JP2020027470A - 生産管理装置、生産管理システム、および生産管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この形態の生産管理装置によれば、情報生成部は、取得されるサイクルタイムの大きさと、各大きさのサイクルタイムが取得される確率密度と、の関係を用いて、生産設備のサイクルタイムの最小値を算出し、関係と最小値とに応じて、生産状況を示す情報として生産効率を評価するための第1の評価指標を算出する。このため、生産管理装置の利用者は、算出したサイクルタイムの最小値を用いて算出された第1の評価指標を用いて製造ラインの生産状況を管理できる。サイクルタイムの最小値は、サイクルタイムが取得される確率分布が非対称な分布であるか対象な分布であるかに関わらず、算出可能である。したがって、サイクルタイムが取得される確率分布が非対称な分布であるか対称な分布であるかに関わらず、この生産管理装置の利用者は、生産管理装置を用いて製造ラインの生産状況を管理できる。
(2)上記形態において、前記情報生成部は、前記サイクルタイムの大きさと前記確率密度との関係を示す曲線に近似する近似曲線を算出し、最頻値より小さい値のうち前記近似曲線において前記確率密度が0となる値の最大値を前記最小値として算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、サイクルタイムの大きさと確率密度との関係を曲線に近似するため、サイクルタイムの大きさと確率密度との関係の解析が容易になる。
(3)上記形態において、前記近似曲線は、極値分布における確率密度関数を用いて算出されてもよい。この形態の生産管理装置によれば、サイクルタイムの大きさの確率分布が非対称な分布である場合であっても、近似曲線を作成することができる。
(4)上記形態において、前記情報生成部は、さらに、前記近似曲線を用いて、取得されるサイクルタイムが前記サイクルタイム以下となる確率を、前記生産状況を評価するための第2の評価指標として算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、取得されるサイクルタイムを客観的な基準を用いて評価することができる。
(5)上記形態において、前前記情報生成部は、前記最小値と前記サイクルタイムの最頻値との比較の結果に応じて、前記第1の評価指標を算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、生産効率を評価するための指標としてサイクルタイムの最小値と最頻値との比較の結果を用いることができる。
(6)上記形態において、前記情報生成部は、前記第1の評価指標として、前記最頻値と前記最小値との差を前記最頻値で除した値であるやる気指数を算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、生産効率を評価するための指標としてやる気指数を用いることができる。
(7)上記形態において、前記情報生成部は、さらに、前記サイクルタイムの大きさの平均値と、最頻値と中央値とのいずれか一方と、の比較の結果に応じて、前記生産状況として前記生産設備の停止状況を評価するための第3の評価指標を算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、停止状況を評価するための指標として、サイクルタイムの大きさの平均値と、最頻値と中央値とのいずれか一方と、の比較の結果を用いることができる。
(8)上記形態において、前記情報生成部は、前記平均値と、前記最頻値と前記中央値とのいずれか一方と、の差を前記平均値で除した値である停止指数を前記第3の評価指標として算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、停止状態を評価するための指標として停止指数を用いることができる。
(9)上記形態において、前記生産管理装置は、複数の製造ラインの前記生産状況を管理し、前記情報生成部は、前記複数の製造ラインのそれぞれについて、前記生産状況を評価するための評価指標として、前記サイクルタイムの標準偏差を前記サイクルタイムの平均値で除した値である変動係数を算出してもよい。この形態の生産管理装置によれば、変動係数はサイクルタイムの平均値によって正規化されているため、複数の製造ライン間においてサイクルタイムの平均値の異なる場合であっても、複数の製造ライン間の生産状況の比較が容易になる。
(10)上記形態において、前記生産管理装置における情報伝達の経路の少なくとも一部には、インターネットを介した経路が含まれてもよい。この形態の生産管理装置によれば、インターネットを利用した生産管理が可能である。
(11)本開示の他の形態によれば、生産設備を有する製造ラインの生産状況を管理するための生産管理システムが提供される。この生産管理システムは、上記形態の生産管理装置と、前記生産管理装置と通信可能に接続され、前記生産状況に関する情報を利用者に提供する情報提供装置と、を備える。
