各図においてZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す仮想軸である中心軸Jの軸方向は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1および図2に示すように、本実施形態の流路装置10は、流体Wが流れる流路部20と、流路部20を開閉する電磁弁30と、を備える。流体Wは、特に限定されず、例えば、水である。図1においては、電磁弁30が開き、流路部20内を流体Wが流れる開状態OSを示す。図2においては、電磁弁30が閉じ、流路部20内の流体Wの流れが堰き止められた閉状態CSを示す。電磁弁30は、開状態OSと、閉状態CSと、を切り換え可能である。
本実施形態の流路装置10は、流路システム1に備えられる。流路システム1は、被冷却体5を冷却する冷却システムである。流路システム1は、例えば、車両に搭載される。被冷却体5は、例えば、車両の駆動部である。
流路システム1は、ポンプ部2と、流体冷却部3と、流体タンク4と、被冷却体5と、流路装置10と、を備える。ポンプ部2は、流体タンク4内の流体Wを被冷却体5に送る。流体冷却部3は、流路部20内の流体Wを冷却する。流体冷却部3は、流路部20のうちポンプ部2と被冷却体5との間の部分に設けられる。
流路部20は、第1流路部21と、第2流路部22と、流入部23と、流出部24と、を有する。流入部23は、流体タンク4からポンプ部2まで延びる流路である。流出部24は、被冷却体5から流体タンク4まで延びる流路である。第1流路部21は、ポンプ部2から延びる流路である。第1流路部21には、ポンプ部2によって送られる流体Wが流入する。本実施形態において第1流路部21には、流体冷却部3が設けられる。
第2流路部22は、第1流路部21から被冷却体5まで延びる流路である。第2流路部22は、第1流路部21の上側に位置する。第1流路部21と第2流路部22とは、仕切壁部27によって軸方向に仕切られる。仕切壁部27は、軸方向と直交する方向に延びる壁であり、第1流路部21の上側の壁部の一部と第2流路部22の下側の壁部の一部とを構成する。仕切壁部27は、仕切壁部27を軸方向に貫通する第1孔部25を有する。すなわち、流路部20は、第1孔部25を有する。図示は省略するが、第1孔部25は、例えば、円形の孔である。図1に示す開状態OSにおいては、第1流路部21と第2流路部22とは、第1孔部25を介して繋がれる。
第2流路部22は、電磁弁30が取り付けられる取付孔26を有する。取付孔26は、第2流路部22の壁部のうち上側の上壁部28に設けられる。取付孔26は、上壁部28を軸方向に貫通する。取付孔26は、第1孔部25の上側に位置する。図示は省略するが、取付孔26は、例えば、円形の孔である。取付孔26の内径は、第1孔部25の内径よりも大きい。
なお、本明細書において「第2流路部が第1流路部の上側に位置する」とは、第2流路部のうち第1流路部と孔部を介して繋がる部分が、第1流路部のうち第2流路部と孔部を介して繋がる部分の上側に位置すればよい。すなわち、本明細書において「第2流路部が第1流路部の上側に位置する」とは、第2流路部の一部が第1流路部の上側に位置するような場合も含む。
図1に示すように、開状態OSにおいて、流体タンク4内の流体Wは、ポンプ部2によって、流入部23を介して第1流路部21に流入される。第1流路部21に流入した流体Wは、第1孔部25を介して、第2流路部22に流入する。第2流路部22に流入した流体Wは、被冷却体5を冷却し、流出部24を介して、流体タンク4に戻る。このように、開状態OSにおいては、流体タンク4と流路部20との間で流体Wが循環し、被冷却体5を流体Wによって冷却することができる。
一方、図2に示すように、閉状態CSにおいては、電磁弁30によって第1孔部25が閉塞されて第1流路部21と第2流路部22とが遮断される。これにより、第2流路部22に流体Wが流れなくなり、被冷却体5の冷却が停止される。
電磁弁30は、流路部20に固定される。より詳細には、電磁弁30は、取付孔26に取り付けられ、第2流路部22の上壁部28に固定される。図3および図4に示すように、電磁弁30は、本体部40と、筒部材60と、可動部50と、シール部材65と、弾性部材80と、を備える。なお、図3、図6および図7は、開状態OSを示し、図4は、閉状態CSを示す。
図3および図4に示すように、本体部40は、カバー41と、ソレノイド42と、第1磁性部材44aと、第2磁性部材44bと、スペーサ45と、すべり軸受部46a,46bと、Oリング47a,47bと、を有する。カバー41は、ソレノイド42を収容する。カバー41は、磁性材である。カバー41は、上壁部28に固定される。カバー41は、第1カバー41aと、第2カバー41bと、を有する。
第1カバー41aは、カバー本体41cと、円環板部41dと、保持部41eと、を有する。カバー本体41cは、下側に開口する有蓋の筒状である。本実施形態においてカバー本体41cは、中心軸Jを中心とする円筒状である。円環板部41dは、カバー本体41cの下側の端部から径方向外側に拡がる。保持部41eは、円環板部41dの径方向外縁部から下側に突出する筒状である。保持部41eの下側の端部は、径方向内側にカシメられている。
第2カバー41bは、板面が軸方向を向く板状である。図示は省略するが、本実施形態において第2カバー41bは、中心軸Jを中心とする円板状である。第2カバー41bは、保持部41eの径方向内側に嵌め合わされる。第2カバー41bは、第1カバー41aの下側の開口を閉じる。第2カバー41bは、第2カバー41bの中央部を軸方向に貫通するカバー貫通孔41fを有する。
