JP7346245B2 - 施工現場記録用プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、屋内配線などの施工現場の状況を記録するために用いられる携帯端末を制御するための施工現場記録用プログラムに関する。
住宅などの建築物において、壁面に設けられるコンセントに接続される電気配線など、壁面の下に種々の配線が設置される。これらの配線は、壁面を施工した後には見えなくなるため、配線完了後、壁面の施工前に写真を撮影し、設計通りに配線が行われたことを記録しておく必要がある。従来、このような記録写真は、現場に工事内容を記載した黒板を置いて、カメラでその黒板を写し込むようにして撮影していた。しかしながら、高所など黒板を設置することが困難な場所もあることから、最近では、特許文献1に示すような、実際の黒板を用いない方法も提案されている。これは、撮影機能を備えるスマートフォンやタブレットなどの携帯端末を利用するものであって、携帯端末に工事内容についての情報を入力して、その情報を記載した仮想的な黒板を、撮影した画像に重ね合わせて表示するものである。
特開2013-117943号公報
ところで、建築物の完成後に、壁面に棚を取り付けるなど壁面に対して何らかの工事を行う場合、壁面の下の配線を傷付けることがないように、配線の位置を確認する必要がある。その際には、上記の壁面施工前の記録写真(画像)を確認すればよい。しかしながら、この記録写真には当然ながら壁面は写っていないので、実際の壁面との位置関係の対応が直感的には分かりにくかった。
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、施工後において、携帯端末に施工前の現場の状況を直感的にわかりやすく表示させることができる施工現場記録用プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、施工現場において施工前後の現場の状況を記録するために用いられるものであって、現場を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、操作入力を受け付ける入力部と、を有する携帯端末に、前記入力部への操作入力に応じて、前記撮影部により施工前の現場を撮影して施工前画像を取得し前記表示部に表示する施工前撮影ステップと、前記施工前画像内にARマーカが存在するか否かを検出する施工前マーカ検出ステップと、前記施工前画像内に前記ARマーカが存在する場合にその大きさ、位置および姿勢を算出する施工前算出ステップと、前記入力部への操作入力に応じて、前記撮影部により施工後の現場を撮影して施工後画像を取得し前記表示部に表示する施工後撮影ステップと、前記施工後画像内に前記ARマーカが存在するか否かを検出する施工後マーカ検出ステップと、前記施工後画像内に前記ARマーカが存在する場合にその大きさ、位置および姿勢を算出する施工後算出ステップと、前記施工前算出ステップと前記施工後算出ステップにおいて算出された前記ARマーカの大きさ、位置および姿勢を基準として前記施工後画像に半透明化した前記施工前画像を重ね合わせた合成画像を表示部に表示する合成画像表示ステップと、を実行させることを特徴とする。なお、施工前および施工後とは、必ずしもその現場の工事全体の開始前および終了後を示すものではなく、工事全体の中の1つの構造物の施工を基準として、その施工よりも前と後を示すものである。たとえば、建築物の工事において、屋内の電気配線を壁面で覆い隠す場合に、壁面の施工を基準とすれば、壁面がない状態で電気配線を敷設するまでが施工前となり、壁面の完成後が施工後となる。
また、本発明は、前記携帯端末に、前記施工前画像内の前記ARマーカの大きさ、位置および姿勢に応じて前記施工前画像に施工前用スケールを重ねて前記表示部に表示する施工前スケール表示ステップと、前記合成画像内の前記ARマーカの大きさ、位置および姿勢に応じて前記合成画像に施工後用スケールを重ねて前記表示部に表示する施工後スケール表示ステップと、を実行させるものであってもよい。ここで、スケールとは、表示部に表示される帯状のものであって、長手方向にわたって等間隔に並んだ目盛と、ある目盛を原点としてそこから所定目盛数ごとに増加する数字とを付されたものである。
また、本発明は、前記携帯端末に、前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記施工前用スケールを任意の位置に移動して表示させる施工前スケール移動ステップと、前記施工前スケール移動ステップ終了後に、移動した前記施工前用スケールの前記ARマーカに対する相対位置を固定する施工前スケール固定ステップと、前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記施工後用スケールを任意の位置に移動して表示させる施工後スケール移動ステップと、前記施工後スケール移動ステップ終了後に、移動した前記施工後用スケールの前記ARマーカに対する相対位置を固定する施工後スケール固定ステップと、を実行させるものであってもよい。
また、本発明は、前記携帯端末に、施工現場の図面を前記表示部に表示する図面表示ステップと、前記入力部への操作入力に応じて、前記図面上の撮影対象箇所に目印を表示する目印表示ステップと、前記施工前画像を前記目印に紐付ける施工前紐付けステップと、前記合成画像を前記目印に紐付ける施工後紐付けステップと、前記合成画像が紐付けられた前記目印の色を変更する色変更ステップと、を実行させるものであってもよい。
本発明によれば、携帯端末の表示部に、施工後画像に半透明化した施工前画像を重ね合わせた合成画像を表示するものであるから、施工前の現場の状況について、施工後の現場との位置関係の対応が、直感的にわかりやすい。たとえば、建築物の屋内の壁面の施工後の画像に、壁面を施工する前の配線が露出した状態の画像を半透明化して重ね合わせることで、壁面下のどこに配線が位置しているのかを、直感的に把握することができる。また、施工前画像と施工後画像の合成は、画像内のARマーカが基準となるので、容易かつ正確に位置合わせされる。
