JP2020015780A - ポリシルセスキオキサン及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濁度が低く、保存安定性の高いポリシルセスキオキサンを提供すること。【解決手段】下記一般式(1)で表されるポリシルセスキオキサンであって、該ポリシルセスキオキサンを71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度が50FTU以下である、ポリシルセスキオキサン。[RSiO1.5]m[R’SiO1.5]n(1)(式中、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基等を表す。R’は、フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)等を表す。mは5〜100000の整数を表し、nは0〜100000の整数を表す。m個のR、及びn個(nが2以上の場合)のR’は、同一であっても異なっていてもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリシルセスキオキサン(PSQ)及びその製造方法に関する。
シルセスキオキサンは、基本構成単位(含ケイ素結合単位)がT単位(RSiO3/2)であるポリシロキサンの総称である。T単位では、シルセスキオキサン中のケイ素原子は3個の酸素原子と結合し、該酸素原子は2個のケイ素原子と結合しているため、ケイ素原子数に対する酸素原子数の比が1.5となる。
例えば、シルセスキオキサンの1種であるアルキルシルセスキオキサンは、下記T〜Tで表されるT単位を有している。なお、Tは、実際には、シルセスキオキサン中に含まれる未反応のモノマーに相当し、含ケイ素結合単位ではない。
Figure 2020015780
(上記式中、Rはアルキル基等を示し、Xは水素原子又はアルキル基を示す。)
ポリシルセスキオキサンは、3官能性シランを加水分解及び縮合することによって製造することができる。この方法で得られるポリシルセスキオキサンは、以下に示す、ランダム構造のポリシルセスキオキサン(主生成物)だけでなく、多面体ポリシルセスキオキサン等の副生成物を含んでいるため、濁度が高い。
Figure 2020015780
(上記式中、Rは、前記と同じである。)
Figure 2020015780
(上記式中、Rは、前記と同じである。)
ポリシルセスキオキサンの精製法として、例えば、特許文献1に記載されている方法がある。特許文献1には、(1)多面体オリゴシルセスキオキサンとアルカリ金属化合物の両方を含有する組成物を、疎水性有機溶媒と接触させて、疎水性有機溶媒に多面体オリゴシルセスキオキサンを溶解させるとともに、微粒子分散物を含む有機相を取得する工程と、(2)前工程で得られた多面体オリゴシルセスキオキサンと微粒子分散物を含有する有機相から微粒子分散物を分離する工程と、(3)工程(2)で得られた多面体オリゴシルセスキオキサンを含有する溶液に、さらに多面体オリゴシルセスキオキサンの貧溶媒を添加することによって、多面体オリゴシルセスキオキサンを析出させる工程を含む方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、ニトリル系溶媒を用いて多面体オリゴシルセスキオキサンを精製する方法であって、ランダム構造のPSQを得る方法ではない。
特開2005−187381号公報
本発明は、濁度が低く、保存安定性の高いポリシルセスキオキサンを製造することができる方法を提供することを主な目的とする。
さらに、本発明の別の目的は、濁度が低く、保存安定性の高いポリシルセスキオキサンを提供することである。
本発明者らは、濁度が低く、保存安定性の高いポリシルセスキオキサンを製造することができる方法を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、生成物に副生成物に対して有効な貧溶媒を添加して多面体ポリシルセスキオキサン等の副生成物を除去することにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記項1〜項10に示す、ポリシルセスキオキサン、及びその製造方法に係る。
項1 下記一般式(1)で表されるポリシルセスキオキサンであって、該ポリシルセスキオキサンを71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度が50FTU以下である、ポリシルセスキオキサン。
[RSiO1.5[R’SiO1.5 (1)
(式中、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R’は、フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)、アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、又はエポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)を表す。
mは5〜100000の整数を表し、nは0〜100000の整数を表す。
m個のR、及びn個(nが2以上の場合)のR’は、同一であっても異なっていてもよい。)
項2 含ケイ素結合単位T(ここで、Tとは、ケイ素原子に結合した3つの酸素原子が全て他のケイ素原子と結合した含ケイ素結合単位である)の含有量が60モル%以上である、上記項1に記載のポリシルセスキオキサン。
項3 ポリスチレン換算の重量平均分子量が2000〜100000である、上記項1又は2に記載のポリシルセスキオキサン。
項4 下記一般式(1):
[RSiO1.5[R’SiO1.5 (1)
(式中、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R’は、フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)、アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、又はエポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)を表す。
