1−プロピル基、1−t−ブトキシ−1−プロピル基、1−シクロヘキシルオキシ−1−プロピル基等が挙げられる。また、1,2−あるいは1,3−ジオールの場合には、ケタールが利用でき、アセトナイドが代表例として挙げられる。また、3級アルキル基も酸不安定官能基として利用でき、代表的なものの例示としては、t−ブトキシ基、t−アミルオキシ基、ネオペンチルオキシ基が挙げられる。
エポキシ基は、保存安定性が高く、かつ他の架橋性置換基やエポキシ基自身とも反応して架橋を容易に形成する、特に好ましい官能基である。エポキシ基は2,3−エピ−1−プロポキシ基のように珪素側鎖の鎖状の骨格に対して末端に導入することができ、またエポキシ基の珪素側と逆側に置換基を持った形、即ち側鎖の中間にも導入することもできる。また、エポキシシクロヘキシル骨格、エポキシノルボルニル骨格のように、珪素に側鎖として結合した環状の骨格、あるいはスペーサーを挟んで珪素と結合した環状の骨格中にもエポキシ基を導入することができる。
アシルオキシ基としては、上記のアシルオキシ基等が使用し得る。
置換あるいは非置換のアクリロキシ基としては、代表的にはアクリル基、メタクリル基が挙げられるが、α−位、β−位に置換基を有していてもよく、置換基同士が結合して環を形成してもよい。
水酸基はフェニル基、ナフチル基、又はアントラニル基に結合させて使用することができる。この場合、水酸基は架橋性基としてだけではなく、芳香族基が架橋反応を起こすための活性基として働くこともある。但し、芳香族基の導入は、犠牲膜のドライエッチング速度を大きく下げるため、導入する際の導入量は注意が必要である。
本発明に係るポリシロキサンは好ましくは炭素間二重結合を含むモノマー単位を10モル%以上含む。このような炭素間二重結合もまた、活性酸素種により酸化して、酸化反応により極性官能基(−OH基、−CHO基、−COOH基)を形成し、これらの極性官能基同士の反応によって架橋反応を進行させる。172nm以下の遠紫外線照射では複数の要因により複雑な光化学反応が進行し架橋構造が形成し、被膜の硬化が起こる。
[加水分解]
アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、又はハロゲン化シリル基の加水分解には、加水分解性基の1モル当たり、0.5〜100モル、好ましくは1〜10モルの水を用いる。
また、加水分解性基の1モル当たり0.001〜10モル、好ましくは0.001〜1モルの加水分解触媒を用いることができる。
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常20〜80℃である。
加水分解は完全に加水分解を行うことも、部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
加水分解し縮合させる際に触媒を用いることができる。
加水分解触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン等のチタンキレート化合物、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物があげられる。
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。
無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
特に、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン等のケトン系溶媒が溶液の保存安定性の点で好ましい。
加水分解性シランを溶媒中で触媒を用いて加水分解し縮合し、得られた加水分解縮合物(ポリマー)は減圧蒸留等により副生成物のアルコールや用いた加水分解触媒や水を同時に除去することができる。また、加水分解に用いた酸や塩基触媒を中和やイオン交換により取り除くことができる。そして本願発明の被覆膜形成組成物、特にはリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物では、その加水分解縮合物を含む被覆膜形成組成物(レジスト下層膜形成組成物)は安定化のために有機酸、水、アルコール、又はそれらの組み合わせを添加することができる。
上記有機酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、クエン酸、グルタル酸、クエン酸、乳酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。中でも、シュウ酸、マレイン酸等が好ましい。
加える有機酸は縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.1〜5.0質量部である。また加える水は純水、超純水、イオン交換水等を用いることができ、その添加量は被覆膜形成組成物(レジスト下層膜形成組成物)100質量部に対して1〜20質量部とすることができる。
また加えるアルコールとしては塗布後の加熱により飛散しやすいものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。加えるアルコールは被覆膜形成組成物(レジスト下層膜形成組成物)100質量部に対して1〜20質量部とすることができる。
[溶媒]
本発明に係る組成物に使用される溶媒としては、前記の固形分を溶解できる溶媒であれば、特に制限なく使用することができる。そのような溶媒としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、4−メチル−2−ペンタノール、及びγ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で、または二種以上の組み合わせで使用することができる。
本発明では光架橋に加えて、予備乾燥時に低温(例えば100℃〜170℃程度)での熱架橋を併用し、光硬化レジスト下層膜の硬化を完全なものにする事ができる。
それらの硬化触媒としては、アンモニウム塩、ホスフィン類、ホスホニウム塩、スルホニウム塩を用いることができる。
アンモニウム塩としては、式(D−1):
Figure 2020027841
(但し、mは2〜11、nは2〜3の整数を、Rはアルキル基又はアリール基を、Yは陰イオンを示す。)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−2):
Figure 2020027841
(但し、R、R、R、及びRはアルキル基又はアリール基を、Nは窒素原子を、Yは陰イオンを示し、且つR、R、R、及びRはそれぞれC−N結合により窒素原子と結合されているものである)で示される構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−3):
Figure 2020027841
(但し、R及びRはアルキル基又はアリール基を、Yは陰イオンを示す)の構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−4):
Figure 2020027841
(但し、Rはアルキル基又はアリール基を、Yは陰イオンを示す)の構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−5):
Figure 2020027841
(但し、R及びR10はアルキル基又はアリール基を、Yは陰イオンを示す)の構造を有する第4級アンモニウム塩、
式(D−6):
Figure 2020027841
(但し、mは2〜11、nは2〜3の整数を、Hは水素原子を、Yは陰イオンを示す)の構造を有する第3級アンモニウム塩が挙げられる。
また、ホスホニウム塩としては、式(D−7):
Figure 2020027841
(但し、R11、R12、R13、及びR14はアルキル基又はアリール基を、Pはリン原子を、Yは陰イオンを示し、且つR11、R12、R13、及びR14はそれぞれC−P結合によりリン原子と結合されているものである)で示される第4級ホスホニウム塩が挙げられる。
また、スルホニウム塩としては、式(D−8):
Figure 2020027841
(但し、R15、R16、及びR17はアルキル基又はアリール基を、Sは硫黄原子を、Yは陰イオンを示し、且つR15、R16、及びR17はそれぞれC−S結合により硫黄原子と結合されているものである)で示される第3級スルホニウム塩が挙げられる。
