JP2017215914A - 光透過性電極積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩化物イオンによる抵抗値変化が抑制され、信頼性に優れた光透過性電極積層体を提供する。【解決手段】支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性電極の網目状金属細線パターンを有する側の面に、粘着剤層と、機能材料とを少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該粘着剤層が一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。【化1】【選択図】なし
Description
本発明は、塩化物イオンによる抵抗値変化が抑制され、信頼性に優れた光透過性電極積層体に関するものである。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルセンサーが広く用いられている。
タッチパネルセンサーには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等があり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルセンサーは、支持体上に光透過性導電層を有する光透過性電極を2枚利用し、これら光透過性電極をドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルセンサーの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、各光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーは、2層の光透過性導電層を有する光透過性電極を1枚、または1層の光透過性導電層を有する光透過性電極を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPC等で、とりわけ広く利用されている。
投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーにおいては、支持体上に光透過性導電層をパターニングすることで得られた複数のセンサーからなるセンサー部を配することで、多点同時検出や移動点の検出を可能にしている。このセンサー部が検出した静電容量の変化を電気信号として外部に取り出すため、光透過性電極が有する全てのセンサーと、外部に電気信号を取り出すために設けられる複数の端子からなる端子部との間には、これらを電気的に接続する複数の周辺配線からなる周辺配線部が設けられる。通常、前述した光透過性導電層はディスプレイ上に位置し、周辺配線部や端子部はディスプレイの外、いわゆる額縁部に位置する。従来技術においては、光透過性導電層はITO(インジウム−錫酸化物)導電膜により形成されるのが一般的であり、周辺配線部や端子部は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属により形成されるのが一般的であった。例えば特開2015−32183号公報(特許文献1)には、光透過性導電層の材料としてITOやIZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明導電体を使用し、取出配線(周辺配線部)の材料として銅等の金属を使用したタッチパネルセンサー部材が開示されている。
一方、近年では光透過性導電層として網目状金属細線パターンを有する光透過性電極も開示されている。例えば特開2015−133239号公報(特許文献2)には、網目状金属細線パターンと周辺配線部を、銀微粒子を含有するインクを印刷して形成する方法や、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料を印刷した後に無電解めっきを施す方法、金属層上にフォトレジスト層を設け、レジストパターンを形成した後、金属層をエッチング除去するサブトラクティブ法、銀塩感光材料を用いる方法等、様々な方法により形成できることが記載されている。また、該光透過性電極の網目状金属細線パターンを有する側の面に、粘着剤層と、該粘着剤層上に機能材料とを有する光透過性電極積層体も知られており、例えば特開2014−198811号公報(特許文献3)にはタッチパネルセンサー上に粘着シートからなる粘着剤層と、該粘着剤層上に保護基板を有するタッチパネル用積層体が開示されている。該粘着剤層は一般的に、表示装置やタッチパネルセンサー等の各部材間を密着させるために利用されるものである。
上記した網目状金属細線パターンは、例えば人間の汗に含まれる塩化物イオンにより金属が金属塩化物へ変化し、網目状金属細線パターンの抵抗値が変動する場合があった。網目状金属細線パターンの抵抗値が変動すると、タッチパネルセンサーの検出感度の低下や誤認識が発生する等して、タッチパネルセンサーの信頼性は著しく低下する。上記した塩化物イオンは、前記した粘着剤層側面部より浸透し、網目状金属細線パターンに影響を与えるものと考えられるが、近年は意匠性の観点からタッチパネルの狭額縁化が進められ、網目状金属細線パターンと粘着剤層の側面部が接近することから、塩化物イオンが網目状金属細線パターンにとりわけ作用しやすくなっており、改善が求められていた。
特開2014−29671号公報(特許文献4)では、銀を含有する第1電極パターンと、粘着性絶縁層と、第2電極パターンとをこの順で備えるタッチパネル用導電性フィルムが開示され、該粘着性絶縁層に特定の酸価を有する粘着性絶縁材料と共にトリアゾール化合物やテトラゾール化合物、およびベンゾトリアゾール化合物等の金属腐食防止剤を用いることで、タッチパネルの動作不良の発生が抑制されることが記載される。また、特開2015−22397号公報(特許文献5)では、無置換のベンゾトリアゾールや、各種置換基を有するベンゾトリアゾール化合物により金属のマイグレーションを抑制し、抵抗値の変化を抑制できることが記載され、特開2014−75115号公報(特許文献6)には、銀を含む金属配線間のイオンマイグレーションを抑制し、金属配線間の絶縁信頼性を向上させることを目的として、絶縁基板上の銀を含む金属配線上に、特定の構造を有するフェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、およびヒドラジン化合物から選択される化合物と、絶縁樹脂を含有する樹脂層を設けることが記載される。しかし、上記した塩化物イオンによる抵抗値の変動を抑制するには、いずれも十分な方法ではなかった。
本発明の課題は、塩化物イオンによる抵抗値変化が抑制され、信頼性に優れた光透過性電極積層体を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性電極の網目状金属細線パターンを有する側の面に、粘着剤層と、機能材料とを少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該粘着剤層が下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする光透過性電極積層体。
