JP2005076100A - めっき処理装置およびめっき処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メンテナンス作業を必要とする期間の延長化により生産性を大幅に向上できるめっき処理装置を提供する。
【解決手段】 各アノード室内でかつ当該各アノードユニット外からめっき処理液を抽出して他所に供給可能なめっき処理液抽出供給手段と,抽出供給されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去可能な第1の不純物除去手段と,この第1の不純物除去手段を通過した後のめっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去可能な第2の不純物除去手段と,この第2の不純物除去手段により残存不純物が除去されためっき処理液を前記めっき処理槽内でかつ各密閉アノード室構造体外のカソード室に戻し供給可能なめっき処理液戻し供給手段とを設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、めっき処理槽内に装着された槽内中央に向う面が布製部材からなりかつ全体として密閉型のアノード室を形成する密閉アノード室構造体にアノードユニット(アノード、布製包囲部材)を収容させ、密閉アノード室構造体間のめっき処理液中にワーク(カソード)を浸漬させ、ワークと両アノードとの間に給電しつつ当該ワークの表面にめっき処理を施すめっき処理方法およびめっき処理装置に関する。
品質(皮膜品質,皮膜厚さ等)の均一性を維持しつつワーク(例えば、プリント配線基板)Wの大量生産のためには、独立しためっき処理槽を多数列配しかつワークを各めっき処理槽に順番に搬送しつつめっき処理するバッチ式のめっき処理方法(装置)に比較して、ワークを同一のめっき処理槽内を連続搬送しつつめっき処理する連続式のめっき処理方法(装置)の方が有利である。
連続式のめっき処理装置10P1は、例えば図4に示す如く、めっき処理槽11P内の幅方向で両側にアノード22P,22Pが装着され、中央のカソード室11KPにカソードつまりワーク(めっき処理対象物)Wを挿入・浸漬可能であり、めっき処理液Q中のアノード22P,22PおよびワークWに外部電源100Pから給電可能に形成されている。
めっき処理槽11Pは、ワークWの搬送方向(図4で紙面に垂直方向)に長大な1連続槽とされ、めっき処理液Q中に浸漬したままの状態でかつ搬送手段(図示省略)によって搬送方向に連続搬送されるワークWにめっき処理(アノード金属を析出)を連続して施せる。
ところで、アノード金属イオンを効率よくかつ安定してカソード室11KP内に供給できるように、アノード22P自体にアノード金属溶融促進用物質を含有させている場合が多い。したがって、アノードが溶出すると必然的に不純物(アノード金属溶融促進用物質)がスライムという形で溶出することになる。
これを放置したのでは、めっき処理液Q中に不純物(異物…アノード金属溶融促進用物質)が混入してしまうから、析出皮膜にブツやザラが生じ易い。また、めっき処理条件(液Qの性状乃至組成,電流密度,極間距離,液温等々)を一定範囲内に維持することが難しくなり、めっき品質(皮膜品質,皮膜厚さ等)の均一性を維持できなくなる。
そこで、従来は、めっき処理槽11P内の各アノード22Pを布製包囲部材(例えば、布袋23P)で包囲することにより、各アノード22Pから溶出したスライム(不純物)がカソード室11KP内に直接に侵入しないように形成していた。かかる構造とすれば、アノード22Pから溶出したスライム(不純物)がカソード室11KP内へ侵入することを防止するための性能(いわゆるスライム侵入防止性能)を、布メッシュの狭小化度合に比例的に向上させることができる。換言すれば、ワークWが一段の高品質が求められる電子部品(例えば、プリント配線基板)等である場合には、布製包囲部材(布袋23P)の布メッシュの狭小化が一段と強まる傾向にある。
しかし、この考え方では、運転当初は初期の侵入防止性能を発揮させることができるが、時間経過とともに布製包囲部材(布袋23P)のメッシュがスライム(不純物)で目詰まりしてしまうから、カソード室11KPへのアノード金属イオンの本来的な供給量が大幅に減ってしまう。また、アノード・カソード間の電流密度を維持できなくなり、高品質めっき処理を安定して行えなくなる。
ここにおいて、上記問題を解決するために解決することができる装置(特許文献1を参照)が、先に、本出願人から提案されている。すなわち、特許文献1に係る先提案のめっき処理装置10P2は、図5に示されたように、めっき処理槽11内の幅方向(図で左右方向)の両側に槽内中央に向う面が布製部材26からなりかつ全体として密閉型のアノード室24を形成する密閉アノード室構造体20(20L,20R)を装着するとともに、各密閉アノード室構造体のそれぞれにアノードユニット21(21L,21R)を収容させた構造である。
また、吸込ポンプ53Pを運転することで、各アノード室24内でかつ当該各アノードユニット21外のめっき処理液を当該各吸込枝管51LP,51RPおよび吸込管52Pを通して吸込抽出するとともに、吸込ポンプ53Pで加圧した抽出めっき処理液をフィルター装置70に供給可能に形成されている。
