JP2017071731A - 粘着剤組成物および導電材料積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性に優れた導電材料積層体が得られる粘着剤組成物、および信頼性に優れた導電材料積層体を提供する。【解決手段】ヨウ素および/または無機ヨウ化物と、一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物と、樹脂および/または樹脂前駆体とを少なくとも含有する粘着剤組成物、および該粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する導電材料積層体。【選択図】なし
Description
本発明は、信頼性に優れた導電材料積層体が得られる粘着剤組成物、およびこれを用いた導電材料積層体に関するものである。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。
タッチパネルには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式などがあり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルは、光透過性支持体上に光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、これら導電材料をドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、各光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルは、2層の光透過性導電層を有する導電材料を1枚、または1層の光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPCなどで、とりわけ広く利用されている。
投影型静電容量方式のタッチパネルにおいては、光透過性導電層をパターニングし複数のセンサーを配することで、多点同時検出や移動点の検出を可能にしている。このセンサーが検出した静電容量の変化を電気信号として外部に取り出すため、導電材料が有する全てのセンサーと、外部に電気信号を取り出すために設けられる端子との間には、これらを電気的に接続する複数の周辺配線が設けられる。通常、前述した光透過性導電層はディスプレイ上に位置し、周辺配線はディスプレイの外、いわゆる額縁部に位置する。特開2015−32183号公報(特許文献1)に記載のごとく、一般的に、光透過性導電層の材料としてはITO(インジウム−錫酸化物)が用いられ、周辺配線(取出配線)の材料としては金、銀、銅、アルミニウム等の金属が用いられている。
また、近年では光透過性導電層として網目状金属細線パターンを有する導電材料も開示されている。例えば特開2014−197531号公報(特許文献2)には光透過性支持体上に下地層と感光性レジスト層とをこの順に有する導電性材料前駆体に対し、感光性レジスト層面を任意のパターン状に露光後、現像し、露光したパターンのレジスト画像を形成した後、無電解めっきを行ってレジスト画像に被覆されていない下地層上に網目状金属細線パターンを形成し、その後レジスト画像を除去する導電材料の製造方法が開示されている。特開2012−28183号公報(特許文献3)には金属ナノワイヤーからなる網目状金属細線パターンを有する導電材料が開示されている。
さらには光透過性導電層としての網目状金属細線パターンと、周辺配線を同じ金属で同時に形成した導電材料も開示されている。例えば特開2015−127103号公報(特許文献4)には銀塩写真感光材料を導電材料前駆体として用い、銀からなる網目状金属細線パターンと周辺配線(トレース)とを同時に形成できることが示されている。
上記した導電材料において、網目状金属細線パターンおよび周辺配線等の導電性金属部を有する側の面に、粘着剤組成物からなる粘着剤層と、該粘着剤層上に光透過性機能材料とを有する導電材料積層体が知られている。例えば特開2014−198811号公報(特許文献5)にはタッチパネルセンサー上に粘着シート(粘着剤組成物)からなる粘着剤層と、該粘着剤層上に保護基板を有するタッチパネル用積層体が開示されている。
上記した導電性金属部は、例えば大気中の硫化水素により金属が金属硫化物へ変化し、導電性金属部の抵抗値が変動する場合があった。同様に、人間の汗に含まれる塩化物イオンにより金属が金属塩化物へ変化し、導電性金属部の抵抗値が変動する場合があった。導電性金属部の抵抗値が変動すると、タッチパネルセンサーの検出感度の低下や誤認識が発生する等して、タッチパネルセンサーの信頼性は著しく低下する。上記した硫化水素や塩化物イオンは、前記した粘着剤組成物からなる粘着剤層側面より浸透し、導電性金属部に影響を与えるものと考えられるが、近年は意匠性の観点からタッチパネルの狭額縁化が進められ、硫化水素や塩化物イオンが導電性金属部にとりわけ作用しやすくなっており、改善が求められていた。
上記した問題に対し、例えば特開2014−29671号公報(特許文献6)では、銀を含有する第1電極パターンと、粘着性絶縁層と、第2電極パターンとをこの順で備えるタッチパネル用導電性フィルムが開示され、該粘着性絶縁層に特定の酸価を有する粘着性絶縁材料と共にトリアゾール化合物やテトラゾール化合物などの金属腐食防止剤を用いることで、タッチパネルの動作不良の発生が抑制されることが記載される。また、特許第5421493号公報(特許文献7)では、ベンゾトリアゾール系化合物により金属のマイグレーションを抑制し、抵抗値の変化を抑制できることが記載されるが、いずれも十分満足できるものではなかった。
一方、特開2015−4861号公報(特許文献8)には帯電防止機能を有し、かつ接着状態での耐久性を満足する光学用粘着剤層として、ベースポリマーと、ヨウ素および/またはヨウ素イオンを含有する光学用粘着剤層が開示されており、さらに帯電防止機能を向上させる方法として、ピリジニウムカチオンやイミダゾリウムカチオン等の有機カチオンとアニオンからなる塩を光学用粘着剤層に添加することが記載されている。特開2010−10089号公報(特許文献9)には、支持体上にベンゾオキサゾール誘導体および導電性ポリマーを含有する樹脂組成物からなる紫外線吸収層を有する導電性ポリマー材料が開示されており、該導電性ポリマーの分散性向上を目的として、ヨウ素やヨウ素イオンを添加することが記載されている。特開2011−79979号公報(特許文献10)には有機ハロゲン化合物を交換連鎖移動剤として用いて得られた重合体を含有する粘着剤組成物が開示されている。
本発明の課題は、信頼性に優れた導電材料積層体が得られる粘着剤組成物、および信頼性に優れた導電材料積層体を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)ヨウ素および/または無機ヨウ化物と、下記一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物と、樹脂および/または樹脂前駆体とを少なくとも含有する粘着剤組成物。
