JP2020020317A - 水力発電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、同図の提案例は、水力発電モジュール103を支持する回転架台106が、回転梁114と支持梁120との前後2本の梁114、120で保持されているため、水力発電装置の全体構成が大掛かりとなることが十分に解消できず、また大掛かりなために回転架台106と前記2本の梁114,120の一体化物が重く、回転梁114の剛性を高める必要がある。
前記回転装置は、モータ駆動される構成であっても、人力で回転せせる構成であってもよい。
この構成の場合、回転梁に固定された姿勢固定部品が、水没姿勢および待機姿勢で水路固定体に係合する。そのため、水力発電モジュールが水没姿勢および待機姿勢で確実に姿勢保持される。
なお、前記姿勢固定部品は、一体の部品であっても、また回転架台を水没姿勢に姿勢維持する部品と待機姿勢に姿勢維持する部品とに分割されていてもよい。
少なくとも水没姿勢で、姿勢固定部品が水路固定体に締結手段で締結可能である場合、この締結により、流速変動から生じる水力発電モジュールの振動を抑え、安定的に維持できる。これによっても、水力発電装置の全体がよりコンパクト化できる。
角パイプの他に、前記外周に複数の平面を有する横断面形状の部材としては、H形鋼、溝形鋼(Cチャネル)、アングル等の形鋼が使用できる。
水力発電モジュールの水車翼は、水路に対して垂直に設置しなければ、流水が持つ運動エネルギーを効率良く取り出すことが出来ない。このため、水没姿勢を維持するための前記姿勢固定部品と水力発電モジュールとの位相が重要である。この位相を精度良く得るには、回転梁に対して回転架台および姿勢固定部品を精度の良い位相で接合する必要がある。この場合に、回転梁が丸パイプであると、回転架台および姿勢固定部品の取付位相を精度良く得ることが難しい。例えば、円筒状の回転梁に溶接する場合では、回転架台を溶接した後に姿勢固定部品の位相を、別に準備した治工具を用いて溶接しても、確実に合わせることの困難性が高い。すなわち、溶接が曲面と平面の接合であるため、施工がし難くかつ溶接部の強度が一様になり難い。しかし、回転梁が外周に平面を有する断面形状の部材であると、その平面に合わせて回転架台および姿勢固定部品を取付ければよく、位相合わせが容易である。溶接で接合する場合は、平面同士の接合とできるため、施工が行い易くかつ溶接部の強度が一様になる。
水没姿勢と待機姿勢とでは、通常では90°の姿勢変更を行うことになるため、四角形の角パイプを用いた場合に、上記の位相合わせがより容易となる。また、各姿勢を維持するための姿勢固定部品が回転梁の端部に配設される構成である場合でも、角パイプの内形状にその姿勢固定部品を嵌め合うことで位相が確保できる。
また、同等サイズの丸パイプと角パイプを比較した場合、角パイプのねじり方向及びたわみ方向の剛性が大きいため、水力発電モジュールを支持する架台が片持ちで回転梁の中央付近に支持されていても、回転梁のねじり方向及びたわみ方向の撓みが小さくなり、回転梁を支持する部位での回転トルクの増加が抑えられ、スムーズに回転する。
回転梁は水力発電モジュールの重量等で撓みを生じることがあるが、ベアリングユニットを用いると、その調心機能により、水力発電モジュールの円滑な姿勢変更が行える。前記カップリングは、チェーンカップリング等の傾き吸収機能を有するものが好ましく、その場合、回転梁が撓み、ベアリングユニットの軸受が調心して傾斜しても、カップリングの傾き吸収機能により、これに接続される回転装置に偏荷重を与えることがない。これにより、回転装置が円滑に動作する。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図9と共に説明する。
<水力発電装置全体の概略構成>
図3に示すように、この水力発電装置は、水路1に設置され、水流による水車2の回転によって発電を行う。水路1は、農業用水路、工業用水路、小河川等であり、同図の例では水路壁がコンクリート等からなる底壁部1aおよび両側の側壁部1b,1bで構成されている。
