以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係る空中結像装置1は、光学パネル2を備えるものである。光学パネル2は、図1(a)、(b)に示す角ロッド21を多数有している。角ロッド21は、透明であり、例えば、ガラス製とすることができる。角ロッド21は、平面視長方形状(例えば、約1mm×約3mmなど)(図1(b)参照)であり、長い棒体(図1(a)参照)である。角ロッド21は、4つの側面21a、21b、21c、21dを有しており、平面視長方形状の長辺(例えば、約3mm)が側面21b、21dであり、短辺(例えば、約1mm)が側面21a、21cである。また、角ロッド21は、図1(a)においては、z軸方向に延びており、その長さは、例えば500mm以上とすることができる。
角ロッド21は、その4つの側面21a、21b、21c、21dのうちの側面21bに第1光反射部22、それに隣り合って垂直に交わる側面21cに第2光反射部23が付着されている。従って、第1光反射部22と第2光反射部23は、垂直に交わるようになっている。第1光反射部22と第2光反射部23は、例えば、数千オングストローム程度の金属膜である。
多数の角ロッド21は、図1(c)に示すように、第2光反射部23が一方向(y軸方向)に対して所定の傾斜角θで傾斜し、かつ、第1光反射部22が角ロッド21、21間に挟まるようにして一方向(y軸方向)に並べられている。多数の角ロッド21は、第1光反射部22と第2光反射部23が付着されていない2つの側面21a、21dが互いに交わる角部が、平面視で一方向(y軸方向)の一直線上にそろえて配置されるようにできる。
詳細には、角ロッド21同士は、角ロッド21の側面21dと隣接する(図1(c)においては下方の)角ロッド21の側面21b、つまり第1光反射部22とがずれて配置される。従って、角ロッド21は、その側面21aの全部と側面21dの一部が露出していることになる。この露出した部分において、光の入射及び出射が可能である。
接着封止部24は、多数の角ロッド21を接着し、封止する。一方側の封止表面24aは、光が入射及び出射する平面となる。つまり、接着封止部24は、接着された多数の角ロッド21において露出した部分(角ロッド21の側面21aの全部と側面21dの一部)が形成する多数の段差を埋める。また、他方側の封止裏面24bは、光の入射及び出射と直接の関係はないが、通常は平面とする。
接着封止部24は、屈折率(絶対屈折率)(例えば、約1.5〜約1.6)が角ロッド21と同じか又はそれに近い接着剤(例えば、シリコーン系樹脂など)を用いることができる。そうすると、角ロッド21の内部と接着封止部24の内部とで、ほぼ同様に光が通過し、また、それらの境でほぼ屈折が起こらないようにすることができる。
光学パネル2は、例えば、約1mm×約3mmの平面視長方形状でz軸方向に500mm以上延びている角ロッド21を一方向(y軸方向)に500個以上並べて接着封止部24で接着することで、500mm×500mm以上の大きさのものを得ることができる。このような光学パネル2は、被写体(実際の物体)Nからの光が光学パネル2の一方側(一方側の封止表面24a)に入射して接着封止部24の屈折率に応じて屈折し、第1光反射部22か第2光反射部23のいずれか一方で反射し、その反射光を第1光反射部22か第2光反射部23のいずれか他方で再度反射し、接着封止部24の屈折率に応じて屈折して光学パネル2の一方側に、出射角を入射角と同じくして出射する。その出射した光は、上記の従来の空中結像装置201と同様に、立体映像N’を被写体Nとは違う上下位置の空中に結像させる。そして、結像した反射光が直進して人の目に入射することによって、空中の立体映像N’がその位置に被写体Nが有るように見る人に認識され得る。
例えば、図2に示すように、光学パネル2からx軸方向に距離Dだけ離れて位置する被写体(実際の物体)Nからの光は、y軸上の0の位置(y=0の位置)では垂直に光学パネル2に入射し、y軸上の正の値の位置(y=+dの位置)又は負の値の位置(y=−dの位置)では所定の入射角αで光学パネル2に入射する。例えば、距離Dを2m(2000mm)とすると、±dが±d1(±250mm)の位置では、入射角αはα1(約7.1°)となる。
この場合、例えば、角ロッド21が約1mm×約3mmの平面視長方形状の場合、傾斜角度θをθ1(例えば、約9°)とすることができる。そうすると、図3(a)、(b)の中央部に示すように、y=0近傍では、垂直に光学パネル2に入射する光a、a’は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図3(a)の光aは第2光反射部23、図3(b)の光a’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図3(a)の光aは第1光反射部22、図3(b)の光a’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図3(a)、(b)の上部及び下部に示すように、y=±d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2に入射する光は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図3(a)の光b又はcは第2光反射部23、図3(b)の光b’又はc’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図3(a)の光b又はcは第1光反射部22、図3(b)の光b’又はc’は第2光反射部23)で再反射して、略半分が立体映像N’を結像するようにできる。
なお、y=0からy=±d1の中間の位置では、図示及び説明は省略するが、入射した光は、略全部から略半分の間の量が出射角を入射角αと同じくして出射され、立体映像N’を結像するようにできる。
また、光学パネル2は、図4に示すように、一方側の封止表面24aに透明なパネルカバー25(例えば、ガラス製)を設けることができる。パネルカバー25は、接着封止部24となる接着剤が乾かないうちに一方側の封止表面24aに接着させることができる。このパネルカバー25付きの光学パネル2は、パネルカバー25の屈折率を接着封止部24(及び角ロッド21)と同じか又はそれに近いものとして、パネルカバー25付きでない光学パネル2と同様の特性を得ることができ、また、機械的強度を増加させることができる。
