JP2020022643A - 消火用放水ノズル - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、窓が小さい火災室内では、煙が外部に流れ出ることなく室内を滞留するおそれがある。室内が滞留する煙により視界ゼロとなる場合は、特許文献1の消火用放水ノズルの放水先の対象物が確認できないおそれがあった。
また、弁部の頭部外縁から前方に延設される筒状の遮蔽部材を備えるようにしたものである。
本発明の消火用放水ノズル10は、ノズル部12と、放水本体部14と、弁部16とを備えるものである。ノズル部12及び放水本体部14は、筒状に形成されている。放水本体部14の前部にノズル部12の後部が螺合されており、ノズル部12は回転可能な状態で放水本体部14に連結されている。放水本体部14の後部は、消火ホース18が連結できるようになっている。消火ホース18から供給される圧力水20は、ノズル部12と放水本体部14の内部空間22を通り、ノズル部12の開口部12aから放水される。
ノズル部12の内壁には、弁部16の頭部16aが当接するように形成される座部12bが設けられている。座部12bは、ノズル部12内壁から突出しテーパ状に形成されている。弁部16の頭部16aは、座部12bの前方に配置されており、ノズル部12を回転させ、弁部16の頭部16aが座部12bに当接すると、放水が停止するようになっている。
ノズル部12を回転させてノズル10の前方に移動させ、座部12bが弁部16の頭部16aに近づくと、圧力水20は直線状(又は棒状)に放水される。また、ノズル部12を逆に回転させてノズル10の後方に移動させることにより、圧力水20を拡散して放水できる(図1)。
内管26の頭部に、発光ダイオード(LED)などの発光体32を設ける。これにより、放水時に発光体32を点灯することにより、放水先の放水対象物を照らすことができ、放水対象物を視認することができる。
放水本体部14には、外部に通じる第一穴部14aが設けられている。また、第一穴部14aに、内管26の中空部26aの後端部を連通させている。これにより、第一穴部14aを通じて、内管26の中空部26aに、発光体32と外部の電源30を接続する配線34(導線)を備えることができる。
図1において、弁部16の後端部16bを、弁部16より大径の円盤状に形成している。弁部16の後端部16bの外縁は、放水本体部14の内壁に嵌め込み固定されている。また、弁部16の後端部16bの中に、内管26の中空部26aを形成し、中空部26aは放水本体部14の第一穴部14aに連通している(図1)。
消火用放水ノズル10により放水される放水ライン20は、弁部16の頭部16aに設けられた発光体32の点灯(光)により、放水ライン20自体が発光体のように点灯し、照明具のように放水先の対象物やその周囲を照らすことができる。
放水本体部14には、外部に通じる第二穴部14bが設けられている。また、第二穴部14bに、弁部16の中空部36を連通させている。弁部16の後端部16bの中に、弁部16の中空部36に連続する通路36aを形成し、通路36aを放水本体部14の第二穴部14bに連通させている。
給気手段38から弁部16の中空部36に給気し、弁部16の頭部16a(気体噴射口42)から高圧気体40を噴射する。これにより、水が存在しない放水ライン20の空間24中に入り込んだ煙を放水先方向に押し流し、空間24中から排除することができることから、空間24内にある放水先の対象物を視認することが可能になる。
なお、弁部16の円盤状の後端部16bには、弁部16の中空部26a及び中空部36を形成する部分以外の部分に、圧力水20が通過する通路16cを設けている(図1、図2)。
図3において、弁部16の頭部16aに、頭部16aの外縁から前方に延設される筒状の遮蔽部材44を備えている。これにより、弁部16の頭部16a付近の放水ライン20aに光52が当たらず、弁部16の頭部16a付近の放水ライン20aの照度を下げることができることから、空間24内にある放水先の対象物を消火用放水ノズル10を操作する者の視点46から視認することが可能になる(図3、図5)。放水ライン20の照度は発光体32に近い部分が最も明るく、本発明の消火用放水ノズル10を操作する者にとって、発光体32に近い部分は、放水ライン20の最も眩しいところである。また、消火用放水ノズル10を操作する者の視点46から放水先を覗く場合、発光体32に近い部分の放水ライン20aから覗くことから、放水ライン20aの部分の明るさは消火用放水ノズル10を操作する者の視認を妨げるおそれがあった。
