JP2020021403A - 工事記録用プログラムおよび電線工事記録方法 - Google Patents

工事記録用プログラムおよび電線工事記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工事の記録のために従来用いられていた黒板やスケールに替えて用いられる携帯端末を制御するための工事記録用プログラムおよびこの携帯端末を用いて行われる電線工事記録方法を提供する。【解決手段】工事現場の状況を記録するために用いられるものであって、工事の対象物を撮影する撮影部と、撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、操作入力を受け付ける入力部と、を有する携帯端末に、工事についての情報の入力を受け付ける工事情報入力受付ステップと、入力部への操作入力に応じて、撮影部により対象物を撮影して画像を取得し表示部に表示する撮影ステップと、画像内にARマーカが存在するか否かを検出するマーカ検出ステップと、ARマーカが存在する場合にその位置および姿勢を算出する算出ステップと、ARマーカの位置および姿勢に応じて画像にスケールを重ねて表示部に表示するスケール表示ステップと、を実行させる。【選択図】図1

Description

本発明は、工事現場の状況を記録するために用いられる携帯端末を制御するための工事記録用プログラムおよびこの携帯端末を用いて行われる電線工事記録方法に関する。
従来、工事現場において、工事が適正に行われたことを確認するための記録写真撮影が行われている。この際、写真には、工事の対象物に併せて、工事の件名、日付、施工者などの情報を記載した黒板や、対象物の大きさを表すためのスケール(物差し、メジャー)を写し込むことが一般的である。このような記録写真撮影に用いるためのものとして、たとえば特許文献1に示すような黒板が提案されている。これは、黒板にスケールを装着してあり、さらに黒板に固定支持棒を設けたものであって、固定支持棒により黒板を対象物に固定することで、対象物に併せて黒板とスケールを写し込むことができるものである。
登録実用新案第3113327号公報
しかしながら、このように黒板やスケールを設置して撮影を行うことは、手間と時間がかかるものであった。また、工事完了後には、写真に写った黒板の記載内容を読み取って報告書に転記しなければならず、この作業にも手間と時間がかかり、その過程で誤記をするおそれもあった。そして、黒板に記載した事項を転記するので、二度手間になっていた。さらに、このような黒板やスケールは、撮影された写真において文字や数字が判読できなければならないので、ある程度以上大きなものでなければならなかった。よって、これらを運搬したり撮影時に保持したりすることは、労力を要するものであった。
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、工事の記録のために従来用いられていた黒板やスケールに替えて用いられる携帯端末を制御するための工事記録用プログラムおよびこの携帯端末を用いて行われる電線工事記録方法を提供することを目的とする。
本発明のうち請求項1の発明(工事記録用プログラム)は、工事現場の状況を記録するために用いられるものであって、工事の対象物を撮影する撮影部と、該撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、操作入力を受け付ける入力部と、を有する携帯端末に、工事についての情報の入力を受け付ける工事情報入力受付ステップと、前記入力部への操作入力に応じて、前記撮影部により対象物を撮影して画像を取得し前記表示部に表示する撮影ステップと、前記画像内にARマーカが存在するか否かを検出するマーカ検出ステップと、前記ARマーカが存在する場合にその位置および姿勢を算出する算出ステップと、前記ARマーカの位置および姿勢に応じて前記画像にスケールを重ねて前記表示部に表示するスケール表示ステップと、を実行させることを特徴とする。ここで、工事についての情報とは、工事の件名、日付、施工者、場所、対象物など(一例であり、必ずしもこれらを含んでいなくてもよい)、当該工事を他の工事と区別するための情報である。また、スケールとは、表示部に表示される帯状のものであって、長手方向にわたって等間隔に並んだ目盛と、ある目盛を原点としてそこから所定目盛数ごとに増加する数字とを付されたものである。
本発明のうち請求項2の発明は、前記携帯端末に、表示するスケールの種別を選択するスケール選択ステップを実行させることを特徴とする。ここで、スケールの種別とは、目盛・数字の付し方やスケールの形状によって区別されるものである。目盛・数字の付し方には、たとえば、スケールの端部に原点がありそこから1方向に数字が増加していくものや、スケールの中央に原点がありそこから両方向に数字が増加していくものなどがある。また、スケールの形状には、直線状のもの、湾曲したもの、屈曲したものなどがある。そして、スケールの種別を選択するとは、携帯端末が、想定される全ての種別のスケールの中から、種々の情報に基づき1つのスケールを選択する場合、携帯端末が、想定される全ての種別のスケールの中から、種々の情報に基づき複数のスケールを選択肢として、作業者による選択入力を受け付ける場合、携帯端末が、想定される全ての種別のスケールを選択肢として、作業者による選択入力を受け付ける場合の、全ての場合を含む。さらに、ここでいう選択入力とは、表示部に並んで表示されたスケールの中から1つを選択する場合、表示部に表示されたスケールを切り替える場合の、両方の場合を含む。
本発明のうち請求項3の発明は、前記スケールが1方向へ延びるものであり、前記携帯端末に、前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記スケールを、その延びる方向を反転して表示させるスケール反転ステップを実行させることを特徴とする。ここで、スケールの延びる方向とは、スケールの長手方向であって付された数字が増加する方向である。
