JP2020019024A - レーザ照射角度調整治具 - Google Patents

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栄光 草野
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【課題】ティーチング作業の簡素化および作業時間の短縮化を図ることができるレーザ照射角度調整治具を提供する。【解決手段】レーザ溶接ロボットのティーチング作業においてワークW上の溶接対象箇所にレーザ照射角度調整治具6を立設する。該レーザ照射角度調整治具6は、ワークWに対して直交する方向に延在するように立設される脚部61と、脚部61の上端部において、該脚部61の延在方向に対して直交する方向に延在する上面64を有する板部62とを備えている。板部62の上面64には、脚部61と板部62との連結位置を中心とする同心円65,66が表示されている。ティーチング用レーザ光が同心円65の中心付近に照射されているか否かを判断することでレーザ照射角度が、ワークWに対して略直交する方向からレーザ光を照射するものとなっているか否かを判断することができる。【選択図】図9

Description

本発明はレーザ照射角度調整治具に係る。特に、本発明は、レーザ溶接ロボットのティーチング作業に際し、ワークに対するレーザ光の照射角度の調整を行うために使用する治具に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、自動車の生産工場等で使用されるレーザ溶接ロボットにあっては、ワークに対するレーザ光の照射位置(以下、単にレーザ照射位置という場合もある)やレーザ光の照射角度(以下、単にレーザ照射角度という場合もある)等を教示するための教示データを作成するティーチング作業が行われる。つまり、予め行われたティーチング作業によってワーク上の各溶接対象箇所に対するレーザ溶接ロボットおよびレーザスキャナの姿勢等を規定する教示データを作成してプログラムしておく。そして、このプログラムに従って各溶接対象箇所に対する溶接作業を順次行うようにしている。
具体的なティーチング作業としては、実際のワークを使用し、該ワーク上の溶接対象箇所にレーザスキャナを対向させて、該レーザスキャナから溶接対象箇所に向けてレーザ照射(例えばティーチング用レーザ光の照射;例えば赤色HeNeレーザ光)を行いながら、そのレーザ照射が適正に行われているか否かを確認し、レーザ照射が適正に行われた状態での情報を教示データとして作成するようにしている。
このティーチング作業によって作成される各溶接対象箇所毎の教示データ(レーザ照射条件)としては、レーザ出力、レーザ焦点距離、レーザ照射角度等が挙げられる。これらレーザ照射条件をティーチング作業によって適正に得ておくことで、溶接品質を良好に得ることが可能になる。
特開2012−135781号公報
前述した各レーザ照射条件のうち、レーザ出力およびレーザ焦点距離については、レーザ溶接ロボットのデジタル制御が可能であり、作業者の目視に頼ることなく適正な教示データを作成することが可能である。
しかしながら、レーザ照射角度については、ティーチング作業において作業者の目視(レーザ光の照射方向の目視)による確認が行われているのが現状である。このレーザ照射角度としては、ワークの延在方向に対して略直交する方向(例えばワークの延在方向に直交する方向に対して5°傾斜した範囲内)からレーザ光を照射するものとなっていることが好ましいが、作業者の目視による確認が行われていることから、レーザ照射角度が適正に得られているか否かの判断は作業者の熟練度に依存している。
具体的なレーザ照射角度の調整作業の一例として、溶接用レーザ光の照射を行うものにあっては、先ず、ワーク上の溶接対象箇所に対向する位置までレーザスキャナを移動させ、適正なレーザ焦点距離が得られる状態にして、作業者が目視によってレーザ照射角度の確認を行う。そして、この状態で、ワークに対するレーザ照射(溶接用レーザ光の照射)を行い、溶接品質を評価する。そして、溶接品質が不良であった場合には、レーザ照射角度を変更し、再度、ワークに対するレーザ照射を行って溶接品質を評価することになる。
