JP2020023446A - トフィソパムの製造方法、その中間体及びその中間体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡便な操作によって、高反応速度及び高収率でo−アルキルベンゾフェノンに光カルボキシル化を行う方法、及び安価にトフィソパムを製造する方法の提供。【解決手段】Cs塩基及びCO2の存在下、化合物(A)に光照射することで、化合物(B)を製造し、その後ヒドラジン、ハロゲン化剤、メチルリチウムを順次反応させることで2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(トフィソパム)を製造する。【選択図】なし
Description
本発明は、トフィソパムの省エネルギーで効率的な製造方法、その中間体及びその中間体の製造方法に関する。
トフィソパムは、以下の式で表される1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−メチル−5−エチル−7,8−ジメトキシ−5H−2,3−ベンゾジアゼピン(CAS登録番号:22345−47−7)である。トフィソパムは、1985年11月に「下記疾患における頭痛・頭重、劵怠感、心悸亢進、発汗等の自律神経症状−自律神経失調症、頭部・頸部損傷、更年期障害・卵巣欠落症状−」の効能・効果で、日本で承認され、現在、日本を始め多くの国で販売されている。
トフィソパムの最初の製造方法は、特許文献1に報告されている。その後、改良された製造方法が、特許文献2に下記の通り記載されている。
上記の改良された製造方法は、毒性の高い試薬を用い、また高い反応温度を必要としていることから、さらに改善されたトフィソパムの製造方法が求められていた。
二酸化炭素を用いるカルボキシル化として、グリニヤール試薬を二酸化炭素に反応させる方法、フェノールのアルカリ金属塩を二酸化炭素に反応させる方法等が知られている。非特許文献1には、o−アルキルベンゾフェノンに紫外線を照射することで、分子内水素転移が起こり、光エノールが生成することが報告されている。また、生じた光エノールはジメチルアセチレンジカルボキシレートとディールス・アルダー反応をさせて、ベンゼン−シクロヘキサンが得られている。非特許文献2には、上記の光エノールを二酸化炭素との反応に展開させて、o−アルキルフェニルケトンの光カルボシキル化を行っている。しかし、ベンゼン環にメトキシが存在すると、あるいはオルト位のアルキルがエチルであると、極端に反応が遅くなり、満足した収率を得ることができなかった。そこで、より簡便な操作によって、より速い反応速度及びより高い収率で光カルボキシル化を行う反応が求められていた。
J. Am. Chem. Soc., 87, 5417 (1965)
J. Am. Chem. Soc., 137, 14063-14066 (2015)
本発明が解決しようとする課題は、従来知られていた製造方法よりも、より簡便な操作によって、より速い反応速度及びより高い収率でo−アルキルベンゾフェノンに光カルボキシル化を行う方法、及び安価にトフィソパムを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、メトキシを多数有し、オルト位がプロピルであるo−プロピルベンゾフェノンであっても、セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、光照射して反応させたところ、非特許文献2と異なって、より速い反応速度及びより高い収率で光カルボキシル化できることを見出し、さらに得られたカルボキシル化合物を誘導することでトフィソパムを製造できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することによる、化合物(B)の製造方法。
(式中、n及びmは、独立して1〜3の整数を表す。
R1は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R2は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R3は、置換されていてもよいアルキルを表す。)
R1は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R2は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R3は、置換されていてもよいアルキルを表す。)
[2] 化合物(B)又はその塩。
(式中、n、m及びR1〜R3は、前記と同義である。)
[3] 以下の工程を含む、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)の製造方法:
(工程1)セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することで、化合物(B)を製造する工程;
(工程2)化合物(B)にヒドラジンを反応させることで、化合物(C)を製造する工程;
(工程3)化合物(C)にハロゲン化剤を作用させることで、化合物(D)を製造する工程;及び
(工程4)化合物(D)にメチルリチウムを反応させることで、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)を製造する工程。
(工程1)セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することで、化合物(B)を製造する工程;
(工程2)化合物(B)にヒドラジンを反応させることで、化合物(C)を製造する工程;
(工程3)化合物(C)にハロゲン化剤を作用させることで、化合物(D)を製造する工程;及び
(工程4)化合物(D)にメチルリチウムを反応させることで、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)を製造する工程。
(式中、n、m及びR1〜R3は、前記と同義である。Xは、ハロゲン原子を表す。)
[4] 2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)がトフィソパムである、[3]に記載の2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)の製造方法。
