JP2020021569A - 光透過性電極積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】視認性に優れ、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された光透過性電極積層体を提供する。【解決手段】光透過性支持体上に網目状金属銀細線パターンを有する光透過性電極を少なくとも有し、該光透過性電極上に粘着剤層と機能材料を少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該網目状金属銀細線パターンが20μm以下の線幅の銀細線を有し、該粘着剤層が銅塩および/または銅錯体を含有することを特徴とする光透過性電極積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、視認性に優れ、抵抗値変動が改善された光透過性電極積層体に関する。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルセンサーが広く用いられている。
タッチパネルセンサーには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等があり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルセンサーは、支持体上に光透過性導電層を有する光透過性電極を2枚利用し、これら光透過性電極をドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルセンサーの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーは、2層の光透過性導電層を有する光透過性電極を1枚、または1層の光透過性導電層を有する光透過性電極を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPC等で、とりわけ広く利用されている。
投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーにおいては、支持体上に光透過性導電層をパターニングすることで得られた複数のセンサーからなるセンサー部を配することで、多点同時検出や移動点の検出を可能にしている。このセンサー部が検出した静電容量の変化を電気信号として外部に取り出すため、光透過性電極が有する全てのセンサーと、外部に電気信号を取り出すために設けられる複数の端子からなる端子部との間には、これらを電気的に接続する複数の周辺配線からなる周辺配線部が設けられる。通常、前述した光透過性導電層はディスプレイ上に位置し、周辺配線部や端子部はディスプレイの外、いわゆる額縁部に位置する。従来技術においては、光透過性導電層はITO(インジウム−錫酸化物)導電膜により形成されるのが一般的であり、周辺配線部や端子部は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属により形成されるのが一般的であった。例えば特開2015−32183号公報(特許文献1)には、光透過性導電層の材料としてITOやIZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明導電体を使用し、取出配線(周辺配線部)の材料として銅等の金属を使用したタッチパネルセンサー部材が開示されている。
一方、近年では光透過性導電層として網目状金属銀細線パターンを用いた光透過性電極も開示されている。例えば特開2015−133239号公報(特許文献2)には、網目状金属銀細線パターンと周辺配線部を、銀微粒子を含有するインクを印刷して形成する方法や、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料を印刷した後に無電解めっきを施す方法、金属層上にフォトレジスト層を設け、レジストパターンを形成した後、金属層をエッチング除去するサブトラクティブ法、銀塩感光材料を用いる方法等、様々な方法により形成できることが記載されている。また、該光透過性電極の網目状金属銀細線パターンを有する側の面に、粘着剤層と、該粘着剤層上に機能材料とを有する光透過性電極積層体も知られており、例えば特開2014−198811号公報(特許文献3)にはタッチパネルセンサー上に粘着シートからなる粘着剤層と、該粘着剤層上に保護基板を有するタッチパネル用積層体が開示されている。該粘着剤層は一般的に、表示装置やタッチパネルセンサー等の各部材間を密着させるために利用されている。
上記したような光透過性電極積層体は様々な場所で用いられ、例えば太陽光が照射される場所でも使用される。ところが、網目状金属銀細線パターン上に粘着剤層を設け光透過性電極積層体とした場合、太陽光が照射されると該網目状金属銀細線パターンの抵抗値が変動するという問題があった。近年は網目状金属銀細線パターンの視認性(パターンが見えにくい、いわゆる難視認性。以下、単に視認性と記載する。)の改善を目的として、網目状金属銀細線パターンを構成する金属銀細線の一層の細線化が進められている。そして金属銀細線を細線化すると、太陽光の照射による網目状金属銀細線パターンの抵抗値変動はとりわけ顕著になることから、改善が求められていた。
太陽光の照射に伴う網目状金属銀細線パターンの抵抗値変動を改善する方法として、特開2015−58662号公報(特許文献4)には、網目状金属銀細線パターンの下引き層がアミノ基を有する化合物を含有し、粘着剤層がカチオン重合型光硬化性樹脂を含有する光透過性導電材料積層体が開示され、特開2015−106500号公報(特許文献5)には網目状金属銀細線パターンの下引き層がアミノ基を有する化合物を含有し、粘着剤層がアシルホスフィン系化合物やトリハロアルキル化合物を用いて重合された樹脂を含有する光透過性導電材料積層体が開示されている。また特開2016−210916号公報(特許文献6)には紫外線吸収能または光安定性能を有する分子骨格を有するアクリルモノマー等を重合させて得られるアクリル系粘着剤を含有するタッチパネル用層間充填材料を、銀を用いたメタルメッシュ(網目状金属銀細線パターン)上に貼合することが開示され、国際公開第2015/143383号パンフレット(特許文献7)には、銀メッシュ(網目状金属銀細線パターン)と、遷移金属塩または遷移金属錯体を含有する光安定化剤を含有する光学積層体が開示される。しかしながら、太陽光の照射に伴う網目状金属銀細線パターンの抵抗値変動に関しては、さらなる改善が望まれていた。
