JP2020015705A - アニリン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリンから、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンを高選択的に製造する方法を提供する。【解決手段】3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンの製造方法であって、(1)溶媒中、遷移金属触媒及び式[6]:(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリンとヨウ素化剤とを反応させて、3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリンを得る工程、及び(2)塩基の存在下、工程(1)で得られた3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリンと4-メチル-1H-イミダゾールとを反応させて、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンを得る工程、を含む製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、アニリン化合物の製造方法、さらに詳しくは、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンの製造方法に関する。
3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンは、蛋白質チロシンキナーゼを阻害する慢性骨髄性白血病治療薬であるニロチニブの製造中間体として有用であることが知られている(特許文献1参照)。
Figure 2020015705
この中間体化合物の合成方法として、特許文献1には、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン(以下、化合物[1]と表記する)に、触媒量のヨウ化銅、シクロヘキサンジアミン及び炭酸セシウムの存在下で、4-メチル-1H-イミダゾール(以下、化合物[3]と表記する)を反応させて、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(以下、化合物[4]と表記する)を製造する方法が記載されている。
特許第5225078号
特許文献1に記載された方法では、目的物である3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(化合物[4])とともに、その異性体である3-(5-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(化合物[5])が副生し、目的物である化合物[4]の選択性が低いことが分かった。また、化合物[4]及び化合物[5]は化学構造が類似するため、その混合物から化合物[5]を分離することは容易ではなかった。そのため、化合物[1]から化合物[5]の副生を抑制し化合物[4]を高選択的に製造できる方法が望まれていた。
そこで、本発明は、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[1])から、化合物[4]を高選択的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、化合物[1]から3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリン(以下、化合物[2]と表記する)を収率良く得て、これに4-メチル-1H-イミダゾール(化合物[3])を反応させることにより、化合物[4]を高選択的に得ることができることを見出した。かかる知見に基づいて更に検討を加えることにより本発明を完成するに至った。
即ち、本願は、以下の態様を包含する。
[1] 3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(化合物[4])の製造方法であって、
(1)溶媒中、遷移金属触媒及び式[6]:
Figure 2020015705
(式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[1])とヨウ素化剤とを反応させて、3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[2])を得る工程、及び
(2)塩基の存在下、工程(1)で得られた化合物[2]と4-メチル-1H-イミダゾール(化合物[3])とを反応させて、化合物[4]を得る工程、を含む製造方法。
[2] 式[6]において、Wが、鎖状又は分岐状のC2〜C10アルキレン基、C3〜C8シクロアルキレン基、又はC6〜C10アリーレン基である、[1]に記載の製造方法。
[3] 式[6]において、Wが、鎖状又は分岐状のC2〜C4アルキレン基、又はC5〜C7シクロアルキレン基である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 式[6]において、R及びRが、同一又は異なって、C1〜C3アルキル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 式[6]で表される化合物が、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、又はN,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 工程(2)が、工程(1)で生成した混合物に、塩基及び4-メチル-1H-イミダゾール(化合物[3])を加えて反応させて、化合物[4]を得る工程である、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 工程(1)の溶媒が、水、アルコール、ニトリル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、及び非プロトン性極性溶媒からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 工程(1)の溶媒が、水、1−ブタノール、エチレングリコール、メトキシエタノール、プロピオニトリル、ブチロニトリル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種である、[7]に記載の製造方法。
[9] 工程(1)の遷移金属触媒がヨウ化銅である、[1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 工程(1)のヨウ素化剤がヨウ化ナトリウムである、[1]〜[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11] 工程(2)の塩基がリン酸塩である、[1]〜[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12] 3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(化合物[4])の製造方法であって、