本発明のトフィソパムを製造する方法は、トフィソパムを、従来知られていた製造方法よりも、より簡便な操作によって、より速い反応速度及びより高い収率で安価に提供することができる。
(1)化合物(B)の製造方法
セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することによって、化合物(B)を製造することができる。
セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することによって、化合物(B)を製造することができる。
(式中、n、m及びR1〜R3は、前記と同義である。)
式中、n及びmは、独立して1〜3の整数を表すが、好ましくは独立して1又は2を表し、より好ましくは2を表す。
R1及びR2におけるアルコキシとしては、例えば直鎖又は分岐鎖のC1〜C5アルコキシが挙げられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、t−ペントキシ、ネオペンチルオキシ等が挙げられる。好ましくは直鎖又は分岐鎖のC1〜C3アルコキシが挙げられ、より好ましくはメトキシ又はエトキシが挙げられ、さらに好ましくはメトキシが挙げられる。
R1及びR2の置換位置としては、いずれの位置でもよいが、好ましくはベンゼン環上の既存の置換基の置換位置の横の位置ではない位置が挙げられる。
R1及びR2におけるアルコキシとしては、例えば直鎖又は分岐鎖のC1〜C5アルコキシが挙げられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、t−ペントキシ、ネオペンチルオキシ等が挙げられる。好ましくは直鎖又は分岐鎖のC1〜C3アルコキシが挙げられ、より好ましくはメトキシ又はエトキシが挙げられ、さらに好ましくはメトキシが挙げられる。
R1及びR2の置換位置としては、いずれの位置でもよいが、好ましくはベンゼン環上の既存の置換基の置換位置の横の位置ではない位置が挙げられる。
R3における「置換されていてもよいアルキル」のアルキルとしては、例えば直鎖又は分岐鎖のC1〜C5アルキルが挙げられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、ネオペンチル等が挙げられる。好ましくは直鎖のC1〜C3アルキルが挙げられ、より好ましくはメチル又はエチルが挙げられ、さらに好ましくはエチルが挙げられる。
R3における「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば水酸基、アルコキシ、ハロゲノ(フルオロ、クロロ、ブロモ等)、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、ニトロ等が挙げられる。
好ましい「置換されていてもよいアルキル」としては、無置換のアルキルが挙げられ、より好ましくは直鎖のC1〜C3アルキルが挙げられ、さらに好ましくはメチル又はエチルが挙げられ、特に好ましくはエチルが挙げられる。「置換されていてもよいアルキル」はバルキーであると、反応速度が低下し、収率が低下する傾向にあるため、立体障害が小さい「置換されていてもよいアルキル」が好ましい。
R3における「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば水酸基、アルコキシ、ハロゲノ(フルオロ、クロロ、ブロモ等)、アリール、ヘテロアリール、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、ニトロ等が挙げられる。
好ましい「置換されていてもよいアルキル」としては、無置換のアルキルが挙げられ、より好ましくは直鎖のC1〜C3アルキルが挙げられ、さらに好ましくはメチル又はエチルが挙げられ、特に好ましくはエチルが挙げられる。「置換されていてもよいアルキル」はバルキーであると、反応速度が低下し、収率が低下する傾向にあるため、立体障害が小さい「置換されていてもよいアルキル」が好ましい。
用いられるセシウム塩基としては、例えばセシウムの水酸化物、炭酸水素塩又は炭酸塩等が挙げられ、好ましくは炭酸セシウムが挙げられる。セシウム塩基を加えることで、反応速度が向上し、短時間で反応が進行すると共に、長時間の反応よる副反応を抑えて、高純度の化合物(B)を得ることができる。
セシウム塩基の使用量としては、例えば、化合物(A)に対して約0.5〜3モル当量が挙げられ、好ましくは約1〜2.5モル当量が挙げられる。
セシウム塩基の使用量としては、例えば、化合物(A)に対して約0.5〜3モル当量が挙げられ、好ましくは約1〜2.5モル当量が挙げられる。
用いる溶媒としては、好ましくは極性溶媒が挙げられる。極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール等のエーテル、水、又はこれらの混合物が挙げられる。好ましい極性溶媒としては、スルホキシド、アミド等が挙げられ、より好ましくはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
溶媒の使用量としては、例えば、化合物(A)に対して約5〜150重量倍が挙げられ、好ましくは約10〜100重量倍が挙げられ、より好ましくは約20〜50重量倍が挙げられる。化合物(A)を高濃度で反応させると分子間の副反応が起こるため、低濃度が好ましい。
溶媒の使用量としては、例えば、化合物(A)に対して約5〜150重量倍が挙げられ、好ましくは約10〜100重量倍が挙げられ、より好ましくは約20〜50重量倍が挙げられる。化合物(A)を高濃度で反応させると分子間の副反応が起こるため、低濃度が好ましい。
用いる二酸化炭素としては、例えば二酸化炭素ガスでよく、激しく撹拌することで二酸化炭素ガスを反応溶液に溶解させるか、あるいはバブリングして反応溶液に溶解させることが好ましい。二酸化炭素ガスの圧力としては、例えば約50〜500kPaが挙げられ、好ましくは約100〜300kPaが挙げられる。
照射する光としては、例えば紫外線、可視光又は太陽光等が挙げられ、好ましくはLEDランプによる365nmの紫外線が挙げられる。