(1)ヨウ素および/または無機ヨウ化物と、下記一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物と、樹脂および/または樹脂前駆体とを少なくとも含有する粘着剤組成物。
一般式X−1中のR1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、スルファモイル基、カルバモイル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、リン酸アミド基、ニトロ基を表し、これらは塩を形成していてもよい。一般式X−2中のR4、R5、一般式X−3中のR6、R7、R8、一般式X−4中のR9、R10、および一般式X−5中のR11、R12は上記R1〜R3と同義である。ただし、一般式X−1〜X−5で表される化合物が含有する含窒素複素環は縮合環を有さない。一般式X−6中のR13、R14、R15、R16、R17はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、ニトロ基を表し、これらは塩を形成していてもよい。
(2)光透過性支持体上に導電性金属部を有する導電材料の、該導電性金属部を有する側の面に、上記(1)記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層と、光透過性機能材料とを少なくともこの順で有する導電材料積層体。
本発明により、信頼性に優れた導電材料積層体が得られる粘着剤組成物、および信頼性に優れた導電材料積層体を提供することができる。
以下、本発明について、2つの粘着剤組成物の構成例と、それぞれの粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する2つの導電材料積層体の構成例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの構成例に限定されない。
本発明の粘着剤組成物の1つ目の構成例は、ヨウ素および/または無機ヨウ化物と、上記した一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物と、樹脂とを少なくとも含有するシート状の粘着剤組成物A−1である。また、該粘着剤組成物A−1を用いた本発明の導電材料積層体の構成例は、光透過性支持体上に導電性金属部を有する導電材料の、該導電性金属部を有する側の面に、シート状の粘着剤組成物A−1を貼合して粘着剤層とし、さらに該粘着剤層上に光透過性機能材料を貼合した導電材料積層体である。
本発明の粘着剤組成物の2つ目の構成例は、ヨウ素および/または無機ヨウ化物と、上記した一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物と、樹脂前駆体と、重合開始剤とを少なくとも含有する液状の粘着剤組成物A−2である。また、該粘着剤組成物A−2を用いた本発明の導電材料積層体の構成例は、光透過性支持体上に導電性金属部を有する導電材料の、該導電性金属部を有する側の面と、光透過性機能材料との間に、液状の粘着剤組成物A−2を付与し重合させることで粘着剤層とした導電材料積層体である。
本発明の粘着剤組成物について説明する。本発明の粘着剤組成物が含有する無機ヨウ化物としては、具体的にはヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化銀、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等の無機金属ヨウ化物、ヨウ素系イオン液体およびヨウ素系イオン固体(テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウムヨージド等のアンモニウム塩、ジメチルプロピルイミダゾリウムヨージド、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムヨージド等のイミダゾリウム塩、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド、イソプロピルトリフェニルホスホニウムヨージド等のホスホニウム塩等)が例示できる。本発明において無機ヨウ化物は、ヨウ化エチルやジヨードキシレン、ヨードベンゼン等の炭素−ヨウ素結合を有する有機ヨウ化物とは区別される。
本発明の粘着剤組成物は、ヨウ素と上記した無機ヨウ化物のいずれか一方、あるいはヨウ素と上記した無機ヨウ化物の両方を含有していてもよく、無機ヨウ化物を含有する場合には該化合物を2種以上含有していてもよい。また、本発明の粘着剤組成物がヨウ素と無機ヨウ化物の両方を含有する場合においては、両者が反応して得られる三ヨウ化物等のポリヨウ化物として含有していてもよい。本発明では、本発明により得られる導電材料積層体の信頼性の観点から、粘着剤組成物は無機ヨウ化物を含有することが好ましい。
粘着剤組成物中のヨウ素および無機ヨウ化物の含有量は特に限定されないが、少なすぎると導電材料積層体の信頼性が低下する場合があり、多すぎると導電材料積層体が着色したり、ヘイズが上昇したりする場合がある。よって粘着剤組成物中のヨウ素および/または無機ヨウ化物の含有量は、粘着剤組成物中の樹脂および/または樹脂前駆体の全量100質量部に対して0.001〜2質量部が好ましく、0.005〜1.0質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部が特に好ましい。
本発明の粘着剤組成物が含有する含窒素複素環式化合物について説明する。本発明の粘着剤組成物は下記一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物を含有する。
一般式X−1中のR1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、スルファモイル基、カルバモイル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、リン酸アミド基、ニトロ基を表し、これらはナトリウム塩やカルシウム塩等の塩を形成していてもよい。一般式X−2中のR4、R5、一般式X−3中のR6、R7、R8、一般式X−4中のR9、R10、および一般式X−5中のR11、R12は上記R1〜R3と同義である。ただし、一般式X−1〜X−5で表される化合物が含有する含窒素複素環は縮合環を有さない。一般式X−6中のR13、R14、R15、R16、R17はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、ニトロ基を表し、これらはナトリウム塩やカルシウム塩等の塩を形成していてもよい。
