JP2020026476A - 化合物、高分子化合物及び高分子化合物の製造方法 - Google Patents

化合物、高分子化合物及び高分子化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機能性分子を容易に導入することが可能な高分子化合物を提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表される官能基及び下記一般式(2)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種を有する高分子化合物。式中、FU1、FU2及びFU3は、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基等を示し、Lは、単結合又は二価の連結基を示す。【選択図】なし

Description

本発明は、化合物、高分子化合物及び高分子化合物の製造方法に関し、特に、クリック反応性高分子化合物を製造するために有用な化合物、クリック反応性高分子化合物及びクリック反応性高分子化合物の製造方法に関する。
クリック反応は、反応基質同士が簡便な条件下で進行して安定な結合を造ることから、種々の機能性化合物を製造する手法として研究がなされている。アジド基を有する化合物と末端アルキン基を有する化合物との間で進行するヒュスゲン(Huisgen)環化反応は、クリック反応の代表的な反応である。
近年、ヒュスゲン環化反応を利用した機能性高分子材料の製造技術について検討がなされている。特許文献1には、アジド基又は末端アルキニル基を有するオレフィン性不飽和モノマーをラジカル重合して得られるポリマー中間体を生成し、このポリマー中間体に対して、銅触媒の存在下に末端アルキニル基又はアジド基を有する糖側鎖部分を反応させて糖側鎖基をペンダント側基として有するポリマーの製造方法が提案されている。
また、銅触媒を使用せずに、ヒュスゲン環化反応を行うことができる反応基質として、歪みのある環状アルキンである、4,8−ジアザシクロノニンの研究が行われている(例えば、非特許文献1及び2)。
特開2013−227591号
しかしながら、クリック反応可能な環状アルキンを有する高分子化合物及びその製造方法の検討は十分になされているとはいえない。
本発明は、機能性分子を容易に導入することが可能な高分子化合物及び当該高分子化合物を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明の一側面は、下記一般式(1)で表される官能基及び下記一般式(2)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種を有する高分子化合物を提供する。
Figure 2020026476
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上記一般式(1)中、FUは、メタンスルホニル基(Ms基)、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基(Ts基)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns基)、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)を示す。上記一般式(2)中、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。上記一般式(1)及び上記一般式(2)中、Lは、単結合又は二価の連結基を示す。
上記の高分子化合物は、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有することから、アジド基を有する機能性分子とヒュスゲン環化反応させることが可能である。つまり、所望の機能性分子を容易に高分子化合物に導入して機能性高分子材料を製造することが可能である。また、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有することから、銅触媒を使用せずとも、ヒュスゲン環化反応が可能である。末端アルキニル基又はアジド基を有する高分子化合物と、当該高分子化合物の官能基に対応するアジド基又は末端アルキニル基を有する化合物とを銅触媒の存在下でヒュスゲン環化反応させて機能性高分子材料を製造する従来の方法では、得られる機能性高分子材料に銅が混入することで性能が低下する場合があるが、上記高分子化合物の場合、銅の混入による影響が生じない。
上記一般式(1)及び上記一般式(2)で表される官能基において、二価の連結基が、−CO−、−CO−CHCH−COO−CPh−Ph−、−CO−NH−CHCH−O−CO−、−CO−CHCH−CO−、−CO−CHCH−CO−NH−CHCHCH−NH−、−SO−CHCH−S−、−SO−CHCHCHCH−CO−、下記式(i)で表される連結基、下記式(ii)で表される連結基及び下記式(iii)で表される連結基のいずれかを含んでもよい。
Figure 2020026476
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上記一般式(1)で表される官能基及び上記一般式(2)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種が高分子化合物の主鎖を構成する原子に直接結合してもよい。また、上記高分子化合物が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエチレンイミン、及びポリペプチドのいずれか一つの誘導体であってもよい。
本発明の一側面は、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される化合物を提供する。
Figure 2020026476
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上記一般式(3)中、FUは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。上記一般式(4)中、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
上記一般式(3)中、−CO−CR=CH、−SO−CH=CH、−CO−CHCH−CO−NH−CH2CH2CH2−NH、−SO−CHCHCHCH−COOH、下記式(iv)で表される末端基、下記式(v)で表される末端基、下記式(vi)で表される末端基、又は式(vii)であらわされる末端基を示す。上記一般式(4)中、水素原子、−CO−CHCH−COOH、−CO−CR=CH、−SO−CH=CH、−CO−CHCH−CO−NH−CH2CH2CH2−NH、−SO−CHCHCHCH−COOH、下記式(iv)で表される末端基、下記式(v)で表される末端基、下記式(vi)で表される末端基、又は式(vii)であらわされる末端基を示す。上記一般式(3)及び上記一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。
Figure 2020026476
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本発明の一側面は、下記一般式(5)で表される化合物を含む重合性組成物を重合して、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法を提供する。
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上記一般式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。上記一般式(5)中、FU2及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
本発明の一側面は、下記一般式(6)で表される構造単位及び下記一般式(7)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種を有する高分子と、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、下記一般式(11)で表される化合物及び下記式(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法を提供する。
Figure 2020026476
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上記一般式(8)、上記一般式(9)、上記一般式(10)、及び上記一般式(11)中、FU、FU、及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
本発明の一側面は、下記一般式(13)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(14)で表される化合物及び下記一般式(15)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法を提供する。
Figure 2020026476
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上記一般式(13)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは2〜11の整数を示す。上記一般式(14)及び上記一般式(15)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
本発明の一側面は、下記一般式(16)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(17)で表される化合物及び下記一般式(18)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法を提供する。
Figure 2020026476
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上記一般式(17)及び上記一般式(18)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
本発明の一側面は、下記一般式(19)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(20)で表される化合物、下記一般式(21)で表される化合物、下記一般式(22)で表される化合物及び下記一般式(23)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法を提供する。
Figure 2020026476
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上記一般式(19)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又はアルキル基を示す。上記一般式(20)、上記一般式(21)、上記一般式(22)及び上記一般式(23)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
本発明によれば、機能性分子を容易に導入することが可能な高分子化合物及び当該高分子化合物を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
<4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物>
機能性分子を容易に導入することが可能な高分子化合物の一実施形態は、下記一般式(1)で表される官能基及び下記一般式(2)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種を有する。本実施形態に係る高分子化合物は、下記一般式(1)で表される官能基及び下記一般式(2)で表される官能基をそれぞれ複数有していてもよく、下記一般式(1)及び下記一般式(2)の両方を有していてもよい。本実施形態に係る高分子化合物は、クリック反応が可能な環状アルキンを分子内に有していることから、アジド基を有する機能性分子と反応可能であり、機能性分子を容易に高分子に導入することができる。本実施形態に係る高分子化合物をクリック反応性高分子化合物ということもある。
Figure 2020026476
一般式(1)中、FUは、メタンスルホニル基(Ms基)、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基(Ts基)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns基)、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)を示す。一般式(1)中、Lは、単結合又は二価の連結基を示す。
Figure 2020026476
一般式(2)中、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。一般式(2)中、Lは、単結合又は二価の連結基を示す。
上記高分子化合物が、一般式(1)で表される官能基を有する場合、アジド基を有する機能性分子とのヒュスゲン環化反応によって得られる機能性高分子材料には位置異性体及び鏡像異性体が生成され得る。これに対して、上記高分子化合物が一般式(2)で表される官能基を有する場合(特にFU及びFUが同じ置換基である場合)には、アジド基を有する機能性分子とのヒュスゲン環化反応によって得られる機能性高分子材料として、位置異性体が生成されない。一般式(2)で表される官能基を有する高分子化合物であれば、例えば、純度の高いものを得ることができる。
一般式(1)及び一般式(2)におけるLが二価の連結基である場合、当該二価の連結基が、−CO−、−CO−CHCH−COO−CPh−Ph−、−CO−NH−CHCH−O−CO−、−CO−CHCH−CO−、−CO−CHCH−CO−NH−CHCHCH−NH−、−SO−CHCH−S−、−SO−CHCHCHCH−CO−、下記式(i)で表される連結基、下記式(ii)で表される連結基、及び下記式(iii)で表される連結基のいずれかであってよい。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
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一般式(1)で表される官能基が、高分子化合物の主鎖を構成する原子(例えば、炭素及び窒素等)に直接結合していてもよく、高分子化合物の側鎖及び末端の官能基と結合してもよい。また一般式(2)で表される官能基が、高分子化合物の主鎖を構成する原子(例えば、炭素及び窒素等)に直接結合していてもよく、高分子化合物の側鎖及び末端の官能基と結合してもよい。
上記高分子化合物は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。上記高分子化合物が単独重合体の場合、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエチレンイミン、及びポリペプチドのいずれか一つの誘導体であってもよい。上記高分子化合物が共重合体の場合、ランダム共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
本実施形態に係る高分子化合物は、アジド基を有する機能性分子とヒュスゲン環化反応して、容易に機能性高分子化合物を与えることができる。高分子化合物とアジド基を有する機能性分子との配合比を調整することによって(例えば、アジド基を有する機能性分子を高分子化合物に対して1.5等量以上とすることによって)、高分子化合物が有する環状アルキンの一部、又は全部を反応させることができる。ヒュスゲン環化反応の条件は、環状アルキンの種類及びアジド基を有する機能性分子の種類等によって適宜調整することができる。
アジド基を有する機能性分子を有する化合物は、特に制限されるものではなく、合成したものを用いてもよく、クリック反応用の試薬として市販されている化合物を用いてもよい。機能性分子としては、例えば、糖、ペプチド、脂肪酸、ステロイド、テルペン、DNA、RNA、抗体、医薬品原薬、蛍光色素、色素、ポリエチレングリコール、アルカン、及びパーフルオロアルカン等が挙げられる。アジド基を有する機能性分子を有する化合物としては、例えば、上記機能性分子にアジド基を導入したものが挙げられる。アジド基を有する機能性分子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物>
機能性分子を容易に導入することが可能な高分子化合物を製造するために環状アルキンを有する化合物を用いることができる。当該化合物としては、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物を挙げることができる。4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物は、既に知られているものに加えて、下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。