溶媒中、遷移金属触媒、塩基及び式[6]:
Figure 2020015705
(式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[1])とヨウ素化剤と4-メチル-1H-イミダゾール(化合物[3])とを反応させて、化合物[4]を得る工程、を含む製造方法。
[13] 3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[2])の製造方法であって、
溶媒中、遷移金属触媒及び式[6]:
Figure 2020015705
(式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[1])とヨウ素化剤とを反応させる工程、を含む製造方法。
本発明の製造方法により、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン(化合物[1])から、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン(化合物[4])を高選択的かつ高収率で製造することができる。
つまり、遷移金属触媒(ヨウ化銅等)及び式[6]で表される化合物の存在下に、化合物[1]とヨウ素化剤を反応させることで収率良く化合物[2]を得て(工程(1))、塩基の存在下、得られた化合物[2]と化合物[3]を反応させることで、化合物[4]を高選択的に得ることができる(工程(2))。特に、工程(1)で得られた化合物[2]を含む混合物を用いて工程(2)の反応を実施することにより、ワンポットで高選択的かつ高収率で化合物[4]を製造することができる。
この化合物[4]は、慢性骨髄性白血病治療薬であるニロチニブの製造中間体であり、本発明の製造方法を用いることにより、ニロチニブを効率的に製造することができる。
以下、本発明の態様について詳細に説明する。本発明の反応式を以下に示す。
Figure 2020015705
(式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
工程(1):
工程(1)では、溶媒中、遷移金属触媒及び式[6]で表される化合物の存在下、化合物[1]とヨウ素化剤とを反応させて、化合物[2]を得る。
溶媒としては、本発明の効果を発揮できる溶媒であれば特に限定はなく、例えば、水、アルコール、ニトリル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、非プロトン性極性溶媒、これらの混合溶媒等が挙げられる。
アルコールとしては、例えば、1−ブタノール、エチレングリコール、メトキシエタノール等が挙げられる。
ニトリル溶媒としては、例えば、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のアルキルニトリルが例示される。
芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
好ましい溶媒としては、水、アルコール、及びニトリル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を必須として含み、必要に応じて、さらに芳香族炭化水素溶媒及び/又は非プロトン性極性溶媒を含む混合溶媒が挙げられる。
より好ましい溶媒としては、水;1−ブタノール;メトキシエタノール;ブチロニトリル;1−ブタノールと芳香族炭化水素溶媒(特にトルエン)との混合溶媒;1−ブタノールと水との混合溶媒等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、例えば、ハロゲン化銅が挙げられ、好ましくはヨウ化銅である。遷移金属触媒の使用量は触媒量でよく、化合物[1]1モルに対して、通常0.01モル以上であり、好ましくは0.01〜0.5モルであり、より好ましくは0.01〜0.15モルである。
ヨウ素化剤としては、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨウ素化物が挙げられ、好ましくはヨウ化ナトリウムである。ヨウ素化剤の使用量は、化合物[1]1モルに対して、通常1モル以上であり、好ましくは1〜3モルであり、より好ましくは1.5〜2.5モルである。
式[6]で表される化合物は、遷移金属触媒の配位子として使用される。
又はRで示されるアルキル基としては、C1〜C6アルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。前記アルキル基としては、C1〜C3アルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
Wで示される2価の炭化水素基としては、鎖状又は分岐状のC2〜C10アルキレン基、C3〜C8シクロアルキレン基、又はC6〜C10アリーレン基が挙げられる。好ましくは、鎖状又は分岐状のC2〜C4アルキレン基又はC5〜C7シクロアルキレン基であり、より好ましくは、ジメチレン基、トリメチレン基、シクロヘキサン-1,2-ジイル基である。2価の炭化水素基の2つの結合手は、隣接する2つの炭素原子上に存在することが好ましい。特に好ましくは、ジメチレン基、シクロヘキサン-1,2-ジイル基である。
式[6]で表される化合物としては、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンが好ましい。N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンは、シス体、トランス体、又はその混合物のいずれでもよい。好ましくはトランス体である。
式[6]で表される化合物の使用量は、化合物[1]1モルに対して、通常0.01モル以上であり、好ましくは0.01〜0.5モルであり、より好ましくは0.1〜0.4モルである。
本反応の反応温度は、通常0℃〜溶媒の沸点付近であり、好ましくは60℃〜溶媒の沸点付近(還流)、より好ましくは100℃〜溶媒の沸点付近(還流)である。反応時間は、通常1〜10時間程度である。
工程(1)で得られた化合物[2]を含む混合物は、そのまま次の工程(2)に用いることができる。或いは、当該混合物から化合物[2]を単離又は精製した後、次の工程(2)に用いることもできる。前者の方法では、工程(1)及び工程(2)をワンポットで実施でき操作が簡便であるため好ましい。
工程(2):
工程(2)では、塩基の存在下、工程(1)で得られた化合物[2]と化合物[3]とを反応させて、化合物[4]を得る。
本反応は、通常溶媒を用いて実施することができる。溶媒としては、工程(1)で用いた溶媒を用いることができる。