上記の式(D−1)の化合物は、アミンから誘導される第4級アンモニウム塩であり、mは2〜11、nは2〜3の整数を示す。この第4級アンモニウム塩のRは炭素数1〜18、好ましくは2〜10のアルキル基又はアリール基を示し、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖アルキル基や、ベンジル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ジシクロペンタジエニル基等が挙げられる。また陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。
上記の式(D−2)の化合物は、Rで示される第4級アンモニウム塩である。この第4級アンモニウム塩のR、R、R及びRは炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、またはSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物である。陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。この第4級アンモニウム塩は、市販品で入手する事が可能であり、例えばテトラメチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム等が例示される。
上記の式(D−3)の化合物は、1−置換イミダゾールから誘導される第4級アンモニウム塩であり、R及びRは炭素数1〜18であり、R及びRの炭素数の総和が7以上であることが好ましい。例えばRはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベンジル基を、Rはベンジル基、オクチル基、オクタデシル基を例示する事が出来る。陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は、市販品で入手する事も出来るが、例えば1−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール等のイミダゾール系化合物と、臭化ベンジル、臭化メチル等のハロゲン化アルキルやハロゲン化アリールを反応させて製造する事ができる。
上記の式(D−4)の化合物は、ピリジンから誘導される第4級アンモニウム塩であり、Rは炭素数1〜18、好ましくは炭素数4〜18のアルキル基又はアリール基であり、例えばブチル基、オクチル基、ベンジル基、ラウリル基を例示する事が出来る。陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は、市販品として入手する事も出来るが、例えばピリジンと、塩化ラウリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、臭化メチル、臭化オクチル等のハロゲン化アルキル、又はハロゲン化アリールを反応させて製造する事が出来る。この化合物は例えば、塩化N−ラウリルピリジニウム、臭化N−ベンジルピリジニウム等を例示する事が出来る。
上記の式(D−5)の化合物は、ピコリン等に代表される置換ピリジンから誘導される第4級アンモニウム塩であり、Rは炭素数1〜18、好ましくは4〜18のアルキル基又はアリール基であり、例えばメチル基、オクチル基、ラウリル基、ベンジル基等を例示する事が出来る。R10は炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基であり、例えばピコリンから誘導される第4級アンモニウムである場合はR10はメチル基である。陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は市販品として入手する事も出来るが、例えばピコリン等の置換ピリジンと、臭化メチル、臭化オクチル、塩化ラウリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化アルキル、又はハロゲン化アリールを反応させて製造する事が出来る。この化合物は例えば、N−ベンジルピコリニウムクロライド、N−ベンジルピコリニウムブロマイド、N−ラウリルピコリニウムクロライド等を例示することが出来る。
上記の式(D−6)の化合物は、アミンから誘導される第3級アンモニウム塩であり、mは2〜11、nは2〜3の整数を示す。また陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。アミンとカルボン酸やフェノール等の弱酸との反応によって製造する事が出来る。カルボン酸としてはギ酸や酢酸が挙げられ、ギ酸を使用した場合は、陰イオン(Y)は(HCOO)であり、酢酸を使用した場合は、陰イオン(Y)は(CHCOO)である。またフェノールを使用した場合は、陰イオン(Y)は(C)である。
上記の式(D−7)の化合物は、R11121314の構造を有する第4級ホスホニウム塩である。R11、R12、R13、及びR14は炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、またはSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物であるが、好ましくはR11〜R14の4つの置換基の内で3つがフェニル基又は置換されたフェニル基であり、例えばフェニル基やトリル基を例示する事が出来、また残りの1つは炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、又はSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物である。また陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は市販品として入手する事が可能であり、例えばハロゲン化テトラn−ブチルホスホニウム、ハロゲン化テトラn−プロピルホスホニウム等のハロゲン化テトラアルキルホスホニウム、ハロゲン化トリエチルベンジルホスホニウム等のハロゲン化トリアルキルベンジルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスホニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスホニウム、ハロゲン化テトラフェニルホスホニウム、ハロゲン化トリトリルモノアリールホスホニウム、或いはハロゲン化トリトリルモノアルキルホスホニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)が挙げられる。特に、ハロゲン化トリフェニルメチルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスホニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスホニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスホニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアリールホスホニウム、ハロゲン化トリトリルモノフェニルホスホニウム等のハロゲン化トリトリルモノアリールホスホニウムや、ハロゲン化トリトリルモノメチルホスホニウム等のハロゲン化トリトリルモノアルキルホスホニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)が好ましい。
また、ホスフィン類としては、メチルホスフィン、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、イソプロピルホスフィン、イソブチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第一ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジイソプロピルホスフィン、ジイソアミルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第二ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等の第三ホスフィンが挙げられる。