また、施工前と施工後のそれぞれにおいて、ARマーカに対応して携帯端末の表示部にスケールを表示するものであれば、実物のスケールを用いることなく、現場の各部の大きさや距離を表すためのスケールを表示できるので、実物のスケールの設置の手間がかからず、撮影が容易である。そして、特に施工後において合成画像に施工後用スケールを表示できるので、施工後の構造物と、施工前にしか見えない構造物(施工後には別の構造物に隠される構造物)との間の距離など、実物のスケールでは測ることができない部分についても、測ることが可能である。たとえば、建築物の屋内において、施工後の床や壁の位置を基準として、壁面下の配線までの距離を測ることができる。これにより、施工前の現場の状況について、施工後の現場との位置関係の対応を、より正確に把握できる。
また、施工前と施工後のそれぞれにおいて、携帯端末の表示部に表示されたスケールを任意の位置に移動し固定できるものであれば、より撮影が容易である。すなわち、基本的にスケールはARマーカの位置に表示されるものであるが、現場の状況によっては、スケールを表示させたい最適な場所にARマーカを保持できない場合もある。そのような場合でも、表示部上において容易にスケールの位置を調整できる。そして、スケールを移動させた後は、ARマーカに対する相対位置が固定されるので、さらに携帯端末の向きや位置を変えて撮影のアングルなどを調整できる。
また、携帯端末の表示部に図面を表示し、図面上の目印に施工前画像と合成画像を紐付けし、さらに合成画像が紐付けられた目印の色を変更するものであれば、図面上の目印の色によって、施工前画像のみが紐付けられているのか、施工前画像と合成画像の両方が紐付けられているのかが一目で見分けられるので、より使い勝手がよい。
本発明の施工現場記録用プログラムのフローチャート(施工前部分)である。 本発明の施工現場記録用プログラムのフローチャート(施工後部分)である。 施工現場の説明図であり、(a)は施工前、(b)は施工後を示す。 携帯端末のハードウェア構成図である。 携帯端末の表示部に表示される図面表示画面であり、平面図が表示された状態である。 携帯端末の表示部に表示される図面表示画面であり、平面図上に目印が表示された状態である。 携帯端末の表示部に表示される施工前撮影画面であり、スケールが表示された状態である。 携帯端末の表示部に表示される施工前撮影画面であり、各部の寸法が表示された状態である。 携帯端末の表示部に表示されるプレビュー画面である。 携帯端末の表示部に表示される施工前画像表示画面である。 携帯端末の表示部に表示される施工後撮影画面であり、合成画像が表示された状態である。 携帯端末の表示部に表示される施工後撮影画面であり、スケールおよび各部の寸法が表示された状態である。
以下、本発明の具体的な内容について説明する。本発明の施工現場記録用プログラムにより制御される携帯端末およびARマーカは、種々の施工現場において用いることができるものであるが、ここでは、建築物の屋内における電気配線およびその電気配線を覆い隠すように設けられる壁面の施工現場において用いる場合を示す。この場合、壁面がない状態で電気配線を敷設するまでが「施工前」となり、壁面の完成後が「施工後」となる。
まず、その施工現場について説明する。図2(a)は、「施工前」の状態を示している。この建築物は、鉄筋コンクリート造であって、床、天井、柱や壁が、鉄筋コンクリートにより一体的に設けられている。そして、所定の位置に、LGS(軽量鉄骨)からなる間柱Cが設けられている。間柱Cには、所定の位置に、水平向きに延びるアームAが設けられており、このアームAに、コンセントやスイッチなどの機能を有するボックスBが取り付けられ、ボックスBに電気配線Lが接続されている。電気配線Lは、それぞれのボックスBから上向きに延びており、配電盤(図示省略)に接続されている。
また、図2(b)は、「施工後」の状態を示している。間柱Cに、プラスターボードからなる壁面Wが取り付けられ、間柱Cおよび電気配線Lが覆い隠されている。壁面WのボックスBに対応する位置には孔が形成されており、ボックスBの機能に応じたカバーが取り付けられ、壁面Wに設けられたコンセントPやスイッチSとなる。また、壁面Wの表面は、クロスを貼るなどして仕上げられる。さらに、床や天井にも仕上げ材が取り付けられ、内装の施工が完了する。
そして、施工後において、図2(b)に示すように、壁面Wに棚Rを取り付ける場合を想定する。棚Rは、壁面Wに対して釘を打って固定するものであり、その際、壁面Wの下の電気配線Lを傷付けることがないように、電気配線Lの位置を確認する必要がある。そのために、本発明の施工現場記録用プログラムにより制御される携帯端末およびARマーカを用いる。
次に、本発明の施工現場記録用プログラムにより制御される携帯端末について説明する。この携帯端末10は、スマートフォンまたはタブレットからなるものであり、図3のハードウェア構成図に示すように、施工現場を撮影する撮影部としてのカメラ11、カメラ11により撮影された画像やその他の画像を表示する表示部としてのディスプレイ12、操作入力を受け付ける入力部としてのタッチパネル13、プログラムの命令を順番に実行するCPU14、プログラムやその他のデータなどを保存しておく記憶装置(メモリ)15、インターネットに接続するための通信装置16を備えている。ディスプレイ12とタッチパネル13とは、一体に形成されており、ディスプレイ12に表示されるボタンや画像自体が、タッチパネル13により入力部として機能する。また、入力部として、タッチパネル13の他に機械的なボタンなどの操作機構を有していてもよい。