本発明のうち請求項4の発明は、前記携帯端末に、前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記スケールを任意の位置に移動して表示させるスケール移動ステップと、前記操作入力終了後に、移動した前記スケールの前記ARマーカに対する相対位置を固定するスケール固定ステップと、を実行させることを特徴とする。
本発明のうち請求項5の発明(電線工事記録方法)は、送電鉄塔上で行われる電線工事の記録方法であって、携帯端末と、ARマーカと、を用いるものであり、前記携帯端末は、工事の対象物を撮影する撮影部と、該撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、を有するものであって、前記撮影部により対象物とともに前記ARマーカを写し込むと、前記ARマーカの位置および姿勢に応じて前記画像にスケールを重ねて前記表示部に表示されるものであり、前記携帯端末の前記撮影部により、工事の対象物を、前記ARマーカを写し込ませて撮影する撮影工程を備えることを特徴とする。なお、撮影工程は、工事終了前後のどちらかまたは両方で行われるものである。
本発明のうち請求項6の発明(電線工事記録方法)は、被覆部材に電線を挿入して外周側から圧縮する工事の記録方法であって、携帯端末と、ARマーカと、を用いるものであり、前記携帯端末は、工事の対象物を撮影する撮影部と、該撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、を有するものであって、前記撮影部により対象物とともに前記ARマーカを写し込むと、前記ARマーカの位置および姿勢に応じて前記画像にスケールを重ねて前記表示部に表示されるものであり、前記携帯端末に前記被覆部材の長さの圧縮前の値および前記被覆部材の端部と前記電線の所定の基準位置との間の長さである基準値の圧縮前の値を入力する圧縮前値入力工程と、前記携帯端末の前記撮影部により、前記被覆部材を、前記ARマーカを写し込ませて撮影する撮影工程と、前記被覆部材の長さの圧縮後の値および前記基準値の圧縮後の値を測定する実測工程と、前記携帯端末に前記被覆部材の長さの圧縮後の値および前記基準値の圧縮後の値を入力する圧縮後値入力工程と、を備えることを特徴とする。なお、撮影工程は、被覆部材の圧縮前後のどちらかまたは両方で行われるものである。
本発明のうち請求項1の発明によれば、従来黒板に記載していた工事についての情報は、携帯端末に入力されるので、黒板は不要である。また、スケールは、ARマーカに応じて携帯端末の表示部に表示されるので、実物のスケールも不要である。よって、黒板やスケールの設置をする必要がなく、手間や時間がかからず容易に撮影を行うことができる。また、工事についての情報は携帯端末に入力されるので、後から情報を転記する必要がなく、手間や時間がかからず、誤記のおそれもない。そして、工事記録のために必要なものは、携帯端末とARマーカのみとなるので、運搬したり撮影時に保持したりすることも容易である。
本発明のうち請求項2の発明によれば、工事の内容(対象物の形状など)に応じて表示するスケールの種別が選択される(携帯端末が選択する場合と作業者が選択する場合の両方がある)ので、記録写真(画像)がより分かりやすいものとなる。スケールが実物であれば、何種類ものスケールを用意しなければならず、その取り扱いに手間がかかるが、本発明のスケールは仮想的に表示されるものであるから、そのような手間もかからない。
本発明のうち請求項3の発明によれば、撮影された対象物に応じて、容易にスケールの延びる方向を切り替えることができる。よって、対象物の撮影方向が制限される場合であっても、撮影された対象物の向きに応じてスケールの延びる方向を切り替えれば、記録写真(画像)がより分かりやすいものとなる。
本発明のうち請求項4の発明によれば、基本的にスケールはARマーカの位置に表示されるものであるが、現場の状況によっては、スケールを表示させたい最適な場所にARマーカを保持できない場合もある。そのような場合でも、表示部上において容易にスケールの位置を調整できる。そして、スケールを移動させた後は、ARマーカに対する相対位置が固定されるので、さらに携帯端末の向きや位置を変えて撮影のアングルなどを調整できる。
本発明のうち請求項5の発明によれば、送電鉄塔上で行われる電線工事において、従来用いられていた黒板やスケールを要することなく、携帯端末とARマーカによって容易かつ安全に記録作業を行うことができる。すなわち、携帯端末とARマーカは、従来の黒板とスケールに比べて小さいもので済むので、足場の悪い送電鉄塔上においても、持ち運びが容易で安全である。そして、ARマーカを対象物の位置に合わせて保持して、携帯端末によりそのARマーカを写し込んで対象物を撮影すればよいので、従来のように大きな黒板やスケールを保持する必要がなく、撮影作業も容易で安全である。
本発明のうち請求項6の発明によれば、被覆部材に電線を挿入して外周側から圧縮する工事において、従来用いられていた黒板やスケールを要することなく、携帯端末とARマーカによって容易かつ安全に記録作業を行うことができる。そして、被覆部材は、圧縮することで長くなるものであり、基準値は被覆部材が長くなることにより逆に短くなるものであるから、圧縮前後の被覆部材の長さおよび圧縮前後の基準値を記録することで、圧縮が確実に行われたことが確認できる。このように、スケールが表示された被覆部材の画像と、圧縮前後の各数値を併せて記録しておくことで、記録の信頼性が高いものとなる。
本発明の工事記録用プログラムのフローチャートである。 (a)〜(d)は、電線接続工事(電線を送電鉄塔に接続する場合)の説明図である。 携帯端末のハードウェア構成図である。 携帯端末の表示部に表示される工事件名選択画面である。 携帯端末の表示部に表示される工事内容選択画面である。 携帯端末の表示部に表示される撮影画面である。 携帯端末の表示部に表示される圧縮後値入力画面である。 携帯端末の表示部に表示される圧縮後値入力画面であって、警告が重ねて表示された状態を示す。 報告書を示す説明図である。 (a)〜(d)は、電線接続工事(電線同士を接続する場合)の説明図である。 (a)〜(d)は、対象物に応じて表示されたスケールを示す説明図である。
