JP2020026562A - 優れた作業性及び充放電特性を有する銅箔、それを含む電極、それを含む二次電池、及びその製造方法 - Google Patents

優れた作業性及び充放電特性を有する銅箔、それを含む電極、それを含む二次電池、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた作業性及び充放電特性を有する銅箔、それを含む電極、それを含む二次電池、及びその製造方法に関する。【解決手段】マット面MS及びシャイニー面SSを有する銅層110を含み、前記銅層の前記マット面方向の第1面及び前記シャイニー面方向の第2面を有し、前記第1面の動摩擦係数はμk1、前記第2面の動摩擦係数はμk2であり、前記μk1と前記μk2は下記の式1及び式2を満たし、前記第1面の2次元表面積対比3次元表面積の比はFs1、前記第2面の2次元表面積対比3次元表面積の比はFs2であり、前記Fs1と前記Fs2は下記の式3及び式4を満たす銅箔100を提供する。(式1)0.4≦μk1≦0.5(式2)|μk1−μk2|≦0.2(式3)4.0≦Fs1≦6.5(式4)|Fs1−Fs2|≦2.0【選択図】図1

Description

本発明は優れた作業性及び充放電特性を有する銅箔、それを含む電極、それを含む二次電池、及びその製造方法に関する。
銅箔は二次電池の負極、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board:FPCB)などの多様な製品を製造するのに用いられる。
特に、電気メッキによって形成された銅箔を電解銅箔と言う。電解銅箔はロールツーロール(Roll To Roll:RTR)工程で製造され、ロールツーロール(RTR)工程による二次電池の負極、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)などの製造に用いられる。
一般に、電解銅箔は製箔装置によってロールツーロール工程で生産され、二次電池の負極製造工程のうち活物質をコートする工程もロールツーロール工程でなされる。近年、二次電池の容量増大のために超薄型の銅箔が使われるが、銅箔の厚さが10μm以下に薄くなる場合、ロールと銅箔の間にスリップ(slip)現象がよく発生する。スリップ現象が発生する場合、銅箔にしわが発生するか引裂現象が発生して連続工程ができなくなるから、二次電池用電極形成工程の作業性(workability)又はハンドリング性(handleability)が低下し、ひどい場合は電極製造そのものができなくなる。
したがって、銅箔のスリップ(slip)を抑制して、銅箔にしわ又は引裂が発生することを防止するか抑制することが必要である。
本発明はこのような問題点を解決することができる銅箔、それを含む電極、それを含む二次電池、及びその製造方法を提供しようとする。
本発明の一実施例はスリップを防止してしわ又は引裂の発生が最小化した銅箔を提供しようとする。本発明の一実施例は、特に小さい厚さを有しても、製造工程でスリップを防止して、優れたロールツーロール(RTR)工程性を有する銅箔を提供しようとする。
本発明の他の一実施例は、このような銅箔を含む二次電池用電極及びこのような二次電池用電極を含んで優れた容量維持率を有する二次電池を提供しようとする。
本発明のさらに他の一実施例は、このような銅箔を含む軟性銅箔積層フィルムを提供しようとする。
本発明のさらに他の一実施例は、スリップを防止してしわ又は引裂の発生を最小化する銅箔の製造方法を提供しようとする。
前述した本発明の観点の他にも、本発明の他の特徴及び利点は以下で説明されるか、そのような説明によって本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
本発明者は銅箔のスリップ現象が銅箔の動摩擦係数と銅箔両面の表面積比の差に密接な関連があり、銅箔両面の表面積比差が大きいほど銅箔の両面にコートされる活物質量と均一度の差が大きくなって二次電池の充放電効率が低下する問題点があることを確認した。また、本発明者は、銅箔の製造工程で添加剤を調節することによってマット(Matte)面方向の動摩擦係数と表面積比を制御することができ、バフブラシの粗さを調整することによってシャイニー(Shiny)面の動摩擦係数と表面積比を制御することができることを確認した。
したがって、本発明では、銅箔の動摩擦係数と表面積比を制御して銅箔の作業性と充放電特性を同時に改善した。
したがって、本発明の一実施例は、マット面及びシャイニー面を有する銅層を含み、前記銅層の前記マット面方向の第1面及び前記シャイニー面方向の第2面を有し、前記第1面の動摩擦係数はμk1、前記第2面の動摩擦係数はμk2であり、前記μk1と前記μk2は下記の式1及び式2を満たし、前記第1面の2次元表面積対比3次元表面積の比はFs1、前記第2面の2次元表面積対比3次元表面積の比はFs2であり、前記Fs1と前記Fs2は下記の式3及び式4を満たす銅箔を提供する。
(式1)
0.4≦μk1≦0.5
(式2)
|μk1−μk2|≦0.2
(式3)
4.0≦Fs1≦6.5
(式4)
|Fs1−Fs2|≦2.0
前記銅箔は常温で40kgf/mm以上の引張強度を有する。
前記銅箔は4μm〜35μmの厚さを有する。
前記銅箔は前記銅層上に配置された防錆膜をさらに含む。
前記防錆膜は、クロム、シラン化合物及び窒素化合物の少なくとも1種を含む。
本発明の他の一実施例は、前記銅箔及び前記銅箔上に配置された活物質層を含む二次電池用電極を提供する。
本発明のさらに他の一実施例は、正極(cathode)、前記正極と対向して配置された負極(anode)、前記正極と前記負極の間に配置され、リチウムイオンが移動することができる環境を提供する電解質(electrolyte)、及び前記正極と前記負極を電気的に絶縁させる分離膜(separator)、を含み、前記負極は前記銅箔及び前記銅箔上に配置された活物質層を含む二次電池を提供する。
本発明のさらに他の一実施例は、高分子膜及び前記高分子膜上に配置された前記銅箔を含む軟性銅箔積層フィルムを提供する。
本発明のさらに他の一実施例は、銅イオンを含む電解液内に互いに離隔して配置された電極板及び回転電極ドラムを30〜80ASD(A/dm)の電流密度で通電させて銅層を形成する段階を含み、前記電解液は、60〜120g/Lの銅イオン、80〜150g/Lの硫酸、50mg/L以下の塩素(Cl)及び有機添加剤を含み、前記有機添加剤は、3〜100mg/LのA成分及び5〜50mg/LのB成分の少なくとも1種及び1〜20mg/LのC成分を含み、前記A成分はスルホン酸又はその金属塩であり、前記B成分は非イオン性水溶性高分子であり、前記C成分は窒素(N)又は硫黄(S)を含む複素環有機化合物である銅箔の製造方法を提供する。
前記A成分は、ビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィドジナトリウム塩(SPS)、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、3−(N,N−ジメチルチオカルバモイル)−チオプロパンスルホネートナトリウム塩、3−[(アミノ−イミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホネートナトリウム塩、o−エチルジチオカルボナト−S−(3−スルホプロピル)−エステルナトリウム塩、3−(ベンゾチアゾリル−2−メルカプト)−プロピル−スルホン酸ナトリウム塩及びエチレンジチオジプロピルスルホン酸ナトリウム塩(Ethylenedithiodipropylsulfonic acid sodium salt)の中で選択された少なくとも1種を含む。
