JP2020020566A - ループ型ヒートパイプ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができるループ型ヒートパイプを提供する。【解決手段】ループ型ヒートパイプは、第1の流路と、前記第1の流路上の第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路の間に設けられた分割板と、を有し、前記第1の流路は、作動流体を気化させる第1の蒸発器と、前記作動流体を液化する第1の凝縮器と、前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続する第1の輸送管と、前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続し、前記第1の輸送管と共に第1のループ状の流路を形成する第2の輸送管と、を含み、前記第2の流路は、前記作動流体を気化させる第2の蒸発器と、前記作動流体を液化する第2の凝縮器と、前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続する第3の輸送管と、前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続し、前記第3の輸送管と共に第2のループ状の流路を形成する第4の輸送管と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、ループ型ヒートパイプ及びその製造方法に関する。
電子機器に搭載されるCPU(Central Processing Unit)等の発熱部品を冷却するデバイスとして、ヒートパイプが知られている。ヒートパイプは、作動流体の相変化を利用して熱を輸送するデバイスである。
ヒートパイプの一例として、発熱部品の熱により作動流体を気化させる蒸発器と、気化した作動流体を冷却して液化する凝縮器とを備え、蒸発器と凝縮器とがループ状の流路を形成する液管と蒸気管で接続されたループ型ヒートパイプが挙げられる。ループ型ヒートパイプでは、作動流体はループ状の流路を一方向に流れる。
また、ループ型ヒートパイプの液管内には、多孔質体が設けられており、多孔質体に生じる毛細管力で液管内の作動流体を蒸発器に誘導し、蒸発器から液管に蒸気が逆流することを抑制している。多孔質体には多数の細孔が形成されている。各細孔は、貫通孔が形成された金属層同士を、貫通孔が部分的に重複するように積層することにより形成される(例えば、特許文献1参照)。
特許第6146484号公報
しかしながら、従来のループ型ヒートパイプでは、環境温度の上昇に伴って熱輸送性能が低下することがある。
本発明は、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができるループ型ヒートパイプ及びその製造方法を提供することを目的とする。
ループ型ヒートパイプの一態様は、第1の流路と、前記第1の流路上の第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路の間に設けられた分割板と、を有し、前記第1の流路は、作動流体を気化させる第1の蒸発器と、前記作動流体を液化する第1の凝縮器と、前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続する第1の輸送管と、前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続し、前記第1の輸送管と共に第1のループ状の流路を形成する第2の輸送管と、を含み、前記第2の流路は、前記作動流体を気化させる第2の蒸発器と、前記作動流体を液化する第2の凝縮器と、前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続する第3の輸送管と、前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続し、前記第3の輸送管と共に第2のループ状の流路を形成する第4の輸送管と、を含む。
開示の技術によれば、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができる。
第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプを示す平面模式図である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器及びその周囲の断面図である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸気管の構成を例示する断面図である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの液管の構成を例示する断面図である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を例示する平面図(その1)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を例示する平面図(その2)である。 貫通孔の配置を例示する平面図(その1)である。 貫通孔の配置を例示する平面図(その2)である。 図7A中の2層の金属層を積層したときの各貫通孔の位置を例示する平面図である。 図7B中の2層の金属層を積層したときの各貫通孔の位置を例示する平面図である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その1)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その2)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その3)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その4)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その5)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その6)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸気管の構成を例示する断面図である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの液管の構成を例示する断面図である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を例示する平面図(その1)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を例示する平面図(その2)である。 有底孔の配置を例示する平面図(その1)である。 有底孔の配置を例示する平面図(その2)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その1)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その2)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その3)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その4)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その5)である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図(その6)である。 第2の実施形態の変形例を例示する断面図である。 第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸気管の構成を例示する断面図である。 第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの液管の構成を例示する断面図である。 第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を例示する平面図(その1)である。 第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を例示する平面図(その2)である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプを示す平面模式図である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの第1の輸送管の構成を例示する断面図である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの第2の輸送管の構成を例示する断面図である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を示す平面図(その1)である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層の構成を示す平面図(その2)である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器の構成を例示する断面図である。 第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器の構成を例示する断面図である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器の構成を例示する断面図である。 第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器の構成を例示する断面図である。 第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器の構成を例示する断面図である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器の構成を例示する断面図である。 第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器の構成を例示する断面図である。