照射する光としては、例えば紫外線、可視光又は太陽光等が挙げられ、好ましくはLEDランプによる365nmの紫外線が挙げられる。
反応温度としては、例えば、用いる溶媒の凝固点〜50℃が挙げられ、好ましくは約10〜40℃が挙げられ、より好ましくは約15〜30℃が挙げられる。
反応時間としては、反応の進行に合わせて反応を止めることができる。工業的製造においては、例えば、2〜24時間程度とするのが好ましい。
反応終了後の後処理としては、常法に従って行うことができる。除去すべき試薬は多くはなく、化合物(B)がカルボン酸であるため、化合物(B)を塩基性水溶液に溶解させて、有機溶媒で洗浄することで疎水性化合物を除去し、かかる塩基性水溶液に酸を加えて酸性として、有機溶媒で抽出することで、化合物(B)を単離することができる。その後、再結晶等を行うことで精製することもできる。
反応時間としては、反応の進行に合わせて反応を止めることができる。工業的製造においては、例えば、2〜24時間程度とするのが好ましい。
反応終了後の後処理としては、常法に従って行うことができる。除去すべき試薬は多くはなく、化合物(B)がカルボン酸であるため、化合物(B)を塩基性水溶液に溶解させて、有機溶媒で洗浄することで疎水性化合物を除去し、かかる塩基性水溶液に酸を加えて酸性として、有機溶媒で抽出することで、化合物(B)を単離することができる。その後、再結晶等を行うことで精製することもできる。
(2)2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)の製造方法
2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)は、以下の工程で製造することができる。
(工程1)セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することで、化合物(B)を製造する工程;
(工程2)化合物(B)にヒドラジンを反応させることで、化合物(C)を製造する工程;
(工程3)化合物(C)にハロゲン化剤を作用させることで、化合物(D)を製造する工程;及び
(工程4)化合物(D)にメチルリチウムを反応させることで、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)を製造する工程。
2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)は、以下の工程で製造することができる。
(工程1)セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することで、化合物(B)を製造する工程;
(工程2)化合物(B)にヒドラジンを反応させることで、化合物(C)を製造する工程;
(工程3)化合物(C)にハロゲン化剤を作用させることで、化合物(D)を製造する工程;及び
(工程4)化合物(D)にメチルリチウムを反応させることで、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)を製造する工程。
(式中、n、m及びR1〜R3は、前記と同義である。Xは、ハロゲン原子を表す。)
式中、Xにおけるハロゲンとしては、例えばクロロ、ブロモ等が挙げられ、好ましくはクロロ等が挙げられる。
工程1は、前記の化合物(B)の製造方法で説明した。
工程1は、前記の化合物(B)の製造方法で説明した。
工程2は、化合物(B)にヒドラジンを反応させることで、化合物(C)を製造する工程である。
ヒドラジンの使用量としては、例えば、化合物(B)に対して約1〜2モル当量が挙げられ、好ましくは約1.1〜1.5モル当量が挙げられる。
用いる溶媒としては、好ましくは極性溶媒が挙げられる。極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール等のエーテル、水、又はこれらの混合物が挙げられる。好ましい極性溶媒としては、スルホキシド、アミド等が挙げられ、より好ましくはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、化合物(B)に対して約2〜20重量倍が挙げられ、好ましくは約3〜10重量倍が挙げられ、より好ましくは約4〜8重量倍が挙げられる。
ヒドラジンの使用量としては、例えば、化合物(B)に対して約1〜2モル当量が挙げられ、好ましくは約1.1〜1.5モル当量が挙げられる。
用いる溶媒としては、好ましくは極性溶媒が挙げられる。極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール等のエーテル、水、又はこれらの混合物が挙げられる。好ましい極性溶媒としては、スルホキシド、アミド等が挙げられ、より好ましくはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、化合物(B)に対して約2〜20重量倍が挙げられ、好ましくは約3〜10重量倍が挙げられ、より好ましくは約4〜8重量倍が挙げられる。
反応温度としては、例えば約50〜150℃が挙げられ、好ましくは約80〜120℃が挙げられる。反応時間としては、反応の進行に合わせて反応を止めることができる。工業的製造においては、例えば、2〜24時間程度とするのが好ましい。反応終了後の後処理としては、常法に従って行うことができる。
工程3は、化合物(C)にハロゲン化剤を作用させることで、化合物(D)を製造する工程である。
ハロゲン化剤としては、通常ハロゲン化に用いられる試薬を用いることができ、例えば塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩化オキサリル、ホスゲン等が挙げられる。ハロゲン化剤の使用量としては、例えば、化合物(C)に対して約1〜2モル当量が挙げられ、好ましくは約1.1〜1.5モル当量が挙げられる。
工程3において、塩基を添加することが好ましい。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン等のピリジン、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。塩基の使用量としては、例えば、副生する酸成分を中和するに必要な量を用いることができる。