前記B成分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ヒドロキシエチレンセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸ポリグリコールエーテル及びステアリルアルコールポリグリコールエーテルの中で選択された少なくとも1種を含む。
前記B成分は、500〜25,000の分子量を有する。
前記C成分は、2−メルカプトベンゾチアゾール(2MBT)3−(ベンゾトリアゾール−2−メルカプト)−ピロスルホン酸、2−メルカプトピリジン、3(5−メルカプト−1H−テトラゾール)ベンゼンスルホネート、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジメチルピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ビピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリノリン、オキサゾール、チアゾール、1−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−メチル−2メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−ブチルピロール、N−メチルピロリン、N−エチルピロリン、N−ブチルピロリン、プリン、キノリン、イソキノリン、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバゾール及びN−ブチルカルバゾールの中で選択された少なくとも1種を含む。
前記製造方法は前記銅層に防錆膜を形成する段階をさらに含む。
このような本発明についての一般的な叙述は本発明を例示するか説明するためのものであるだけで、本発明の権利範囲を制限しない。
本発明の一実施例によれば、銅箔の製造過程でスリップを防止し、銅箔にしわ又は引裂が発生することを防止する。したがって、本発明の一実施例による銅箔は優れたロールツーロール(RTR)工程性、作業性又はハンドリング性を有する。
本発明の一実施例によれば、銅箔の製造工程で添加剤を調節してマット(Matte)面方向の動摩擦係数と表面積比を制御し、バフブラシの粗さを調節してシャイニー(Shiny)面方向の動摩擦係数と表面積比を制御して銅箔両面の表面積比差を調節することができる。
本発明の一実施例によれば、銅箔の動摩擦係数と表面積比を制御することによって銅箔の作業性を向上させ、また銅箔を用いて製造された二次電池の充放電特性を向上させる。
添付図面は本発明の理解を助けるためにこの明細書の一部を構成するためのもので、本発明の実施例を例示し、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明する。
本発明の一実施例による銅箔の概略断面図である。 本発明の他の一実施例による銅箔の概略断面図である。 本発明のさらに他の一実施例による二次電池用電極の概略断面図である。 本発明のさらに他の一実施例による二次電池用電極の概略断面図である。 本発明のさらに他の一実施例による二次電池の概略断面図である。 本発明のさらに他の一実施例による軟性銅箔積層フィルムの断面図である。 図2に示した銅箔の製造工程を示す概略図である。 製造例1による銅箔の第1面S1の3次元表面写真である。 第2面S2の3次元表面写真である。 しわ発生試験を説明する概略図である。
以下では添付図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
本発明の技術的思想及び範囲を逸脱しない範疇内で本発明の多様な変更及び変形が可能であるという点は当業者に明らかであろう。よって、本発明は特許請求範囲に記載された発明及びその均等物の範囲内の変更及び変形を全て含む。
本発明の実施例を説明するために図面に開示した形状、寸法、比率、角度、個数などは例示的なものであるので、本発明が図面に示した事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ構成要素は同じ参照符号で指称する。
本明細書で‘含む’、‘有する’、‘なる’などが使われる場合、‘〜のみ’という表現が使われない限り、他の部分が付け加わることができる。構成要素が単数で表現された場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む。また、構成要素の解釈において、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈される。
位置関係についての説明の場合、例えば、‘〜上に’、‘〜の上部に’、‘〜の下部に’、‘〜のそばに’などのように二つの部分の位置関係が説明される場合、‘すぐ’又は‘直接’という表現が使わない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもある。
時間関係についての説明の場合、例えば、‘〜の後に’、‘〜に続き’、‘〜の次に’、‘〜の前に’などのように時間的先後関係が説明される場合、‘すぐ’又は‘直接’という表現を使わない限り、連続的ではない場合も含むことがある。
多様な構成要素を叙述するために、‘第1’、‘第2’などの表現を使うが、これらの構成要素はこのような用語に制限されない。このような用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及する第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもある。
“少なくとも一つ”の用語は一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組合せを含むものと理解されなければならない。
本発明の多くの実施例のそれぞれの特徴は部分的に又は全体的に互いに結合又は組合可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施されることもでき、連関関係で一緒に実施されることもできる。
図1は本発明の一実施例による銅箔100の概略断面図である。
本発明の一実施例による銅箔100は銅層110を含む。銅層110はマット面(matte surface)MS及びその反対側のシャイニー面(shiny surface)SSを有する。
銅層110は、例えば電気メッキで回転電極ドラム上に形成されることができる(図7参照)。ここで、シャイニー面SSは電気メッキ過程で回転電極ドラムと接触した面を指称し、マット面MSはシャイニー面SSの反対側面を指称する。