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一般式(3)中、FUは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
一般式(3)中、Gは、−CO−CR=CH、−SO−CH=CH、−CO−CHCH−CO−NH−CHCHCH−NH、−SO−CHCHCHCH−COOH、下記式(iv)で表される末端基、下記式(v)で表される末端基、下記式(vi)で表される末端基、又は式(vii)であらわされる末端基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。
Figure 2020026476
一般式(4)中、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
一般式(4)中、Gは、水素原子、−CO−CHCH−COOH、−CO−CR=CH、−SO−CH=CH、−CO−CHCH−CO−NH−CHCHCH−NH、−SO−CHCHCHCH−COOH、下記式(iv)で表される末端基、下記式(v)で表される末端基、下記式(vi)で表される末端基、又は式(vii)であらわされる末端基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
Figure 2020026476
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一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物は、ペプチド合成の基質として用いることができる。一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物のうち、例えば、一般式(3)において、FUが9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基であり、Gの末端が−COOH又は−NHである化合物、及び一般式(4)において、FU及びFUの一方が9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基であり、Gの末端が−COOH又は−NHである化合物は、ペプチド固相合成法の反応基質として用いることができる。換言すれば、上記の化合物を含む反応基質をペプチド固相合成法によって反応させペプチドを得る工程を含む製造方法に用いることができ、この方法によって、主鎖中に環状アルキン骨格を有するペプチドを製造することができる。
また、一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物のうち、例えば、一般式(3)において、FUが上記式(vi)又は上記式(vii)で表される末端基であり、Gの末端が−COOH又は−NHである化合物、及び一般式(4)において、FU及びFUの一方が上記式(vi)又は上記式(vii)で表される末端基であり、Gの末端が−COOH又は−NHである化合物も、ペプチド固相合成法の反応基質として用いることができる。上記の化合物を含む反応基質をペプチド固相合成法によって反応させペプチドを製造する場合には、側鎖中に環状アルキン骨格を有するペプチドを製造することができる。
環状アルキン骨格を主鎖中又は側鎖中に有するペプチドは、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有することから、アジド基を有する機能性分子とヒュスゲン環化反応させることが可能である。ペプチドはアミノ酸残基に由来する多数の反応性官能基(アミノ基、及びカルボキシル基等)を有することから、ペプチドに機能性分子を導入する従来の方法においては、まずペプチド中のアミノ酸残基に由来する反応性官能基に対して選択的に保護基を導入する必要がある。これに対して、環状アルキン骨格を主鎖中又は側鎖中に有するペプチドは、ヒュスゲン環化反応を利用することができ、保護基の導入等をせずに、機能性分子を導入したペプチドを容易に製造することができる。
一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物は、例えば、以下の反応式(1)又は反応式(2)に示す方法によって製造することができる。
Figure 2020026476
反応式(1)は、2−ブチン−1,4−ジオールとオクタカルボニルコバルトとを反応させて、コバルト錯体を得る工程と、当該コバルト錯体とジアミン誘導体とを三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の存在下で反応させ、環状コバルト錯体を調製する工程と、当該環状コバルト錯体と硝酸アンモニウムセリウム(IV)(反応式(1)中、CANで示す)とを反応させることによりコバルトを除去して上記一般式(3)で示される化合物を得る工程とを有する製法によって、製造することができる。
Figure 2020026476
反応式(2)は、2−ブチン−1,4−ジオールとオクタカルボニルコバルトとを反応させて、コバルト錯体を得る工程と、当該コバルト錯体と2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン誘導体とを三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の存在下で反応させ、環状コバルト錯体を調製する工程と、当該環状コバルト錯体と硝酸アンモニウムセリウム(IV)(反応式(2)中、CANで示す)とを反応させることによりコバルトを除去して6−ヒドロキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物を調製する工程と、当該化合物のヒドロキシ基と、ヒドロキシ基と反応する官能基を有する化合物とを反応させて上記一般式(4)で示される化合物を得る工程とを有する製法によって、製造することができる。なお、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン誘導体に代えて、1,3−プロパンジアミン誘導体の2位に−O−Gで表される官能基を有する化合物を用いて、上記一般式(4)で表される化合物を調製することもできる。
<高分子化合物の製造方法>
4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物は、例えば、以下のような方法により製造することができる。(A)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、重合性の官能基とを有する化合物を含む重合性組成物を重合させる方法、(B1)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、カルボキシ基とを有する化合物、及びトリチルクロリド基を有する高分子を反応させる方法、(B2)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、カルボキシ基とを有する化合物、及び4−[4−(ヒドロキシメチル)フェノキシメチル]フェニル基を有する高分子を反応させる方法、(C)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有するアミン化合物、及びイソシアネート基を有する高分子を反応させる方法、(D)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有するN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(NHSエステル)と、主鎖に2級アミン構造を有する高分子とを反応させる方法、(E1)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、マレイミド基とを有する化合物と、チオール基を主鎖の末端に有する高分子とを反応させる方法、及び(E2)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、ビニル基とを有する化合物とチオール基を主鎖の末端に有する高分子化合物とを反応させる方法等を挙げることができる。
(A)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、重合性の官能基とを有する化合物を含む重合性組成物を重合させる方法としては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物を含む重合性組成物を重合して、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
Figure 2020026476
一般式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。一般式(5)中、FU2及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
重合性組成物は、一般式(5)で表される化合物の他に、一般式(5)で表される化合物と共重合可能な単量体成分を含んでもよい。このような単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、シアン化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体、不飽和ジカルボン酸無水物単量体、N−アルキルマレイミド単量体及びN−アリールマレイミド単量体などが挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合方法は、各種ラジカル重合等の重合方法から適宜選択することができ、例えば、塊状重合法、溶液重合法、及び懸濁重合法等であってよい。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、及びベンゾフェノン等の光重合開始剤などが挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。温度及び重合時間等の重合条件は、重合性組成物に含まれる単量体成分の種類、重合開始剤の種類、及び重合方法等によって、適宜選択することができる。
(B1)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、カルボキシ基とを有する化合物、及びトリチルクロリド基を有する高分子を反応させる方法としては、例えば、下記一般式(6)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、下記一般式(11)で表される化合物及び下記式(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
(B2)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、カルボキシ基とを有する化合物、及び4−[4−(ヒドロキシメチル)フェノキシメチル]フェニル基を有する高分子を反応させる方法としては、例えば、下記一般式(7)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、下記一般式(11)で表される化合物及び下記式(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
一般式(6)で表される構造単位を有する高分子、及び一般式(7)で表される構造単位を有する高分子は、単独重合体であってよく、他の構造単位も有する共重合体であってもよい。上記共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、交互共重合体であってよく、ブロック共重合体であってもよい。上記高分子は、一般式(6)で表される構造単位及び一般式(7)で表される構造単位を有する高分子であってもよい。一般式(6)で表される構造単位を有する高分子、及び一般式(7)で表される構造単位を有する高分子は、例えば、ポリスチレン、及びポリ(メタ)アクリレート等とのブロック共重合体であってもよい。一般式(6)で表される構造単位を有する高分子が単独共重合体である場合、トリチルクロリド基を有する樹脂としては、市販のトリチルクロリド樹脂を使用することができる。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
Figure 2020026476
Figure 2020026476
Figure 2020026476
一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)、及び一般式(11)中、FU、FU、及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
(B1)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、カルボキシ基とを有する化合物、及びトリチルクロリド基を有する高分子を反応させる方法は、例えば、一般式(6)で表される構造単位を有する高分子と、上記一般式(8)で表される化合物、上記一般式(9)で表される化合物、上記一般式(10)で表される化合物、上記一般式(11)で表される化合物及び上記式(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを、有機溶媒に溶解させ、3級アミンの存在下で反応させることで行ってもよい。3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、及びジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
(B2)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、カルボキシ基とを有する化合物、及び4−[4−(ヒドロキシメチル)フェノキシメチル]フェニル基を有する高分子を反応させる方法は、例えば、一般式(7)で表される構造単位を有する高分子と、上記一般式(8)で表される化合物、上記一般式(9)で表される化合物、上記一般式(10)で表される化合物、上記一般式(11)で表される化合物及び上記式(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを、有機溶媒に溶解させ、縮合剤及び3級アミンの存在下で反応させることによって行ってもよい。縮合剤としては、例えば、ウォーターソルブルカルボジイミド(WSC)、ジイソプロピルカルボジイミド、及びジシクロヘキシルカルボジイミド等が挙げられる。3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。上記反応においては、また、必要に応じて活性化剤を用いてもよい。活性化剤としては、例えば、4−ジメチルアミノピリジン及び4−ピロリジノピリジン等が挙げられる。
(C)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有するアミン化合物、及びイソシアネート基を有する高分子を反応させる方法としては、下記一般式(13)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(14)で表される化合物及び下記一般式(15)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
Figure 2020026476
一般式(13)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは2〜11の整数を示す。一般式(13)で表される構造単位を有する高分子は、単独重合体であってよく、他の構造単位も有する共重合体であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。一般式(13)で表される構造単位を有する高分子は、例えば、ポリスチレン、及びポリ(メタ)アクリレート等とのブロック共重合体であってもよい。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
一般式(14)及び一般式(15)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
(C)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有するアミン化合物、及びイソシアネート基を有する高分子を反応させる方法は、例えば、一般式(13)で表される構造単位を有する高分子と、一般式(14)で表される化合物及び一般式(15)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを、有機溶媒に溶解させて行ってもよい。
(D)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有するN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(NHSエステル)と、主鎖に2級アミン構造を有する高分子とを反応させる方法としては、例えば、下記一般式(16)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(17)で表される化合物及び下記一般式(18)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