ソレノイド42は、ボビン部42aと、コイル43と、モールド部42bと、を有する。ボビン部42aは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてボビン部42aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。ボビン部42aの下側の端部は、第2カバー41bと接触する。ボビン部42aの上側の端部は、第1カバー41aの上側の蓋部と接触する。コイル43は、ボビン部42aの外周面に巻き回される。モールド部42bは、ボビン部42aの径方向外側およびコイル43の径方向外側を覆う。
第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態において第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、中心軸Jを中心とする円筒状である。第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、ボビン部42aの径方向内側に嵌め合わされる。第1磁性部材44aの下側の端部は、第2カバー41bと接触する。第2磁性部材44bは、第1磁性部材44aの上側に位置する。第2磁性部材44bの上側の端部は、第1カバー41aの上側の蓋部と接触する。第1磁性部材44aおよび第2磁性部材44bは、磁性材である。
スペーサ45は、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてスペーサ45は、中心軸Jを中心とする円筒状である。スペーサ45は、第1磁性部材44aと第2磁性部材44bとの軸方向の間に位置する。スペーサ45の軸方向両端部は、各磁性部材と接触する。スペーサ45は、非磁性材である。スペーサ45は、例えば、樹脂から成る。
すべり軸受部46a,46bは、軸方向に延び、軸方向両側に開口する筒状である。本実施形態においてすべり軸受部46a,46bは、中心軸Jを中心とする円筒状である。すべり軸受部46aの下側の端部は、カバー貫通孔41fに嵌め合わされる。すべり軸受部46aの上側の部分は、第1磁性部材44aの径方向内側に嵌め合わされる。すべり軸受部46bは、第2磁性部材44bの径方向内側に嵌め合わされる。
Oリング47a,47bは、周方向に沿った環状である。本実施形態においてOリング47a,47bは、中心軸Jを中心とする円環状である。Oリング47aは、ボビン部42aの上側の端部と第1カバー41aの上側の蓋部との間に位置する。Oリング47aは、ボビン部42aと第1カバー41aとに接触して、ボビン部42aと第1カバー41aとの間を封止する。Oリング47bは、ボビン部42aの下側の端部と第2カバー41bとの間に位置する。Oリング47bは、ボビン部42aと第2カバー41bとに接触して、ボビン部42aと第2カバー41bとの間を封止する。
筒部材60は、本体部40から下側に延びる筒状である。筒部材60は、本体部40の下側に固定される。筒部材60は、取付孔26に嵌め合わされて、上壁部28に固定される。筒部材60は、筒部材本体62と、底部61と、を有する。筒部材本体62は、本体部40から下側に延びる筒状である。本実施形態において筒部材本体62は、中心軸Jを中心とする円筒状である。筒部材本体62は、取付孔26に嵌め合わされる。筒部材本体62の上側の端部は、第2カバー41bの下側の面のうち径方向外縁部と接触して固定される。これにより、筒部材本体62の上側の端部は、本体部40に固定される。
図5および図6に示すように、本実施形態において筒部材本体62は、樹脂製の樹脂部62aと、金属製の金属部62bと、固定凸部62dと、を有する。樹脂部62aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。樹脂部62aの径方向内側には、後述するフランジ部54が位置する。樹脂部62aは、取付孔26に嵌め合わされる。金属部62bは、中心軸Jを中心とする円環板状である。金属部62bは、樹脂部62aの上側に固定される。金属部62bのうち径方向内側寄りの部分は、樹脂部62aの上側の面に接触する。
金属部62bの外径は、樹脂部62aの外径よりも大きい。金属部62bは、樹脂部62aよりも径方向外側に突出する。図6に示すように、金属部62bのうち樹脂部62aよりも径方向外側に突出する部分は、上壁部28における上側の面のうち取付孔26の周縁部の上側に位置する。金属部62bの径方向外側の端部は、保持部41eの内周面に接触する。金属部62bの径方向外側の端部は、径方向内側にカシメられた保持部41eの下側の端部によって下側から支持される。保持部41eの下側の端部は、第2カバー41bとの軸方向の間に金属部62bを挟み込む。これにより、金属部62bが本体部40に固定され、筒部材60は、本体部40に固定される。金属部62bの内径は、樹脂部62aの内径と同じである。
金属部62bは、金属部62bを軸方向に貫通する貫通孔62gを有する。図5に示すように、貫通孔62gは、円形の孔である。本実施形態において貫通孔62gは、周方向に沿って複数設けられる。貫通孔62gは、例えば、8つ設けられる。複数の貫通孔62gは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図6に示すように、貫通孔62gは、小径孔部62hと、大径孔部62iと、を有する。小径孔部62hは、金属部62bの下側の面から上側に延びる。大径孔部62iは、小径孔部62hの上側に繋がる。大径孔部62iは、金属部62bの上側の面に開口する。大径孔部62iの内径は、小径孔部62hの内径よりも大きい。
固定凸部62dは、樹脂部62aから上側に突出し、貫通孔62gの内部に挿入される。固定凸部62dは、軸方向に延びる円柱状である。固定凸部62dは、樹脂製である。固定凸部62dと樹脂部62aとは、共に同一の単一部材の一部である。固定凸部62dは、小径凸部62eと、大径凸部62fと、を有する。
