JP2020015970A - めっき装置及びめっき製品の製造方法 - Google Patents
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Description
・めっきに有害な成分の発生(例えば、有機成分のヒドロキシル化、脱水素によるめっき液への不溶化等、これらは、陽極とめっき液が接触することで生じる)、
・陽極構成材質であるニッケル及び/又は鉄の腐食、並びに
・水酸化物の生成とそれに伴う沈殿発生。
この場合、耐薬品性及び価格等の観点から市販のマグネットポンプ等を使用する。ある程度の高さと距離のある場所に水等の液体を送る必要があるという理由で、このタイプのポンプに要求される能力として、最少で定格出力10W、揚程2〜3m(圧力換算、約20〜30Kpa)から比較的小型の汎用型で定格出力100W、揚程5〜8m(圧力換算、約50〜80Kpa)となる。
この様な圧力が陽極室に加わると、十分な通電性の得られる隔膜では、細孔を通して陽極液がめっき槽に流出してしまう。
逆に陽極室を開放状態にしてポンプで電極液を吸引した場合、吸引する事で陽極室内の液面が下がり、めっき液の比重が1.2の場合で液面10cm当たり、1.2Kpaの負の圧力が発生し、めっき液が陽極室に入り込んでしまう。
また、ポンプを使用して陽極液面を一定にしようとした場合、電気的なセンサー又は光学的なセンサーが必要となり、高価で複雑な為、現実的でない。
この様な事情を改善する為、陽極室を大気に対して開放し、陽極室とめっき槽外に設けた陽極液槽をサイホン管で連結して陽極液が陽極液槽に排出される構造とし、陽極液槽の液面高さを調整する事で陽極室内の陽極液の液面の高さを任意に調整する事ができる。
陽極室への陽極液の循環は陽極液槽からポンプによって汲み上げられ、陽極室へ供給される。
陽極室へ供給される陽極液の量の調整は、ポンプサイホン管から流出する陽極液とのバランスをとる為、タイマーを設けたポンプの間欠運転を行ったり、又は配管途中にバルブを設けたりして調整する。
電気めっき装置であって、
前記装置は、めっき槽と、前記めっき槽中に設けられる陽極と、前記めっき槽中に設けられる陰極と、前記陽極及び前記陰極に連結された電源と、陽極室と、前記めっき槽外部に設けられる陽極液槽とを備え、
前記陽極室と前記陽極液槽とはサイホン管によって連結され、
前記サイホン管の吸込口が、前記陽極の下端周辺又はこれより下に設けられている、
電気めっき装置。
(発明2)
発明1の装置であって、前記陽極液槽はオーバーフロー構造を備え、前記装置はポンプを更に備え、前記ポンプの吸込口がオーバーフローした陽極液を吸い込むような位置に設けられる、装置。
(発明3)
発明1又は2の装置であって、
前記陽極室は密閉構造であり、
前記陽極室はガス抜きパイプと陽極液供給管とを更に備え、
前記ガス抜きパイプは開閉バルブを備え、
前記陽極液供給管の一端には第二ポンプが設けられ、
前記装置は前記開閉バルブと前記第二ポンプを制御する制御器を更に備え、
前記制御器は、前記開閉バルブを閉じた状態で前記第二ポンプにより陽極液を陽極室に送り、これによりサイホン管内部を陽極液で満たすように制御することが可能である、
該装置。
(発明4)
発明1又は2の装置であって、
前記陽極室は陽極液供給管を更に備え、
前記陽極液供給管の一端には切り替えバルブと第二ポンプとが設けられ、
前記装置は、前記切り替えバルブ及び前記第二ポンプを制御する制御器と、前記切り替えバルブと前記サイホン管を連結する連結管とを更に備え、
前記制御器は、第一モードのときに、前記陽極液供給管を通して前記陽極室へ陽極液を供給するように前記切り替えバルブ制御し、
前記制御器は、第二モードのときに、前記連結管を通して前記サイホン管内部を陽極液で満たすように前記切り替えバルブ制御する、
該装置。
(発明5)
発明1〜4いずれか1つに記載の装置を用いためっき製品の製造方法。
一実施形態に係る本発明の装置の構成を図1に示す。当該装置は、めっき槽(10)と、陽極(20)と、陰極(30)と、電源(40)と、陽極室(50)と、陽極液槽(60)とを少なくとも備える。陽極及び陰極はめっき槽中に設けられる。そして、陽極及び陰極は電源に接続される。
陽極は特に限定されず、当分野で公知の材料を用いることができる。例えば、亜鉛ニッケル合金めっきを施す場合には、陽極の材料は、ニッケルであってもよく、或いは、ニッケルめっき金属であってもよい。ニッケル、ステンレス、鉄等及びニッケルめっきした鉄、ステンレスの金属が使用できる。尚、亜鉛の供給は別に亜鉛溶解槽を設けて溶解させる。またニッケルは硫酸ニッケル等のニッケル塩添加により供給する。