本発明者は、環境温度の上昇に伴って熱輸送性能が低下する原因を究明すべく鋭意検討を行った。そして、本発明者による詳細な解析の結果、環境温度の上昇に伴って液管内の作動流体が気化しようとし、これに伴って作動流体の流動性が低下し、熱輸送性能が低下することが明らかになった。
例えば、60hPaの圧力下での水の沸点は約40℃であるため、作動流体として水が用いられ、ループ型ヒートパイプの内部の圧力が60hPaまで減圧されている場合、蒸発器は約40℃の温度で作動し始める。しかし、環境温度がより高温、例えば50℃以上になると、液管内の液相の作動流体も気化しようとし、これに伴って作動流体の流動性が低下し、熱輸送性能が低下してしまう。ループ型ヒートパイプの内部の圧力を高めることで、液管内での作動流体の気化を抑制することができるが、それでは、蒸発器が作動し始める温度も高くなってしまう。
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。第1の実施形態はループ型ヒートパイプに関する。
[ループ型ヒートパイプの構造]
図1は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプを示す平面模式図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプ100は、蒸発器110と、凝縮器120と、蒸気管130と、液管140とを有する。ループ型ヒートパイプ100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル型の電子機器102に収容することができる。
ループ型ヒートパイプ100において、蒸発器110は、作動流体Cを気化させて蒸気Cvを生成する機能を有する。凝縮器120は、作動流体Cの蒸気Cvを液化させる機能を有する。蒸発器110と凝縮器120は、蒸気管130及び液管140により接続されており、蒸気管130及び液管140によって作動流体C又は蒸気Cvが流れるループである流路101が形成されている。蒸気管130は第1の輸送管及び第3の輸送管の一例であり、液管140は第2の輸送管及び第4の輸送管の一例である。
図2は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器及びその周囲の断面図である。図1及び図2に示すように、蒸発器110には、例えば4つの貫通孔110xが形成されている。蒸発器110に形成された各貫通孔110xと回路基板10に形成された各貫通孔10xにボルト15を挿入し、回路基板10の下面側からナット16で止めることにより、蒸発器110と回路基板10とが固定される。
回路基板10には、例えば、CPU等の発熱部品12がバンプ11により実装され、発熱部品12の上面が蒸発器110の下面と密着する。蒸発器110内の作動流体Cは、発熱部品12で発生した熱により気化し、蒸気Cvが生成される。
図1に示すように、蒸発器110に生成された蒸気Cvは、蒸気管130を通って凝縮器120に導かれ、凝縮器120において液化する。これにより、発熱部品12で発生した熱が凝縮器120に移動し、発熱部品12の温度上昇が抑制される。凝縮器120で液化した作動流体Cは、液管140を通って蒸発器110に導かれる。蒸気管130の幅W1は、例えば、8mm程度とすることができる。また、液管140の幅W2は、例えば、6mm程度とすることができる。蒸気管130の幅W1や液管140の幅W2は、これに限らず、例えば互いに等しくてもよい。
作動流体Cの種類は特に限定されないが、蒸発潜熱によって発熱部品12を効率的に冷却するために、蒸気圧が高く、かつ蒸発潜熱が大きい流体を使用することが好ましい。そのような流体としては、例えば、アンモニア、水、フロン、アルコール、及びアセトンを挙げることができる。
蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、及び液管140は、例えば、金属層が複数積層された構造とすることができる(図3及び図4参照)。金属層は、例えば、熱伝導性に優れた銅層であって、固相接合等により互いに直接接合されている。金属層の各々の厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。
なお、金属層は銅層には限定されず、ステンレス層やアルミニウム層、マグネシウム合金層等から形成してもよい。
次に、蒸気管130及び液管140の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸気管130の構成を例示する断面図である。図4は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの液管140の構成を例示する断面図である。図3は、図1中のIII-III線に沿った断面図であり、図4は、図1中のIV-IV線に沿った断面図である。
蒸気管130及び液管140は、例えば、金属層161〜167の7層が積層された構造とすることができる。金属層161〜167は、例えば、熱伝導性に優れた銅層であって、固相接合等により互いに直接接合されている。金属層161〜167の各々の厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。金属層161〜164により第1の流路101Aが構成され、金属層164〜167により第2の流路101Bが構成され、液管140内に多孔質体150が設けられている。なお、金属層161〜167は銅層には限定されず、ステンレス層やアルミニウム層、マグネシウム合金層等から形成してもよい。
次に、金属層161〜167の構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層162、163、165及び166の構成を例示する平面図である。図6は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層161、164及び167の構成を例示する平面図である。以下、1層目(一方の最外層)の金属層161、4層目(中央の層)の金属層164、及び7層目(他方の最外層)の金属層167を総称して金属層160Aということがある。また、その他の金属層162、163、165及び166を総称して金属層160Bということがある。
図5に示すように、金属層160Bには、作動流体Cの移動方向に沿って延びる開口部168が形成されている。また、液管140内では開口部168内に多孔質体150が設けられている。多孔質体150は液管140に沿って凝縮器120から蒸発器110まで延びている。多孔質体150は蒸発器110内にも設けられている。多孔質体150は、金属層160Bに形成された貫通孔を含む。多孔質体150の詳細については後述する。
図6に示すように、平面視で、金属層160Aの輪郭は、金属層160Bの輪郭と一致する。ただし、金属層160Aには開口部168が形成されておらず、金属層160Aはべた状の金属層である。
ここで、多孔質体150の構成について説明する。図7A及び図7Bは、2層目(金属層162)、3層目(金属層163)、5層目(金属層165)及び6層目の金属層(金属層166)における貫通孔の配置を例示する平面図である。図8A及び図8Bは、図7A及び図7B中の2層の金属層(金属層162及び163の対、金属層165及び166の対)を積層したときの各貫通孔の位置を例示する平面図である。図7Aは、2層目の金属層162における貫通孔172の配置と、3層目の金属層163における貫通孔173の配置とを例示する。図7Bは、5層目の金属層165における貫通孔175の配置と、6層目の金属層166における貫通孔176の配置とを例示する。図8Aは、2層目及び3層目の金属層162、163を積層したときの各貫通孔の位置を例示し、図8Bは、5層目及び6層目の金属層165、166を積層したときの各貫通孔の位置を例示する。図4における多孔質体150の断面は、図8A及び図8B中のIV-IV線に沿った断面に相当する。
なお、図7A〜図8Bにおいて、金属層161〜167の積層方向をZ方向、Z方向に垂直な平面内の任意の方向をX方向、この平面内においてX方向と直交する方向をY方向としている(以降の図も同様)。