このように、従来のティーチング作業にあっては、ティーチング作業→溶接→評価→ティーチング作業の繰り返し(トライアンドエラー)によって各溶接対象箇所毎に適正なレーザ照射角度が得られるようにしていた。このため、ティーチング作業に多大な労力と時間を要することになり効率の悪いものであった。また、溶接対象箇所に向けてティーチング用レーザ光(溶接用レーザ光に比べて出力の小さいレーザ光)の照射を行う場合であっても、レーザ照射角度が適正に得られているか否かの判断は作業者の熟練度に依存することになり、適正なレーザ照射角度が得られていることの保証はできていないのが実状であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ティーチング作業の簡素化および作業時間の短縮化を図ることができるレーザ照射角度調整治具を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、金属製ワークに対するレーザ照射位置およびレーザ照射角度を教示するための教示データを作成するティーチング作業時において、前記金属製ワーク上の前記レーザ照射位置に、該金属製ワークの延在方向に対して直交する方向に延在するように立設される脚部と、前記脚部の延在方向の両端のうち前記金属製ワーク上の前記レーザ照射位置に当接する側とは反対側の一端部において、該脚部の延在方向に対して直交する方向に延在する表面を有する板部とを備えたレーザ照射角度調整治具であって、前記脚部には、該脚部の延在方向の他端部を前記金属製ワーク上の前記レーザ照射位置に磁気吸着させるための磁石が備えられており、前記板部の前記表面には、前記脚部と前記板部との連結位置を中心とする少なくとも一つの円が表示されていることを特徴とする。
この特定事項により、ティーチング作業時には、レーザ照射角度調整治具の脚部が、金属製ワークの延在方向(金属製ワークの表面が湾曲している場合には脚部の立設位置における接線方向を含む)に対して直交する方向に延在するようにレーザ照射位置に立設される。この状態では、脚部に備えられた磁石によって該脚部の延在方向の他端部(金属製ワーク側の端部)が金属製ワーク上に磁気吸着されており、前記立設状態が維持される。そして、この脚部の延在方向の一端部に連結された板部は、脚部の延在方向に対して直交する方向に延在する表面を有しているので、この状態(金属製ワーク上に脚部が立設された状態)では板部の表面は金属製ワークの延在方向に沿う方向に延在することになる。そして、この板部の表面には、脚部と板部との連結位置を中心とする少なくとも一つの円が表示されているため、金属製ワーク上のレーザ照射位置に向けてレーザ光が照射されている状態で、このレーザ光がワークの延在方向に対して略直交する方向から照射されている場合には、前記板部の表面に表示されている円の中心付近にレーザ光が照射されることになる。つまり、レーザ光が円の中心付近に照射されているか否かを判断することでレーザ照射角度が、ワークの延在方向に対して略直交する方向からレーザ光を照射するものとなっているか否かを判断することができる。このため、レーザ照射角度を作業者の目視(レーザ光の照射方向の目視)によって確認するといった作業が不要になり、レーザ照射角度が適正に得られているか否かの判断が作業者の熟練度に依存されてしまうといったことがなくなる。また、従来のトライアンドエラー(溶接用レーザ光の照射と溶接品質の評価とを繰り返しながらティーチング作業を行うもの)によって適正なレーザ照射角度が得られるようにするといった作業も必要なくなる。このため、適正なレーザ照射角度が得られていることの保証を高く得ることができると共に、ティーチング作業の簡素化および作業時間の短縮化を図ることができる。
本発明では、ティーチング作業時に金属製ワーク上のレーザ照射位置に該金属製ワークの延在方向に対して直交する方向に延在するように立設される脚部と、該脚部の延在方向の一端部において、該延在方向に対して直交する方向に延在する表面を有する板部とを備えさせ、この板部の表面に、脚部と板部との連結位置を中心とする少なくとも一つの円を表示させている。このため、レーザ光が前記円の中心付近に照射されているか否かを判断することでレーザ照射角度がワークの延在方向に対して略直交する方向からレーザ光を照射するものとなっているか否かを判断することができる。これにより、適正なレーザ照射角度が得られていることの保証を高く得ることができると共に、ティーチング作業の簡素化および作業時間の短縮化を図ることができる。