(1)支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性電極の網目状金属細線パターンを有する側の面に、粘着剤層と、機能材料とを少なくともこの順に有する光透過性電極積層体であって、該粘着剤層が下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする光透過性電極積層体。
一般式(1)において、R1は脂肪族基、芳香族基、複素環基を表す。R2、R3は脂肪族基を表す。X−は、O−またはS−を表す。
本発明により、塩化物イオンによる抵抗値変化が抑制され、信頼性に優れた光透過性電極積層体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、前記一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有する。前記一般式(1)において、R1は脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基などのアルキル基、アリル基、ブテニル基などのアルケニル基、プロパルギル基などのアルキニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などのアラルキル基など、なお可能であるならば、以上の脂肪族基は分枝構造であってもよい)、芳香族基(例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基など)、複素環基(例えば、インドリル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基など)を表す。R2、R3は脂肪族基(R1の脂肪族基に同義)を表す。また以上述べたR1、R2、R3は、可能であるならば、置換または無置換のアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子などの種々の公知の置換基により置換されていてもよい。X−は、O−またはS−を表す。
上述したR1、R2、R3のうち好ましいものは、R1、R2、R3に存在する置換基を含めた総炭素数が5以上のものであり、またR1が置換基を含めた総炭素数4以上の脂肪族基または芳香族基であり、R2、R3がいずれもメチル基であるものがより好ましい。そしてX−は、S−が好ましい。
以下に本発明の一般式(1)で表される化合物の具体例を記載するが、むろん本発明はこれらに限定されるものではない。
以上の化合物は、公知の合成法(例えば、特開2009−138258号公報など)に記載の方法にて、容易に合成できる。
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、前記一般式(1)で表される化合物を該粘着剤層の全質量に対して0.005〜0.5質量%含有することが好ましい。これにより、塩化物イオンによる抵抗値変化がより効果的に抑制され、信頼性にとりわけ優れた光透過性電極積層体が得られる。
次に、本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層について説明する。該粘着剤層は上記一般式(1)で表される化合物以外に、樹脂を好ましく含有する。該樹脂は特に限定されず、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂等の公知の樹脂を例示できる。上記樹脂は、樹脂前駆体を重合開始剤により重合させることで得られる。
樹脂前駆体は特に限定されず、各種樹脂のモノマーやオリゴマーを用いることができる。中でもアクリル系モノマーは、重合により得られる樹脂が透明性に優れ、またモノマーの重合を制御して樹脂に粘着性を付与することも容易であることから、特に好ましい。従って本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層が含有する好ましい樹脂はアクリル系樹脂である。樹脂前駆体として単一のアクリル系モノマーを用いてもよく、2種類以上のアクリル系モノマーを用いてもよく、アクリル系モノマーとアクリル系モノマー以外のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。アクリル系モノマーとしては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとが例示できる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を表し、他も同様である。
上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の炭素数が1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−エトキシブチル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記アクリル系モノマーの中でも、アクリル系モノマーとして(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを用いることが、一般式(1)で表される化合物と、アクリル系樹脂との相溶性の観点から好ましく、具体的には重合に供する樹脂前駆体の全量100質量部のうち、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの質量は、30〜90質量部が好ましく、より好ましくは35〜90質量部であり、特に好ましくは40〜85質量部である。
上記したアクリル系モノマー以外のモノマーとしては、極性基含有モノマー、多官能性モノマー等が例示できる。
上記極性基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシ基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸等)、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコール等のヒドロキシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー、ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等のリン酸基含有モノマー、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。上記極性基含有モノマーは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記多官能性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸テトラメチロールメタン、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル等が挙げられる。上記多官能性モノマーは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記アクリル系モノマー以外のモノマーの中でも、極性基含有モノマーを用いることが塩化物イオンによる抵抗値変化を効果的に抑制する観点から好ましい。