この水力発電装置は、水力発電モジュール3と、この水力発電モジュール3を水路1に支持する支持装置4とで構成される。支持装置4は、水路1の両肩にそれぞれ設置された一対の水路固定体11,11と、これら水路固定体11,11に設置されたベアリングユニット13,13に両端で回転自在に支持された回転梁14と、この回転梁14に接合されて前記水力発電モジュール3を支持し水車2の下端が水路1の水面Sより下に位置する水没姿勢と水車2の全体が水路1の水面Sより上に位置する待機姿勢とに渡って上下に回転可能な回転架台6とを備える。
回転梁14の一端は、回転装置15にカップリング16によって連結されている。また回転梁14の一端には姿勢固定部品31が固定されている。
図1に示すように、水力発電モジュール3は、水車2およびこの水車2の回転により発電する発電機8を有する。発電機8は、例えば永久磁石同期型である。
水車2は、通常は水路1の流水中に没する状態に設けられ、水力を回転力に変換する。水車2は、回転軸心O1が水路1の水流の流れる方向と平行なプロペラ型であり、前記回転軸心O1の周囲に放射状に延びる複数枚(図示の例では5枚)の翼2aを有している。水車2の向きは、正面が水流の上手側に向けられ、ギヤボックス9が背面に位置する。
回転梁14は、断面四角形の角パイプで構成され、両端に形状対応部品41が取り付けられている。図2(B)に拡大して示すように、形状対応部品41は、回転梁14の端部の内面に嵌合する断面形状四角形の嵌合部41aと、この嵌合部41aの端面から突出する断面形状円形の軸部41bとでなり、嵌合部41aが回転梁14に端部の開口縁に溶接部42により接合されている。 回転梁14は、形状対応部品41における前記軸部41bで前記ベアリングユニット13に回転自在に支持され、前記カップリング16に連結されている。
回転梁14の両端の形状対応部品41のうち、回転装置15側の形状対応部品41は、姿勢固定部品31の取り付けのために嵌合部41aが回転梁14の端部から突出しているが、他端の姿勢固定部品31の嵌合部41aは全体が回転梁14内に入っている。
図1に示すように、回転架台6は、回転梁14の側面に片持ち状に延びて取付けられた枠組体状の架台である。回転架台6は、回転梁14の側面にそれぞれ基端が溶接等で接合された2本の平行な片持ちフレーム材18,18と、これら片持ちフレーム材18,18間に掛け渡した設置板19とを有する。2本の片持ちフレーム材18,18はアングル材等からなり、互いに内向きでかつ上向きに設けられている。各片持ちフレーム材18は、基端が回転梁14の平面からなる側面に溶接で接合されている。
図7に拡大して示すように、詳しくは、各片持ちフレーム材18は、互いに直角を成す2枚のフランジ部18a,18bからなるアングル材であるが、片方のフランジ部18aが回転梁14の管径相当分だけ切り欠かれ、その切り欠かれた側のフランジ部18aの切り欠きの縁となる端面が回転梁14の一つの側面に溶接され、非切り欠き側のフランジ部18bにおける、他方のフランジ部18aから突出する部分18baは、回転梁14の前記側面と隣合う側面に溶接で接合されている。
図1のように、発電機8は、設置板19上に取付けられた発電機台20により、出力軸が設置板19に垂直な方向に設置されている。前記支柱10は、前記設置板19の下面に取付けられている。
回転装置15は、この実施形態では、正逆回転可能な電動のモータ15aと、このモータ15aの回転を減速して回転梁14に伝達する減速機15bとでなり、減速機15bの箇所で回転装置受け台17を介して、前記水路固定体11の固定体上部材11b上に、前記ベアリングユニット13と共に設置されている。回転装置受け台17は、水路固定体11を構成する部品の一つである。
ベアリングユニット13は、ピロー形等の軸箱内に玉軸受等の転がり軸受を備えた構成であって、調心機能を有している。
カップリング16は、接続する両軸の多少の傾きを吸収可能な構成のもの、例えばチェーンカップリングが好ましい。