一般式X−1〜X−5で表される化合物が有するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示でき、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基等が例示でき、アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が例示でき、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基等が例示でき、アリールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフトキシ基等が例示でき、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アルキルチオ基としてはメチルチオ基、ヘキシルチオ基が例示でき、アリールチオ基としてはフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が例示できる。R1〜R12は、さらに置換基を有していてもよい。該置換基としては、R1〜R12として上記した置換基やアルキルオキシカルボニル基等が例示できる。
一般式X−1で表される含窒素複素環式化合物の中でも、R1〜R3の少なくとも1つはメルカプト基であり、それ以外の置換基としてアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基を1つ以上有する化合物が好ましく、R1〜R3の少なくとも1つはメルカプト基であり、それ以外の置換基として炭素数5以上のアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基を1つ以上有する化合物が特に好ましい。以下に一般式X−1で表される化合物の具体例を記載するが、これらに限定されない。
一般式X−2で表される含窒素複素環式化合物の中でも、R4、R5の一方はメルカプト基であり、もう一方の置換基はアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基である化合物が好ましく、R4、R5の一方はメルカプト基であり、もう一方の置換基は炭素数5以上のアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基である化合物が特に好ましい。以下に一般式X−2で表される化合物の具体例を記載するが、これらに限定されない。
一般式X−3で表される含窒素複素環式化合物の中でも、R6〜R8の少なくとも1つはメルカプト基であり、それ以外の置換基としてアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基を1つ以上有する化合物が好ましく、R6〜R8の少なくとも1つはメルカプト基であり、それ以外の置換基として炭素数5以上のアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基を1つ以上有する化合物が特に好ましい。以下に一般式X−3で表される化合物の具体例を記載するが、これらに限定されない。
一般式X−4で表される含窒素複素環式化合物の中でも、R9、R10の一方はメルカプト基であり、もう一方の置換基はアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基である化合物が好ましく、R9、R10の一方はメルカプト基であり、もう一方の置換基は炭素数5以上のアルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基である化合物が特に好ましい。以下に一般式X−4で表される化合物の具体例を記載するが、これらに限定されない。
一般式X−5で表される含窒素複素環式化合物の中でも、R11、R12の一方はアミノ基、メルカプト基、アルキル基、アラルキル基、およびアリール基からなる群から選択される置換基である化合物が好ましく、中でもR11、R12の一方はアミノ基またはメルカプト基である化合物がより好ましく、R11、R12の一方がアミノ基である化合物が特に特に好ましい。以下に一般式X−5で表される化合物の具体例を記載するが、これらに限定されない。
一般式X−6で表される化合物が有するハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示でき、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基等が例示できる。R13〜R17は、さらに置換基を有していてもよい。該置換基としては、R13〜R17として上記した置換基や、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフトキシ基等)、アミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、ウレタン基、スルファモイル基、カルバモイル基、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、ヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、リン酸アミド基、アルキルオキシカルボニル基等が例示できる。
一般式X−6で表される含窒素複素環式化合物の中でも、R13〜R17の全てが水素原子、もしくはR13〜R17の少なくとも1つはアルキル基、カルボキシル基、およびニトロ基からなる群から選択される置換基を有する化合物が好ましい。以下に一般式X−6で表される化合物の具体例を記載するが、これらに限定されない。
粘着剤組成物中における上記した一般式X−1〜X−6で表される含窒素複素環式化合物の含有量は特に限定されないが、少なすぎると導電材料積層体の信頼性が低下する場合があり、多すぎると導電材料積層体のヘイズが上昇したり、後述する樹脂前駆体の重合反応を阻害したりする場合がある。よって粘着剤組成物中における該含窒素複素環式化合物含有量は、粘着剤組成物中の樹脂および/または樹脂前駆体の全量100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部が特に好ましい。
次に、本発明の好ましい形態の1つであるシート状の粘着剤組成物A−1について説明する。該シート状の粘着剤組成物A−1の製造方法を以下に例示するが、本発明はこれに限定されない。まず、樹脂前駆体および重合開始剤を重合用溶媒に溶解した後、樹脂前駆体を重合させ樹脂溶液を作製する。この樹脂溶液に前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物、および一般式X−1〜X−6で表される含窒素複素環式化合物を溶解し、粘着剤組成物形成用塗液を作製する。次に、該粘着剤組成物形成用塗液を支持体上に付与し、重合用溶媒を乾燥除去して、支持体上に前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物と、該含窒素複素環式化合物と、樹脂とを含有するシート状の粘着剤組成物A−1を得る。この製造方法に従って得られたシート状の粘着剤組成物A−1を用いて導電材料積層体を作製する際は、支持体よりシート状の粘着剤組成物A−1を剥離して用いる。
樹脂前駆体は特に限定されず、各種樹脂のモノマーやオリゴマーを用いることができる。中でもアクリル系モノマーは、重合により得られる樹脂が透明性に優れ、またモノマーの重合を制御して樹脂に粘着性を付与することも容易であることから、特に好ましい。従って本発明のシート状の粘着剤組成物A−1が含有する好ましい樹脂はアクリル系樹脂である。樹脂前駆体として単一のアクリル系モノマーを用いてもよく、2種類以上のアクリル系モノマーを用いてもよく、アクリル系モノマーとアクリル系モノマー以外のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。アクリル系モノマーとしては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとが例示できる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を表し、他も同様である。