上記の式(D−8)の化合物は、R151617の構造を有する第3級スルホニウム塩である。R15、R16、及びR17は炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、またはSi−C結合によりケイ素原子と結合しているシラン化合物であるが、好ましくはR15〜R17の4つの置換基の内で3つがフェニル基又は置換されたフェニル基であり、例えばフェニル基やトリル基を例示する事が出来、また残りの1つは炭素数1〜18のアルキル基、又はアリール基である。また陰イオン(Y)は、塩素イオン(Cl)、臭素イオン(Br)、ヨウ素イオン(I)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO)、スルホナト(−SO )、アルコラート(−O)等の酸基を挙げることが出来る。この化合物は市販品として入手する事が可能であり、例えばハロゲン化トリn−ブチルスルホニウム、ハロゲン化トリn−プロピルスルホニウム等のハロゲン化テトラアルキルスルホニウム、ハロゲン化ジエチルベンジルスルホニウム等のハロゲン化トリアルキルベンジルスルホニウム、ハロゲン化ジフェニルメチルスルホニウム、ハロゲン化ジフェニルエチルスルホニウム等のハロゲン化ジフェニルモノアルキルスルホニウム、ハロゲン化トリフェニルスルホニウム、(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)、トリn−ブチルスルホニウムカルボキシラート、トリn−プロピルスルホニウムカルボキシラート等のテトラアルキルホスフォニウムカルボキシラート、ジエチルベンジルスルホニウムカルボキシラート等のトリアルキルベンジルスルホニウムカルボキシラート、ジフェニルメチルスルホニウムカルボキシラート、ジフェニルエチルスルホニウムカルボキシラート等のジフェニルモノアルキルスルホニウムカルボキシラート、トリフェニルスルホニウムカルボキシラート。また、ハロゲン化トリフェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウムカルボキシラートが好ましく用いることができる。
硬化触媒はポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.01〜10質量部、または0.01〜5質量部、または0.01〜3質量部である。
本発明に係る組成物は架橋剤成分を含むことができる。その架橋剤としては、メラミン系、置換尿素系、またはそれらのポリマー系等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグワナミン、ブトキシメチル化ベンゾグワナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素等の化合物である。また、これらの化合物の縮合体も使用することができる。
また、上記架橋剤としては耐熱性の高い架橋剤を用いることができる。耐熱性の高い架橋剤としては分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を好ましく用いることができる。
この化合物は下記式(4)の部分構造を有する化合物や、下記式(5)の繰り返し単位を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられる。
式(4)中、R3及びR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、n1は1〜4の整数であり、n2は1〜(5−n1)の整数であり、(n1+n2)は2〜5の整数を示す。
式(5)中、R5は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R6は炭素数1〜10のアルキル基であり、n3は1〜4の整数であり、n4は0〜(4−n3)であり、(n3+n4)は1〜4の整数を示す。オリゴマー及びポリマーは繰り返し単位構造の数が2〜100、又は2〜50の範囲で用いることができる。
これらのアルキル基及びアリール基は、上記アルキル基及びアリール基を例示することができる。
Figure 2020027841
式(4)、式(5)の化合物、ポリマー、オリゴマーは以下に例示される。
Figure 2020027841
Figure 2020027841
Figure 2020027841
上記化合物は旭有機材工業(株)、本州化学工業(株)の製品として入手することができる。例えば上記架橋剤の中で式(4−21)の化合物は旭有機材工業(株)、商品名TM−BIP−Aとして入手することができる。
また、式(4−22)の化合物は本州化学工業(株)、商品名TMOM−BPとして入手することができる。
架橋剤の添加量は、使用する塗布溶剤、使用する下地基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全固形分に対して0.001〜80質量%、好ましくは 0.01〜50質量%、さらに好ましくは0.05〜40質量%である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、本発明の上記のポリマー中に架橋性置換基が存在する場合は、それらの架橋性置換基と架橋反応を起こすことができる。
本発明に係る組成物は酸発生剤を含有することができる。酸発生剤としては、熱酸発生剤や光酸発生剤が挙げられる。
光酸発生剤は組成物の露光時に酸を生ずる。これはシロキサンの光硬化を加速させることが可能である。
本発明に係る組成物に含まれる熱酸発生剤としては、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、その他有機スルホン酸アルキルエステル等が挙げられる。
本発明に係る組成物に含まれる光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としてはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
光酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して、0.01〜5質量部、または0.1〜3質量部、または0.5〜1質量部である。
また、本発明に係る組成物は193nm以下の紫外線若しくは電子線照射により分解する化合物を更に含むことができる。そのような化合物は典型的には水蒸気(水)である。シリコン含有被覆膜、特にはシリコン含有レジスト下層膜の光硬化はしばしば172nmの光照射装置を用いて不活性ガス(特には窒素ガス)雰囲気下で行われるが、ごく微量の酸素(10ppm〜1000ppm程度、特に100ppm前後)が存在する場合がある。またその雰囲気下にはシラノール基の脱水縮合等により生じる水蒸気(水)も存在する場合がある。遠紫外線は酸素分子や窒素分子に吸収されやすい。172nm以下の遠紫外線は一重項酸素原子と三重項酸素原子に解離する。一重項酸素原子は三重項酸素原子よりもエネルギーの高い状態(活性が高い状態)であり、炭化水素分子から水素を引き抜き、ラジカルを生成させることができる。
また水蒸気(水分子)は190nm以下の遠紫外線を吸収し水素ラジカルとヒドロキシ
ルラジカルに解離する。また一重項酸素原子は水分子と反応して2分子のヒドロキシルラ
ジカルを生成する。
原子状酸素、オゾン、OHラジカル等の活性酸素種は有機分子を酸化し、化学反応を加速させる。ラジカルによる新たなラジカル発生や、ラジカルによる不飽和結合の重合の誘発や、ラジカル同士の再結合により有機成分の架橋反応が進行する。また、シラノール基は分解と結合によりシロキサン結合を形成し架橋反応が進行する。
界面活性剤は、本発明に係る組成物を基板に塗布した際に、ピンホール及びストレーション等の発生を抑制するのに有効である。
本発明に係る組成物に含むことができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また二種以上の組み合わせで使用することもできる。
界面活性剤が使用される場合、その割合としては、縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.0001〜5質量部、または0.001〜1質量部、または0.01〜0.5質量部である。
[半導体装置の製造方法]
本発明はまた、基板上に有機パターンを形成する工程(1)、有機パターンに本発明に係る組成物を塗布する工程(3)、及び有機パターンをエッチング除去してパターンを反転させる工程(4)を含む半導体装置の製造方法に関する。工程(3)の後に、塗膜表面をエッチバックして有機パターン表面を露出する工程(3−1)を含めることができる。