姿勢固定部品31は、回転梁14に固定されて水路固定体11に係合することにより、回転架台6を前記水没姿勢および前記待機姿勢でそれぞれ姿勢維持する部品であり、いわばストッパである。
この実施形態では、図1のように回転架台6が水没姿勢となった状態で水路固定体11に係合する第1の係合部31aと、図9のように回転架台6が待機姿勢となった状態で水路固定体11に係合する第2の係合部31bとを有し、これら第1および第2の係合部31aにより全体がL字形に形成されている。
図2、図9に拡大して示すように、各係合部31a,係合部31bは、より詳しくは角棒状であって、先端部に水路固定体11との接触部となる接触用突部31aa,31baが設けられている。
姿勢固定部品31は、直接に回転梁14に取り付けても良いが、回転梁14は角パイプであり変形し易いため、上記のように回転梁14に嵌合した形状対応部品41に取り付けることで、堅固に固定でき、水力発電モジュール3が設置された回転架台6の水没姿勢および待機姿勢での姿勢維持・確保がより確実となる。
なお、姿勢固定部品31は、この実施形態では回転梁14の一端側のみに設けたが、回転梁14の両端に取り付けてもよく、その場合、回転架台6の水没姿勢および待機姿勢での姿勢維持・確保がさらに確実となる。
姿勢固定部品31の前記第1の係合部31aと第2の係合部31bは、それぞれ水路固定体11と接触状態となる水没姿勢および待機姿勢で、水路固定体11に締結具(図示せず)で締結可能とされている。この締結具は、この例ではボルトからなり、第1の係合部31aおよび第2の係合部31bにそれぞれ形成されたボルト挿通孔48から、水路固定体11に設けられたボルト相通孔49に渡って相通され、ナット締めすることで水路固定体11に締結される。図示の例では、詳しくは、水路固定体11側のボルト相通孔49は、前記回転装置受け台17に締結される。前記各ボルト相通孔48,49、およびボルト・ナットにより、締結手段50が構成される。
この構成の水力発電装置は、常時は、水力発電モジュール3を図1、図4、図6に示すように、水車2が水路1の流水に漬かる水没姿勢とされ、水車2が回転することにより、発電機8が発電を行う。
メンテナンス時や増水時の安全等のために水路1から引き上げるときは、回転装置15の駆動により回転梁14を回転させることにより、回転架台6を90°回転させ、水力発電モジュール3を、図5、図8に示すように、水平な待機姿勢とする。図3は、回転架台6の姿勢変更途中の姿勢を示す。
また、回転梁14には、回転梁14に固定された姿勢固定部品11が、水没姿勢および待機姿勢で水路固定体11に係合する。そのため、水力発電モジュール3が水没姿勢および待機姿勢で確実に姿勢保持される。
この実施形態では、姿勢固定部品31は、前記水没姿勢および待機姿勢で水路固定体11に締結手段50によって固定されるため、水没姿勢では、流速変動をから生じる水力発電モジュールの振動を抑え、安定的に維持できる。これによっても、水力発電装置の全体がよりコンパクト化できる。待機姿勢では、水路固定体11に締結手段50によって固定されることで、安全に保守等が行える。
水力発電モジュール3の水車2は、水路1に対して垂直に設置しなければ、流水が持つ運動エネルギーを効率良く取り出すことが出来ない。このため、水没姿勢を維持するための姿勢固定部品31と水力発電モジュール3との位相が重要である。この位相を精度良く得るには、回転梁14に対して回転架台6および姿勢固定部品31を精度の良い位相で接合する必要がある。この場合に、回転梁14が丸パイプであると、回転架台6および姿勢固定部品31の取付位相を精度良く得ることが難しい。例えば、円筒状の回転梁に溶接する場合では、回転架台6を溶接した後に姿勢固定部品31の位相を、別に準備した治工具を用いて溶接しても、確実に合わせることの困難性が高い。すなわち、溶接が曲面と平面の接合であるため、施工がし難くかつ溶接部の強度が一様になり難い。しかし、回転梁14が外周に平面を有する断面形状の部材であると、その平面に合わせて回転架台6および姿勢固定部品31を取付ければよく、位相合わせが容易である。溶接で接合する場合は、平面同士の接合とできるため、施工が行い易くかつ溶接部の強度が一様になる。
