JP2020015868A - 蓄光材料の製造方法 - Google Patents
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蓄光材料に耐水性を付与する方法としては、蓄光材料にリン酸塩で表面処理を行う方法が知られており、特にリン酸アンモニウムで表面処理を行った蓄光材料は優れた耐水能を有し、りん光特性も表面処理前と同等であることが報告されている(特許文献1、2参照)。その他にも蓄光材料をリン酸やリン酸塩で処理する方法について報告されている(特許文献3〜5、非特許文献1参照)。
また、リン酸アンモニウムを用いて表面処理を施した蓄光材料は200℃以上で長時間加熱すると変色し、りん光特性が低下するため、蓄光材料を配合可能な樹脂は成形温度が低い樹脂(塩ビやウレタン等)に限られるという課題があった。
本発明の蓄光材料の製造方法は、リン酸水溶液を噴霧添加しながら希土類元素賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩を乾式で混合する工程を含むことを特徴とする。
リン酸水溶液を添加することで希土類元素賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩に表面処理がされるため、得られる蓄光材料は耐水性に優れたものとなる。また、表面処理にリン酸水溶液を使用することで、リン酸塩を使用した場合に生じる、リン酸塩が糊のように作用し、表面処理後の蓄光材料の粒度分布が極端に大きくなることもない。更に本発明の蓄光材料の製造方法で得られた蓄光材料は、高温で加熱した場合でも粉末の変色が起こりにくい。このように蓄光材料粉末の変色が十分に抑制される理由については以下のように推定される。
リン酸塩を用いて表面処理をした場合、表面処理層には蓄光材料から溶出したアルカリ土類金属イオンとリン酸塩が反応して生成するアルカリ土類金属のリン酸水素塩が形成されるが、リン酸塩を用いると、リン酸イオンの対となる塩基性のカウンターイオンも表面に残留しており、それが熱処理により蓄光材料粉末と反応して着色を引き起こすと考えられる。これに対し、本発明の蓄光材料の製造方法では、表面処理剤としてリン酸塩ではなくリン酸を使用するため、蓄光材料粉末の変色も抑制されることになるものと考えられる。
リン酸塩を使用する従来の表面処理方法では、塩基性のカウンターイオンを除去するため、表面処理後に中和・水洗が行われるが、未反応の処理剤やカウンターイオンを完全に取り除くことは難しい上に、製造工程が増えコストアップにつながる。これに対し、本発明の蓄光材料の製造方法では表面処理後の中和・水洗を行う必要がないため、コスト面や製造効率の面でも有利である。また、リン酸の他にピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸等を用いても良い。
機械型かき混ぜ型混合機の例としては特に限定されないが、リボン、スクリュー、ロッド、パドル、高速流動、回転円盤、マラー等が挙げられる。これらの中でも特に、せん断力の強い高速流動型混合機が好ましい。高速流動混合機を用いることで、得られる蓄光材料が輝度により優れたものとなる。この理由は以下のように推定される。
高速流動混合機を用いることで、得られる蓄光材料表面の凹凸がなくなり、滑らかな表面となることから、微粉がリン酸液と反応して乾式混合中のより大きな粒子の表面に付着するような現象が生じ、これにより輝度低下の原因となる微粉が少なくなり、得られる蓄光材料が輝度により優れたものとなると考えられる。
混合時間は、上記周速が0.1〜40m/sの条件であれば特に制限はないが、1分以上、30分未満で行うことが望ましい。混合時間が1分未満であると、リン酸による被覆が不十分となる可能性があり、混合時間が30分以上では生産効率が低下することになるため望ましくない。
加熱処理する工程の温度は、より好ましくは、60〜300℃であり、更に好ましくは、80〜250℃である。
MxAlyOz (1)
(式中、Mは、アルカリ土類金属元素を表す。x、y、zは、0<x≦4、0<y≦14、0<z≦25の数を表す。)で表される化合物である。
上述したとおり、本発明の蓄光材料の製造方法は表面処理にリン酸塩ではなくリン酸水溶液を使用することから、得られる蓄光材料は耐水性に優れ、粒度分布が狭く、リン酸塩由来のカチオン種の存在が原因と考えられる高温での蓄光材料粉末の着色が抑制されたものである。
このような蓄光材料、すなわち、希土類元素賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩を含む蓄光材料であって、該蓄光材料は、蓄光材料100重量部に対してリン元素を0.01重量部以上、8重量部未満含み、粒度分布におけるD25/D75の比が0.45以上であり、該蓄光材料を40℃、100mlの純水に1時間浸漬させた後のスラリーの電気伝導度が150μS/cm未満であることを特徴とする蓄光材料もまた、本発明の1つである。
蓄光材料中のリン元素の含有量は、ICP発光分析により測定することができる。
蓄光材料の粒度分布は、粒度分布測定機により測定することができる。
本発明の蓄光材料を樹脂と混練して樹脂組成物とする場合、使用する樹脂は特に制限されず、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、PET樹脂、EVA樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂等を使用することができる。中でも、本発明の蓄光材料は、高温で加熱した場合にも蓄光材料粉末の着色が十分に抑制されたものであることから、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂等の高温で成形される樹脂と混練して用いられることは本発明の好適な実施形態の1つである。