小径凸部62eは、樹脂部62aから上側に延びる部分である。小径凸部62eは、小径孔部62hに嵌め合わされる。大径凸部62fは、小径凸部62eの上側に繋がる部分である。大径凸部62fの外径は、小径凸部62eの外径よりも大きい。大径凸部62fは、大径孔部62iに嵌め合わされる。大径凸部62fは、小径孔部62hと大径孔部62iとの軸方向の間の段差部に上側から引っ掛かる。これにより、固定凸部62dが金属部62bに引っ掛かり、金属部62bが樹脂部62aと固定される。図5に示すように、固定凸部62dは、周方向に沿って複数設けられる。固定凸部62dは、例えば、8つ設けられる。
図6に示すように、筒部材本体62の上側の端部と第2カバー41bの下側の面との間には、Oリング64が設けられる。Oリング64は、周方向に沿った環状である。Oリング64によって、筒部材本体62の上側の端部と第2カバー41bの下側の面との間が封止される。本実施形態において筒部材本体62の上側の端部は、金属部62bの上側の端部である。そのため、Oリング64は、金属部62bの上側の端部と第2カバー41bの下側の面との間を封止する。
筒部材本体62は、筒部材本体62の外周面から径方向内側に窪む溝部62cを有する。溝部62cは、周方向に沿った円環状である。溝部62cは、筒部材本体62の外周面のうち取付孔26に嵌め合わされる部分に設けられる。すなわち、本実施形態において溝部62cは、樹脂部62aの外周面に設けられる。溝部62cには、Oリング63が嵌め込まれる。Oリング63は、溝部62cの溝底面と取付孔26の内周面とに接触する。Oリング63は、筒部材本体62の外周面と取付孔26の内周面との間を封止する。これにより、第2流路部22内の流体Wが取付孔26から外部に漏れることを抑制できる。
図3および図4に示すように、底部61は、筒部材本体62の径方向内側面から径方向内側に拡がる。本実施形態において底部61は、樹脂部62aの下側の端部から径方向内側に拡がる。底部61は、第2流路部22の内部において径方向に拡がる。底部61の外径は、後述するフランジ部54の外径および弁体部52bの外径よりも大きい。底部61は、弁体部52bとフランジ部54との軸方向の間に位置する。
底部61は、凹部61bと、第1貫通孔61aと、溝部61cと、を有する。凹部61bは、底部61の上側の面のうち中央部分から下側に窪む。第1貫通孔61aは、底部61の中央部分を軸方向に貫通する。より詳細には、第1貫通孔61aは、凹部61bの底面から底部61の下側の面までを軸方向に貫通する。第1貫通孔61aは、第2流路部22に開口する。
溝部61cは、底部61の上側の面から下側に窪む。溝部61cは、後述するシャフト部51を囲む環状である。本実施形態において溝部61cは、中心軸Jを中心とする円環状である。溝部61cは、第1貫通孔61aおよび凹部61bよりも径方向外側に位置する。本実施形態において溝部61cは、底部61の上側の面のうち径方向外縁部に位置する。
図6に示すように、溝部61cは、幅狭部61dと、幅広部61eと、を有する。幅狭部61dは、底部61の上側に開口する。幅広部61eは、幅狭部61dの下側に繋がる。幅広部61eは、幅狭部61dよりも径方向の寸法が大きい。本実施形態において幅狭部61dの軸方向の寸法と幅広部61eの軸方向の寸法とは、例えば、同じである。
本実施形態において底部61は、樹脂製である。底部61と樹脂部62aと固定凸部62dとは、共に同一の単一部材の一部である。本実施形態において筒部材60は、例えば、金属部62bをインサート部材とするインサート成形により作られる。
可動部50は、軸方向に延びる中心軸Jに沿って移動可能である。図3および図4に示すように、可動部50は、シャフト部51と、弁部52と、コア部53と、フランジ部54と、を有する。シャフト部51は、中心軸Jに沿って延びる。シャフト部51は、本体部40から下側に突出し、筒部材60の内部および第1貫通孔61aに通される。また、シャフト部51は、取付孔26を介して第2流路部22の内部に挿入される。本実施形態においてシャフト部51は、第1シャフト部51aと、第2シャフト部51bと、を有する。第1シャフト部51aと第2シャフト部51bとは、互いに別部材である。
第1シャフト部51aは、軸方向に延びる柱状である。本実施形態において第1シャフト部51aは、中心軸Jを中心とする円柱状である。第1シャフト部51aは、本体部40の内部に位置する。第1シャフト部51aは、第1磁性部材44aの内部とスペーサ45の内部と第2磁性部材44bの内部とに跨って配置される。
第2シャフト部51bは、第2シャフト部本体51cと、突出部51dと、を有する。第2シャフト部本体51cは、軸方向に延びる筒状である。本実施形態において第2シャフト部本体51cは、軸方向両側に開口し、中心軸Jを中心とする円筒状である。第2シャフト部本体51cの外径は、第1シャフト部51aの外径よりも大きい。第2シャフト部本体51cの内径は、第1シャフト部51aの外径よりも小さい。
第2シャフト部本体51cは、第1シャフト部51aの下側に位置する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、本体部40の内部に位置する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、すべり軸受部46aの径方向内側に嵌め合わされ、すべり軸受部46aによって軸方向に移動可能に支持される。これにより、すべり軸受部46aは、シャフト部51を軸方向に移動可能に支持する。第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1シャフト部51aの下側の端部と接触可能である。本実施形態では、少なくとも開状態OSと閉状態CSとにおいて、第2シャフト部本体51cの上側の端部は、第1シャフト部51aの下側の端部と接触する。