図7A〜図8Bに示すように、多孔質体150では、各金属層に平面形状が長方形状の貫通孔が複数形成されている。貫通孔は、例えば、X方向に延びる複数の仮想直線LxとY方向に延びる複数の仮想直線Lyとの交点に配置される。仮想直線Lx及び仮想直線Lyは一定の間隔Kで配置されている。
平面視で、貫通孔の位置は、2層目の金属層162と3層目の金属層163との間で相違し、5層目の金属層165と6層目の金属層166との間で相違している。
図7Aに示すように、例えば、金属層162に形成された貫通孔172は、長辺がY方向に平行で、短辺がX方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、貫通孔172の長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。貫通孔172は、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。
図7Aに示すように、例えば、金属層163に形成された貫通孔173は、長辺がX方向に平行で、短辺がY方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、貫通孔173の長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。貫通孔173は、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。また、貫通孔173は、貫通孔172が配置された交点とは異なる交点に配置されている。
そして、図4及び図8Aに示すように、貫通孔172及び173は、平面視で部分的に重なり合い、重なり合う部分は連通して細孔1723を形成している。例えば、細孔1723は長方形状の平面形状を有し、その長辺の長さは50μm〜150μm、短辺の長さは10μm〜50μmである。金属層162及び163内で細孔1723同士が互いに連通しており、互いに連通する細孔1723は多孔質体150内に三次元的に広がっている。そのため、作動流体Cは、毛細管力により、互いに連通する細孔1723内を三次元的に広がる。
図7Bに示すように、例えば、金属層165に形成された貫通孔175は、長辺がY方向に平行で、短辺がX方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、貫通孔175の長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。貫通孔175は、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。
図7Bに示すように、例えば、金属層166に形成された貫通孔176は、長辺がX方向に平行で、短辺がY方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、貫通孔176の長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。貫通孔176は、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。また、貫通孔176は、貫通孔175が配置された交点とは異なる交点に配置されている。
そして、図4及び図8Bに示すように、貫通孔175及び176は、平面視で部分的に重なり合い、重なり合う部分は連通して細孔1756を形成している。例えば、細孔1756は長方形状の平面形状を有し、その長辺の長さは50μm〜150μm、短辺の長さは10μm〜50μmである。金属層165及び166内で細孔1756同士が互いに連通しており、互いに連通する細孔1756は多孔質体150内に三次元的に広がっている。そのため、作動流体Cは、毛細管力により、互いに連通する細孔1756内を三次元的に広がる。
このように、液管140には多孔質体150が設けられており、液管140内の液相の作動流体Cは、多孔質体150に生じる毛細管力によって蒸発器110まで誘導される。
その結果、蒸発器110からのヒートリーク等によって液管140内を蒸気Cvが逆流しようとしても、多孔質体150から液相の作動流体Cに作用する毛細管力で蒸気Cvを押し戻すことができ、蒸気Cvの逆流を防止することが可能となる。
更に、上記のように、多孔質体150は蒸発器110内にも設けられている。蒸発器110内の多孔質体150のうち、液管140寄りの部分には液相の作動流体Cが浸透する。この際、多孔質体150から作動流体Cに作用する毛細管力が、ループ型ヒートパイプ100内で作動流体Cを循環させるポンピング力となる。
しかも、この毛細管力は蒸発器110内の蒸気Cvに対抗するため、蒸気Cvが液管140に逆流するのを抑制することが可能となる。
なお、液管140には作動流体Cを注入するための注入口(図示せず)が形成されているが、注入口は塞がれており、ループ型ヒートパイプ100内は気密に保たれる。
ループ型ヒートパイプ100は、このように、蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、液管140及び多孔質体150を有する。蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、液管140及び多孔質体150は、金属層161〜167を積層して構成されている。金属層161〜167のうち、金属層160B(金属層162、163、165及び166)に開口部168が形成されており、金属層160A(金属層161、164及び167)は、開口部が形成されない、べた状の金属層である。従って、金属層161〜164により、一つのループ状の第1の流路101Aが構成され、金属層164〜167により、一つのループ状の第2の流路101Bが構成される。すなわち、ループ型ヒートパイプ100では、蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130及び液管140が厚さ方向で金属層164により2つの部分に分割されている。すなわち、図3、図4、図26及び図27に示すように、蒸発器110は第1の蒸発器110Aと第2の蒸発器110Bに分割され、凝縮器120は第1の凝縮器120Aと第2の凝縮器120Bとに分割され、蒸気管130は第1の蒸気管130Aと第2の蒸気管130Bとに分割され、液管140は第1の液管140Aと第2の液管140Bとに分割されている。また、多孔質体150は、第1の流路101A内で液管140に設けられた第1の多孔質体150Aと、第2の流路101B内で液管140に設けられた第2の多孔質体150Bとを有する。図26は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器110の構成を例示する断面図である。図27は、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器120の構成を例示する断面図である。図26は、図1中のXXVI-XXVI線に沿った断面図に相当し、図27は、図1中のXXVII-XXVII線に沿った断面図に相当する。金属層164は分割板の一例である。図3に示すように、金属層164は、第1の流路101Aに露出する上面(第1の面)164aと、第2の流路101Bに露出する下面(第2の面)164bとを有する。
言い換えると、金属層161〜164により、第1の蒸発器110A、第1の凝縮器120A、第1の蒸気管130A、第1の液管140A及び第1の多孔質体150Aが構成され、金属層164〜167により、第2の蒸発器110B、第2の凝縮器120B、第2の蒸気管130B、第2の液管140B及び第2の多孔質体150Bが構成される。そして、板状のループ型ヒートパイプ100の厚さ方向で、第1の蒸発器110Aと第2の蒸発器110Bとが重なり合い、第1の凝縮器120Aと第2の凝縮器120Bとが重なり合い、第1の蒸気管130Aと第2の蒸気管130Bとが重なり合い、第1の液管140Aと第2の液管140Bとが重なり合う。
そして、第1の流路101A及び第2の流路101Bには、互いに作動温度の範囲が相違する作動流体Cを封入することができる。
例えば、第1の流路101A及び第2の流路101Bの内部の圧力を相違させ、同一の物質を封入することで作動温度の範囲を異ならせることができる。例えば、第1の流路101Aに200hPaの内部圧力で水を封入し、第2の流路101Bに40hPaの内部圧力で水を封入することができる。200hPaの圧力下での水の沸点は約60℃であり、40hPaの圧力下での水の沸点は約30℃であるため、この場合、第1の流路101Aでは、第1の蒸発器110Aが約60℃から作動し、第2の流路101Bでは、第2の蒸発器110Bが約30℃から作動する。従って、蒸発器110は約30℃の温度で作動し始める。また、環境温度がより高温、例えば60℃になると、第2の流路101Bでの作動流体Cの流動性が低下するが、第1の蒸発器110Aが作動し始める。このため、ループ型ヒートパイプ100は作動を継続することができる。つまり、第1の実施形態によれば、作動温度の範囲を広げ、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができる。