炭酸ストロンチウム(堺化学工業社製SW−K、24.58g)、酸化ユーロピウム(純度99.9%、0.30g)、酸化ジスプロシウム(純度99.9%、0.32g)、酸化アルミニウム(純度99.99%、16.99g)、炭酸リチウム(純度99.0%、0.0063g)、ホウ酸(純度99.5%、0.11g)を秤量し、水(85mL)中に入れてスラリー化後、3mm径アルミナボール(ニッカトー社製、SSA−999W、190g)を粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて250rpmで90分間分散・粉砕・混合することによりスラリー状の緑色蓄光材料用組成物を得た。得られた混合スラリーは噴霧乾燥し、粉末状の緑色蓄光材料用組成物を得た。次いで、その緑色蓄光材料用組成物をアルミナ製坩堝に充填して、還元雰囲気(2%水素含有窒素)中で200℃/時の速度で1400℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/時の速度で室温まで降温した。
こうして得られた焼成物を、乳鉢で解砕し、篩を通すことで蓄光材料(1):Sr0.979Li0.001Al1.96B0.01O4:Eu0.01,Dy0.01を粉末として得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)5.06gを秤量し、純水11.39gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌した後、磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料1を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)5.06gを秤量し、純水37.97gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料2を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)10.12gを秤量し、純水22.78gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料3を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)0.51gを秤量し、純水1.14gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速10m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速10m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料4を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)1.27gを秤量し、純水2.85gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速10m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速10m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料5を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)2.53gを秤量し、純水5.70gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速10m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速10m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料6を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)5.06gを秤量し、純水11.39gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速10m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速10m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料7を得た。
リン酸2水素ナトリウム(和光純薬工業社製、純度98wt%)7.75gを秤量し、純水11.39gに投入後、攪拌することによりリン酸2水素ナトリウム水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸2水素ナトリウム水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸2水素ナトリウム被覆蓄光材料を得た。
リン酸2水素アンモニウム(和光純薬工業社製、純度98wt%)7.43gを秤量し、純水11.39gに投入後、攪拌することによりリン酸2水素アンモニウム水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸2水素アンモニウム水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業社製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸2水素アンモニウム被覆蓄光材料を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)5.06gを秤量し、純水11.39g投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をピペットを用いて0.1L/minで滴下した。滴下終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料8を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)5.06gを秤量し、純水101.2gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gと上記リン酸水溶液を1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて5時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料9を得た。
リン酸(和光純薬工業社製、純度85wt%)20.24gを秤量し、純水45.56gに投入後、攪拌することによりリン酸水溶液を作製した。
