JP2020026290A - 包装製品の検査方法および検査装置 - Google Patents

包装製品の検査方法および検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガセット袋に収容された物品の収容状態の良否を物品が斜めに収容された場合を含めて正確かつ安定的に包装製品の封止状態の良否判定を行うことができる包装製品の検査方法を提供すること。【解決手段】内部に物品が収容されたガセット袋Bの封止面B2に、直線状の封止部bと、該封止部bを挟んだ両側に該封止部bに沿って設けられた帯状の封入量インジケータ6とを備えた包装製品Wの検査方法として、前記ガセット袋Bの封止面B2を撮像し、撮像によって得られた画像データに基づいて2つの前記封入量インジケータ6の少なくとも2箇所における間隔L1,L2を求め、求められた間隔L1,L2が予め設定された範囲T1〜T2内にあるか否かによって前記包装製品Wの封止状態の良否判定を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、画像処理によって包装製品の封止状態の良否判定を行う検査方法および検査装置に関する。
例えば、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの柔軟で変形性に富む物品は、所定数ずつガセット袋に収容(パッケージング)された状態で包装製品として市場に提供され、店頭に陳列されて販売に供されている。ここで、ガセット袋は、例えばポリエチレンシートなどの熱可塑性樹脂シートによって構成されており、これに物品が収容される前の状態では、両端がそれぞれ開口した略矩形筒状を成している。
ところで、包装製品においては、ガセット袋の両端部が内側に折り込まれて潰され、その潰された部分を重ねて溶着することによって、両端開口部がそれぞれ封止されており、各開口部には直線状の封止部が形成されている。
そして、この包装製品の製造ラインにおいては、一端開口部が予め封止されたガセット袋の内部に、整列状態にある所定数の物品が包装機によってガセット袋の他端開口部から押し込まれて封入され、これらの物品が封入された後にガセット袋の他端開口部(物品を封入する側の開口部)が封止される。
ところが、各物品は柔軟で容易に変形するため、これらの物品を包装機によってガセット袋に押し込む際の押し込み量が容易に変動し得る。例えば、押し込み量が過大である場合には、ガセット袋の封入側(物品を封入する側)の封止部の溶着幅も過大となり、この封止部にガセット袋の印刷部分が臨み、印刷に用いられたインクが溶着に悪影響を及ぼし、封止部の溶着強度が低下してしまうという問題が発生する。逆に、押し込み量が過小である場合には、ガセット袋の封入側の封止部の溶着幅も過小となり、封止不良の包装製品が製造される可能性がある。
前記問題を解決するため、特許文献1には、底面部(封入側の面)に封止部と印刷領域および非印刷領域を有する包装製品の良否判定を画像処理によって行うようにした検査方法が提案されている。具体的には、ガセット袋の封止部のうち、底面部(封入側の面)に含まれる部分を撮像して該部分の画像データを生成し、この生成された画像データ上において、底面部における所定領域として特定される画像領域のうちで印刷領域として特定される画像領域の大きさ(面積)を示す値と、所定領域として特定される画像領域のうちで非印刷領域として特定される画像領域の大きさ(面積)を示す値のうちの少なくとも一方の値を求め、求められた値に基づいて包装製品の良否判定を行う検査方法が提案されている。
特開2017−119517号公報
ところで、包装製品の製造ラインにおいて、包装機の不具合によって物品がガセット袋の内部に斜めに傾いた状態で封入された場合には、封止部が斜めにシールされるために包装製品は不良と判定されるべきである。しかし特許文献1において提案された検査方法では、画像領域の大きさ(面積)によって封止部の封止状態の良否を判定するため、包装製品の不良を正確に検出することができないという問題がある。つまり、物品がガセット袋の内部に斜めに傾いた状態で封入された場合であっても、画像領域の大きさ(面積)は所定値の範囲を示すことがあるため、実際には不良(NG)の包装製品を良(OK)と判定してしまう可能性がある。
また、製造ラインを搬送される包装製品の流れが横方向(搬送方向に直交する方向)にずれた場合には、カメラなどの撮像手段と包装製品との距離が変化するため、画像領域の大きさ(面積)を正確に測定することができず、検査結果が安定しないという問題もあった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ガセット袋内における物品の収容状態の良否を物品が斜めに収容された場合を含めて正確かつ安定的に包装製品の封止状態の良否判定を行うことができる包装製品の検査方法および検査装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明方法は、内部に物品が収容されたガセット袋の封止面に、直線状の封止部と、該封止部を挟んだ両側に該封止部に沿って設けられた帯状の封入量インジケータとを備えた包装製品の検査方法であって、