Figure 2020026476
上記一般式(16)で表される構造単位を有する高分子は、単独重合体であってよく、他の構造単位も有する共重合体であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
上記一般式(17)及び上記一般式(18)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
(D)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有するN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(NHSエステル)と、主鎖に2級アミン構造を有する高分子とを反応させる方法は、例えば、上記一般式(16)で表される構造単位を有する高分子と、上記一般式(17)で表される化合物及び上記一般式(18)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを有機溶媒に溶解させて行ってもよい。
(E1)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、マレイミド基とを有する化合物と、チオール基を主鎖の末端に有する高分子とを反応させる方法としては、例えば、下記一般式(19)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(20)で表される化合物及び下記一般式(21)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
(E2)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、ビニル基とを有する化合物とチオール基を主鎖の末端に有する高分子化合物とを反応させる方法としては、例えば、下記一般式(19)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(22)で表される化合物及び下記一般式(23)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、上述の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法が挙げられる。
Figure 2020026476
一般式(19)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。一般式(19)中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、当該アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であってよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、及びペンチル基等であってよい。
一般式(19)で表される構造単位を有する高分子は、チオール基を有しており、例えば、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT重合)によって得られる高分子等が挙げられる。
一般式(19)で表される構造単位を有する高分子は、単独重合体であってよく、他の構造単位も有する共重合体であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、交互共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。一般式(19)で表される構造単位を有する高分子は、例えば、ポリスチレン、及びポリ(メタ)アクリレート等とのブロック共重合体であってもよい。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
一般式(20)及び一般式(21)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
Figure 2020026476
Figure 2020026476
一般式(22)及び一般式(23)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。
(E1)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、マレイミド基とを有する化合物と、チオール基を主鎖の末端に有する高分子とを反応させる方法は、例えば、上記一般式(19)で表される構造単位を有する高分子と、上記一般式(20)で表される化合物及び上記一般式(21)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを、有機溶媒に溶解させて行ってもよい。
(E2)4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基と、ビニル基とを有する化合物とチオール基を主鎖の末端に有する高分子化合物とを反応させる方法は、例えば、上記一般式(19)で表される構造単位を有する高分子と、上記一般式(22)で表される化合物及び上記一般式(23)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを、有機溶媒に溶解させて行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例を参照して本発明の内容をより詳細に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、得られた化合物及び高分子化合物の構造は、赤外吸収スペクトル(IR)測定、核磁気共鳴スペクトル(NMR)分析、固体NMRスペクト分析、旋光度分析、及びマススペクトル分析等によって確認した。また得られた高分子化合物の重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。
(IR測定)
化合物をNaClプレートに液体化合物を塗布する、又は反射測定用のサンプル台に固体化合物を擦り付けることで測定サンプルを調製し、分光器(株式会社パーキンエルマー製、製品名:スペクトラムワン)を用いて透過光を測定した。
(NMRスペクトル分析)
重溶媒に溶解した化合物を外径5mmのサンプルチューブに入れて、室温下で、分光器(バリアン社製、製品名:マーキュリー(H−NMR:300MHz、13C−NMR:75MHz))を用いて測定した。
(固体NMRスペクトル分析)
高分子化合物を固体サンプル用チューブに入れて、室温下で、分光器(日本電子株式会社製、製品名:JNM−ECA400(13C:100MHz))を用いて測定した。
(旋光度分析)
化合物をクロロホルムに溶解して光路長100nmの円筒形セルに入れ、分光器(日本分光株式会社製、旋光計、製品名:DIP−370)を用いて、589nmの可視光で測定した。
(マススペクトル分析)
高分子材料について、質量分析計(日本電子株式会社製、製品名:JMS−700)を用いて、EI又はFABモードで測定した。
(HPLC測定)
高分子材料について、高速液体クロマトグラフィー(送液ポンプ(日本分光株式会社製、製品名:PU−4180)、検出器(日本分光株式会社製、製品名:UV−4075、RI−4030)、カラムオーブン(日本分光株式会社製、製品名:LCO−035)、GPCカラム(昭和電工株式会社製、製品名:Shodex GPC−KF804L(8×30mm)、Shodexは登録商標))を用いて、溶離液としてTHFを用いて数平均分子量及び分子量分散(数平均分子量に対する重量平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量))を測定した。分析温度は40.0℃、溶離液の流速は1.000mL/分とした。なお、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、高速液体クロマトグラフィーによる測定値を、標準ポリスチレン(昭和電工株式会社製、製品名:Shodex STANDARD SM−105及びSL−105)の検量線を用いて換算することによって導出した。
(実施例1)
[N−スクシニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
下記反応式(1)〜(4)にしたがって、前駆体(1a)、(1b)、(2a)、(2b)、(2a)・HCl及び(2b)・HClを調製した。その後、下記反応式(5)にしたがって、N−スクシニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(3a)の合成を行った。
Figure 2020026476
1,4−ブチンジオール(1.03g,12.0mmol)をジクロロメタン(400mL)に溶かし、二コバルトオクタカルボニル(4.27g,12.5mmol)を加えて、30℃で1.5時間撹拌した。その後、ジクロロメタン(1.0L)、N−p−トルエンスルホニル,N'−2−ニトロベンゼンスルホニル−1,3−プロパンジアミン(4.13g,10.0mmol)、及びボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(5.17mL,30.0mmol)を反応溶液に加えて、30℃で1.5時間撹拌した。
反応終了後、シリカゲル(中性,球状)(84.0g)、及び硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN,16.4g,30.0mmol)を反応終了後の溶液に加えて、30℃で1時間半撹拌した。その後、ピリジン(3.20mL,40.0mmol)、及びアミノプロピル化されたシリカゲル(100g)を更に加えて、30分間撹拌した。その後、濾過することで溶液から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、9員環アルキンを得た。
得られた9員環アルキンを精製することなくジクロロメタン(400mL)に溶かして、シリカゲル(中性,球状,12.0g)、及びアミノプロピル化されたシリカゲル(12.0g)を加えて、30分間撹拌した。濾過することで溶液から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジクロロメタン(12.0mL)に溶解し、ゆっくりとヘキサン(120mL)を滴下することで再結晶を行った。濾過によって、無色の結晶として、ジアザシクロノニン(1a)を3.12g(収率:72%)得た。
ジアザシクロノニン(1a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 8.00-7.96 (m, 1H), 7.75-7.62 (m, 5H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 2H),4.05 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.84 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.51 (t, J = 5.4 Hz, 2H),3.25 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.16-2.05 (m, 2H).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ 148.5, 144.1, 134.2, 134.1, 131.8, 131.6, 131.2, 130.0, 127.4,124.4, 88.5, 88.0, 45.2, 44.8, 41.4, 41.0, 32.3, 21.6.
IR(reflection,cm−1):
2928, 1722, 1596, 1545, 1450, 1359, 1293, 1161, 1126, 1096, 989,898, 852, 816, 777, 736, 678, 652, 595.
HRMS(FAB,matrix:3−nitrobenzyl alcohol,positive):m/z calcd for C20H22N3O6S2 [M+H]+: 464.0950, found: 464.0951.
Figure 2020026476
1,4−ブチンジオール(1.03g,12.0mmol)をジクロロメタン(400mL)に溶かして、二コバルトオクタカルボニル(4.27g,12.5mmol)を加えて、30℃で1.5時間撹拌した。その後、ジクロロメタン(1.0L)、N−メタンスルホニル,N’−2−ニトロベンゼンスルホニル−1,3−プロパンジアミン(3.06g,10.0mmol)、及びボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(5.17mL,30.0mmol)を反応溶液に加えて、30℃で1.5時間撹拌した。
反応終了後、シリカゲル(中性,球状)(84.0g)、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN,16.4g,30.0mmol)を反応終了後の溶液に加えて、30℃で1時間半撹拌した。その後、ピリジン(3.20mL,40.0mmol)、及びアミノプロピル化されたシリカゲル(100g)を更に加えて、30分間撹拌した。その後、濾過することで溶液から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、9員環アルキンを得た。
得られた9員環アルキンを精製することなくジクロロメタン(400mL)に溶かして、シリカゲル(中性,球状,12.0g)、及びアミノプロピル化されたシリカゲル(12.0g)を加えて、30分間撹拌した。濾過することで溶液から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジクロロメタン(12.0mL)に溶解し、ゆっくりとヘキサン(120mL)を滴下することで再結晶を行った。濾過によって、無色の結晶として、ジアザシクロノニン(1b)を2.20g(収率:57%)得た。
ジアザシクロノニン(1b)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 8.01-7.99 (m, 1H), 7.78-7.69 (m, 2H), 7.67-7.64 (m, 1H), 4.11 (t, J= 2.4 Hz, 1H) , 3.96 (t, J = 2.4 Hz, 1H) , 3.53-3.50 (m, 2H), 3.47-3.43 (m, 2H),2.85 (s, 3H), 2.19-2.12 (m, 2H).
Figure 2020026476
上記で得られたジアザシクロノニン(1a)(1.29g,2.77mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解して、p−トルエンチオール(447mg,3.60mmol)及び炭酸セシウム(1.18g,3.60mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。1規定塩酸(10mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、分液操作を行い、水相を分取した。有機相に1規定塩酸(10mL)を再度加えて、分液操作を行うことで水相を分取した。得られた水相を合わせて、ジエチルエーテル(10mL)で5回洗浄した。洗浄後に、水相のpHが11以上になるまで、水相に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた。pHを調整した後、水相にジクロロメタン(20mL)を加え、3回分液操作を行い、得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、アミン(2a)を得た。
得られたアミン(2a)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、38%塩酸を(338μL,4.15mmol)を加えて塩酸塩を形成した後、溶媒と過剰の塩酸とを減圧留去した。再度、アセトニトリル(20mL)を加えて、溶媒と過剰の塩酸とを減圧留去した。その後、得られた固体を酢酸エチルで洗浄して、無色の結晶として、ジアザシクロノニンのアミン塩酸塩(2a)・HClを659mg(収率:75%)得た。
ジアザシクロノニンのアミン塩酸塩(2a)・HClについてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,DMSO−d6):
δ 9.43(s,2H),7.69(d,2H, J = 8.4), 7.43(d,2H, J = 8.4),3.90(s,2H), 3.83(s,2H), 3.31(s,3H), 3.26(dd, J = 6.3,2H), 3.19(dd, J = 6.3,2H), 2.39(s, 3H), 2.06-1.92(m,2H).
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6):
δ 143.83, 134.05, 130.09,127.19,89.97,85.00,45.22,42.41,37.00,28.99,21.03.