また、例えば、第1の流路101A及び第2の流路101Bの内部の圧力を同一にし、異なる物質を封入することで作動温度の範囲を異ならせることができる。例えば、第1の流路101Aに200hPaの内部圧力で水を封入し、第2の流路101Bに200hPaの内部圧力で水及びエタノールの混合液を封入することができる。水及びエタノールの混合液の沸点は水の沸点よりも低い。従って、この場合も、作動温度の範囲を広げ、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができる。
なお、図2に示すように、発熱部品12の上面が蒸発器110の下面と密着するが、このとき、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで発熱部品12側の一方の作動温度が低く、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで反対側の他方の作動温度が高くなるように、作動流体Cが第1の流路101A及び第2の流路101Bに封入されていることが好ましい。しかし、これに限らず、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで発熱部品12側の一方の作動温度が高く、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで反対側の他方の作動温度が低くなるように、作動流体Cが第1の流路101A及び第2の流路101Bに封入されていてもよい。
[ループ型ヒートパイプの製造方法]
次に、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプ100の製造方法について、多孔質体の製造工程を中心に説明する。図9A〜図9Fは、第1の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図であり、図4に対応する断面を示している。
先ず、図9Aに示す工程では、図1の平面形状に形成された金属シート162bを準備する。そして、金属シート162bの上面にレジスト層180を形成する。金属シート162bは、最終的に金属層162となる部材であり、例えば、銅、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム合金等から形成することができる。金属シート162bの厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。レジスト層180としては、例えば、感光性のドライフィルムレジスト等を用いることができる。
次に、図9Bに示す工程では、金属シート162bの多孔質体150を形成する領域(例えば液管140となる領域)において、レジスト層180を露光及び現像して、金属シート162bの上面を選択的に露出する開口部180xを形成する。開口部180xの形状及び配置は、図7Aに示した貫通孔172の形状及び配置に対応するように形成する。
次に、図9Cに示す工程では、開口部180x内に露出する金属シート162bを金属シート162bの上面側からエッチングする。これにより、金属シート162bに貫通孔172が形成される。金属シート162bのエッチングには、例えば、塩化第二鉄溶液を用いることができる。
次に、図9Dに示す工程では、レジスト層180を剥離液により剥離する。これにより、金属層162が完成する。
次に、図9Eに示す工程では、孔や溝が形成されていないベタ状の金属層161、164及び167を準備する。また、金属層162と同様の方法により、金属層163、165及び166を形成する。金属層163、165及び166に形成される貫通孔の位置は、例えば、図7A及び図7Bに示した通りである。
次に、図9Fに示す工程では、図9Eに示す順番で各金属層を積層し、加圧及び加熱により固相接合を行う。これにより、隣接する金属層同士が直接接合されて構成された蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、及び液管140が形成され、液管140内や蒸発器110内に多孔質体150が形成される。その後、真空ポンプ等を用いて液管140内を排気した後、注入口(図示せず)から第1の流路101A及び第2の流路101B内に個別に作動流体Cを注入し、その後、注入口を封止する。
このとき、例えば、第1の流路101Aと第2の流路101Bとの間で内部の圧力を相違させ、作動流体Cとして、同一の物質を注入することができる。また、第1の流路101Aと第2の流路101Bとの間で内部の圧力を同一し、当該圧力下での沸点が相違する物質を注入することができる。
ここで、固相接合とは、接合対象物同士を溶融させることなく固相(固体)状態のまま加熱して軟化させ、更に加圧して塑性変形を与えて接合する方法である。なお、固相接合によって隣接する金属層同士を良好に接合できるように、金属層161〜167の全ての材料を同一にすることが好ましい。
このようにして、ループ型ヒートパイプ100を製造することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態はループ型ヒートパイプに関する。第2の実施形態は、多孔質体の構成の点で第1の実施形態と相違している。
[ループ型ヒートパイプの構造]
第2の実施形態における蒸気管130及び液管140の構成について説明する。図10は、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸気管130の構成を例示する断面図である。図11は、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの液管140の構成を例示する断面図である。図10は、図1中のIII-III線に沿った断面図に相当し、図11は、図1中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。
蒸気管130及び液管140は、例えば、金属層261〜265の5層が積層された構造とすることができる。金属層261〜265は、例えば、熱伝導性に優れた銅層であって、固相接合等により互いに直接接合されている。金属層261〜265の各々の厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。金属層261〜263により第1の流路101Aが構成され、金属層263〜265により第2の流路101Bが構成され、液管140内に多孔質体250が設けられている。なお、金属層261〜265は銅層には限定されず、ステンレス層やアルミニウム層、マグネシウム合金層等から形成してもよい。
次に、金属層261〜265の構成について説明する。図12は、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層262及び264の構成を例示する平面図である。図13は、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層261、263及び265の構成を例示する平面図である。以下、1層目(一方の最外層)の金属層261、3層目(中央の層)の金属層263、及び5層目(他方の最外層)の金属層265を総称して金属層260Aということがある。また、その他の金属層262及び264を総称して金属層260Bということがある。
図12に示すように、金属層260Bには、作動流体Cの移動方向に沿って延びる開口部268が形成されている。また、液管140内では開口部268内に多孔質体250が設けられている。多孔質体250は液管140に沿って凝縮器120から蒸発器110まで延びている。多孔質体250は蒸発器110内にも設けられている。多孔質体250は、金属層260Bに形成された有底孔を含む。多孔質体250の詳細については後述する。
図13に示すように、平面視で、金属層260Aの輪郭は、金属層260Bの輪郭と一致する。ただし、金属層260Aには開口部268が形成されておらず、金属層260Aはべた状の金属層である。
ここで、多孔質体250の構成について説明する。図14A及び図14Bは、2層目及び4層目の金属層262、264における有底孔の配置を例示する平面図である。図14Aは、2層目の金属層262における有底孔の配置を例示し、図14Bは、4層目の金属層264における有底孔の配置を例示する。図11における多孔質体250の断面は、図14A及び図14B中のXI-XI線に沿った断面に相当する。
図11及び図14Aに示すように、2層目の金属層262には、多孔質体250内で、上面側から厚さ方向の略中央部にかけて窪む有底孔272xと、下面側から厚さ方向の略中央部にかけて窪む有底孔272yとが、それぞれ複数個形成されている。
有底孔272xは、長辺がY方向に平行で、短辺がX方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、有底孔272xの長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。有底孔272xは、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。
有底孔272yは、長辺がX方向に平行で、短辺がY方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、有底孔272yの長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。有底孔272yは、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。また、有底孔272yは、有底孔272xが配置された交点とは異なる交点に配置されている。