一般に、シャイニー面SSはマット面MSより低い表面粗度(Rz)を有する。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、シャイニー面SSの表面粗度(Rz)がマット面MSの表面粗度(Rz)と同一であるかそれより高いこともある。
図1を参照すれば、銅箔100は銅層110上に配置された防錆膜210をさらに含む。防錆膜210は省略することもできる。
防錆膜210は銅層110のマット面MS及びシャイニー面SSの少なくとも一面に配置されることができる。図1を参照すれば、防錆膜210がマット面MSに配置される。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるものではなく、防錆膜210はシャイニー面SSにのみ配置されることもでき、マット面MSとシャイニー面SSの両方に配置されることもできる。
防錆膜210は銅層110を保護し、保存又は流通過程で銅層110が酸化するか変質することを防止することができる。したがって、防錆膜210を保護層とも言う。
本発明の一実施例によれば、防錆膜210は、クロム(Cr)、シラン化合物及び窒素化合物の少なくとも1種を含むことができる。
例えば、クロム(Cr)を含む防錆液、すなわちクロム酸化合物を含む防錆液で防錆膜210を形成することができる。
本発明の一実施例によれば、銅箔100は、銅層110を基準としてマット面MS方向の表面である第1面S1及びシャイニー面SS方向の表面である第2面S2を有する。図1を参照すれば、銅箔100の第1面S1は防錆膜210の表面あり、第2面S2はシャイニー面SSである。本発明の一実施例によれば、防錆膜210は省略することもできる。防錆膜210を省略する場合、銅層110のマット面MSが銅箔100の第1面S1となる。
本発明の一実施例によれば、銅箔100の第1面S1と第2面S2はそれぞれ動摩擦係数(dynamic friction coefficient)(μk)を有する。
具体的に、銅箔100の第1面S1の動摩擦係数はμk1であり、第2面S2の動摩擦係数はμk2である。ここで、μk1とμk2は下記の式1及び式2を満たす。
(式1)
0.4≦μk1≦0.5
(式2)
|μk1−μk2|≦0.2
すなわち、銅箔100の第1面S1は0.4〜0.5の動摩擦係数(μk1)を有し、第1面S1と第2面S2の動摩擦係数の差は0.2以下である。
銅箔100の動摩擦係数(dynamic friction coefficient)はASTM D1894の規定にしたがって、HEIDON社のTribogear 14FWモデルで測定することができる。具体的に、ステンレススチールボール(SUS ball)を銅箔100に接触させ、ステンレススチール(SUS)ボール(ball)に荷重を加えながら互いに移動させて銅箔100の動摩擦係数を測定することができる。ここで、φ10mmのステンレススチールボール(SUS ball)を用い、100mm/分の速度で、測定距離10mmで、荷重100gを加える測定条件で銅箔100の動摩擦係数を測定することができる。動摩擦係数は3回測定し、その平均値を使う。
銅箔100の第1面S1の動摩擦係数(μk1)が0.4未満の場合、ロールツーロール(RTR)工程で銅箔100を製造する工程又は銅箔100を用いて他の製品、例えば二次電池を製造する過程でスリップ(slip)が発生して銅箔100にしわが発生することがある。
一方、銅箔100の第1面S1の動摩擦係数(μk1)が0.5を超える場合、スリップの発生は防止又は抑制することができるが、銅箔100の表面が過度に粗くなり、例えば二次電池用電極の製造過程で銅箔100に活物質をコートするとき、コーティングが不均一になる。
一方、銅箔100の第1面S1と第2面S2間の動摩擦係数差が0.2を超える場合、銅箔100の両面の表面特性差が大きく、それにより、二次電池用電極の製造過程で銅箔100の両面で活物質コーティングが均等に形成されないことがある。よって、銅箔100の第1面S1と第2面S2間の動摩擦係数の差は0.2以下に調整する。
銅箔の第1面S1の動摩擦係数(μk1)は銅層110の製造過程で添加剤の調整によって制御することができる。また、銅箔の第2面S2の動摩擦係数(μk2)は銅層110の製造過程で、回転電極ドラムの表面をバフ(研磨)するブラシの粒度(粗さ)の調整によって制御することができる(図7参照)。
銅箔の第2面S2は0.2〜0.7の動摩擦係数(μk2)を有することができる。
また、銅箔100の第1面S1と第2面S2はそれぞれ“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”を有する。
具体的に、銅箔100の第1面S1の“2次元表面積対比3次元表面積の比”はFs1であり、第2面S2の“2次元表面積対比3次元表面積の比”はFs2である。ここで、Fs1とFs2は下記の式3及び式4を満たす。
(式3)
4.0≦Fs1≦6.5
(式4)
|Fs1−Fs2|≦2.0
本発明において、“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”を簡単に“表面積比”と表現するか、“Fs”と表現することもできる。
“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”は三次元(3D)顕微鏡によって測定することができる。例えば、カラー3Dレーザー顕微鏡であるKEYENCE社のVK−9710を用いて“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”を測定することができる。この時、倍率は50倍であり、銅箔100試片の大きさは1cm×1cmである。
具体的に、銅箔100を1cm×1cmに切って試片を製造し、KEYENCE社のカラー3Dレーザー顕微鏡であるVK−9710を用いて、50倍の倍率で銅箔試片を観察して3次元表面積を測定する。“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”は3次元で測定された銅箔試片の実表面積(3次元表面積)を該当銅箔試片の2次元平面面積(1cm)で割った値に相当する。ここで、実表面積は顕微鏡のレンズをZ軸方向に移動させて焦点を合わせて得た3次元表面積である。
本発明の一実施例によれば、“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”は次の式5によって求めることができる。
(式5)
Fs=(試片の3次元表面積)/(試片の2次元平面面積)
銅箔100の第1面S1の“2次元表面積対比3次元表面積の比”であるFs1が4.0未満の場合、銅箔100表面があまりにも平滑であって、銅箔100を用いた二次電池用負極において活物質が銅箔100から易しく脱離することがある。
銅箔100の第1面S1の“2次元表面積対比3次元表面積の比”であるFs1が6.5を超える場合、銅箔100の第1面S1の表面が過度に粗くて、銅箔100を用いた二次電池用負極の製造過程で活物質コーティングが不均一に形成され、それによって二次電池の充放電効率が低下することがある。
また、銅箔100の第1面S1と第2面S2の“2次元表面積対比3次元表面積の比”の差が2.0を超える場合、銅箔100の第1面S1と第2面S2の接触表面積の差が大きくなり、それによって銅箔100の両面での活物質コーティング量の差が大きくなり、二次電池の充放電効率が低下することがある。
