JP2020015704A - 口腔用組成物 - Google Patents

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【課題】トコフェロール又はその誘導体の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、かつ曳糸性等の製剤物性が良好な口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上を0.01〜3質量%、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜7モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.1〜4質量%及び(C)フッ化ナトリウムを0.3〜1質量%含有し、{(A)+(B)}/(C)が質量比として0.5〜15であることを特徴とする口腔用組成物。更に、(D)アシル基の炭素数が10〜18であるアシルサルコシン塩又は(E)パラオキシ安息香酸エステル、あるいは前記両成分を含有する上記口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ビタミンE又はその誘導体の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、また、曳糸性等の製剤物性も良好な口腔用組成物に関する。
トコフェロール等のビタミンE又はその誘導体は、歯肉組織の末梢循環促進作用(血行促進作用)を有することから、歯周病予防に有用であり、歯磨剤等の口腔用組成物に広く配合されている。油溶性のビタミンE又はその誘導体を口腔用組成物に可溶化させて配合するには、界面活性剤を用いることが一般的であるが、その一方で、ビタミンE又はその誘導体は、界面活性剤や研磨剤の影響を受けて経時で分解が進行し、製剤外観に影響することもあった。更に、練歯磨等の歯磨剤では、凝集分散系の準安定状態であるためにその分散状態の変化によってビタミンE又はその誘導体の容器や研磨剤への吸着が発生することがあり、基本特性の泡立ちに影響する場合もあった。したがって、口腔用組成物にビタミンE又はその誘導体を配合して安定化し、その作用を口腔内で十分に発現させることは難しかった。
口腔用組成物にビタミンE又はその誘導体を配合する技術として、例えば下記提案(特許文献1〜3)がなされているが、ビタミンE又はその誘導体を安定に配合して口腔内での作用性を改善する新たな技術の開発が望まれた。
特許文献1(特許第2054209号公報)には、アルカリ金属塩、アミノ酸等の特定の水溶性化合物によって、トコフェロール及びそのエステル誘導体が安定化し、界面活性剤のラウリル硫酸ナトリウムが配合されていてもトコフェロールやそのエステル誘導体の残存率が改善した研磨剤含有の練歯磨が提案されている。特許文献2(特許第3894132号公報)は、酸化エチレンの平均付加モル数5〜30のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びラウリル硫酸ナトリウムの併用系によって、酢酸トコフェロール等の難水溶性非イオン性薬効成分の容器吸着を防いで残存率を改善し、起泡力も高い研磨剤含有の歯磨剤組成物が得られることを提案している。特許文献3(国際公開第2010/143589号)は、ビタミンE又はその誘導体とアスコルビン酸リン酸エステル又はその塩と非イオン性殺菌剤又はカチオン性殺菌剤とを組み合わせ、これらにエチレンオキサイドの平均付加モル数が10以上のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を適切な量比で添加すると、前記複数の薬効成分を同時に安定化配合し、これらの効果を付与することができる、外観安定性(分離、変色)も良い研磨剤含有の歯磨剤組成物が得られることを提案している。
特許第2054209号公報 特許第3894132号公報 国際公開第2010/143589号 特開2009−96747号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ビタミンE又はその誘導体の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、また、曳糸性等の製剤物性も良好な口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ビタミンE又はその誘導体を特定量配合した口腔用組成物に、エチレンオキサイドの平均付加モル数が特定範囲のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を特定量配合し、かつフッ化ナトリウムを特定量で配合すると、ビタミンE又はその誘導体が安定化して保存後の残存率が改善し、これらの口腔内での滞留及び吸収率も高く、保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、かつ、曳糸性等の製剤物性を良好に維持できることを知見し、本発明をなすに至った。
更に詳述すると、口腔用組成物にビタミンE又はその誘導体として(A)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上を配合し、(A)成分を可溶化して安定化配合することを目的にノニオン性界面活性剤として(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜7モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を添加すると、例えば研磨剤含有の歯磨剤組成物であっても曳糸性が悪くなり、曳糸性等の製剤物性の悪化が起こるという問題が発生した。しかし、本発明では、(A)及び(B)成分を各々特定量で併用した系に、更に(C)フッ化ナトリウムを特定量以上添加すると、(C)成分が、(A)及び(B)成分による上記製剤物性の悪化を改善する予想外の作用を奏し、これにより、製剤物性を悪化させることなく(B)成分によって(A)成分の保存後の残存率を改善し、かつ歯茎等の口腔粘膜への滞留及び吸収率も高く、優れた保存安定性及び口腔内滞留・吸収性を付与できた。更に(D)特定のアシルサルコシン塩を添加すると、(A)成分の口腔内滞留・吸収性を更に向上できた。また、更に(E)パラオキシ安息香酸エステルを添加すると、練肌等の製剤表面がより改善し、良い味を保つこともできた。