実施形態に係るレーザ溶接に使用されるレーザ溶接装置を示す概略構成図である。 レーザ照射角度調整治具の斜視図である。 レーザ照射角度調整治具の一部を断面で示す正面図である。 レーザ照射角度調整治具の平面図である。 ワーク上の各部に対するレーザ照射角度調整治具の立設状態を示す図である。 リヤドア開口縁部に対するティーチング作業時におけるレーザ照射角度調整治具の立設状態の一例を示す図である。 フロントドア開口縁部に対するティーチング作業時におけるレーザ照射角度調整治具の立設状態の一例を示す図である。 ティーチング作業時におけるレーザ焦点距離教示データの取得動作を説明するための図である。 図9(a)はティーチング作業時におけるレーザ照射角度教示データの取得動作を説明するための図であり、図9(b)はレーザ照射角度が適正に得られている場合のレーザ照射角度調整治具上でのレーザ照射位置を説明するための図である。 図10(a)はティーチング作業時におけるレーザ照射角度が所定範囲から外れている場合の図9(a)相当図であり、図10(b)はその場合のレーザ照射角度調整治具上でのレーザ照射位置を説明するための図である。 変形例におけるレーザ照射角度調整治具の分解図である。 変形例におけるティーチング作業時でのレーザ照射角度調整治具の立設状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るレーザ照射角度調整治具が、自動車の生産工場で使用されるレーザ溶接ロボットのティーチング作業で使用される場合について説明する。
−レーザ溶接装置の概略構成−
レーザ照射角度調整治具について説明する前に、レーザ溶接装置について説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接に使用されるレーザ溶接装置1を示す概略構成図である。この図1に示すように、レーザ溶接装置1は、レーザ発振器2、レーザスキャナ3、レーザ溶接ロボット4、および、制御装置5を備えている。
レーザ発振器2はレーザ光を生成する。この生成されたレーザ光は、光ファイバーケーブル21を経てレーザスキャナ3に導かれる。レーザ光としては、例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ等を用いることができる。
レーザスキャナ3は、光ファイバーケーブル21を経て導かれたレーザ光を、2枚の金属製板材(鋼板等)W1,W2が重ね合わされて成るワーク(金属製ワーク)Wに照射する(図1の一点鎖線を参照)。レーザスキャナ3の内部には図示しないレンズ群や複数のミラーが収容されている。レンズ群としては、レーザ光を平行光にするためのコリメートレンズや、レーザ光をワークW上の溶接対象箇所(ワークW上における所定のレーザ照射位置)において焦点を結ぶように集光させる集光レンズ等が備えられている。また、各ミラーは、レーザスキャナ3の内部でのレーザ光の光路を変更する。
レーザ溶接ロボット4は、レーザスキャナ3を移動可能とするように構成されている。このレーザ溶接ロボット4は、多関節ロボットによって構成されている。具体的に、本実施形態のものでは、ベース台41、該ベース台41の内部に収容された回転機構(図示省略)、関節42,43,44、および、アーム45,46,47を備えている。回転機構の回転動作および各関節42,43,44におけるアーム45,46,47の揺動動作により、レーザスキャナ3を任意の方向に移動することが可能となっている。
制御装置5には、予めティーチング作業によって、溶接対象箇所に向けてレーザスキャナ3を移動させるための情報である教示データ(後述するティーチング作業によって作成された、各関節42,43,44の回動角度量等の教示データ)が記憶されている。そして、車体製造ライン上の溶接工程箇所まで車体が搬送されてきた際に、制御装置5からの制御信号に従い、前記教示データに基づいてレーザ溶接ロボット4が作動することで、レーザスキャナ3が溶接対象箇所に対向され、このレーザスキャナ3から溶接対象箇所に向けてレーザ光が照射されることで順次レーザ溶接が行われていくことになる。
なお、前記教示データとしては、レーザ溶接ロボット4の動作経路に関するデータ、レーザ溶接ロボット4の動作経路上における各アーム45,46,47の姿勢に関するデータ、レーザ溶接ロボット4の動作経路上の移動速度に関するデータ、ワークW上おけるレーザ光の照射位置(レーザ照射位置)に関するデータ(照射されたレーザ光が合焦すべき位置に関するデータ)、レーザ光の出力強度(レーザ出力)に関するデータ、レーザスキャナ3より照射されるレーザ光の焦点距離に関するデータ、レーザスキャナ3より照射されるレーザ光の光軸方向に関するデータ(レーザ照射角度に関するデータ)、レーザ光が前記照射位置に照射される時間に関するデータ、レーザ光の照射位置の移動速度に関するデータ等が含まれる。