本発明はまた、基板上にレジストを形成する工程(1a)、レジストを露光と現像する工程(2)、現像中又は現像後のレジストパターンに本発明に係る組成物を塗布する工程(3a)、及びレジストパターンをエッチング除去してパターンを反転させる工程(4a)を含む半導体装置の製造方法に関する。
上記レジストを露光と現像する工程(2)は、連続して2回以上行われてもよい(多重露光プロセス)。
以下に順に説明する。
半導体装置の製造に使用される基板(例えば、シリコンウエハー基板、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板、及び低誘電率材料(low−k材料)被覆基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明の組成物が塗布され、その後、必要であれば焼成しその後に露光してレジスト下層膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度70℃〜400℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度150℃〜250℃、焼成時間10秒〜5分間である。段差を有する基板に本発明に係る組成物を塗布する工程(i)、及び露光する工程(ii)を含む被覆基板が製造される。
工程(i)の本発明に係る組成物を塗布した後に70乃至400℃の温度で、10秒〜5分間の加熱を行う(ia)工程を加えることができる。
工程(ii)の露光波長は通常150nm乃至330nm、好ましくは150nm乃至248nmである。特には172nmの波長で露光され本発明に係る有機パターン平坦化膜が硬化する。
工程(ii)の露光量は10mJ/cm乃至3000mJ/cmとする事ができる。工程(ii)は、酸素及び/又は水蒸気(水)が存在する不活性ガス雰囲気下で露光を行う事ができる。不活性ガスとしては特に窒素ガスを好ましく用いることができる。基板としてはオープンエリア(非パターンエリア)と、DENCE(密)及びISO(粗)のパターンエリアを有し、パターンのアスペクト比が0.1〜10であるいわゆる段差基板を用いる事ができる。ここで、形成される有機パターン平坦化膜の膜厚としては、例えば、10〜1000nmであり、または20〜500nmであり、または50〜300nmであり、または100〜200nmである。
露光して形成される有機パターン平坦化膜は、オープンエリアとパターンエリアとのBias(塗布段差)が1〜50nmとする事ができる。
次いでその有機パターン平坦化膜の上に、例えばフォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト組成物溶液の下層膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。フォトレジストの膜厚としては例えば50〜10000nmであり、または100〜2000nmであり、または200〜1000nmである。
本発明では基板上に有機下層膜を成膜した後、この上に本発明に係る有機パターン平坦化膜を成膜し、更にその上にフォトレジストを被覆することができる。これによりフォトレジストのパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐ為にフォトレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することによりレジストパターンを下層に転写して基板の加工が可能になる。例えば、フォトレジストに対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして本願発明の有機パターン平坦化膜に加工が可能であり、また本願発明の有機パターン平坦化膜に対して十分に早いエッチング速度となる酸素系ガスをエッチングガスとして有機下層膜の加工が可能であり、更に有機下層膜に対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして基板の加工を行うことができる。
本発明に係る有機パターン平坦化膜の上に形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがある。例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、及び信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330−334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357−364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365−374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(post exposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択された条件で行われる。
また、本発明ではレジストとしてフォトレジストに変えて電子線リソグラフィー用レジスト、又はEUVリソグラフィー用レジストを用いることができる。電子線レジストとしてはネガ型、ポジ型いずれも使用できる。酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーからなる化学増幅型レジスト、アルカリ可溶性バインダーと酸発生剤と酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を変化させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーと酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を変化させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト、電子線によって分解してアルカリ溶解速度を変化させる基を有するバインダーからなる非化学増幅型レジスト、電子線によって切断されアルカリ溶解速度を変化させる部位を有するバインダーからなる非化学増幅型レジストなどがある。これらの電子線レジストを用いた場合も照射源を電子線としてフォトレジストを用いた場合と同様にレジストパターンを形成することができる。
また、EUVレジストとしてはメタクリレート樹脂系レジストを用いることができる。
次いで、現像液(例えばアルカリ現像液)によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜600秒から適宜選択される。
また、本願発明では現像液として有機溶剤を用いることができる。露光後に現像液(溶剤)によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光されない部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜600秒から適宜選択される。
そして、このようにして形成されたフォトレジスト(上層)のパターンを保護膜として本発明の有機パターン平坦化膜(中間層)の除去が行われ、次いでパターン化されたフォトレジスト及び本発明のレジスト下層膜(中間層)からなる膜を保護膜として、有機下層膜(下層)の除去が行われる。最後に、パターン化された本発明の有機パターン平坦化膜(中間層)及び有機下層膜(下層)を保護膜として、半導体基板の加工が行なわれる。
まず、フォトレジストが除去された部分の本発明の有機パターン平坦化膜(中間層)をドライエッチングによって取り除き、半導体基板を露出させる。本発明の有機パターン平坦化膜のドライエッチングにはテトラフルオロメタン(CF)、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素、塩素、トリクロロボラン及びジクロロボラン等のガスを使用することができる。レジスト下層膜のドライエッチングにはハロゲン系ガスを使用することが好ましい。ハロゲン系ガスによるドライエッチングでは、基本的に有機物質からなるフォトレジストは除去されにくい。それに対し、シリコン原子を多く含む本願発明の有機パターン平坦化膜はハロゲン系ガスによって速やかに除去される。そのため、有機パターン平坦化膜のドライエッチングに伴うフォトレジストの膜厚の減少を抑えることができる。そして、その結果、フォトレジストを薄膜で使用することが可能となる。有機パターン平坦化膜のドライエッチングはフッ素系ガスによることが好ましく、フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF)、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH)等が挙げられる。