前記ガセット袋の封止面を撮像し、撮像によって得られた画像データに基づいて2つの前記封入量インジケータの少なくとも2箇所における間隔を求め、求められた間隔が予め設定された範囲内にあるか否かによって前記包装製品の封止状態の良否判定を行う方法である。
また、本発明装置は、内部に物品が収容されたガセット袋の封止面に、直線状の封止部と、該封止部を挟んだ両側に該封止部に沿って設けられた封入量インジケータとを備えた包装製品の検査装置であって、
前記封入量インジケータが印刷された前記ガセット袋の封止面を撮像する撮像手段と、
該撮像手段によって得られた画像データに基づいて2つの前記封入量インジケータの少なくとも2箇所における間隔を求める画像処理手段と、
該画像処理手段によって求められた間隔が予め設定された範囲内にあるか否かによって前記包装製品の封止状態の良否判定を行う制御手段と、
を有する装置である。
本発明に係る包装製品の検査方法によれば、ガセット袋内における物品の収容状態の良否を物品が斜めに収容された場合を含めて正確かつ安定的に包装製品の封止状態の良否判定を行うことができる。
また、本発明に係る包装製品の検査装置によれば、ガセット袋内における物品の収容状態の良否を物品が斜めに収容された場合を含めて正確かつ安定的に包装製品の封止状態の良否判定を行う検査装置を提供することができる。
本発明に係る包装製品の検査装置の斜視図である。 検査対象である包装製品を示す図であって、(a)斜視図、(b)は正面図である。 本発明に係る包装製品の検査方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る検査方法において得られた良品画像を示す図である。 画像の二値化処理を説明する図である。 二値化処理された検査領域における封入量インジケータの間隔を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態1に係る検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る検査方法において得られた良品画像を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態2に係る検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。 (a),(b)は本実施形態3に係る検査方法における検査対象である包装製品の斜視図である。 本発明の実施形態3に係る検査方法において得られた良品画像を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態3に係る検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。 (a),(b)は本実施形態4に係る検査方法における検査対象である包装製品の斜視図である。 本発明の実施形態4に係る検査方法において得られた良品画像を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の実施形態4に係る検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。
以下に本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[包装製品の検査装置]
先ず、本発明に係る包装製品の検査装置の構成を図1に基づいて説明する。
図1は本発明に係る包装製品の検査装置の斜視図である。図1に示す検査装置1は、搬送ラインを適当な間隔で図示矢印方向に搬送される直方体状の包装製品Wの良否判定を画像処理によって検査する装置であって、撮像手段であるCCDカメラなどの検査カメラ2と、該検査カメラ2による撮像によって得られた画像データを処理(二値化処理)する画像処理部3と、該画像処理部3の画像処理によって得られた結果に基づいて包装製品Wの良否判定を行う制御手段としてのコントローラ4を含んで構成されている。なお、撮像手段には、包装製品Wの被検査部(封止面)を照明するLED照明装置5が含まれる。ここで、検査対象である包装製品Wの構成の詳細を図2(a),(b)に基づいて以下に説明する。
図2は包装製品Wを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。図示の包装製品Wは、直方体状のガセット袋Bの内部に複数の物品(不図示)を収容して構成されている。ガセット袋Bに収容される物品の例としては、柔軟で変形性に富んだ生理用ナプキン、使い捨ておむつなどが挙げられる。また、ガセット袋Bの材料には、ポリエチレンシートなどの熱可塑性樹脂シートが用いられている。