そして、前記教示データは、レーザ溶接ロボット4を設備内に設置した後に、実際のワークWを用いたティーチング作業によって作成される。なお、レーザ溶接ロボット4を設置する前に、オフラインティーチングで作成された教示データを制御装置5に予め記憶させておくことも可能である。この場合にも、当該作成された教示データは、実際のワークWを用いて修正しておく必要がある。
次に、ティーチング作業において教示データを作成するための構成および作成手順の概略について説明する。
図1に示すように、制御装置5は、ロボット制御部51、レーザスキャナ制御部52およびレーザ発振器制御部53を有している。
ロボット制御部51は、前記教示データを記憶しており、レーザ溶接ロボット4の各関節42,43,44に備えられた図示しないモータの動作を教示データに従って制御する。このロボット制御部51は、教示処理手順を指示する制御プログラムを記憶しており、ティーチング作業時には、この制御プログラムに従って各関節42,43,44に備えられたモータの動作を制御する。ロボット制御部51は、作業者によって操作される図示しないティーチペンダントと通信可能に接続され、ティーチング作業時に、各アーム45,46,47の姿勢を変更する場合には、作業者が前記ティーチペンダントを操作し、その入力された指令に従って前記モータの動作が制御される。
レーザスキャナ制御部52は、ロボット制御部51に記憶されている教示データ、制御プログラムまたはティーチペンダントで入力された指令に従って、レーザスキャナ3の動作を制御する。例えばレーザ光の焦点距離等を制御する。
レーザ発振器制御部53は、レーザ発振器2の動作を制御する。このレーザ発振器制御部53は、溶接作業時には、溶接するために十分に大きいエネルギ密度を有するレーザ光(溶接用レーザ光)を生成するようにレーザ発振器2を制御する。一方、ティーチング作業時には、後述するレーザ照射角度調整治具6をレーザ光の作用によって変質させないために十分に小さいエネルギ密度を有する測定レーザ光または案内レーザ光(ティーチング用レーザ光;例えば赤色HeNeレーザ光)を発生するようにレーザ発振器2を制御する。
このようにして、ティーチング作業では、教示処理手順に従ったロボット制御部51の制御、ティーチペンダントからの入力された指令(制御指令値)に従ったロボット制御部51の制御、溶接対象箇所に向けてのティーチング用レーザ光の照射を行いながら、レーザ照射が適正に行われた状態での情報を教示データとして作成する。
−レーザ照射角度調整治具−
次に、本実施形態の特徴であり、前記ティーチング作業において使用されるレーザ照射角度調整治具について説明する。図2はレーザ照射角度調整治具(以下、単に調整治具と呼ぶ)6の斜視図である。また、図3は調整治具6の一部を断面で示す正面図である。また、図4は調整治具6の平面図である。この調整治具6は、前記ティーチング作業時に、溶接対象箇所に立設され、ティーチング用レーザ光が照射されることで、該レーザ光の照射角度が適正に得られる状態にあるか否かを判断するために使用されるものである。
図2〜図4に示すように、調整治具6は、円柱形状の脚部61と円板形状の板部62とを備えている。これら脚部61および板部62は樹脂(例えばMCナイロン等)により一体的に成形されている。
脚部61は、前記ティーチング作業時に、ワークW上の溶接対象箇所(レーザ光を照射すべき位置)に該ワークWの延在方向に対して直交する方向に延在するように立設される。この脚部61の下端面(ワークWに当接する面)は、該脚部61の軸心O(図3を参照)に沿う方向に対して直交する方向に延在している。また、この脚部61の下部の内部には円柱形状の磁石63が収容されており(埋め込まれており)、この磁石63の磁力によって脚部61がワークW上に磁気吸着されるようになっている。より具体的には、脚部61の下部には下側に開放する円柱形状の凹部が形成されており、この凹部内に磁石63が収容されている。また、この磁石63の下端面は脚部61の下端面と面一となっている。つまり、この磁石63の下端面も、脚部61の軸心Oに沿う方向に対して直交する方向に延在している。これにより、脚部61の下端面がワークW上の溶接対象箇所に当接された場合には、この溶接対象箇所に、該ワークWの延在方向に対して直交する方向に延在するように脚部61が立設されることになる。