そして、図11及び図14Aに示すように、有底孔272x及び272yは、平面視で部分的に重なり合い、重なり合う部分は連通して細孔272zを形成している。例えば、細孔272zは長方形状の平面形状を有し、その長辺の長さは50μm〜150μm、短辺の長さは10μm〜50μmである。金属層262内で細孔272z同士が互いに連通しており、互いに連通する細孔272zは多孔質体250内に三次元的に広がっている。そのため、作動流体Cは、毛細管力により、互いに連通する細孔272z内を三次元的に広がる。
図11及び図14Bに示すように、4層目の金属層264には、多孔質体250内で、上面側から厚さ方向の略中央部にかけて窪む有底孔274xと、下面側から厚さ方向の略中央部にかけて窪む有底孔274yとが、それぞれ複数個形成されている。
有底孔274xは、長辺がY方向に平行で、短辺がX方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、有底孔274xの長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。有底孔274xは、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。
有底孔274yは、長辺がX方向に平行で、短辺がY方向に平行な長方形状の平面形状を有する。例えば、有底孔274yの長辺の長さは200μm〜300μm、短辺の長さは100μm〜200μmである。有底孔274yは、各仮想配線Lx上で仮想配線Lyの1本おきに、かつ、各仮想配線Ly上で仮想配線Lxの1本おきに配置されている。また、有底孔274yは、有底孔274xが配置された交点とは異なる交点に配置されている。
そして、図11及び図14Bに示すように、有底孔274x及び274yは、平面視で部分的に重なり合い、重なり合う部分は連通して細孔274zを形成している。例えば、細孔274zは長方形状の平面形状を有し、その長辺の長さは50μm〜150μm、短辺の長さは10μm〜50μmである。金属層264内で細孔274z同士が互いに連通しており、互いに連通する細孔274zは多孔質体250内に三次元的に広がっている。そのため、作動流体Cは、毛細管力により、互いに連通する細孔274z内を三次元的に広がる。
このように、液管140には多孔質体250が設けられており、液管140内の液相の作動流体Cは、多孔質体250に生じる毛細管力によって蒸発器110まで誘導される。
その結果、蒸発器110からのヒートリーク等によって液管140内を蒸気Cvが逆流しようとしても、多孔質体250から液相の作動流体Cに作用する毛細管力で蒸気Cvを押し戻すことができ、蒸気Cvの逆流を防止することが可能となる。
更に、上記のように、多孔質体250は蒸発器110内にも設けられている。蒸発器110内の多孔質体250のうち、液管140寄りの部分には液相の作動流体Cが浸透する。この際、多孔質体250から作動流体Cに作用する毛細管力が、ループ型ヒートパイプ100内で作動流体Cを循環させるポンピング力となる。
しかも、この毛細管力は蒸発器110内の蒸気Cvに対抗するため、蒸気Cvが液管140に逆流するのを抑制することが可能となる。
なお、液管140には作動流体Cを注入するための注入口(図示せず)が形成されているが、注入口は塞がれており、ループ型ヒートパイプ100内は気密に保たれる。
第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプは、このように、蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、液管140及び多孔質体250を有する。蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、液管140及び多孔質体250は、金属層261〜265を積層して構成されている。金属層261〜265のうち、金属層260B(金属層262及び264)に開口部268が形成されており、金属層260A(金属層261、263及び265)は、開口部が形成されない、べた状の金属層である。従って、金属層261〜263により、一つのループ状の第1の流路101Aが構成され、金属層263〜265により、一つのループ状の第2の流路101Bが構成される。すなわち、第2の実施形態では、図10、図11、図28及び図29に示すように、蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130及び液管140が厚さ方向で金属層263により2つの部分に分割されている。また、多孔質体250は、第1の流路101A内で液管140に設けられた第1の多孔質体250Aと、第2の流路101B内で液管140に設けられた第2の多孔質体250Bとを有する。図28は、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器110の構成を例示する断面図である。図29は、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器120の構成を例示する断面図である。図28は、図1中のXXVI-XXVI線に沿った断面図に相当し、図29は、図1中のXXVII-XXVII線に沿った断面図に相当する。金属層263は分割板の一例である。図10に示すように、金属層263は、第1の流路101Aに露出する上面(第1の面)263aと、第2の流路101Bに露出する下面(第2の面)263bとを有する。
言い換えると、金属層261〜263により、第1の蒸発器110A、第1の凝縮器120A、第1の蒸気管130A、第1の液管140A及び第1の多孔質体250Aが構成され、金属層263〜265により、第2の蒸発器110B、第2の凝縮器120B、第2の蒸気管130B、第2の液管140B及び第2の多孔質体250Bが構成される。そして、板状のループ型ヒートパイプの厚さ方向で、第1の蒸発器110Aと第2の蒸発器110Bとが重なり合い、第1の凝縮器120Aと第2の凝縮器120Bとが重なり合い、第1の蒸気管130Aと第2の蒸気管130Bとが重なり合い、第1の液管140Aと第2の液管140Bとが重なり合う。
そして、第1の流路101A及び第2の流路101Bには、互いに作動温度の範囲が相違する作動流体Cを封入することができる。第1の実施形態と同様に、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで発熱部品12側の一方の作動温度が低く、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで反対側の他方の作動温度が高くなるように、作動流体Cが第1の流路101A及び第2の流路101Bに封入されていてもよい。しかし、これに限らず、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで発熱部品12側の一方の作動温度が高く、第1及び第2の蒸発器110A及び110Bのうちで反対側の他方の作動温度が低くなるように、作動流体Cが第1の流路101A及び第2の流路101Bに封入されていてもよい。
従って、第2の実施形態によっても、ループ型ヒートパイプ100と同様に、作動温度の範囲を広げ、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができる。また、第1の実施形態と比較して、金属層の数を低減して薄型化することができる。
[ループ型ヒートパイプの製造方法]
次に、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造方法について、多孔質体の製造工程を中心に説明する。図15A〜図15Fは、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプの製造工程を例示する図であり、図11に対応する断面を示している。
まず、図15Aに示す工程では、図1の平面形状に形成された金属シート262bを準備する。そして、金属シート262bの上面にレジスト層280を形成し、金属シート262bの下面にレジスト層290を形成する。金属シート262bは、最終的に金属層262となる部材であり、例えば、銅、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム合金等から形成することができる。金属シート262bの厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。レジスト層280及び290としては、例えば、感光性のドライフィルムレジスト等を用いることができる。
次に、図15Bに示す工程では、金属シート262bの多孔質体250を形成する領域(例えば液管140となる領域)において、レジスト層280を露光及び現像して、金属シート262bの上面を選択的に露出する開口部280xを形成する。また、レジスト層290を露光及び現像して、金属シート262bの下面を選択的に露出する開口部290xを形成する。開口部280x及び290xの形状及び配置は、図14Aに示した有底孔272x及び272yの形状及び配置に対応するように形成する。