すなわち、めっき処理液Q中でかつ両アノードユニット21L,21R間にカソード(ワークW)を浸漬し、しかる後にワークWと両アノード22との間に給電すると、各アノード22から溶出したアノード金属は、アノードユニット21の一部を形成する布製包囲部材23を内側から外側に通りかつ密閉アノード室構造体20の布製部材26を内側から外側に通過してワーク(カソード)Wに至りかつその表面に析出される。なお、25は、仕切壁である。
この際、アノードユニット21内ではアノード22からアノード金属とともに不純物(アノード金属溶融促進用物質)がスライムの形で溶出する。このスライムの大部分は、短期的には、アノードユニット21の布製包囲部材23で外側への通過が阻止されるが、一部はこれを通過する。
この外側に通過したスライムは、密閉アノード室構造体20の布製部材26で外側への通過が阻止されるから、直接にカソード室11Kに至らずに密閉アノード室構造体20内すなわちアノード室24内に停滞する。しかし、これを放置しておくと、アノード室24内の不純物の停滞量が次第に増大し、従来例(図4)の場合と同様に、時間経過とともにカソード室11K側への侵入量が増して行く。
そこで、吸込ポンプ53Pを運転すると、各アノード室24内でかつ当該各アノードユニット21外のめっき処理液の一部は抽出されつつフィルター装置70に供給される。すなわち、抽出供給されためっき処理液中の不純物をフィルター装置70で機械的に除去することができる。不純物除去後の抽出めっき処理液は、めっき処理槽11内でかつ各密閉アノード室構造体20外のカソード室11Kに戻し供給される。
かくして、アノード室24内の不純物濃度はめっき処理に害を及ぼすことがない程度に調整することができ、カソード室11Kには不純物除去後の新鮮なめっき処理液を供給することができる。つまり、ワークWを浸漬するめっき処理液Q中への不純物の侵入を抑制しつつ、アノード金属イオンをカソード室11Kに安定供給することができるから、析出皮膜(表面状態)にザラやブツのない高品質製品を安定して生産することができる。よって、めっき処理装置10P2は普及拡大の途にある。
特開2003−13291号公報
しかしながら、生産性の一段の向上,装置コストの低減化や一層の取扱い容易化を重要視する運用の実際においては、めっき処理装置10P2にはまだ改善の余地があるとの指摘がある。
すなわち、フィルター装置70に目詰まりが生じた場合のフィルター交換作業(メンテナンス)が煩わしいばかりか、その交換作業は吸込ポンプ53Pを停止させた状態で行わなければならない。つまり、めっき処理液を抽出することができず、当然に不純物を除去できないから生産を中止せざるを得ない。しかし、フィルター交換作業を必要とする期間の延長化(例えば、2倍化)を目指したフィルター装置70の大型化(2倍化以上)は、装置コストの増大(4倍化以上)を招きかつ設置面積の増大やレイアウト上の制限があるので、運用上の実際においては認められ難い。
本発明の目的は、アノード室からカソード室への不純物の侵入を大幅に抑制しかつアノード金属の安定供給を維持しつつ、メンテナンス作業を必要とする期間の延長化により生産性を大幅に向上できるめっき処理装置およびめっき処理方法を提供することにある。
本発明は、原則的には部品交換等を必要としないメンテナンスフリーの第1の不純物除去手段とフィルター等の交換作業を伴うメンテナンスが必要な第2の不純物除去手段とをこの順で配設し、第1の不純物除去手段で抽出供給されためっき処理液中の不純物の大部分を除去可能かつ第2の不純物除去手段で第1の不純物除去手段を通過しためっき処理液中に残存する不純物を除去可能に形成したものである。
すなわち、請求項1の発明は、めっき処理槽内の幅方向の両側に槽内中央に向う面が布製部材からなりかつ全体として密閉型のアノード室を形成する密閉アノード室構造体を装着するとともに各密閉アノード室構造体にアノードとこれを包囲する布製包囲部材とからなるアノードユニットを収容させ、密閉アノード室構造体間のめっき処理液中にカソードを形成するワークを浸漬させ、ワークと両アノードとの間に給電しつつ当該ワークの表面にめっき処理を施すめっき処理装置において、前記各アノード室内でかつ当該各アノードユニット外からめっき処理液を抽出して他所に供給可能なめっき処理液抽出供給手段と,抽出供給されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去可能な第1の不純物除去手段と,この第1の不純物除去手段を通過した後のめっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去可能な第2の不純物除去手段と,この第2の不純物除去手段により残存不純物が除去されためっき処理液を前記めっき処理槽内でかつ各密閉アノード室構造体外のカソード室に戻し供給可能なめっき処理液戻し供給手段とを設けためっき処理装置であるから、第1の不純物除去手段で大部分の不純物を除去しかつ第2の不純物除去手段で残りの不純物(めっき処理槽に戻し供給すことが許されない物質)を除去することができるから、全体として抽出供給されためっき処理液中の不純物の全量を除去することができる。しかも、第1の不純物除去手段のメンテナンスは不要でありかつ第2の不純物除去手段での除去する不純物量は僅かであるからメンテナンスを必要とする期間を大幅に長くできる。
また、請求項2の発明は、前記第1の不純物除去手段が電解除去槽,この電解除去槽の内部に装着された1対の陽極部材および両陽極部材間に装着された陰極部材を有しかつ電解処理により不純物を陰極部材側に析出させて除去する電解除去処理装置から形成され、前記第2の不純物除去手段がカートリッジを交換可能なフィルター装置から形成されためっき処理装置である。