なお、放水現場は、図6に表れるように、煙を充満させた暗室であり、視界ゼロの状態にある。
本実験例における視認では、放水先の対象物からの距離が1m、1.5m、2mの各放水位置から放水先の対象物を視認した。なお、放水場所の床面には、放水位置を示す「1m」と「2m」を表示した。また、放水先の対象物は暗室の壁に表示する「イ」の文字である。
給気手段38として、1MPaの空気を貯蔵する耐圧容器(空気ボンベ)を使用した。また、弁部16の頭部16aの発光体32には、レンズ48及びレンズカバー50を取り付けて、光52を照射した。
図7及び図8は、「1m」の放水位置から、本発明の消火用放水ノズル10を操作する者が視認したものを表わす図である。「1m」の放水位置からは、放水先の対象物「イ」の文字を確実に視認できた(図7)。図7において、対象物「イ」はほぼ中央の位置に表れている。また、操作する者の足元に表示されている「1m」の表示を視認できた(図8)。図8において、「1m」の表示は右下の位置に表れている。なお、「1m」の表示は、消火用放水ノズル10を操作する者の視点46から1mの距離にあるものである。
なお、「2m」の放水位置からは、放水先の対象物「イ」の文字を視認できなかった
以上のことから、本発明の消火用放水ノズル10により、放水位置から1.5mの放水先の対象物を視認できることが分かった。
なお、光の照度、給気の圧力を調整して放水することにより、放水位置から1.5mを超える放水先の対象物の視認も期待できる。
消火用放水ノズル10から、空気40(高圧気体)を噴射せず、圧力水20の放水と光52の照射のみを行って、対象物「イ」の視認を試みたが、いずれの放水位置においても視認できなかった(図10)。本比較例では、放水ライン20の水が存在しない空間24内に煙が充満していた。また、この時の視界はゼロであった。なお、本比較例では、確認できたのは、消火用放水ノズル10の先端付近の光52及び放水ライン20のみであった(図10)。
また、消火用放水ノズル10から、圧力水20を放水せず、空気40の噴射と光52の照射のみを行って、対象物「イ」の視認を試みたが、いずれの放水位置においても視認できなかった(図11)。本比較例では、空気40の噴射により煙が滞留し、その滞留する煙に光52が照射されるのみで、視界はゼロであった。
なお、拡散角度0度すなわち直線状に放水したときは、放水対象物は視認できなかった。
12 ノズル部
12a 開口部
14 放水本体部
14a 第一穴部
14b 第二穴部
16 弁部
16a 弁部の頭部
18 消火ホース
20 水
22 内部空間
26 内管
26a 中空部
28 外管
30 電源
32 発光体
36 中空部
38 給気手段
40 高圧気体
42 気体噴射口
44 遮蔽部材
Claims (2)
- 水を放水する筒状のノズル部と、ノズル部に連結する筒状の放水本体部と、ノズル部と放水本体部の内部空間に配置する内管と外管とからなる二重管状の弁部とを備え、放水本体部の前部にノズル部の後部を螺合し、ノズル部を回転させて放水形態を変化させ、放水本体部の後部に連結される消火ホースから供給される水をノズル部の開口部から拡散して放水し又は直線状に放水するものであって、弁部の頭部に、内管の中空部に連通する放水本体部の第一穴部を通じて外部の電源と接続する発光体と、内管と外管の間に形成される中空部に連通する放水本体部の第二穴部を通じて外部の給気手段から給気される高圧気体を噴射する気体噴射口とを備えることを特徴とする消火用放水ノズル。
- 弁部の頭部外縁から前方に延設される筒状の遮蔽部材を備えることを特徴とする請求項1記載の消火用放水ノズル。
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