以上のように構成された包装製品Wにおいては、図2(a)に矢印にて示す互いに直交する方向をそれぞれ高さ方向、縦方向、横方向としており、ガセット袋Bは、その高さ方向両端部に、縦方向と横方向に対して略平行な頂面B1と底面B2を有している。この包装製品Wは、ガセット袋Bの底面(図2の手前側の面)B2を下にして店頭に陳列されて販売に供される。
かかる包装製品Wの包装機(不図示)による製造に際しては、高さ方向両端が開口する矩形筒状のガセット袋Bの一端(頂面B1側の一端)開口部が溶着によって封止される。具体的には、ガセット袋Bの一端部の横方向両側部分が内側にM字状に折り込まれながら、開口部が縦方向(図2の上下方向)に潰されて端部同士が重ねられ、この重ねられた部分が溶着されることによって、当該ガセット袋Bの一端開口部(頂面B1側の開口部)が封止される。この結果、ガセット袋Bの一端には、開口部が封止された頂面B1が形成され、この頂面B1の縦方向(図2の上下方向)中心部には、横方向(図2の左右方向)に直線状に延びる鍔状の封止部bが形成される。
上述のように、頂面B1側の一端開口部が封止されたガセット袋Bの内部には、所定数の不図示の物品がガセット袋Bの他端開口部から収容される。そして、内部に複数の物品が収容されたガセット袋Bの他端(底面B2側端部)開口部が前述と同様に封止されることによって図2に示す包装製品Wが製造される。この包装製品Wのガセット袋Bの他端には底面B2が形成され、包装製品Wは、ガセット袋Bの底面B2を下にして店頭に陳列される。
ところで、包装製品Wにおいては、図2に示すように、ガセット袋Bの底面B2の横一直線状に形成された封止部bの上下両側が、着色されていない地色(本実施形態では、白色)のままの帯状部分を残し、その帯状部分を除く部分全体の表面が印刷等の手段によって地色以外の色(例えば、青色)に着色されている。したがって、ガセット袋Bの底面(封止面)B2には、図2(b)に示すように、横一直線状の封止部bを挟んでこれの上下両側に、所定距離だけ隔てて帯状の封入量インジケータ6が封止部bに沿って所定幅で横方向に形成されている。
以上のように構成された包装製品Wに対しては、ガセット袋Bの底面(封止面)B2に形成された封止部bの封止状態の良否判定を行うことによって検査が行われる。図1に示すように、検査は、当該包装製品Wの搬送方向(図1の矢印方向)に沿って連設されたコンベア7,8上を所定の間隔で連続的に搬送されている各包装製品Wに対して各々実施される。なお、各包装製品Wは、ガセット袋Bの底面(封止面)B2が検査カメラ2に向くように高さ方向を横にしてコンベア7,8上を搬送される。
図1に示すように、コンベア7,8の幅方向両側には、包装製品Wの左右両面を受けて該包装製品Wの搬送を案内するための搬送ガイド9が搬送方向に沿ってそれぞれ配置されている。
ところで、包装製品Wの検査位置は、検査カメラ2が配置された箇所となるところ、この検査位置には、検査される包装製品Wを検査位置に正確に位置決めするための位置決め手段としての位置決め機構10,11が包装製品Wの側方と上方にそれぞれ配置されている。側方に配置された一方の位置決め機構10は、空気圧や油圧によって伸縮動するロッド10aを備えており、該ロッド10aの先端には、矩形の面出しプレート12が取り付けられている。また、上方に配置された他方の位置決め機構11も、空気圧や油圧によって伸縮動するロッド11aを備えており、該ロッド11aの下端には、矩形の面出しプレート13が取り付けられている。位置決め機構10,11は、コントローラ4に電気的に接続されており、該コントローラ4から送信される制御信号によって駆動が制御される。
コンベア8の検査位置近傍の両側には、包装製品Wが検査位置に到達したことを検知するためのパック確認センサ14がそれぞれ配置されている。これらのパック確認センサ14は、コントローラ4に電気的に接続されており、その検知信号がコントローラ4へと送信される。
コンベア8の検査位置よりも下流側の一側部(図1の左側部)には、エアブロー装置15が配置されている。このエアブロー装置15は、検査に合格しなかった包装製品Wに向けて圧縮エアを噴射ノズル16から噴射することによって、この包装製品Wを不良品としてラインから外すためのものである。噴射ノズル16は、エアホース17を介して不図示の電磁弁に接続されている。電磁弁には、不図示のエアコンプレッサより圧縮エアが供給されている。また、電磁弁は、コントローラ4に電気的に接続されており、コントローラ4から送信される制御信号によって圧縮エアの入り切りが制御される。
次に、以上のように構成された検査装置1を用いて実施される本発明に係る包装製品Wの検査方法の実施形態について説明する。
[包装製品の検査方法]
<実施形態1>
本発明に係る検査方法の実施形態1を図3〜図7に基づいて以下に説明する。