mは5〜100000の整数を表し、nは0〜100000の整数を表す。
m個のR、及びn個(nが2以上の場合)のR’は、同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるポリシルセスキオキサン(A)の疎水性有機溶媒(B)溶液に、窒素原子を含有しない親水性有機溶媒(C)を添加し、析出物を除去する工程を1回以上実施し、ポリシルセスキオキサン(A)を71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度を50FTU以下にする工程を含む、上記項1〜3のいずれかに記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
項5 前記疎水性有機溶媒(B)が、炭素数3〜8の酢酸アルキル、炭素数4〜8の脂肪族ケトン、トルエン、キシレン、及びメシチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記項4に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
項6 前記親水性有機溶媒(C)が、炭素数1〜3のアルコール、及びアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記項4又は5に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
項7 析出物の除去がデプスフィルターによる濾過により行われる、上記項4〜6のいずれかに記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
項8 前記ポリシルセスキオキサン(A)が、下記一般式(2):
RSi(OX)(2)
(式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。)
で表される化合物、又は該化合物と下記一般式(3):
R’Si(OX) (3)
(式中、Xは前記と同じ意味を表し、R’はフルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)、アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、又はエポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
で表される化合物との混合物の加水分解重縮合物、又は前記加水分解重縮合物を精製処理する工程により得られたものである、上記項4〜7のいずれかに記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
項9 前記精製処理する工程が、下記工程〔1〕及び工程〔2〕の少なくとも1つの工程である、上記項8に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
工程〔1〕:前記加水分解重縮合物を含む反応混合物中の微粒子を濾過する工程。
工程〔2〕:前記加水分解重縮合物を含む有機溶媒相を水相で分液洗浄し、有機溶媒相中の微粒子を濾過する工程。
項10 前記加水分解重縮合物が、前記一般式(2)で表される化合物、又は該化合物と下記一般式(3)で表される化合物との混合物を、塩基の不存在下に加水分解及び重縮合させて得られたものである、上記項8又は9に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
本発明は、濁度が50FTU以下であり、保存安定性の高いポリシルセスキオキサンを製造することができる方法を提供することができる。本発明の方法により製造されたポリシルセスキオキサンは、濁度が低く、保存安定性に優れているので、光学部材用途に用いた場合には、光線透過率を向上させることができるとともに、電子部材用途に用いた場合には、昇華成分が低減され、接点障害を抑制することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.ポリシルセスキオキサン
本発明は、下記一般式(1)で表されるポリシルセスキオキサンであって、該ポリシルセスキオキサンを71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度が50FTU以下である、ポリシルセスキオキサンである。
[RSiO1.5[R’SiO1.5 (1)
(式中、R、R’、m及びnは、前記と同じ意味を表す。)
炭素数1〜4の直鎖状アルキル基として、メチル、エチル、n−プロピル、及びn−ブチルが挙げられ、メチル、及びエチルが好ましい。
炭素数6〜10のアリール基として、フェニル、ナフチル等が挙げられ、フェニルが好ましい。
炭素数7〜10のアラルキル基として、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル等が挙げられ、ベンジルが好ましい。
Rとしては、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基が好ましく、メチル、及びエチルがより好ましい。
フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)は、1個以上のフルオロ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基のことである。フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)として、具体的には、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、モノフルオロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、モノフルオロブチル、4,4−ジフルオロブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、ノナフルオロブチル等が挙げられ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピルが好ましい。
アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)は、アクリロキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基のことである。アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)として、具体的には、アクリロキシメチル、2−アクリロキシエチル、3−アクリロキシプロピル、及び4−アクリロキシブチルが挙げられ、3−アクリロキシプロピル、及び4−アクリロキシブチルが好ましい。
メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)は、メタクリロキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基のことである。メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)として、具体的には、メタクリロキシメチル、2−メタクリロキシエチル、3−メタクリロキシプロピル、及び4−メタクリロキシブチルが挙げられ、3−メタクリロキシプロピル、及び4−メタクリロキシブチルが好ましい。
グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)は、グリシジルオキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキル基のことである。グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)として、具体的には、グリシジルオキシメチル、2−グリシジルオキシエチル、3−グリシジルオキシプロピル、4−グリシジルオキシブチル、及び3−グリシジルオキシイソブチルが挙げられ、3−グリシジルオキシプロピルが好ましい。
エポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)は、エポキシシクロヘキシル基で置換された炭素数1〜4のアルキル基のことである。エポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)として、具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル、及び4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルが挙げられ、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルが好ましい。
R’としては、トリフルオロメチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−アクリロキシプロピル、3−メタクリロキシプロピル、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルが好ましい。
mは5〜100000の整数であり、好ましくは6〜10000の整数である。
nは0〜100000の整数であり、好ましくは1〜10000の整数である。
m個のR、及びn個(nが2以上の場合)のR’は、同一であっても異なっていてもよい。
前記ポリシルセスキオキサンを71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度は、50FTU以下であり、好ましくは44FTU以下であり、より好ましくは35FTU以下である。本発明のポリシルセスキオキサンは、濁度が50FTU以下であることが特徴である。本発明のポリシルセスキオキサンは、濁度が50FTU以下と低いので、光学部材用途に用いた場合には、光線透過率を向上させることができるとともに、電子部材用途に用いた場合には、昇華成分が低減され、接点障害を抑制することができる。また、本発明のポリシルセスキオキサンは濁度が50FTU以下であるので、濁度が50FTUを超えるものよりも保存安定性が高い。
本明細書において、濁度とは、JIS K 0101「工業用水試験法」における透過光濁度に基づき、ポリシルセスキオキサン溶液を50mmのセルに入れ、脱気した後、660nmの透過光強度を、紫外・可視分光計で測定し、ホルマジン標準液を用いて作成した検量線から算出した値(FTU、ホルマジン濁度)をいう。
本発明のポリシルセスキオキサン中の含ケイ素結合単位T(ここで、Tとは、ケイ素原子に結合した3つの酸素原子が全て他のケイ素原子と結合した含ケイ素結合単位である)の含有量が60モル%以上であることが好ましく、65モル%以上であることがより好ましい。含ケイ素結合単位Tの含有量が60モル%以上であることにより、ゲル化せず、かつ、再現性がよい。
本発明のポリシルセスキオキサンは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が2000〜100000であることが好ましく、2500〜50000がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲であると、本発明のPSQはゲル化せず、かつ、再現性がよい。
なお、ポリシルセスキオキサンのポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレンを標準物質とした測定値である。
2.ポリシルセスキオキサンの製造方法
上述したポリシルセスキオキサンの製造方法は、下記一般式(1):
[RSiO1.5[R’SiO1.5 (1)
(式中、R、R’、m、及びnは前記と同じ意味を表す。)
で表されるポリシルセスキオキサン(A)の疎水性有機溶媒(B)溶液に、窒素原子を含有しない親水性有機溶媒(C)を添加し、析出物を除去する工程を1回以上実施し、ポリシルセスキオキサン(A)を71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度を50FTU以下にする工程を含む。
前記ポリシルセスキオキサン(A)の製造方法は、特に限定されず、従来から公知の方法を用いて製造することができる。
前記ポリシルセスキオキサン(A)は、下記一般式(2):
RSi(OX)(2)
(式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物、又は該化合物と下記一般式(3):