第2シャフト部本体51cの下側の部分は、本体部40の内部から下側に突出し、取付孔26を介して第2流路部22の内部に挿入される。第2シャフト部本体51cの軸方向の中央部分は、筒部材60の内部に挿入される。第2シャフト部本体51cの下側の端部は、筒部材60よりも下側に突出する。より詳細には、第2シャフト部本体51cの下側の端部は、第1貫通孔61aを通って底部61よりも下側に突出する。本実施形態において第2シャフト部本体51cの下側の端部は、開状態OSおよび閉状態CSの両状態において、第2流路部22の内部を軸方向に貫通し、第1孔部25を介して、第1流路部21の内部まで突出する。第2シャフト部本体51cの下側の端部における外周面には、雄ネジ部が設けられる。
突出部51dは、第2シャフト部本体51cの軸方向の中央部分から径方向外側に突出する。本実施形態において突出部51dは、中心軸Jを中心とする円環状である。突出部51dは、筒部材60の内部に位置する。突出部51dの外径は、第1貫通孔61aの内径よりも大きい。
弁部52は、固定筒部52aと、弁体部52bと、を有する。すなわち、可動部50は、固定筒部52aと、弁体部52bと、を有する。固定筒部52aは、軸方向に延びる筒状である。本実施形態において固定筒部52aは、中心軸Jを中心とし、軸方向両側に開口する円筒状である。固定筒部52aの内周面には、雌ネジ部が設けられる。固定筒部52aは、内周面の雌ネジ部が第2シャフト部本体51cの雄ネジ部に締め込まれて、第2シャフト部本体51cの下側の部分に固定される。固定筒部52aの下側の端部は、第2シャフト部本体51cの下側の端部よりも上側に位置する。
弁体部52bは、固定筒部52aを介して第2シャフト部本体51cのうち筒部材60よりも下側の部分に固定される。これにより、弁体部52bは、シャフト部51のうち底部61よりも下側に位置する部分に設けられる。弁体部52bは、固定筒部52aの上側の端部から径方向外側に拡がる。本実施形態において弁体部52bは、中心軸Jを中心とし、板面が軸方向を向く円環板状である。弁体部52bの外径は、突出部51dの外径および第1孔部25の内径よりも大きい。本実施形態において弁体部52bの下側の面は、径方向外側に向かうに従って上側に位置する湾曲面である。弁体部52bの上側の面は、軸方向と直交する平坦な面である。
弁体部52bは、第2流路部22の内部に位置する。図4に示すように、弁体部52bは、閉状態CSにおいて上側から第1孔部25を閉塞する。閉状態CSにおいて、弁体部52bの径方向外縁部は、第2流路部22の内側面のうち第1孔部25の縁部と接触する。弁体部52bは、第2受圧面52cを有する。第2受圧面52cは、下側を向く面であり、弁体部52bの下側の面の一部である。本実施形態において第2受圧面52cは、弁体部52bの下側の面のうち径方向外縁部を除く部分である。第2受圧面52cは、閉状態CSにおいて第1流路部21に露出する。第2受圧面52cは、閉状態CSにおいて、第1流路部21内の流体Wから上側向きの圧力を受ける。
コア部53は、軸方向に延びる。本実施形態においてコア部53は、中心軸Jを中心とする円筒状である。コア部53は、第1シャフト部51aの外周面に嵌め合わされて固定される。コア部53は、すべり軸受部46bの径方向内側に嵌め合わされ、すべり軸受部46bによって軸方向に移動可能に支持される。コア部53は、磁性材である。
フランジ部54は、シャフト部51のうち筒部材60の内部に挿入される部分の外周面から径方向外側に拡がる。フランジ部54は、筒部材60の内部に位置する。フランジ部54は、底部61よりも上側に位置する。すなわち、フランジ部54は、シャフト部51のうち底部61よりも上側に位置する部分の外周面から径方向外側に拡がる。
本実施形態においてフランジ部54は、第2シャフト部本体51cの外周面から径方向外側に拡がる。フランジ部54は、板面が軸方向を向く板状である。本実施形態においてフランジ部54は、中心軸Jを中心とする円板状である。フランジ部54の軸方向の面は、軸方向と直交する平坦面である。フランジ部54の外径は、突出部51dの外径よりも大きい。フランジ部54の外径は、弁体部52bの外径とほぼ同じである。本実施形態においてフランジ部54の外径は、弁体部52bの外径よりも僅かに小さい。
フランジ部54は、本体部40よりも下側で、かつ、弁体部52bよりも上側に位置する。本実施形態においてフランジ部54は、取付孔26の内部に位置する。フランジ部54は、突出部51dの上側に位置する。フランジ部54の下側の面のうち径方向内縁部は、突出部51dの上側の面に接触する。本実施形態においてフランジ部54は、シャフト部51と別部材である。
フランジ部54の外径は、筒部材本体62の内径よりも小さい。フランジ部54の径方向外側面は、筒部材本体62の径方向内側面から径方向内側に離れた位置に位置する。すなわち、フランジ部54と筒部材本体62との径方向の間には、隙間が設けられる。フランジ部54の径方向外側面と筒部材本体62の径方向内側面との間の径方向の距離は、すべり軸受部46aの内周面とシャフト部51の外周面との間の径方向のクリアランスよりも大きい。そのため、シャフト部51がすべり軸受部46aに対してクリアランス分だけ径方向に移動しても、フランジ部54の径方向外側面は、筒部材本体62の径方向内側面に接触しない。また、シャフト部51がすべり軸受部46aとの間のクリアランスによって許容される範囲内で傾いた場合であっても、フランジ部54の径方向外側面が筒部材本体62の径方向内側面に接触することを抑制できる。そのため、シャフト部51が傾いた場合に、フランジ部54が筒部材本体62の内部に嵌まって固定されることを抑制できる。これにより、可動部50の軸方向の移動が阻害されることを抑制できる。
本実施形態では、フランジ部54の径方向外側面と筒部材本体62の径方向内側面との間の径方向の距離は、シャフト部51がすべり軸受部46aとの間のクリアランスによって許容される最大量傾いた場合であっても、フランジ部54の径方向外側面が筒部材本体62の径方向内側面に接触しない程度の大きさである。これにより、シャフト部51が傾いても、フランジ部54が筒部材本体62に接触しない。したがって、可動部50の軸方向の移動が阻害されることをより抑制できる。