図3は本発明の実施形態1に係る検査方法の手順を示すフローチャートであり、図4は本発明の実施形態1に係る検査方法において得られた良品画像を示す図であり、図5は画像の二値化処理を説明する図であり、図6は二値化処理された検査領域における封入量インジケータの間隔を示す図であり、図7(a)〜(c)は本発明の実施形態1に係る検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。
本実施形態に係る検査方法においては、図1に示すようにコンベア7,8に沿って図示矢印方向に搬送されている包装製品Wが所定の検査位置に到達したか否かがパック確認センサ14によって検知される(図3のステップS1)。この検知の結果、被検査対象である包装製品Wの検査位置への到達が確認されると(ステップS1:Yes)、この信号を受信したコントローラ4は、コンベア8の駆動を停止する(ステップS2)。
すると、被検査対象である包装製品Wは、所定の検査位置で停止し、コントローラ4からの制御信号によって位置決め機構10,11が駆動され、これらの位置決め機構10,11によって包装製品Wが検査位置に正確に位置決めされる(ステップS3)。すなわち、一方の位置決め機構10においては、ロッド10aが包装製品Wに向かって水平に延出し、その先端に取り付けられた面出しプレート12が包装製品Wの頂面に当接して該包装製品Wを一方(図1の右側)の搬送ガイド9に押圧するため、包装製品Wの横方向(搬送方向に直交する方向)の位置決めがなされる。また、他方の位置決め機構11が駆動されると、ロッド11aが下動し、該ロッド11aの下端に取り付けられた面出しプレート13が包装製品Wを上方から押圧し、包装製品Wが停止した際の慣性力による該包装製品Wの搬送方向への移動が阻止され、包装製品Wが検査位置において正確に固定される。
以上のように包装製品Wが2つの位置決め機構10,11によって検査位置に正確に位置決めされて固定されると、コントローラ4は、撮像手段である検査カメラ2とLED照明装置5に対して撮像要求信号(トリガ信号)を送信する。すると、LED照明装置5が駆動され、このLED照明装置5によってガセット袋Bの被検査面である底面(封止面)B2が照明された状態で、該ガセット袋Bの底面(封止面)B2が検査カメラ2によって撮像される(ステップS4)。
上述のように検査カメラ2によってガセット袋Bの底面(封止面)B2が撮像されると、図4に示すような画像が得られる。その画像データは、画像処理部3へと送られて二値化処理され(ステップS5)、図4に示す画像(良品画像)の横方向2箇所(図4の左右両端部の2箇所)の検査領域21,22における2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2(図6参照)が求められる(ステップS6)。前記二値化処理においては、予め設定した登録色(封入量インジケータ6の印刷色(本実施形態では、青色))に相当するRGB値あるいはHSV値に合致する画素を白、合致しない画素を黒とする変換がなされる。この結果、各検査領域21,22においては、図5に示すように、画像の封入量インジケータ6の部分の画素が白、それ以外の部分の画素が黒に変換される。
上述のように図4に示す画像の検査領域21,22での二値化処理がなされると、エッジ検出によって2つの封入量インジケータ6の検査領域21,22における間隔L1,L2(図6参照)がそれぞれ測定され(ステップS6)、測定された間隔L1,L2は、コントローラ4へと送信される。すると、コントローラ4は、間隔L1,L2のそれぞれが、予め設定された値(閾値)T1,T2(T1<T2)の範囲内(T1<L1,L2<T2)にあるか否か、および間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3未満(|L1−L2|<T3)であるか否かを判定する(ステップS7)。
前記判定の結果、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が、それぞれ予め設定された値(閾値)T1,T2の範囲内にあり(T1<L1,L2<T2)、かつ、間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3よりも小さい(|L1−L2|<T3)場合(ステップS7:Yes)には、コントローラ4は、判定信号としてON(OK)信号を出力する(ステップS8)。すなわち、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が閾値T1,T2の範囲内にある場合(T1<L1,L2<T2)には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の該物品の押し込み量が適正であるものと判断される。また、間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3よりも小さい場合には、図4に示すように、2つの封入量インジケータ6の間隔は、横方向(図4の左右方向)に沿って略均一となり、2つの封入量インジケータ6は、横一直線状の封止部bに対して略平行となるため、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏ることなく整然と整列した状態で収容されていることが確認される。