本発明では、(A)、(B)及び(C)成分を各々特定量で組み合わせて配合することによって特異的に上記作用効果を奏した。後述の比較例の結果からもわかるように、(C)成分が配合されていない比較例7は、曳糸性の悪化が発生した。一方、(B)成分が配合されていない比較例3、6や、(A)又は(B)成分の配合量が少ない比較例1、4は、曳糸性の悪化が認められなかったが、これらの例では、(C)成分が配合されていても(A)成分の保存安定性(残存率)が低く、比較例6では更に不適切なポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が配合されていても(A)成分の保存安定性(残存率)及び口腔内滞留・吸収性が低かった。また、(A)、(B)及び(C)成分が配合されていても、(A)又は(B)成分量が多すぎる比較例2、5は、曳糸性の悪化が認められ、(C)成分量が少なすぎる比較例8も、曳糸性の悪化が認められた。これに対して、本発明の(A)、(B)及び(C)成分を各々特定量で含有する口腔用組成物(後述の実施例参照)は、(A)成分の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、曳糸性が良好であり、また、味や練肌も良かった。
なお、特許文献4(特開2009−96747号公報)では、殺菌剤のイソプロピルメチルフェノールの保存安定性や歯茎への滞留性の改善に特定のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が用いられ、また、口腔用組成物の有効成分として酢酸トコフェロール、フッ化ナトリウムは公知である。しかし、本発明は、(C)成分による曳糸性改善であり、(A)、(B)及び(C)成分の組み合わせで特異かつ格別な作用効果を与えるものである。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
〔1〕
(A)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上を0.01〜3質量%、
(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜7モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.1〜4質量%
及び
(C)フッ化ナトリウムを0.3〜1質量%
含有し、{(A)+(B)}/(C)が質量比として0.5〜15であることを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
更に、(D)アシル基の炭素数が10〜18であるアシルサルコシン塩を0.01〜2質量%含有する〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕
(D)成分がラウロイルサルコシンナトリウムである〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕
更に、(E)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%含有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕
研磨剤含有の歯磨剤組成物である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明によれば、トコフェロール又はその誘導体の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、かつ曳糸性等の製剤物性が良好な口腔用組成物を提供できる。この口腔用組成物は、トコフェロール又はその誘導体の口腔内滞留及び吸収性が高いことからその作用を十分に発現させることができ、また、製剤表面や味の問題もなく品質面も良好である。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上、(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜7モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及び(C)フッ化ナトリウムを含有し、{(A)+(B)}/(C)の質量比が特定範囲である。
(A)成分は、トコフェロール又はその誘導体であり、前記誘導体としては、トコフェロールの有機酸とのエステル又はこれらの塩を用いることができる。これらは、1種単独で用いてもよいが、これらから選ばれる2種以上を組み合わせて用いることもできる。(A)成分は、血流促進及び組織修復作用を有する薬効成分であり、歯肉炎、歯周炎等の歯周病の予防又は抑制に有効な成分である。
トコフェロールは、例えば、d−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等が挙げられる。また、トコフェロールの誘導体は、例えば、上記トコフェロールの酢酸、ニコチン酸、コハク酸、リノレン酸等の有機酸とのエステル又はこれらの塩が挙げられる。具体的には、酢酸d−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール酢酸エステル、ニコチン酸d−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロールニコチン酸エステル、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロールコハク酸エステル、リノレン酸d−α−トコフェロール、リノレン酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロールリノレン酸エステル、コハク酸トコフェロールカルシウムが挙げられる。中でもトコフェロール酢酸エステル、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール、とりわけトコフェロール酢酸エステルが、製剤の色調や外観の点で好ましい。
これらトコフェロール又はその誘導体は、旧化粧品原料基準(粧原基)又は医薬部外品原料規格2006に適合品を使用可能であり、DSMニュートリションジャパン社製、エーザイフード・ケミカル(株)製、BASFジャパン(株)製等の市販品を使用し得る。
(A)成分の配合量は、組成物全体の0.01〜3%(質量%、以下同様)であり、好ましくは0.05〜2%である。上記範囲内であると、本発明の作用効果が優れる。配合量が0.01%未満であると、(A)成分の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性が低い。配合量が多いほど歯周疾患の予防又は改善効果が高まるが、3%を超えると、曳糸性等の製剤物性が悪化する。なお、本発明では、(A)成分の配合量が組成物全体の1%以下、特に0.5%以下でも保存安定性及び口腔内滞留・吸収性が優れる。