Figure 2020026476
上記で得られたジアザシクロノニン(1b)(992mg,2.56mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解して、p−トルエンチオール(413mg,3.32mmol)及び炭酸セシウム(1.08g,3.32mmol)を加えて、室温で14時間撹拌した。1規定塩酸(10mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、分液操作を行い、水相を分取した。有機相に1規定塩酸(10mL)を再度加えて、分液操作を行うことで水相を分取した。得られた水相を合わせて、ジエチルエーテル(10mL)で5回洗浄した。洗浄後に、水相のpHが11以上になるまで、水相に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた。pHを調整した後、水相にジクロロメタン(20mL)を加え、3回分液操作を行い、得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、アミン(2b)を得た。
得られたアミン(2b)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、38%塩酸(338μL,4.15mmol)を加えて塩酸塩を形成した後、溶媒と過剰の塩酸とを減圧留去した。再度、アセトニトリル(20mL)を加えて、溶媒と過剰の塩酸とを減圧留去した。その後、得られた固体をアセトニトリルと酢酸エチルとの混合溶媒で洗浄して、無色の結晶として、ジアザシクロノニンのアミン塩酸塩(2b)・HClを528mg(収率:86%)得た。
ジアザシクロノニンのアミン塩酸塩(2b)・HClについてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDOH):
δ 4.06 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.94 (t, J = 2.4 Hz, 2H),3.53 (t, J = 5.7Hz, 2H), 3.45 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.93 (s, 3H), 2.18-2.03 (m, 2H).
Figure 2020026476
上記で得られたジアザシクロノニンの塩酸塩(2a)・HCl(45.5mg,0.163mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解して、トリエチルアミン(68.3μL,0.490mmol)及びコハク酸無水物(16.4mg,0.163mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。1規定塩酸(2.00mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、ジエチルエーテル(3.00mL)を加えて、分液操作を行い、水相を分取した。水相にジクロロメタン(3.00mL)を加え、3回分液操作を行い、有機相を得た。有機相の溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジクロロメタン(3.00mL)に溶解し、ゆっくりとヘキサン(1.00mL)を滴下することで再結晶を行った。濾過によって、無色の結晶として、ジアザシクロノニン(3a)を49.2mg(収率:80%)得た。
ジアザシクロノニン(3a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl,compound exists as a0.65:0.35 mixture of rotational isomer):
δ 10.25-9.00 (br, 0.65H:major,0.35H:minor),7.66 (d, J = 8.1 Hz, 1.3H:major,0.7H:minor), 7.334 (d,J = 8.1 Hz, 1.3H:major), 7.326 (d, J = 8.1 Hz, 0.7H:minor), 4.22 (t, J = 2.4Hz, 1.3H:major),4.05 (t, J = 2.4 Hz, 0.7H:minor), 3.87 (t, J = 2.7 Hz, 1.3H:major,0.7H:minor), 3.62 (t, J = 5.4 Hz, 1.3H:major), 3.59 (t, J = 5.4 Hz,0.7H:minor), 3.27 (t, J = 5.7 Hz, 1.3H:major), 3.16 (t, J = 5.7 Hz, 0.7H:minor),2.71-2.54 (m,2.6H:major,1.4H:minor), 2.44 (s, 1.95H:major),2.43 (s, 1.05H:minor), 2.13-2.02 (m, 1.3H:major,0.7H:minor).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ 177.4, 177.3, 172.3, 171.1, 144.0, 143.9, 134.5, 134.4, 130.0,129.9, 127.3, 127.2, 88.9, 88.5, 88.1, 86.9, 45.3, 43.9, 43.8, 40.9, 40.7,39.5, 36.8, 32.0, 29.9, 29.4, 29.1, 28.5, 21.5.
IR(neat,cm−1):
2917, 1735, 1580, 813, 752, 715, 664, 567, 495.
HRMS(EI,positive):Exact mass calc. for C18H22N2O5S[M]+, requires m/z: 378.1249, found m/z: 378.1249.
Melting Point: 155.1-155.5 °C.
(実施例2)
[4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例1で調製した前駆体(2b)・HClを用いて、下記反応式(6)にしたがって、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(3b)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニンの塩酸塩(2b)・HCl(100mg,0.419mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解して、トリエチルアミン(175μL,1.26mmol)及びコハク酸無水物(42.0mg,0.419mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した。1規定塩酸(10.0mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、ジエチルエーテル(10.0mL)を加えて、分液操作を行い、水相を分取した。水相にジクロロメタン(5.00mL)を加え、7回分液操作を行い、有機相を得た。有機相の溶媒を減圧留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をジクロロメタン(50.0mL)に溶解し、ゆっくりとヘキサン(15.0mL)を滴下することで再結晶を行った。濾過によって、無色の結晶としてジアザシクロノニン(3b)を105mg(収率:83%)得た。
ジアザシクロノニン(3b)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,DMSO−d6,compound exists as a 0.55:0.45 mixture of rotational isomer):
δ4.23 (t, J = 2.4 Hz, 1.1H:major, 0.9H:minor), 4.01 (t, J = 2.4 Hz,1.1H:major), 3.97 (t, J = 2.4 Hz, 0.9H:minor), 3.58 (t, J = 5.7 Hz,1.1H:major), 3.47 (t, J = 5.7 Hz, 0.9H:minor), 3.36 (t, J = 5.7 Hz,1.1H:major), 3.27 (t, J = 5.7 Hz, 0.9H:minor), 2.99 (s, 1.7H:major), 2.98 (s,1.4H:minor), 2.61-2.44 (m, 2.2H:major, 1.8H:minor). 2.06-1.99 (m, 1.1H:major). 1.95-1.88(m, 0.9H:minor).
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6):
δ173.9, 171.4, 170.9, 89.6, 89,2, 88.0, 87.2, 45.6, 43.9, 43.9, 43.1,36.2, 35.8, 35.6, 31.8, 30.1, 28.9, 28.03, 27.96.
(実施例3)
[4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例1で調製したジアザシクロノニン(3a)を用いて、下記反応式(7)にしたがって、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(4a)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(3a)(4.02g,10.6mmol)に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl:ウォーターソルブルカルボジイミド塩酸塩,3.05g,15.9mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.83g,15.9mmol)、及びトリエチルアミン(4.44mL,31.8mmol)を加えて、40℃で20時間撹拌した。水(50mL)を加えて反応を停止した。
反応を停止した後に、分液操作を行い、水相を分取した。水相にジクロロメタン(40mL)を加え、3回分液操作を行い、有機相を得た。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物(固体)を得た。得られた固体を酢酸エチル(20mL)に溶解し、続いてジエチルエーテル(80mL)を加えて再結晶を行った。濾過によって、無色の結晶として、ジアザシクロノニン(4a)を4.05g(収率:80%)で得た。
ジアザシクロノニン(4a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300Hz,DMSO−d6,compound exists as a 0.6:0.4 mixture of rotational isomer):
δ7.66(d, J = 8.0Hz,1.2H:major,0.8H:minor), 7.33(d, J = 8.0 Hz,1.2H:major,0.8H:minor), 4.23(t, J = 2.7 Hz,1.2H:major), 4.03(t, J = 2.7 Hz,0.8H:minor), 3.86(t, J = 2.7 Hz,1.2H:major), 3.85(t, J = 2.7 Hz,0.8H:major),3.60(t, J = 5.1 Hz,1.2H:major), 3.58(t, J = 5.1 Hz,0.8H:minor), 3.26(t, J= 2.6 Hz,1.2H:major),3.15(t, J= 2.6 Hz,0.8H:minor), 3.00(t, J = 6.9 Hz ,1.2H:major),2.96(t, J = 6.9 Hz ,0.8H:minor), 2.82(s, 2.4H:major,1.6H:minor), 2.72(t, J =6.9 Hz ,0.8H:minor), 2.70(t, J = 6.9 Hz,1.2H:major),2.44(s,1.8H:major,1.2H:minor), 2.18-2.02(m,1.2H:major,0.8H:minor).
13C−NMR(75Hz,DMSO−d6):
δ170.9,169.7,169.5,168.9,144.5,144.3,135.0,130.44,130.37,127.83,127.76,89.5,88.6,87.3,45.8,44.4,44.1,41.4,41.2,39.8,37.3,32.6,28.9,27.2,27.0,26.1,22.0(onecarbonyl, two aromatic, and five aliphatic carbon peaks are overlapping withothers).
(実施例4)
[4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例2で調製したジアザシクロノニン(3b)を用いて、下記反応式(8)にしたがって、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(4b)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(3b)(102mg,0.339mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解して、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl:ウォーターソルブルカルボジイミド塩酸塩,97.4mg,0.508mmol)、トリエチルアミン(142μL,1.02mmol)及びN−ヒドロキシコハク酸イミド(58.5mg,0.508mmol)を加えて、加熱還流下、72時間撹拌した。水(10mL)を加えて反応を停止した。
反応を停止した後に、ジエチルエーテル(10.0mL)を加えて、分液操作を行い、有機相を得た。有機相に水(10mL)を加えて3回洗浄し、得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液をクロロホルム、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で100/1となるように混合)、及びクロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で80/1となるように混合)の順に極性を変えてグラジエント溶出させた)で精製することで、無色の結晶として、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル部位を有するジアザシクロノニン(4b)を79.7mg(収率:59%)得た。
ジアザシクロノニン(4b)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl,compound exists as a 0.6:0.4 mixture of rotational isomer):
δ4.28 (t, J = 2.4 Hz, 1.2H:major),4.08 (t, J = 2.4 Hz, 0.8H:minor),3.97-3.95 (m, 1.2H:major, 0.8H:minor), 3.65-3.60 (m, 1.2H:major, 0.8H:minor),3.23 (t, J = 5.4 Hz, 1.2H:major), 3.33 (t, J = 5.4 Hz, 0.8H:minor), 3.00 (t, J= 6.6 Hz, 1.2H:major, 0.8H:minor), 2.74 (t, J = 6.6 Hz, 1.2H:major,0.8H:minor), 2.85 (s, 1.8H:major), 2.84 (s, 1.2H:minor), 2.82 (s, 2.4H:major,1.6H:minor), 2.14-2.09 (m, 1.2H:major, 0.8H:minor).
(実施例5)
[4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例1で調製したジアザシクロノニン(2a)を用いて、下記反応式(9)にしたがって、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(5a)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(2a)(20.0mg,0.0719mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液に、N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド(20.0mg,0.0719mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(37.6μmol,0.216mmol)を加えて、40℃で24時間撹拌し、反応させた。反応後の溶液から溶媒を減圧留去した後、反応残渣を得た。反応残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で精製することで、無色の結晶として、ジアザシクロノニン(5a)を27.2mg(収率:85%)得た。
ジアザシクロノニン(5a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300Hz,DMSO−d6,compound exists as a 0.5:0.5 mixture of rotational isomer):
δ7.73(d, J = 8.4 Hz,1H,1H), 7.47(d, J = 8.4 Hz,1H,1H), 7.03(s,1H), 7.01(s,1H), 4.15(s,1H), 4.12(s,1H), 3.95(s,1H), 3.91(s,1H), 3.48-3.37(m,2H,2H),3.21(t, J = 6.3 Hz,1H,1H), 3.15(t, J = 6.3 Hz,1H,1H),2.44(s,1.5H,1.5H),1.95(m,1H,1H),1.79-1.71(m,1H,1H).