その後、パターン化されたフォトレジスト及び本発明の有機パターン平坦化膜からなる膜を保護膜として有機下層膜の除去が行われる。有機下層膜(下層)は酸素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。シリコン原子を多く含む本発明の有機パターン平坦化膜は、酸素系ガスによるドライエッチングでは除去されにくいからである。
最後に、半導体基板の加工が行なわれる。半導体基板の加工はフッ素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。
フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF)、パーフルオロシク
ロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、及び
ジフルオロメタン(CH)等が挙げられる。
また、本発明の有機パターン平坦化膜の上層には、フォトレジストの形成前に有機系の反射防止膜を形成することができる。そこで使用される反射防止膜組成物としては特に制限はなく、これまでリソグラフィープロセスにおいて慣用されているものの中から任意に選択して使用することができ、また、慣用されている方法、例えば、スピナー、コーターによる塗布及び焼成によって反射防止膜の形成を行なうことができる。
また、本発明の有機パターン平坦化用組成物が塗布される基板は、その表面にCVD法などで形成された有機系または無機系の反射防止膜を有するものであってもよく、その上に本発明の有機パターン平坦化膜を形成することもできる。
本発明に係る組成物より形成される有機パターン平坦化膜は、また、リソグラフィープロセスにおいて使用される光の波長によっては、その光に対する吸収を有することがある。そして、そのような場合には、基板からの反射光を防止する効果を有する反射防止膜として機能することができる。さらに、本発明の有機パターン平坦化膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
また、本発明に係る組成物より形成される有機パターン平坦化膜は、デュアルダマシンプロセスで用いられるビアホールが形成された基板に適用され、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み材として使用できる。また、凹凸のある半導体基板の表面を平坦化するための平坦化材として使用することもできる。
また、有機パターン平坦化膜はEUVレジストの下層膜としも使用出来、ハードマスクとしての機能以外に以下の目的にも使用できる。EUVレジストとインターミキシングすることなく、EUV露光(波長13.5nm)に際して好ましくない露光光、例えば上述のUVやDUV(ArF光、KrF光)の基板又は界面からの反射を防止することができるEUVレジストの下層反射防止膜として、本発明に係る組成物を用いることができる。EUVレジストの下層で効率的に反射を防止することができる。EUVレジスト下層膜として用いた場合は、プロセスはフォトレジスト用下層膜と同様に行うことができる。
また、本発明のレジストパターンに塗布される組成物は、パターン化されたレジスト下層膜上に塗布することもできる。
即ち、基板上にレジスト下層膜を形成する工程(a)、その上にハードマスクを形成する工程(b)、更にその上にレジスト膜を形成する工程(c)、光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程(d)、レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程(e)、パターン化されたハードマスクによりレジスト下層膜をエッチングする工程(f)、パターン化されたレジスト下層膜に本発明の塗布組成物を塗布する工程(g)、レジスト下層膜をエッチング除去してパターンを反転させる工程(h)を含む半導体装置の製造方法である。
ここで用いられるレジスト下層膜は上述の有機樹脂を用いたハードマスクであり、用いられるハードマスクは上述のシランの加水分解縮合物であるポリシロキサンによるケイ素のハードマスクである。レジストパターンによりハードマスクをエッチングする工程(e)ではフッ素系のガスによるエッチングが行われる。パターン化されたハードマスクによりレジスト下層膜をエッチングする工程(f)では酸素系のガスによるエッチングが行われる。また、レジスト下層膜をエッチング除去してパターンを反転させる工程(h)では酸素系のガスによるエッチングが行われる。
工程(g)において塗布組成物を加熱して塗膜を形成することができる。加熱は焼成温度50乃至500℃で、0.5乃至5分間行われる。
そして、本発明においては工程(g)の後に塗膜表面をエッチバックしてレジストパターン表面を露出する工程を含むことができる。これにより、後の工程(h)において、レジスト下層膜表面と塗布組成物の表面が一致し、レジスト下層膜パターンと塗布組成物のガスエッチング速度の違いから、レジスト下層膜成分のみを除去し、塗布組成物による成分が残り、結果的にパターンの反転が生じる。上述のエッチバックは塗布組成物が除去できるガス(例えばフッ素系ガス)によってレジスト下層膜パターンの露出が行われる。
以下に実施例等を参照して本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例等によってなんら制限を受けるものではない。
下記合成例で得られたポリマーの重量平均分子量の測定に用いた装置等を示す。
装置:東ソー株式会社製HLC−8320GPC
GPCカラム:Shodex〔登録商標〕・Asahipak〔登録商標〕(昭和電工(株))
カラム温度:40℃
流量:0.6mL/分
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
標準試料:ポリスチレン(東ソー株式会社)
(合成例1)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン17.8g、アセトン58.0gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液37.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間、還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを78g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)の溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−1)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1800であった。計算による元素組成比率はC10.5%/H31.6%/O36.8%/Si21.1%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.20であった。また、40%固形分濃度における粘度は、42mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例2)
メチルトリエトキシシラン17.8g、アセトン26.7gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液16.2gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間、還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを64g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)の溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−2)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1600であった。計算による元素組成比率はC15.4%/H46.2%/O23.1%/Si15.4%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.13であった。また、40%固形分濃度における粘度は、38mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例3)