他方、特開2013−129701号公報(特許文献8)には、テトラアザポルフィリン系色素と、該色素の耐光性を改善する光安定剤として、銅錯体を含有する光学フィルター用の粘着剤組成物が開示され、銀や銀合金を含有する電磁波遮蔽膜や、銅メッシュが形成された電磁波遮蔽フィルム等の機能フィルム上に、該粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けることが記載される、
特開2015−32183号公報 特開2015−133239号公報 特開2014−198811号公報 特開2015−58662号公報 特開2015−106500号公報 特開2016−210916号公報 国際公開第2015/143383号パンフレット 特開2013−129701号公報
本発明の課題は、視認性に優れ、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された光透過性電極積層体を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
光透過性支持体上に網目状金属銀細線パターンを有する光透過性電極を少なくとも有し、該光透過性電極上に粘着剤層と機能材料を少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該網目状金属銀細線パターンが20μm以下の線幅の銀細線を有し、該粘着剤層が銅塩および/または銅錯体を含有することを特徴とする光透過性電極積層体。
本発明により、視認性に優れ、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された光透過性電極積層体を提供することができる。
実施例で用いたポジ型透過原稿の概略図
以下、本発明について説明する。本発明の光透過性電極積層体は、光透過性支持体上に網目状金属銀細線パターンを有する光透過性電極を少なくとも有し、該光透過性電極上に粘着剤層と機能材料を少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該網目状金属銀細線パターンが20μm以下の線幅の銀細線を有し、該粘着剤層が銅塩および/または銅錯体を含有することを特徴とする。
<銅塩および銅錯体>
本発明における銅塩は特に限定されず、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、塩化銅(II)、リン酸銅(II)等の無機酸銅塩、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、プロピオン酸銅(II)、オレイン酸銅(II)、ステアリン酸銅(II)等の有機酸銅塩が例示でき、いずれも好ましく用いることができる。
本発明における銅錯体は特に限定されず、公知のキレート剤と銅(II)イオンによる錯体が例示できる。キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸等のアミノカルボン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等の縮合リン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のヒドロキシ酸、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、トリアミノトリエチルアミン等のポリアミン、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン等の1,3−ジケトン、フタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、クラウンエーテル等の環状化合物、等が挙げられる。上記したキレート剤は塩として用いてもよい。
上記した銅塩および銅錯体はそれぞれ2種類以上を併用してもよく、銅塩および銅錯体を併用してもよい。上記した銅塩、銅錯体の中でも、粘着剤との相溶性が優れることから、有機酸銅塩、銅錯体を用いることが好ましく、太陽光の照射に伴う網目状金属銀細線パターンの抵抗値変動を効果的に抑制できることから、有機酸銅塩を用いることが特に好ましい。
粘着剤層中における銅塩および/または銅錯体の含有量は特に限定されないが、下限は0.02質量%以上であることが太陽光の照射に伴う網目状金属銀細線パターンの抵抗値変動を抑制する効果が優れることから好ましく、より好ましくは0.07質量%以上であり、特に好ましくは0.15質量%以上である。上限は特に限定されないが、3質量%以下であることが粘着剤層の光学特性が優れる(ヘイズが低い、全光線透過率が高い、着色が無い、等)ことから好ましい。
<粘着剤層>
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、上記銅塩および/または銅錯体以外に樹脂を好ましく含有する。該樹脂は特に限定されず、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等の公知の樹脂を例示できる。上記樹脂は、樹脂前駆体を重合開始剤により重合させることで得られる。
樹脂前駆体は特に限定されず、各種樹脂のモノマーやオリゴマーを用いることができる。中でもアクリル系モノマーは、重合により得られる樹脂が透明性に優れ、またモノマーの重合を制御して樹脂に粘着性を付与することも容易であることから、特に好ましい。従って本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層が含有する好ましい樹脂はアクリル系樹脂である。樹脂前駆体として単一のアクリル系モノマーを用いてもよく、2種類以上のアクリル系モノマーを用いてもよく、アクリル系モノマーとアクリル系モノマー以外のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。アクリル系モノマーとしては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとが例示できる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」または「メタクリル」を表し、他も同様である。
上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の炭素数が1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−エトキシブチル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記アクリル系モノマーの中でも、アクリル系モノマーとして(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを用いることが、上記銅塩および/または銅錯体と、アクリル系樹脂との相溶性の観点から好ましく、具体的には重合に供する樹脂前駆体の全量100質量部のうち、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの質量は、30〜90質量部が好ましく、より好ましくは35〜90質量部であり、特に好ましくは40〜85質量部である。