R’Si(OX) (3)
(式中、X及びR’は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物との混合物の加水分解重縮合物、又は前記加水分解重縮合物を精製処理する工程により得られたものであることが好ましい。
前記加水分解重縮合物は、前記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」という場合もある)、又は該化合物(2)と前記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」という場合もある)との混合物(これらをまとめて「シラン原料」という)を、加水分解及び重縮合させることにより製造することができる。加水分解及び重縮合は、塩基の不存在下に行うことが好ましい。また、この反応は、シラン原料と、水とを溶媒中で加熱することにより行うことが好ましい。
式(2)及び(3)において、Xである炭素数1〜5のアルキル基として、炭素数1〜5の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜5の分岐状アルキル基が挙げられる。炭素数1〜5の直鎖状アルキル基として、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、及びn−ペンチルが挙げられる。炭素数3〜5の分岐状アルキル基として、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル等が挙げられる。炭素数1〜5のアルキル基として、メチル、エチル、及びn−プロピルが好ましく、メチル及びエチルがより好ましい。3個のXは、同一でも異なっていてもよい。
化合物(2)として、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリn−プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリn−プロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン等が挙げられ、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、及びエチルトリエトキシシランが好ましい。
化合物(3)として、例えば、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、2,2,2−トリフルオロエチルトリメトキシシラン、2,2,2−トリフルオロエチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられ、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
シラン原料として、化合物(2)と化合物(3)との混合物を用いる場合には、化合物(2)と化合物(3)とを、モル比で99:1〜1:99の割合で混合することが好ましく、90:1〜1:1がより好ましい。
反応系には、触媒を存在させることが好ましい。触媒としては酸性触媒が好ましい。酸性触媒として、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。酸性触媒の配合量は、シラン原料1モルに対し、0.1〜50モル%程度使用することが好ましく、0.1〜20モル%程度がより好ましい。
シラン原料の加水分解及び重縮合は、水を加えた溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、親水性の有機溶媒が好ましい。親水性の有機溶媒としては、アルコール系溶媒がより好ましい。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−エトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。これらの中で、オリゴマーの溶媒への均一溶解性の点から、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の炭素数1〜4のアルコール系溶媒が好ましい。
シラン原料の加水分解は、例えば、酸性触媒、水及びアルコール系溶媒を含む溶液を撹拌しながら、その中にシラン原料を滴下等により導入することにより行うことができる。
加水分解及び重縮合時のシラン原料の濃度は、5〜80質量%程度とすることが好ましく、10〜50質量%程度がより好ましい。シラン原料の濃度を上記範囲にすることにより、多面体化合物等の不純物の生成が少なくなるとともに、分子量の制御がより容易になり、高い容積効率で反応を進行させることができる。
反応温度は、触媒が存在する場合は室温で反応させることができる。通常は、20〜80℃の温度から目的に応じて適切な温度を採用することができる。反応時間は、通常0.05〜24時間であり、好ましくは0.1〜8時間である。
重縮合は、酸性触媒下又は無触媒下で行うことができる。
酸性触媒としては、加水分解時に使用した酸性触媒と同様のものを使用することができる。酸性触媒は、加水分解時に使用した酸性触媒と同じ触媒を使用することが好ましい。重縮合時に、酸性触媒をさらに追加してもよい。
また、触媒を使用しなくても、重縮合反応は進行する。シラン原料を加水分解した後の溶液を、ケトン溶媒又はエステル溶媒と水との混合溶媒で中性になるまで洗浄してから重縮合させるのが好ましい。
ケトン溶媒として、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等が挙げられる。
エステル溶媒として、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
重縮合時のシラン原料の濃度は、5〜80質量%程度であり、10〜60質量%程度が好ましい。
重縮合時のシラン原料の濃度を上記範囲にすることにより、取り扱い易い適当な粘度となり、ゲル化が起こりにくく、また容積効率が高く、実用的である。
重縮合温度は、通常40〜200℃であり、好ましくは70〜160℃である。重縮合時間は、通常0.1〜72時間であり、好ましくは0.5〜24時間である。