13C−NMR(75Hz,DMSO−d6):
δ171.5,171.2,171.0,143.6,134.8,134.5,130.0,127.2,127.1,89.7,89.4,87.8,87.1,45.7,45.1,43.7,43.0,40.7,40.4,40.1,36.8,35.7,31.5,30.2,30.0,29.9,23.6,23,3,21.0(one carbonyl, four aromatic, andthree aliphatic carbon peaks are overlapping with others).
(実施例6)
[4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例1で調製したジアザシクロノニン(2b)を用いて、下記反応式(10)にしたがって、4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(5b)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(2b)(987mg,4.88mmol)のTHF溶液にN−(4−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミド(1.37g,4.88mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(819mg,6.34mmol)を加えて40℃で18時間撹拌した。水(30mL)を加えて反応を停止した後に、水相にトルエン(40mL)を加え、3回分液操作を行うことで、有機相を得た。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、反応残渣を得た。得られた反応残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で精製することで、白色の結晶として、ジアザシクロノニン(5b)を758mg(収率:42%)得た。
ジアザシクロノニン(5b)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300Hz,DMSO−d6,compound exists as a 0.5:0.5 mixture of rotational isomer):
δ7.04(s,1H,1H),4.20(t, J = 2.6 Hz ,1H), 4.16(t, J = 2.6 Hz ,1H),4.00(t, J = 2.6 Hz ,1H),3.97(t, J = 2.6 Hz ,1H), 3.51-3.44(m,2H,2H), 3.34-3.28(m,1H,1H), 2.99(s,1.5H,1.5), 2.36(d, J = 7.2 Hz,1H,1H), 1.99-1.85(m,1H,1H), 1.79(t, J =6.9 Hz,1H),1.76(t, J = 6.9 Hz,1H).
13C−NMR(75Hz,DMSO−d6):
δ171.6,171.2,171.1,134.5,89.6,89.3,88.0,87.2,45.5,44.9,43.8,36.9,36.2,35.8,35.5,31.7,30.0,29.8,23.6,23.3(onecarbonyl, one vinyl, and four aliphatic carbon peaks are overlapping withothers)
(実施例7)
[6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
下記反応式(11)にしたがって、前駆体(1c)を調製した。その後、下記反応式(12)にしたがって、6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(3c)の合成を行った。
Figure 2020026476
1,4−ブチンジオール(25.8mg,0.300mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かして、二コバルトオクタカルボニル(107mg,0.313mmol)を加えて、30℃で1時間撹拌した。その後、ジクロロメタン(20mL)、N,N'−ビス(p−トルエンスルホニル)−1,3−ジアミノ−2−プロパノール(99.6mg,0.250mmol)、及びボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(0.130mL,1.00mmol)を加えて、30℃で30分間撹拌した。
反応終了後、シリカゲル(中性,球状,7.0g)、及び硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN,1.34g,2.50mmol)を反応終了後の溶液に加えて、30℃で1時間半撹拌した。その後、ピリジン(0.08mL,1.00mmol)、及びアミノプロピル化されたシリカゲル(2.5g)を更に加えて、30分間撹拌した。濾過することで溶液から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、9員環アルキンを得た。得られた9員環アルキンを精製することなくジクロロメタン(30mL)に溶かし、シリカゲル(中性,球状,0.3g)及びアミノプロピル化されたシリカゲル(0.3g)を加えて、30分間撹拌した。濾過することで溶液から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で精製することで、無色の結晶として、ジアザシクロノニン(1c)を81.1mg(収率:72%)得た。
ジアザシクロノニン(1c)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ7.69 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.36 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 4.18-4.08 (m,1H), 3.94 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 3.83 (d, J = 15.3 Hz, 2H), 3.78 (d, J = 15.3 Hz,2H), 3.43-3.30 (m, 4H), 2.45 (s, 6H).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ144.6, 133.0, 130.2, 127.7, 88.0, 71.3, 49.5, 41.4, 21.7.
IR(reflection,cm−1):
3508, 1597, 1440, 1336, 1291, 1159, 1088, 1020, 921, 857, 711, 770,740, 706, 661.
HRMS(FAB,matrix:3−nitrobenzyl alcohol,positive): Exact mass calc. for C21H25N2O5S2[M+H]+, requires m/z: 449.1205, found m/z: 449.1200.
Melting Point: 209-210 °C (decomposition; colorless crystal turn to clearamorphous)
Figure 2020026476
6−ヒドロキシ−N,N’−ビス(p−トルエンスルホニル)−4,8−ジアザシクロノニン(ジアザシクロノニン(1c),2.00g,4.50mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解して、無水コハク酸(892mg,9.00mmol)、トリエチルアミン(1.24mL,9.00mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP,545mg,4.50mmol)を加えて、40℃で7時間撹拌した。1規定塩酸(10mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、ジクロロメタン(20mL)を加えて、3回分液操作を行うことで有機相を得た。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液をクロロホルム、及びクロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で100/1となるように混合)の順に極性を変えてグラジエント溶出させた)で精製することで、無色の結晶として、カルボキシ基を有するジアザシクロノニン(3c)を2.40g(収率:98%)得た。
ジアザシクロノニン(3c)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ7.62 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.33 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 5.25-5,18 (m,1H), 3.78 (s, 4H), 3.62 (dd, J = 6.9, 15.3 Hz, 2H), 3.25 (dd, J = 3.0, 15.3 Hz,2H), 2.76 (s, 4H), 2.43 (s, 6H).
(実施例8)
[6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例7で調製したジアザシクロノニン(3c)を用いて、下記反応式(13)にしたがって、6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(4c)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(3c)(1.00g,1.82mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解して、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl:ウォーターソルブルカルボジイミド塩酸塩,524mg,2.73mmol)、トリエチルアミン(762μL,5.47mmol)及びN−ヒドロキシコハク酸イミド(315mg,2.73mmol)を加えて、加熱還流下、18時間撹拌した。水(20mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、ジクロロメタン(20mL)を加えて3回分液操作を行うことで、有機相を得た。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に、濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液をヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒(体積比で2/1となるように混合)及び酢酸エチルの順に極性を変えてグラジエント溶出させた)で精製することで、無色の結晶としてN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル部位を有するジアザシクロノニン(4c)を1.09g(収率:93%)得た。
ジアザシクロノニン(4c)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ7.64 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.34 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 5.24-5,17 (m,1H), 3.78 (s, 4H), 3.64 (dd, J = 7.2, 15.6 Hz, 2H), 3.26 (dd, J = 2.7, 15.6 Hz,2H), 3.05 (t, J = 6,9 Hz, 2H), 2.87 (t, J = 6,9 Hz, 2H), 2.84 (s, 4H), 2.44 (s,6H).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ 170.4, 169.0, 168.0, 144.4, 133.5, 130.1, 127.7, 88.1, 73.5, 46.9,41.2, 29.2, 26.4, 25.7, 21.7.
(実施例9)
[6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例7で調製したジアザシクロノニン(3c)を用いて、下記反応式(14)にしたがって、6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(5c)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(3c)(50.0mg,0.0910mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解して、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl:ウォーターソルブルカルボジイミド塩酸塩,21.0mg,0.110mmol)、トリエチルアミン(31.8μL,0.228mmol)、N−t−ブトキシカルボニル−1,3−プロパンジアミン(23.8mg,0.137mmol)、及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt,13.4mg,0.100mmol)を加えて、室温下、10時間撹拌した。水(5mL)で反応を停止した。
反応を停止した後にジクロロメタン(5mL)を加えて、3回分液操作を行うことで、有機相を得た。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液をクロロホルム、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で100/1となるように混合)の順に極性を変えてグラジエント溶出させた)で精製することで、Bocアミド体を得た。
得られたt−ブトキシカルボニル(Boc)アミド体をトリフルオロ酸酸(TFA)の5%ジクロロメタン溶液(5mL)に溶解して、室温で1時間撹拌し反応させた。その後、反応終了後の溶液にトルエン(5mL)を加えて溶媒を減圧留去した。さらに、トルエン(5mL)を加えて、2回共沸を行うことでTFAを留去し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液をクロロホルム、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で50/1となるように混合)、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で30/1となるように混合)、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で15/1となるように混合)、及びクロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で10/1となるように混合)の順に極性を変えてグラジエント溶出させた)で精製することで、1級アミノ基を有するジアザシクロノニン(5c)を52.8mg(収率:96%)得た。
ジアザシクロノニン(5c)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 8.13 (br, 3H), 7.62 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.32 (d, J = 15.3 Hz, 2H),3.83 (d, J = 14.1 Hz, 2H), 3.73 (d, J = 14.1 Hz, 2H), 3.30 (dd, J =6.9, 15.6Hz, 2H), 3.04(br, 2H), 2.73 (t, J = 6,3 Hz, 2H), 2.54 (t, J = 6,3 Hz, 2H), 2.41(s, 6H), 1.91(br, 2H).
(実施例10)
[N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例1で調製したジアザシクロノニン(2a)を用いて、下記反応式(15)にしたがって、N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(6a)の合成を行った。
Figure 2020026476
ジアザシクロノニン(2a)(139mg,0.500mmol)をTHF(5mL)に溶解して、0℃下で、トリエチルアミン(100μL,0.750mmol)、メタクリル酸2−イソシアネートエチル(125μL,0.750mmol)を加えて,室温下で2時間撹拌した。水(5mL)で反応を停止した。
反応を停止した後に、酢酸エチル(4mL)を加えて、3回分液操作を行うことで、有機相を得た。得られた有機相を水(5mL)及び飽和食塩水(5mL)で洗浄した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で精製し、酢酸エチル−ジエチルエーテル−ヘキサンの混合溶媒で再結晶することで、無色の結晶として、メタクリル基を有するジアザシクロノニン(6a)を179mg(収率:83%)得た。
ジアザシクロノニン(6a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ7.64 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.10 (t, J = 1.5Hz, 1H), 5.59 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 4.91 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.25 (t, J = 5.4Hz, 2H), 4.12 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.79 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.53 (t, J = 5.4Hz, 2H), 3.47 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.20 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 2.42 (s, 3H),2.04-1.95 (m, 2H).