ビニルトリメトキシシラン14.3g、アセトン22.2gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液16.2gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間、還流させた。その後、酢酸ノルマルブチルを64g加え、アセトン、メタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)の溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−3)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1300であった。計算による元素組成比率はC26.7%/H40.0%/O20.0%/Si13.3%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.20であった。また、40%固形分濃度における粘度は、35mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例4)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン41.6g、アセトン93.7gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液59.5gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間、還流させた。その後、4−メチル−2−ペンタノールを124g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)の溶液を得た。得られたポリマー溶液130gに酢酸0.1gを加え、反応溶液温度を125℃まで上昇させた後、8時間反応させた。得られたポリマーは下記式(P−4)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw5000であった。計算による元素組成比率はC17.7%/H46.3%/O22.4%/Si13.6%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.11であった。また、40%固形分濃度における粘度は、30mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例5)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、フェニルトリメトキシシラン4.0g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン57.7gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを76g加え、アセトン、メタノール、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−5)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1500であった。計算による元素組成比率はC17.7%/H46.3%/O22.4%/Si13.6%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.09であった。また、40%固形分濃度における粘度は、10mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例6)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン4.7g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン58.8gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを78g加え、アセトン、メタノール、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−6)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2100であった。計算による元素組成比率はC16.7%/H39.4%/O28.8%/Si15.2%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.08であった。また、40%固形分濃度における粘度は、51mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例7)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、2―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン4.9g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン59.1gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを78g加え、アセトン、メタノール、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−7)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2500であった。計算による元素組成比率はC18.8%/H40.6%/O26.1%/Si14.5%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.09であった。また、40%固形分濃度における粘度は、47mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例8)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、3−(トリメトキシシリル)プロパンチオール4.8g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン58.9gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを78g加え、アセトン、メタノール、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−8)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2100であった。計算による元素組成比率はC13.8%/H37.9%/O29.3%/S1.7%/Si17.2%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.11であった。また、40%固形分濃度における粘度は、24mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例9)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、3―(トリエトキシシリル)プロピルジアリルイソシアヌレート8.3g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン64.2gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを86g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−9)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1400であった。計算による元素組成比率はC21.0%/H38.3%/O24.7%/N3.7%/Si12.3%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.12であった。