これに対して、間隔L1,L2が予め設定された値(閾値)T1,T2の範囲から外れた場合(L1,L2<T1またはL1,L2>T2)、または間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3よりも大きい場合(|L1−L2|>T3)の少なくともいずれか一方の場合(ステップS7:No)には、コントローラ4は、判定信号としてOFF(NG)信号を出力する(ステップS9)。そして、コントローラ4は、図1に示すエアブロー装置15を駆動し、噴射ノズル16から圧縮エアを包装製品Wに向けて噴射し、この不合格の包装製品Wをラインから外して回収する。この場合には、包装製品Wの製造工程において包装機によってガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量に過不足が生じているか、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏った状態で収容されているかの少なくともいずれかであるものと判断される。この場合の例を図7(a)〜(c)に示す画像に従って以下に説明する。
図7(a)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が所定の閾値T1よりも小さく(L1,L2<T1)、このような場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量が包装機の何らかのトラブルによって過大となり、物品がガセット袋Bの内部で押し潰されている可能性がある。
また、図7(b)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が所定の閾値T2よりも大きく(L1,L2>T2)、このような場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際に引っ掛かりが起き、包装製品Wの外観上の不具合が発生する可能性がある。
さらに、図7(c)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3を超えており(|L1−L2|>T3)、このような場合には、2つの封入量インジケータ6の間隔は、横方向(図7(c)の左右方向)に沿って不均一となり、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏った状態で収容しているものと考えられる。
以上の一連の処理によって包装製品Wに対する検査が完了するが(図3のステップS10)、以後、図1に示すコンベア7,8上を搬送される各包装製品Wに対する検査が同様の方法によって連続的に実施される。
以上のように、本実施形態に係る検査方法によれば、包装製品Wのガセット袋Bの底面(封止面)B2に形成された2つの封入量インジケータ6の2つの検査領域21,22における間隔L1,L2を画像処理によって求め、これらの間隔L1,L2に基づいてガセット袋Bの封止状態の良否判定を行うようにしたため、次のような効果が得られる。
すなわち、ガセット袋Bの内部に収容された複数の物品の収容状態(具体的には、物品が偏った状態で収容されているか否か、あるいは押し潰された状態で収容されているか否か)や、包装製品Wの外観上の不具合の有無などを正確に検査することができる。そして、この検査においては、包装製品Wの画像上の2箇所の検査領域21,22のみにおける封入量インジケータ6の間隔L1,L2を測定するようにしたため、検査領域を最小限に抑えて印刷コストを低く抑えることができる。
そして、本実施形態に係る検査方法においては、コンベア7,8上を搬送される包装製品Wが横方向(搬送方向に直交する方向)にずれていても、検査位置において位置決め機構10によって包装製品Wのずれを修正される。また、検査位置に停止する包装製品Wが慣性力によって搬送方向に若干移動しようとしても、その移動は、位置決め機構11によって阻止される。このため、被検査対象である包装製品Wが検査位置に正確に位置決めされ、該包装製品Wに対する検査が常に正確かつ安定的になされる。
<実施形態2>
次に、本発明に係る検査方法の実施形態2を図8および図9に基づいて以下に説明する。
図8は本発明の実施形態2に係る検査方法において得られた良品画像を示す図であり、図9(a)〜(c)は同検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。