本実施形態において、フランジ部54の径方向外側面と筒部材本体62の径方向内側面との間の径方向の距離は、すべり軸受部46bの内周面とコア部53の外周面との間の径方向のクリアランスよりも大きい。すべり軸受部46bの内周面とコア部53の外周面との間の径方向のクリアランスは、例えば、すべり軸受部46aの内周面とシャフト部51の外周面との間の径方向のクリアランスと同じである。
なお、本明細書において、上述したフランジ部54の径方向外側面と筒部材本体62の径方向内側面との間の径方向の距離と各クリアランスとの関係、および各クリアランス同士の関係は、シャフト部51およびフランジ部54が筒部材本体62に対して傾いておらず、シャフト部51とフランジ部54と筒部材本体62とが同軸に配置された状態において満たされればよい。
フランジ部54は、電磁弁30の開状態OSと閉状態CSとの切り換えに伴って、筒部材60の内部を軸方向に移動する。図3に示すように、フランジ部54は、開状態OSにおいて、樹脂部62aおよび金属部62bの径方向内側に位置する。図4に示すように、フランジ部54は、閉状態CSにおいて、金属部62bよりも下側に位置し、樹脂部62aの径方向内側に位置する。フランジ部54の下側の面は、閉状態CSにおいて、底部61の上側の面よりも上側に離れた位置に位置する。これにより、弁体部52bが第1孔部25を閉塞するよりも前にフランジ部54が底部61に接触することがなく、弁体部52bによって第1孔部25を好適に閉塞することができる。
シール部材65は、底部61の上側の面に配置される。シール部材65は、第1貫通孔61aよりも径方向外側においてシャフト部51を囲む環状である。シール部材65は、中心軸Jを中心とする円環状である。本実施形態においてシール部材65は、溝部61cに嵌め込まれる。シール部材65は、底部61の上側の面における径方向外縁部に位置する。シール部材65は、例えば、ゴム等を材料とする弾性部材である。
図6に示すように、シール部材65は、固定部65aと、シール本体部65bと、を有する。固定部65aは、中心軸Jを中心とする円環板状である。固定部65aは、幅広部61eに嵌め込まれて固定される。固定部65aは、シール部材65の下側の端部である。すなわち、シール部材65の下側の端部は、溝部61cに嵌め込まれて固定される。そのため、接着剤等を用いることなく、シール部材65を底部61に対して容易に固定できる。本実施形態では、固定部65aは、幅広部61eに嵌め込まれることで、幅広部61eと幅狭部61dとの軸方向の間の段差部に下側から引っ掛かる。これにより、シール部材65が溝部61cから上側に抜けることが抑制される。
シール本体部65bは、固定部65aから幅狭部61dを介して底部61よりも上側に突出する。シール本体部65bは、中心軸Jを中心とする円環状である。シール部材65が弾性変形していない状態において、シール本体部65bの上側の端面における周方向と直交する断面形状は、上側に凸となる半円弧状である。図3および図4に示すように、本実施形態においてシール本体部65bは、開状態OSおよび閉状態CSのいずれの状態においても、底部61から上側に突出する。これにより、シール部材65は、開状態OSおよび閉状態CSにおいて底部61から上側に突出する。
シール部材65は、閉状態CSにおいてフランジ部54の下側の面と接触し、底部61の上側の面とフランジ部54の下側の面との間を封止する。閉状態CSにおいて、シール部材65は、軸方向に圧縮弾性変形した状態である。すなわち、シール部材65は、閉状態CSにおいて、フランジ部54に上側から押されて圧縮弾性変形することで、フランジ部54の下側の面と底部61の上側の面との間を全周に亘って封止する。本実施形態では、シール部材65のうちシール本体部65bが軸方向に圧縮弾性変形して、フランジ部54の下側の面と底部61の上側の面との間を封止する。本実施形態においてシール部材65は、閉状態CSにおいて、フランジ部54の下側の面のうち径方向外縁部と接触する。
本実施形態においてシール部材65は、軸方向に沿って視て、弁体部52bの径方向外縁部と重なる。本実施形態においてシール部材65の径方向外縁は、弁体部52bの径方向外縁よりも径方向内側に位置する。また、本実施形態においてシール部材65は、軸方向に沿って視て、第1孔部25の内縁と重なる。より詳細には、シール部材65のうちフランジ部54と接触するシール本体部65bが、軸方向に沿って視て、第1孔部25の内縁と重なる。
弾性部材80は、底部61によって下側から支持される。弾性部材80は、底部61とフランジ部54との軸方向の間に位置する。本実施形態において弾性部材80は、軸方向に延びるコイルスプリングである。弾性部材80の上側の端部は、突出部51dに径方向外側から嵌め合わされ、フランジ部54の下側の面に接触する。弾性部材80の下側の部分は、凹部61bの内部に挿入される。弾性部材80の下側の端部は、凹部61bの底面と接触する。すなわち、弾性部材80の下側の端部は、底部61に接触する。弾性部材80は、フランジ部54を介して、可動部50に上側向きの弾性力Fsを加える。
図3に示す開状態OSからソレノイド42のコイル43に電流を供給すると、コイル43の径方向内側に上側から下側に向かう磁界が生じる。これにより、磁束が、第2磁性部材44b、コア部53、第1磁性部材44a、第2カバー41b、カバー本体41cを順に通り、カバー本体41cの上側の蓋部から第2磁性部材44bに戻る磁気回路が生じる。この磁気回路によって、コア部53は、下側向きの電磁力Fmを受ける。そのため、コア部53および第1シャフト部51aが下側に移動し、かつ、第1シャフト部51aに上側から押されて、第2シャフト部51bも下側に移動する。このようにして、ソレノイド42は、可動部50を軸方向に移動させることができる。図4に示すように、可動部50が下側に移動することで、弁体部52bが第1孔部25を閉塞し、開状態OSから閉状態CSへと切り換えられる。