水没姿勢と待機姿勢とでは、通常では90°の姿勢変更を行うことになるため、回転梁14に四角形の角パイプを用いた場合に、上記の位相合わせがより容易となる。また、各姿勢を維持するための姿勢固定部品31を、回転梁14の端部に配設する構成とした場合であっても、角パイプの内形状にその姿勢固定部品31を嵌め合うことで位相が確保できる。
また、同等サイズの丸パイプと角パイプを比較した場合、角パイプのねじり方向及びたわみ方向の剛性が大きいため、水力発電モジュール3を支持する回転架台6が片持ちで回転梁14の中央付近に支持されていても、回転梁14のねじり方向及びたわみ方向の撓みが小さくなる。そのため、次に述べるベアリングユニット13の調心性も相俟って、より回転トルクの増加が抑えられる。即ち、本構成を採ることにより、回転装置15、例えばその減速機15bがスムーズに稼働する。
回転梁14は水力発電モジュール3の重量等で撓みを生じることがあるが、ベアリングユニット13を用いると、その調心機能により、水力発電モジュール3の円滑な姿勢変更が行える。前記カップリング16は、チェーンカップリング等の傾き吸収機能を有するものが好ましく、その場合、回転梁14が撓み、ベアリングユニット13の軸受が調心して傾斜しても、カップリング16の傾き吸収機能により、これに接続される回転装置15に偏荷重を与えることがない。これにより、回転装置15が円滑に動作する。
図10ないし図15は、この発明の第2の実施形態を示す。この実施形態は、第1の実施形態において、回転装置15にモータ15aを用いた構成に代えて、手回し用のハンドル15cを設けている。すなわち、この例では、回転装置15が、回転装置受け台17上に設置された減速機15bと、この減速機15bの入力軸(図示せず)に設けられたハンドル15cとで構成されている。
2…水車
2a…翼
3…水力発電モジュール
4…支持装置
6…回転架台
8…発電機
9…ギヤボックス
10…支柱
11…水路固定体
12…繋ぎ材
13…軸受ユニット
14…回転梁
15…回転装置
15a…モータ
15b…減速機
15c…ハンドル
16…カップリング
17…回転装置受け台
18…片持ちフレーム材
19…設置板
20…発電機台
31…姿勢固定部品
31a、31b…係合部
41…形状対応部品
50…締結手段
Claims (5)
- 水車、およびこの水車の回転により発電する発電機を有する水力発電モジュールと、水路の両側部に設置された一対の水路固定体と、前記各水路固定体に両端がそれぞれ回転自在に支持された回転梁と、この回転梁に基端が接合されてこの回転梁から片持ち状に延び前記水力発電モジュールを支持して前記水車の下端が前記水路の水面より下に位置する水没姿勢と前記水車の全体が前記水路の水面より上に位置する待機姿勢とに渡って上下に回転可能な回転架台と、前記回転梁の一端に連結されて前記回転架台を回転させる回転装置とを備える水力発電装置。
- 請求項1に記載の水力発電装置において、前記回転梁に固定されて前記水路固定体に係合することにより前記回転架台を前記水没姿勢および前記待機姿勢でそれぞれ姿勢維持する姿勢固定部品を備える水力発電装置。
- 請求項2に記載の水力発電装置において、前記姿勢固定部品は、少なくとも前記回転架台の前記水没姿勢で前記水路固定体に締結手段で締結可能である水力発電装置。
- 請求項2または請求項3に記載の水力発電装置において、前記回転梁が、外周に平面を有する横断面形状の部材である水力発電装置。
- 請求項4に記載の水力発電装置において、前記回転梁が、断面形状四角形の角パイプである水力発電装置。
Priority Applications (1)
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2018
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