本発明の一実施例によれば、銅箔100は常温(25±15℃)で40kgf/mm以上の引張強度を有する。引張強度はIPC−TM−650 Test Method Manualの規定にしたがって万能試験器(UTM)で測定することができる。本発明の一実施例によれば、Instron社の万能試験器で引張強度を測定する。引張強度測定用サンプルの幅は12.7mm、グリップ(grip)間の距離は50mm、測定速度は50mm/minである。
高容量二次電池に使われる高容量用活物質の場合、充放電時に体積膨張が大きい。したがって、高容量二次電池には高容量用活物質の体積膨張に対応することができる高引張強度の銅箔100を電極の集電体として使うことが好ましい。すなわち、電極の充放電時に発生する活物質の膨張収縮によって集電体として使われる銅箔100が応力を受ける。この際、銅箔100の引張強度が40kgf/mm未満の場合、銅箔がこのような応力に耐えなくて銅箔100にしわ又は変形が発生するか銅箔が破断することがある。これを防止するため、本発明の一実施例による銅箔100は40kgf/mm以上の引張強度を有する。
一方、銅箔100の引張強度があまりにも大きければ、銅箔100そのものの脆性が増加し、ロールツーロール工程中に銅箔100に局部的に加わる力に対応して銅箔100が伸びることができないから、銅箔100に引裂が発生することがある。例えば、銅箔の製造工程又は銅箔を用いた二次電池用電極の製造工程で引裂(tear)が発生して安定的な製品製造に難しさが発生することがある。したがって、銅箔100の引張強度は65kgf/mm以下に調整することができる。
本発明の一実施例によれば、銅箔100は25±15℃の常温で2%以上の伸び率を有する。伸び率はIPC−TM−650 Test Method Manualに規定された方法に従って万能試験器(UTM)で測定することができる。本発明の一実施例によれば、Instron社の設備を使うことができる。ここで、延伸測定用サンプルの幅は12.7mm、グリップ(grip)間の距離は50mm、測定速度は50mm/minである。
銅箔100の伸び率が2%未満であれば、高容量二次電池に使われる高容量用活物質の大きな体積膨張に対応して銅箔100が充分に伸びることができずに破れる危険がある。
より具体的に、銅箔100は2〜10%の伸び率を有することができる。
本発明の一実施例によれば、銅箔100は4μm〜35μmの厚さを有することができる。銅箔100の厚さが4μm未満の場合、銅箔100を用いた二次電池用電極又は二次電池の製造工程で作業性が低下する。銅箔100の厚さが35μmを超える場合、銅箔100を用いた二次電池用電極の厚さが大きくなり、このような大きい厚さによって高容量の二次電池の具現に難しさが発生することがある。
図2は本発明の他の一実施例による銅箔200の概略断面図である。以下、重複を避けるために、先に説明した構成要素についての説明は省略する。
図2を参照すれば、本発明の他の一実施例による銅箔200は、銅層110及び銅層110のマット面MSとシャイニー面SSにそれぞれ配置された二つの防錆膜210、220を含む。図1に示した銅箔100と比較して、図3に示した銅箔200は、銅層110のシャイニー面SSに配置された防錆膜220をさらに含む。
説明の便宜のために、二つの防錆膜210、220のうち銅層110のマット面MSに配置された防錆膜210を第1保護層と、シャイニー面SSに配置された防錆膜220を第2保護層ともいう。
また、図2に示した銅箔200は銅層100を基準として、マット面MS方向の表面である第1面S1とシャイニー面SS方向の表面である第2面S2を有する。ここで、銅箔200の第1面S1はマット面MSに配置された防錆膜210の表面であり、第2面S2はシャイニー面SSに配置された防錆膜220の表面である。
本発明の他の一実施例によれば、二つの防錆膜210、220はそれぞれクロム(Cr)、シラン化合物及び窒素化合物の少なくとも一つを含むことができる。
本発明の他の一実施例による銅箔200において、第1面S1の動摩擦係数(μk1)は0.4〜0.5であり、第1面S1と第2面S2の動摩擦係数の差は0.2以下である。
また、銅箔200の第1面S1の“2次元表面積対比3次元表面積の比”(Fs1)は4.0〜6.5であり、第1面S1と第2面S2の“2次元表面積対比3次元表面積の比”の差は2.0以下である。
本発明の他の一実施例によれば、銅箔200は23±15℃の常温で40kgf/mm以上の引張強度及び2%以上の伸び率を有し、4μm〜35μmの厚さを有する。
図3は本発明のさらに他の一実施例による二次電池用電極300の概略断面図である。
図3に示した二次電池用電極300は、例えば図5に示した二次電池500に適用可能である。
図3を参照すれば、本発明のさらに他の一実施例による二次電池用電極300は、銅箔100及び銅箔100上に配置された活物質層310を含む。ここで、銅箔100は電流集電体として使われる。
具体的に、銅箔100は第1面S1と第2面S2を有し、活物質層310は銅箔100の第1面S1と第2面S2の少なくとも一方に配置される。また、活物質層310は防錆膜210上に配置されることができる。
図3には電流集電体として図1の銅箔100を用いた例が示されている。しかし、本発明のさらに他の一実施例がこれに限定されるものではなく、図2に示した銅箔200を二次電池用電極300の集電体として使うこともできる。
また、銅箔100の第1面S1にだけ活物質層310が配置された構造が図3に示されているが、本発明のさらに他の一実施例がこれに限定されるものではなく、銅箔100の第1面S1と第2面S2の両方に活物質層310がそれぞれ配置されることもできる。また、活物質層310は銅箔100の第2面S2にだけ配置されることもできる。
図3に示した活物質層310は電極活物質からなり、特に負極活物質からなることができる。すなわち、図3に示した二次電池用電極300は負極として使われることができる。
活物質層310は、炭素、金属、金属の酸化物及び金属と炭素の複合体の少なくとも一つを含むことができる。金属として、Ge、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、Ni及びFeの少なくとも1種を使うことができる。また、二次電池の充放電容量を増加させるために、活物質層310はシリコン(Si)を含むことができる。
二次電池の充放電が繰り返されるに伴って活物質層310の収縮及び膨張が交互に発生し、これは活物質層310と銅箔100の分離を引き起こして二次電池の充放電効率を低下させる。特に、シリコン(Si)を含む活物質310は膨張と収縮の程度が大きい。
本発明のさらに他の一実施例によれば、集電体として使用された銅箔100が活物質層310の収縮及び膨張に対応して収縮及び膨張することができるから、活物質層310が収縮及び膨張しても銅箔100が変形するか破れることがない。その結果、銅箔100と活物質層310の間で分離が発生しない。したがって、このような二次電池用電極300を含む二次電池は優れた充放電効率及び優れた容量維持率を有する。
図4は本発明のさらに他の一実施例による二次電池用電極400の概略断面図である。