なお、R’が炭素−炭素二重結合又はエポキシ基を含有する場合には、加水分解及び重縮合時に添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤等を挙げることができる。
上記酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール等のモノフェノール化合物を使用することができる。これらは1種単独で、又は、2種以上を併用することができる。
上記酸化防止剤を使用する場合の配合量としては、R’を含有するシラン原料に対して、好ましくは0.01〜30モル%であり、より好ましくは0.05〜20モル%である。
得られた加水分解重縮合物は、そのままポリシルセスキオキサン(A)として使用することができる。又は、前記加水分解重縮合物を精製処理して得られたものをポリシルセスキオキサン(A)として使用してもよい。
前記加水分解重縮合物を精製処理する工程として、前記加水分解重縮合物を含む反応混合物中の微粒子を濾過する工程(工程〔1〕)、及び前記加水分解重縮合物を含む有機溶媒相を水相で分液洗浄し、有機溶媒相中の微粒子を濾過する工程(工程〔2〕)が挙げられる。これらの工程は、いずれか一方だけを行ってもよいし、両方行ってもよい。精製処理として、工程〔1〕及び工程〔2〕の両方を行うことが好ましく、この場合、工程〔1〕、工程〔2〕の順番で行うことが好ましい。
工程〔1〕における微粒子の濾過は、濾紙又は濾布により行うことが好ましい。
工程〔2〕において使用する有機溶媒は、シラン原料の種類、使用量等に応じて、適宜選択することができる。有機溶媒として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール系溶媒;水等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
工程〔2〕における微粒子の濾過は、濾紙又は濾布により行うことが好ましい。
上述した製造方法により得られたポリシルセスキオキサン(A)を、疎水性有機溶媒(B)に溶解させて、ポリシルセスキオキサン(A)の疎水性有機溶媒(B)溶液を調製する。
前記疎水性有機溶媒(B)として、炭素数3〜8の酢酸アルキル、炭素数4〜8の脂肪族ケトン、トルエン、キシレン、及びメシチレンが挙げられる。
炭素数3〜8の酢酸アルキルとして、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸ネオペンチル、酢酸n−ヘキシル等が挙げられる。
炭素数4〜8の脂肪族ケトンとして、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、エチルn−プロピルケトン、ジ(n−プロピル)ケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロへプタノン、シクロオクタノン等が挙げられる。
前記疎水性有機溶媒(B)として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、及び酢酸n−ブチルが好ましい。
前記疎水性有機溶媒(B)は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
前記疎水性有機溶媒(B)の使用量は、ポリシルセスキオキサン(A)に対して0.1〜50質量倍が好ましく、0.2〜40質量倍がより好ましい。
ポリシルセスキオキサン(A)の疎水性有機溶媒(B)溶液に、窒素原子を含有しない親水性有機溶媒(C)を添加する。これにより、多面体ポリシルセスキオキサン等の副生成物が析出する。窒素原子を含有する親水性有機溶媒を用いると、析出物が濾過不能となることがある。
前記親水性有機溶媒(C)として、炭素数1〜3のアルコール(メタノール、エタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノール等)及びアセトン等を使用することができる。前記親水性有機溶媒(C)として、炭素数2〜3のアルコール及びアセトンが好ましく、エタノール及び2−プロパノールがより好ましい。
前記親水性有機溶媒(C)は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
前記親水性有機溶媒(C)の使用量は、ポリシルセスキオキサン(A)に対して0.3〜30質量倍が好ましく、0.5〜20質量倍がより好ましい。
析出物を除去する工程を1回以上実施する。この工程は、ポリシルセスキオキサン(A)を71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度が50FTU以下になるまで繰り返される。
析出物の除去は、デプスフィルターによる濾過により行われることが好ましい。デプスフィルターを使用することにより、多面体PSQ等の不純物を効率よく除去することができる。
本発明で使用するデプスフィルター(深層濾過フィルター、精密濾過フィルター)は、濾材表面だけでなく、濾材内部でも固体粒子を捕捉するフィルターである。このような性質を有するフィルターであれば、いずれを採用してもよい。このようなデプスフィルターとして、より具体的には、多孔質のメンブレン、又は中空糸状の樹脂素材からなる濾材を用いたフィルターを使用することができる。このようなフィルターは市販品を容易に入手することができる。具体的には、セルロース、ポリエーテルサルホン、セルロースアセテート、ポリプロピレン、四フッ化エチレン、ポリエチレン、ナイロン(登録商標)等の樹脂素材からなるメンブレン、又は中空糸を濾材とするフィルターが挙げられる。
本発明の方法によれば、濁度が50FTU以下であり、保存安定性の高いポリシルセスキオキサンを製造することができる。本発明の方法により製造されたポリシルセスキオキサンは、濁度が低く、保存安定性に優れているので、光学部材用途に用いた場合には、光線透過率を向上させることができるとともに、電子部材用途に用いた場合には、昇華成分が低減され、接点障害を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
実施例及び比較例中の重量平均分子量(Mw)はGPCより求めた。T〜Tの存在比は、29Si−NMRのピーク面積比から求めた。各測定条件は以下の通りである。
[GPC条件]