上記したアクリル系モノマー以外のモノマーとしては、極性基含有モノマー、多官能性モノマー等が例示できる。
上記極性基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシ基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸等)、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコール等のヒドロキシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー、ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等のリン酸基含有モノマー、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。上記極性基含有モノマーは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記多官能性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸テトラメチロールメタン、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル等が挙げられる。上記多官能性モノマーは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記アクリル系モノマー以外のモノマーの中でも、極性基含有モノマーを用いることが太陽光の照射に伴う網目状金属銀細線パターンの抵抗値変動を効果的に抑制できることから好ましく、ヒドロキシ基含有モノマーを用いることが特に好ましい。
上記モノマー以外にも、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の、公知の共重合性モノマーを用いることができる。
前述した樹脂前駆体として用いられるオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、イソプレンアクリレート、ブタジエンアクリレート等のアクリル系オリゴマーが例示できる。本発明におけるアクリル系オリゴマーとは、アクリル基を少なくとも1つ以上有するオリゴマーを意味する。
上記アクリル系オリゴマーは市販されており、いずれも好ましく用いることができる。ウレタンアクリレートとしては東亞合成(株)製アロニックス(登録商標)M−1100、アロニックスM−1200、新中村化学工業(株)製UA−1100H、UA−160TM、ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL(登録商標)210、EBECRYL230、EBECRYL270、荒川化学工業(株)製ビームセット(登録商標)505A−6、ビームセット550B、ビームセット575等が例示できる。エポキシアクリレートとしてはDIC(株)製ユニディック(登録商標)V−5500、ユニディックV−5502、共栄社化学(株)製エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3000MK等が例示できる。ポリエステルアクリレートとしては東亞合成(株)製アロニックスM−7100、アロニックスM−8100、ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL436、EBECRYL450、EBECRYL810等が例示できる。イソプレンアクリレートとしては、(株)クラレ製UC−102、UC−203等が例示できる。ブタジエンアクリレートとしては、日本曹達(株)製NISSO(登録商標)−PB TE−2000等が例示できる。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤は特に限定されず、公知の重合開始剤が例示できる。ここで重合開始剤とは、熱や電離放射線により、上記樹脂前駆体の重合反応を開始させる化合物を意味する。熱により重合反応を開始させる重合開始剤としては、メチルエチルケトンペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド、tert−ブチルベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物が例示でき、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン化合物、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン化合物等が例示できる。なお、電離放射線とは、樹脂前駆体の重合反応を開始させうるエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、紫外線、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が例示でき、中でも紫外線を用いることが生産性の観点から好ましい。
上記重合開始剤は市販されており、いずれも好ましく用いることができる。具体的にはBASFジャパン(株)製IRGACURE(登録商標)127、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE500、IRGACURE651、IRGACURE754、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE1173等、大塚化学(株)製AIBN、ADVN、AMBN等が例示できる。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤の量は特に限定されないが、重合に供する樹脂前駆体の全量100質量部に対し、重合開始剤は0.05〜5質量部であることが重合速度の観点から好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。