次に、上記の携帯端末と組み合わせて用いられるARマーカについて説明する。そもそも、ARとは、「Augmented Reality=拡張現実」の略であり、現実の風景に仮想的な画像を重ねて表示することで、現実を仮想的に拡張するものである。そして、ARマーカは、後述するように、携帯端末のカメラに写し込ませて、本発明の施工現場記録用プログラムにより、その位置や姿勢を認識させるための図(画像)であり、仮想的な画像を表示するための基準となるものである。一般に、ARシステムにおけるARマーカは、図形、画像、写真など、どのようなものであってもよいが、ここでは、様々な背景の中でも認識されやすい白黒の二次元コードであって正方形のものを用いる。また、その大きさは必ずしも限定されないが、携帯端末と同程度の大きさの樹脂板からなるもの(樹脂板の表面に、二次元コードを印刷したもの、または二次元コードを印刷したシールを貼ったもの)とすれば、携帯端末と一緒に持ち運ぶ際に都合がよく、また耐水性もあるので望ましい。
次に、本発明の施工現場記録用プログラムの具体的内容について説明する。図1(a)、(b)に示すのは、このプログラムの処理の流れを表すフローチャートである。携帯端末にはこのプログラム(アプリ)がインストールされており、プログラムを起動することで、各処理が順次実行される。なお、プログラムの各ステップの名称やその説明において、「施工前」および「施工後」の文言が用いられているが、実際の施工現場の状態が施工前であるか施工後であるかについて、携帯端末(プログラム)が自動的に判断するものではなく、携帯端末の使用者の判断により、図面表示ステップS1~施工前紐付けステップS13は施工前に実行され、画像呼出ステップS14~色変更ステップS27は施工後に実行される。以下の説明は、そのとおりに実行されることを前提としているが、仮に、各ステップの名称における「施工前」「施工後」と、実際の施工現場の状態が異なっていたとしても、プログラムは同様に携帯端末を動作させるものである。
まず、施工現場の状態が施工前であることを前提とする。最初に、プログラムは、携帯端末に図面表示ステップS1を実行させる。図面表示ステップS1では、図4に示すように、ディスプレイに図面表示画面100が表示される。図面表示画面100では、施工現場となる建築物の平面図101が表示される。平面図101は、ディスプレイ(タッチパネル)に対するドラッグ操作により上下左右に動かしたり、ピンチイン・ピンチアウト操作により縮小・拡大したりすることができる。また、スタイラスなどにより、任意の書き込みをすることもできる。書き込みは、これ以降の画面においても可能である。なお、平面図101は、予め携帯端末の記憶装置に保存されたものであってもよいし、サーバに保存されたものであってもよい。平面図101がサーバに保存されたものの場合、携帯端末の通信装置によりサーバとインターネット接続され、平面図101がサーバから携帯端末へダウンロードされディスプレイに表示される。また、平面図が複数ある場合(建築物が複数階を有する場合や、建築物が複数ある場合)、それらの平面図を選択する画面が表示されるものであってもよい。
次に、図面表示画面100において、平面図101上の撮影対象箇所をタッチすると、プログラムは、携帯端末に目印表示ステップS2を実行させる。目印表示ステップS2では、図5に示すように、タッチした場所に目印102が表示される。目印102は、矢印形状であって、任意の向きに回転可能であり、これにより撮影方向を示すことができる。また、目印102は平面図101上において目立つように、赤色で表示されている。さらに、目印102は複数表示させることが可能であって、表示させた順に、自動的に番号が1,2,3,・・・と付される。
次に、図面表示画面100において、平面図101上の目印102をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工前撮影ステップS3を実行させる。施工前撮影ステップS3では、カメラが起動して、図6に示すように、ディスプレイに施工前撮影画面200が表示される。施工前撮影画面200では、カメラで撮影された施工前画像201(静止画ではなく、カメラで撮影したものがリアルタイムに表示されるものである)が表示されるとともに、左上部分に撮影ボタン202が表示され、左下部分に長方形のコメント欄203が表示される。コメント欄203は、撮影したい部分に重ならないように、自在に移動させることができる。施工前画像201には、間柱C、ボックスBおよび電気配線Lなどが写っている。なお、撮影時には、撮影対象箇所にARマーカMを載置して、写し込ませる。ARマーカMは、所定の水平基準線Nhと垂直基準線Nv(実際の現場に存在する線ではなく、設計上の線である)の交点に中心を一致させ、かつ上下辺を水平向き、左右辺を垂直向きにして載置される。
次に、プログラムは、携帯端末に施工前マーカ検出ステップS4を実行させる。施工前マーカ検出ステップS4では、カメラにより撮影された施工前画像201内にARマーカMが存在するか否かを検出する。ARマーカMが存在しなければ、検出が繰り返される。
そして、施工前マーカ検出ステップS4において画像内にARマーカMが存在した場合、プログラムは、携帯端末に施工前算出ステップS5を実行させる。施工前算出ステップS5では、二次元コードからなるARマーカMの大きさ、位置および姿勢を算出する。具体的な算出方法は、既知の方法によるものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、プログラムは、携帯端末に施工前スケール表示ステップS6を実行させる。施工前スケール表示ステップS6では、施工前算出ステップS5において算出されたARマーカMの大きさ、位置および姿勢に応じて、図6に示すように、施工前画像201に重ねてディスプレイに施工前用スケール(施工前用水平スケールSh1および施工前用垂直スケールSv1)を表示する。また併せて、ARマーカMの位置を基準として、水平基準線Nhおよび垂直基準線Nvも表示される。施工前用水平スケールSh1および施工前用垂直スケールSv1は、何れも直線状かつ帯状のものであって、長手方向にわたって等間隔に並んだ目盛と、ある目盛を原点としてそこから所定目盛数ごとに増加する数字とを付されたものである。施工前用水平スケールSh1は、水平方向に延びており、原点は垂直基準線Nv上に位置している。施工前用垂直スケールSv1は、垂直方向に延びており、原点は水平基準線Nh上に位置している。また、何れの施工前用スケールも原点から左右または上下の両方向へ向けて付された数字が増加している。なお、施工前用水平スケールSh1は、ARマーカMの上下辺に平行となり、施工前用垂直スケールSv1は、ARマーカMの左右辺に平行となるものであり、ARマーカMが傾いて写り込んでいれば、施工前用水平スケールSh1および施工前用垂直スケールSv1も傾いて表示されることになる。