カラム:TSKgel G2000HXL&TSKgel G4000HXL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.65mL/min
検出装置:RI
標準物質:ポリスチレン
29Si−NMR条件]
共鳴周波数:79.5MHz
測定温度:室温
試薬:Cr(acac)を緩和剤として含有する重アセトン使用。
また、各T構造に由来する29Si−NMRの化学シフトは、以下のとおりである。
(T〜T
:−61〜−71ppm
:−51〜−61ppm
:−45〜−51ppm
[濁度測定条件]
本明細書において、濁度とは、JIS K 0101「工業用水試験法」における透過光濁度に基づき、ポリシルセスキオキサン溶液を50mmのセルに入れ、脱気した後、660nmの透過光強度を、紫外・可視分光計で測定し、ホルマジン標準液を用いて作成した検量線から算出した値(FTU、ホルマジン濁度)をいう。
なお、溶液の保存安定性試験として、ポリシルセスキオキサンを71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液を−20℃で10日間から1年間静置した後、濁度を測定し、−20℃で静置前後の濁度差を評価した。濁度差評価の合格基準は、10日間で濁度差が10度以下、1ヶ月間で濁度差が30度以下、1年間で濁度差が50度以下である。
[デプスフィルター]
デプスフィルターとして、スリーエムジャパン株式会社製Betapure(登録商標、濾過精度=0.5μm;材質=ポリプロピレン)を使用した。
[固形分測定条件]
固形分は、赤外線水分計FD−800(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて測定した質量濃度から求めた。
[実施例1−1]
300mLの四つ口フラスコにイオン交換水25.0g、2−プロパノール(関東化学株式会社製)93.6g、及び35%塩酸(シグマアルドリッチ製)0.2gを仕込み、ここにメチルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製)75.1g(0.42mol)を25℃で2時間かけて滴下した。混合液を40℃まで昇温し、40℃で3時間撹拌した。得られたオリゴマーのMwは1,200であった。得られたオリゴマー溶液にイオン交換水6.6g、及び35%塩酸1.1gを加え、混合液を79℃まで昇温し、79℃で12時間撹拌した。得られた混合液を濾過精度1μmの濾紙で濾過した後、濾液に酢酸n−プロピル(関東化学株式会社製)169g/イオン交換水169gを追加し、分液洗浄した。酢酸n−プロピル相をイオン交換水169gでpHが4以上になるまで水洗した後、濾過精度1μmの濾紙で濾過し、酢酸n−プロピル溶液141.3gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,100であった。
[実施例1−2]
実施例1−1で得られた溶液141.3gにメチルイソブチルケトン(関東化学株式会社製)9.9gを加え、減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度69質量%のメチルイソブチルケトン溶液38.4gを得た。得られた溶液38.4gに、2−プロパノール28.2gを加え、25℃で1時間攪拌し、濁度147FTUの溶液66.6gを得た。得られた溶液66.6gをデプスフィルターに通して析出物を除去し、濁度5FTUの溶液62.4gを得た。この溶液62.4gを減圧濃縮し、濁度57FTU、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液33.9gを得た。
[実施例1−3]
実施例1−2で得られたメチルイソブチルケトン溶液33.9gに、2−プロパノール25.3gを加え、25℃で1時間攪拌し、濁度137FTUの溶液59.2gを得た。得られた溶液をデプスフィルターに通して析出物を除去し、濁度0FTUの溶液54.9gを得た。この溶液を減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液30.0gを得た。
[実施例2−1]
200mLの四つ口フラスコにイオン交換水11.8g、2−プロパノール44.4g、及び35%塩酸0.1gを仕込み、ここにメチルトリエトキシシラン35.5g(0.20mol)を25℃で2時間かけて滴下した。混合液を40℃まで昇温し、40℃で3時間撹拌した。得られたオリゴマーのMwは1,200であった。得られたオリゴマー溶液にイオン交換水3.1g、及び35%塩酸0.5gを加え、混合液を79℃まで昇温し、79℃で14時間撹拌した。得られた混合液を濾過精度1μmの濾紙で濾過した後、濾液に酢酸n−プロピル80g/イオン交換水80gを追加し、分液洗浄した。酢酸n−プロピル相をイオン交換水80gでpHが4以上になるまで水洗した後、濾過精度1μmの濾紙で濾過し、酢酸n−プロピル溶液66.1gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,300であった。
[実施例2−2]
実施例2−1で得られた溶液66.1gにメチルイソブチルケトン4.5gを仕込んだ後、減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度70質量%のメチルイソブチルケトン溶液17.9gを得た。この溶液に、2−プロパノール13.3gを加え、25℃で1時間攪拌し、濁度357FTUの溶液31.2gを得た。得られた溶液をデプスフィルターに通して析出物を除去し、濁度1FTUの溶液28.9gを得た。その後、この溶液を減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液14.6gを得た。
[実施例3]
実施例2−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液66.2gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,500であった。その後、実施例2−2と同様の操作を実施し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液14.8gを得た。
[実施例4]