この形態の生産管理システムによれば、情報生成部は、取得されるサイクルタイムの大きさと、各大きさのサイクルタイムが取得される確率密度との関係を用いて、生産設備の前記サイクルタイムの最小値を算出するので、算出したサイクルタイムの最小値を用いて、製造ラインの生産状況を管理できる。また、生産状況に関する情報を利用者に提供する情報提供装置を備えるので、生産管理システムの利用者は、生産管理装置から離れた位置であっても、生産状況を確認することができる。
(12)上記形態において、前記生産管理装置と前記情報提供装置は、無線通信を介して接続されていてもよい。この形態の生産管理システムによれば、有線による通信を用いる場合に比べて、生産管理装置と情報提供装置との位置関係の変更が容易である。
(13)上記形態において、前記生産管理装置と前記情報提供装置との間の情報伝達には、インターネットが介在していてもよい。この形態の生産管理システムによれば、インターネットを利用した生産管理が可能である。
本開示は、生産管理装置、生産管理システム以外の種々の形態で実現することが可能である。例えば、生産管理方法や、生産管理システムを備えた製造ラインや、生産管理プログラム等の形態で実現することができる。
図1は、第1実施形態に係る生産管理システム100を備えた製造ラインL1、L2の概略図である。図2は、第1実施形態に係る生産管理システム100における情報伝達を示すブロック図である。生産管理システム100は、インターネットINTを利用するInternet of Things(IoT)技術によって生産管理を行なうシステムである。生産管理システム100は、それぞれ別の場所である、第1エリアAr1と、第2エリアAr2と、第3エリアAr3と、第4エリアAr4と、での情報共有を可能にする。第1エリアAr1は、製造ラインL1、L2を備えた工場である。第2エリアAr2および第3エリアAr3は、第1エリアAr1である工場の敷地外である。第4エリアAr4は、第1エリアAr1とは別の工場である。生産管理システム100におけるインターネットINTへの接続は、通信装置70が利用される。通信装置70は、例えば、無線LAN通信装置や、無線中継機、アクセスポイント、無線基地局、である。
図7は、第2実施形態に係る生産管理システム400を備えた製造ラインL1、L2の概略図である。図8は、第2実施形態に係る生産管理装置520の構成を示すブロック図である。生産管理システム400は、インターネットを用いた情報共有を行なっていない。また、表示装置611〜614は、生産管理装置520が配置された工場ar1内でのみ利用される。第1実施形態の構成については、第1実施形態と同様の符号を付し、説明を省略する。本実施形態において、生産管理システム400は、インターネットに接続されていないが、これに限定されない。例えば、生産管理装置520は、インターネットに接続され、インターネットを介して、工場ar1の外部に生産管理情報を提供してもよい。
C1.第1の他の実施形態
上記実施形態において、実測されたサイクルタイムCTの確率分布曲線の近似曲線を作成するために、極値分布における確率密度関数を用いたフィッティング処理が行われている。しかし、近似曲線の作成方法は、これに限定されない。例えば、極値分布における確率密度関数に代えて、歪度と尖度とを考慮可能な分散モデル、例えば連続型確率分布であるガンマ分布やワイブル分布における確率密度関数を用いても良い。また、確率密度関数を用いたフィッティング処理に代えて、フーリエ変換や複数の正弦曲線を用いたカーブフィッティングを用いて、近似曲線を作成してもよい。
上記実施形態において、サイクルタイムCTの分布が歪度を有している場合を例として説明しているが、サイクルタイムCTの分布は歪度を有していなくてもよい。例えば、装置限界LimがサイクルタイムCTに対して十分に小さく、サイクルタイムCTの分布が正規分布の場合であっても、上記実施形態に係る生産管理システム100を用いた生産管理が可能である。この場合には、例えば、平均値から標準偏差の三倍を引いた値を生産設備30a〜30dのサイクルタイムCTの最小値として算出してもよい。この場合において、算出されたサイクルタイムCTの最小値が、設備限界値Limに代えて上記実施形態における各種解析に用いられてもよい。
上記実施形態において、設備限界値Limは、生産効率の評価に用いられている。しかし、設備限界値Limは、生産効率の評価以外に用いられてもよい。例えば、設備限界値Limは、サイクルタイムが正常であるか否かを判定するための閾値として用いられても良い。具体的には、取得されるサイクルタイムCTが設備限界値Limより小さい場合には、生産管理装置20は、工程飛ばし等のおそれがあると判定してもよい。サイクルタイムCTが設備限界値Limを下回った場合には、生産管理装置20は、利用者に対してサイクルタイムCTの異常を報知してもよい。