本実施形態に係る検査方法は、図1に示す検査装置1を用いては基本的には実施形態1に係る検査方法と同様になされるが、図8に示すように、撮像によって得られた画像の3箇所の検査領域21,22,23において測定された封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3の3つの値を用いて検査が行われる。ここで、検査領域21,22,23は、図8に示す画像の左右両端部の2箇所と幅方向中央の1箇所に設定されている。
本実施形態に係る検査方法においては、図1に示すコントローラ4は、間隔L1,L2,L3が予め設定された値(閾値)T1,T2(T1<T2)の範囲内(T1<L1,L2,L3<T2)にあるか否か、および間隔L1,L2,L3の最大値Lmaxと最小値Lminの差分D(=Lmax−Lmin)が所定の閾値T3未満(D<T3)であるか否かを判定する。
前記判定の結果、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3のいずれもが予め設定された値(閾値)T1,T2の範囲内にあり(T1<L1,L2,L3<T2)、かつ、封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3の最大値Lmaxと最小値Lminの差分D(=Lmax−Lmin)が所定の閾値T3よりも小さい場合(D<T3)には、コントローラ4は、判定信号としてON(OK)信号を出力する。すなわち、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3の全てが閾値T1,T2の範囲内にある場合(T1<L1,L2,L3<T2)には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量が適正であるものと判断される。また、間隔L1,L2,L3の最大値Lmaxと最小値Lminの差分D(=Lmax−Lmin)が所定の閾値T3よりも小さい場合には、図8に示すように、2つの封入量インジケータ6の間隔は、横方向(図8の左右方向)に沿って略均一となり、2つの封入量インジケータ6は、横一直線状の封止部bに対して略平行となるため、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏ることなく整然と整列した状態で収容されていることが確認される。
これに対して、間隔L1,L2,L3が予め設定された値(閾値)T1,T2の範囲から外れた場合(L1,L2,L3<T1またはL1,L2,L3>T2)、あるいは間隔L1,L2,L3の最大値Lmaxと最小値Lminの差分D(=Lmax−Lmin)が所定の閾値T3よりも大きい場合(D>T3)の少なくともいずれか一方の場合には、コントローラ4は、判定信号としてOFF(NG)信号を出力する。この場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量に過不足が生じているか、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏った状態で収容されているかの少なくともいずれかであるものと判断される。この場合の例を図9(a)〜(c)に示す画像に従って以下に説明する。
図9(a)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3が所定の閾値T1よりも小さく(L1,L2,L3<T1)、このような場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量が包装機の何らかのトラブルによって過大となり、物品がガセット袋Bの内部で押し潰されている可能性がある。
また、図9(b)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3が所定の閾値T2よりも大きく(L1,L2,L3>T2)、このような場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際に引っ掛かりが起き、包装製品Wの外観上の不具合が発生する。
さらに、図9(c)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2,L3の最大値Lmaxと最小値Lminの差分D(=Lmax−Lmin)が所定の閾値T3を超えており(D>T3)、このような場合には、2つの封入量インジケータ6の間隔は、横方向(図9(c)の左右方向)に沿って不均一となり、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏った状態で収容されているものと考えられる。
以上のように、本実施形態に係る検査方法も本質的に前記実施形態1に係る検査方法と同じであるため、包装製品Wの内部に収容された複数の物品の収容状態(具体的には、物品が偏った状態で収容されているか否か、あるいは押し潰された状態で収容されているか否か)や、包装製品Wの外観上の不具合の有無などを正確に検査することができるという効果が得られる。その他、本実施形態に係る検査方法においても、前記実施形態1に係る検査方法と同様の効果が得られる。