図5は、ワークW上の各部に対する調整治具6の立設状態を示す図である。図5(a)は水平面、図5(b)は傾斜面、図5(c)は鉛直面それぞれに対して調整治具6を立設させた状態を示している。これらの図に示すように、ワークWの傾斜角度に関わりなく、該ワークWの表面に対して脚部61の軸心Oが直交する方向に延在するように調整治具6を立設させることができる。
また、より具体的な使用形態として、図6は、リヤドア開口RDの縁部に対するティーチング作業時における調整治具6の立設状態の一例を示す図であり、図7は、フロントドア開口FDの縁部に対するティーチング作業時における調整治具6の立設状態の一例を示す図である。これらの図にも示すように、各ドア開口縁部(互いに溶接される複数のパネル材それぞれのフランジ部)に対しても、その表面に対して脚部61の軸心Oが直交する方向に延在するように調整治具6を立設させることができる。
板部62は、円板形状であって、その中心部が脚部61の上端部に連結されている。そして、この板部62の上面(本発明でいう板部の表面)64には、2つの同心円65,66が表示されている。これら同心円65,66の表示手法としては、板部62の上面64に溝を形成することによって表示している。これら同心円65,66のうち内側の円を内側円65と呼び、外側の円を外側円66と呼ぶこととする。これら同心円65,66の径寸法は、溶接対象箇所に向けてティーチング用レーザ光が照射された状態での該ティーチング用レーザ光の照射角度を測定することが可能な値として設定されている。
例えば、内側円65の径寸法は、溶接対象箇所(ワークWの表面に調整治具6が立設された状態では脚部61の下端面の中心位置)と内側円65とを繋ぐ直線(図3における直線L1)と、脚部61の軸心Oとの成す角度(図3における角度α)が5°となるように設定されている。また、外側円66の径寸法は、溶接対象箇所と外側円66とを繋ぐ直線(図3における直線L2)と、脚部61の軸心Oとの成す角度(図3における角度β)が10°となるように設定されている。これらの値はこれに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
このため、溶接対象箇所に向けてティーチング用レーザ光が照射された状態において、該ティーチング用レーザ光の照射位置が内側円65の内側に存在する場合にはティーチング用レーザ光の照射角度としては、脚部61の軸心(ワークWの延在方向に対して直交する方向に延在する軸心)Oに対する傾きが5°未満であると測定することができる。また、ティーチング用レーザ光の照射位置が内側円65の外側であって外側円66の内側に存在する場合にはティーチング用レーザ光の照射角度としては、脚部61の軸心Oに対する傾きが5°〜10°の範囲であると測定することができる。また、ティーチング用レーザ光の照射位置が外側円66の外側に存在する場合にはティーチング用レーザ光の照射角度としては、脚部61の軸心Oに対する傾きが10°以上であると測定することができる。
なお、調整治具6の各部の具体的な寸法の一例としては、調整治具6の長さ寸法(図3における寸法t1)が100mm、板部62の径寸法(図4における寸法t2)が70mm、板部62の厚さ寸法(図3における寸法t3)が3mm、磁石63の長さ寸法(図3における寸法t4)が5mmとなっている。これら寸法はこれに限定されるものではなく適宜設定される。
−ティーチング作業−
次に、本実施形態におけるティーチング作業について説明する。このティーチング作業の特徴は前記調整治具6を使用したレーザ照射角度の調整作業にある。従って、ここでは、このレーザ照射角度の調整作業について主に説明する。
図8は、ティーチング作業時におけるレーザ焦点距離教示データの取得動作を説明するための図である。この図8に示すように、ワークW上の溶接対象箇所に対向する位置までレーザスキャナ3を移動させ、該レーザスキャナ3からワークW上にティーチング用レーザ光を照射してレーザ光の焦点距離を合わせる。例えば、レーザ光の焦点位置がワークWの表面に一致するように前記ティーチペンダントへの入力操作によりレーザスキャナ3を制御する。