以下、本発明の具体的な内容について説明する。本発明の工事記録用プログラムにより制御される携帯端末およびARマーカは、種々の工事において用いることができるものであるが、ここでは、送電鉄塔上において電線を接続する工事において用いる場合を示す。
まず、その工事の内容について説明する。電線を新設または交換して送電鉄塔に接続する際、電線の端部にクランプ(被覆部材)を取り付ける。
電線には様々な種類のものがあるが、ここでは鋼心アルミより線(ACSR)の場合を示す。図2(a)に示すように、電線1は、中心部の鋼心線2と、その外周部のアルミより線3からなる。そして、この電線1の端部において、アルミより線3がはがされて、鋼心線2が突出した状態となっている。なお、鋼心線2の端部から所定長さの位置に着色して内側挿入印21を付してある。また、アルミより線3の端部から所定長さの位置に着色して外側挿入印31を付してあり、さらに外側挿入印31から所定長さの位置に着色して補助印32を付してある。
クランプは、内周側に位置する鋼クランプ4と、外周側に位置するアルミクランプ5の2部材からなる。図2(a)に示すように、鋼クランプ4は、棒状のものであって、一方の端面に挿入穴41を形成してあり、他方の端部に送電鉄塔に設けた碍子金物と接続するための接続孔42を形成してある。一方、アルミクランプ5は、鋼クランプ4よりも長くて太い筒状のものである。
そして、電線1に鋼クランプ4およびアルミクランプ5を取り付ける具体的な手順は、以下のとおりである。
1.図2(a)に示すように、電線1の端部をアルミクランプ5に挿入して貫通させる。
2.鋼心線2の端部を鋼クランプ4の挿入穴41に挿入する。ただし、鋼心線2を挿入する長さは、端部から内側挿入印21までである。この長さを、挿入長Tとする。また、鋼クランプ4の挿入穴41側の端部(内側挿入印21)からアルミより線3の端部までの長さを基準値aとし、鋼クランプ4の全長(接続孔42部分を除く)をlとする。
3.図2(b)に示すように、鋼心線2を挿入した状態の鋼クランプ4を、外周側から圧縮する。これにより、鋼心線2と鋼クランプ4を一体にする。そして、鋼クランプ4を圧縮して塑性変形させることにより、圧縮前と比較して圧縮後の全長lは長くなり、基準値bは短くなる。
4.図2(c)に示すように、アルミクランプ5を電線1の端部側へ移動させ、アルミより線3と鋼クランプ4に跨って被せた状態とする。この際、アルミクランプ5のアルミより線3側の端部を、外側挿入印31に合わせる。ただし、アルミクランプ5のアルミより線3側の端部(外側挿入印31)から補助印32までの長さを基準値cとし、アルミクランプ5の全長をLとする。
5.図2(d)に示すように、アルミより線3および鋼クランプ4を挿入した状態のアルミクランプ5を、外周側から圧縮する。これにより、アルミより線3および鋼クランプ4とアルミクランプ5を一体にする。そして、アルミクランプ5を圧縮して塑性変形させることにより、圧縮前と比較して圧縮後の全長Lは長くなり、基準値dは短くなる。
このようにして、電線1に鋼クランプ4およびアルミクランプ5を取り付けるものであり、これらの工程が確実に行われたことを確認するために、挿入長T、圧縮前後の鋼クランプ4の全長l,lおよび基準値a,b、圧縮前後のアルミクランプ5の全長L,Lおよび基準値c,dの各数値は記録しておく。
また、この電線にクランプを取り付ける工事以外に、たとえばジャンパ線にジャンパソケットを取り付ける工事も行われるが、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、本発明の工事記録用プログラムにより制御される携帯端末について説明する。この携帯端末10は、スマートフォンまたはタブレットからなるものであり、図3のハードウェア構成図に示すように、工事の対象物を撮影する撮影部としてのカメラ11、カメラ11により撮影された画像やその他の画像を表示する表示部としてのディスプレイ12、操作入力を受け付ける入力部としてのタッチパネル13、プログラムの命令を順番に実行するCPU14、プログラムやその他のデータなどを保存しておく記憶装置(メモリ)15、インターネットに接続するための通信装置16を備えている。ディスプレイ12とタッチパネル13とは、一体に形成されており、ディスプレイ12に表示されるボタンが、タッチパネル13により入力部として機能する。また、入力部として、タッチパネル13の他に機械的なボタンなどの操作機構を有していてもよい。なお、携帯端末は、屋外で用いられる場合が多いので、防水機能を有することが望ましい。
次に、上記の携帯端末と組み合わせて用いられるARマーカについて説明する。そもそも、ARとは、「Augmented Reality=拡張現実」の略であり、現実の風景に仮想的な画像を重ねて表示することで、現実を仮想的に拡張するものである。そして、ARマーカは、後述するように、携帯端末のカメラに写し込ませて、本発明の工事記録用プログラムにより、その位置や姿勢を認識させるための図(画像)であり、仮想的な画像を表示するための基準となるものである。一般に、ARシステムにおけるARマーカは、図形、画像、写真など、どのようなものであってもよいが、ここでは、様々な背景の中でも認識されやすい白黒の二次元コードを用いるものとし、より具体的には、正方形の二次元コードを2つ並べて長方形状にしたものとする。また、その大きさは必ずしも限定されないが、携帯端末と略同じ大きさの樹脂板からなるもの(樹脂板の表面に、二次元コードを印刷したもの、または二次元コードを印刷したシールを貼ったもの)とすれば、携帯端末と一緒に持ち運ぶ際に都合がよく、また耐水性もあるので望ましい。
次に、本発明の工事記録用プログラムの具体的内容について説明する。図1に示すのは、このプログラムの処理の流れを表すフローチャートである。携帯端末にはこのプログラム(アプリ)がインストールされており、プログラムを起動することで、各処理が順次実行される。