本発明のさらに他の一実施例による二次電池用電極400は、銅箔200及び銅箔200上に配置された活物質層310、320を含む。銅箔200は、銅層110及び銅層110の両面に配置された防錆膜210、220を含む。
具体的に、図4に示した二次電池用電極300は、銅箔200の第1面S1と第2面S2にそれぞれ配置された二つの活物質層310、320を含む。ここで、銅箔200の第1面S1上に配置された活物質層310を第1活物質層310、銅箔200の第2面S2に配置された活物質層320を第2活物質層320とも言う。
両活物質層310、320は互いに同一の材料から同じ方法で形成することもでき、相異なる材料又は相異なる方法で形成することもできる。
図5は本発明のさらに他の一実施例による二次電池500の概略断面図である。図5に示した二次電池500は、例えばリチウム二次電池である。
図5を参照すれば、二次電池500は、正極(cathode)370、正極370と対向して配置された負極(anode)340、正極370と負極340の間に配置され、イオンが移動することができる環境を提供する電解質(electrolyte)350、及び正極370と負極340を電気的に絶縁させる分離膜(separator)360を含む。ここで、正極370と負極340の間で移動するイオンは、例えばリチウムイオンである。分離膜360は一つの電極で発生した電荷が二次電池500の内部を通じて他の電極に移動して無駄に消耗することを防止するために、正極370と負極340を分離する。図5を参照すれば、分離膜360は電解質350内に配置される。
正極370は正極集電体371及び正極活物質層372を含む。正極集電体371として、アルミニウムホイル(foil)を使うことができる。
負極340は、負極集電体341及び活物質層342を含む。負極340の活物質層342は負極活物質を含む。
負極集電体341として、図1又は図2に示した銅箔100、200を使うことができる。また、図3又は図4に示した二次電池用電極300、400を図5に示した二次電池500の負極340として使うことができる。
図6は本発明のさらに他の一実施例による軟性銅箔積層フィルム600の概略断面図である。
本発明のさらに他の一実施例による軟性銅箔積層フィルム600は、高分子膜410及び高分子膜410上に配置された銅箔100を含む。図1に示した銅箔100を含む軟性銅箔積層フィルム600が図6に示されているが、本発明のさらに他の一実施例がこれに限定されるものではない。例えば、図2に示した銅箔200又は他の銅箔を軟性銅箔積層フィルム600に使うことができる。
高分子膜410は軟性(flexibility)及び非伝導性を有する。高分子膜410の種類に特別な制限があるものではない。高分子膜410は、例えばポリイミドを含むことができる。
例えば、ロールプレス(Roll Press)によるポリイミドフィルムと銅箔100のラミネーティングによって軟性銅箔積層フィルム600を形成することができる。もしくは、ポリイミド前駆体溶液を銅箔100上にコートした後、熱処理することによって軟性銅箔積層フィルム600を形成することもできる。
銅箔100は、マット面MSとシャイニー面SSを有する銅層110及び銅層110のマット面MS及びシャイニー面SSの少なくとも一方に配置された防錆膜210を有する。ここで、防錆膜210は省略することもできる。
図6を参照すれば、防錆膜210上に高分子膜410が配置されたものが例示されているが、本発明のさらに他の一実施例がこれに限定されるものではない。銅層110のシャイニー面SS上に高分子膜410を配置することもできる。
以下、図7を参照して、本発明の他の実施例による銅箔200の製造方法を具体的に説明する。
図7は図2に示した銅箔200の製造方法を示す概略図である。
まず、銅イオンを含む電解液11内に互いに離隔して配置された電極板13及び回転電極ドラム12を30〜80ASD(A/dm)の電流密度で通電させて銅層110を形成する。銅層110は電気メッキの原理で形成される。電極板13と回転電極ドラム12間の間隔は8〜13mmの範囲に調整することができる。
電極板13と回転電極ドラム12の間に印加される電流密度が30ASD未満の場合、結晶粒の生成が増加し、80ASDを超える場合、結晶粒の微細化が加速化する。
銅層110のシャイニー面SSの表面特性は回転電極ドラム12の表面のバフ又は研磨程度によって違うことがある。シャイニー面SS方向の表面の動摩擦係数(μk)及び“2次元表面積対比3次元表面積の比”(Fs)の調整のために、例えば#1500〜#2500の粒度(Grit)を有する研磨ブラシで回転電極ドラム12の表面を研磨することができる。
銅層110の形成過程で、電解液11は40〜60℃温度で維持される。
一方、電解液11の組成を調整することによって銅層110のマット面MSの表面特性を制御することができる。すなわち、電解液11の組成の調整によって銅箔200の第1面S1の動摩擦係数(μk1)及び“2次元表面積対比3次元表面積の比”(Fs1)を調整することができる。
本発明の一実施例によれば、電解液11は、60〜120g/Lの銅イオン、80〜150g/Lの硫酸、50mg/L以下の塩素(Cl)及び有機添加剤を含む。
このような組成及び濃度を有する電解液11によって、回転電極ドラム12上に銅が容易に電着することができる。
本発明の一実施例において、塩素(Cl)は塩素イオン(Cl)及び分子内に存在する塩素原子を全て含む意味である。塩素(Cl)は、例えば銅層110が形成される過程で電解液11に流入した銀(Ag)イオンの除去に使うことができる。具体的に、塩素(Cl)は銀(Ag)イオンを塩化銀(AgCl)の形態として沈澱させることができる。このような塩化銀(AgCl)は濾過によって除去することができる。
過度な塩素(Cl)による不必要な反応を防止するために、電解液11内の塩素(Cl)の濃度は50mg/L以下となるように管理する。
電解液11は2種以上の有機添加剤を含む。有機添加剤は、A成分とB成分の少なくとも1成分及びC成分を含むことができる。
具体的に、有機添加剤は、3〜100mg/LのA成分及び5〜50mg/LのB成分の少なくとも一つを含む。
また、有機添加剤は1〜20mg/LのC成分を含む。
A成分はスルホン酸又はその金属塩である。A成分としては、例えばビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィドジナトリウム塩(SPS)、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、3−(N,N−ジメチルチオカルバモイル)−チオプロパンスルホネートナトリウム塩、3−[(アミノ−イミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホネートナトリウム塩、o−エチルジチオカルボナト−S−(3−スルホプロピル)−エステルナトリウム塩、3−(ベンゾチアゾリル−2−メルカプト)−プロピル−スルホン酸ナトリウム塩及びエチレンジチオジプロピルスルホン酸ナトリウム塩(Ethylenedithiodipropylsulfonic acid sodium salt)の中で選択された少なくとも1種を使うことができる。