なお、2つの封入量インジケータ6の間隔を測定する検査領域の数は2つ以上であればよく、4つ以上の検査領域を設定してもよい。
<実施形態3>
次に、本発明に係る検査方法の実施形態3を図10〜図12に基づいて以下に説明する。
図10(a),(b)は検査対象である包装製品の斜視図、図11は本実施形態2に係る検査方法において得られた良品画像を示す図、図12(a)〜(c)は同検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。
本実施形態に係る検査方法においては、図10に示す包装製品Wを検査対象とするものであって、この包装製品Wのガセット袋Bの全体の色は単色(例えば、白色)であって、このガセット袋Bの検査面である底面(封止面)B2には、細い帯状の2つの封入量インジケータ6が有彩色(例えば、青色)の印刷によって形成されている。より詳細には、2つの封入量インジケータ6は、直線状の封止部bを挟んでこれの両側(図10の上下)に封止部bに沿って形成されている。ここで、ガセット袋B全体の色は単色であれば任意であり、封入量インジケータ6の色は、ガセット袋B全体の単色とは異なる色であれば任意であって、二値化処理された画像のエッジ検出によって2つの封入量インジケータ6の間隔の測定が可能なように、封入量インジケータ6とその背景との間に色彩のコントラストが存在していればよい。
本実施形態に係る検査方法も図1に示す検査装置を用いて前記実施形態1と同様になされる。
すなわち、図11に示す良品画像のとおり、検査領域21,22における2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が予め設定された値(閾値)T1,T2の範囲内にあり(T1<L1,L2<T2)、かつ、間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3よりも小さい(|L1−L2|<T3)場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量が適正であるものと判断される。また、間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3よりも小さい場合(|L1−L2|<T3)には、図11に示すように、2つの封入量インジケータ6の間隔は、横方向(図11の左右方向)に沿って略均一となり、2つの封入量インジケータ6は、横一直線状の封止部bに対して略平行となるため、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏ることなく整然と整列した状態で収容されていることが確認される。この結果、コントローラ4(図1参照)は、判定信号としてON(OK)信号を出力する。
これに対して、間隔L1,L2が予め設定された値(閾値)T1,T2の範囲から外れた場合(L1,L2<T1またはL1,L2>T2)、または間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3よりも大きい場合(|L1−L2|>T3)の少なくともいずれか一方の場合には、コントローラ4は、判定信号としてOFF(NG)信号を出力する。この場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量に過不足が生じているか、ガセット袋Bの内部に複数の物品が偏った状態で収容されているかの少なくともいずれかであるものと判断される。この場合の例を図12(a)〜(c)に示す画像に従って以下に説明する。
図12(a)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が所定の閾値T1よりも小さく(L1,L2<T1)、このような場合には、包装製品の製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際の物品の押し込み量が包装機の何らかのトラブルによって過大となり、物品がガセット袋Bの内部で押し潰されている可能性がある。
また、図12(b)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2が所定の閾値T2よりも大きく(L1,L2>T2)、このような場合には、包装製品Wの製造工程においてガセット袋Bに物品を投入する際に引っ掛かりが起き、包装製品Wの外観上の不具合が発生する。
さらに、図12(c)に示す画像においては、2つの封入量インジケータ6の間隔L1,L2の差分(絶対値)|L1−L2|が所定の閾値T3を超えており(|L1−L2|>T3)、このような場合には、2つの封入量インジケータ6の間隔は、図10(b)にも示すように、横方向(図12(c)の左右方向)に沿って不均一となり、ガセット袋の内部に複数の物品が偏った状態で収容されているものと考えられる。
以上のように、本実施形態に係る検査方法は、基本的に実施形態1に係る検査方法と同様であるため、実施形態1と同様の効果が得られる。