13C−NMR(300MHz,CDCl):
δ167.74, 157.27, 143.99, 136.01, 134.16, 129.97, 127.36, 126.21,90.41, 86.64, 64.00, 44.84, 42.54, 41.23, 40.60, 37.62, 31.14, 21.57, 18.37.
IR(reflection,cm−1):
3346, 1717, 1631, 1526, 1156, 988, 810, 662, 582, 548.
HRMS(EI,positive): Exact mass calc. for C21H27N3O5S[M]+, requires m/z: 433.1671, found m/z: 433.1671. m.p.: 155-157 °C
(実施例11)
[N−Fmocアミノ酸構造を有する4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
下記反応式(16)〜(23)にしたがって、前駆体(7f)、(7g)、(7h)、(7i)及び(7j)を調製した。その後、下記反応式(24)にしたがって、N−Fmocアミノ酸構造を有する4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成を行った。
Figure 2020026476
攪拌子を入れた200mLの二口ナスフラスコ(反応容器)にジムロートを取り付け、上記反応容器をヒートガンで加熱乾燥した。加熱乾燥後、反応容器を室温まで冷やし、反応容器内をアルゴンで置換した。反応容器に、5−ブロモペンタン酸エチル(7a)(4.04mL,25.3mmol)のエタノール溶液(15mL)と、亜硫酸ナトリウム(6.09g,48.3mmol)の水溶液(21mL)とを加えて、10時間加熱還流することで反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去した。その後、メタノールを加え、再度、溶媒を減圧留去した。その後、80mmHgの減圧下、120℃で12時間加熱乾燥することで、反応生成物(7b)の粗生成物を得た。反応生成物(7b)の上記粗生成物は精製することなく次の反応に用いた。
Figure 2020026476
攪拌子を入れた200mLの二口ナスフラスコ(反応容器)にジムロートを取り付け、上記反応容器をヒートガンで加熱乾燥した。加熱乾燥後、反応容器を室温まで冷やし、反応容器内をアルゴンで置換した。反応容器に、上述の操作で得られた反応生成物(7b)の粗生成物、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF,触媒量)及び塩化チオニル(18.4mL,253mmol)を加えて、27時間加熱還流することで反応させた。反応終了後、トルエンを加え、120℃で加熱乾燥した。その後、生じた固体残渣に酢酸エチルを加えて、不溶部をセライトで濾別した。酢酸エチルに溶解した反応物を含む濾液を濃縮することで、反応生成物(7c)の粗生成物を得た。反応生成物(7c)の上記粗生成物は精製することなく次の反応に用いた。
Figure 2020026476
攪拌子を入れた100mLのナスフラスコ(反応容器)をヒートガンで加熱乾燥した。加熱乾燥後、反応容器を室温まで冷やし、反応容器内をアルゴンで置換した。反応容器に、上述の操作で得られた反応生成物(7c)の粗生成物のジクロロメタン溶液(20mL)を加えて、0℃に冷やした。その後、N−2−ニトロベンゼンスルホニル−1,3−プロパンジアミン(7d)(7.48g,25.3mmol)及びトリエチルアミン(14.0mL,101mmol)を加えて、室温に昇温させ20時間撹拌して反応させた。反応終了後、1M塩酸を加えて反応を停止した。
反応停止後、ジクロロメタンを加えて、不溶部を除去した。反応生成物を溶解したジクロロメタンを含む有機相を飽和食塩水で洗浄し、分液操作によって有機相を分取した。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、綿栓濾過によって有機相から硫酸ナトリウムを除去した。その後、有機相から溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒(体積比で1/1となるように混合))で精製することで、無色の液体として、反応生成物(7e)を6.28g(5−ブロモペンタン酸エチル(7a)の仕込み量基準での収率:55%)得た。
反応生成物(7e)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ8.11-8.07 (m, 1H), 7.84-7.81 (m, 1H), 7.76-7.69 (m, 2H), 5.82 (t, J= 6.3 Hz, 1H), 5.00 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.08 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.22-3.18(m, 4H), 3.00 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.32 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.84-1.69 (m, 6H),1.22 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
13C−NMR(100MHz,CDCl):
δ173.4, 147.9, 134.0, 133.4, 133.2, 131.0, 125.5, 60.7, 51.9, 40.6,40.0, 33.7, 30.5, 23.6, 23.2, 14.3.
IR(neat,cm−1):
3306, 2942, 1731, 1593, 1336, 978, 854, 741, 655, 590.
HRMS(FAB,matrix:3−nitrobenzyl alcohol,positive): Exact mass calc. for C16H26N3O8S2[M+H], requires m/z: 452.1161, found m/z:452.1162.
Figure 2020026476
反応容器に、2−ブチン−1,4−ジオール(1.30g,15.1mmol)のジクロロメタン溶液(200mL)を加え、オクタカルボニルニコバルト(5.40g,15.8mmol)を更に加えて、30℃で1時間攪拌した。その後、上述の操作で得た反応生成物(7e)(5.70g,12.6mmol)とジクロロメタン(400mL)及びボロントリフルオリド−ジエチルエーテル錯体(6.36mL,50.4mmol)を反応溶液に加え、反応容器内を再びアルゴン置換して、30℃で3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、60Nシリカゲル(106g)を加えてアルゴン置換を行い、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN,20.7g,37.8mmol)を、反応終了後の溶液に加えて、30℃で1時間攪拌した。その後、ピリジン(4.06mL,50.4mmol)とNHシリカゲル(77g)を更に加えて、30℃で1時間攪拌した。その後、反応を停止した。反応停止後後、減圧濾過によってシリカゲルの除去を二回行った。溶媒を減圧留去した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)で精製することで、白色の固体として、反応生成物(7f)を3.86g(収率:61%)で得た。
反応生成物(7f)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ7.98 (dd, J = 6.6,2.4 Hz, 1H), 7.77-7.68 (m, 2H), 7.66-7.63 (m, 1H), 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H),4.11 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.51-3.44 (m, 4H), 2.96 (t,J = 7.5 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.14 (tt, J = 8.1, 3.3 Hz, 2H),1.87-1.71 (m, 4H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ172.9, 148.3,134.1, 131.9, 131.6, 131.1, 124.4, 88.5, 88.2, 60.6, 50.0, 45.1, 44.9, 41.2,40.3, 33.6, 32.2, 23.7, 22.8, 14.3.
IR(neat,cm−1):
2944, 1732, 1547,1447, 1326, 982, 906, 851, 700, 676.
HRMS(FAB,matrix:3−nitrobenzyl alcohol,positive): Exact mass calc. for C20H28N3O8S2[M+H]+, requires m/z: 502.1318, found m/z: 502.1316.
Melting Point:89.1-89.7 oC
Figure 2020026476
反応容器に、上述の操作で得た反応生成物(7f)(100mg,0.199mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2mL)溶液を加えて、0oCに冷やした。その後、エタノール(2mL)と水酸化リチウム一水塩(41.8mg,0.199mmol)の水溶液(3mL)を加え、室温に昇温させ1時間撹拌した。その後、1M塩酸を加えて反応を停止した。反応終了後の溶液に、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で10/1となるように混合)を加えて、反応生成物を抽出した。上記混合溶媒に溶解した反応生成物を含む有機相を、飽和食塩水で洗浄し、分液操作によって有機相を分取した。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、綿栓濾過によって有機相から硫酸ナトリウムを除去した。その後、有機相から溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトフラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で50/1となるように混合))で精製することで、白色の固体として、反応生成物(7g)を86.6mg(収量:91%)得た。
反応生成物(7g)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,DMSO−d6):
δ8.10-8.04 (m, 2H),7.99-7.88 (m, 2H), 4.17 (s, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.48 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.39(br, 2H), 3.18 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.29 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 1.97-1.95 (m,2H), 1.73-1.60 (m, 4H).
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6):
δ174.3, 147.8,134.9, 132.7, 130.3, 130.1, 124.5, 89.3, 87.9, 48.7, 45.1, 44.5, 40.7, 33.1,32.1, 23.2, 22.2 (One aliphatic carbon’s peak is overlapping another one.).
IR(neat,cm−1):
2973, 1716, 1539,1449, 1373, 1232, 1097, 991, 907, 574.
HRMS(EI,positive): Exactmass calc. for C18H23N3O8S2[M]+, requires m/z: 473.0927, found m/z: 473.0926.
Melting Point:167.5-168.2 oC
Figure 2020026476
反応容器に、上述の操作で得た反応生成物(7g)(54.3mg,0.115mmol)のトルエン(4.00mL)溶液を加え、O−t−ブチル−N,N’−ジイソプロピルイソ尿素(0.165mL,0.688mmol)を更に加えて、23時間加熱還流した。反応終了後、炭酸カリウム水溶液を加えて反応を停止した。反応停止後の溶液に、ジクロロメタンを加えて、反応生成物を抽出した。反応生成物を溶解したジクロロメタンを含む有機相を、飽和食塩水で洗浄し、分液操作によって有機相を分取した。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、綿栓濾過によって有機相から硫酸ナトリウムを除去した。その後、有機相から溶媒を減圧留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒(体積比で2/1となるように混合)で精製することで、白色の固体として、反応生成物(7h)を51.4mg(収率:85%)得た。
反応生成物(7h)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 8.01-7.98 (m, 1H), 7.77-7.68 (m, 2H),7,66-7.63 (m, 1H), 4.11 (t, J = 2.4 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 2.4 Hz, 2H),3.52-3.45 (m, 4H), 2.95 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.16(tt, J = 5.7, 3.3 Hz, 2H), 1.89-1.78 (m, 2H), 1.75-1.65 (m, 2H), 1.44 (s, 9H).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ 172.2,148.3, 134.1, 131.9, 131.5, 131.1, 124.4, 88.5, 88.2, 80.6, 50.1, 45.1, 44.9,41.2, 40.3, 34.7, 32.2, 28.1, 23.8, 22.7.
IR(neat,cm−1):
2955, 2394, 2288, 1973, 1852, 1724, 1588,1550, 1273, 1093.