まず、プログラムは、携帯端末に工事情報入力受付ステップS1を実行させる。工事情報入力受付ステップS1では、工事についての情報の入力が受け付けられる。ここで、工事についての情報とは、工事の件名、施工者、送電線の線路名、鉄塔番号、工事の対象物(クランプ、ジャンパソケットなど)などである。ただし、これらの工事についての情報は、事前に携帯端末とは別のパーソナルコンピュータにおいて、表計算ソフトなどを用いて入力されるものであり、その入力されたデータが、電子メールなどの手段を用いて携帯端末へと伝送されて入力され、記憶装置に保存されるものである。このようにすることで、携帯端末に直接入力するよりも、効率的に情報を入力できる。
また、工事情報入力受付ステップS1は、圧縮前値入力受付ステップS2を含むものである。圧縮前値入力受付ステップS2では、圧縮作業を行う前の各数値の入力が受け付けられるものであり、たとえば工事の対象物が鋼クランプであれば、挿入長T、圧縮前の鋼クランプの全長lおよび圧縮前の基準値aであり、工事の対象物がアルミクランプであれば、圧縮前のアルミクランプの全長Lおよび圧縮前の基準値cである。これらは予め決まった値であるから、パーソナルコンピュータにおいて工事の対象物に併せて入力され(作業者が入力するものであってもよいし、対象物に応じて予め設定された値が自動的に入力されるものであってもよい)、携帯端末へと伝送されて入力される。
そして、これらの工事についての情報が入力されると、図4に示すように、携帯端末のディスプレイに工事件名選択画面100が表示される。工事件名選択画面100では、施工中の工事件名101が並んでおり、工事件名101部分を指やスタイラスでタッチすると、プログラムは、携帯端末に工事内容選択受付ステップS3を実行させて、画面が図5に示す工事内容選択画面200に切り替わる。工事内容選択画面200は、選択した工事の詳細が表示されるものであり、より詳しくは、工事件名201、線路名202、鉄塔番号203、回線(1L、2L)204、対象物205、相区分(上相、中相、下相)206が表示される。これらのうち、線路名202、鉄塔番号203、回線204および対象物205は、それぞれの部分をタッチすると選択肢が表示される。この選択肢は、先の工事情報入力受付ステップS1において入力された情報に基づくものである。これらの選択肢から、記録の対象となる工事の内容を選択できるものであり、その選択が受け付けられ、記憶装置に保存される。
次に、プログラムは、携帯端末にスケール選択ステップS4を実行させる。スケール選択ステップS4では、先の工事内容選択受付ステップS3において選択された工事の内容(延いては工事情報入力受付ステップS1において入力された工事についての情報)の中の対象物の情報に応じて、後に表示されるスケールの種別が選択される。すなわち、対象物の形状は予め分かっているので、対象物の形状に合わせた形状のスケールを選択するものである。なお、この時点では、選択されたスケールについての情報はディスプレイに表示されない。対象物が、上記の鋼クランプ、アルミクランプまたはジャンパソケットである場合には、直線状で1方向へ延びるスケールが選択されるが、詳細は後述する。また、別形状のスケールについても後述する。
次に、工事内容選択画面200において、3つの相区分206のうち記録の対象となる相を選択してタッチすると、プログラムは、携帯端末に撮影ステップS5を実行させる。撮影ステップS5では、カメラが起動して、図6に示すように、ディスプレイに撮影画面300が表示される。撮影画面300では、カメラで撮影された撮影画像301が表示されるとともに(図6では、圧縮後のアルミクランプ5を写した状態を示している)、撮影画像301の周囲の部分に、シャッターボタン302、ズームイン・ズームアウトボタン303、明るさ調整ボタン304など、一般的なデジタルカメラと同様の機能を発揮するためのボタンが表示される。さらに、後述のスケール反転ステップS9において機能する反転ボタン305が、撮影画面300の右上部に表示され、後述のスケール角度調整ステップS10において機能する角度調整ボタン306が、撮影画像301の両側に2つ表示される。
次に、プログラムは、携帯端末にマーカ検出ステップS6を実行させる。マーカ検出ステップS6では、カメラにより撮影された画像内にARマーカが存在するか否かを検出する。ARマーカが存在しなければ、検出が繰り返される。
そして、マーカ検出ステップS6において画像内にARマーカが存在した場合、プログラムは、携帯端末に算出ステップS7を実行させる。算出ステップS7では、二次元コードからなるARマーカの位置および姿勢を算出する。具体的な算出方法は、既知の方法によるものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、プログラムは、携帯端末にスケール表示ステップS8を実行させる。スケール表示ステップS8では、算出ステップS7において算出されたARマーカMの位置および姿勢に応じて、撮影画像301に重ねてディスプレイにスケールSを表示する。図6では、アルミクランプ5に隣接させたARマーカMが写し込まれており、このARマーカMの位置にスケールSが表示されている。スケールSは、直線状かつ帯状のものであって、長手方向にわたって等間隔に並んだ目盛と、ある目盛を原点としてそこから所定目盛数ごとに増加する数字とを付されたものである。スケールSの原点は、ARマーカMの中心に位置しており、長方形状のARマーカMの長辺方向と、スケールSの長手方向が一致していて、スケールSは長手方向の1方向へ延びている(数字が増加している)。図6では、スケールSは左側から右側へ延びている(ただし、原点の左側にも数字を付してある)。また、スケールSには原点を指し示す矢印Saが付与されており、撮影画像301上において原点の位置がより分かりやすくなっている。