上記実施形態において、生産管理装置20は、図5に示したステップS103で算出した近似曲線を用いて、異なる生産状況の評価指標を算出してもよい。例えば、生産管理装置20は、近似曲線のうちサイクルタイムCTが予め定められた閾値以下の領域の面積である第1の面積において最頻値Mode未満の領域の面積である第2の面積が占める割合をやる気指数Imotに替えて生産効率の評価指標として用いても良い。この場合において閾値は、サイクルタイムCTが生産設備30a〜30dの停止時間を含むかを判定するための値である。閾値は、例えば、最頻値Modeの定数倍であってもよい。この場合には、閾値の設定が容易である。また、閾値は、サイクルタイムCTの確率密度分布を用いて、予め定められた割合のサイクルタイムCTが含まれるように設定されていてもよい。この場合には、生産管理装置20は、生産設備30a〜30dの能力に応じて、閾値を自動的に設定することが可能である。なお、サイクルタイムCTの確率密度分布を用いる場合において、確率密度分布が正規分布に近似可能である場合には、サイクルタイムCTの平均値にサイクルタイムCTの標準偏差の定数倍を加えた値を閾値としても良い。また、閾値は、予め記録された発生した停止毎における停止時間のリストである停止リストを用いて設定されても良い。
上記実施形態において、情報生成部431は、さらに、式(1)を用いて作成した近似曲線を用いて、サイクルタイムCTが確率分布において取得されたサイクルタイムCT以下となる確率を、生産状況の評価指標として算出してもよい。具体的には、情報生成部431は、取得されたサイクルタイムCT以下の範囲において近似曲線を積分することによって、取得されたサイクルタイムCT以下となる確率を算出する。この場合には、利用者は、算出された確率を用いて、取得されるサイクルタイムCTを評価することができる。
上記実施形態において、生産管理装置20は、例えば、作業者毎にやる気指数Imotを算出してもよい。この場合において、生産管理装置20の利用者は、作業者毎に算出されたやる気指数を用いて生産状況と作業者との関係を調査に用いても良い。また、生産管理装置20は、例えば、時間帯毎にやる気指数Imotを算出しても良い。この場合において、生産管理装置20の利用者は、時間帯毎に算出されたやる気指数を用いて生産状況と時間帯との関係を調査に用いても良い。
上記実施形態において、情報生成部431は、さらに、生産状況の評価指標として、サイクルタイムCTの標準偏差をサイクルタイムCTの平均値Aveで除した値である変動係数を算出してもよい。評価指標として変動係数を用いる場合には、複数の製造ラインL1、L2間においてサイクルタイムCTの平均値Aveが異なる場合であっても、複数の製造ラインL1、L2間の生産状況の比較が容易になる。これは、変動係数が平均値Aveによって正規化されているためである。変動係数は、例えば、作業工程におけるサイクルタイムCTのばらつきの度合いの評価に用いることができる。サイクルタイムCTのばらつきは、例えば、作業者の習熟度によって変動する。このため、変動係数は、作業者の習熟度の評価に用いられても良い。
上記実施形態において、情報生成部431は、各種評価指標の算出の際に最頻値Modeを用いているが、最頻値Modeに代えてサイクルタイムCTの中央値を用いてもよい。これは、最頻値Modeと同様に、サイクルタイムCTの中央値は、平均値Aveと比べて、突発的に発生する停止等の影響を受けないためである。また、中央値は、最頻値Modeを算出する際に必要となる階級の設定等の処理を省略することができる。
上記実施形態において、生産管理システム100、400は、サイクルタイムCTの最小値を設備限界値Limとして用いているが、これに限定されない。例えば、サイクルタイムCTの最小値は、生産設備30a〜30dの生産能力を考慮せずに算出された値であってもよい。
上記実施形態において、情報提供装置は、表示装置601〜608であるが、これに限定されない。例えば、情報提供装置は、画像以外を用いて情報を提供する装置、例えばスピーカを備え音声を用いた情報提供が可能な装置であってもよい。また、音声を用いた情報提供が可能な装置を用いる場合には、さらに音声による操作が可能な装置、例えばAIスピーカを用いても良い。ここでAIスピーカは、人工知能(AI)を有し、自然言語による指示を理解する機能と自然言語によって指示された処理を実行する機能とを含むAIアシスタント機能を備えたスピーカである。
第1実施形態に係る生産管理システム100は、製造ラインL1、L2が配置された工場の敷地外、例えば第2から第4エリアAr2〜Ar4、から接続可能なインターネットINTを用いて情報を共有している。しかし、生産管理システム100は、これに限定されない。例えば、生産管理システム100は、インターネットINTに代えて、企業内ネットワーク、いわゆるイントラネットを用いて情報の共有を行なってもよい。この場合には、生産管理装置20の管理部40は、企業内ネットワークに接続されたサーバに設けられている。通信装置70は、例えば、企業内ネットワークに接続された無線LAN通信装置である。表示装置601〜608は、企業内ネットワークへの接続が可能な場所、例えば、製造ラインL1、L2を有する事業所内で使用される。
Claims (14)