樹脂前駆体の重合方法としては、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、電離放射線照射重合方法等の公知の重合方法が例示でき、熱により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合は溶液重合方法を、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合は電離放射線照射重合方法を、といったように使用する重合開始剤の特性に合わせて選択すればよい。
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、上記した樹脂、銅塩および/または銅錯体以外に、架橋剤(例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等)、シランカップリング剤(例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するシランカップリング剤等)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物等)、紫外線吸収剤(トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物等)、光安定剤(ヒンダードアミン化合物等)、充填剤、着色剤(顔料や染料等)、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の樹脂用添加剤を含有していてもよい。上記樹脂用添加剤の中でも、架橋剤を含有することが粘着剤層の粘着性の観点から好ましく、イソシアネート系架橋剤を含有することが特に好ましい。
イソシアネート系架橋剤は特に限定されず、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類等の公知のイソシアネート系架橋剤が例示できる。また、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(東ソー(株)製、商品名「コロネート(登録商標)L」)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(東ソー(株)製、商品名「コロネートHL」)等も好ましく用いることができる。
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、2層以上の組成の異なる粘着剤層からなっていてもよい。例えば、光透過性電極の網目状金属銀細線パターンを有する側の面に、上記銅塩および/または銅錯体を含有する粘着剤層Aを設け、該粘着剤層A上に銅塩および/または銅錯体を含有しない粘着剤層Bを設けて、1つの粘着剤層としてもよい。
粘着剤層の厚みは特に限定されないが、薄すぎると網目状金属銀細線パターンを有する側の光透過性電極表面の凹凸へ追従しきれず、光透過性電極積層体中に泡が入る場合があり、また厚すぎると光透過性電極積層体の透明性が損なわれる場合がある。よって粘着剤層の厚みは5〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜250μmである。また、光透過性電極積層体の透明性の観点から、粘着剤層の全光線透過率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは95%以上である。同様の観点から、粘着剤層のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。
本発明において粘着剤層は、光透過性電極の網目状金属銀細線パターンを有する面や、後述する機能材料の一方の面に直接形成してもよく、剥離加工済み支持体上に粘着剤層を形成し、該粘着剤層を剥離加工済み支持体より剥離し、光透過性電極の網目状金属銀細線パターンを有する面や後述する機能材料の一方の面に貼合してもよい。
剥離加工済み支持体の支持体は特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、各種金属、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。剥離加工方法としては、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の公知の剥離処理剤で支持体表面を処理する方法が例示できる。
<支持体>
本発明の光透過性電極積層体が有する支持体は特に限定されないが、光透過性電極積層体をタッチパネルセンサー等の光透過性が必要な用途に利用する場合、光透過性電極積層体には透明性が求められるため、支持体は光透過性を有することが特に好ましい。光透過性を有する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。光透過性電極積層体の光透過性の観点から、支持体の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、特に好ましくは70%以上であり、同様の観点から支持体のヘイズは0〜3%であることが好ましく、特に好ましくは0〜2%である。支持体の厚さは10〜300μmであることが取り扱い性や光透過性の観点から好ましい。支持体はその表面の少なくとも一方の面に、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、帯電防止層等の公知の層を有していてもよく、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等の公知の表面改質処理が施されていてもよい。
<網目状金属銀細線パターン>
本発明において網目状金属銀細線パターンを構成する金属銀細線の金属組成は、全金属量に対する銀の質量比が50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、90質量%以上が特に好ましい。また、金属銀細線を構成するバインダー成分の質量比は20質量%未満であることが好ましく、より好ましくは10質量%未満である。上記のような金属銀細線は高い導電性が得られる反面、太陽光の照射に伴う抵抗値変動がとりわけ大きいことから、このような場合において、本発明はとりわけ有効に作用する。