また、40%固形分濃度における粘度は、17mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例10)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、3−(フェニルスルホニル)プロピルトリエトキシシラン6.9g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン62.1gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを82g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−10)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1500であった。計算による元素組成比率はC20.0%/H37.1%/O27.1%/S1.4%/Si14.3%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.13であった。また、40%固形分濃度における粘度は、18mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例11)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、3−(フェナントレン−9−イル)プロピルトリメトキシシラン6.8g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン62.0gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを82g加え、アセトン、メタノール、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−11)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1600であった。計算による元素組成比率はC27.8%/H38.0%/O21.5%/Si12.7%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.09であった。また、40%固形分濃度における粘度は、30mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例12)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物6.1g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン60.9gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを82g加え、アセトン、メタノール、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−12)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1500であった。計算による元素組成比率はC18.2%/H36.4%/O30.3%/Si15.2%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.08であった。また、40%固形分濃度における粘度は、44mPa・sであった。
Figure 2020027841
(合成例13)
テトラエトキシシラン20.8g、メチルトリエトキシシラン10.7g、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド7.2g、ジメチルジエトキシシラン3.0g、アセトン62.6gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液36.8gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを84g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーは下記式(P−13)に相当するものであり、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1800であった。計算による元素組成比率はC19.4%/H37.5%/O26.4%/N1.4%/S1.4%/Si13.9%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.18であった。また、40%固形分濃度における粘度は、29mPa・sであった。
Figure 2020027841
(比較合成例1)
テトラエトキシシラン20.8g、アセトン31.2gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01M塩酸水溶液21.6gを滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、16時間還流させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを42g加え、アセトン、エタノール、水を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)溶液を得た。得られたポリマーはGPCによる重量平均分子量は下記式(P−14)に相当するものであり、ポリスチレン換算でMw3100であった。計算による元素組成比率はO66.7%/Si33.3%であった。NMRから算出されたシラノール量は、ケイ素原子数を1.00として換算した場合0.53であった。また、40%固形分濃度における粘度は、250mPa・sであった。
Figure 2020027841
(レジストパターンに塗布される組成物の調製)
上記合成例で得られたポリシロキサン(ポリマー)、酸、溶剤を表1に示す割合で混合し、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、レジストパターンに塗布される組成物をそれぞれ調製した。表1中のポリマーの添加割合はポリマー溶液の添加量ではなく、ポリマー自体の添加量を示した。表中で水は超純水を用いた。
Figure 2020027841
(溶剤耐性、現像液溶解性試験)
実施例1〜13、比較例1で調製したSi含有塗布液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で80℃1分間加熱し、Si含有レジスト下層膜をそれぞれ形成した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=7/3の溶剤(溶剤1)をSi含有膜上に塗布、スピン乾燥し、溶剤塗布前後での膜厚の変化の有無を評価した。膜厚変化が1%以下のものを「変化なし」、膜厚変化が1%以上のものを「溶解」とした。
また同様にして実施例1〜13、比較例1で調製したSi含有塗布液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で80℃1分間加熱し、Si含有膜をそれぞれ形成した。その後、4−メチル−2―ペンタノール(溶剤2)をSi含有膜上に塗布、スピン乾燥し、溶剤塗布前後での膜厚の変化の有無を評価した。膜厚変化が1%以下のものを「不溶」、膜厚変化が1%以上のものを「溶解」とした。
Figure 2020027841
(接触角の測定)
実施例1−4で調製した組成物をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で80℃1分間加熱し、塗膜を形成(膜厚0.04μm)した。その後、全自動接触角計 DM−701(協和界面科学株式会社)を用いて水の接触角を測定した。一方、実施例1−4で調製した組成物が塗布された塗膜(膜厚0.04μm)に対し、光照射装置(ウシオ電機株式会社)を用いて波長172nmの光を400mJ照射、光照射後の塗布膜に対し、水の接触角を同様に測定した。実施例1−4から調製された塗布膜の光照射前後の水接触角を比較した。光照射前後で5°以上の接触角変化があった場合「変化あり」とし、5°以上の接触角変化が無い場合「変化なし」とした。
Figure 2020027841
〔光照射による膜厚の変化〕