次に、施工前撮影画面200において、施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工前寸法表示ステップS7を実行させる。施工前寸法表示ステップS7では、図7に示すように、まず施工前用スケールに直交する向きに延びる寸法補助線D1が表示される。すなわち、施工前用水平スケールSh1をタッチすれば、垂直向きの寸法補助線が表示され、施工前用垂直スケールSv1をタッチすれば、水平向きの寸法補助線D1が表示される。寸法補助線D1は、一端に三角形が付された直線で表される。そして、寸法補助線D1は、任意の長さに伸縮させることが可能であって、かつその延びる方向に直交する方向に移動自在である。すなわち、垂直向きの寸法補助線D1は、施工前用水平スケールSh1に沿って移動自在であり、水平向きの寸法補助線D1は、施工前用垂直スケールSv1に沿って移動自在である。また、寸法補助線D1は、複数本表示させることができる。さらに、任意の平行な2本の寸法補助線D1を選んで、その間に寸法線D2を表示させ、その寸法線D2のそばに寸法値D3を表示させることができる。寸法線D2は、両端に矢印が付された直線で表される。また、寸法値D3としては、数値だけではなく、単位やその他のコメントを表示させることもできる。なお、寸法線D2および寸法値D3は、寸法補助線D1同士の間だけではなく、寸法補助線D1と、水平基準線Nhまたは垂直基準線Nvの間に表示させることもできる。図7においては、寸法補助線D1、寸法線D2および寸法値D3により、ボックスBの位置を示している。
次に、プログラムは、携帯端末に施工前スケール移動ステップS8を実行させる。施工前スケール移動ステップS8では、ディスプレイに表示された施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1にタッチしてそのままドラッグする(スライドさせる)ことで、ディスプレイ上において施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1を任意の位置に移動させる。この際、寸法補助線D1、寸法線D2および寸法値D3も、施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1と一緒に移動する。すなわち、寸法補助線D1、寸法線D2および寸法値D3は、施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1に対して相対的に固定されている。そして、その操作入力を終了させる、すなわちタッチしていた指やスタイラスを離すと、プログラムは、携帯端末に施工前スケール固定ステップS9を実行させる。施工前スケール固定ステップS9では、施工前スケール移動ステップS8でディスプレイ上において移動された施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1のARマーカMに対する相対位置を固定する。よって、その後に携帯端末を動かして、ディスプレイ上におけるARマーカMの位置が移動すると、施工前用水平スケールSh1および施工前用垂直スケールSv1はARマーカMに対する相対位置が変わらないまま移動する。なお、もう一度施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1にタッチしてドラッグすれば、再びプログラムは携帯端末に施工前スケール移動ステップS8を実行させることになり、施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1を移動させることができる。撮影された対象物の位置に応じて、適宜施工前用水平スケールSh1または施工前用垂直スケールSv1を移動させることで、画像がより分かりやすいものとなるが、元の状態で分かりやすければ、施工前スケール移動ステップS8および施工前スケール固定ステップS9は実行させなくてもよい。
次に、施工前撮影画面200において、撮影ボタン202をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工前画像決定ステップS10を実行させる。施工前画像決定ステップS10では、ディスプレイに表示されている施工前画像201(カメラで撮影したものがリアルタイムに表示されるもの)が、撮影ボタン202をタッチした時点の静止画となり、カメラが停止する。続いて、プログラムは、携帯端末に施工前コメント入力ステップS11を実行させる。施工前コメント入力ステップS11では、図8に示すように、ディスプレイにプレビュー画面300が表示される。プレビュー画面300では、中央部に小さなサイズの施工前画像201S(施工前用水平スケールSh1、施工前用垂直スケールSv1や寸法補助線D1などが重ねて表示されたものであって、撮影ボタン202がタッチされた時点の静止画である)が表示される。また、施工前画像201Sの上側に、撮影日時入力欄301が表示され、施工前画像201Sの下側に、撮影者名入力欄302およびコメント入力欄303が表示される。さらに、施工前画像201Sの右側に、登録ボタン304と戻るボタン305が表示される。撮影日時入力欄301、撮影者名入力欄302およびコメント入力欄303については、それぞれをタッチすることで、テキスト入力が可能となる。なお、撮影日時入力欄301については、携帯端末の内蔵時計の日時が自動入力されるものであってもよい。各欄に入力された内容は、施工前画像201のコメント欄203に反映される。ここで、戻るボタン305をタッチすると、カメラが起動して、ディスプレイに再び施工前撮影画面200が表示され、施工前画像201の撮影をやり直すことができる。