また、請求項3の発明は、前記めっき処理槽と前記電解除去槽とを前記電解除去槽内の液面が前記めっき処理槽内の液面に対して低くなるように配設し、前記めっき処理液抽出供給手段が重力利用の自然流によって前記各アノード室内のめっき処理液を前記電解除去槽へ抽出供給可能に形成されためっき処理装置である。
さらに、請求項4の発明は、槽内中央に向う面が布製部材からなりかつアノードおよび布製包囲部材を含むアノードユニットを収容可能な全体として密閉型構造のアノード室を形成するとともにめっき処理槽内の幅方向の両側に装着された密閉アノード室構造体の間にカソードであるワークを浸漬させ、ワークと両アノードとの間に給電しつつ当該ワークの表面にめっき処理を施すめっき処理方法において、電解除去処理装置を用いて前記各密閉アノード室構造体のアノード室内でかつ当該各アノードユニット外から抽出供給されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去し、次いでフィルター装置を用いて電解除去処理装置を通過しためっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去し、フィルター装置を通過しためっき処理液を前記めっき処理槽内のカソード室に戻し供給しつつ行うめっき処理方法である。
請求項1に係る発明によれば、抽出供給されためっき処理液中の不純物を第1の不純物除去手段で電気化学的に除去しかつ残りの不純物を第2の不純物除去手段によって機械的に除去してからめっき処理槽内に戻し供給可能に形成されためっき処理装置であるから、アノード室からカソード室のめっき処理液中への不純物の侵入を大幅に抑制できかつアノード金属の安定供給を維持しつつ、メンテナンス作業を必要とする期間の延長化により生産性を大幅に向上できる。
また、請求項2に係る発明によれば、第1の不純物除去手段が電解除去処理装置から形成され、第2の不純物除去手段がカートリッジを交換可能なフィルター装置から形成されためっき処理装置であるから、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに低コストでかつ取扱いが容易である。
また、請求項3に係る発明によれば、電解除去槽内の液面がめっき処理槽内の液面に対して低くなるように配設し、めっき処理液抽出供給手段が重力利用の自然流によって各アノード室内のめっき処理液を電解除去槽へ抽出可能に形成されためっき処理装置であるから、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに請求項2の発明の場合に比較して一段と装置コストを低減できる。
さらに、請求項4に係る発明によれば、抽出されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去し、次いで残存不純物を機械的に除去し、その後にめっき処理槽内のカソード室に戻し供給しつつ行うめっき処理方法であるから、請求項2の発明の場合と同様な作用効果を奏し得る。
(第1の実施の形態)
本めっき処理装置10は、本めっき処理方法を実施するために最良の形態とされている。すなわち、本めっき処理装置10は、図1に示す如く、めっき処理槽11等の基本的構成(10,11,20,21等)が先提案(図5)のめっき処理装置10P2の場合と同様とされているが、さらにめっき処理液抽出供給手段50と第1の不純物除去手段(30)と第2の不純物除去手段(40)とめっき処理液戻し供給手段60とを設け、各密閉アノード室構造体20L,20R内のアノード室24から抽出供給されためっき処理液中の不純物[単位量当たりの重量として、例えば(Z+α)g=(Z30+Z40+α)g]の大部分[単位量当たりの重量として、(Z30)g]を第1段階として電気化学的に除去しかつその残り[単位量当たりの重量として、(Z40)g]を第2段階として機械的に除去してから、カソード室11Kに戻し供給するように形成されている。
なお、上記した微量[単位量当たりの重量として、(α)g]の不純物については、詳細後記する。
基本的構成は、確認的に、図1に示す通り、めっき処理槽11内の幅方向の両側に槽内中央に向う面が布製部材26からなりかつ全体として仕切壁25で囲われた密閉型のアノード室24を形成する密閉アノード室構造体20(20L,20R)を装着するとともに各密閉アノード室構造体20L,20Rにアノードユニット21(アノード22,布製包囲部材23)を収容させ、密閉アノード室構造体(20L,20R)間のめっき処理液Q中にカソード(ワークW)を浸漬させ、ワークWと両アノード22との間に図示省略した電源装置から給電しつつ当該ワークの表面にめっき処理を施すことができるように構築されている。
つまり、電解除去処理装置30を用いて各密閉アノード室構造体20のアノード室24内でかつ当該各アノードユニット21外から抽出供給されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去し、次いでフィルター装置40を用いて電解除去処理装置30を通過しためっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去し、フィルター装置40を通過しためっき処理液をめっき処理槽11内のカソード室11Kに戻し供給しつつめっき処理を行う本めっき処理方法を確実に実施することができる。