実施例2−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液65.9gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,100であった。その後、実施例2−2の2−プロパノールの代わりにエタノール(関東化学株式会社製)を用いた以外は同様の操作をし、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液15.5gを得た。
[実施例5]
実施例2−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液65.9gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,100であった。その後、実施例2−2の2−プロパノールの代わりにアセトン(関東化学株式会社製)を用いた以外は同様の操作をし、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液15.0gを得た。
[実施例6]
実施例2−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液65.9gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,100であった。その後、実施例2−2の2−プロパノールの代わりにメタノール(関東化学株式会社製)を用いた以外は同様の操作をし、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液15.2gを得た。
[実施例7]
300mLの四つ口フラスコにイオン交換水25.5g、2−プロパノール96.6g、及び35%塩酸0.44gを仕込み、ここにメチルトリエトキシシラン77.2g(0.43mol)を40℃で2時間かけて滴下した。混合液を60℃で4時間撹拌し、更に80℃で7時間撹拌した。混合液を冷却し、濾過精度1μmの濾紙で濾過した後、濾液に酢酸n−プロピル140.2g/イオン交換水174.3gを追加し、分液洗浄した。酢酸n−プロピル相をイオン交換水174.3gでpHが4以上になるまで水洗した後、濾過精度1μmの濾紙で濾過し、酢酸n−プロピル溶液98.2gを得た。得られた溶液の固形分は27質量%であった。生成物のMwは2,800であった。
得られた溶液98.2gにメチルイソブチルケトン11.4gを加え、減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度70質量%のメチルイソブチルケトン溶液37.9gを得た。この溶液に、2−プロパノール28.4gを加え、25℃で1時間攪拌し、濁度100FTUの溶液66.3gを得た。得られた溶液をデプスフィルターに通して析出物を除去し、濁度0FTUの溶液64.9gを得た。その後、この溶液を減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液35.4gを得た。
[実施例8]
100mLの四つ口フラスコに、メチルトリエトキシシラン40.3g(226mmol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)14.0g(56mmol)、及びブチルヒドロキシトルエン(BHT)(東京化成工業株式会社製)0.12g(0.6mmol)の溶液に、0.3質量%塩酸15.3gを1時間かけて滴下した後、74℃に昇温し、14時間撹拌した。混合液に酢酸n−プロピル77g/イオン交換水67gを追加し、分液洗浄した。酢酸n−プロピル相をイオン交換水67gでpHが4以上になるまで水洗した後、濾過精度1μmの濾紙で濾過し、酢酸n−プロピル溶液105.0gを得た。得られた溶液の固形分は24質量%であった。Mwは9,800であった。
この溶液105.0gにメチルイソブチルケトン9.9gを加え、減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度70質量%のメチルイソブチルケトン溶液36.0gを得た。この溶液に、2−プロパノール27.0gを加え、25℃で1時間攪拌し、濁度110FTUの溶液63.0gを得た。得られた溶液をデプスフィルターに通して析出物を除去し、濁度0FTUの溶液60.5gを得た。この溶液を減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液34.1gを得た。
[実施例9]
実施例2−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液66.0gを得た。得られた溶液の固形分は18質量%であった。生成物のMwは20,000であった。その後、実施例2−2と同様の操作を実施し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液15.1gを得た。
[比較例1]
実施例2−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液66.1gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,300であった。この溶液66.1gにメチルイソブチルケトン5.2gを加えた後、減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液17.7gを得た。
[比較例2]
実施例2−1と同様の操作を実施し、65.9gの溶液を得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,100であった。この溶液にメチルイソブチルケトン5.1gを加えた後、減圧濃縮し、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液17.6gを得た。得られた溶液にアセトニトリル(関東化学株式会社製)13.6gを加え、25℃で1時間攪拌した後、25℃で24時間静置したところ、白濁成分が析出し濾過不可能となった。このため、各分析及び保存安定性試験は実施しなかった。
[比較例3]