上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の炭素数が1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−エトキシブチル等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記アクリル系モノマーの中でも、アクリル系モノマーとして(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを用いることが、前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物や前記した含窒素複素環式化合物と、アクリル系樹脂との相溶性の観点から好ましく、具体的には重合に供する樹脂前駆体の全量100質量部のうち、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの質量は、30〜90質量部が好ましく、より好ましくは35〜90質量部であり、特に好ましくは40〜85質量部である。
上記したアクリル系モノマー以外のモノマーとしては、極性基含有モノマー、多官能性モノマー等が例示できる。
上記極性基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸等)、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコール等のヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー、ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等のリン酸基含有モノマー、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。上記極性基含有モノマーは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記多官能性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸テトラメチロールメタン、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル等が挙げられる。上記多官能性モノマーは、2種類以上混合して用いてもよい。
上記アクリル系モノマー以外のモノマーの中でも、極性基含有モノマーであるヒドロキシル基(水酸基)含有モノマーを用いることが、前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物や前記した含窒素複素環式化合物と、アクリル系樹脂との相溶性の観点から特に好ましい。
上記モノマー以外にも、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の、公知の共重合性モノマーを用いることができる。
前述した樹脂前駆体として用いられるオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、イソプレンアクリレート、ブタジエンアクリレート等のアクリル系オリゴマーが例示できる。本発明におけるアクリル系オリゴマーとは、アクリル基を少なくとも1つ以上有するオリゴマーを意味する。
上記アクリル系オリゴマーは市販されており、いずれも好ましく用いることができる。ウレタンアクリレートとしてはアロニックスM−1100、アロニックスM−1200(以上、東亞合成(株)製)、UA−1100H、UA−160TM(以上、新中村化学工業(株)製)、EBECRYL210、EBECRYL230、EBECRYL270(以上、ダイセル・オルネクス(株)製)、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575(以上、荒川化学工業(株)製)等が例示できる。エポキシアクリレートとしてはユニディックV−5500、ユニディックV−5502(以上、DIC(株)製)、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3000MK(以上、共栄社化学(株)製)等が例示できる。ポリエステルアクリレートとしてはアロニックスM−7100、アロニックスM−8100(以上、東亞合成(株)製)、EBECRYL436、EBECRYL450、EBECRYL810(以上、ダイセル・オルネクス(株)製)等が例示できる。イソプレンアクリレートとしては、UC−102、UC−203(以上、(株)クラレ製)等が例示できる。ブタジエンアクリレートとしては、NISSO−PB TE−2000(以上、日本曹達(株)製)等が例示できる。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤は特に限定されず、公知の重合開始剤が例示できる。ここで重合開始剤とは、電離放射線や熱により、上記樹脂前駆体の重合反応を開始させる化合物を意味し、具体的には、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの質量比1:1混合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、オキソ−フェニル酢酸2−〔2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−エトキシ〕−エチルエステル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が例示できるが、これらに限定されない。なお、電離放射線とは、樹脂前駆体の重合反応を開始させうるエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、紫外線(UV、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が例示できる。
上記重合開始剤は市販されており、いずれも好ましく用いることができる。具体的にはIRGACURE127、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE500、IRGACURE651、IRGACURE754、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、DAROCUR1173(以上、BASFジャパン(株)製)、AIBN、ADVN(以上、大塚化学(株)製)等が例示できる。