レーザ光の焦点距離を合わせた後、この溶接対象箇所に調整治具6を立設させる。具体的には、調整治具6の脚部61の下部を溶接対象箇所に位置合わせする。これにより、脚部61の下部に収容されている磁石63の磁力によって脚部61がワークW上に磁気吸着し、溶接対象箇所に、該ワークWの延在方向に対して直交する方向に脚部61が延在するように調整治具6が立設されることになる(図9を参照)。そして、板部62の上面64は、脚部61の延在方向に対して直交する方向に延在しているので、この状態(ワークW上に調整治具6が立設された状態)では板部62の上面64はワークWの延在方向に沿う方向に延在することになる。
このようにして、ワークW上の溶接対象箇所に調整治具6を立設させた状態で、板部62の上面64におけるティーチング用レーザ光の照射位置を確認する。
前述したように板部62の上面64には、脚部61と板部62との連結位置を中心とする2つの円(同心円)65,66が表示されている。そして、内側円65の径寸法は、溶接対象箇所と内側円65とを繋ぐ直線L1(図3を参照)と、脚部61の軸心Oとの成す角度αが5°となるように設定されている。
このため、ワークW上の溶接対象箇所に向けてティーチング用レーザ光が照射されている状態で、このティーチング用レーザ光がワークWの延在方向に対して略直交する方向(ワークWの延在方向に直交する方向に対して5°傾斜した範囲内)から照射されている場合には、内側円65の内側にティーチング用レーザ光が照射されることになる。つまり、ティーチング用レーザ光が内側円65の内側に照射されているか否かを判断することで、レーザ照射角度が、ワークWの延在方向に直交する方向に対して5°傾斜した範囲内の方向からティーチング用レーザ光を照射するものとなっているか否かを判断することができる。
図9(b)はレーザ照射角度が適正に得られている場合における調整治具6上でのティーチング用レーザ光の照射位置(図中の一点鎖線を参照)を示している。
一方、図10(a)はティーチング作業時におけるレーザ照射角度が所定範囲から外れている場合の図9(a)相当図であり、図10(b)はその場合の調整治具6上でのティーチング用レーザ光の照射位置(図中の一点鎖線を参照)を示している。この図10では、ティーチング用レーザ光の照射位置が外側円66の外側にある。この場合、ティーチング用レーザ光の照射角度としては、脚部61の軸心Oに対する傾きが10°を超えている(ワークWの延在方向に直交する方向に対する傾きが10°を超えている)と測定することができる。このようにティーチング用レーザ光の照射角度が適正に得られていない場合には、前述したティーチペンダントへの入力操作により照射角度の修正が行われ、この修正後のデータがレーザ照射角度教示データとして取得されることになる。なお、ティーチング用レーザ光の照射位置が内側円65の外側であって外側円66の内側に存在する場合にはティーチング用レーザ光の照射角度としては、脚部61の軸心Oに対する傾きが5°〜10°の範囲である(ワークWの延在方向に直交する方向に対する傾きが5°〜10°の範囲である)と測定することができる。
このように、板部62の上面64におけるティーチング用レーザ光の照射位置を確認するのみで、レーザ照射角度が、ワークWの延在方向に直交する方向に対して所定の範囲内(本実施形態では5°傾斜した範囲内)の方向からティーチング用レーザ光を照射するものとなっているか否かを判断することができる。
従って、本実施形態では、レーザ照射角度を作業者の目視(レーザ光の照射方向の目視)によって確認するといった作業が不要になり、レーザ照射角度が適正に得られているか否かの判断が作業者の熟練度に依存されてしまうといったことがなくなる。また、従来のトライアンドエラー(溶接用レーザ光の照射と溶接品質の評価とを繰り返しながらティーチング作業を行うもの)によって適正なレーザ照射角度が得られるようにするといった作業も必要なくなる。このため、適正なレーザ照射角度が得られていることの保証を高く得ることができると共に、ティーチング作業の簡素化および作業時間の短縮化を図ることができる。
−変形例−
次に、変形例について説明する。前述した実施形態では、調整治具6の脚部61と板部62とは一体的に成形されたものとなっていた。これに対し、本変形例では、複数種類の脚部61(61A,61B)が板部62に対して選択的に着脱自在となっており、溶接対象箇所周辺の板材W1,W2の形状に応じて板部62に取り付けられる脚部61(61A,61B)を選択するようにしている。以下、具体的に説明する。