支持体上に網目状金属銀細線パターンを形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、銀およびバインダーを含有する導電性インキや導電性ペーストを、支持体上に印刷等の方法で付与し網目状金属銀細線パターンを形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用い、硬化現像方式を用いて網目状金属銀細線パターンを形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用い、直接現像方式を用いて網目状金属銀細線パターンを形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて網目状金属銀細線パターンを形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層した感光性レジスト材料を光透過性電極前駆体として用い、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解銀めっきを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に銀を局在化させ、その後レジスト画像を除去し網目状金属銀細線パターンを形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、支持体上に銀膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の銀膜をエッチングして除去して網目状金属銀細線パターンを形成する方法等が例示できる。
上記した方法の中でも、銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用いる方法が、網目状金属銀細線パターンを容易に形成できることから好ましく、金属銀細線の微細化が容易であることから銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用いた銀塩拡散転写法を用いる方法が特に好ましい。
網目状金属銀細線パターンを構成する金属銀細線の表面に対し、公知の金属表面処理を施してもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよく、特開2011−209626号公報に記載されているように硫化反応による黒化処理を施してもよい。また、銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用いて網目状金属銀細線パターンを形成する場合、網目状金属銀細線パターンと粘着剤層との接着性を改善する観点から、特開2007−12404号公報に記載されているように網目状金属銀細線パターンをタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理し、残存するゼラチン等を低減してもよい。
本発明の光透過性電極積層体をタッチパネルセンサーに利用する場合、網目状金属銀細線パターンは、互いに電気的に絶縁された複数のセンサーを有するセンサー部として有することが好ましい。網目状金属銀細線パターンは、複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有することがセンサーの感度、視認性(パターンの難視認性、以下、単に視認性と記載する。)に優れることから好ましい。単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。またボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズタイル図形等に代表される不規則幾何学形状も好ましい網目状金属銀細線パターンの形状の一つである。
網目状金属銀細線パターンを構成する金属銀細線の線幅は20μm以下であることが優れた視認性を確保するためには必要であり、好ましくは12.5μm以下であり、特に好ましくは7.5μm以下である。金属銀細線の線幅が20μmを超える場合、視認性が不良となる。線幅が20μm以下の金属銀細線は視認性に優れる反面、太陽光の照射に伴う抵抗値変動がとりわけ大きくなることから、このような場合において、本発明は特に有効に作用する。金属銀細線の線幅の下限は特に限定されないが、1μm以上であることが金属銀細線の導電性が優れることから好ましい。金属銀細線の線幅は同一であってもよく、異なっていてもよい。
単位格子の繰り返し間隔は50〜600μmであることがセンサーの感度、視認性に優れることから好ましく、さらに好ましくは50〜400μmである。網目状金属銀細線パターンの開口率は85%以上であることが光透過性に優れるため好ましく、88〜99%がより好ましい。
網目状金属銀細線パターンを構成する金属銀細線の厚みは特に限定されないが、厚すぎると金属銀細線の視認性が悪化する場合があり、薄すぎると金属銀細線の導電性が不足する場合がある。よって、金属銀細線の厚みは0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.07〜3μmであり、特に好ましくは0.1〜1μmである。
本発明の光透過性電極積層体をタッチパネルセンサーに利用する場合、外部のコントローラー基板をフレキシブル配線板等を介して電気的に接続するための複数の端子を有する端子部や、複数のセンサーと端子とを電気的に接続するための複数の周辺配線を有する周辺配線部を有することが好ましい。端子部を構成する端子の幅や、周辺配線部を構成する周辺配線の線幅は特に限定されないが、導電性に優れることから10〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは15〜750μmであり、特に好ましくは20〜500μmである。
<機能材料>
本発明の光透過性電極積層体が有する機能材料としては、前述した光透過性電極や、ガラスや樹脂フィルムからなる保護板、および上記ガラスや樹脂フィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、ITO等からなる導電性非金属層、遮光層、加飾層等の公知の機能層を有する材料が例示できる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<銀塩感光材料の作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。該支持体の全光線透過率およびヘイズをスガ試験機(株)製ヘーズメーターHZ−V3で測定したところ、全光線透過率は91.8%、ヘイズは0.6%であった。
次に下記組成の物理現像核層塗液を支持体上に塗布、乾燥して、硫化パラジウムを物理現像核として含有する物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液/1mあたり>
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.5mg
2質量%グリオキサール水溶液 0.2mL
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコール(登録商標)EX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%エポミン(登録商標)SP−200水溶液 0.5g