次に、図15Cに示す工程では、開口部280x内に露出する金属シート262bを金属シート262bの上面側からハーフエッチングすると共に、開口部280x内に露出する金属シート262bを金属シート262bの下面側からハーフエッチングする。これにより、金属シート262bの上面側に有底孔272xが形成され、下面側に有底孔272yが形成される。また、表裏でX方向に交互に配置された開口部280xと開口部290xとは、平面視で部分的に重複しているため、重複する部分が連通して細孔272zが形成される。金属シート262bのハーフエッチングには、例えば、塩化第二鉄溶液を用いることができる。
次に、図15Dに示す工程では、レジスト層280及び290を剥離液により剥離する。これにより、金属層262が完成する。
次に、図15Eに示す工程では、孔や溝が形成されていないベタ状の金属層261、263及び267を準備する。また、金属層262と同様の方法により、金属層264を形成する。金属層264に形成される有底孔及び細孔の位置は、例えば、図14Bに示した通りである。
次に、図15Fに示す工程では、図15Eに示す順番で各金属層を積層し、加圧及び加熱により固相接合を行う。これにより、隣接する金属層同士が直接接合されて構成された蒸発器110、凝縮器120、蒸気管130、及び液管140が形成され、液管140内に多孔質体250が形成される。その後、真空ポンプ等を用いて液管140内を排気した後、注入口(図示せず)から第1の流路101A及び第2の流路101B内に個別に作動流体Cを注入し、その後、注入口を封止する。
このとき、例えば、第1の流路101Aと第2の流路101Bとの間で内部の圧力を相違させ、作動流体Cとして、同一の物質を注入することができる。また、第1の流路101Aと第2の流路101Bとの間で内部の圧力を同一し、当該圧力下での沸点が相違する物質を注入することができる。
このようにして、第2の実施形態に係るループ型ヒートパイプを製造することができる。
なお、第2の実施形態において、金属層262及び264が2層ずつ含まれていてもよい。図16は、第2の実施形態の変形例を例示する断面図である。
この変形例では、金属層261と金属層263との間に2層の金属層262が設けられ、金属層263と金属層265との間に2層の金属層264が設けられている。
この変形例によれば、より多くの細孔272z及び274zが含まれるため、より優れた熱輸送性能を得ることができる。蒸発器110、凝縮器120及び蒸気管130は第1の実施形態と同様の構成を有してもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態はループ型ヒートパイプに関する。第3の実施形態は、第1の流路及び第2の流路の配置の点で第1の実施形態と相違している。
[ループ型ヒートパイプの構造]
第3の実施形態における2層目(金属層362)、3層目(金属層363)、5層目(金属層365)及び6層目(金属層366)の金属層の構成について説明する。図17は、第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸気管130の構成を例示する断面図である。図18は、第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの液管140の構成を例示する断面図である。図17は、図1中のIII-III線に沿った断面図に相当し、図18は、図1中のIV-IV線に沿った断面図に相当する。図30は、第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器の構成を示す断面図である。図30は、図1中のXXVII-XXVII線に沿った断面図に相当する。蒸発器110は第1の実施形態と同様の構成を有してもよい。
蒸気管130及び液管140は、例えば、金属層361〜367の7層が積層された構造とすることができる。金属層361〜367は、例えば、熱伝導性に優れた銅層であって、固相接合等により互いに直接接合されている。金属層361〜367の各々の厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。金属層361〜364により第1の流路101Aが構成され、金属層364〜365により第2の流路101Bが構成され、液管140内に多孔質体150が設けられている。なお、金属層361〜367は銅層には限定されず、ステンレス層やアルミニウム層、マグネシウム合金層等から形成してもよい。
次に、金属層361〜367の構成について説明する。図19は、第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層362及び363の構成を例示する平面図である。図20は、第3の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層365及び366の構成を例示する平面図である。以下、2層目の金属層362及び3層目の金属層363を総称して金属層360Aということがある。また、5層目の金属層365及び6層目の金属層366を総称して金属層360Bということがある。
図19に示すように、金属層360Aには、作動流体Cの移動方向に沿って延びる開口部368Aが形成されている。また、液管140内では開口部368A内に多孔質体150が設けられている。多孔質体150は液管140に沿って凝縮器120から蒸発器110まで延びている。第3の実施形態では、金属層360Aの開口部368Aは、蒸気管130ではループの外寄りに、液管140ではループの内寄りに設けられている。
図20に示すように、金属層360Bには、作動流体Cの移動方向に沿って延びる開口部368Bが形成されている。また、液管140内では開口部368B内に多孔質体150が設けられている。多孔質体150は液管140に沿って凝縮器120から蒸発器110まで延びている。第3の実施形態では、金属層360Bの開口部368Bは、蒸気管130ではループの内寄りに、液管140ではループの外寄りに設けられている。
平面視で、金属層361、364及び367の輪郭は、金属層360A及び360Bの輪郭と一致する。ただし、金属層361、364及び367には開口部368A及び368Bが形成されておらず、金属層361、364及び367はべた状の金属層である。
そして、第3の実施形態では、金属層361〜364により、一つのループ状の第1の流路101Aが構成され、金属層364〜367により、一つのループ状の第2の流路101Bが構成される。
また、図17〜図20に示すように、第3の実施形態では、蒸気管130及び液管140において、平面視で第1の流路101Aと第2の流路101Bとが互いからずれた位置に設けられている。例えば、第1の流路101A及び第2の流路101Bは、図17又は図18に示す断面において、分割板の一例である金属層364を境に互いに斜めに設けられていてもよい。図17に示すように、金属層364は、第1の流路101Aに露出する上面(第1の面)364aと、第2の流路101Bに露出する下面(第2の面)364bとを有する。
更に、図19及び図20に示すように、第3の実施形態では、凝縮器120内で開口部368A及び368Bが蛇行するが、第1、第2の実施形態とは異なり、開口部368A及び368Bの間で蛇行の周期がずれている。従って、凝縮器120内において平面視で第1の流路101Aと第2の流路101Bとが重なり合う部分の面積は、第1、第2の実施形態よりも少ない。しかし、これに限らず、凝縮器120内の開口部368A及び368Bの蛇行の周期が互いに同一であってもよい。
このように、第3の実施形態では、平面視での第1の流路101Aと第2の流路101Bとの重なり合いが第1、第2の実施形態よりも小さい。流路の内部の圧力が高くなると、主に蒸気Cvが通流する蒸気管130及び凝縮器120に膨れが生じることがあるが、第3の実施形態によれば、第1の流路101Aの変形は金属層364〜367により抑制され、第2の流路101Bの変形は金属層361〜364により抑制される。従って、第1の流路101A又は第2の流路101Bの内部の圧力が高くなった場合でも、膨れの発生を抑制することができる。
そして、第1の流路101Aと第2の流路101Bには、互いに作動温度の範囲が相違する作動流体Cを封入することができる。従って、第3の実施形態によっても、ループ型ヒートパイプ100と同様に、作動温度の範囲を広げ、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態はループ型ヒートパイプに関する。第4の実施形態は、蒸気管及び液管の配置の点で第1の実施形態と相違している。
[ループ型ヒートパイプの構造]
図21は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプを示す平面模式図である。
図21に示すように、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプ400は、蒸発器410と、凝縮器420と、第1の輸送管430と、第2の輸送管440とを有する。ループ型ヒートパイプ400は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル型の電子機器402に収容することができる。