図11は、本変形例における調整治具6の分解図である。図11(a)は板部62の正面図、図11(b)は一方の脚部61Aの正面図、図11(c)は他方の脚部61Bの正面図である。この図11に示すように、本変形例では、一つの板部62に対して2種類の脚部61A,61Bが選択されて取り付けられるものとなっている。
具体的には、各脚部61A,61Bは、長さ寸法が異なっている。図11(c)に示す脚部(長さ寸法が長い脚部)61Bの長さ寸法は、図11(b)に示す脚部(長さ寸法が短い脚部)61Aの長さ寸法の1.2倍程度に設定されている。この値はこれに限定されるものではなく適宜設定される。
また、各脚部61A,61Bの上部にはそれぞれ雄ネジ67,67が形成されている。一方、板部62の下部の中央部には円柱部68が一体的に成形されており、この円柱部68の下部には前記雄ネジ67がねじ込み可能な雌ネジ69が形成されている。これにより、何れの脚部61A,61Bにあっても、その雄ネジ67を板部62の雌ネジ69にねじ込むことによって選択的に着脱自在となっている。
このように長さ寸法の異なる脚部61A,61Bを用意しておくことで、溶接対象箇所周辺の板材W1,W2の形状に応じて、板部62に取り付けられる脚部61A,61Bを選択することになる。
具体的には、図12に示すように板材W1が屈曲されている場合、前記脚部(長さ寸法が短い脚部)61Aを使用した場合には、板部62が板材W1に干渉し、これによって、調整治具6を板材W1の延在方向(溶接対象箇所での延在方向)に対して直交する方向に延在するように立設することができない可能性がある(図12の仮想線を参照)。この場合、もう一方の脚部(長さ寸法が長い脚部)61Bを使用することで、この干渉を回避し、これによって、調整治具6を板材W1の延在方向(溶接対象箇所での延在方向)に対して直交する方向に延在するように立設することが可能になる(図12の実線を参照)。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態および前記変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態および前記変形例では、自動車の生産工場で使用されるレーザ溶接ロボット4のティーチング作業で使用される調整治具6を例に挙げて説明したが、その他の用途で使用されるレーザ溶接ロボットのティーチング作業で使用されるものであってもよい。
また、前記実施形態および前記変形例では、前記同心円65,66の表示手法としては板部62の上面64に溝を形成するものとしていた。本発明はこれに限らず、突起、段差、線図の描写等種々の手法によって表示することが可能である。
また、本発明に係る調整治具6は、レーザ溶接としてレーザスクリューウェルディング(LSW)を行うレーザ溶接ロボットのティーチング作業で使用されるものとしてもよい。
本発明は、レーザ溶接ロボットのティーチング作業に際し、ワークに対するレーザ光の照射角度の調整を行うために使用する治具に適用可能である。
6 レーザ照射角度調整治具
61 脚部
62 板部
63 磁石
64 上面(表面)
65 内側円
66 外側円
W ワーク

Claims (1)

  1. 金属製ワークに対するレーザ照射位置およびレーザ照射角度を教示するための教示データを作成するティーチング作業時において、前記金属製ワーク上の前記レーザ照射位置に、該金属製ワークの延在方向に対して直交する方向に延在するように立設される脚部と、
    前記脚部の延在方向の両端のうち前記金属製ワーク上の前記レーザ照射位置に当接する側とは反対側の一端部において、該脚部の延在方向に対して直交する方向に延在する表面を有する板部とを備え、
    前記脚部には、該脚部の延在方向の他端部を前記金属製ワーク上の前記レーザ照射位置に磁気吸着させるための磁石が備えられており、
    前記板部の前記表面には、前記脚部と前記板部との連結位置を中心とする少なくとも一つの円が表示されていることを特徴とするレーザ照射角度調整治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021230178A1 (ja) * 2020-05-15 2021-11-18 ファナック株式会社 レーザ加工のための教示システムおよび教示方法

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