このように、空中結像装置1では、奥行方向(x軸方向)に要するスペースは、光学パネル2の厚さだけなので、小さくできる。また、光学パネル2を奥行方向に傾けてはいないので、被写体Nから入射した光の多くを反射して立体映像N’を結像させ、鮮明な立体映像N’を得ることができる。
このような光学パネル2は、以下に説明する平板製作工程、積層体形成工程、切り出し工程、個別化前工程、個別化工程、接着封止工程を用いて製造することができる。
平板製作工程は、平板3を多数枚製作する工程である。平板3は、図5(a)に示すような薄く(例えば、約1mm)一定の厚さで所定のサイズ(例えば、一辺が約500mm以上の四角形)の透明基板31を製作した後、図5(b)に示すように、透明基板31の一面に第1光反射層32を付着させることにより製作する。透明基板31は、通常は、透明のガラス板を用いる。場合によっては、透明のセラミック板なども可能である。第1光反射層32は、金属材(例えば、アルミニウム、銀、銅等)など光を良く反射する材質からなるものであり、スパッタリング、蒸着又はメッキ等により透明基板31に付着させる。第1光反射層32の厚さは、例えば、数千オングストローム程度にすることができる。なお、図5(b)においては、付着させる第1光反射層32は、容易に理解できるように灰色で示している。
積層体形成工程は、図6(a)、(b)に示すように、第1光反射層32が一方側に位置するようにして多数枚の平板3を積層し、接着剤で接着して積層体4を形成する工程である。例えば、積層する平板3の数を約500以上とし、高さを約500mm以上とすることができる。また、この接着剤は、エポキシ系接着剤を用いることができる。
切り出し工程は、図7(a)、(b)に示すように、積層体4を、多数の第1光反射層32に対して垂直方向に切断してパネル体5を切り出す工程である。切断方法としては、外周刃切断、内周刃切断、ブレードソー切断、ワイヤーソー切断などを採用することが可能である。外周刃切断は、高速回転する薄肉砥石を切断部材とし、その外周で切断する方法である。内周刃切断は、高速回転するドーナッツ状の薄肉砥石を切断部材とし、その内周で切断する方法である。ブレードソー切断は、強く張った薄板(ブレード)を切断部材とし、それを往復運動させながら切断する方法である。ワイヤーソー切断は、ワイヤーを切断部材とし、それを往復運動させながら切断する方法である。
個別化前工程は、図8(a)、(b)に示すように、上記の切り出し工程によるパネル体5の切り出し面を研磨した後、第2光反射層33を付着させる工程である。切り出し面の研磨は、パネル体5が所定の均一な厚さを有するようにすることができる。なお、図8(b)においては、付着させる第2光反射層33は、容易に理解できるように灰色で示している。
個別化工程は、図9に示すように、積層体形成工程において平板3同士を接着した接着剤を剥離剤(例えば、エポキシ系接着剤の剥離剤など)を用いて剥離することによって、パネル体5を個別化する工程である。それにより、上記透明基板31が個別化されて角ロッド21に、上記第1光反射層32が個別化されて第1光反射部22に、上記第2光反射層33が個別化されて第2光反射部23となる。
接着封止工程は、図10に示すように、多数の角ロッド21を第2光反射部23が一方向に対して所定の傾斜角θで傾斜させ、かつ、第1光反射部22が角ロッド21、21間に挟まるようにして一方向に並べ、接着封止部24で接着し封止する工程である。なお、図10では、接着封止部24を省略している。
次に、立体映像N’を結像する光の量を増加させることによって立体映像N’を、より鮮明にできる光学パネル2の変形例2A、2B、2Cについて説明する。図3で示した光学パネル2は、角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さと第2光反射部23の傾斜角度θが光学パネル2上の全域において同じになるように配置され接着されたものであるが、この角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さと第2光反射部23の傾斜角度θのいずれか又は両方を一方向(y軸方向)の位置で変化するようにすることができる。
図11(a)、(b)に示す光学パネル2Aは、角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さ(換言すれば、第1光反射部22の長さ)が一方向(y軸方向)の位置で変化するようにしたものである。例えば、y=0の位置で角ロッド21の平面視長方形の長辺(2b、2d)の長さ約3mm、とし、傾斜角度θをθ1(例えば、約9°)として変えずに、y=+d1の位置で約2mmとし、y=−d1の位置で約6mmとすることができる。そうすると、図11(a)、(b)の中央部に示すように、y=0近傍では、垂直に光学パネル2Aに入射する光a、a’は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図11(a)の光aは第2光反射部23、図11(b)の光a’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図11(a)の光aは第1光反射部22、図11(b)の光a’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図11(a)、(b)の上部及び下部に示すように、y=±d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2Aに入射する光は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図11(a)の光b又はcは第2光反射部23、図11(b)の光b’又はc’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図11(a)の光b又はcは第1光反射部22、図11(b)の光b’又はc’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
光学パネル2Aの厚さは、全体として、図3に示した光学パネル2よりも増加する。また、y=+d1位置の角ロッド21は、その平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さがy=0でのものよりも短くなり、角ロッド21としての強度が低下し易くなるので、サイズが大きい光学パネル2Aの場合は、y=0の位置での角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを長くして光学パネル2Aの厚さを、全体として、更に増加させてもよい。