図1において、アノード22は、溶融(溶解)性に富んだ銅(例えば、含リン銅)材料製で、図示省略したチタン製のラック(カゴ)に収められている。めっき処理(給電)中に各アノード22から溶出したアノード金属は、アノードユニット21(21L,21R)の一部を形成する布製包囲部材23を内側から外側に通りかつ密閉アノード室構造体20(20L,20R)の布製部材26を内側から外側に通過してワーク(カソード)Wに至りかつその表面に析出される。
一方、アノード金属の溶出と同時的にスライムの形でアノード22から溶出した不純物(アノード金属溶融促進用物質)の大部分は、短期的には、アノードユニット21の布製包囲部材23で外側への通過が阻止される。しかし、その一部はこれを通過する。この外側に通過したスライムは、密閉アノード室構造体20の布製部材26によって外側(カソード室11K)への通過が阻止されるので、密閉アノード室構造体20内に溜まる。つまり、アノード室24内の不純物の含有濃度が高くなる。
なお、仕切壁25は、布製部材26の設置領域面を除く他の領域面を仕切る壁であり、アノード室24(カソード室11K)からカソード室11K(アノード室24)へのめっき処理液Qの自由流動を阻止する役割を持つ。
めっき処理液Qは、プリント回路基板(ワークW)の両面に設けられたブラインドビアホール(非貫通ホール)を金属銅で充填(埋込)させるビアフィリングめっき処理を可能とするもので、この実施の形態では、めっき処理液(めっき浴組成)を硫酸銅(例えば、200g/L)と硫酸(例えば、50g/L)と塩素イオン(例えば、50mg/L)の混合液としかつビアフィリングめっき向けに専用的に開発した適量の添加剤を加える。添加剤としては、ポリエーテル化合物(ポリマー)、有機硫黄化合物(ブライトナー)および4級化アミン化合物(レベラー)の各適量である。
なお、本めっき処理装置10では、ブラインドビアホールと異なるスルーホール(貫通孔)を有するプリント回路基板(W)へのスルーホールめっき処理も行える。但し、この場合には、めっき処理液Qの組成は上記の場合と多少変更してもよい。
ここにおいて、めっき処理液抽出供給手段50は、図1に示す如く、先端が各アノード室24内に連通しかつ基端部が吸込抽出管52に連結された左右の吸込抽出枝管51L,51Rと抽出供給ポンプ53と抽出供給管54とから構成され、抽出供給ポンプ53を回転駆動することにより各アノード室24内でかつ当該各アノードユニット21L,21R外のめっき処理液を抽出可能かつ第1の不純物除去手段(電解除去槽31…他所)に供給可能に形成されている。
吸込抽出枝管51(51L,51R)の取付け位置は、特に限定されない。この実施の形態では、スライム(不純物)の濃度が高くなり易いアノード室24の下方側にその先端を位置決めしてある。このように位置選択をすれば、戻し供給管64を介して第2の不純物除去手段(40)からめっき処理槽11(11K)の上部に戻し供給される不純物除去後の新鮮なめっき処理液Qを、布製部材26を通してアノード室24内に円滑に補給できかつアノード室24内での下向き液流動を円滑に促進させられる。
また、図1において、電解除去槽31の槽高およびレイアウト(設置位置)上の関係から、電解除去槽31(カソード室31K)の液面Q31がめっき処理槽11(11K)の液面Q11よりも高い場合を示している。しかし、抽出供給ポンプ53の加圧力で抽出しためっき処理液を電解除去槽31へ十分にポンプアップ(供給)することができるから、問題はない。当然に、液面Q31と液面Q11とを同一面とするレイアウトを採択した場合も、問題は生じない。
なお、電解除去槽31(カソード室31K)の液面Q31をめっき処理槽11(11K)内の液面Q11よりも低くした場合については、第2の実施の形態において説明する。
また、抽出供給管54を通し電解除去槽31の上部側にめっき処理液を戻しかつその下部側に吸込管62を設けてある。電解除去槽31(31K)内でのめっき処理液の滞留時間の一段の長期化および不純物(スライム)の一層の効率的捕獲を期するためである。
但し、抽出供給管54および吸込管62の取付け位置は、これに制約されず、状況に応じた適当位置に設けることができる。めっき処理液の滞留時間長期化および不純物(スライム)の効率的捕獲を期することができる限りにおいて、電解除去槽31の下部側に抽出供給管54を設け、上部側に吸込管62を設けてもよい。
なお、密閉アノード室構造体20(24)をめっき処理槽11の長手方向(図1で紙面に垂直方向)に複数分割する構造とする場合には、各密閉アノード室構造体20(24)のそれぞれに吸込抽出枝管51(51L,51R)を設け、共通の吸込抽出管52および抽出供給ポンプ53を用いて抽出・供給するように形成するのが好ましい。
もっとも、各密閉アノード室構造体20(24)毎に、めっき処理液抽出供給手段50(51,52,53,54)、詳細後記の電解除去処理装置30、フィルター装置40およびめっき処理液戻し供給手段60を設ける構造としても、本発明を実施することができる。
抽出供給ポンプ53は、図示しない制御部を用いて連続運転が選択された場合にはアノード室24からめっき処理液を連続して抽出でき、間欠運転が選択された場合には間欠抽出することができる。また、他所(電解除去槽31)への抽出供給量は、抽出供給ポンプ53の出口側に設けられた調整弁54Vを用いて増減変更調整することができる。