陰極は、めっきを施す対象となる金属である。例えば、亜鉛又は亜鉛合金めっきの場合には、陰極の材料は、鉄、銅、ニッケルめっきを施した鉄、ステンレス、銅等であってもよい。
陽極室は、めっき槽を少なくとも2つの区画に分ける機能を有する。そして、一方の区画には陰極が含まれるように、そして、他方の区画には陽極が含まれるように、陽極室を設ける。陽極室の形態は特に限定されない。例えば、めっき槽内部を2分割するように一枚のプレートを挿入することで陽極室を形成してもよい。別の例では、陽極を覆うバッグにより陽極室を形成してもよい。
陽極液槽は、めっき槽外部に設けられる。そして、陽極液槽は、めっき槽内の古い陽極液を一時的に保存する機能を有する。陽極液槽に送られた陽極液に対して、廃棄するための更なる処理を行ってもよいし、或いは、新たに使用するための再生処理を行ってもよい。
めっき槽の陽極室内に存在する陽極液は、サイホン管(70)を通して、陽極液槽へと排出される。従って、サイホン管の吸込口は陽極室内に設けられる。一方で、サイホン管の排出口は陽極液槽内に設けられる。
めっき槽にはめっき液が導入され、陽極及び陰極の少なくとも一部が浸漬するのに十分な量が導入される。
・苛性ソーダ(濃度50〜150g/L)
・亜鉛(濃度4〜20g/L)
・ニッケル(濃度0.5〜5g/L)
・ポリアミン(濃度10〜100g/L)
・苛性ソーダ(濃度50〜150g/L)
・亜鉛(濃度0〜20g/L)
・ニッケル(濃度0〜5g/L)
・ポリアミン(濃度0〜100g/L)
めっきを行う際の条件については特に限定されず、当分野で公知の条件を採用することができる。典型的には以下の条件であってもよい。
電流密度:0.5〜10A/dm2
温度:15〜40℃
pH:10〜14(好ましくは13〜14)
続いて、第二の実施形態に係る本発明の装置の構成を図2に示す。第一の実施形態で説明した構成を、第二の実施形態に係る本発明の装置においても備えることができる。
第三の実施形態に係る本発明の装置の構成を図3に示す。当該実施形態に係る装置は、第一の実施形態及び/又は第二の実施形態で上述した構成を備えることができる。
第四の実施形態に係る本発明の装置の構成を図4に示す。当該実施形態に係る装置は、第一の実施形態及び/又は第二の実施形態で上述した構成を備えることができる。
20 陽極
30 陰極
40 電源
50 陽極室
60 陽極液槽
70 サイホン管
80 オーバーフロー構造
90 第一ポンプ
100 ガス抜きパイプ
110 開閉バルブ
120 陽極液供給管
130 第二ポンプ
140 制御器
150 連結管
160 切り替えバルブ
170 高さ調整台
Claims (5)
- 電気めっき装置であって、
前記装置は、めっき槽と、前記めっき槽中に設けられる陽極と、前記めっき槽中に設けられる陰極と、前記陽極及び前記陰極に連結された電源と、陽極室と、前記めっき槽外部に設けられる陽極液槽とを備え、
前記陽極室と前記陽極液槽とはサイホン管によって連結され、
前記サイホン管の吸込口が、前記陽極の下端周辺又はこれより下に設けられている、
電気めっき装置。 - 請求項1の装置であって、前記陽極液槽はオーバーフロー構造を備え、前記装置はポンプを更に備え、前記ポンプの吸込口がオーバーフローした陽極液を吸い込むような位置に設けられる、装置。
- 請求項1又は2の装置であって、
前記陽極室は密閉構造であり、
前記陽極室はガス抜きパイプと陽極液供給管とを更に備え、
前記ガス抜きパイプは開閉バルブを備え、
前記陽極液供給管の一端には第二ポンプが設けられ、
前記装置は前記開閉バルブと前記第二ポンプを制御する制御器を更に備え、
前記制御器は、前記開閉バルブを閉じた状態で前記第二ポンプにより陽極液を陽極室に送り、これによりサイホン管内部を陽極液で満たすように制御することが可能である、
該装置。 - 請求項1又は2の装置であって、
前記陽極室は陽極液供給管を更に備え、
前記陽極液供給管の一端には切り替えバルブと第二ポンプとが設けられ、
前記装置は、前記切り替えバルブ及び前記第二ポンプを制御する制御器と、前記切り替えバルブと前記サイホン管を連結する連結管とを更に備え、
前記制御器は、第一モードのときに、前記陽極液供給管を通して前記陽極室へ陽極液を供給するように前記切り替えバルブを制御し、
前記制御器は、第二モードのときに、前記連結管を通して前記サイホン管内部を陽極液で満たすように前記切り替えバルブを制御する、
該装置。 - 請求項1〜4いずれか1項に記載の装置を用いためっき製品の製造方法。
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