一方、閉状態CSにおいて、ソレノイド42のコイル43への電流供給を停止すると、上述した磁気回路が消失し、コア部53に生じた電磁力Fmも消失する。これにより、弁体部52bが第1流路部21内の流体Wから受ける上側向きの流体力Fw2と、フランジ部54が弾性部材80から受ける上側向きの弾性力Fsとによって、第2シャフト部51bおよび弁体部52bが上側に移動し、第1孔部25が開放される。したがって、閉状態CSから開状態OSへと切り換えられる。なお、このとき、第1シャフト部51aおよびコア部53も、第2シャフト部51bによって押されて、上側に移動する。
以上のように、電磁弁30は、ソレノイド42のコイル43への電流の供給と停止とを切り換えることで、第1孔部25を開閉し、開状態OSと閉状態CSとを切り換えることができる。
電磁弁30は、収容部としての第1収容部91と、第2収容部92と、をさらに備える。第1収容部91は、筒部材60の内部のうちフランジ部54よりも上側に位置する部分である。第2収容部92は、筒部材60の内部のうちフランジ部54よりも下側に位置する部分である。すなわち、筒部材60の内部は、第1収容部91と、第2収容部92と、を有する。第1収容部91と第2収容部92とは、フランジ部54と筒部材本体62との径方向の隙間を介して軸方向に繋がる。
第1収容部91は、第1流路部21を流れる流体Wを収容可能である。第1収容部91は、弁体部52bよりも上側に位置する。第1収容部91の内部のうち上側の端部は、取付孔26よりも上側に位置する。図4に示すように、第1収容部91は、閉状態CSにおいてシール部材65によって第2流路部22と遮断される。
本実施形態において第1収容部91は、本体部40とフランジ部54と筒部材本体62とに囲まれて構成される。フランジ部54の上側の面は、上側を向き、第1収容部91の内側面の一部を構成する第1受圧面54aである。すなわち、可動部50は、第1受圧面54aを有する。本実施形態において第1受圧面54aは、軸方向と直交する平坦な面である。第1受圧面54aの面積と第2受圧面52cの面積とは、互いに同じである。
なお、本明細書において「第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とが、互いに同じである」とは、第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とが厳密に同じである場合に加えて、第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とが略同じである場合も含む。
図3に示すように、第2収容部92には、開状態OSにおいて、第1貫通孔61aを介して第2流路部22が繋がる。これにより、第2収容部92は、第2流路部22を流れる流体Wを収容可能である。
図3および図4に示すように、第1収容部91の容積および第2収容部92の容積は、開状態OSと閉状態CSとで変化する。閉状態CSにおける第1収容部91の容積は、開状態OSにおける第1収容部91の容積よりも大きい。閉状態CSにおける第2収容部92の容積は、開状態OSにおける第2収容部92の容積よりも小さい。第2収容部92は、開状態OSにおいては流体Wが収容された状態となり、閉状態CSにおいては流体Wがほぼ排出された状態となる。より詳細には、閉状態CSにおいては、第2収容部92のうちシール部材65よりも径方向内側の部分からは第1貫通孔61aを介して流体Wが排出され、第2収容部92のうちシール部材65よりも径方向外側の部分には流体Wが収容されたままの状態となる。
電磁弁30は、電磁弁30の外部と筒部材60の内部とを繋ぐ接続流路部55をさらに備える。接続流路部55は、閉状態CSにおいて第1流路部21と第1収容部91とを繋ぐ。そのため、図4に示す閉状態CSにおいて、接続流路部55を介して、第1収容部91内に第1流路部21から流体Wが流入した状態となる。そして、閉状態CSにおいてシール部材65は、フランジ部54の下側の面と底部61の上側の面との間を全周に亘って封止する。そのため、第1収容部91と第2収容部92とがフランジ部54と筒部材本体62との径方向の隙間を介して繋がっていても、第1収容部91内に流入した流体Wがシール部材65によって堰き止められ、第2収容部92および第1貫通孔61aを介して第2流路部22に抜け出ることを阻止できる。したがって、閉状態CSにおいて、第1収容部91内に流体Wが収容された状態が維持される。
これにより、閉状態CSにおいては、第1収容部91内の流体Wの圧力によって、フランジ部54の第1受圧面54aには下側向きの流体力Fw1が加えられる。したがって、第1流路部21内の流体Wの圧力によって弁体部52bの第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2の少なくとも一部を、流体力Fw1によって相殺することができる。そのため、弁体部52bによって第1孔部25を閉塞して、閉状態CSに維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくできる。これにより、電磁弁30を小型化できる。
また、シール部材65を設けることで、フランジ部54と筒部材本体62との径方向の隙間を大きくしても、第1収容部91に流体Wを収容した状態を維持して流体力Fw1を得ることができる。これにより、電磁弁30を小型化しつつ、上述したように、シャフト部51が傾いた場合に、フランジ部54が筒部材本体62の内部に嵌まって固定されることを抑制できる。したがって、可動部50の軸方向の移動が阻害されることを抑制でき、電磁弁30の信頼性を向上できる。