次に、プレビュー画面300において、登録ボタン304をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工前画像保存ステップS12を実行させる。施工前画像保存ステップS12では、プレビュー画面300に表示されていた状態の施工前画像201(施工前用水平スケールSh1、施工前用垂直スケールSv1や寸法補助線D1などが重ねて表示されたものであって、撮影ボタン202がタッチされた時点の静止画である)を、記憶装置に保存する。
次に、プログラムは、携帯端末に施工前紐付けステップS13を実行させる。施工前紐付けステップS13では、施工前画像保存ステップS12において保存された施工前画像201を、その撮影時にタッチした平面図101上の目印102に紐付ける処理が行われ、その結果が記憶装置に保存される。これにより、以後、図面表示画面100において、施工前画像201が紐付けられた目印102をタッチすると、ディスプレイに、その施工前画像201についてのプレビュー画面300が表示される。
ここまでが、プログラムにおいて、施工前の施工現場において実行されることを前提とした部分である。そしてこれ以降は、施工後の施工現場において実行されることを前提とする部分である。
施工後の施工現場において、プログラムは、携帯端末に画像呼出ステップS14を実行させる。画像呼出ステップS14では、図面表示画面100において、施工前画像201が紐付けられた目印102をタッチすると、ディスプレイに、その施工前画像201についてのプレビュー画面300が表示され、さらにプレビュー画面300において、小さな施工前画像201Sをタッチすると、施工前画像表示画面400が表示される。施工前画像表示画面400では、図9に示すように、ディスプレイの全体に施工前画像201(施工前用水平スケールSh1、施工前用垂直スケールSv1や寸法補助線D1などが重ねて表示されたものであって、撮影ボタン202がタッチされた時点の静止画である)が表示されるとともに、左上部分に透過ボタン401が表示される。
次に、施工前画像表示画面400において、透過ボタン401をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工後撮影ステップS15を実行させる。施工後撮影ステップS15では、図10に示すように、ディスプレイに施工後撮影画面500が表示される。施工後撮影画面500では、施工前画像表示画面400で表示されていた施工前画像201が半透明化されて半透明施工前画像201Tになるとともに、カメラが起動して、カメラで撮影された施工後画像501(静止画ではなく、カメラで撮影したものがリアルタイムに表示されるものである)に半透明施工前画像201Tが重ね合わせて表示(オーバーレイ表示または重畳表示ともいう)される。さらに、左上部分に撮影ボタン502とスケールボタン503が表示され、左下部分に長方形のコメント欄504が表示される。コメント欄504は、撮影したい部分に重ならないように、自在に移動させることができる。施工後画像501には、壁面WおよびコンセントPやスイッチSなどが写っている。なお、撮影時には、撮影対象箇所にARマーカMを載置して、写し込ませる。ARマーカMは、施工前撮影ステップS3において写し込ませたものと同じものである。また、ARマーカMは、施工前撮影ステップS3の際と同じ水平基準線Nhと垂直基準線Nvの交点に中心を一致させ、かつ上下辺を水平向き、左右辺を垂直向きにして載置される。
次に、プログラムは、携帯端末に施工後マーカ検出ステップS16を実行させる。施工後マーカ検出ステップS16では、カメラにより撮影された施工後画像501内にARマーカMが存在するか否かを検出する。ARマーカMが存在しなければ、検出が繰り返される。
そして、施工後マーカ検出ステップS16において画像内にARマーカMが存在した場合、プログラムは、携帯端末に施工後算出ステップS17を実行させる。施工後算出ステップS17では、二次元コードからなるARマーカMの大きさ、位置および姿勢を算出する。具体的な算出方法は、既知の方法によるものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、プログラムは、携帯端末に合成画像表示ステップS18を実行させる。合成画像表示ステップS18では、施工前算出ステップS5において算出された施工前画像201内のARマーカMの大きさ、位置および姿勢と、施工後算出ステップS17において算出された施工後画像501内のARマーカMの大きさ、位置および姿勢を基準として、施工後画像501(カメラで撮影したものがリアルタイムに表示されるもの)に、半透明施工前画像201T(施工前画像決定ステップS10において撮影ボタン202がタッチされた時点の静止画)を正確な大きさ、位置および姿勢で重ね合わせて、ディスプレイに表示させる。この施工後画像501に半透明施工前画像201Tが正確な大きさ、位置および姿勢で重ね合わせられた画像を、合成画像505とよぶ。携帯端末を動かして、ディスプレイ上におけるARマーカMの大きさ、位置や姿勢が変化すると、合成画像505における半透明施工前画像201Tもそれに合わせて変形し、施工後画像501に対する正確な大きさ、位置および姿勢が維持される。よって、合成画像505は、施工後画像501に重ねて、静止画である施工前画像201を透過処理してAR表示したもの、ということもできる。図10は、施工後画像501に対して、半透明施工前画像201Tの大きさ、位置および姿勢が調整されて重ね合わせられ、合成画像505となった状態を示す。