角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さは、一方向(y軸方向)の位置で連続的に変化するようにすることができる(図12(a)参照)。そうすると、光学パネル2A上の全域にわたって略全部に近い量が出射角を入射角αと同じくして出射され、立体映像N’を結像させることができる。また、角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さは、一方向(y軸方向)の位置で何個かおきに変化、つまり階段状に変化するようにすることも場合によっては可能である(図12(b)参照)。この場合、結像する光の量は、一方向(y軸方向)の位置で連続的に変化するようにしたものよりも減少する。なお、図12(a)、(b)(及び後述する図12(c))において、線fは角ロッド21の側面21aをつなげたおおよその平面視形状、線gは角ロッド21の側面21cをつなげたおおよその平面視形状である。
角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを変化させるには、上記個別化前工程において、片面に所定の傾斜を設けるように研磨することによって行うことができる。この場合、第2光反射層33は、それが第1光反射層32に直交するように、所定の傾斜を設けないもう一方の片面に付着させることになる。
図13(a)、(b)に示す光学パネル2Bは、第2光反射部23の傾斜角度θが一方向(y軸方向)の位置で変化するようにしたものである。例えば、角ロッド21の平面視長方形状を約1mm×約3mmとし、y=0の位置で傾斜角度θ1(例えば、約9°)とし、y=d1で傾斜角度θ2(例えば、約5°)とし、y=−d1で傾斜角度θ3(例えば、約13°)とすることができる。そうすると、図13(a)、(b)の中央部に示すように、y=0近傍では、垂直に光学パネル2Bに入射する光a、a’は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図13(a)の光aは第2光反射部23、図13(b)の光a’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図13(a)の光aは第1光反射部22、図13(b)の光a’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図13(a)、(b)の上部及び下部に示すように、y=±d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2Bに入射する光は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図13(a)の光b又はcは第2光反射部23、図13(b)の光b’又はc’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図13(a)の光b又はcは第1光反射部22、図13(b)の光b’又はc’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
光学パネル2Bの厚さは、図3で示した光学パネル2とほとんど変わらなくすることができる。
第2光反射部23の傾斜角度θは、一方向(y軸方向)の位置で連続的に変化するようにすると、光学パネル2B上の全域にわたって略全部に近い量が出射角を入射角αと同じくして出射され、立体映像N’を結像させることができるが、製造上、細かな角度を調整して配置することは難しい。従って、何個かおきに第2光反射部23の傾斜角度θを調整して配置することが製造上、比較的容易である。
例えば、図14(a)、(b)に示すように、y=−d1までの位置で傾斜角度θ3とし、−d1から−d2(−60mm)までの位置で傾斜角度θ4(例えば、約11°)とし、−d2から+d2(+60mm)までの位置で傾斜角度θ1とし、+d2から+d1までの位置で傾斜角度θ5(例えば、約7°)とし、+d1からの位置で傾斜角度θ2とすることができる。そうすると、図14(a)、(b)の上部に示すように、y=+d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2Bに入射する光は、傾斜角度θ2の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光bは第2光反射部23、図14(b)の光b’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光bは第1光反射部22、図14(b)の光b’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。一方、入射角α1で光学パネル2Bに入射する光が傾斜角度θ5の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光daは第2光反射部23、図14(b)の光da’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光daは第1光反射部22、図14(b)の光da’は第2光反射部23)で再反射して、略半分よりも多い量が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図14(a)、(b)の上中部に示すように、y=+d2の近傍では、入射角α2(約1.7°)で光学パネル2Bに入射する光は、傾斜角度θ5の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光dは第2光反射部23、図14(b)の光d’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光dは第1光反射部22、図14(b)の光d’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。一方、入射角α2で光学パネル2Bに入射する光が傾斜角度θ1の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光aaは第2光反射部23、図14(b)の光aa’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光aaは第1光反射部22、図14(b)の光aa’は第2光反射部23)で再反射して、略半分よりも多い量が立体映像N’を結像するようにできる。