また、フランジ部54によって筒部材本体62の内部を仕切る必要がなく、フランジ部54を筒部材本体62の内周面に滑らせて移動させる必要もない。そのため、筒部材本体62の内周面の成形精度を高くする必要がない。これにより、本実施形態のように、筒部材本体62の一部を樹脂製の樹脂部62aとして、筒部材60の製造コストを低減できる。一方、本実施形態では、筒部材60は、本体部40と固定される金属製の金属部62bを有するため、筒部材60を本体部40に対して精度よく固定することができる。したがって、本実施形態によれば、電磁弁30の組み立て精度を確保しつつ、電磁弁30の製造コストを低減できる。
また、例えば、第1孔部25の開口面積が大きいほど、開状態OSにおいて第1流路部21から第2流路部22へと流れる流体Wの損失を小さくできる。しかし、一方で、第1孔部25の開口面積が大きいほど、弁体部52bの第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2が大きくなる。そのため、従来では、流体Wの損失を抑えようとして第1孔部25の開口面積を大きくすると、電磁弁の出力を大きくする必要があり、電磁弁が大型化する場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、上述したように、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力を小さくできる。そのため、電磁弁30の出力を変えずに、従来よりも大きい流体力Fw2に抗して閉状態CSを維持できる。これにより、電磁弁30を大型化することなく、第1孔部25の開口面積を従来よりも大きくでき、流路部20を流れる流体Wの損失を低減できる。
また、本実施形態によれば、第1受圧面54aの面積と第2受圧面52cの面積とは、互いに同じである。そして、第1収容部91と第1流路部21とは互いに繋がっているため、第1収容部91内の流体Wの圧力と、第1流路部21内の流体Wの圧力とは、ほぼ同じである。これにより、第1受圧面54aに加えられる流体力Fw1の大きさと、第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2の大きさと、をほぼ同じにできる。したがって、第2受圧面52cに加えられる上側向きの流体力Fw2を、流体力Fw1によってほぼ相殺できる。そのため、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくできる。これにより、電磁弁30をより小型化できる。
また、本実施形態によれば、第1受圧面54aは、平坦な面である。そのため、第1収容部91内の流体Wから下側向きの流体力Fw1を安定して受けやすい。これにより、閉状態CSを維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくしやすく、電磁弁30をより小型化できる。
また、上述したように、閉状態CSにおいて、第2収容部92のうちシール部材65よりも径方向外側の部分には、流体Wが収容された状態が維持される。ここで、第2収容部92に収容された流体Wがフランジ部54の下側に位置する場合、フランジ部54は、フランジ部54の下側に位置する流体Wから上側向きの流体力を受ける。これにより、第1受圧面54aに加えられる流体力Fw1の一部が相殺される。したがって、流体力Fw1のうち第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2を相殺するのに実質的に寄与する流体力は、第1受圧面54aのうちシール部材65よりも径方向内側に位置する部分に加えられる流体力となる。
これに対して、本実施形態によれば、シール部材65は、底部61の上側の面における径方向外縁部に位置する。そのため、第1受圧面54aのうちシール部材65よりも径方向内側に位置する部分の面積を大きくできる。これにより、流体力Fw1のうち第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2を相殺するのに実質的に寄与する流体力を大きくできる。したがって、閉状態CSに維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくしやすく、電磁弁30をより小型化しやすい。本実施形態では、シール部材65は、フランジ部54の下側の面のうち径方向外縁部に接触する。そのため、閉状態CSにおいてフランジ部54の下側に位置する流体Wがほぼなく、第1受圧面54aに加えられる流体力Fw1のほぼすべてを、第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2を相殺するのに実質的に寄与させることができる。これにより、閉状態CSに維持するために必要な電磁弁30の出力をより小さくでき、電磁弁30をより小型化できる。
また、本実施形態によれば、シール部材65は、軸方向に沿って視て、弁体部52bの径方向外縁部と重なる。そのため、第1受圧面54aのうちシール部材65よりも径方向内側に位置する部分の面積を、弁体部52bの第2受圧面52cの面積と同じにしやすい。これにより、第1受圧面54aに加えられる流体力Fw1によって、第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2を好適に相殺することができる。
また、本実施形態によれば、シール部材65は、軸方向に沿って視て、第1孔部25の内縁と重なる。そのため、第1受圧面54aのうちシール部材65よりも径方向内側に位置する部分の面積を、弁体部52bの第2受圧面52cの面積とより同じにしやすい。これにより、第1受圧面54aに加えられる流体力Fw1によって、第2受圧面52cに加えられる流体力Fw2をより好適に相殺することができる。