塩基としては、広く無機塩基又は有機塩基が使用できる。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸セシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)等が挙げられる。好ましくはリン酸三カリウムである。
塩基の使用量は、化合物[1]1モルに対して、通常1モル以上であり、好ましくは1〜3モルであり、より好ましくは1.2〜1.5モルである。
化合物[3]の使用量は、化合物[1]1モルに対して、通常1モル以上であり、好ましくは1〜3モルであり、より好ましくは1.2〜1.5モルである。
本反応の反応温度は、通常0℃〜溶媒の沸点付近であり、好ましくは80℃〜溶媒の沸点付近(還流)、より好ましくは100℃〜溶媒の沸点付近(還流)である。反応時間は、通常10〜40時間程度である。
工程(1)で得られた化合物[2]を含む混合物をそのまま工程(2)に用いる場合、及び、当該混合物から化合物[2]を単離又は精製した工程(2)に用いる場合のいずれも、上記の反応条件を採用することで所望の反応が進行する。
そのうち、単離又は精製した化合物[2]を用いた場合には、化合物[4]の選択性及び収率の向上の観点から、工程(1)で用いた成分、即ち、ヨウ素化剤、遷移金属触媒、式[6]で表される化合物を添加して反応することが好ましい。添加する各成分の種類及び使用量は、工程(1)に記載した通りである。
工程(2)で得られる反応混合物から、常法によって化合物[4]を単離又は精製することができる。例えば、反応液を分液操作によって抽出及び洗浄して精製することができる。さらに、抽出液を濃縮し、これに貧溶媒を混合することにより、化合物[4]を結晶として単離することができる。貧溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の炭化水素溶媒が挙げられる。
或いは、本発明では、工程(1)において、工程(2)で用いる塩基及び化合物[3]を加えて反応を行い、化合物[1]から1工程で化合物[4]を製造することもできる。各成分の使用量、反応温度、反応時間等は、前記工程(1)及び工程(2)で記載したとおりである。但し、化合物[4]の選択性及び収率の観点からは、工程(1)及び工程(2)を段階的に行う方法を採用することが好ましい。
得られる化合物[4]の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の分析手段により確認することができる。具体的には実施例を参照。
本発明の製造方法によれば、化合物[4]をその異性体である化合物[5]に比べて高選択的に得ることができる。化合物[4]と化合物[5]の比率([4]/[5])は、通常7以上であり、さらに8以上であり、よりさらに9以上であり、特に10以上である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において得られた生成物中に含まれる各成分の含有比率は、下記の条件に従って分析した。
<高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析条件>
・測定機器:島津製作所製LC20A
・カラム:InertSustain C18 4.6×150mm, 3μm
・移動相:A液 炭酸アンモニウム水(1.57g/1L)
B液 メタノール
・グラジエント条件:
Figure 2020015705
[実施例1]
Figure 2020015705
1-ブタノール 100mL中、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン[1] 20.00g(83.3mmol)、ヨウ化ナトリウム 24.96g(166.6mmol)、ヨウ化銅 2.38g(12.5mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン 2.20g (25.0mmol)を還流下、4h反応し、3-ヨード-5-フルオロアニリン[2]へと変換した。
反応マスを冷却後、4-メチル-1H-イミダゾール[3] 10.26g(125.0mmol)、リン酸三カリウム 26.50g(125.00mmol)を添加し、110℃に昇温後、30h反応した。この際の目的物[4]と異性体[5]との比率は17.8:1であり、反応マスを定量したところ、の目的物[4]の反応収率は79.1%であった。
得られた反応マスにn-ヘプタン 100mL、水 140mL、炭酸水素アンモニウム 10.00gを添加し分液を行った。更に14%アンモニア水 80mL、水 40mLで洗浄後、得られた有機層を減圧濃縮した。1-ブタノールが20mL分残存する濃縮残渣を50℃にてn-ヘプタン 40mL滴下した後、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン[4]の種晶を接種し結晶を析出させた。1h以上50℃で保温後、更にn-ヘプタン 200mL滴下した。得られたスラリーを-10℃まで冷却し、1h以上保温後、濾過し、冷n-ヘプタン 60mLで洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥し、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリン[4] 13.10g(収率 65.2%)を得た。この結晶のHPLC分析クロマトグラムにおけるピーク面積百分率は、目的物[4]:異性体[5]=99.6%:0.1%であった。
[実施例2]
溶媒としてメトキシエタノールを用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は10.3:1であった。
[実施例3]
溶媒としてブチロニトリルを用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は11.7:1であった。
[実施例4]
溶媒として、1-ブタノール/トルエン(3:1 (v/v))混合溶媒を用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は11.8:1であった。
[実施例5]
溶媒として、水を用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は10.5:1であった。
[実施例6]
溶媒として、1-ブタノール/水(1:1 (v/v))混合溶媒を用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は13.7:1であった。
[実施例7]
塩基として、DBUを用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は8.2:1であった。
[実施例8]