ループ型ヒートパイプ400において、蒸発器410は、作動流体Cを気化させて蒸気Cvを生成する機能を有する。凝縮器420は、作動流体Cの蒸気Cvを液化させる機能を有する。蒸発器410と凝縮器420は、第1の輸送管430及び第2の輸送管440により接続されており、第1の輸送管430及び第2の輸送管440によって作動流体C又は蒸気Cvが流れるループである流路401が形成されている。
蒸発器410、凝縮器420、第1の輸送管430、及び第2の輸送管440は、例えば、金属層が複数積層された構造とすることができる。金属層は、例えば、熱伝導性に優れた銅層であって、固相接合等により互いに直接接合されている。金属層の各々の厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。
なお、金属層は銅層には限定されず、ステンレス層やアルミニウム層、マグネシウム合金層等から形成してもよい。
次に、第1の輸送管430及び第2の輸送管440の構成について説明する。図22は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの第1の輸送管430の構成を例示する断面図である。図23は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの第2の輸送管440の構成を例示する断面図である。図22は、図21中のXXII-XXII線に沿った断面図であり、図23は、図21中のXXIII-XXIII線に沿った断面図である。
第1の輸送管430及び第2の輸送管440は、例えば、金属層461〜467の7層が積層された構造とすることができる。金属層461〜467は、例えば、熱伝導性に優れた銅層であって、固相接合等により互いに直接接合されている。金属層461〜467の各々の厚さは、例えば、50μm〜200μm程度とすることができる。金属層461〜464により第1の流路401Aが構成され、金属層464〜467により第2の流路401Bが構成される。また、第1の流路401Aでは、図23に示すように、第2の輸送管440内に多孔質体450が設けられ、第2の流路401Bでは、図22に示すように、第1の輸送管430内に多孔質体450が設けられている。図22及び図23に示すように、多孔質体450は、例えば多孔質体150と同様の構成を有する。例えば、図22に示すように、第1の輸送管430内の多孔質体450は、金属層465に形成された貫通孔475、金属層466に形成された貫通孔476、及び貫通孔475と貫通孔476とが連通して形成された細孔4756を含む。例えば、図23に示すように、第2の輸送管440内の多孔質体450は、金属層462に形成された貫通孔472、金属層463に形成された貫通孔473、及び貫通孔472と貫通孔473とが連通して形成された細孔4723を含む。なお、金属層461〜467は銅層には限定されず、ステンレス層やアルミニウム層、マグネシウム合金層等から形成してもよい。
次に、金属層461〜467の構成について説明する。図24は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層462及び463の構成を例示する平面図である。図25は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの金属層465及び466の構成を例示する平面図である。以下、2層目の金属層462及び3層目の金属層463を総称して金属層460Aということがある。また、5層目の金属層465及び6層目の金属層466を総称して金属層460Bということがある。
図24に示すように、金属層460Aには、作動流体Cの移動方向に沿って延びる開口部468Aが形成されている。また、第2の輸送管440内では開口部468A内に多孔質体450が設けられている。多孔質体450は第2の輸送管440に沿って凝縮器420から蒸発器410まで延びている。多孔質体450は蒸発器410内にも設けられている。
図25に示すように、金属層460Bには、作動流体Cの移動方向に沿って延びる開口部468Bが形成されている。また、第1の輸送管430内では開口部468B内に多孔質体450が設けられている。多孔質体450は第1の輸送管430に沿って凝縮器420から蒸発器410まで延びている。多孔質体450は蒸発器410内にも設けられている。
平面視で、金属層461、464及び467の輪郭は、金属層460A及び460Bの輪郭と一致する。ただし、金属層461、464及び467には開口部468A及び468Bが形成されておらず、金属層461、464及び467はべた状の金属層である。
ループ型ヒートパイプ400では、このように、金属層461〜464により、一つのループ状の第1の流路401Aが構成され、金属層464〜467により、一つのループ状の第2の流路401Bが構成される。すなわち、ループ型ヒートパイプ400では、蒸発器410、凝縮器420、第1の輸送管430及び第2の輸送管440が厚さ方向で金属層464により2つの部分に分割されている。すなわち、図22、図23、図31及び図32に示すように、蒸発器410は第1の蒸発器410Aと第2の蒸発器410Bとに分割され、凝縮器420は第1の凝縮器420Aと第2の凝縮器420Bとに分割され、第1の輸送管430は第1の蒸気管430Aと第2の液管430Bとに分割され、第2の輸送管440は第1の液管440Aと第2の蒸気管440Bとに分割されている。また、多孔質体450は、第1の流路401A内で第2の輸送管440に設けられた第1の多孔質体450Aと、第2の流路401B内で第1の輸送管430に設けられた第2の多孔質体450Bとを有する。第1の流路401Aでは、第1の輸送管430が蒸気管として機能し、第2の輸送管440が液管として機能する。また、第2の流路401Bでは、第1の輸送管430が液管として機能し、第2の輸送管440が蒸気管として機能する。従って、第1の流路401Aと第2の流路401Bとの間で作動流体Cは逆向きに流動する。図31は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの蒸発器410の構成を例示する断面図である。図32は、第4の実施形態に係るループ型ヒートパイプの凝縮器420の構成を例示する断面図である。図31は、図21中のXXXI-XXXI線に沿った断面図に相当し、図32は、図21中のXXXII-XXXII線に沿った断面図に相当する。金属層464は分割板の一例である。図22及び図23に示すように、金属層464は、第1の流路401Aに露出する上面(第1の面)464aと、第2の流路401Bに露出する下面(第2の面)464bとを有する。
言い換えると、金属層461〜464により、第1の蒸発器410A、第1の凝縮器420A、第1の蒸気管430A、第1の液管440A及び第1の多孔質体450Aが構成され、金属層464〜467により、第2の蒸発器410B、第2の凝縮器420B、第2の蒸気管440B、第2の液管430B及び第2の多孔質体450Bが構成される。そして、板状のループ型ヒートパイプ400の厚さ方向で、第1の蒸発器410Aと第2の蒸発器410Bとが重なり合い、第1の凝縮器420Aと第2の凝縮器420Bとが重なり合い、第1の液管440Aと第2の蒸気管440Bとが重なり合い、第1の蒸気管430Aと第2の液管430Bとが重なり合う。
そして、第1の流路401A及び第2の流路401Bには、互いに作動温度の範囲が相違する作動流体Cを封入することができる。
従って、第4の実施形態によっても、ループ型ヒートパイプ100と同様に、作動温度の範囲を広げ、環境温度の上昇に伴う熱輸送性能の低下を抑制することができる。
更に、第1の流路401Aの変形は金属層464〜467により抑制され、第2の流路401Bの変形は金属層461〜464により抑制される。従って、第3の実施形態と同様に、第1の流路401A又は第2の流路401Bの内部の圧力が高くなった場合でも、膨れの発生を抑制することができる。
第3、第4の実施形態を第2の実施形態に適用してもよい。すなわち、有底孔を用いて多孔質体が構成されたループ型ヒートパイプに、第3、第4の実施形態を適用してもよい。
なお、ループ型ヒートパイプを構成する金属層の数は上記の実施形態のものに限定されない。また、分割板が2以上設けられて、流路が3以上に分割されてもよい。
また、貫通孔及び有底孔のサイズ及び間隔は、ループ型ヒートパイプに要求される熱輸送量と熱輸送距離や、液管の高さ等によって適宜選択され得る。
また、貫通孔及び有底孔の平面形状は長方形状に限定されず、円形、楕円形又は他の多角形等の任意の平面形状とすることができる。また、金属層の間で貫通孔及び有底孔の大きさが相違していてもよい。また、これらの実施形態では、断面視における貫通孔及び有底孔の内壁は、底面に対して垂直な形状で示されている。しかし、これに限らず、貫通孔及び有底孔の内壁は、湾曲する半円形状や、テーパー形状、逆テーパー形状であっても構わない。
また、蒸気管内にも多孔質体が設けられていてもよい。液管内と蒸発器内に設けられる多孔質体は、貫通孔及び有底孔の平面形状や断面形状、貫通孔及び有底孔の配置が互いに同一であってもよいし、互いに相違していてもよい。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