A成分は高強度銅箔のカール(Curl)特性を改善し、銅箔200の光沢を増進させることができる。A成分の濃度が3mg/L未満であれば銅箔200の光沢が低下し、100mg/Lを超えれば銅箔200の粗度が上昇して強度が低下することがある。より具体的に、電解液11内でA成分は3〜30mg/Lの濃度を有することができる。
B成分は非イオン性水溶性高分子である。B成分として、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ヒドロキシエチレンセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸ポリグリコールエーテル及びステアリルアルコールポリグリコールエーテルの中で選択された少なくとも1種を使うことができる。しかし、B成分の種類がこれに限定されるものではなく、高強度銅箔200に使うことができる他の非イオン性水溶性高分子を使うことができる。
B成分は銅箔200の急激な粗度上昇及び強度低下を防止する。
B成分の濃度が5mg/L未満であれば、銅箔200又は銅層110の粗度が急激に上昇し、銅箔200の強度が低下する問題が発生することがある。一方、B成分の濃度が50mg/Lを超えても、B成分の濃度が50mg/Lの場合と比較して、銅箔200の外観、光沢、粗度、強度、伸び率などの物性変化がほとんどない。よって、B成分の濃度を不必要に高めて製造コストを上昇させるか原料を浪費する必要なしに、B成分の濃度を5〜50mg/Lの範囲に調整することができる。
また、B成分は500〜25,000の分子量を有することができる。B成分の分子量が500未満であればB成分による銅箔200の粗度上昇の防止及び強度低下の防止の効果が低く、25,000を超えれば、B成分の大きな分子量によって銅層110が容易に形成されないことがある。より具体的に、B成分は1000〜10、000の範囲の分子量を有することができる。
C成分は窒素(N)又は硫黄(S)を含む複素環有機化合物である。このようなC成分として、特にピリジン系有機添加剤を使うことができる。
C成分として、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール(2MBT)、3−(ベンゾトリアゾール−2−メルカプト)−ピロスルホン酸)、2−メルカプトピリジン、3(5−メルカプト−1H−テトラゾール)ベンゼンスルホネート、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジメチルピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ビピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリノリン、オキサゾール、チアゾール、1−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−メチル−2メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−ブチルピロール、N−メチルピロリン、N−エチルピロリン、N−ブチルピロリン、プリン、キノリン、イソキノリン、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバゾール及びN−ブチルカルバゾールの中で選択された少なくとも1種を使うことができる。
C成分は銅箔200にカール(Curl)又はしわが発生することを緩和させる。C成分の濃度が1mg/L未満の場合、銅箔200の引張強度が低下して高強度銅箔200の製造に難しさが発生する。一方、C成分の濃度が20mg/Lを超える場合、銅箔200の引張強度が上昇する効果があるが、銅箔200でのカール(Curl)の発生がむしろ増加することがある。
電解液11は35〜45m/hourの流量で循環することができる。すなわち、銅層110の形成のための電気メッキが行われるうち電解液11に存在する固形不純物を除去するために、35〜45m/hourの流量で濾過を行うことができる。
ついで、洗浄槽20で銅層110を洗浄する。
銅層110の表面上の不純物、例えば樹脂成分又は自然酸化膜(natural oxide)などを除去するための酸洗(acid cleaning)及び酸洗に使用された酸性溶液の除去のための水洗(water cleaning)を順次行うことができる。洗浄工程は省略することもできる。
ついで、銅層110上に防錆膜210、220を形成する。
図7を参照すれば、防錆槽30に収容された防錆液31内に銅層110を浸漬して、銅層110上に防錆膜210、220を形成することができる。防錆液31はクロムを含むことができ、クロム(Cr)は防錆液31内でイオン状態で存在することができる。
防錆液31は0.5〜5g/Lのクロムを含むことができる。防錆膜210、220の形成のために、防錆液31の温度は20〜40℃に維持することができる。このように形成された防錆膜210、220を保護層とも言う。
一方、防錆膜210、220はシラン処理によるシラン化合物を含むこともでき、窒素処理による窒素化合物を含むこともできる。
このような防錆膜210、220の形成によって銅箔200を形成する。
ついで、銅箔200を洗浄槽40で洗浄する。このような洗浄工程は省略することができる。
ついで、乾燥工程が行った後、銅箔200をワインダー(WR)に巻き取る。
以下、製造例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。ただし、下記の製造例及び比較例は本発明の理解を助けるためのものであるだけで、本発明の権利範囲が下記の製造例又は比較例に限定されない。
製造例1〜5及び比較例1〜6
電解槽10、電解槽10内に配置された回転電極ドラム12及び回転電極ドラム12から離隔して配置された電極板13を含む製箔機で銅箔を製造した。電解液11は硫酸銅溶液であり、電解液11内の銅イオン濃度は80g/L、硫酸濃度は100g/L、塩素濃度は20mg/Lであり、電解液11の温度は55℃に維持した。
電解液11に含まれる有機添加剤として、ビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィドジナトリウム塩(SPS)(A成分)、ポリエチレングリコール(PEG)(B成分)及び2−メルカプトベンゾチアゾール(2−mercaptobenzothiazole)(2MBT)(C成分)を使った。これらの含量は表1に開示した通りである。
#2000の粗さを有するドラム研磨用バフブラシ(Buffing Brush)で回転電極ドラム12を研磨及びバフした。製造例1〜5及び比較例1〜6に対して同じ研磨及びバフ条件を適用することにより、銅層110のシャイニー面SSの方向に位置する銅箔の第2面S2が製造例1〜5及び比較例1〜6にかけてほぼ同じ動摩擦係数及び“2次元表面積対比3次元表面積の比”を有するようにした。
回転電極ドラム12と電極板13の間に50ASD(A/dm)の電流密度を印加して銅層110を製造した。ついで、洗浄槽20で銅層110を洗浄した。ついで、防錆槽30に収容された防錆液31に銅層110を浸漬させて、銅層110の表面にクロムを含む防錆膜210、220を形成した。このとき、防錆液31の温度は30℃に維持し、防錆液31は2.2g/Lのクロム(Cr)を含む。その結果、製造例1〜5及び比較例1〜6の銅箔を製造した。