次に、施工後撮影画面500において、スケールボタン503をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工後スケール表示ステップS19を実行させる。施工後スケール表示ステップS19では、施工後算出ステップS17において算出されたARマーカMの大きさ、位置および姿勢に応じて、図11に示すように、合成画像505に重ねてディスプレイに施工後用スケール(施工後用水平スケールSh2および施工後用垂直スケールSv2)を表示する。これらの施工後用スケールは、施工前スケール表示ステップS6において表示される施工前用スケールと同様のものである。また併せて、ARマーカMの位置を基準として、水平基準線Nhおよび垂直基準線Nvも表示される。
次に、施工後撮影画面500において、施工後用水平スケールSh2または施工後用垂直スケールSv2をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工後寸法表示ステップS20を実行させる。施工後寸法表示ステップS20では、施工前寸法表示ステップS7と同様に、寸法補助線D1、寸法線D2および寸法値D3が表示される。なお、施工後画像501に半透明施工前画像201Tが重ね合わせられた合成画像505に、さらに、施工後用水平スケールSh2、施工後用垂直スケールSv2および寸法補助線D1が表示されるので、施工後の仕上がった床や壁の位置を基準として、壁面下の電気配線Lまでの距離を測るなど、実物のスケールでは測ることができない部分についても、測ることができる。また、棚などの追加で取り付ける構造物を合成画像505に書き込んで、構造物の寸法や、床や壁から構造物までの距離を表示することもできる。図11においては、壁面Wに取り付ける棚Rが書き込まれており、寸法補助線D1、寸法線D2および寸法値D3により、棚Rの寸法と、仕上がった床および壁から棚Rまでの距離を示している。
次に、プログラムは、携帯端末に施工後スケール移動ステップS21を実行させる。施工後スケール移動ステップS21では、施工前スケール移動ステップS8と同様に、ディスプレイに表示された施工後用水平スケールSh2または施工後用垂直スケールSv2にタッチしてそのままドラッグする(スライドさせる)ことで、ディスプレイ上において施工後用水平スケールSh2または施工後用垂直スケールSv2を任意の位置に移動させる。そして、その操作入力を終了させる、すなわちタッチしていた指やスタイラスを離すと、プログラムは、携帯端末に施工後スケール固定ステップS22を実行させる。施工後スケール固定ステップS22では、施工前スケール固定ステップS9と同様に、施工後スケール移動ステップS21でディスプレイ上において移動された施工後用水平スケールSh2または施工後用垂直スケールSv2のARマーカMに対する相対位置を固定する。なお、もう一度施工後用水平スケールSh2または施工後用垂直スケールSv2にタッチしてドラッグすれば、再びプログラムは携帯端末に施工後スケール移動ステップS21を実行させることになり、施工後用水平スケールSh2または施工後用垂直スケールSv2を移動させることができる。施工前スケール移動ステップS8および施工前スケール固定ステップS9と同様に、施工後スケール移動ステップS21および施工後スケール固定ステップS22についても、必ずしも実行させなくてもよい。
次に、施工後撮影画面500において、撮影ボタン502をタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工後画像決定ステップS23を実行させる。施工後画像決定ステップS23では、ディスプレイに表示されている合成画像505(カメラで撮影したものがリアルタイムに表示される施工後画像501に、静止画である半透明施工前画像201Tを重ね合わせたもの)が、撮影ボタン502をタッチした時点の静止画となり、カメラが停止する。続いて、プログラムは、携帯端末に施工後コメント入力ステップS24を実行させる。施工後コメント入力ステップS24では、施工前コメント入力ステップS11と同様に、ディスプレイにプレビュー画面が表示される。プレビュー画面は図示省略するが、施工前コメント入力ステップS11の際と同様のものであり、小さなサイズの合成画像、各入力欄、登録ボタンおよび戻るボタンが表示される。ここで、戻るボタンをタッチすると、カメラが起動して、ディスプレイに再び施工後撮影画面500が表示され、施工後画像501の撮影をやり直すことができる。
次に、プレビュー画面において、登録ボタンをタッチすると、プログラムは、携帯端末に施工後画像保存ステップS25を実行させる。施工後画像保存ステップS25では、プレビュー画面に表示されていた状態の合成画像505(施工後用水平スケールSh2、施工後用垂直スケールSv2や寸法補助線D1などが重ねて表示されたものであって、撮影ボタン502がタッチされた時点の静止画である)を、記憶装置に保存する。
次に、プログラムは、携帯端末に施工後紐付けステップS26を実行させる。施工後紐付けステップS26では、施工後画像保存ステップS25において保存された合成画像505を、その撮影時にタッチした平面図101上の目印102に紐付ける処理が行われ、その結果が記憶装置に保存される。これにより、以後、図面表示画面100において、合成画像505が紐付けられた目印102をタッチすると、ディスプレイに、その合成画像505についてのプレビュー画面が表示される。さらに、この目印102には施工前画像201も紐付けられており、スワイプ操作によって、合成画像505のプレビュー画面と施工前画像201のプレビュー画面を切り替えられる。