なお、図11(a)は、対象物であるアルミクランプ5及び電線1とスケールSを抜き出したものであって、望ましい撮影状態を示すものである。アルミクランプ5の端部にスケールSの原点を合わせてあり、その端部からアルミクランプ5および電線1が延びる方向に、スケールSの延びる方向を一致させてある。
次に、プログラムは、携帯端末にスケール反転ステップS9を実行させる。スケール反転ステップS9では、ディスプレイに表示された反転ボタン305をタッチすることで、ディスプレイに表示されたスケールSを、その延びる方向を反転して表示させる。たとえば、図6においてスケールSは左側から右側へ延びている(数字が増加している)が、ここで反転ボタン305をタッチすると、原点の位置は変わらないまま、スケールSが右側から左側へ延びる向きとなる。さらに、もう一度反転ボタン305をタッチすると、元の向きに戻ることになる。撮影された対象物の向きに応じて、適宜スケールSを反転させることで、画像がより分かりやすいものとなるが、元の状態で分かりやすければ、スケール反転ステップS9は実行させなくてもよい。
なお、図11(b)は、図11(a)の場合に対して、アルミクランプ5および電線1の向きが逆であり、それに合わせてスケールSを反転させた場合を示すものである。
次に、プログラムは、携帯端末にスケール角度調整ステップS10を実行させる。スケール角度調整ステップS10では、ディスプレイに表示された角度調整ボタン306をタッチすることで、ディスプレイに表示されたスケールSを、その延びる方向の水平方向に対する角度を変更して表示させる。たとえば、図6においてスケールSは左下がりに傾斜しているが、ここで左側の角度調整ボタン306をタッチすると、スケールSは反時計回りに僅かに回転して、水平方向に対する傾斜角度が大きくなる。また、右側の角度調整ボタン306をタッチすると、スケールSは時計回りに僅かに回転して、水平方向に対する傾斜角度が小さくなる。撮影された対象物の傾きに応じて、適宜スケールSの角度調整をすることで、画像がより分かりやすいものとなるが、元の状態で分かりやすければ、スケール角度調整ステップS10は実行させなくてもよい。
次に、プログラムは、携帯端末にスケール移動ステップS11を実行させる。スケール移動ステップS11では、ディスプレイに表示されたスケールSにタッチしてそのままドラッグする(スライドさせる)ことで、ディスプレイ上においてスケールSを任意の位置に移動させる。そして、その操作入力を終了させる、すなわちタッチしていた指やスタイラスを離すと、プログラムは、携帯端末にスケール固定ステップS12を実行させる。スケール固定ステップS12では、スケール移動ステップS11でディスプレイ上において移動されたスケールSのARマーカMに対する相対位置を固定する。よって、その後に携帯端末を動かして、ディスプレイ上におけるARマーカMの位置が移動すると、スケールSはARマーカMに対する相対位置が変わらないまま移動する。なお、もう一度スケールSにタッチすれば、再びプログラムは携帯端末にスケール移動ステップS11を実行させることになり、スケールSを移動させることができる。撮影された対象物の位置に応じて、適宜スケールSを移動させることで、画像がより分かりやすいものとなるが、元の状態で分かりやすければ、スケール移動ステップS11およびスケール固定ステップS12は実行させなくてもよい。
そして、ディスプレイに表示されたシャッターボタン302をタッチすると、プログラムは、携帯端末に画像保存ステップS13を実行させる。画像保存ステップS13では、シャッターボタン302をタッチしたときにディスプレイに表示されていた撮影画像301(スケールSが重ねて表示されたもの)を、記憶装置に保存する。なお、保存される画像データのファイル名や保存フォルダ名は、鉄塔番号、電線の相や工事の対象物に基づいて自動的に生成される。
次に、プログラムは、携帯端末に圧縮後値入力受付ステップS14を実行させる。圧縮後値入力受付ステップS14では、圧縮作業を行った後の各数値の入力が受け付けられるものであり、たとえば工事の対象物が鋼クランプであれば、圧縮後の鋼クランプの全長lおよび圧縮後の基準値bであり、工事の対象物がアルミクランプであれば、圧縮後のアルミクランプの全長Lおよび圧縮後の基準値dである。これらは圧縮作業後に折尺などを用いて実測されるものである。圧縮後値入力受付ステップS14が実行されると、図7に示すように、カメラが停止され、画面が撮影画面300から圧縮後値入力画面400に切り替わる。圧縮後値入力画面400には、鉄塔番号、回線、相区分などの工事情報401、対象物(クランプ、ジャンパソケットなど)402が表示される。図7に示すのは、対象物402がアルミクランプの場合であり、さらに、先の圧縮前値入力受付ステップS2において入力された、圧縮前のアルミクランプの全長Lおよび圧縮前の基準値cが表示される。そして、それらの圧縮前値に並んで、圧縮後のアルミクランプの全長Lおよび圧縮後の基準値dの入力欄403が表示される。この入力欄403にタッチして、実測された値を直接入力するものである。さらに、圧縮後値入力画面400には、登録ボタン404と戻るボタン405が表示されている。戻るボタン405をタッチすると、画面が圧縮後値入力画面400から撮影画面300に切り替わる。
そして、入力欄403に値を入力後に、登録ボタン404をタッチすると、プログラムは、携帯端末に比較ステップS15を実行させる。比較ステップS15では、被覆部材(鋼クランプ、アルミクランプ、ジャンパソケットなど)の長さの圧縮前の値と圧縮後の値および基準値の圧縮前の値と圧縮後の値をそれぞれ比較する。そして、被覆部材の長さの圧縮後の値が圧縮前の値より大きくかつ基準値の圧縮後の値が圧縮前の値より小さい場合に、正常(OK)と判断し、被覆部材の長さの圧縮後の値が圧縮前の値より小さい場合および/または基準値の圧縮後の値が圧縮前の値より大きい場合に、異常(NG)と判断する。すなわち、鋼クランプの場合、l>l(圧縮前後の全長)および/またはa<b(圧縮前後の基準値)であればNGとなる。また、アルミクランプの場合、L>L(圧縮前後の全長)および/またはc<d(圧縮前後の基準値)であればNGとなる。判断結果がOKであれば、それらの入力値がそのまま受け付けられ、記憶装置に保存される。