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;数平均分子量10000)
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核層の上に塗布、乾燥して、銀塩感光材料を得た。ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀乳剤は、コントロールドダブルジェット法で製造した。このハロゲン化銀乳剤が含有するハロゲン化銀粒子は、塩化銀95mol%と臭化銀5mol%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀粒子を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は、銀1gあたり0.5gのゼラチンを保護コロイド(バインダー)として含有する。
<中間層組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1mあたり>
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
<光透過性電極1の作製>
上記した銀塩感光材料と、図1で示したポジ型透過原稿とを密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。該ポジ型透過原稿は網目状パターン11と塗りつぶしパターン12、12’から構成される試験パターン13(13a〜13eの5本)を有する。試験パターン13を構成する塗りつぶしパターン12と12’は、線幅5.0μm、一辺の長さが300μmで狭い方の角度が60°の菱形の単位格子による網目状パターン11を介して接続されている。なお図中、破線は後述する機能材料の貼合領域20を表し、ポジ型透過原稿に破線は存在しない。その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。このようにして網目状金属銀細線パターンを有する光透過性電極1を得た。デジタルマイクロスコープによる観察の結果、得られた光透過性電極1が有するパターンの形状、線幅等はポジ型透過原稿と同様であり、網目状金属銀細線パターンの線幅は5.0μmであった。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mLに、pH=12.2に調整した。
<光透過性電極2の作製>
ポジ型透過原稿が有する網目状パターン11の線幅を10μmとした以外は光透過性電極1と同様にして、光透過性電極2を得た。デジタルマイクロスコープによる観察の結果、得られた光透過性電極2が有するパターンの形状、線幅等はポジ型透過原稿と同様であり、網目状金属銀細線パターンの線幅は10μmであった。
<光透過性電極3の作製>
ポジ型透過原稿が有する網目状パターン11の線幅を15μmとした以外は光透過性電極1と同様にして、光透過性電極3を得た。デジタルマイクロスコープによる観察の結果、得られた光透過性電極3が有するパターンの形状、線幅等はポジ型透過原稿と同様であり、網目状金属銀細線パターンの線幅は15μmであった。
<光透過性電極4の作製>
ポジ型透過原稿が有する網目状パターン11の線幅を25μmとした以外は光透過性電極1と同様にして、光透過性電極4を得た。デジタルマイクロスコープによる観察の結果、得られた光透過性電極4が有するパターンの形状、線幅等はポジ型透過原稿と同様であり、網目状金属銀細線パターンの線幅は25μmであった。
<粘着剤層1の作製>
アクリル酸−2−メトキシエチルを53質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシルを42質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを5質量部、重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製IRGACURE1173)を0.2質量部、4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に重合させた部分重合物を得た。
この部分重合物100質量部(固形分換算)に、イソシアネート系架橋剤(東ソー(株)製、コロネートL)を0.1質量部(固形分換算)添加・混合し粘着剤層形成用塗液1とした。厚み75μmのシリコーン系剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離加工面上に粘着剤層形成用塗液1を塗布し、別の厚み75μmのシリコーン系剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離加工面で塗布物を挟んだ。次に、ブラックライトを用いて、強度5mW/cmの紫外線をポリエチレンテレフタレートフィルム上から照射した。光量で4000mJ/cm照射されるまで継続し、塗布物を重合・硬化させ、粘着剤層1を作製した。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層1の厚みは100μmであった。
<粘着剤層2の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、ステアリン酸銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.30質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層2を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層2の厚みは100μmであった。
<粘着剤層3の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、塩化銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.30質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層3を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層3の厚みは100μmであった。
<粘着剤層4の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、アセチルアセトン銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.30質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層4を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層4の厚みは100μmであった。