次に、プログラムは、携帯端末に色変更ステップS27を実行させる。色変更ステップS27では、施工後紐付けステップS26において合成画像505が紐付けられた目印102の色を変更する(たとえば、赤色から緑色に変更する)。これにより、平面図101上において、合成画像505と施工前画像201の両方が紐付けられた目印102と、施工前画像201のみが紐付けられた目印102を、見分けることができる。
以上で、このプログラムの一連の動作が終了する。複数の対象箇所を撮影する際には、この一連の動作を繰り返すことになる。
次に、上記の施工現場記録用プログラムにより制御される携帯端末およびARマーカを用いた、鉄筋コンクリート造の建築物の屋内における電気配線およびその電気配線を覆い隠すように設けられる壁面の施工ならびに完成後に壁面に棚を追加して設ける施工について、その工程を説明する。
(1)図面入力工程
施工現場となる建築物の平面図を、携帯端末の記憶装置に保存させる。この際、平面図のデータが保存された記憶媒体を携帯端末に接続して直接読み込ませてもよいし、携帯端末の通信装置によりサーバとインターネット接続して、サーバに保存された平面図をダウンロードしてもよい。複数の階層または複数の建築物が対象となるのであれば、複数の平面図を保存させる。
(2)前期施工工程
ここでは、上記で「施工前」としていた部分の工程を、前期施工工程とよぶ。すなわち、前期施工工程では、鉄筋コンクリートの床、天井、柱や壁を設け、所定の位置にLGSからなる間柱を設ける。そして、間柱の所定の位置にアームを設け、このアームにボックスを取り付けて、さらにボックスに電気配線を接続するまでの工程を行う。
(3)施工前撮影工程
「施工前」の状態において、携帯端末のカメラにより、施工現場を撮影して、施工前画像を得る。その際、所定の水平基準線と垂直基準線の交点にARマーカの中心を一致させて、写し込む。ARマーカは、台の上に載置してもよいし、撮影者とは別の作業者が保持してもよい。カメラによりARマーカを写し込ませることで、携帯端末のディスプレイには施工前用水平スケールおよび施工前用垂直スケールが表示されるので、これを適宜移動させる。また、必要な寸法補助線、寸法線および寸法値を表示させる。さらに、撮影日時や撮影者名など、必要事項を入力する。
(4)後期施工工程
ここでは、上記で「施工後」としていた部分の工程を、後期施工工程とよぶ。すなわち、後期施工工程では、間柱に壁面を取り付けて電気配線を覆い隠し、ボックスには機能に応じたカバーを取り付ける。そして、壁面の表面にクロスを貼るなどして仕上げ、さらに床や天井にも仕上げ材を取り付けて、建築物の内装を完成させるまでの工程を行う。
(5)施工後撮影工程
「施工後」の状態において、壁面に追加の工事が必要となった場合に、携帯端末のカメラにより、施工現場を撮影して、施工後画像を得る。その際、所定の水平基準線と垂直基準線の交点にARマーカの中心を一致させて、写し込む。壁面や、床・天井の仕上げ材が設けられているので、それらの面を基準に、水平基準線および垂直基準線の位置が割り出される。施工前撮影工程と同様に、ARマーカは、台の上に載置してもよいし、撮影者とは別の作業者が保持してもよい。そして、施工前後のARマーカを基準として、施工後画像に半透明化した施工前画像が重ね合わせられて、合成画像を得る。さらに、携帯端末のディスプレイには施工後用水平スケールおよび施工後用垂直スケールが表示されるので、これを適宜移動させる。また、必要な寸法補助線、寸法線および寸法値を表示させる。さらに、撮影日時や撮影者名など、必要事項を入力する。
(6)追加施工工程
合成画像により、壁面の下の電気配線の位置を確認し、電気配線を傷付けないようにして、壁面に棚を取り付ける。以上で、一連の工程が完了する。
このような施工現場記録用プログラムにより制御される携帯端末によれば、携帯端末の表示部に、施工後画像に半透明化した施工前画像を重ね合わせた合成画像を表示するものであるから、施工前の現場の状況について、施工後の現場との位置関係の対応が、直感的にわかりやすい。たとえば、上記のように、建築物の屋内の壁面の施工後の画像に、壁面を施工する前の配線が露出した状態の画像を半透明化して重ね合わせることで、壁面下のどこに配線が位置しているのかを、直感的に把握することができる。また、施工前画像と施工後画像の合成は、画像内のARマーカが基準となるので、容易かつ正確に位置合わせされる。
また、施工前と施工後のそれぞれにおいて、ARマーカに対応して携帯端末の表示部にスケールを表示するものであり、実物のスケールを用いることなく、現場の各部の大きさや距離を表すためのスケールを表示できるので、実物のスケールの設置の手間がかからず、撮影が容易である。そして、特に施工後において合成画像に施工後用スケールを表示できるので、施工後の構造物と、施工前にしか見えない構造物(施工後には別の構造物に隠される構造物)との間の距離など、実物のスケールでは測ることができない部分についても、測ることが可能である。たとえば、建築物の屋内において、施工後の仕上がった床や壁の位置を基準として、壁面下の配線までの距離を測ることができる。これにより、施工前の現場の状況について、施工後の現場との位置関係の対応を、より正確に把握できる。さらに、上記のように、追加で取り付ける構造物を合成画像に書き込んで、構造物の寸法や、床や壁から構造物までの距離を表示することもできる。
また、施工前と施工後のそれぞれにおいて、携帯端末の表示部に表示されたスケールを任意の位置に移動し固定できるので、より撮影が容易である。すなわち、基本的にスケールはARマーカの位置に表示されるものであるが、現場の状況によっては、スケールを表示させたい最適な場所にARマーカを保持できない場合もある。そのような場合でも、表示部上において容易にスケールの位置を調整できる。そして、スケールを移動させた後は、ARマーカに対する相対位置が固定されるので、さらに携帯端末の向きや位置を変えて撮影のアングルなどを調整できる。