- 生産設備を有する製造ラインの生産状況を管理するための生産管理装置であって、
前記生産設備に取り付けられ、前記生産設備から製品が繰り出される際に発生する前記生産設備の動作に応じて検出信号を出力する検出部と、
前記検出信号が出力される時間間隔を、製品が繰り出されるサイクルタイムとして取得するサイクルタイム取得部と、
前記サイクルタイムを用いて前記生産状況を示す情報を生成する情報生成部と、を備え、
前記情報生成部は、前記取得されるサイクルタイムの大きさと、各前記大きさのサイクルタイムが取得される確率密度と、の関係を用いて、前記生産設備の前記サイクルタイムの最小値を算出し、
前記関係と前記最小値とに応じて、前記生産状況を示す情報として生産効率を評価するための第1の評価指標を算出する、
生産管理装置。 - 請求項1に記載の生産管理装置であって、
前記情報生成部は、前記サイクルタイムの大きさと前記確率密度との関係を示す曲線に近似する近似曲線を算出し、
最頻値より小さい値のうち前記近似曲線において前記確率密度が0となる値の最大値を前記最小値として算出する、生産管理装置。 - 請求項2に記載の生産管理装置であって、
前記近似曲線は、極値分布における確率密度関数を用いて算出される、生産管理装置。 - 請求項2または請求項3に記載の生産管理装置であって、
前記情報生成部は、さらに、前記近似曲線を用いて、取得されるサイクルタイムが前記サイクルタイム以下となる確率を、前記生産状況を評価するための第2の評価指標として算出する、生産管理装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の生産管理装置であって、
前記情報生成部は、前記最小値と前記サイクルタイムの最頻値との比較の結果に応じて、前記第1の評価指標を算出する、生産管理装置。 - 請求項5に記載の生産管理装置であって、
前記情報生成部は、前記第1の評価指標として、前記最頻値と前記最小値との差を前記最頻値で除した値であるやる気指数を算出する、生産管理装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の生産管理装置であって、
前記情報生成部は、さらに、前記サイクルタイムの大きさの平均値と、最頻値と中央値とのいずれか一方と、の比較の結果に応じて、前記生産状況として前記生産設備の停止状況を評価するための第3の評価指標を算出する、生産管理装置。 - 請求項7に記載の生産管理装置であって、
前記情報生成部は、前記平均値と、前記最頻値と前記中央値とのいずれか一方と、の差を前記平均値で除した値である停止指数を前記第3の評価指標として算出する、生産管理装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の生産管理装置であって、
前記生産管理装置は、複数の製造ラインの前記生産状況を管理し、
前記情報生成部は、前記複数の製造ラインのそれぞれについて、前記生産状況を評価するための評価指標として、前記サイクルタイムの標準偏差を前記サイクルタイムの平均値で除した値である変動係数を算出する、生産管理装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の生産管理装置であって、
前記生産管理装置における情報伝達の経路の少なくとも一部には、インターネットを介した経路が含まれる、生産管理装置。 - 生産設備を有する製造ラインの生産状況を管理するための生産管理システムであって、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の生産管理装置と、
前記生産管理装置と通信可能に接続され、前記生産状況に関する情報を利用者に提供する情報提供装置と、
を備える、生産管理システム。 - 請求項11に記載の生産管理システムであって、
前記生産管理装置と前記情報提供装置は、無線通信を介して接続されている、生産管理システム。 - 請求項11または請求項12に記載の生産管理システムであって、
前記生産管理装置と前記情報提供装置との間の情報伝達には、インターネットが介在している、生産管理システム。 - 生産設備を有する製造ラインの生産状況を管理する生産管理方法であって、
前記生産設備に取り付けられるセンサを用いて、前記生産設備から製品が繰り出される際に発生する前記生産設備の動作に応じて検出信号を出力する検出工程と、
前記検出信号が出力される時間間隔を、製品が繰り出されるサイクルタイムとして取得するサイクルタイム取得工程と、
前記サイクルタイムを用いて生産状況を示す情報を生成する生成工程と、を備え、
前記生成工程では、前記取得されるサイクルタイムの大きさと、前記各大きさの確率密度との関係を用いて、前記生産設備の前記サイクルタイムの最小値が算出され、
前記関係と前記最小値とに応じて、前記生産状況を示す情報として生産効率を評価するための第1の評価指標が算出される、生産管理方法。
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