上記モノマー以外にも、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の、公知の共重合性モノマーを用いることができる。
前述した樹脂前駆体として用いられるオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、イソプレンアクリレート、ブタジエンアクリレート等のアクリル系オリゴマーが例示できる。本発明におけるアクリル系オリゴマーとは、アクリル基を少なくとも1つ以上有するオリゴマーを意味する。
上記アクリル系オリゴマーは市販されており、いずれも好ましく用いることができる。ウレタンアクリレートとしては東亞合成(株)製アロニックスM−1100、アロニックスM−1200、新中村化学工業(株)製UA−1100H、UA−160TM、ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL210、EBECRYL230、EBECRYL270、荒川化学工業(株)製ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575等が例示できる。エポキシアクリレートとしてはDIC(株)製ユニディックV−5500、ユニディックV−5502、共栄社化学(株)エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3000MK等が例示できる。ポリエステルアクリレートとしては東亞合成(株)製アロニックスM−7100、アロニックスM−8100、ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL436、EBECRYL450、EBECRYL810等が例示できる。イソプレンアクリレートとしては、(株)クラレ製UC−102、UC−203等が例示できる。ブタジエンアクリレートとしては、日本曹達(株)製NISSO−PB TE−2000等が例示できる。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤は特に限定されず、公知の重合開始剤が例示できる。ここで重合開始剤とは、熱や電離放射線により、上記樹脂前駆体の重合反応を開始させる化合物を意味する。熱により重合反応を開始させる重合開始剤としては、メチルエチルケトンペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド、tert−ブチルベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物が例示でき、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン化合物、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン化合物等が例示できる。なお、電離放射線とは、樹脂前駆体の重合反応を開始させうるエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、紫外線、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が例示でき、中でも紫外線を用いることが生産性の観点から好ましい。
上記重合開始剤は市販されており、いずれも好ましく用いることができる。具体的にはBASFジャパン(株)製IRGACURE127、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE500、IRGACURE651、IRGACURE754、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE1173等、大塚化学(株)製AIBN、ADVN、AMBN等が例示できる。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤の量は特に限定されないが、重合に供する樹脂前駆体の全量100質量部に対し、重合開始剤は0.05〜5質量部であることが重合速度の観点から好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。
樹脂前駆体の重合方法としては、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合方法、電離放射線照射重合方法等の公知の重合方法が例示でき、熱により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合は溶液重合方法を、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合は電離放射線照射重合方法を、といったように使用する重合開始剤の特性に合わせて選択すればよい。
溶液重合方法を用いて樹脂前駆体を重合する場合に用いる重合用溶媒は特に限定されず、樹脂前駆体および重合開始剤を溶解可能な公知の有機溶媒を用いることができる。具体的には酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒が例示できる。重合用溶媒として2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、上記した樹脂、前記一般式(1)の化合物以外に、架橋剤(例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等)、シランカップリング剤(例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するシランカップリング剤等)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物等)、紫外線吸収剤(トリアジン化合物、ベンゾフェノン化合物等)、光安定剤(ヒンダードアミン化合物等)、充填剤、着色剤(顔料や染料等)、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の樹脂用添加剤を含有していてもよい。上記樹脂用添加剤の中でも、架橋剤を含有することが粘着剤層の粘着性の観点から好ましく、イソシアネート系架橋剤を含有することが特に好ましい。
イソシアネート系架橋剤は特に限定されず、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類等の公知のイソシアネート系架橋剤が例示できる。また、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」)等も好ましく用いることができる。
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層は、2層以上の組成の異なる粘着剤層からなっていてもよい。例えば、光透過性電極の網目状金属細線パターンを有する側の面に、前記一般式(1)の化合物を含有する粘着剤層Aを設け、該粘着剤層A上に前記一般式(1)の化合物を含有しない粘着剤層Bを設けて、1つの粘着剤層としてもよい。