何れの運転を選択した場合でも、抽出されためっき処理液は、第1の不純物除去手段(30)を形成する電解除去槽31に供給される。なお、各アノード室24内には、カソード室11Kから布製部材26を通して、抽出量に相当する等価量の新鮮なめっき処理液Qが補給される。
すなわち、生産量(給電量)やめっき処理液の組成等によって影響を受けるアノード室24内のスライムの発生状況に応じて、連続運転と間欠運転とを選択することができるので、第1(第2)の不純物除去手段[30(40)]の効率的運用ができる。
さて、めっき処理液抽出供給手段50を用いて抽出供給されためっき処理液中の不純物(スライム等)を電気化学的に除去するための第1の不純物除去手段(30)は、この実施の形態では、上記した電解除去槽31と,この電解除去槽31の内部に装着された1対の陽極部材32(左側が32L,右側が32R)と,両陽極部材32間に装着された陰極部材35とを有し、電解処理(めっき処理相当)により不純物を陰極部材35側(陰極部材35の両面)に析出させて除去する電解除去処理装置30から形成されている。
この電解除去処理装置30は、陽極部材32Lと陰極部材35との間および陰極部材35と陽極部材32Rとの間に通電(図示しない電源ユニットから給電)し、カソード室31K内のめっき処理液中に含まれる不純物を陰極部材35の各面に電気化学的に析出させることで除去することができる。つまり、陰極部材35をめっき処理における被めっき処理物(ワーク)相当品としかつ不純物をめっき金属(アノード金属イオン)相当品とするめっき処理手法により電解析出させる。
したがって、各陽極部材32L,32Rは、金属イオンを供給する必要がないので溶融性物質でなくてもよく、陰極部材35は陰極面積が大きくとれる良導電体であればよい。この実施の形態では、各部材32L,35,32Rともに銅製平板から形成してある。各部材32L,35,32Rのメンテナンス(清掃や交換)は、生産性に実質的な影響を及ぼすことがない期間(例えば、半年)に1回行なうだけで十分である。
各極面積の大きさや電流密度等とともに電解除去槽31の除去能力を決定付ける槽容積は、大きければ大きい程、抽出供給されためっき処理液の槽内停滞時間を延長化することができるから、不純物の除去能力を大きくすることができる。しかし、めっき処理装置10全体に対するレイアウトやコスト上の制約からその大型化にも一定の限界(限度)があるばかりか、特に連続運転を選択した場合において抽出供給されためっき処理液中に含まれる不純物の全量[単位量当たりの重量として、(Z)g=(Z30+Z40)g]を確実に除去することは運用の実際において至難である。電解析出されずに電解除去槽31(31K)内を素通りするめっき処理液もあるからである。この意味(素通り発生)において、不純物除去手段を電気化学的手法(電解除去処理装置30)のみから形成することは実用的でないこと明白である。
すなわち、本発明の技術的特長は、原則的に、アノード室24から抽出供給されためっき処理液中の不純物の大部分をメンテナンスフリーの第1の不純物除去手段(電気化学的手法)により除去し、次いで液流動等の関係で第1の不純物除去手段によっては除去できなかった残りの不純物を第2の不純物除去手段(機械的手法)により除去可能に形成し、結果として第1および第2の不純物除去手段(30,40)の協働によりめっき処理液中への不純物の侵入を大幅に抑制しかつアノード金属の安定供給を維持しつつ、機械的手法の場合に必要なメンテナンス作業(部品交換作業等)の期間長期化を図ることで、生産性を向上させる考え方である。
ここに、第1の不純物除去手段(30)によっては除去できなかった“残りの不純物”とは、上記した量[(Z+α−Z30)g=(Z40+α)g]の不純物を指す。ただし、粒子が1μm未満で微量[(α)g]の不純物は、めっき処理槽11(11K)内に戻し供給しても、めっき品質に悪影響を及ぼすことがない。つまり、必ずしも、第2の不純物除去手段(40)によって除去する必要がないものである。
したがって、機械的手法(40)のメンテナンス作業を必要とする期間の長期化を図るには、電気化学的手法(30)により大量[上記(Z30)g]の不純物を除去(捕獲)しかつ機械的手法により残りの小量[上記(Z40)g]の不純物を除去(捕獲)するように構築することが重要である。このことはまた、抽出めっき液の流れ方向において、電気化学手法を実施するための電解除去処理装置30を前置しかつ機械的手法を実施するためのフィルター装置40を後置することを意味する。
この逆の配置順序(フィルター装置40を前置し、電解除去処理装置30を後置する。)では、本発明は成立しない。先提案(図5)に係るめっき処理装置10P2の場合におけるフィルター装置70に必要な頻繁(短期間ごと)で複雑なメンテナンス作業を回避できないからである。
以上から明らかの通り、電解除去処理装置30およびフィルター装置40で除去すべき不純物の総量は、アノード室24から抽出供給されためっき処理液中に含まれる不純物の全量[(Z+α)g=(Z30+Z40+α)g]でなくてもよい。換言すれば、物質乃至組成的には不純物と同じものでかつめっき処理槽11(11K)内にそのまま戻しても、めっき品質に悪影響を及ぼすことがない微細(1μm未満)でかつ微量(α)の物質(不純物)までを完全除去することを意味せず、その必要性もないわけである。