また、携帯端末の表示部に図面を表示し、図面上の目印に施工前画像と合成画像を紐付けし、さらに合成画像が紐付けられた目印の色を変更するものであり、図面上の目印の色によって、施工前画像のみが紐付けられているのか、施工前画像と合成画像の両方が紐付けられているのかが一目で見分けられるので、より使い勝手がよい。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、施工現場記録用プログラムは、図1(a)、(b)のフローチャートで示したものに対して、処理の順序が異なるもの、一部の処理を除外したもの、または他の処理を付加したものであってもよい。処理の順序が異なるものの例として、施工前画像決定ステップS10が、施工前スケール表示ステップS6と施工前寸法表示ステップS7の間に実行されるものであってもよい。この場合、施工前画像決定ステップS10において静止画となった施工前画像上で、寸法線などの表示(施工前寸法表示ステップS7)や、スケールの移動・固定(施工前スケール移動ステップS8、施工前スケール固定ステップS9)が行われる。同様に、施工後画像決定ステップS23が、施工後スケール表示ステップS19と施工後寸法表示ステップS20の間に実行されるものであってもよい。この場合、施工後画像決定ステップS23において静止画となった合成画像上で、寸法線などの表示(施工後寸法表示ステップS20)や、スケールの移動・固定(施工後スケール移動ステップS21、施工後スケール固定ステップS22)が行われる。また、上記で説明した各画面のUI(ユーザーインターフェース)は一例であり、ボタンやその他の表示される要素の位置、大きさ、形状や表示順などが異なるものであってもよい。さらに、この施工現場記録用プログラムを、建築物の屋内配線以外の施工現場の記録のために用いてもよい。
S1 図面表示ステップ
S2 目印表示ステップ
S3 施工前撮影ステップ
S4 施工前マーカ検出ステップ
S5 施工前算出ステップ
S6 施工前スケール表示ステップ
S8 施工前スケール移動ステップ
S9 施工前スケール固定ステップ
S13 施工前紐付けステップ
S15 施工後撮影ステップ
S16 施工後マーカ検出ステップ
S17 施工後算出ステップ
S18 合成画像表示ステップ
S19 施工後スケール表示ステップ
S21 施工後スケール移動ステップ
S22 施工後スケール固定ステップ
S26 施工後紐付けステップ
S27 色変更ステップ

Claims (4)

  1. 施工現場において施工前後の現場の状況を記録するために用いられるものであって、
    現場を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像を表示する表示部と、操作入力を受け付ける入力部と、を有する携帯端末に、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記撮影部により施工前の現場を撮影して施工前画像を取得し前記表示部に表示する施工前撮影ステップと、
    前記施工前画像内にARマーカが存在するか否かを検出する施工前マーカ検出ステップと、
    前記施工前画像内に前記ARマーカが存在する場合にその大きさ、位置および姿勢を算出する施工前算出ステップと、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記撮影部により施工後の現場を撮影して施工後画像を取得し前記表示部に表示する施工後撮影ステップと、
    前記施工後画像内に前記ARマーカが存在するか否かを検出する施工後マーカ検出ステップと、
    前記施工後画像内に前記ARマーカが存在する場合にその大きさ、位置および姿勢を算出する施工後算出ステップと、
    前記施工前算出ステップと前記施工後算出ステップにおいて算出された前記ARマーカの大きさ、位置および姿勢を基準として前記施工後画像に半透明化した前記施工前画像を重ね合わせた合成画像を表示部に表示する合成画像表示ステップと、
    を実行させることを特徴とする施工現場記録用プログラム。
  2. 前記携帯端末に、
    前記施工前画像内の前記ARマーカの大きさ、位置および姿勢に応じて前記施工前画像に施工前用スケールを重ねて前記表示部に表示する施工前スケール表示ステップと、
    前記合成画像内の前記ARマーカの大きさ、位置および姿勢に応じて前記合成画像に施工後用スケールを重ねて前記表示部に表示する施工後スケール表示ステップと、
    を実行させることを特徴とする請求項1記載の施工現場記録用プログラム。
  3. 前記携帯端末に、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記施工前用スケールを任意の位置に移動して表示させる施工前スケール移動ステップと、
    前記施工前スケール移動ステップ終了後に、移動した前記施工前用スケールの前記ARマーカに対する相対位置を固定する施工前スケール固定ステップと、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記表示部に表示された前記施工後用スケールを任意の位置に移動して表示させる施工後スケール移動ステップと、
    前記施工後スケール移動ステップ終了後に、移動した前記施工後用スケールの前記ARマーカに対する相対位置を固定する施工後スケール固定ステップと、
    を実行させることを特徴とする請求項2記載の施工現場記録用プログラム。
  4. 前記携帯端末に、
    施工現場の図面を前記表示部に表示する図面表示ステップと、
    前記入力部への操作入力に応じて、前記図面上の撮影対象箇所に目印を表示する目印表示ステップと、
    前記施工前画像を前記目印に紐付ける施工前紐付けステップと、
    前記合成画像を前記目印に紐付ける施工後紐付けステップと、
    前記合成画像が紐付けられた前記目印の色を変更する色変更ステップと、
    を実行させることを特徴とする請求項1、2または3記載の施工現場記録用プログラム。

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