上記した重合開始剤の中でも、熱により重合反応を開始させる重合開始剤を用いることが、本発明のシート状の粘着剤組成物A−1の製造工程を遮光する必要がなく、簡便であることから好ましい。かかる重合開始剤として、具体的には2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が例示できる。
樹脂前駆体の重合に用いる重合開始剤の量は特に限定されないが、重合に供する樹脂前駆体の全量100質量部に対し、重合開始剤は0.05〜5質量部であることが重合速度の観点から好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。
重合用溶媒は特に限定されず、樹脂前駆体および重合開始剤を溶解可能な公知の有機溶媒を用いることができる。具体的には酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒が例示できる。樹脂前駆体および重合開始剤を重合用溶媒に溶解する方法としては撹拌等の公知の方法を例示できる。重合用溶媒として2種以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。樹脂溶液を作製する際は、用いた重合開始剤の性質に従い、電離放射線や熱により樹脂前駆体を重合させる。その後、樹脂溶液に前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物、含窒素複素環式化合物を溶解する方法としては撹拌等の公知の方法を例示できる。
粘着剤組成物形成用塗液は、架橋剤、架橋促進剤、シランカップリング剤、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の樹脂用添加剤を含有していてもよい。上記樹脂用添加剤の中でも、架橋剤を含有することがシート状の粘着剤組成物A−1の粘着性の観点から好ましく、イソシアネート系架橋剤を含有することが特に好ましい。
イソシアネート系架橋剤は特に限定されず、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類等の公知のイソシアネート系架橋剤が例示できる。また、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」)等も好ましく用いることができる。
粘着剤組成物形成用塗液を付与する支持体は特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、各種金属、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。支持体として樹脂フィルムを用いる場合、シート状の粘着剤組成物A−1を支持体より剥離せしめる際の作業性の観点から、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の公知の剥離処理剤で処理された、いわゆる剥離加工済みフィルムを用いることが特に好ましい。
粘着剤組成物形成用塗液を支持体上に付与する方法は特に限定されず、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、キスコート法等の公知の方法を用いて塗布する方法や、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー印刷、パッド印刷等の公知の方法を用いて印刷する方法等が例示できる。支持体上に粘着剤組成物形成用塗液を付与した後は、加熱や自然乾燥により重合用溶媒を乾燥させ、シート状の粘着剤組成物A−1を得る。
次に、本発明の好ましい形態の1つである液状の粘着剤組成物A−2について説明する。該液状の粘着剤組成物A−2の製造方法としては、樹脂前駆体中に前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物、前記した含窒素複素環式化合物、および重合開始剤を溶解せしめる方法が例示できる。
液状の粘着剤組成物A−2が含有する樹脂前駆体としては、各種樹脂のモノマー、オリゴマーを用いることができる。モノマーやオリゴマーは特に限定されず、重合後の樹脂が透明性を有する公知のモノマーやオリゴマーを用いることができる。その中でも、重合後の樹脂が透明性に優れることから、前述したアクリル系モノマー、および/またはアクリル系オリゴマーを用いることが好ましく、重合後の樹脂の柔軟性に優れ、導電材料積層体への収縮応力の発生を抑制できることから、アクリル系オリゴマーを用いることが特に好ましい。液状の粘着剤組成物A−2が含有する樹脂前駆体の全量100質量部のうち、アクリル系オリゴマーは20〜95質量部が好ましく、より好ましくは25〜90質量部であり、特に好ましくは30〜85質量部である。
液状の粘着剤組成物A−2が含有する重合開始剤は特に限定されず、前述した重合開始剤が例示できる。中でも、電離放射線により重合反応を開始させる重合開始剤を用いることが、熱により重合反応を開始させる重合開始剤を用いる場合より、金属細線パターンへの熱による悪影響を回避できる観点から好ましく、さらに常温で液状の重合開始剤を用いることが、樹脂前駆体中への重合開始剤の溶解が容易になるため特に好ましい。かかる重合開始剤として、具体的には2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの質量比1:1混合物、オキソ−フェニル酢酸2−〔2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ)−エトキシ〕−エチルエステル等が例示できる。
液状の粘着剤組成物A−2が含有する重合開始剤の含有量は特に限定されないが、液状の粘着剤組成物A−2が含有する樹脂前駆体の全量100質量部に対し、重合開始剤は0.1〜5質量部であることが重合速度の観点から好ましく、0.2〜3質量部が特に好ましい。
液状の粘着剤組成物A−2に前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物や前記した含窒素複素環式化合物を溶解せしめる方法としては、撹拌、混練等の公知の方法が例示できる。前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物、および前記した含窒素複素環式化合物を公知の溶媒、例えば水、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒等で事前に溶解した後に液状の粘着剤組成物A−2に混合せしめる方法も、生産性の観点から好ましい態様の1つである。前記したヨウ素および/または無機ヨウ化物、および前記した含窒素複素環式化合物を公知の溶媒で事前に溶解した後に液状の粘着剤組成物A−2に混合せしめた場合、後述する重合反応の前に加熱や自然乾燥にて溶媒を乾燥除去することが好ましい。
液状の粘着剤組成物A−2は、架橋剤、架橋促進剤、シランカップリング剤、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の樹脂用添加剤を含有していてもよい。