用いる溶媒としては、好ましくはハロゲン系溶媒が挙げられ、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン又はこれらの混合物等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、化合物(B)に対して約2〜20重量倍が挙げられ、好ましくは約3〜10重量倍が挙げられ、より好ましくは約4〜8重量倍が挙げられる。
ハロゲン化剤としては、通常ハロゲン化に用いられる試薬を用いることができ、例えば塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩化オキサリル、ホスゲン等が挙げられる。ハロゲン化剤の使用量としては、例えば、化合物(C)に対して約1〜2モル当量が挙げられ、好ましくは約1.1〜1.5モル当量が挙げられる。
工程3において、塩基を添加することが好ましい。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン等のピリジン、炭酸ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。塩基の使用量としては、例えば、副生する酸成分を中和するに必要な量を用いることができる。
用いる溶媒としては、好ましくはハロゲン系溶媒が挙げられ、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン又はこれらの混合物等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、化合物(B)に対して約2〜20重量倍が挙げられ、好ましくは約3〜10重量倍が挙げられ、より好ましくは約4〜8重量倍が挙げられる。
反応温度としては、例えば、約50〜150℃が挙げられ、好ましくは約80〜120℃が挙げられる。反応時間としては、反応の進行に合わせて反応を止めることができる。工業的製造においては、例えば、2〜24時間程度とするのが好ましい。反応終了後の後処理としては、常法に従って行うことができる。
工程4は、化合物(D)にメチルリチウムを反応させることで、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)を製造する工程である。
メチルリチウムの使用量としては、例えば、化合物(D)に対して約1〜3モル当量が挙げられ、好ましくは約1.1〜2モル当量が挙げられる。必要に応じて、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等のキレート配位子を添加することが好ましい。
用いる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール等のエーテル又はこれらの混合物等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、化合物(D)に対して約2〜20重量倍が挙げられ、好ましくは約3〜10重量倍が挙げられ、より好ましくは約4〜8重量倍が挙げられる。
メチルリチウムの使用量としては、例えば、化合物(D)に対して約1〜3モル当量が挙げられ、好ましくは約1.1〜2モル当量が挙げられる。必要に応じて、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等のキレート配位子を添加することが好ましい。
用いる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコール等のエーテル又はこれらの混合物等が挙げられる。溶媒の使用量としては、例えば、化合物(D)に対して約2〜20重量倍が挙げられ、好ましくは約3〜10重量倍が挙げられ、より好ましくは約4〜8重量倍が挙げられる。
反応温度としては、例えば、約−100〜50℃が挙げられ、好ましくは約−80℃〜室温が挙げられる。反応時間としては、反応の進行に合わせて反応を止めることができる。工業的製造においては、例えば、2〜24時間程度とするのが好ましい。反応終了後の後処理としては、常法に従って行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
以下の実施例及び参考例において、各種物性は以下のようにして測定した。
<1H−NMR>
得られた化合物を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「JNM−ECZ400S/L1」;100MHz、JEOL社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、NMR溶媒中の水素核(δ=7.26)を参照とした。
<13C−NMR>
得られた化合物を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「JNM−ECZ400S/L1」;100MHz、JEOL社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、NMR溶媒中の炭素核(δ=77.0)を参照とした。
<1H−NMR>
得られた化合物を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「JNM−ECZ400S/L1」;100MHz、JEOL社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、NMR溶媒中の水素核(δ=7.26)を参照とした。
<13C−NMR>
得られた化合物を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「JNM−ECZ400S/L1」;100MHz、JEOL社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、NMR溶媒中の炭素核(δ=77.0)を参照とした。
参考例1
化合物(a)の製造
化合物(a)の製造