<実施形態4>
次に、本発明に係る検査方法の実施形態4を図13〜図15に基づいて以下に説明する。
図13(a),(b)は検査対象である包装製品の斜視図、図14は実施形態4に係る検査方法において得られた良品画像を示す図、図15(a)〜(c)は同検査方法において得られた不良品画像の例を示す図である。
実施形態3においては、図10に示す包装製品Wのガセット袋Bに形成された細い直線状の封入量インジケータ6の検査領域21,22における間隔L1,L2を計測するようにしたが、各封入量インジケータ6は、1本の連続した直線状のものである必要はない。本実施形態においては、図13に示すように、ガセット袋Bの底面(封止面)B2の検査領域21,22に対応する計4箇所に短い帯状の封入量インジケータ6を形成するようにしてもよい。このようにすることによって、封入量インジケータ6を設ける領域を最小限に抑えることができ、封入量インジケータ6の印刷コストを低く抑えることができる。
本実施形態4に係る検査方法も図1に示す検査装置1を用いて実施形態1,3と同様になされるため、その詳細についての説明は省略するが、検査過程において得られる良品画像の例を図14に、不良品画像の例を図15(a)〜(c)にそれぞれ示す。
以上の説明で明らかなように、本発明に係る検査装置1を用いて実施される本発明に係る検査方法によれば、包装製品Wに収容された物品の収容状態の良否を物品が斜めに収容された場合を含めて正確かつ安定的に包装製品の封止状態の良否判定を行うことができるという効果が得られる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば封入量インジケータの形状は図示したものに限られず、インジケータとしての機能が発揮される限りにおいて、種々の形状のものを採用してもよい。
また本発明の方法は、外力によって変形し易い物品が収容されている包装製品の検査に特に有用であるが、外力を受けても変形しづらい物品が収容されている包装袋の検査に本発明を適用できることは言うまでもない。
1 検査装置
2 検査カメラ(撮像手段)
3 画像処理部(画像処理手段)
4 コントローラ(制御手段)
5 LED照明装置
6 封入量インジケータ
7,8 コンベア
9 搬送ガイド
10,11 位置決め機構(位置決め手段)
12,13 面出しプレート
14 パック確認センサ
15 エアブロー装置
16 噴射ノズル
17 エアホース
B ガセット袋
B1 がセット袋の頂面
B2 ガセット袋の底面(封止面)
b 封止部
L1〜L3 封入量インジケータの間隔
W 包装製品

Claims (7)

  1. 内部に物品が収容されたガセット袋の封止面に、直線状の封止部と、該封止部を挟んだ両側に該封止部に沿って設けられた帯状の封入量インジケータとを備えた包装製品の検査方法であって、
    前記ガセット袋の封止面を撮像し、撮像によって得られた画像データに基づいて2つの前記封入量インジケータの少なくとも2箇所における間隔を求め、求められた間隔が予め設定された範囲内にあるか否かによって前記包装製品の封止状態の良否判定を行う、包装製品の検査方法。
  2. 前記封入量インジケータの間隔の最大値と最小値の差分を求め、求められた差分が予め設定された範囲内にあるか否かによって前記包装製品の封止状態の良否判定を行う、請求項1に記載の包装製品の検査方法。
  3. 前記封入量インジケータを前記ガセット袋の地色とは異なる色で印刷した、請求項1または2に記載の包装製品の検査方法。
  4. 前記ガセット袋の撮像前に前記包装製品を検査位置に配置する位置決め工程を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の包装製品の検査方法。
  5. 内部に物品が収容されたガセット袋の封止面に、直線状の封止部と、該封止部を挟んだ両側に該封止部に沿って設けられた帯状の封入量インジケータとを備えた包装製品の検査装置であって、
    前記封入量インジケータが印刷された前記ガセット袋の封止面を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段によって得られた画像データに基づいて2つの前記封入量インジケータの少なくとも2箇所における間隔を求める画像処理手段と、
    該画像処理手段によって求められた間隔が予め設定された範囲内にあるか否かによって前記包装製品の封止状態の良否判定を行う制御手段と、
    を有する、包装製品の検査装置。
  6. 前記制御手段は、更に判定信号を出力するコントローラを有する、請求項5に記載の包装製品の検査装置。
  7. 前記ガセット袋の前記撮像手段による撮像前に前記包装製品を検査位置に配置する位置決め手段を備える、請求項5または6に記載の包装製品の検査装置。
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