つまり、抽出供給されためっき処理液の単位量中の不純物濃度が約(z)%[単位量当たり(Z+α)gの不純物を含む。]の場合、両装置30,40を通過した後のめっき処理液(単位量)中の不純物濃度を、めっき処理槽11内に最初に液建てされためっき処理液Qの不純物濃度が{例えば、0%[単位量当たり(0)g]}に等しくしなければならないという完璧性は要求されない。
めっき処理槽11内でめっき処理を実行するために許容される(めっき品質を保障できる)範囲内の不純物濃度{例えば、α%[単位量当たりの許容不純物量が(α)g]まで減少させることができればよいわけである。つまり、電解除去処理装置30およびフィルター装置40では、上記した[単位量あたりの重量で、(Z)g=(Z30+Z40)g]の不純物を除去できればよい。
なお、微量[(α)g]の不純物には、この実施の形態の場合、1μm以上の粒子(不純物)は含まれない。つまり、粒子の大きさが1μm以上の不純物は、めっき品質を低下させるのでフィルター装置40で100%完全除去(捕獲)できるように構築してある。
かくして、上記した許容微量[(α)g]を省略しかつ先提案(図5)のめっき処理装置10P2においてはフィルター装置70のみで全量(下記の比率説明上、“10”とする。)を除去するものとして説明すると、この実施の形態では、第1の不純物除去手段(30)で除去すべき不純物量[(Z30)g]と第2の不純物除去手段(40)で除去すべき不純物量[(Z40)g]との比率(Z30:Z40)を[(7.5/10):(2.5/10)]に選択してある。したがって、フィルター装置(70)だけを用いた先提案めっき処理装置10P2の場合に比較して、フィルター装置40のメンテナンス(カートリッジ42の交換作業)を必要とする期間を少なくとも4(=10/2.5)倍以上に延長することができる。なお、上記比率(Z30:Z40)は[(8/10):(2/10)]または[(9/10):(1/10)]とすることが好ましい。このような比率にすれば、生産性を5(=10/2)倍または10(=10/1)倍に引上げることができると理解される。
なお、第1の不純物除去手段は上記の電解除去処理装置30に限定されない。不純物を電気化学的に除去することができる限りにおいて他の装置を採用してもよい。例えば、カソード円筒体と,この円筒体の中心に長手方向に延設されたアノード線部材とからなり、円筒体内に抽出めっき処理液を供給しつつ給電して不純物を円筒体の内壁面で回収可能に形成された液状体クリーニング装置を採用することができる。ただし、この実施の形態のような電解除去処理装置30を採用すれば、他の装置を採用した場合に比較して低コストでかつ取扱いが容易であるとともにめっき処理能力(生産量)に対する適応性が広い。
次に、第2の不純物除去手段(40)は、第1の不純物除去手段(30)を通過した後のめっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去するもので、この実施の形態ではフィルター本体41と着脱可能なカートリッジ42とを有するフィルター装置40から形成されている。
このフィルター装置40は、第1の不純物除去手段(30)を通過した後のめっき処理液中に残存する不純物[上記した(Z40+α)g]の中の粒子が上記した1μm以上の不純物[上記した(Z40)g]を100%捕獲することができるフィルター性能を持つ。カートリッジ(フィルター要素群)42が交換可能であるから、メンテナンス(フィルター交換作業)時間も大幅に短縮(例えば、10分以下)することができる。
めっき処理液戻し供給手段60は、第2の不純物除去手段(40)により残存不純物が除去されためっき処理液をめっき処理槽11内でかつ各密閉アノード室構造体(20L,20R)外のカソード室11Kに戻し供給可能である。
この実施の形態では、第1の不純物除去手段(30)を通過した後のめっき処理液を第2の不純物除去手段(40)へ加圧供給するための加圧供給手段[60(吸込管62,戻し供給ポンプ63)]をも兼用可能に構成してある。すなわち、戻し供給ポンプ63を回転駆動すると、電解除去槽31から残りの不純物を含むめっき処理液が吸引されかつフィルター装置40に加圧供給される。このフィルター装置40(42)で機械的に残りの不純物が除去されためっき処理液は、戻し供給管64を通してめっき処理槽11(11K)内に戻される。
戻し供給ポンプ63に代えて、フィルター装置40の上流側に加圧供給専用のポンプを設けかつその下流側に本来的な戻し供給ポンプを設けるように構築しても、本発明を実施することができる。
なお、第2の不純物除去手段は上記のフィルター装置40に限定されない。機械的に除去することができる限りにおいて他の装置を採用してもよい。例えば、遠心力を利用して抽出供給めっき処理液を高速回転流動させつつ不純物を分離(除去)するサイクロン方式の分離装置である。ただし、この実施の形態のようなフィルター装置40を採用すれば、他の装置を採用した場合に比較して取扱いが極めて簡単で安定した除去性能を発揮できるとともに低コストでめっき処理能力(生産量)に対する適応性が広い。
かかる第1の実施の形態(めっき処理装置10)では、めっき処理液Q中でかつ両アノードユニット21L,21Rの間にカソード(ワークW)を浸漬し、しかる後に、めっき処理液Q中で負極電極(−)側のワークWと正極電極(+)側の両アノード22との間に図示省略した電源装置から給電する。ワークWは、搬送方向に連続搬送される。