そして、比較ステップS15において判断結果がNGであれば、プログラムは、携帯端末に警告表示ステップS16を実行させる。警告表示ステップS16では、図8に示すように、圧縮後値入力画面400に重ねて、入力された圧縮後値の値が異常であることを知らせる警告406が表示される。警告内容は、「全長が小さくなった」または「基準値が大きくなった」の何れかである。そして、警告406とともに、入力値が正しいか否かを問う返答ボタン407が表示される。返答ボタン407は「はい」と「いいえ」からなり、入力値が間違っていた場合、「いいえ」をタッチすれば、警告406および返答ボタン407は消え、再度圧縮後値入力画面400において圧縮後値を入力できるようになる。一方、何らかの事情により、異常と判断されるものであっても入力値が正しい場合、「はい」をタッチすれば、それらの入力値がそのまま受け付けられ、記憶装置に保存される。
次に、プログラムは、携帯端末にバックアップステップS17を実行させる。バックアップステップS17では、通信装置によりインターネットに接続し、撮影画像のデータおよび入力された各数値のデータを、インターネット上のクラウドサーバに保存する。ただし、携帯端末がインターネットに接続できない状態である場合(電波が届かない場所にある場合など)、接続できる状態になった時点で、自動的にバックアップステップS17が実行される。
以上で、1件の工事について、記録のために必要な画像の撮影および数値の入力が完了し、プログラムの一連の処理が終了する。他の工事が残っている場合には、図5に示す工事内容選択画面200または図4に示す工事件名選択画面100を表示させて、適宜工事内容または工事件名を選択して、上記と同様に撮影および数値の入力を繰り返す。
なお、クラウドサーバに保存されたデータには、携帯端末とは別のパーソナルコンピュータからもアクセスできる。そして、パーソナルコンピュータによりデータが取り込まれて、図9に示すような様式の報告書500が表計算ソフトなどを用いて自動的に作成される。報告書500は、左側に工事の対象物の撮影画像501を表示し、右側に対応する工事情報502(工事件名、施工者、対象物、線路名、回線、相区分、圧縮前の各数値、圧縮後の各数値など)を表示したものである。そして、図9の報告書は、上記のクランプの取付工事のものであり、上段の画像は圧縮前の鋼クランプを写したもの、中段の画像は圧縮後の鋼クランプを写したもの、下段の画像は圧縮後のアルミクランプを写したものとなっている。
次に、上記の工事記録用プログラムにより制御される携帯端末およびARマーカを用いた、被覆部材(クランプ、ジャンパソケットなど)に電線を挿入して外周側から圧縮する工事の記録方法について、その工程を説明する。
(1)工事情報入力工程(圧縮前値入力工程を含む)
事務所などにおいて、パーソナルコンピュータから、工事についての情報(工事の件名、施工者、送電線の線路名、鉄塔番号、工事の対象物など)を入力する。また、被覆部材の長さの圧縮前の値および被覆部材の端部と電線の所定の基準位置との間の長さである基準値の圧縮前の値も併せて入力する。入力されたデータは、電子メールによって携帯端末へと伝送されて入力される。
(2)撮影工程
現場において、被覆部材の圧縮作業の前後に、携帯端末のカメラにより、被覆部材を撮影する。この際、1人の作業者が携帯端末を持ち、もう1人の作業者がARマーカを持って被覆部材に合わせた位置に保持する。カメラによりARマーカを写し込ませることで、携帯端末のディスプレイにはスケールが表示されるので、スケールが図11(a)に示すような位置および姿勢となるように、ARマーカの位置を調整する。また、足場が悪いなどの理由により、ARマーカを適切な位置に保持できない場合には、携帯端末のディスプレイ上において、スケールを反転、移動または角度調整する。
(3)実測工程
折尺などを用いて、被覆部材の長さの圧縮後の値および基準値の圧縮後の値を実測する。
(4)圧縮後値入力工程
携帯端末に、実測した被覆部材の長さの圧縮後の値および基準値の圧縮後の値を入力する。入力値のデータおよび撮影工程において撮影された画像のデータは、自動的にインターネット上のクラウドサーバに保存される。
(5)報告書作成工程
事務所などにおいて、パーソナルコンピュータでクラウドサーバに保存されたデータを取り込み、自動的に報告書が作成されるので、これを出力する。
このような工事記録用プログラムにより制御される携帯端末を用いれば、従来黒板に記載していた工事についての情報は、携帯端末に入力されるので、黒板は不要である。また、スケールは、ARマーカに応じて携帯端末のディスプレイに表示されるので、実物のスケールも不要である。よって、黒板やスケールの設置をする必要がなく、手間や時間がかからず容易に撮影を行うことができる。また、工事についての情報は携帯端末に入力されるので、後から情報を転記する必要がなく、手間や時間がかからず、誤記のおそれもない。そして、工事記録のために必要なものは、携帯端末とARマーカのみとなるので、運搬したり撮影時に保持したりすることも容易である。また、撮影された対象物に応じて、容易にスケールの延びる方向の切り替えや角度調整をすることができる。よって、送電鉄塔上のような足場が悪い場所において対象物の撮影方向が制限される場合であっても、撮影された対象物の向きに応じてスケールの延びる方向を切り替えたり角度調整をしたりすれば、記録写真(画像)がより分かりやすいものとなる。さらに、基本的にスケールはARマーカの位置に表示されるものであるが、送電鉄塔上のような足場が悪い場所においてはスケールを表示させたい最適な場所にARマーカを保持できない場合もある。そのような場合でも、ディスプレイ上において容易にスケールの位置を調整できる。そして、スケールを移動させた後は、ARマーカに対する相対位置が固定されるので、さらに携帯端末の向きや位置を変えて撮影のアングルなどを調整できる。