蓄光材料(1)200gを1Lのポリ容器に投入し、攪拌機FLOS20−S(太洋社製)にて、周速1m/s条件のもと攪拌を行いつつ上記リン酸水溶液をトリガースプレー♯30(マルハチ産業製)を用いて0.01L/minで噴霧した。噴霧終了後、周速1m/s条件のもと10分間かけて攪拌したあと磁性皿に移し、130℃の電気乾燥機にて2時間乾燥させることでリン酸被覆蓄光材料10を得た。
[耐水性(耐湿性)試験]
実施例1及び比較例1、2の蓄光材料5gをペトリシャーレに入れ、恒温恒湿機PR−1KT(エスペック製)にて温度60℃、湿度90%RHの条件で91時間保持前後のりん光輝度を測定した。表1は耐湿試験前後のりん光輝度を示したものである。なお、りん光輝度の評価は次のように実施した。
<りん光輝度評価>
蓄光材料及び透明アクリル樹脂を重量比で1:1.4となるよう秤量し、乳鉢を用いて混合したあと、埋込プレス機を用いて蓄光材料含有アクリル樹脂円形成型体を得た。その後、りん光輝度計(トプコン製BM−100)を用いてこの成型体のりん光輝度(60分後のりん光輝度、単位:mcd/m2)を測定した。この際、輝度測定はJIS Z 9107の6.3.2に準拠し、暗所に24時間以上外光を遮断した状態で保管し、その後、常用光源(東芝製D65蛍光灯)を用いて200ルクスの照度で20分間照射し、照射を止めた後、60分後のりん光輝度を測定した。
この結果から、リン酸塩ではなく、リン酸を用いて表面処理を行うことで耐水性に優れた蓄光材料が得られることが確認された。
次に実施例1及び比較例1、2の蓄光材料をそれぞれアルミナ坩堝に15g充填し、300℃に過熱したマッフル炉で1時間保持した。保持前後のサンプルに関して、上記と同じ方法により、りん光輝度を測定した。結果を表2に示す。
以上より、リン酸塩ではなく、リン酸を用いて表面処理を行うことで加熱後の輝度変化が抑制された、耐熱性に優れた蓄光材料が得られることが確認された。
[耐水性(耐湿性)試験]
実施例1及び比較例3の蓄光材料5gをペトリシャーレに入れ、恒温恒湿機PR−1KT(エスペック社製)にて温度60℃、湿度90%RHの条件で120時間保持前後のりん光輝度を上記と同様の方法により測定した。耐湿試験前後のりん光輝度を表3に示す。
<pH測定>
蓄光材料を5g秤量し、40℃の純水100mlに浸漬して1時間保持した後のスラリーのpHをpHメーターD−71S(堀場製作所製)で計測した。
<電気伝導度測定>
蓄光材料を5g秤量し、40℃の純水100mlに浸漬して1時間保持した後のスラリーの電気伝導度を電気伝導率計CM−31P(東亜ディーディーケー社製)で計測した。
表3、表4に示された結果より、リン酸水溶液を噴霧により添加することで、蓄光材料表面に均一に処理剤を被覆することが出来、耐水性に優れた蓄光材料が得られることが確認された。
[耐水性(耐湿性)試験]
実施例1、2及び比較例4の蓄光材料5gをペトリシャーレに入れ、恒温恒湿機PR−1KT(エスペック社製)にて温度60℃、湿度90%RHの条件で120時間保持前後のりん光輝度を上記と同様の方法により測定した。耐湿試験前後のりん光輝度を表5に示す。
耐湿試験前後のpHおよび電気伝導度を表6に示す。
[耐水性(耐湿性)試験]
蓄光材料(1)、実施例1、3〜7及び比較例5の蓄光材料5gをペトリシャーレに入れ、恒温恒湿機PR−1KT(エスペック製)にて温度60℃、湿度90%RHの条件で120時間保持前後のりん光輝度を上記と同様の方法により測定した。耐湿試験前後のりん光輝度を表7に示した。
耐水試験前後のpHと電気伝導度を表8に示す。
また実施例1、7より、周速の上昇と共に電気伝導度が低下する結果となった。これは周速が高いほどリン酸と蓄光材料が均一に接触し、表面処理反応が進行するようになるためであると考えられる。
実施例1、4〜7及び比較例1、2において得られた蓄光材料の粒度分布測定を以下の方法により行い、測定した粒子径分布の分布幅の目安となるD25/D75を算出した。ここで、D75は、体積基準の積算粒子量曲線において、その積算量が75%となる点の粒子径(μm)を示し、D25は、体積基準の積算粒子量曲線において、その積算量が25%となる点の粒子径(μm)を示す。リン酸添加量、周速とD25/D75の関係を表9に示す。
<粒度分布測定>
粒度分布は、エタノールを分散媒として使用し、レーザー回折・散乱式粒度分布計 (マイクロトラック・ベル(株)製MT−3300EXII)により下記条件で測定した。
計測モード:MT−3000
測定上限:1408μm
測定下限:0.021μm
粒子屈折率:1.81
粒子形状:非球形
溶媒屈折率:1.36
実施例4〜7より、リン酸添加量が増えるとD25/D75値は増大傾向となることが確認された。これは、リン酸量が多いほど微粉粒子との反応性が高まり、上述の整粒効果が高くなるためと考えられる。また、実施例1、4より、周速が高いほどD25/D75値は上昇傾向となることが確認された。これは、周速が高いほど羽根のせん断力が増すため、リン酸処理剤を噴霧することで発生する蓄光材料同士の凝集を抑制しやすくなるためと考えられる。
Claims (4)
- リン元素を希土類元素賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩100重量部に対して0.01重量部以上、8重量部未満含むリン酸水溶液を噴霧添加しながら該希土類元素賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩を乾式で混合する工程を含むことを特徴とする蓄光材料の製造方法。
- 前記乾式混合は、機械型かき混ぜ型混合機を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の蓄光材料の製造方法。
- 前記乾式混合は、0.1〜40m/sの周速で撹拌して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄光材料の製造方法。
- 希土類元素賦活アルカリ土類金属アルミン酸塩を含む蓄光材料であって、
該蓄光材料は、蓄光材料100重量部に対してリン元素を0.01重量部以上、8重量部未満含み、
粒度分布におけるD25/D75の比が0.45以上であり、
該蓄光材料を40℃、100mlの純水に1時間浸漬させた後のスラリーの電気伝導度が150μS/cm未満であることを特徴とする蓄光材料。
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