また、また、図14(a)、(b)の中央部に示すように、y=0の近傍では、垂直に光学パネル2Bに入射する光a、a’は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光aは第2光反射部23、図14(b)の光a’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光aは第1光反射部22、図14(b)の光a’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図14(a)、(b)の下中部に示すように、y=−d2の近傍では、入射角α2で光学パネル2Bに入射する光は、傾斜角度θ4の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光eは第2光反射部23、図14(b)の光e’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光eは第1光反射部22、図14(b)の光e’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。一方、入射角α2で光学パネル2Bに入射する光が傾斜角度θ1の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光abは第2光反射部23、図14(b)の光ab’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光abは第1光反射部22、図14(b)の光ab’は第2光反射部23)で再反射して、略半分よりも多い量が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図14(a)、(b)の下部に示すように、y=−d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2Bに入射する光は、傾斜角度θ3の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光cは第2光反射部23、図14(b)の光c’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光cは第1光反射部22、図14(b)の光c’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。一方、入射角α1で光学パネル2Bに入射する光が傾斜角度θ4の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図14(a)の光eaは第2光反射部23、図14(b)の光ea’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図14(a)の光eaは第1光反射部22、図14(b)の光ea’は第2光反射部23)で再反射して、略半分よりも多い量が立体映像N’を結像するようにできる。
このように、何個かおきに第2光反射部23の傾斜角度θを調整して配置した光学パネル2Bは、結像する光の量が、傾斜角度θを連続的に変化するようにしたものよりも減少するが、図3に示した光学パネル2よりも増加させることができる。
図15(a)、(b)に示す光学パネル2Cは、第2光反射部23の傾斜角度θが一方向(y軸方向)の位置で何個かおきに変化するようにし、かつ、傾斜角度θが変化するまでに角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さが一方向(y軸方向)の位置で変化(ノコギリ波状に変化)するようにしたものである(図12(c)参照)。例えば、y=−d1までの位置で傾斜角度θ3として角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを連続的に変化させ、−d1から−d2までの位置で傾斜角度θ4として角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを連続的に変化させ、−d2から+d2までの位置で傾斜角度θ1として角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを連続的に変化させ、+d2から+d1までの位置で傾斜角度θ5として角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを連続的に変化させ、+d1からの位置で傾斜角度θ2として角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さを連続的に変化させることができる。
そうすると、図15(a)、(b)の上部に示すように、y=+d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2Cに入射する光は、傾斜角度θ2の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも傾斜角度θ5の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図15(a)の光b、daは第2光反射部23、図15(b)の光b’、da’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図15(a)の光b、daは第1光反射部22、図15(b)の光b’、da’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図15(a)、(b)の上中部に示すように、y=+d2の近傍では、入射角α2で光学パネル2Cに入射する光は、傾斜角度θ5の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも傾斜角度θ1の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図15(a)の光d、aaは第2光反射部23、図15(b)の光d’、aa