空気中、3,4−ジメトキシ−n−プロピルベンゼン(1.8g,10mmol)と3,4−ジメトキシ安息香酸(1.8g,10mmol)に対してポリリン酸(15mL)を加え、80℃で4時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。その後、有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をロータリーエバポレータで濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、化合物(a)(2.7g,7.8mmol)を収率78%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ0.86(t,J=7.2Hz,3H),1.51−1.61(m,2H),2.56−2.60(m,2H),3.81(s,3H),3.94(s,3H),3.945(s,3H),3.951(s,3H),6.79(s,1H),6.82(s,1H),6.84(d,J=8.4Hz,1H),7.28(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.53(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ14.0,25.1,35.1,55.9,55.98,56.04,109.7,111.4,111.9,112.8,125.7,130.7,131.2,135.2,146.0,149.0,150.1,153.2,196.8
1H−NMR(CDCl3):δ0.86(t,J=7.2Hz,3H),1.51−1.61(m,2H),2.56−2.60(m,2H),3.81(s,3H),3.94(s,3H),3.945(s,3H),3.951(s,3H),6.79(s,1H),6.82(s,1H),6.84(d,J=8.4Hz,1H),7.28(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.53(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ14.0,25.1,35.1,55.9,55.98,56.04,109.7,111.4,111.9,112.8,125.7,130.7,131.2,135.2,146.0,149.0,150.1,153.2,196.8
実施例1
化合物(b)の製造
化合物(b)の製造
二酸化炭素雰囲気下、化合物(a)(68.9mg,0.20mmol)と炭酸セシウム(130mg,0.40mmol)のジメチルスルホキシド溶液(5mL)に対して、紫外光(365nm)を照射しながら1時間攪拌した。反応後、反応溶液に2規定の塩酸を加え、ジエチルエーテルで3回抽出した。その後、有機層を水で3回洗浄し、1規定の水酸化ナトリウム水溶液で3回抽出した。集めた水層を2規定の塩酸で酸性にした後、ジエチルエーテルで3回抽出した。集めた有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、溶液をロータリーエバポレータで濃縮することにより、化合物(b)(67.0mg,0.17mmol)を収率86%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ0.83(t,J=7.2Hz,3H),1.80−1.91(m,1H),2.21−2.32(m,1H),3.69(t,J=7.2Hz,1H),3.80(s,3H),3.95(s,3H),3.97(s,3H),4.00(s,3H),6.91(s,1H),6.93(d,J=8.4Hz,1H),7.01(s,1H),7.43(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.57(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ12.0,24.3,49.0,56.1,56.2(2C),56.3,109.9,110.2,112.3,113.5,127.4,129.7,129.9,133.5,146.8,149.3,152.4,154.6,173.2,198.4
1H−NMR(CDCl3):δ0.83(t,J=7.2Hz,3H),1.80−1.91(m,1H),2.21−2.32(m,1H),3.69(t,J=7.2Hz,1H),3.80(s,3H),3.95(s,3H),3.97(s,3H),4.00(s,3H),6.91(s,1H),6.93(d,J=8.4Hz,1H),7.01(s,1H),7.43(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.57(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ12.0,24.3,49.0,56.1,56.2(2C),56.3,109.9,110.2,112.3,113.5,127.4,129.7,129.9,133.5,146.8,149.3,152.4,154.6,173.2,198.4
比較例1〜8
塩基の検討
実施例1において炭酸セシウムを表1に記載の塩基に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。なお、反応後のクロマトグラフィーによる精製は行わず、収率は1,1,2,2−テトラクロロエタンを内部標準物質とした1H−NMRの積分比から算出した。
塩基の検討
実施例1において炭酸セシウムを表1に記載の塩基に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。なお、反応後のクロマトグラフィーによる精製は行わず、収率は1,1,2,2−テトラクロロエタンを内部標準物質とした1H−NMRの積分比から算出した。
表1の通り、塩基として炭酸セシウムを用いた場合は、収率が82%と非常に高いが、その他の塩基では収率が15%以下であった。
実施例2
トフィソパムの製造
トフィソパムの製造
(工程2)