各アノード22から溶出したアノード金属は、アノードユニット21の布製包囲部材23を内側から外側に通りかつ密閉アノード室構造体20の布製部材26を内側から外側に通過してワーク(カソード)Wに至りかつその表面に析出される。
この際、アノードユニット21内ではアノード22からアノード金属とともに不純物(アノード金属溶融促進用物質)がスライムの形で溶出する。このスライムの大部分は、短期的には、アノードユニット21の布製包囲部材23で外側への通過が阻止されるが、一部はこれを通過する。そして、布製包囲部材23を内側から外側に通過したスライム(不純物)は、密閉アノード室構造体20の布製部材26で外側への通過が阻止されるから、直接にカソード室11Kに至らずに密閉アノード室構造体20内すなわちアノード室24内に停滞する。
したがって、アノード室24内の不純物の停滞量が放置時間に比例的にかつ次第に増大し、時間経過とともにカソード室11K側への不純物の侵入量が増してしまう。ここに、めっき処理液抽出供給手段50、不純物除去手段(30,40)およびめっき処理液戻し供給手段60を運転(例えば、連続運転)する。
すなわち、抽出供給ポンプ53が回転駆動され各アノード室24内でかつ当該各アノードユニット(21)外のめっき処理液を連続的に抽出する。抽出されためっき処理液は、抽出供給管54を通して電解除去槽31に供給される。この抽出されためっき処理液(単位量)中には[上記した(Z+α)g=(Z30+Z40+α)g]の不純物が含まれている。
電解除去処理装置30は、陽極部材32L,32Rと陰極部材35とに給電されているので、電解処理により不純物を陰極部材35側(両面)に電気化学的に析出(除去)する。めっき品質上、実質的には差し支えのない粒子が1μm未満の大きさでかつ微量[(α)g]の不純物について省略して説明すると、単位量当たり{[Z30]g=[Z×(7.5)/(7.5+2.5)]g}の不純物を除去することができる。かかる不純物除去後の抽出めっき処理液中には、単位量当たり[(Z40)g=(Z−Z30)g]の不純物が残存する。
次いで、めっき処理液戻し供給手段60(63)の働きにより、不純物除去後でかつ残りの不純物を含むめっき処理液は、フィルター装置40に加圧供給される。フィルター装置40は、残存する不純物[(Z40)g]をフィルター42により機械的に除去(濾過)する。粒子が1μm以上の不純物の全量[(Z40)g]を捕獲(除去)できる。
最終的には、めっき処理(めっき品質)に悪影響を及ぼすことのない1μm未満の微量[(α)g=(Z−Z30−Z40)g]の不純物を含むめっき処理液は、めっき処理槽11内でかつ各密閉アノード室構造体20外のカソード室11Kに戻し供給される。
かくして、アノード室24内の不純物濃度はめっき処理に害を及ぼすことがない程度に調整することができ、カソード室11Kには不純物除去後の新鮮なめっき処理液が供給される。つまり、ワークWを浸漬するめっき処理液Q中への不純物の侵入を大幅に抑制(めっき処理液中のめっき品質を低下させる虞のある不純物を完全除去)しつつ、アノード金属イオンをカソード室11Kに安定して供給することがでる。よって、析出皮膜(表面状態)にザラやブツのない高品質製品を安定して生産することができる。
なお、スルーホールめっき処理の場合も、スルーホールおよびパターンめっき
に対応した添加剤の開発も相俟って、量産稼働ができることを確認している。
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態は、図2に示される。
すなわち、第2の実施の形態では、基本的構成(10、20、30、40、60)が第1の実施の形態の場合と同様であるが、めっき処理液抽出供給手段50が第1の実施の形態の場合は抽出供給ポンプ53を用いた強制抽出(供給)構造であるのに対して、この第2の実施の形態の場合は重力利用の自然流によって各アノード室24内のめっき処理液を電解除去槽31(カソード室31K)内に自然抽出供給可能に形成されている。
めっき処理液抽出供給手段50Aは、図2に示す如く、吸引抽出管52Aと、先端が各アノード室24内に連通しかつ基端部が吸引抽出管52Aに連結された左右の吸引抽出枝管51LA,51RAとから構成されている。そして、めっき処理槽11と電解除去槽31とを、電解除去槽31内の液面Q31がめっき処理槽11内の液面Q11に対して選択高さ(H)分だけ低くなるように配設してある。
したがって、めっき処理槽11内のアノード室24から電解除去槽31内にめっき処理液をサイフォン効果(重力利用)により自然落下(流下)供給することができる。単位時間当たりのめっき処理液の抽出量は、吸引抽出管52Aの途中に設けた調整弁52Vで増減調整することができる。
しかして、この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の場合と同様な作用・効果を奏することができることに加え、さらに第1の実施の形態の場合(図1)に比較して抽出供給ポンプ53および抽出供給管54等を一掃することができるから、初期投入コストおよびランニングコストを一段と低減でき、取扱いも一層容易である。
なお、重力利用の自然流によって各アノード室24内のめっき処理液を電解除去槽31(カソード室31K)内に自然抽出供給させる構造は、上記形態(図2)の場合に限定されない。すなわち、図2では、めっき処理槽11と電解除去槽31との配置高さを変えることで段差(高さH)[図1の場合との比較便宜のために大きく誇張表示されている。]を確保していたが、この段差(H)は例えば図3に示すようにめっき処理槽11内の液面Q11と電解除去槽31内の液面Q31との段差として直接に確保する構造(変形例)としてもよい。