’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図15(a)の光d、aaは第1光反射部22、図15(b)の光d’、aa’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、また、図15(a)、(b)の中央部に示すように、y=0の近傍では、垂直に光学パネル2Cに入射する光a、a’は、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図15(a)の光aは第2光反射部23、図15(b)の光a’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図15(a)の光aは第1光反射部22、図15(b)の光a’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図15(a)、(b)の下中部に示すように、y=−d2の近傍では、入射角α2で光学パネル2Cに入射する光は、傾斜角度θ4の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも傾斜角度θ1の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図15(a)の光e、abは第2光反射部23、図15(b)の光e’、ab’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図15(a)の光e、abは第1光反射部22、図15(b)の光e’、ab’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
また、図15(a)、(b)の下部に示すように、y=−d1の近傍では、入射角α1で光学パネル2Cに入射する光は、傾斜角度θ3の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも傾斜角度θ4の第2光反射部23が付着する角ロッド21に入射した場合でも、第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか一方(図15(a)の光c、eaは第2光反射部23、図15(b)の光c’、ea’は第1光反射部22)で反射し、その反射光を第1光反射部22と第2光反射部23のいずれか他方(図15(a)の光c、eaは第1光反射部22、図15(b)の光c’、ea’は第2光反射部23)で再反射して、略全部が立体映像N’を結像するようにできる。
このように、光学パネル2Cは、入射された被写体Nからの光が光学パネル2C上の全域にわたって略全部に近い量が出射角を入射角αと同じくして出射され、立体映像N’を結像させることができる。また、角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さの変化量は、図11に示した光学パネル2Aよりも小さくなり、その結果、光学パネル2Cの厚さを、全体として、光学パネル2Aよりも小さくすることができる。
以上説明したように、角ロッド21の平面視長方形状の長辺(2b、2d)の長さ、又は第2光反射部23の傾斜角度θ、或いはそれら両方を一方向(y軸方向)の位置で変化するようにすると、立体映像N’を結像する光の量を増加させることができ、その結果、立体映像N’を、より鮮明にできる。
次に、立体映像N’の結像に被写体N以外の像の混入を防ぐことによって立体映像N’を、より鮮明にできる光学パネル2の変形例について説明する。この光学パネル2は、第1光反射部22の外面全体に光反射防止部26を設けたものである。
図16(a)に示す光学パネル2’は、図3(a)上部で示した光学パネル2の第1光反射部22の外面全体に光反射防止部26を設けたものである。一方、図16(b)に示すのは、図16(a)の比較とするものであり、図3(a)上部で示した光学パネル2と同じものである。図16(a)及び図16(b)に示す光学パネル2’、2では、被写体Nからの光の多くは、図3を用いた上記説明のように、第1光反射部22と第2光反射部23によって2回反射して立体映像N’を結像させる。
図16(a)に示す光学パネル2’では、被写体N以外の像から発した光(図中、符号sで示す)が入射した場合で、第1光反射部22と対向する角ロッド21の側面21dを通過した場合、隣接する(図では下側に表示される)角ロッド21の光反射防止部26に到達すると吸収される。
一方、図16(b)に示す光学パネル2では、被写体N以外の像から発した光sが入射した場合で、第1光反射部22と対向する角ロッド21の側面21dを通過した場合、隣接する(図では下側に表示される)角ロッド21の第1光反射部22の外面で反射し、その反射光が第2光反射部23で再反射し、その反射光が第1光反射部22で再々反射して出射され、立体映像N’に入ってその中の一部に混入し得る。
このように、第1光反射部22の外面全体に光反射防止部26を設けた光学パネル2’は、被写体N以外の像の混入を防ぐことによって立体映像N’を、より鮮明にできる。このことは、上記の光学パネル2A、2B、2Cについても同様である。
光反射防止部26は、カーボンブラックなどの黒色粒子を添加した樹脂などを用いることができる。光反射防止部26は、例えば、上記平板製作工程において、図5(b)で示した第1光反射層32に重ねて、図17(a)に示すように、後の工程で光反射防止部26となる光反射防止層36を付着させることによって行うことができる。又は、例えば、個別化工程において、図9で示した第1光反射部22に重ねて、図17(b)に示すように、光反射防止部26を付着させることによって行うことができる。或いは、接着封止部24に上記の黒色粒子を添加して角ロッド21を接着し封止することにより、接着封止部24において第1光反射部22の外面に付着した部分を光反射防止部26とすることができる。この場合、接着封止部24の一方側(封止表面24a側)(光が入射及び出射する側)は、一旦付着した黒色の接着封止部24を剥離してから、透明の接着封止部24を部分的に付着することになる。なお、図17(a)、(b)においては、付着させる光反射防止層36又は光反射防止部26は、容易に理解できるように濃い灰色で示している。
以上、本発明の実施形態に係る空中結像装置について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。