なお、本実施形態において電磁弁30の出力とは、電磁力Fmである。本実施形態の閉状態CSは、電磁力Fmと流体力Fw1との合計が、流体力Fw2と弾性部材80からの弾性力Fsと上述した第2収容部92内の流体Wからフランジ部54が受ける上側向きの流体力との合計よりも大きいことで維持される。ここで、上述したように本実施形態では、閉状態CSにおいてフランジ部54の下側に位置する第2収容部92内の流体Wがほぼない。そのため、本実施形態において閉状態CSは、実質的に、電磁力Fmと流体力Fw1との合計が、流体力Fw2と弾性部材80からの弾性力Fsとの合計よりも大きいことで維持される。
本実施形態において接続流路部55は、可動部50に設けられる。そのため、例えば筒部材60および流路部20等、可動部50以外の部分に接続流路部55が設けられる場合に比べて、接続流路部55を作りやすい。接続流路部55は、第1部分55aと、第2部分55bと、を有する。第1部分55aは、シャフト部51の内部に設けられ、軸方向に延びる。本実施形態において第1部分55aは、第2シャフト部本体51cの内部である。
第2部分55bは、第1部分55aからシャフト部51の外周面まで径方向に延びる。本実施形態において第2部分55bは、第2シャフト部本体51cのうちフランジ部54よりも上側の部分に設けられる。第2部分55bは、開状態OSおよび閉状態CSのいずれの状態においても、第1収容部91の内部に開口する。本実施形態において第2部分55bは、複数設けられる。例えば、第2部分55bは、第2シャフト部本体51cの壁部のうち軸方向と直交する第1方向両側の部分に1つずつ、第2シャフト部本体51cの壁部のうち軸方向および第1方向の両方と直交する第2方向両側の部分に1つずつの合計4つ設けられる。
このように接続流路部55が設けられていることにより、閉状態CSにおいて第1流路部21に露出する第2シャフト部本体51cの下端部の開口から、第1部分55aに流体Wが流入する。そして、第1部分55aに流入した流体Wは、第2部分55bから第1収容部91に流入する。これにより、閉状態CSにおいて、第1収容部91内に流体Wが収容された状態となる。なお、図3に示すように、開状態OSにおいても、第1収容部91は接続流路部55を介して第1流路部21と繋がるため、第1収容部91内には流体Wが流入する。
本実施形態によれば、シャフト部51の内部に接続流路部55が設けられるため、例えばシャフト部51よりも径方向外側に接続流路部55を設けるような場合に比べて、可動部50を径方向に小型化しやすい。また、第2シャフト部本体51cを筒状にすることで、容易に第1部分55aを作ることができる。そのため、接続流路部55の作製を容易にできる。
また、本実施形態によれば、弁体部52bとフランジ部54との軸方向の間に位置する底部61が設けられ、弾性部材80がフランジ部54と底部61との間に位置する。そのため、シャフト部51のうち、本体部40の内部においてコア部53が設けられる第1シャフト部51aと本体部40の外部においてフランジ部54が設けられる第2シャフト部51bとを互いに別部材としても、第2シャフト部51bに加えられた弾性部材80の弾性力Fsを第1シャフト部51aに伝えることができる。これにより、シャフト部51を複数の部材に分けつつ、閉状態CSから開状態OSに切り換える際に、弾性部材80によって可動部50を上側に移動させることができる。したがって、接続流路部55が設けられる第2シャフト部本体51cの軸方向の寸法を小さくすることができる。そのため、第2シャフト部本体51cを筒状として作製することを容易にでき、接続流路部55の作製を容易にできる。
本発明は上述の実施形態に限られず、以下の他の構成を採用することもできる。シール部材は、底部の上側の面に配置されるならば、いずれの位置にどのように配置されてもよい。例えば、シール部材は、上述した実施形態のシール部材65よりも径方向内側に位置してもよい。シール部材は、軸方向に沿って視て、弁体部の径方向外縁部および第1孔部の内縁と重ならなくてもよい。シール部材は、溝部に嵌め込まれずに、底部の上側の面に接着剤等によって固定されてもよい。
シール部材の形状は、特に限定されない。シール部材は、例えば、図7に示すシール部材165のような形状であってもよい。図7に示すように、シール部材165は、筒部材160における底部161に設けられた溝部161cに嵌め込まれる。シール部材165は、下側の端部が溝部161cに嵌め込まれて固定される。シール部材165は、上述した実施形態のシール部材65と異なり、固定部65aを有しない。シール部材165は、全体がシール部材本体である。溝部161cは、上述した実施形態の溝部61cと異なり、幅狭部61dおよび幅広部61eを有しない。溝部161cの径方向の寸法は、軸方向の全体に亘って均一である。
フランジ部の形状は、特に限定されない。フランジ部は、上述した実施形態のフランジ部54よりも筒部材の径方向内側に大きく離れて配置されてもよい。フランジ部は、閉状態CSにおいて、底部の上側の面と接触してもよい。この場合、閉状態CSにおいて、シール部材は、例えば、全体が溝部の内部に押し込まれる。筒部材本体は、仕切壁部の上側の面まで延びてもよい。この場合、底部は、筒部材本体の軸方向の中間部分における径方向内側面から径方向内側に拡がる。筒部材は、全体が金属製であってもよいし、全体が樹脂製であってもよい。第1受圧面の面積と第2受圧面の面積とは、互いに異なってもよい。
接続流路部は、閉状態CSにおいて第1流路部と第1収容部とを繋ぐならば、特に限定されない。接続流路部は、可動部以外の部分に設けられてもよい。例えば、接続流路部は、筒部材に設けられてもよいし、流路部および筒部材に設けられてもよい。接続流路部は、曲がって延びてもよい。接続流路部の数は、特に限定されない。接続流路部は、開状態OSにおいて、第1流路部と第1収容部とを繋がなくてもよい。
なお、上述した実施形態の電磁弁および流路装置の用途は、特に限定されない。また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲において、適宜組み合わせることができる。