<粘着剤層5の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、オレイン酸銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.30質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層5を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層5の厚みは100μmであった。
<粘着剤層6の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、ステアリン酸銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.20質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層6を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層6の厚みは100μmであった。
<粘着剤層7の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、ステアリン酸銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.10質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層7を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層7の厚みは100μmであった。
<粘着剤層8の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、ステアリン酸銅(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.04質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層8を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層8の厚みは100μmであった。
<粘着剤層9の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、アセチルアセトンコバルト(II)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.30質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層9を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層9の厚みは100μmであった。
<粘着剤層10の作製>
粘着剤層形成用塗液1に対し、アセチルアセトンマンガン(III)を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.30質量%になるように混合、溶解した以外は粘着剤層1と同様にして、粘着剤層10を得た。マイクロメーターで測定した結果、粘着剤層10の厚みは100μmであった。
<光透過性電極積層体1〜16の作製>
光透過性電極1〜4の機能材料の貼合領域20に、粘着剤層1〜10を表1に示した組み合わせで貼合し、さらに機能材料としてEAGLE XG(登録商標)(コーニングジャパン(株)製無アルカリガラス)を粘着剤層上に貼合して光透過性電極積層体1〜16を作製した。
<抵抗値変動率評価>
光透過性電極積層体1〜16の試験パターン13a〜13eの5本それぞれについて、塗りつぶしパターン12と12’の間の抵抗値を測定し、試験パターン13a〜13eの初期抵抗値Ra〜Re(単位:kΩ)をそれぞれ得た。次に、光透過性電極積層体に対して、スガ試験機(株)製キセノンウェザーメーターNX25を用いてキセノンランプ光(太陽光と類似した分光分布を有する光)を1000時間照射した。条件はJIS K7350−2に従い、放射照度60W/m(波長300nm〜400nm)、槽内温度38℃、槽内湿度50%RH、ブラックパネル温度63℃とした。照射終了後、試験パターン13a〜13eの5本それぞれについて抵抗値を再測定し、抵抗値R’a〜R’e(単位:kΩ)を得た。そして以下の式に従い、個々の試験パターン(試験パターン13a〜13e)のそれぞれについて、キセノンランプ光照射前後での抵抗値変動率(単位:%)を算出し、さらに試験パターン13a〜13eの抵抗値変動率を平均して光透過性電極積層体1〜16の平均抵抗値変動率(単位:%)とした。この結果を表1に示す。
試験パターン13xの抵抗値変動率(単位:%)={(R’x−Rx)/Rx}×100
式中xはa〜eを表す。
<網目状金属銀細線パターンの視認性評価>
無光沢な黒色樹脂板を用意し、光透過性電極積層体1〜16それぞれを、機能材料を上になるように無光沢な黒色樹脂板上に設置し、約500ルクスの白色蛍光灯照明で照らした。この条件で光透過性電極積層体1〜16を30cmの距離から目視で観察し、試験パターン13a〜13eが有する網目状金属銀細線パターンの視認性を評価した。以下の基準で評価した結果を表1に示す。
網目状金属銀細線パターンの視認性評価基準
「5」:観察者10名全員が網目状金属銀細線パターンを視認できなかった場合
「4」:観察者10名中、1〜2名が網目状金属銀細線パターンを視認した場合
「3」:観察者10名中、3〜4名が網目状金属銀細線パターンを視認した場合
「2」:観察者10名中、5〜6名が網目状金属銀細線パターンを視認した場合
「1」:観察者10名中、7名以上が網目状金属銀細線パターンを視認した場合
表1の結果から本発明の有効性が判る。
11 網目状パターン
12、12’ 塗りつぶしパターン
13a〜13e 試験パターン
20 機能材料の貼合領域

Claims (1)

  1. 光透過性支持体上に網目状金属銀細線パターンを有する光透過性電極を少なくとも有し、該光透過性電極上に粘着剤層と機能材料を少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該網目状金属銀細線パターンが20μm以下の線幅の銀細線を有し、該粘着剤層が銅塩および/または銅錯体を含有することを特徴とする光透過性電極積層体。
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