液状の粘着剤組成物A−2を導電材料の導電性金属部を有する側の面と、光透過性機能材料との間に付与する方法としては、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、キスコート法等の公知の塗布方法や、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー印刷、パッド印刷等の公知の印刷方法が例示される。このようにして、導電材料の導電性金属部を有する側の面に付与された液状の粘着剤組成物A−2上に光透過性機能材料を積層し、用いた重合開始剤の性質に従い、電離放射線や熱により重合させ粘着剤層とすることで、本発明の導電材料積層体が得られる。
また、本発明の粘着剤組成物は、光透過性機能材料同士の貼合や、前述の導電材料積層体と光透過性機能材料との貼合等の用途に使用することも可能である。
上記した粘着剤組成物A−1およびA−2により形成された粘着剤層の厚みは特に限定されないが、薄すぎると、導電性金属部を有する側の導電材料表面の凹凸へ追従しきれず、導電材料積層体中に泡が入る場合があり、また厚すぎると導電材料積層体の透明性が損なわれる場合がある。よって粘着剤層の厚みは5〜200μmが好ましく、より好ましくは10〜175μmである。また、導電材料積層体の透明性の観点から、粘着剤層の全光線透過率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは95%以上である。同様の観点から、粘着剤層のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。
次に、本発明の導電材料積層体が有する導電材料について説明する。導電材料は光透過性支持体上に導電性金属部を有する。光透過性支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。導電材料積層体の透明性の観点から、光透過性支持体の全光線透過率は60%以上が好ましく、特に好ましくは70%以上である。光透過性支持体は、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、ITO等からなる導電性非金属層等の、公知の層を有していてもよい。
光透過性支持体上に導電性金属部を形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、金属およびバインダーを含有する導電性金属インキや導電性ペーストを、光透過性支持体上に印刷等の方法で付与し導電性金属部を形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、光透過性支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、硬化現像方式を用いて導電性金属部を形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、光透過性支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、直接現像方式を用いて導電性金属部を形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、光透過性支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて導電性金属部を形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、光透過性支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層し、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解メッキを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に金属を局在化させ、その後レジスト画像を除去し導電性金属部を形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、光透過性支持体上に金属膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の金属膜をエッチングして除去して導電性金属部を形成する方法、特開2012−28183号公報に開示されている方法に従い、光透過性支持体上に金属ナノワイヤーを含有する導電層を形成し、該導電層をパターニングして導電性金属部を形成する方法、等が例示できる。
光透過性支持体上の導電性金属部は金属を含有し、かつ導電性を有していればよく、金属種や金属組成、金属以外のバインダー成分の有無、導電性金属部の形状や光透過性の有無等は限定されない。導電性金属部の導電性の観点から、導電性金属部が含有する金属としては金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルおよびこれらの合金が好ましく、銀およびその合金が特に好ましい。また、本発明を構成する導電材料は、光透過性支持体上に導電性金属部以外に、ITO等からなる導電性非金属部を有していてもよい。
光透過性支持体上に導電性金属部を形成後、公知の金属表面処理を施してもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよく、特開2011−209626号公報に記載されているように硫化反応による黒化処理を施してもよい。また、銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いて導電性金属部を形成する場合、導電性金属部と粘着剤層との接着性を改善する観点から、特開2007−12404号公報に記載されているように導電性金属部表面をタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理してもよい。
本発明の導電材料積層体が有する光透過性機能材料としては、前述の導電材料や、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種光透過性樹脂からなるフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層、ITO等からなる導電性非金属層等の公知の光透過性機能層を有する材料が例示できる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<導電材料1の作製>
光透過性支持体1として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの光透過性支持体1の全光線透過率は91%であった。
光透過性支持体1として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの光透過性支持体1の全光線透過率は91%であった。
次に下記組成の物理現像核層を光透過性支持体1上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層組成/1m2あたり>