そして、この携帯端末とARマーカを用いることで、送電鉄塔上で行われる電線工事において、従来用いられていた黒板やスケールを要することなく、携帯端末とARマーカによって容易かつ安全に記録作業を行うことができる。すなわち、携帯端末はスマートフォンやタブレットからなり、ARマーカもそれと略同じ大きさであるから、従来の黒板とスケールに比べて小さいもので済むので、足場の悪い送電鉄塔上においても、持ち運びが容易で安全である。そして、ARマーカを対象物の位置に合わせて保持して、携帯端末によりそのARマーカを写し込んで対象物を撮影すればよいので、従来のように大きな黒板やスケールを保持する必要がなく、撮影作業も容易で安全である。
さらに、この携帯端末とARマーカを用いることで、被覆部材(クランプ、ジャンパソケットなど)に電線を挿入して外周側から圧縮する工事において、従来用いられていた黒板やスケールを要することなく、容易かつ安全に記録作業を行うことができる。そして、被覆部材は、圧縮することで長くなるものであり、基準値は被覆部材が長くなることにより逆に短くなるものであるから、圧縮前後の被覆部材の長さおよび圧縮前後の基準値を記録することで、圧縮が確実に行われたことが確認できる。このように、スケールが表示された被覆部材の画像と、圧縮前後の各数値を併せて記録しておくことで、記録の信頼性が高いものとなる。
なお、上記の説明は、電線を送電鉄塔に接続する工事を対象としたものであるが、それ以外に、電線同士を接続する工事も対象となる。電線には様々な種類のものがあるが、ここでは先の場合と同様に鋼心アルミより線(ACSR)の場合を示す。図10(a)に示すように、電線1は、中心部の鋼心線2と、その外周部のアルミより線3からなる。そして、これらの各電線1の端部において、アルミより線3がはがされて、鋼心線2が突出した状態となっている。なお、各電線1の鋼心線2の端部から所定長さの位置に着色して内側挿入印21を付してある。また、各電線1のアルミより線3の端部から所定長さの位置に着色して外側挿入印31を付してあり、さらに外側挿入印31から所定長さの位置に着色して補助印32を付してある。
そして、この電線1同士を、スリーブによって接続する。スリーブは、内周側に位置する内側スリーブ6と、外周側に位置する外側スリーブ7の2部材からなる。図10(a)に示すように、内側スリーブ6は、筒状のものであって、鋼心線2を挿入可能でかつアルミより線3より細いものである。一方、外側スリーブ7は、内側スリーブ6よりも長くて太い筒状のものであり、アルミより線3を挿入可能なものである。
そして、内側スリーブ6および外側スリーブ7により電線1同士を接続する具体的な手順は、以下のとおりである。
1.図10(a)に示すように、一方の電線1の端部を外側スリーブ7に挿入して貫通させる。
2.両電線1の鋼心線2の端部を内側スリーブ6のそれぞれの端部から挿入する。ただし、鋼心線2を挿入する長さは、鋼心線2の端部から内側挿入印21までである。この長さを、挿入長Tとする。また、内側スリーブ6の端部(内側挿入印21)から各電線1のアルミより線3の端部までの長さをa,aとして、その和を基準値aとし、内側スリーブ6の全長をlとする。
3.図10(b)に示すように、鋼心線2を挿入した状態の内側スリーブ6を、外周側から圧縮する。これにより、鋼心線2と内側スリーブ6を一体にする。そして、内側スリーブ6を圧縮して塑性変形させることにより、圧縮前と比較して圧縮後の全長lは長くなり、基準値b(圧縮後の内側スリーブ6の端部から各電線1のアルミより線3の端部までの長さをb,bとして、その和)は短くなる。
4.図10(c)に示すように、外側スリーブ7を電線1の接続部へ移動させ、両電線1のアルミより線3に跨って被せた状態とする。この際、外側スリーブ7の両端部が、外側挿入印31に一致する。ただし、外側スリーブ7の両端部(各電線1の外側挿入印31)から補助印32までの長さをc,cとして、その和を基準値cとし、外側スリーブ7の全長(両電線1の外側挿入印31の間隔)をLとする。
5.図10(d)に示すように、アルミより線3を挿入した状態の外側スリーブ7を、外周側から圧縮する。これにより、アルミより線3と外側スリーブ7を一体にする。そして、外側スリーブ7を圧縮して塑性変形させることにより、圧縮前と比較して圧縮後の全長Lは長くなり、基準値d(圧縮後の外側スリーブ7の端部から各電線1の補助印32までの長さをd,dとして、その和)は短くなる。
このようにして、電線1同士を内側スリーブ6および外側スリーブ7により接続するものであり、これらの工程が確実に行われたことを確認するために、挿入長T、圧縮前後の内側スリーブ6の全長l,lおよび基準値a,b、圧縮前後の外側スリーブ7の全長L,Lおよび基準値c,dの各数値は記録しておく。
そして、このように内側スリーブ6および外側スリーブ7によって電線1同士を接続する場合、記録のための撮影画像には、図11(c)に示すように、直線状で中央に原点があり、そこから両方向へ向けて延びる(両方向へ数字が増加する)スケールSを表示する方が、より分かりやすい。よって、上記のプログラムが携帯端末に実行させるスケール選択ステップS4において、対象物がこのようなスリーブである場合には、先の場合の1方向へ延びるスケールに替えて、両方向へ延びるスケールが選択される。
なお、場合によっては、対象物がこのようなスリーブであっても、図11(d)に示すように、1方向へ延びるスケールSを表示した方が分かりやすいこともあり得る。よって、上記のように、対象物に応じて予めスケールが選択されるのではなく、1方向へ延びるスケールと両方向へ延びるスケールを作業者が任意に選択できるようにしてもよい。この場合、上記と同様に、工事内容選択受付ステップS3の実行後にスケール選択ステップS4が実行されるものであって、工事内容選択画面において、1方向へ延びるスケールと両方向へ延びるスケールとが選択肢として表示され、作業者が何れかを選択するものであってもよいし、スケール表示ステップS8の実行後にスケール選択ステップS4が実行されるものであって、撮影画面に切替ボタンが表示され、作業者が切替ボタンを押すごとに撮影画像に重ねて表示されたスケールが1方向へ延びるものと両方向へ延びるものとに切り替わるものであってもよい。そして、ここでは1方向へ延びるスケールと両方向へ延びるスケールの2つが選択肢となっているが、これは、その2つが想定される全ての種別のスケールであって、対象物によらず常にその2つのスケールが選択肢となるものであってもよいし、その2つ以外にも想定される別の種別のスケールがあり、それらの中から、対象物に応じてその2つのスケールが選択肢となるものであってもよい。