すなわち、図3において、めっき処理槽11と電解除去槽31とは、戻し供給ポンプ63の停止状態において液面Q11と液面Q31とが同一高さ[H=0]になるように配置されている。また、図2の調整弁52Vに代えて戻し供給ポンプ63の出口側に調整弁63Vを設ける。戻し供給ポンプ63の起動状態では、電解除去槽31(31K)内の液面が2点鎖線で示したQ31lに低下しかつめっき処理槽11(11K)内の液面が2点鎖線で示したQ11hに上昇する。つまり、液面Q11hと液面Q31lとの間に段差[高さH(=Q11h−Q31l)]を確保することができる。その他は、図2の場合と同様な構造である。
したがって、戻し供給ポンプ63を起動すれば、段差(H)に基づきめっき処理槽11内のアノード室24から電解除去槽31内にめっき処理液をサイフォン効果(重力利用)により自然落下(流下)供給することができる。単位時間当たりのめっき処理液の抽出量は、調整弁63Vで増減調整することができる。さらに、この変形例によれば、段差(H)を抽出量に応じた大きさでかつ最小的な値にすることができるから、電解除去槽31内での液乱れを一段と抑制できる。また、各槽11,31のレイアウトが容易である。
本発明は、各種の電子部品、特にブラインドビアホールを有するプリント配線基板に、生産性を大幅に向上しつつ高品質なビアフィリングめっき処理を施すために利用される。
本発明に係る第1の実施の形態を説明するための図である。 本発明に係る第2の実施の形態を説明するための図である。 本発明に係る第2の実施の形態(変形例)を説明するための図である。 従来例1を説明するための図である。 従来例2を説明するための図である。
符号の説明
10 めっき処理装置
11 めっき処理槽
11K カソード室
20 密閉アノード室構造体
21 アノードユニット
22 アノード
23 布製包囲部材
24 アノード室
26 布製部材
30 電解除去処理装置(第1の不純物除去手段)
31 電解除去槽
32 陽極部材
35 陰極部材
40 フィルター装置(第2の不純物除去手段)
42 カートリッジ
50 めっき処理液抽出供給手段
53 抽出供給ポンプ
60 めっき処理液戻し供給手段
63 戻し供給ポンプ
W ワーク(カソード)

Claims (4)

  1. めっき処理槽内の幅方向の両側に槽内中央に向う面が布製部材からなりかつ全体として密閉型のアノード室を形成する密閉アノード室構造体を装着するとともに各密閉アノード室構造体にアノードとこれを包囲する布製包囲部材とからなるアノードユニットを収容させ、密閉アノード室構造体間のめっき処理液中にカソードを形成するワークを浸漬させ、ワークと両アノードとの間に給電しつつ当該ワークの表面にめっき処理を施すめっき処理装置において、
    前記各アノード室内でかつ当該各アノードユニット外からめっき処理液を抽出して他所に供給可能なめっき処理液抽出供給手段と,抽出供給されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去可能な第1の不純物除去手段と,この第1の不純物除去手段を通過した後のめっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去可能な第2の不純物除去手段と,この第2の不純物除去手段により残存不純物が除去されためっき処理液を前記めっき処理槽内でかつ各密閉アノード室構造体外のカソード室に戻し供給可能なめっき処理液戻し供給手段とを設けた、めっき処理装置。
  2. 前記第1の不純物除去手段が電解除去槽,この電解除去槽の内部に装着された1対の陽極部材および両陽極部材間に装着された陰極部材を有しかつ電解処理により不純物を陰極部材側に析出させて除去する電解除去処理装置から形成され、前記第2の不純物除去手段がカートリッジを交換可能なフィルター装置から形成されている、請求項1記載のめっき処理装置。
  3. 前記めっき処理槽と前記電解除去槽とを前記電解除去槽内の液面が前記めっき処理槽内の液面に対して低くなるように配設し、前記めっき処理液抽出供給手段が重力利用の自然流によって前記各アノード室内のめっき処理液を前記電解除去槽へ抽出供給可能に形成されている、請求項2記載のめっき処理装置。
  4. 槽内中央に向う面が布製部材からなりかつアノードおよび布製包囲部材を含むアノードユニットを収容可能な全体として密閉型構造のアノード室を形成するとともにめっき処理槽内の幅方向の両側に装着された密閉アノード室構造体の間にカソードであるワークを浸漬させ、ワークと両アノードとの間に給電しつつ当該ワークの表面にめっき処理を施すめっき処理方法において、
    電解除去処理装置を用いて前記各密閉アノード室構造体のアノード室内でかつ当該各アノードユニット外から抽出供給されためっき処理液中の不純物を電気化学的に除去し、次いでフィルター装置を用いて電解除去処理装置を通過しためっき処理液中に残存する不純物を機械的に除去し、フィルター装置を通過しためっき処理液を前記めっき処理槽内のカソード室に戻し供給しつつめっき処理を行う、めっき処理方法。
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