粘着剤層の厚みは特に限定されないが、薄すぎると網目状金属細線パターンを有する側の光透過性電極表面の凹凸へ追従しきれず、光透過性電極積層体中に泡が入る場合があり、また厚すぎると光透過性電極積層体の透明性が損なわれる場合がある。よって粘着剤層の厚みは5〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜250μmである。また、光透過性電極積層体の透明性の観点から、粘着剤層の全光線透過率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは95%以上である。同様の観点から、粘着剤層のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。
本発明の光透過性電極積層体が有する粘着剤層の形成方法を説明する。粘着剤層を形成する方法は特に限定されないが、上記した樹脂、前記一般式(1)の化合物、その他の粘着剤層が含有していてもよい添加剤、以上のものを溶媒に溶解させた粘着剤層形成用塗液を作製し、これを塗布・乾燥させ粘着剤層を形成する方法が、生産性の観点から特に好ましい。従って本発明において、該樹脂は溶液重合方法により重合することが重合用溶媒をそのまま粘着剤層形成用塗液の溶媒として利用できるため生産性の観点から好ましく、重合開始剤としては熱により重合反応を開始させる重合開始剤を用いることが好ましい。
本発明においては、光透過性電極上に粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に後述する機能材料を積層してもよく、機能材料上に粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に光透過性電極を積層してもよく、剥離加工済み支持体上に粘着剤層を形成し、該粘着剤層を光透過性電極上に積層し、該粘着剤層から剥離加工済み支持体を剥離し、さらに該粘着剤層上に機能材料を積層してもよい。中でも剥離加工済み支持体上に粘着剤層を形成する方法が、粘着剤層を形成する工程中に光透過性電極や機能材料を傷つける可能性を回避できるため、生産性の観点から特に好ましい。
剥離加工済み支持体の支持体は特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、各種金属、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。剥離加工方法としては、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の公知の剥離処理剤で支持体表面を処理する方法が例示できる。
粘着剤層形成用塗液を剥離加工済み支持体上に付与する方法は特に限定されず、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、キスコート法等の公知の方法を用いて塗布する方法や、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー印刷、パッド印刷等の公知の方法を用いて印刷する方法等が例示できる。粘着剤層形成用塗液を付与した後は、加熱や自然乾燥等の公知の乾燥方法により溶媒を乾燥させ、粘着剤層とする。
次に、本発明の光透過性電極積層体が有する光透過性電極について説明する。本発明の光透過性電極積層体が有する光透過性電極は、支持体上に網目状金属細線パターンを有し、該網目状金属細線パターンは金属細線から構成される。光透過性電極の透明性の観点から、光透過性電極の支持体は光透過性を有することが特に好ましい。光透過性を有する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。光透過性電極積層体の透明性の観点から、支持体の全光線透過率は60%以上が好ましく、特に好ましくは70%以上である。支持体は、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、ITO等からなる導電性非金属層等の、公知の層を有していてもよい。
網目状金属細線パターンを構成する金属細線が含有する金属種は限定されず、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の公知の金属や公知の金属からなる合金を例示できるが、導電性の観点から銀または銅を含有することが好ましく、銀を含有することが特に好ましい。金属細線が含有する金属の割合は、金属細線の全固形分質量に対し50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
光透過性電極積層体の信頼性の観点から、支持体上の網目状金属細線パターンを構成する金属細線の線幅は1.5〜10μmであることが好ましく、支持体上の網目状金属細線パターンを構成する金属細線の金属量は、0.5〜10.5g/m2であることが好ましい。
本発明において支持体上の網目状金属細線パターンを構成する金属細線の金属量は、光透過性電極を一部切り取って測定試料とし、蛍光X線により測定試料中の金属の存在量(g)を測定し、測定試料の網目状金属細線パターンを有する面のうち、金属細線が存在する部分のみの面積(m2)で割ることで算出する方法を例示できる。
本発明の光透過性電極積層体をタッチパネルセンサーに利用する場合、網目状金属細線パターンは、複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有することがセンサーの感度、視認性(センサーの形状が見えにくい)等の観点から好ましい。単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。またボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズタイル図形等に代表される不規則幾何学形状も好ましい網目状金属細線パターンの形状の一つである。
本発明の光透過性電極積層体をタッチパネルセンサーに利用する場合、光透過性電極が有する網目状金属細線パターンは、互いに電気的に絶縁された複数のセンサーからなるセンサー部を構成することが好ましい。また光透過性電極は、該センサー部の難視認性の観点から、支持体上のセンサー部間にはセンサー部と電気的に絶縁された、網目状金属細線パターンからなるダミー部を有していてもよい。さらにセンサー部、ダミー部以外に、外部に電気信号を取り出すために設けられる複数の端子からなる端子部や、センサー部と端子部を電気的に接続する複数の周辺配線からなる周辺配線部を有していてもよい。該端子部および周辺配線部は網目状金属細線パターンからなっていてもよく、ベタパターン(塗りつぶしパターン)であってもよい。