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、光透過性支持体1に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核液層の上に塗布、乾燥して、銀塩感光材料1を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た銀塩感光材料1と、ポジ型透過原稿とを密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。このようにして図1に示す導電材料1を得た。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
導電材料1においてセンサー部11、周辺配線12、端子13全てが導電性金属部に相当する。なお、導電材料1においてセンサー部11は線幅5μm、一辺の長さが300μmで狭い方の角度が60°の菱形の単位格子からなる網目状金属細線パターンによって形成されており、周辺配線12、端子13は全てベタパターン(塗りつぶしパターン)である。周辺配線12の線幅は全て20μmであり、隣接する周辺配線間の最短距離は20μmである。共焦点顕微鏡(レーザーテック(株)製、オプテリクスC130)を用いた観察の結果、センサー部11が有する網目状金属細線パターンの厚み、および周辺配線12、端子13の厚みはいずれも0.10μmであった。図1中の破線は、後ほど作製する導電材料積層体が有する粘着剤層の外縁14を示し、導電材料1上に破線は存在しない。
<導電材料2の作製>
光透過性支持体2として、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にITOからなる導電性非金属層を有するITOフィルム(東洋紡(株)製300R、厚み125μm、全光線透過率88%)を用いた。
光透過性支持体2として、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にITOからなる導電性非金属層を有するITOフィルム(東洋紡(株)製300R、厚み125μm、全光線透過率88%)を用いた。
光透過性支持体2上にネガ型のドライフィルムレジスト(旭化成(株)製SUNFORTシリーズSPG)をラミネートし、さらに水銀灯を光源とする密着プリンターで、400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介さず、ネガ型透過原稿と密着し、露光量100mJ/cm2の露光量で露光し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液中で揺動させながら40秒間現像した。続いてITO−07N(関東化学(株)製ITOエッチング液)でITOをエッチングし、水洗の後、40℃の3質量%水酸化ナトリウム水溶液で残っているレジストを剥離した。このようにして図2に示す導電材料2のセンサー部11を形成した。続いて、樹脂型銀ペースト(東洋紡(株)製DW−260H−1)をスクリーン印刷により印刷し、温風で乾燥した後、120℃で30分の加熱硬化を行い、図2に示す導電材料2の周辺配線12、端子13を形成した。
導電材料2において周辺配線12、端子13が導電性金属部に相当する。なお、導電材料2において、センサー部11、周辺配線12、端子13は全てベタパターン(塗りつぶしパターン)により構成されている。周辺配線12の線幅は全て20μmであり、隣接する周辺配線間の最短距離は20μmである。共焦点顕微鏡を用いた観察の結果、周辺配線12および端子13の厚みはいずれも3μmであった。図2中の破線は、後ほど作製する導電材料積層体が有する粘着剤層の外縁14を示し、導電材料2上に破線は存在しない。
<シート状の粘着剤組成物A−1の作製>
アクリル酸−2−メトキシエチルを62質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシルを37質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを1質量部、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学(株)製AIBN)を0.5質量部、重合用溶媒として酢酸エチルを300部、以上をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。その後、65℃に昇温して10時間撹拌して重合させ、固形分濃度25質量%の樹脂溶液を得た。
アクリル酸−2−メトキシエチルを62質量部、アクリル酸−2−エチルヘキシルを37質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを1質量部、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(大塚化学(株)製AIBN)を0.5質量部、重合用溶媒として酢酸エチルを300部、以上をセパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌した。その後、65℃に昇温して10時間撹拌して重合させ、固形分濃度25質量%の樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液100質量部(固形分換算)に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)を0.5質量部(固形分換算)添加した後、これらを均一に混合し、粘着剤組成物形成用塗液を得た。粘着剤組成物形成用塗液を厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製MRF38、剥離加工済み)の剥離加工面上に塗布し、100℃の温風で3分間加熱し乾燥させ、シート状の粘着剤組成物A−1の形態であるシート状の粘着剤組成物A−1−1(厚み50μm)を作製した。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製MRF38、剥離加工済み)の剥離加工面をシート状の粘着剤組成物A−1−1上に貼合した。
粘着剤組成物形成用塗液に対し、表1および表2に示す添加物1、添加物2を混合し、撹拌溶解したものを粘着剤組成物形成用塗液として用いた以外はシート状の粘着剤組成物A−1−1の作製と同様にしてシート状の粘着剤組成物A−1−2〜A−1−62を得た。
<液状の粘着剤組成物A−2の作製>
アクリル系オリゴマー(ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL230)を60質量部、アクリル酸ドデシルを35質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを5質量部、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの質量比1:1混合物(BASFジャパン(株)製IRGACURE500)を1質量部、以上を混合して液状の粘着剤組成物A−2の形態である液状の粘着剤組成物A−2−1を得た。
アクリル系オリゴマー(ダイセル・オルネクス(株)製EBECRYL230)を60質量部、アクリル酸ドデシルを35質量部、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルを5質量部、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの質量比1:1混合物(BASFジャパン(株)製IRGACURE500)を1質量部、以上を混合して液状の粘着剤組成物A−2の形態である液状の粘着剤組成物A−2−1を得た。