アルゴン中、化合物(b)(77.7mg,0.20mmol)のジメチルスルホキシド溶液(1mL)に対して、ヒドラジン一水和物(100mg,1.0mmol)を加え、120℃で12時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、2規定の塩酸を加え、さらに室温で5時間攪拌した。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。その後、有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をロータリーエバポレータで濃縮し、分取薄層クロマトグフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、化合物(c)(70.2mg、0.18mmol)を収率91%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ1.11(t,J=7.2Hz,3H),1.96−2.04(m,1H),2.38−2.45(m,1H),2.98−3.01(m,1H),3.74(s,3H),3.93(s,3H),3.94(s,3H),3.96(s,3H),6.74(s,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,1H),7.41(s,1H),8.40(s,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ12.5,19.2,47.5,56.0(3C),56.1,106.2,110.3,111.0,111.7,123.4,123.7,130.3,133.7,147.2,149.0,150.8,152.3,161.7,171.6
アルゴン中、化合物(b)(77.7mg,0.20mmol)のジメチルスルホキシド溶液(1mL)に対して、ヒドラジン一水和物(100mg,1.0mmol)を加え、120℃で12時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、2規定の塩酸を加え、さらに室温で5時間攪拌した。反応後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。その後、有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をロータリーエバポレータで濃縮し、分取薄層クロマトグフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、化合物(c)(70.2mg、0.18mmol)を収率91%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ1.11(t,J=7.2Hz,3H),1.96−2.04(m,1H),2.38−2.45(m,1H),2.98−3.01(m,1H),3.74(s,3H),3.93(s,3H),3.94(s,3H),3.96(s,3H),6.74(s,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),7.08(d,J=8.4Hz,1H),7.41(s,1H),8.40(s,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ12.5,19.2,47.5,56.0(3C),56.1,106.2,110.3,111.0,111.7,123.4,123.7,130.3,133.7,147.2,149.0,150.8,152.3,161.7,171.6
(工程3)
アルゴン中、化合物(c)(115mg,0.30mmol)のクロロホルム溶液(2mL)に対して、N,N−ジメチルアニリン(96mg,0.80mmol)と塩化ホスホリル(123mg、0.80mmol)を加え、封管中120℃で4時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、溶媒をロータリーエバポレータで留去し、分取薄層クロマトグフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより、化合物(d)(117mg,0.78mmol)を収率97%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ1.15(t,J=7.2Hz,3H),2.06−2.16(m,1H),2.28−2.39(m,1H),3.15(dd,J=9.2,5.6Hz,1H),3.77(s,3H),3.936(s,3H),3.942(s,3H),4.00(s,3H),6.79(s,1H),6.870(d,J=8.4Hz,1H),6.872(s,1H),7.07(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.54(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ12.2,20.7,47.6,55.99,56.03,56.1,56.2,105.0,110.3,111.5,112.7,122.1,124.0,130.7,134.8,146.5,148.1,149.0,151.1,152.7,158.6
アルゴン中、化合物(c)(115mg,0.30mmol)のクロロホルム溶液(2mL)に対して、N,N−ジメチルアニリン(96mg,0.80mmol)と塩化ホスホリル(123mg、0.80mmol)を加え、封管中120℃で4時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、溶媒をロータリーエバポレータで留去し、分取薄層クロマトグフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=20:1)で精製することにより、化合物(d)(117mg,0.78mmol)を収率97%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ1.15(t,J=7.2Hz,3H),2.06−2.16(m,1H),2.28−2.39(m,1H),3.15(dd,J=9.2,5.6Hz,1H),3.77(s,3H),3.936(s,3H),3.942(s,3H),4.00(s,3H),6.79(s,1H),6.870(d,J=8.4Hz,1H),6.872(s,1H),7.07(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.54(d,J=2.0Hz,1H)