支持体上に網目状金属細線パターンを形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、金属およびバインダーを含有する導電性金属インキや導電性ペーストを、支持体上に印刷等の方法で付与して網目状金属細線パターンを形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用い、硬化現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用い、直接現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層した感光性レジスト材料を光透過性電極前駆体として用い、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解めっきを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に金属を局在化させ、その後レジスト画像を除去し網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の金属膜をエッチングして除去して網目状金属細線パターンを形成する方法、等が例示できる。
上記した支持体上に網目状金属細線パターンを形成する方法の中でも、銀を含有する金属細線からなる網目状金属細線パターンが容易に形成でき、パターンの微細化も容易であることから、銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、あるいは感光性レジスト材料を光透過性電極前駆体として用いて無電解めっきを施して網目状金属細線パターンを形成する方法が好ましい。
支持体上に網目状金属細線パターンを形成後、該金属細線表面に公知の金属表面処理を施してもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよく、特開2011−209626号公報に記載されているように硫化反応による黒化処理を施してもよい。また、銀塩感光材料を光透過性電極前駆体として用いて網目状金属細線パターンを形成する場合、網目状金属細線パターンを構成する金属細線と、粘着剤層との接着性を向上させる観点から、特開2007−12404号公報に記載されているようにタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理してもよい。
本発明の光透過性電極積層体が有する機能材料としては、前述の光透過性電極や、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂からなるフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層、ITO等からなる導電性非金属層等の公知の機能層を有する材料が例示できる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<光透過性電極1の作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は91%であった。
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は91%であった。
次に下記組成の物理現像核層を支持体上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層組成/1m2あたり>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核液層の上に塗布、乾燥して、銀塩感光材料を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
銀塩感光材料と、網目状細線パターン、周辺配線パターン、端子パターンを有するポジ型透過原稿とを密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。このようにして図1に示す光透過性電極1を得た。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
光透過性電極1においてセンサー部11は線幅4.5μm、一辺の長さが300μmで狭い方の角度が60°の菱形の単位格子からなる網目状金属細線パターンによって形成されており、周辺配線部12、端子部13は全てベタパターン(塗りつぶしパターン)である。周辺配線部12を構成する周辺配線の線幅は全て20μmであり、隣接する周辺配線間の最短距離は20μmである。図1中の破線は、後ほど作製する粘着剤層の外縁14を示したものであり、光透過性電極1上に破線は存在しない。蛍光X線分析による測定の結果、センサー部11を構成する金属細線の金属量は1.0g/m2であった。
<粘着剤層1の作製>
アクリル酸−2−メトキシエチルを60質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシルを39質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学(株)製AIBN)を0.5質量部、重合用溶媒として酢酸エチルを300質量部、以上をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。その後、65℃に昇温して10時間撹拌して溶液重合方法により樹脂前駆体を重合させ、固形分濃度25質量%の樹脂溶液を得た。
アクリル酸−2−メトキシエチルを60質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシルを39質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを1質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学(株)製AIBN)を0.5質量部、重合用溶媒として酢酸エチルを300質量部、以上をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。その後、65℃に昇温して10時間撹拌して溶液重合方法により樹脂前駆体を重合させ、固形分濃度25質量%の樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液100質量部(固形分換算)に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.5質量部(固形分換算)添加した後、これらを均一に混合し粘着剤層形成用塗液1を得た。該粘着剤層形成用塗液1を厚み38μmの剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製MRF38)の剥離加工面上に塗布し、100℃の温風で3分間加熱し乾燥させ、粘着剤層1(厚み50μm)を作製した。その後、剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製MRF38)の剥離加工面を粘着剤層1上に貼合した。
<粘着剤層2〜10の作製>
上記した粘着剤層形成用塗液1に対し、後述する表1に示す化合物を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.03質量%になるように混合した以外は粘着剤層1の作製と同様にして、粘着剤層2〜10を得た。
上記した粘着剤層形成用塗液1に対し、後述する表1に示す化合物を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.03質量%になるように混合した以外は粘着剤層1の作製と同様にして、粘着剤層2〜10を得た。
<粘着剤層11の作製>