N,N'-ジメチルエチレンジアミンの代わりにトランス-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンを用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は12.8:1であった。
[実施例9]
N,N'-ジメチルエチレンジアミンの代わりにトランス-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンを用い、溶媒として、1-ブタノール/キシレン(1:3 (v/v))混合溶媒を用いて実施例1と同様に反応を行ったところ、反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は14.7:1であった。
[比較例1](特許文献1の実施例9の追試)
Figure 2020015705
窒素気流下においてジグライム 10mL中、ヨウ化銅0.09g(0.5mmol)、1,2-シクロヘキサンジアミン0.11g(0.9mmol)を10分撹拌した。3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリン[1] 1.13g (4.7mmol)、4-メチル-1H-イミダゾール[3] 0.77g(9.4mmol)及び炭酸セシウム 1.53g(4.7mmol)を添加し、150℃で24h反応した。反応マス中における目的物[4]と異性体[5]との比率は4:1であり、反応マスを定量したところ目的物[4]の反応収率は64.9%であった。
Figure 2020015705
実施例1〜9では、比較例1に比べて、反応における目的物[4]の選択性が飛躍的に向上している。これより、より純度の高い目的物[4]を高収率で単離又は精製することが可能になった。実施例の方法は、特に工業的スケールで目的物[4]を製造する場合に極めて有利である。
本発明により、慢性骨髄性白血病治療薬の製造に有用な3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンを高選択的に製造することができる。

Claims (13)

  1. 3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンの製造方法であって、
    (1)溶媒中、遷移金属触媒及び式[6]:
    Figure 2020015705
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
    で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリンとヨウ素化剤とを反応させて、3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリンを得る工程、及び
    (2)塩基の存在下、工程(1)で得られた3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリンと4-メチル-1H-イミダゾールとを反応させて、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンを得る工程、を含む製造方法。
  2. 式[6]において、Wが、鎖状又は分岐状のC2〜C10アルキレン基、C3〜C8シクロアルキレン基、又はC6〜C10アリーレン基である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 式[6]において、Wが、鎖状又は分岐状のC2〜C4アルキレン基、又はC5〜C7シクロアルキレン基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 式[6]において、R及びRが、同一又は異なって、C1〜C3アルキル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 式[6]で表される化合物が、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、又はN,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 工程(2)が、工程(1)で生成した混合物に、塩基及び4-メチル-1H-イミダゾールを加えて反応させて、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンを得る工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 工程(1)の溶媒が、水、アルコール、ニトリル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、及び非プロトン性極性溶媒からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 工程(1)の溶媒が、水、1−ブタノール、エチレングリコール、メトキシエタノール、プロピオニトリル、ブチロニトリル、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 工程(1)の遷移金属触媒がヨウ化銅である、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 工程(1)のヨウ素化剤がヨウ化ナトリウムである、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 工程(2)の塩基がリン酸塩である、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンの製造方法であって、
    溶媒中、遷移金属触媒、塩基及び式[6]:
    Figure 2020015705
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
    で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリンとヨウ素化剤と4-メチル-1H-イミダゾールとを反応させて、3-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)アニリンを得る工程、を含む製造方法。
  13. 3-ヨード-5-トリフルオロメチルアニリンの製造方法であって、
    溶媒中、遷移金属触媒及び式[6]:
    Figure 2020015705
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基を示す。Wは2価の炭化水素基を示す。)
    で表される化合物の存在下、3-ブロモ-5-トリフルオロメチルアニリンとヨウ素化剤とを反応させる工程、を含む製造方法。
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