HRMS(EI,positive): Exact mass calc. for C22H31N3O8S2 [M]+,requires m/z: 529.1553, found m/z: 529.1553.
Melting Point: 145.0-146.0 oC
Figure 2020026476
反応容器に、上述の操作で得た反応生成物(7h)(86.3mg,0.163mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)を加え、炭酸セシウム(106mg,0.326mmol)及びp−トルエンチオール(p−TolSH,30.3mg,0.244mmol)を更に加えて、室温で5時間撹拌した。反応終了後、1M塩酸を加えて反応を停止した。反応停止後の溶液に、ジエチルエーテルを加えて、反応生成物を抽出した。反応生成物を溶解したジエチルエーテルを含む水相に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、更にジクロロメタンを加えて、反応生成物を有機相に抽出し、分液操作によって有機相を分取した。有機相を飽和食塩水で洗浄した後、分液操作によって有機相を分取した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、綿栓濾過によって有機相から硫酸ナトリウムを除去し、有機相から溶媒を減圧留去して、反応生成物(7i)の粗生成物を得た。反応生成物(7i)の粗生成物は精製することなく次の反応に用いた。
Figure 2020026476
反応容器に、上述の操作で得た反応生成物(7i)の粗生成物の1,4−ジオキサン溶液(5mL)を加え、炭酸水素ナトリウム(65.9mg,7.84mmol)及びクロロ蟻酸−9−フルオレニルメチル(FmocCl,40.6mg,0.157mmol)を更に加えて、室温で14時間撹拌した。反応終了後、水を加えて反応を停止した。反応停止後の溶液に、ジクロロメタンを加えて、反応生成物を抽出した。反応生成物を溶解したジクロロメタンを含む有機相を、飽和食塩水で洗浄した後、分液操作によって有機相を分取した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、綿栓濾過によって有機相から硫酸ナトリウムを除去し、有機相から溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトフラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒(体積比で1/1となるように混合))で精製して、白色の固体として、反応生成物(7j)を40.2mg(反応生成物(7h)の仕込み量基準での収率:44%)得た。
反応生成物(7j)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl,compound exists as 0.6:0.4 mixture of rotation isomer):
δ7.77-7.75 (m, 1.2H: major, 0.8H : minor), 7.57-7.53 (m, 1.2H : major, 0.8H : minor), 7.42-7.37(m, 1.2H : major, 0.8H : minor), 7.34-7.28 (m, 1.2H : major, 0.8H : minor),4.56 (d, J = 5.7 Hz, 1.2H), 4.46 (d, J = 6.6 Hz, 0.8H), 4.25-4.19 (m, 0.6H :major, 0.4H : minor), 4.08 (s, 1.2H), 4.01 (s, 0.8H), 3.95 (s, 0.8H), 3.88 (s,1.2H), 3.50 (t, J = 5.4 Hz, 0.8H), 3.36 (t, J = 5.4 Hz, 0.8H), 3.26-3.19 (m,2.4H), 2.97-2.89 (m, 1.2H : major, 0.8H : minor), 2.23 (t, J = 7.1 Hz, 1.2H :major, 0.8H : minor), 2.07-2.05 (m, 0.8H), 1.86-1.78 (m, 1.2H : major, 0.8H :minor), 1.75-1.67 (m, 1.2H : major, 0.8H : minor), 1.65-1.58 (m, 1.2H), 1.45-1.44(m, 5.4H : major, 3.6H : minor).
13C−NMR(75MHz,CDCl):
δ172.2, 156.1,155.1, 143.80, 143.76, 141.4, 141.3, 127.7, 127.5, 127.1, 124.9, 124.5, 120.0,89.42, 89.36, 87.5, 87.2, 80.5, 67.3, 67.1, 50.2, 50.0, 47.3, 47.2, 45.1, 45.0,43.9, 43.0, 40.4, 38.3, 38.1, 34.7, 30.8, 30.3, 28.1, 23.8, 22.6 (compoundexists as 0.6 : 0.4 mixture of rotation isomer, two aromatic and elevenaliphatic carbon’s peaks are overlapping others.).
IR(neat,cm−1):
2974, 1699, 1450,1412, 1334, 1223, 1083, 845, 760, 741.
HRMS(FAB,matrix:3−nitrobenzyl alcohol,positive): Exact mass calc. for C31H39N2O6S[M+H], requires m/z: 567.2529, found m/z:567.2529.
Melting Point:67.1-68.0 oC
Figure 2020026476
反応容器に、上述の操作で得た反応生成物(7j)(112mg,0.198mmol)のアセトニトリル溶液(2mL)を加え、過剰量の塩酸を更に加えて、室温で10時間撹拌した。反応終了後、1M塩酸を加えて、クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で10/1となるように混合)を更に加えて、反応生成物を抽出した。反応生成物が溶解した上記混合溶媒を含む有機相を飽和食塩水で洗浄した後、分液操作によって有機相を分取した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、綿栓濾過によって有機相から硫酸ナトリウムを除去し、有機相から溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトフラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で3/1となるように混合))で精製して、白色の固体として、N−Fmocアミノ酸構造を有する4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(7k)を96.1mg(収率:95%)得た。
4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(7k)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,DMSO−d6,compound exists as 0.6:0.4 mixture of rotation isomer):
δ7.94-7.92 (m, 1.2H: major, 0.8H : minor), 7.69-7.64 (m, 1.2H : major, 0.8H : minor), 7.47-7.35(m, 2.4H : major, 1.6H : minor), 4.57 (d, J = 5.1 Hz, 1.2H), 4.44 (d, J = 6.3Hz, 0.8H), 4.34 (t, J = 5.4 Hz, 0.6H : major, 0.4H : minor), 4.05 (br, 1.2H :major, 0.8H : minor), 3.99 (s, 0.8H), 3.92 (s, 1.2H), 3.33-3.28 (m, 1.2H :major, 0.8H : minor), 3.17-3.10 (m, 2.4 H : major, 1.6 H : minor), 2.33-2.28(m, 1.2H : major, 0.8H : minor), 1.87 (br, 0.8H), 1.65-1.63 (m, 3.6H : major,0.8H : minor), 1.43 (br, 0.8H).
13C−NMR(75MHz,DMSO−d6):
δ174.3, 155.4,154.4, 144.0, 143.8, 141.0, 140.8, 127.7, 127.6, 127.1, 125.1, 124.7, 120.2,120.1, 89.2, 89.1, 88.14, 88.07, 79.2, 66.7, 66.5, 48.6, 48.5, 46.8, 44.7,43.6, 42.8, 37.8, 37.6, 33.1, 30.7, 30.2, 23.2, 22.2 (compound exists as 0.6 :0.4 of rotation isomer, one aromatic and seven aliphatic carbon’speaks are overlapping others.).
IR(reflection,cm−1):
3182, 2870, 1949,1911, 1739, 1667, 1417, 1225, 1177, 755.
HRMS(FAB,matrix:3−nitrobenzyl alcohol,positive): Exact mass calc. for C27H31N2O6S[M+H], requires m/z: 511.1903, found m/z:511.1902.
Melting Point: 108.5-109.7oC
(実施例12)
[N−アスパラギニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物の合成]
実施例1で調製したジアザシクロノニン(2b)・HClを用いて、下記反応式(25)にしたがって、N−アスパラギニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(8a)の合成を行った。
Figure 2020026476
反応容器にジアザシクロノニン(2b)・HCl(99.6mg,0.417mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を加え、N−[(9H-フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−L−アスパラギン酸1−tert−ブチル(Fmoc−Asp−OtBu,115mg,0.279mmol)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCI・HCl,64.2mg,0.334mmol)、ジイソプロピルカルボジイミド(284.2μg,1.67mmol)を更に加えて室温で5時間撹拌した。反応終了後、1M塩酸を加えて反応を停止した。反応停止後の溶液に、ジクロロメタンを加えて、分液操作を行うことで、有機相を得た。得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過で有機相から固体を除去し、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムのみ)で精製することで、白色個体としてtert−ブチルエステル保護体を114.8mg(収率:69%)得た。
反応容器に上記の操作で得られた反応生成物(35.78mg,0.060mmol)を加え、ジクロロメタン、トリフルロ酢酸及びトリエチルシランの混合溶液(ジクロロメタン:トリフルロ酢酸:トリエチルシラン=1.5:1.5:0.2,1.6mL)をさらに加え、室温で4時間撹拌した。減圧下、ロータリーエバポレーターで低沸点成分を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノールの混合溶媒(体積比で50/1となるように混合))で精製することで、N−Fmocアミノ酸構造を有する4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(8a)を29.5mg(収率:92%)得た。
4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(8a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ7.76 (d,2H,J = 7.8Hz), 7.62-7.58 (m,2H), 7.40 (dd,2H,J = 7.2 Hz), 7.28(dd,2H,J = 7.5 Hz), 6.24-6.16 (m,1H), 4.70-4.56 (m,1H), 4.48-4.38 (m,1H), 4.37-4.30(m,1H), 4.30-4.25 (m,1H), 4.25-4.17 (m,1H), 4.12-4.03 (m,1H), 3.93 (s,2H), 3.69-3.55(m,2H),3.42-3.27 (m,2H), 3.27-3.14 (m,1H), 2.91-2.73 (m,4H), 2.18-2.06 (m,2H).
(実施例13)
[N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物の合成]
実施例1で調製した4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(3a)を用いて、N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(9a)の合成を行った。
Figure 2020026476
クロロトリチルポリスチレンレジン(100mg、渡辺化学工業株式会社製、商品名:Cl−Trt−Resin(1.55mmol/g,200−400mesh))をジメチルホルムアミド(1.5mL)に加えて懸濁液を調製した。上記溶液を0℃に冷却した後、実施例1で調製したジアザシクロノニン(3a)(176mg,0.465mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(345μL,2mmol)を上記懸濁液に加えて、室温下で20時間撹拌した。懸濁液を濾過して得られたビーズ状の樹脂を、ジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロロメタン及びジエチルエーテルの順に溶媒を変えて、各3回(2mL×3)洗浄し、N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(9a)を125mg(収率:79%)得た。
N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(9a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
13C−NMR(100MHz,solid state):
δ 170.3, 146.1, 127.5, 88.7, 81.6, 40.0, 31.4, 21.0.