実施例1−1と同様の操作を実施し、酢酸n−プロピル溶液143.8gを得た。得られた溶液の固形分は19質量%であった。生成物のMwは9,300であった。その後、実施例1−2の2−プロパノールの代わりにアセトンを用いた以外は同様の操作をし、ポリシルセスキオキサン濃度71質量%のメチルイソブチルケトン溶液34.3gを得た。
実施例1〜9及び比較例1及び3で得られたポリシルセスキオキサン溶液のT構造比、Mw、及び濁度を表1に示す。また、実施例1−3、2−2、3〜9、比較例1及び3で得たポリシルセスキオキサン溶液を、−20℃で静置した後の濁度を表1に示す。
Figure 2020015780

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリシルセスキオキサンであって、該ポリシルセスキオキサンを71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度が50FTU以下である、ポリシルセスキオキサン。
    [RSiO1.5[R’SiO1.5 (1)
    (式中、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
    R’は、フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)、アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、又はエポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)を表す。
    mは5〜100000の整数を表し、nは0〜100000の整数を表す。
    m個のR、及びn個(nが2以上の場合)のR’は、同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 含ケイ素結合単位T(ここで、Tとは、ケイ素原子に結合した3つの酸素原子が全て他のケイ素原子と結合した含ケイ素結合単位である)の含有量が60モル%以上である、請求項1に記載のポリシルセスキオキサン。
  3. ポリスチレン換算の重量平均分子量が2000〜100000である、請求項1又は2に記載のポリシルセスキオキサン。
  4. 下記一般式(1):
    [RSiO1.5[R’SiO1.5 (1)
    (式中、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
    R’は、フルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)、アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、又はエポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)を表す。
    mは5〜100000の整数を表し、nは0〜100000の整数を表す。
    m個のR、及びn個(nが2以上の場合)のR’は、同一であっても異なっていてもよい。)
    で表されるポリシルセスキオキサン(A)の疎水性有機溶媒(B)溶液に、窒素原子を含有しない親水性有機溶媒(C)を添加し、析出物を除去する工程を1回以上実施し、ポリシルセスキオキサン(A)を71質量%含むメチルイソブチルケトン溶液の濁度を50FTU以下にする工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
  5. 前記疎水性有機溶媒(B)が、炭素数3〜8の酢酸アルキル、炭素数4〜8の脂肪族ケトン、トルエン、キシレン、及びメシチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
  6. 前記親水性有機溶媒(C)が、炭素数1〜3のアルコール、及びアセトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4又は5に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
  7. 析出物の除去がデプスフィルターによる濾過により行われる、請求項4〜6のいずれかに記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
  8. 前記ポリシルセスキオキサン(A)が、下記一般式(2):
    RSi(OX)(2)
    (式中、Xは炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。)
    で表される化合物、又は該化合物と下記一般式(3):
    R’Si(OX) (3)
    (式中、Xは前記と同じ意味を表し、R’はフルオロ(炭素数1〜4のアルキル基)、アクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、メタクリロキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、グリシジルオキシ(炭素数1〜4のアルキル基)、又はエポキシシクロヘキシル(炭素数1〜4のアルキル基)を表す。)
    で表される化合物との混合物の加水分解重縮合物、又は前記加水分解重縮合物を精製処理する工程により得られたものである、請求項4〜7のいずれかに記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
  9. 前記精製処理する工程が、下記工程〔1〕及び工程〔2〕の少なくとも1つの工程である、請求項8に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
    工程〔1〕:前記加水分解重縮合物を含む反応混合物中の微粒子を濾過する工程。
    工程〔2〕:前記加水分解重縮合物を含む有機溶媒相を水相で分液洗浄し、有機溶媒相中の微粒子を濾過する工程。
  10. 前記加水分解重縮合物が、前記一般式(2)で表される化合物、又は該化合物と下記一般式(3)で表される化合物との混合物を、塩基の不存在下に加水分解及び重縮合させて得られたものである、請求項8又は9に記載のポリシルセスキオキサンの製造方法。
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