製造された銅箔の厚さは6μmであった。
このように製造した製造例1〜5及び比較例1〜6の銅箔に対し、(i)動摩擦係数、(ii)2次元表面積対比3次元表面積の比、及び(iii)引張強度を測定し、(iv)しわの発生を観察した。また、銅箔を用いて二次電池を製造し、(v)容量維持率を評価した。
(i)動摩擦係数
ASTM D1894の規定にしたがってHEIDON社のTribogear 14FWモデルを用い、製造例1〜5及び比較例1〜6で製造された銅箔の第1面S1と第2面S2の動摩擦係数を測定した。具体的に、ステンレススチールボール(SUS ball)と銅箔100を接触させ、ステンレススチール(SUS)ボール(ball)に荷重を加えながら互いに移動させて銅箔100の動摩擦係数を測定した。このとき、φ10mmのステンレススチールボール(SUS ball)を使い、100mm/分の速度で、測定距離10mmで、荷重100gを加える測定条件を適用した。動摩擦係数は3回測定し、その平均値を表2に開示した。
(ii)2次元表面積対比3次元表面積の比
KEYENCE社のVK−9710を用いて“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”を測定した。具体的に、銅箔を1cm×1cmに切って試片を製造し、カラー3Dレーザー顕微鏡であるKEYENCE社のVK−9710を用い、50倍の倍率で銅箔試片を観察して3次元表面積を観察した。“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”は3次元で測定された銅箔試片の3次元表面積を該当銅箔試片の2次元平面面積(1cm)で割った値である(式5参照)。ここで、3次元表面積は顕微鏡のレンズをZ軸方向に移動させて焦点を合わせることによって得られる面積である。
図8Aは製造例1による銅箔の第1面S1の3次元表面写真であり、図8Bは第2面S2の3次元表面写真である。
“2次元表面積対比3次元表面積の比(Fs)”は次の式5で求める。
(式5)
Fs=(試片の3次元表面積)/(試片の2次元平面面積)
(iii)引張強度
引張強度はIPC−TM−650 Test Method Manualの規定にしたがって万能試験器(UTM)で測定した。具体的に、Instron社の万能試験器で引張強度を測定した。引張強度測定用サンプルの幅は12.7mm、グリップ(grip)間の距離は50mm、測定速度は50mm/minであった。
(iv)しわ発生
図9はしわ発生試験を説明する概略図である。
図9に示したように、製造例1〜5及び比較例1〜6の銅箔CFを1番ロールR1と2番ロールR2に巻き取った後、2番ロールに対して1.5°の角度(θ)の範囲にミスアラインメント(misalignment)を人為的に発生させた後、銅箔をD1の方向に走行させたときのしわの発生有無を確認した。表2で、しわが発行した場合を○で表示し、発生しなかった場合を×で表示した。
(v)容量維持率評価
1)負極製造
商業的に利用可能な負極活物質用シリコン/カーボン複合陰極材100重量部に2重量部のスチレンブタジエンゴム(SBR)及び2重量部のカルボキシメチルセルロース(CMC)を混合し、蒸溜水を溶剤として用いて負極活物質用スラリーを調製した。ドクターブレードを用いて10cmの幅を有する製造例1〜5及び比較例1〜6の銅箔上に40μmの厚さで負極活物質用スラリーを塗布し、これを120℃で乾燥し、1ton/cmの圧力を加えて二次電池用負極を製造した。
2)電解液製造
エチレンカーボネート(EC)及びエチレンメチルカーボネート(EMC)を1:2の比率で混合した非水性有機溶媒に溶質であるLiPFを1Mの濃度で溶解して基本電解液を製造した。99.5重量%の基本電解液と0.5重量%の無水コハク酸(Succinic anhydride)を混合して非水性電解液を製造した。
3)正極製造
Li1.1Mn1.85Al0.05のリチウムマンガン酸化物とo−LiMnOの斜方晶系(orthorhombic)結晶構造のリチウムマンガン酸化物を90:10(重量比)の比で混合して正極活物質を製造した。正極活物質、カーボンブラック、及び決着剤であるPVDF[Poly(vinylidenefluoride)]を85:10:5(重量比)で混合し、これを有機溶媒であるNMPと混合してスラリーを製造した。このように製造されたスラリーを厚さ20μmのAl箔(foil)の両面に塗布してから乾燥して正極を製造した。
4)試験用リチウム二次電池製造
アルミニウム缶の内部に、アルミニウム缶と絶縁されるように正極と負極を配置し、その間に非水性電解液及び分離膜を配置してコイン状のリチウム二次電池を製造した。使用された分離膜はポリプロピレン(Celgard2325;厚さ25μm、平均細孔径(average pore size)φ28nm、気孔率(porosity)40%)であった。
5)容量維持率測定
このように製造されたリチウム二次電池を用い、4.3V充電電圧及び3.4V放電電圧で電池を駆動して正極のg当たり容量を測定した。ついで、50℃の高温で0.2C率(current rate、C−rate)で500回の充放電実験を行って容量維持率を計算した。容量維持率が90%以下の場合、銅箔がリチウムイオン電池用負極集電体に適しないと判定した
容量維持率は次の式6で計算することができる。
(式6)
容量維持率(%)=[(500回充放電後の容量)/(1回充放電後の容量)]×100
以上の試験結果は表2の通りである。
表2を参照すれば、製造例1〜5による銅箔の場合、第1面S1の動摩擦係数が0.4〜0.5、第1面S1と第2面S2間の動摩擦係数差が0.2以下であり、銅箔でスリップがほとんど発生しなくてしわが発生しない。また、製造例1〜5による銅箔の第1面S1の“2次元表面積対比3次元表面積の比”(以下、“Fs”と言う)が4.0〜6.5、第1面S1と第2面S2間のFs差が2.0以下であり、このような銅箔を用いて製造した二次電池は90%以上の優れた容量維持率を示した。
比較例1の場合、銅箔の第1面S1と第2面S2間の動摩擦係数差が0.2以下であるか第1面S1の動摩擦係数が0.4未満であって銅箔にしわが発生した。また、第1面S1のFsが4.0未満であり、第1面S1と第2面S2間のFs差が2を超えて容量維持率が低下した。
比較例2の場合、銅箔の第1面S1の動摩擦係数が0.5を超え、第1面S1と第2面S2間の動摩擦係数差が0.2を超えて銅箔にしわが発生した。また、第1面S1と第2面S2間のFs差が大きくて二次電池の容量維持率が低下した。
比較例3の場合、動摩擦係数特性が良好であるが、銅箔の第1面S1のFsが4.0未満で、第1面S1と第2面S2間のFs差が2を超えて二次電池の容量維持率が低下した。
また、比較例1〜3の場合、有機添加剤のうちC成分である2MBTが使われなくて、銅箔の引張強度が40kgf/mm未満に低下して、銅箔が十分な引張強度を有することができない。
高容量のために金属系活物質が使われる二次電池の場合、充放電時に活物質の体積膨張が劣るから、これに対応可能な高強度電解銅箔が要求される。しかし、比較例1〜3の銅箔はこのような要求を満たすことができない。