13C−NMR(CDCl3):δ12.2,20.7,47.6,55.99,56.03,56.1,56.2,105.0,110.3,111.5,112.7,122.1,124.0,130.7,134.8,146.5,148.1,149.0,151.1,152.7,158.6
(工程4)
アルゴン中、化合物(d)(20mg,0.050mmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(34mg,0.30mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3mL)を−78℃に冷却した。その溶液に対して、メチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.5M,0.20mL,0.30mmol)を滴下した後、反応溶液を室温に戻し12時間攪拌した。反応後、水をゆっくり加え、酢酸エチルで3回抽出した。その後、有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで留去し、分取薄層クロマトグフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、トフィソパム(11.0mg,0.029mmol)を収率58%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ1.10(t,J=7.2Hz,3H),1.98(s,3H),2.09−2.17(m,2H),2.77(dd,J=8.0,6.4Hz,1H),3.76(s,3H),3.92(s,3H),3.94(s,3H),3.98(s,3H),6.74(s,1H),6.86(d,J=8.4Hz,1H),6.88(s,1H),7.07(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.59(d,J=2.0Hz,1H)
アルゴン中、化合物(d)(20mg,0.050mmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(34mg,0.30mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3mL)を−78℃に冷却した。その溶液に対して、メチルリチウムのジエチルエーテル溶液(1.5M,0.20mL,0.30mmol)を滴下した後、反応溶液を室温に戻し12時間攪拌した。反応後、水をゆっくり加え、酢酸エチルで3回抽出した。その後、有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をロータリーエバポレータで留去し、分取薄層クロマトグフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=2:1)で精製することにより、トフィソパム(11.0mg,0.029mmol)を収率58%で得た。その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):δ1.10(t,J=7.2Hz,3H),1.98(s,3H),2.09−2.17(m,2H),2.77(dd,J=8.0,6.4Hz,1H),3.76(s,3H),3.92(s,3H),3.94(s,3H),3.98(s,3H),6.74(s,1H),6.86(d,J=8.4Hz,1H),6.88(s,1H),7.07(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.59(d,J=2.0Hz,1H)
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明によって、従来知られていた製造方法よりも、より簡便な操作によって、より速い反応速度及びより高い収率で安価にトフィソパムを製造することができる。
Claims (4)
- セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することによる、化合物(B)の製造方法。
R1は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R2は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R3は、置換されていてもよいアルキルを表す。) - 化合物(B)又はその塩。
R1は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R2は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R3は、置換されていてもよいアルキルを表す。) - 以下の工程を含む、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)の製造方法:
(工程1)セシウム塩基及び二酸化炭素の存在下、化合物(A)に光照射することで、化合物(B)を製造する工程;
(工程2)化合物(B)にヒドラジンを反応させることで、化合物(C)を製造する工程;
(工程3)化合物(C)にハロゲン化剤を作用させることで、化合物(D)を製造する工程;及び
(工程4)化合物(D)にメチルリチウムを反応させることで、2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)を製造する工程。
R1は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R2は、アルコキシを表し、複数存在する時はそれぞれ独立してアルコキシを表す。
R3は、置換されていてもよいアルキルを表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。) - 2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)がトフィソパムである、請求項3に記載の2,3−ベンゾジアゼピン誘導体(E)の製造方法。
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