実施例1−8で調製した組成物を、スピナーを用いシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で80℃1分間加熱し、塗膜を形成(膜厚0.04μm)した。その後、ArF露光装置S307E(株式会社ニコン製)を用い、波長193nmの光を10−400mJ照射した。光照射前後の塗布膜に対し、プロピレングリコールモノメチルエーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=7/3の溶剤(溶剤1)を塗布、スピン乾燥し、光照射前後での膜厚の変化の有無を評価した。光照射前後で膜厚が0.005μm以上変化したものを「変化あり」、変化しなかったものを「変化なし」とした。
Figure 2020027841
本発明によれば、高低差や疎密のある段差基板に対し、レジストパターン間に良好に埋め込むことができるシリコン含有組成物が提供され、かつ193nm以下の短波長紫外線または電子線の照射により、有機溶剤に対する溶解耐性が発現し、感光部または電子線照射部のみ本願材料を残存させることが可能になる。すなわち、前述の平坦化が困難である段差基盤に対し、被覆膜厚の薄い箇所に対しては光または電子線照射を行い、硬化させることで保護し、被覆膜厚の厚い箇所のみ溶剤で除去することで、実際の被覆膜厚差を低減させ、基板加工を容易とするものである。

Claims (24)

  1. 加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含むポリシロキサンと溶媒とを含む、有機パターン上に塗布される有機パターン平坦化用組成物であって、
    上記ポリシロキサンが、Si原子に対し、シラノール基を40モル%以下の割合で含むものであり、
    上記ポリシロキサンの重量平均分子量が1,000〜50,000であり、
    上記ポリシロキサン中のケイ素原子、炭素原子及び酸素原子の合計質量に対する炭素原子の質量の割合が10〜40%である組成物。
  2. n値(屈折率)及び/又はk値(減衰係数又は吸光係数)が遠紫外線照射または電子線照射により変化する膜を生成する、請求項1に記載の組成物。
  3. エッチレートが遠紫外線照射または電子線照射により変化する膜を生成する、請求項1に記載の組成物。
  4. 遠紫外線の波長が172nmである、請求項2又は3に記載の組成物。
  5. 水接触角が遠紫外線照射または電子線照射により変化する膜を生成する、請求項1に記載の組成物。
  6. 遠紫外線または電子線照射後の水接触角の変化が5°以上である、請求項5に記載の組成物。
  7. 有機溶剤による表面処理後、膜の厚みが短波長紫外線照射部、短波長紫外線非照射部で変化する膜を生成する請求項1に記載の組成物。
  8. 短波長紫外線照射部、短波長紫外線非照射部での膜の厚みの変化が12.5%以上である、請求項7に記載の組成物。
  9. ポリシロキサンが、Si原子に対し、シラノール基を20モル%以下の割合で含む、請求項1に記載の組成物。
  10. ポリシロキサンの重量平均分子量が1,000〜6,000である、請求項1に記載の組成物。
  11. ポリシロキサンの40%固形分濃度における粘度が100mPa・s以下である、請求項1に記載の組成物。
  12. ポリシロキサンが、193nm以下の紫外線、電子線照射、又は酸により分解する官能基を有する、請求項1に記載の組成物。
  13. 光酸発生剤、又は193nm以下の紫外線若しくは電子線照射により分解する化合物を更に含む、請求項12に記載の組成物。
  14. ポリシロキサンが、式(1):
    Figure 2020027841

    (式(1)中、Rはアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、Rはアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、aは1を示す。)で示される加水分解性シランを含む加水分解性シラン原料の加水分解縮合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  15. が、メチル基、ビニル基、フェニル基、グリシジル基、グリシジルシクロヘキシル基、メルカプト基、ジアリルイソシアヌリル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェナントレニル基、スクシニル基、及びベンゼンスルホンアミド基からなる群より選択される、請求項14に記載の組成物。
  16. ポリシロキサンが炭素間二重結合を含むモノマー単位を10モル%以上含む、請求項1に記載の組成物。
  17. 有機パターンがレジストパターン、ナノインプリントパターン及び有機下層膜パターンからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  18. (i) n値(屈折率)、
    (ii) k値(減衰係数又は吸光係数)、
    (iii) エッチレート、
    (iv) 水接触角、及び
    (v) 膜厚
    からなる群より選択される少なくとも1つの特性が紫外線照射により変化する膜を作製するための、請求項1に記載の組成物。
  19. (i) n値(屈折率)、
    (ii) k値(減衰係数又は吸光係数)、
    (iii) エッチレート、
    (iv) 水接触角、及び
    (v) 膜厚
    からなる群より選択される少なくとも1つの特性が紫外線照射により変化する膜を作製するための、請求項1に記載の組成物の使用。
  20. 基板上に有機パターンを形成する工程(1)、有機パターンに請求項1〜18いずれか1項に記載の組成物を塗布する工程(3)、及び有機パターンをエッチング除去してパターンを反転させる工程(4)を含む半導体装置の製造方法。
  21. 基板上にレジストを形成する工程(1a)、レジストを露光と現像する工程(2)、現像中又は現像後のレジストパターンに請求項1〜18いずれか1項に記載の組成物を塗布する工程(3a)、及びレジストパターンをエッチング除去してパターンを反転させる工程(4a)を含む半導体装置の製造方法。
  22. 工程(3)の後に、塗膜表面をエッチバックして有機パターン表面を露出する工程(3−1)を含む、請求項20に記載の製造方法。
  23. 下記式(2)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(D)を0〜10重量部、
    下記式(3)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(T)を20〜100重量部、
    下記式(4)で表される少なくとも一種の加水分解性シラン(Q)を0〜80重量部
    含む加水分解性シラン原料を加水分解縮合に供する工程を含む、請求項1に記載の組成物に含まれるポリシロキサンの製造方法。
    Figure 2020027841

    [式(2)中、R20はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R21はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
    Figure 2020027841

    [式(3)中、R30はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルコキシアリール基、アルケニル基、又はエポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、もしくはシアノ基を有する有機基で且つSi−C結合によりケイ素原子と結合しているものであり、R31はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
    Figure 2020027841

    [式(4)中、R41はアルコキシ基、アシルオキシ基、又はハロゲン原子を示す。]
  24. 20及びR30が、各々独立に、メチル基、ビニル基、フェニル基、グリシジル基、グリシジルシクロヘキシル基、メルカプト基、ジアリルイソシアヌリル基、フェニルスルホニルプロピル基、フェナントレニル基、スクシニル基、及びベンゼンスルホンアミド基からなる群より選択される、請求項23に記載の製造方法。
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