アクリル酸−2−メトキシエチルを60質量部、アクリル酸n−ブチルを34質量部、N−ビニル−2−ピロリドンを3.5質量部、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドを1質量部、2−アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを1質量部、アクリル酸を0.5質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学(株)製AMBN)を0.5質量部、重合用溶媒として酢酸エチルを300質量部、以上をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。その後、65℃に昇温して10時間撹拌して溶液重合方法により樹脂前駆体を重合させ、固形分濃度25質量%の樹脂溶液を得た。
アクリル酸−2−メトキシエチルを60質量部、アクリル酸n−ブチルを34質量部、N−ビニル−2−ピロリドンを3.5質量部、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドを1質量部、2−アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを1質量部、アクリル酸を0.5質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学(株)製AMBN)を0.5質量部、重合用溶媒として酢酸エチルを300質量部、以上をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。その後、65℃に昇温して10時間撹拌して溶液重合方法により樹脂前駆体を重合させ、固形分濃度25質量%の樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液100質量部(固形分換算)に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.5質量部(固形分換算)、シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製、KBM−403)を0.3質量部添加した後、これらを均一に混合し粘着剤層形成用塗液2を得た。該粘着剤層形成用塗液2を厚み38μmの剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製MRF38)の剥離加工面上に塗布し、100℃の温風で3分間加熱し乾燥させ、粘着剤層11(厚み50μm)を作製した。その後、剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製MRF38)の剥離加工面を粘着剤層11上に貼合した。
<粘着剤層12の作製>
上記した粘着剤層形成用塗液2に対し、後述する表1に示す化合物を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.03質量%なるように混合した以外は粘着剤層11の作製と同様にして、粘着剤層12を得た。
上記した粘着剤層形成用塗液2に対し、後述する表1に示す化合物を、該粘着剤層形成用塗液の全固形分(形成後の粘着剤層の全質量に相当)に対する含有量が0.03質量%なるように混合した以外は粘着剤層11の作製と同様にして、粘着剤層12を得た。
<試料1〜12の作製>
粘着剤層1の一方の剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層1の一方の面を露出させた。次に、光透過性電極1上の、図1で示した外縁14で囲まれた領域に対し、粘着剤層1の露出させた面を貼合した。その後、粘着剤層1のもう片方の剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層1上に無アルカリガラス(コーニングジャパン(株)製イーグル2000)を貼合した。この手順を繰り返し、試料1を30枚作製した。粘着剤層2〜12を用いた以外は同様にして、試料2〜12を各30枚作製した。
粘着剤層1の一方の剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層1の一方の面を露出させた。次に、光透過性電極1上の、図1で示した外縁14で囲まれた領域に対し、粘着剤層1の露出させた面を貼合した。その後、粘着剤層1のもう片方の剥離加工済みポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層1上に無アルカリガラス(コーニングジャパン(株)製イーグル2000)を貼合した。この手順を繰り返し、試料1を30枚作製した。粘着剤層2〜12を用いた以外は同様にして、試料2〜12を各30枚作製した。
<抵抗値が変化した試料数>
全ての試料について、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し初期抵抗値とした。次に、全試料の全端子の露出している部分(粘着剤層で被覆されていない端子部)をマスキングテープにより一時的に封止したうえで、JIS Z 2371に準じ、スガ試験機(株)製塩水噴霧試験装置内に入れ、72時間の中性塩水噴霧試験を実施した。試験に使用した塩化ナトリウム水溶液の塩化ナトリウム濃度は50g/L、試験時の水温は35℃であった。試験後、全ての試料の全端子からマスキングテープを剥離し、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し、初期抵抗値からの抵抗値変化率(単位:%)を算出した。全ての試料について、1端子間でも抵抗値変化率が±10%を超えたものの枚数を数えた(抵抗値が変化した試料数)。結果を表1に示す。
全ての試料について、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し初期抵抗値とした。次に、全試料の全端子の露出している部分(粘着剤層で被覆されていない端子部)をマスキングテープにより一時的に封止したうえで、JIS Z 2371に準じ、スガ試験機(株)製塩水噴霧試験装置内に入れ、72時間の中性塩水噴霧試験を実施した。試験に使用した塩化ナトリウム水溶液の塩化ナトリウム濃度は50g/L、試験時の水温は35℃であった。試験後、全ての試料の全端子からマスキングテープを剥離し、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し、初期抵抗値からの抵抗値変化率(単位:%)を算出した。全ての試料について、1端子間でも抵抗値変化率が±10%を超えたものの枚数を数えた(抵抗値が変化した試料数)。結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明によって、塩化物イオンによる抵抗値変化が抑制され、信頼性に優れた光透過性電極積層体が得られることが判る。また本発明の好ましい態様の優位性も明らかである。
11 センサー部
12 周辺配線部
13 端子部
14 外縁
12 周辺配線部
13 端子部
14 外縁
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