液状の粘着剤組成物A−2−1に対し、表3に示す添加物1、添加物2を混合し、撹拌溶解した以外は液状の粘着剤組成物A−2−1の作製と同様にして液状の粘着剤組成物A−2−2〜A−2−9を得た。
<導電材料積層体の作製>
シート状の粘着剤組成物A−1−1を、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムとともに裁断し、裁断後に一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。次に、導電材料1上の、図1で示した外縁14で囲まれた領域に対しシート状の粘着剤組成物A−1−1を貼合した。次に、シート状の粘着剤組成物A−1−1の残る一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して粘着剤層とした。さらに粘着剤層上に光透過性機能材料として無アルカリガラス(コーニングジャパン(株)製イーグル2000)を貼合し、導電材料積層体1を得た。
シート状の粘着剤組成物A−1−1を、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムとともに裁断し、裁断後に一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。次に、導電材料1上の、図1で示した外縁14で囲まれた領域に対しシート状の粘着剤組成物A−1−1を貼合した。次に、シート状の粘着剤組成物A−1−1の残る一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して粘着剤層とした。さらに粘着剤層上に光透過性機能材料として無アルカリガラス(コーニングジャパン(株)製イーグル2000)を貼合し、導電材料積層体1を得た。
導電材料積層体1の作製において用いたシート状の粘着剤組成物A−1−1に代えて、前記した表1および表2に示すシート状の粘着剤組成物A−1−2〜A−1−62を用いた以外は導電材料積層体1の作製と同様にして、導電材料積層体2〜62を得た。また、前記した導電材料2上の、図2で示した外縁14で囲まれた領域に対し、シート状の粘着剤組成物A−1−1、A−1−2、A−1−9、A−1−25、A−1−26、A−1−28、A−1−29、A−1−30、およびA−1−31を貼合した以外は導電材料積層体1の作製と同様にして、導電材料積層体63〜71を得た。
導電材料1上の、図1で示した外縁14で囲まれた領域に対し、液状の粘着剤組成物A−2−1を50μmの厚さに塗布し、100℃の温風で2分間加熱した後、無アルカリガラス(コーニングジャパン(株)製イーグル2000)で塗布物を挟んだ。次に、高圧水銀灯(出力80W/cm)2灯で照度200mW/cm2の紫外線を照射し、光量で5000mJ/cm2照射されるまで継続し、液状の粘着剤組成物A−2−1を重合させ粘着剤層とし、導電材料積層体72を得た。
導電材料積層体72の作製において用いた液状の粘着剤組成物A−2−1に代えて、液状の粘着剤組成物A−2−2〜A−2−9を用いた以外は導電材料積層体72の作製と同様にして、導電材料積層体73〜80を得た。
<抵抗値が変化した積層体数>
上記した手順を繰り返し、導電材料積層体1〜80をそれぞれ30枚用意した。全ての導電材料積層体について、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し初期抵抗値とした。次に、全導電材料積層体の全端子をマスキングテープにより一時的に封止したうえで、JIS−Z2371に準じ、スガ試験機(株)製塩水噴霧試験装置内に入れ、72時間の中性塩水噴霧試験を実施した。試験に使用した塩化ナトリウム水溶液の塩化ナトリウム濃度は50g/L、試験時の水温は35℃であった。試験後、全ての導電材料積層体の全端子からマスキングテープを剥離し、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し、初期抵抗値からの抵抗値変化率(単位:%)を算出した。全ての導電材料積層体について、1端子間でも抵抗値変化率が±10%を超えたものの枚数を数えた。結果を表4および表5に示す。
上記した手順を繰り返し、導電材料積層体1〜80をそれぞれ30枚用意した。全ての導電材料積層体について、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し初期抵抗値とした。次に、全導電材料積層体の全端子をマスキングテープにより一時的に封止したうえで、JIS−Z2371に準じ、スガ試験機(株)製塩水噴霧試験装置内に入れ、72時間の中性塩水噴霧試験を実施した。試験に使用した塩化ナトリウム水溶液の塩化ナトリウム濃度は50g/L、試験時の水温は35℃であった。試験後、全ての導電材料積層体の全端子からマスキングテープを剥離し、設計上導通している左右の端子間での抵抗値を全端子間について測定し、初期抵抗値からの抵抗値変化率(単位:%)を算出した。全ての導電材料積層体について、1端子間でも抵抗値変化率が±10%を超えたものの枚数を数えた。結果を表4および表5に示す。
表4および表5の結果から、本発明の有効性が判る。
11 センサー部
12 周辺配線
13 端子
14 外縁
12 周辺配線
13 端子
14 外縁
Claims (2)
- ヨウ素および/または無機ヨウ化物と、下記一般式X−1〜X−6で表される化合物群から選択される少なくとも1種の含窒素複素環式化合物と、樹脂および/または樹脂前駆体とを少なくとも含有する粘着剤組成物。
- 光透過性支持体上に導電性金属部を有する導電材料の、該導電性金属部を有する側の面に、請求項1記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層と、光透過性機能材料とを少なくともこの順で有する導電材料積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015201026A JP2017071731A (ja) | 2015-10-09 | 2015-10-09 | 粘着剤組成物および導電材料積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015201026A JP2017071731A (ja) | 2015-10-09 | 2015-10-09 | 粘着剤組成物および導電材料積層体 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2015201026A Pending JP2017071731A (ja) | 2015-10-09 | 2015-10-09 | 粘着剤組成物および導電材料積層体 |
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-
2015
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