比較例4の場合、有機添加剤としてC成分である2MBTのみが使われ、Fs要件を満たして優れた容量維持率を有し、40kgf/mm以上の引張強度を有するが、第1面S1の動摩擦係数が0.4未満であってしわが発生した。
比較例5、6の場合、有機添加剤であるC成分、すなわち2MBTが過量で使われた。この場合、二次電池の容量維持率と銅箔の引張強度が優れるが、銅箔の第1面S1の動摩擦係数が0.4未満となって銅箔にしわが発生した。
以上で説明した本発明は前述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的事項を逸脱しない範疇内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であることが本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は後述する特許請求範囲によって限定され、特許請求範囲の意味、範囲及びその等価の概念から導出される全ての変更又は変形の形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
100、200 銅箔
210、220 防錆膜
310、320 活物質層
300、400 二次電池用電極
MS マット面
SS シャイニー面

Claims (14)

  1. マット面及びシャイニー面を有する銅層を含み、
    前記銅層の前記マット面方向の第1面及び前記シャイニー面方向の第2面を有し、
    前記第1面の動摩擦係数はμk1、前記第2面の動摩擦係数はμk2であり、前記μk1と前記μk2は下記の式1及び式2を満たし、
    前記第1面の2次元表面積対比3次元表面積の比はFs1、前記第2面の2次元表面積対比3次元表面積の比はFs2であり、前記Fs1と前記Fs2は下記の式3及び式4を満たす、銅箔。
    (式1)
    0.4≦μk1≦0.5
    (式2)
    |μk1−μk2|≦0.2
    (式3)
    4.0≦Fs1≦6.5
    (式4)
    |Fs1−Fs2|≦2.0
  2. 常温で40kgf/mm以上の引張強度を有する、請求項1に記載の銅箔。
  3. 4μm〜35μmの厚さを有する、請求項1に記載の銅箔。
  4. 前記銅層上に配置された防錆膜をさらに含む、請求項1に記載の銅箔。
  5. 前記防錆膜は、クロム、シラン化合物及び窒素化合物の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の銅箔。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の銅箔、及び
    前記銅箔上に配置された活物質層、
    を含む、二次電池用電極。
  7. 正極(cathode)、
    前記正極と対向して配置された負極(anode)、
    前記正極と前記負極の間に配置され、リチウムイオンが移動することができる環境を提供する電解質(electrolyte)、及び
    前記正極と前記負極を電気的に絶縁させる分離膜(separator)、を含み、
    前記負極は、
    請求項1〜5のいずれか一項による銅箔、及び
    前記銅箔上に配置された活物質層、
    を含む、二次電池。
  8. 高分子膜、及び
    前記高分子膜上に配置された、請求項1〜5のいずれか一項による銅箔、
    を含む、軟性銅箔積層フィルム。
  9. 銅イオンを含む電解液内に互いに離隔して配置された電極板及び回転電極ドラムを30〜80ASD(A/dm)の電流密度で通電させて銅層を形成する段階を含み、
    前記電解液は、
    60〜120g/Lの銅イオン、
    80〜150g/Lの硫酸、
    50mg/L以下の塩素(Cl)、及び
    有機添加剤、を含み、
    前記有機添加剤は、
    3〜100mg/LのA成分及び5〜50mg/LのB成分の少なくとも1種、及び
    1〜20mg/LのC成分、を含み、
    前記A成分はスルホン酸又はその金属塩であり、
    前記B成分は非イオン性水溶性高分子であり、
    前記C成分は窒素(N)又は硫黄(S)を含む複素環有機化合物である、
    銅箔の製造方法。
  10. 前記A成分は、ビス−(3−スルホプロピル)−ジスルフィドジナトリウム塩(SPS)、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸、3−(N,N−ジメチルチオカルバモイル)−チオプロパンスルホネートナトリウム塩、3−[(アミノ−イミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホネートナトリウム塩、o−エチルジチオカルボナト−S−(3−スルホプロピル)−エステルナトリウム塩、3−(ベンゾチアゾリル−2−メルカプト)−プロピル−スルホン酸ナトリウム塩及びエチレンジチオジプロピルスルホン酸ナトリウム塩(Ethylenedithiodipropylsulfonic acid sodium salt)の中で選択された少なくとも1種を含む、請求項9に記載の銅箔の製造方法。
  11. 前記B成分は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー、ポリグリセリン、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ヒドロキシエチレンセルロース、ポリビニルアルコール、ステアリン酸ポリグリコールエーテル及びステアリルアルコールポリグリコールエーテルの中で選択された少なくとも1種を含む、請求項9に記載の銅箔の製造方法。
  12. 前記B成分は500〜25,000の分子量を有する、請求項9に記載の銅箔の製造方法。
  13. 前記C成分は、2−メルカプトベンゾチアゾール(2MBT)3−(ベンゾトリアゾール−2−メルカプト)−ピロスルホン酸、2−メルカプトピリジン、3(5−メルカプト−1H−テトラゾール)ベンゼンスルホネート、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジメチルピリジン、2,2’−ビピリジン、4,4’−ビピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリノリン、オキサゾール、チアゾール、1−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−メチル−2メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−ブチルピロール、N−メチルピロリン、N−エチルピロリン、N−ブチルピロリン、プリン、キノリン、イソキノリン、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバゾール及びN−ブチルカルバゾールの中で選択された少なくとも1種を含む、請求項9に記載の銅箔の製造方法。
  14. 前記銅層に防錆膜を形成する段階をさらに含む、請求項9に記載の銅箔の製造方法。
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