このように、工事の種別、すなわち対象物の形状などに応じて表示するスケールの種別が選択されるので、記録写真(画像)がより分かりやすいものとなる。スケールが実物であれば、何種類ものスケールを用意しなければならず、その取り扱いに手間がかかるが、本発明のスケールは仮想的に表示されるものであるから、そのような手間もかからない。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、工事記録用プログラムは、図1のフローチャートで示したものに対して、処理の順序が異なるもの、一部の処理を除外したもの、または他の処理を付加したものであってもよい。また、工事情報入力受付ステップは、情報が携帯端末に直接入力されるものであってもよい。さらに、スケールの形状は、工事の対象物に応じて適宜変更できるものであり、直線状のもの以外に、湾曲したものや屈曲したものであってもよい。また、工事記録用プログラムが、携帯端末に報告書作成ステップを実行させて、報告書が作成されるものであってもよい。さらに、この工事記録用プログラムを、電線工事以外の工事の記録のために用いてもよい。
S1 工事情報入力受付ステップ
S4 スケール選択ステップ
S5 撮影ステップ
S6 マーカ検出ステップ
S7 算出ステップ
S8 スケール表示ステップ
S9 スケール反転ステップ
S11 スケール移動ステップ
S12 スケール固定ステップ

Claims (6)

  1. 工事現場の状況を記録するために用いられるものであって、
    工事の対象物を撮影する撮影部と、該撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、操作入力を受け付ける入力部と、を有する携帯端末に、
    工事についての情報の入力を受け付ける工事情報入力受付ステップと、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記撮影部により対象物を撮影して画像を取得し前記表示部に表示する撮影ステップと、
    前記画像内にARマーカが存在するか否かを検出するマーカ検出ステップと、
    前記ARマーカが存在する場合にその位置および姿勢を算出する算出ステップと、
    前記ARマーカの位置および姿勢に応じて前記画像にスケールを重ねて前記表示部に表示するスケール表示ステップと、
    を実行させることを特徴とする工事記録用プログラム。
  2. 前記携帯端末に、
    表示するスケールの種別を選択するスケール選択ステップ
    を実行させることを特徴とする請求項1記載の工事記録用プログラム。
  3. 前記スケールが1方向へ延びるものであり、
    前記携帯端末に、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記スケールを、その延びる方向を反転して表示させるスケール反転ステップ
    を実行させることを特徴とする請求項1または2記載の工事記録用プログラム。
  4. 前記携帯端末に、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記スケールを任意の位置に移動して表示させるスケール移動ステップと、
    前記操作入力終了後に、移動した前記スケールの前記ARマーカに対する相対位置を固定するスケール固定ステップと、
    を実行させることを特徴とする請求項1、2または3記載の工事記録用プログラム。
  5. 送電鉄塔上で行われる電線工事の記録方法であって、
    携帯端末と、ARマーカと、を用いるものであり、
    前記携帯端末は、工事の対象物を撮影する撮影部と、該撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、を有するものであって、前記撮影部により対象物とともに前記ARマーカを写し込むと、前記ARマーカの位置および姿勢に応じて前記画像にスケールを重ねて前記表示部に表示されるものであり、
    前記携帯端末の前記撮影部により、工事の対象物を、前記ARマーカを写し込ませて撮影する撮影工程
    を備えることを特徴とする電線工事記録方法。
  6. 被覆部材に電線を挿入して外周側から圧縮する工事の記録方法であって、
    携帯端末と、ARマーカと、を用いるものであり、
    前記携帯端末は、工事の対象物を撮影する撮影部と、該撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、を有するものであって、前記撮影部により対象物とともに前記ARマーカを写し込むと、前記ARマーカの位置および姿勢に応じて前記画像にスケールを重ねて前記表示部に表示されるものであり、
    前記携帯端末に前記被覆部材の長さの圧縮前の値および前記被覆部材の端部と前記電線の所定の基準位置との間の長さである基準値の圧縮前の値を入力する圧縮前値入力工程と、
    前記携帯端末の前記撮影部により、前記被覆部材を、前記ARマーカを写し込ませて撮影する撮影工程と、
    前記被覆部材の長さの圧縮後の値および前記基準値の圧縮後の値を測定する実測工程と、
    前記携帯端末に前記被覆部材の長さの圧縮後の値および前記基準値の圧縮後の値を入力する圧縮後値入力工程と、
    を備えることを特徴とする電線工事記録方法。

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