100、400 ループ型ヒートパイプ
101、101A、101B、401、401A、401B 流路
110、110A、110B、410、410A、410B 蒸発器
120、120A、120B、420、420A、420B 凝縮器
130、130A、130B、430A、440B 蒸気管
140、140A、140B、430B、440A 液管
150、150A、150B、250、250A、250B、450、450A、450B 多孔質体
161〜167、261〜265、361〜367、461〜467 金属層
164a、164b、263a、263b、364a、364b、464a、464b 面
172、173、175、176、472、473、475、476 貫通孔
272x、272y、274x、274y 有底孔
272z、274z、1723、1756、4723、4756 細孔
430、440 輸送管

Claims (13)

  1. 第1の流路と、
    前記第1の流路上の第2の流路と、
    前記第1の流路と前記第2の流路の間に設けられた分割板と、を有し、
    前記第1の流路は、
    作動流体を気化させる第1の蒸発器と、
    前記作動流体を液化する第1の凝縮器と、
    前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続する第1の輸送管と、
    前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続し、前記第1の輸送管と共に第1のループ状の流路を形成する第2の輸送管と、を含み、
    前記第2の流路は、
    前記作動流体を気化させる第2の蒸発器と、
    前記作動流体を液化する第2の凝縮器と、
    前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続する第3の輸送管と、
    前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続し、前記第3の輸送管と共に第2のループ状の流路を形成する第4の輸送管と、を含む、ループ型ヒートパイプ。
  2. 前記第1の流路に封入された第1の作動流体と、
    前記第2の流路に封入され、前記第1の作動流体とは作動温度の範囲が相違する第2の作動流体と、
    を更に有する請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  3. 前記分割板は、前記第1の流路に露出する第1の面と、前記第2の流路に露出する、前記第1の面とは反対側にある第2の面と、を有する請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  4. 前記第1の流路及び前記第2の流路の各々は複数の金属層が積層された構造を有し、
    前記分割板は、前記複数の金属層のうちの一の金属層である請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  5. 前記第1の流路において前記第1の輸送管内又は前記第2の輸送管内に設けられ、前記第1の凝縮器により液化された前記作動流体を前記第1の蒸発器に誘導し、前記第2の流路において前記第3の輸送管内又は前記第4の輸送管内に設けられ、前記第2の凝縮器により液化された前記作動流体を前記第2の蒸発器に誘導する多孔質体を更に有する請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  6. 前記第1の流路において前記第1の輸送管内又は前記第2の輸送管内に設けられ、前記第1の凝縮器により液化された前記作動流体を前記第1の蒸発器に誘導し、前記第2の流路において前記第3の輸送管内又は前記第4の輸送管内に設けられ、前記第2の凝縮器により液化された前記作動流体を前記第2の蒸発器に誘導する多孔質体を更に有し、
    前記第1の流路及び前記第2の流路の各々は複数の金属層が積層された構造を有し、
    前記分割板は、前記複数の金属層のうちの一の金属層である請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  7. 前記多孔質体は、前記複数の金属層のうち1以上の金属層から構成され、
    前記1以上の金属層は第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面を有し、
    前記1以上の金属層において、第1の底部を有し前記第1の面側から窪む第1の孔と、第2の底部を有し前記第2の面側から窪む第2の孔と、前記第1の底部と前記第2の底部の間にあり、前記第1の孔と前記第2の孔とが連通する細孔が形成されている請求項6に記載のループ型ヒートパイプ。
  8. 前記多孔質体は、前記複数の金属層のうち2以上の金属層から構成され、
    前記複数の金属層の各々において、厚さ方向に前記複数の金属層の各々を貫通する複数の貫通孔が形成され、
    前記複数の貫通孔は、前記複数の金属層のうち隣接する第1の金属層及び第2の金属層にそれぞれ形成された第1の貫通孔と第2の貫通孔を含み、
    前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔は、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔が平面視で部分的に重なり合うところに形成される細孔を介して相互に連通する請求項6に記載のループ型ヒートパイプ。
  9. 前記第1の流路及び前記第2の流路は、平面視で互いからずれたそれぞれの領域を有する請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  10. 前記それぞれの領域は、前記第1及び第3の輸送管、前記第2及び第4の輸送管、前記第1及び第2の凝縮器、又はこれらの任意の組み合わせに位置する請求項9に記載のループ型ヒートパイプ。
  11. 第1の作動流体が流れる第1の流路を有する、複数の金属層の第1の積層構造体と、
    第2の作動流体が流れる第2の流路を有し、前記第1の積層構造体上にある複数の金属層の第2の積層構造体と、
    前記第1の積層構造体と前記第2の積層構造体の間に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路とを分ける金属層と、を有し
    前記第1の積層構造体は、
    前記第1の作動流体を気化する第1の蒸発器と、
    前記第1の作動流体を液化する第1の凝縮器と、
    前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器を接続する第1の輸送管と、
    前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器を接続し、前記第1の輸送管と第1のループ状の流路を形成する第2の輸送管と、を有し、
    前記第1の蒸発器、前記第1の凝縮器、前記第1の輸送管及び前記第2の輸送管により前記第1の流路が形成され、
    前記第2の積層構造体は、
    前記第2の作動流体を気化する第2の蒸発器と、
    前記第2の作動流体を液化する第2の凝縮器と、
    前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器を接続する第3の輸送管と、
    前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器を接続し、前記第3の輸送管とループ状の流路を形成する第4の輸送管と、を有し、
    前記第2の蒸発器、前記第2の凝縮器、前記第3の輸送管及び前記第4の輸送管により前記第2の流路が形成される、ループ型ヒートパイプ。
  12. 第1の流路と、前記第1の流路上の第2の流路と、を形成する工程を有し、
    前記第1の流路と、前記第2の流路と、を形成する工程は、前記第1の流路と前記第2の流路とを分ける分割板を形成する工程を有し、
    前記第1の流路は、作動流体を気化させる第1の蒸発器と、前記作動流体を液化する第1の凝縮器と、前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続する第1の輸送管と、前記第1の蒸発器と前記第1の凝縮器とを接続し、前記第1の輸送管と共に第1のループ状の流路を形成する第2の輸送管と、を含み、
    前記第2の流路は、前記作動流体を気化させる第2の蒸発器と、前記作動流体を液化する第2の凝縮器と、前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続する第3の輸送管と、前記第2の蒸発器と前記第2の凝縮器とを接続し、前記第3の輸送管と共に第2のループ状の流路を形成する第4の輸送管と、を含む、ループ型ヒートパイプの製造方法。
  13. 前記第1の流路に第1の作動流体を封入する工程と、
    前記第2の流路に、前記第1の作動流体とは作動温度の範囲が相違する第2の作動流体を封入する工程と、
    を更に有する請求項12に記載のループ型ヒートパイプの製造方法。
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