(実施例14)
[N,N’−ビス(p−トルエンスルホニル)−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物の合成]
実施例7で調製した6−アシルオキシ−4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(3c)を用いて、N,N’−ビス(p−トルエンスルホニル)−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(10a)の合成を行った。
Figure 2020026476
クロロトリチルポリスチレンレジン(200mg、渡辺化学工業株式会社製、商品名:Cl−Trt−Resin(1.55mmol/g,200−400mesh))をジメチルホルムアミド(3.0mL)に加えて懸濁液を調製した。上記溶液を0℃に冷却した後、実施例7で調製したジアザシクロノニン(3c)(255mg,0.465mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(345μL,2mmol)を上記懸濁液に加えて、室温下で20時間撹拌した。懸濁液を濾過して得られたビーズ状の樹脂を、ジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロロメタン、ジエチルエーテルの順に溶媒を変えて、各3回(2mL×3)洗浄し、N,N’−ビス(p−トルエンスルホニル)−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(10a)を345mg(収率:93%)得た。
N,N’−ビス(p−トルエンスルホニル)−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(10a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
13C−NMR(100MHz,solid state):
δ171.4, 144.6, 128.3, 90.3, 82.3, 40.9, 31.4, 22.4.
(実施例15)
[N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物の合成]
実施例1で調製した4,8−ジアザシクロノニン骨格を有する化合物(3a)を用いて、N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(11a)の合成を行った。
Figure 2020026476
Wangレジン(100mg、渡辺化学工業株式会社製、商品名:Wang Resin(0.79mmol/g,100〜200mesh))をジメチルホルムアミド(3.0mL)に加えて懸濁液を調製した。上記溶液を0℃に冷却した後、実施例1で調製したジアザシクロノニン(3a)(44.8mg,0.119mmol)及びN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(24.5mg,0.119mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(4.8mg,0.0395mmol)を上記懸濁液に加えて、室温下で24時間撹拌した。懸濁液を濾過して得られたビーズ状の樹脂を、ジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロロメタン及びヘキサンの順に溶媒を変えて、各3回(2mL×3)洗浄し、N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(11a)を127mg(収率:89%)得た。
N−p−トルエンスルホニル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(11a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
13C−NMR(100MHz,solid state):
δ 171.6, 145.1, 128.7, 70.5, 67.7, 40.6, 30.4.
(実施例16)
[N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物の合成]
実施例1で調製した前駆体(2b)・HClを用いて、N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)の合成を行った。
Figure 2020026476
1,4−ジオキサン(2.0mL)に、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(81.8μL,0.500mmol),2−イソシアナトエチルメタクリレート(70.5μL,0.500mmol)及び2,2’−アゾジイソブチロニトリル(32.8mg,0.200mmol)を加え、アルゴガスでバブリングを行なった後に、110℃で、4時間重合した。
重合溶液を0℃に冷却し、重合を停止した後に、実施例1で調製した前駆体(2b)・HCl(131mg,0.550mmol)、トリエチルアミン(383μL,2.75mmol)及び1,4−ジオキサン(2.0mL)を加えて、室温下、20時間撹拌した。反応溶液に水(2.0mL)を加えて、反応を停止した。反応を呈した後、反応溶液にジクロロメタン(2.0mL)を加えて反応生成物を抽出した。同様の操作を更に2回繰り返して、反応生成物を溶解したジクロロメタンを含む有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過によって有機相から硫酸トリウムを除去し、有機相から溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。
得られた粗生成物をジクロロメタン(1.0mL)に溶解し、ヘキサン(2.0mL)に滴下することで再沈殿させ、遠心分離後に上澄みを除去することで固体と液体を分離した。得られた固体をジエチルエーテル(2.0mL)で3回(2ml×3)洗浄し、N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)を211mg(収率:80%)得た。
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 4.18-4.16 (m, 2H), 4.12 (br, 3H), 4.00-3.89 (m, 2H), 3.81 (br, 3H),3.58-3.48 (m, 4H), 3.41-3.38 (m, 2H), 2.84 (br, 3H), 2.01 (br, 5H), 1.94 (br,4H), 1.64 (br, 1H).
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)の数平均分子量及び分子量分散は下記のとおりであった。
GPC:Mn=1678,Mw/Mn=1.4129
(実施例17)
2,2’−アゾジイソブチロニトリルの配合量を6.57mg(0.0400mmol)として重合を行ったこと以外は、実施例16と同様にして、N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)を213mg(収率:81%)得た。
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 4.18-4.16 (m, 2H), 4.10 (br, 3H), 3.94 (br, 2H), 3.84-3.78 (m, 2H),3.57-3.45 (m, 4H), 3.41-3.37 (m, 2H), 2.87 (br, 3H), 2.01 (br, 5H), 1.94-1.93(m, 4H), 1.63 (br, 1H).
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)の数平均分子量及び分子量分散は下記のとおりであった。
GPC:Mn=3511,Mw/Mn=1.3479
(実施例18)
テトラヒドロフルフリルメタクリレートの配合量を123μL(0.750mmol)とし、2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合量を35.3μL(0.250mmol)として重合を行い、実施例1で調製した前駆体(2b)・HClの配合量を65.7mg(0.275mmol)とし、トリエチルアミンの配合量を192μL(1.38mmol)として反応を行ったこと以外は、実施例16と同様にして、N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)を163.4mg(収率:72%)得た。
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 4.18 (br, 6H), 4.10 (br, 9H), 3.93 (br, 2H), 3.94-3.83 (m, 6H),3.54 (br, 4H), 3.41 (br, 2H), 2.85 (br, 3H), 2.02 (br, 4H), 1.95-1.91 (m, 10H),1.65 (br, 3H).
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)の数平均分子量及び分子量分散は下記のとおりであった。
GPC:Mn=1991,Mw/Mn=1.7347
(実施例19)
テトラヒドロフルフリルメタクリレートの配合量を40.9μL(0.250mmol)とし、2−イソシアナトエチルメタクリレートの配合量を106μL(0.750mmol)として重合を行い、実施例1で調製した前駆体(2b)・HClの配合量を197mg(0.825mmol)とし、トリエチルアミンの配合量を575μL(4.13mmol)として反応を行ったこと以外は、実施例16と同様にして、N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)を1271mg(収率:88%)得た。
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)についてのスペクトルデータは下記のとおりであった。
H−NMR(300MHz,CDCl):
δ 4.18-4.17 (m, 6H), 4.12 (br, 3H), 3.93-3.91 (m, 6H), 3.79 (br, 2H),3.58-3.48 (m, 12H), 3.42-3.38 (m, 8H), 2.86-2.84 (br, 9H), 2.01 (br, 10H),1.95-1.93 (m, 8H), 1.73 (br, 1H).
N−カルバモイル−4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物(12a)の数平均分子量及び分子量分散は下記のとおりであった。
GPC:Mn=1897,Mw/Mn=1.2937
4,8−ジアザシクロノニン骨格を含む官能基を有する高分子化合物は、アジド基を有する機能性分子とヒュスゲン環化反応させることが可能であり、種々の機能性高分子化合物の前駆体として有用である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される官能基及び下記一般式(2)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種を有する高分子化合物。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    [上記一般式(1)及び上記一般式(2)中、
    FUは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示し、
    FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示し、
    Lは、単結合又は二価の連結基を示す。]
  2. 二価の連結基が、−CO−、−CO−CHCH−COO−CPh−Ph−、−CO−NH−CHCH−O−CO−、−CO−CHCH−CO−、−CO−CHCH−CO−NH−CHCHCH−NH−、−SO−CHCH−S−、−SO−CHCHCHCH−CO−、下記式(i)で表される連結基、下記式(ii)で表される連結基及び下記式(iii)で表される連結基のいずれかを含む、請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476
  3. 前記一般式(1)で表される官能基及び前記一般式(2)で表される官能基からなる群より選択される少なくとも1種が高分子化合物の主鎖を構成する原子に直接結合している、請求項1又は2に記載の高分子化合物。
  4. ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエチレンイミン、及びポリペプチドのいずれか一つの誘導体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  5. 下記一般式(3)又は下記一般式(4)で表される化合物。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    [上記一般式(3)及び上記一般式(4)中、
    FUは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示し、
    FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示し、
    は、−CO−CR=CH、−SO−CH=CH、−CO−CHCH−CO−NH−CH2CH2CH2−NH、−SO−CHCHCHCH−COOH、下記式(iv)で表される末端基、下記式(v)で表される末端基、下記式(vi)で表される末端基、又は式(vii)であらわされる末端基を示し、
    は、水素原子、−CO−CHCH−COOH、−CO−CR=CH、−SO−CH=CH、−CO−CHCH−CO−NH−CH2CH2CH2−NH、−SO−CHCHCHCH−COOH、下記式(iv)で表される末端基、下記式(v)で表される末端基、下記式(vi)で表される末端基、又は式(vii)であらわされる末端基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

  6. 下記一般式(5)で表される化合物を含む重合性組成物を重合して、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法。
    Figure 2020026476

    [上記一般式(5)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、
    FU2及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。]
  7. 下記一般式(6)で表される構造単位及び下記一般式(7)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種を有する高分子と、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表される化合物、下記一般式(10)で表される化合物、下記一般式(11)で表される化合物及び下記式(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    [上記一般式(8)、上記一般式(9)、上記一般式(10)及び上記一般式(11)中、
    FU、FU、及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。]
  8. 下記一般式(13)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(14)で表される化合物及び下記一般式(15)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    [上記一般式(13)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは2〜11の整数を示す。
    上記一般式(14)及び上記一般式(15)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、水素原子、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。]
  9. 下記一般式(16)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(17)で表される化合物及び下記一般式(18)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    [上記一般式(17)及び上記一般式(18)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。]
  10. 下記一般式(19)で表される構造単位を有する高分子と、下記一般式(20)で表される化合物、下記一般式(21)で表される化合物、下記一般式(22)で表される化合物及び下記一般式(23)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを反応させて、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物を得る工程を有する、高分子化合物の製造方法。
    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    Figure 2020026476

    [上記一般式(19)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又はアルキル基を示し、
    上記一般式(20)、上記一般式(21)、上記一般式(22)及び上記一般式(23)中、FU、FU及びFUは、互いに独立に、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、4−ブロモベンゾイル基、t−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を示す。]
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