(B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜7モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、(A)成分の保存安定性の向上作用を奏し、口腔内での滞留・吸収性が良好となる。
ここで、エチレンオキサイドの平均付加モル数は3モル以上7モル以下であり、好ましくは5〜7モルである。上記範囲内であると、(A)成分の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性が優れる。7モルを超えると、(A)成分の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性の向上効果が得られない。3モル未満のものは製造が難しく、市販品としては入手困難であり、一般的な原料としての使用は現実的ではない。
(B)成分は、1種又は2種以上を使用でき、その配合量は、組成物全体の0.1〜4%であり、好ましくは0.1〜3%である。配合量が0.1%以上であると、(A)成分の保存安定性が向上するが、多く配合し過ぎて4%を超えると、(A)成分の口腔内滞留・吸収性が低下し、しかも、曳糸性等の製剤物性が悪化する。
本発明において、(C)フッ化ナトリウムは、曳糸性等の製剤物性の改善剤として作用する。
(C)フッ化ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.3〜1%であり、好ましくは0.3〜0.8%である。配合量が0.3%未満であると、曳糸性等の製剤物性改善効果が得られず、1%を超えると、味が悪くなる。
本発明では、(A)及び(B)成分の合計配合量と(C)成分の配合量との量比を示す{(A)+(B)}/(C)が、質量比として0.5〜15であり、好ましくは1〜14である。上記範囲内で、本発明の作用効果が得られる。{(A)+(B)}/(C)の質量比が0.5未満の場合、15を超える場合は、味が悪く使用に適さなくなる。
本発明の口腔用組成物には、更に、(D)アシルサルコシン塩及び/又は(E)パラオキシ安息香酸エステルを配合することが好ましい。
本発明では、アニオン性界面活性剤として(D)アシルサルコシン塩を添加すると、(A)成分の滞留・吸収性を促進し、より向上することができる。
アシルサルコシン塩のアシル基は、好ましくは炭素数10〜18、より好ましくは10〜14であり、その塩は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩である。
具体的にアシルサルコシン塩は、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、ステアロイルサルコシンナトリウム等が挙げられ、中でも、ラウロイルサルコシンナトリウムが好ましい。
アシルサルコシン塩は、川研ファインケミカル(株)製のソイポンSLP(ラウロイルサルコシンナトリウム)等の市販品を用いることができる。
(D)アシルサルコシン塩を配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.01〜2%が好ましい。0.01%以上であると、(A)成分の滞留・吸収促進効果が十分に得られる。2%以下であると、味の良さを保つことができる。
また、本発明では、(E)パラオキシ安息香酸エステルを添加すると、練肌等の製剤表面を改善できる。
(E)パラオキシ安息香酸エステルは、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等が挙げられる。これらは、上野製薬(株)製等の市販品を使用し得る。
(E)パラオキシ安息香酸エステルを配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.01〜1%が好ましい。0.01%以上であると、練肌等の製剤表面の改善効果が十分に得られる。1%以下であると、味の良さを十分に保つことができる。
本発明の口腔用組成物は、特に練歯磨等の歯磨剤組成物として好適である。また、上記成分に加えて、剤型等に応じて、その他の公知の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で任意に配合できる。例えば、研磨剤、界面活性剤、粘稠剤、粘結剤、甘味剤、防腐剤、着色剤、pH調整剤、香料、有効成分等が挙げられ、これら成分と水とを混合して調製できる。
研磨剤は、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤や、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤が挙げられる。
研磨剤の配合量は、組成物全体の5〜30%、特に5〜20%、とりわけ5〜15%が好ましい。配合量が多いほど、曳糸性等の製剤物性を十分に改善できるが、多く配合しすぎないほうが、(A)成分の保存安定性及び滞留・吸収性を十分に向上できる。
界面活性剤は、(B)成分、更には(D)成分に加えて、これら以外の非イオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤を用いることができ、例えば、下記に示すものが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を併用して配合することができる。
非イオン性界面活性剤:
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル;グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型の界面活性剤;ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド
アニオン性界面活性剤:
ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム
カチオン性界面活性剤:
塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム
両イオン性界面活性剤;
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等のベタイン型、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシン
上記任意の界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.001〜15%、特に0.2〜10%が好ましい。
口腔用組成物に多用されるアニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩の配合量は、組成物全体の0.001〜10%が好ましい。なお、本発明では、アルキル硫酸塩が配合されていても(A)成分の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性が優れる。
非イオン性界面活性剤の総配合量は、(B)成分の配合量と合計して組成物全体の4%以下、特に3%以下が好ましい。本発明では、(B)成分以外の非イオン性界面活性剤は配合せず0%でもよく、(B)成分以外のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は配合しない(配合量0%)ほうがよい。
粘稠剤は、ソルビット、グリセリン、キシリトール、エリスリトール、還元でんぷん糖化物等の糖アルコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、平均分子量200〜6,000(医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量)のポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。粘稠剤の配合量は、通常、組成物全体の5〜55%、特に20〜50%である。
粘結剤は、有機粘結剤及び/又は無機粘結剤を用いることができる。有機粘結剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース系粘結剤、キサンタンガム、カラギーナン、グアガム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。無機粘結剤は、例えばゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、モンモリロナイト、カオリン、ベントナイトが挙げられる。
有機粘結剤の配合量は、組成物全体の0.1〜5%がよく、無機粘結剤の配合量は組成物全体の0.1〜10%がよい。
甘味剤は、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられる。
防腐剤は、(E)パラオキシ安息香酸エステルが防腐剤としても作用するが、更に、安息香酸又はその塩等を配合することができる。
着色剤は、青色1号、黄色4号、緑色3号等の法定色素、カラメル等の天然色素や、酸化チタンが挙げられる。
pH調整剤は、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。
香料は、口腔用として一般的な香料素材を使用できる。例えば、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、バニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等が挙げられる。香料の配合量は、組成物全体の0.000001〜2%が好ましい。
有効成分は、(A)及び(C)成分以外のもの、例えば非イオン性殺菌剤、カチオン性殺菌剤等の殺菌剤、トラネキサム酸、アラントイン等の抗炎症剤、デキストラナーゼ等の酵素、植物抽出物、歯石防止剤、歯垢防止剤が挙げられる。これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量である。
以下、実施例及び比較例と処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜4に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を常法によって調製し、一般的なラミネートチューブ容器(最内層にポリエチレンを含む。口径8mm)に充填し、下記方法で評価した。結果を表に併記した。
なお、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の( )内の数値は、エチレンオキサイドの平均付加モル数である。
(1)ビタミンE又はその誘導体の保存安定性の評価方法
上記容器に充填した各例の歯磨剤組成物を60℃の恒温槽中で1ヶ月間保存した。これを常温になるまで放置した後、10g分取し、メタノールで抽出した後、下記試験条件に従い、HPLC(高速液体クロマトグラフィー、下記機器を使用)により絶対検量線法にて、ビタミンE又はその誘導体を定量した。
(使用機器)
・ポンプ:(株)島津製作所、LC−20AD
・試料導入部:(株)島津製作所、SIL−20AC
・検出器:(株)島津製作所、SPD−20A
・カラム恒温槽:(株)島津製作所、CTO−20AC
・溶離液流量:1mL/min
(試験条件)
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:273nm)
・カラム:COSMOSIL 5C18−MS−II
・カラム温度:40℃
・溶離液:メタノール
60℃にて1ヶ月間保存品中のビタミンE又はその誘導体の含有量を算出し、上記と同様にして定量した−5℃にて1ヶ月間保存品中のビタミンE又はその誘導体の含有量を100%とした場合の残存率(60℃で保存品中のビタミンE又はその誘導体の残存率)を求め、下記の評価基準に従い、ビタミンE又はその誘導体((A)成分)の保存安定性を判定した。
評価基準
◎:残存率が96%以上
○:残存率が92%以上96%未満
×:残存率が92%未満
(2)ビタミンE又はその誘導体の口腔内滞留・吸収性の評価方法
1.5cm四方にカットした7週齢雄性ヘアレスマウスの皮膚(日本エスエルシー(株);ラボスキン)を6ウェルプレートに置き、人工唾液を5mL加え、2時間静置した。透過面積(約0.8cm2)が一定になるように、ガラス枠を当該皮膚の上に載せ、各例の歯磨剤組成物5gを人工唾液で3倍希釈した液を300μLずつ注入し、5分間静置した。その後、当該希釈液を捨て、5mLの水を加えて振とう機を用いて160rpmで1分間洗浄した。前記洗浄を繰り返し、計2回行った。
洗浄液を捨て皮膚をチューブに回収し、1mLのエタノール(EtOH90%)を加えてボルテックスミキサーで5分間抽出操作を行った。抽出液を回収し、メタノールで等倍希釈後、上記と同様の機器を使用して同様の試験条件でHPLCにてビタミンE又はその誘導体を定量した。
対照として比較例6の歯磨剤組成物のビタミンE又はその誘導体の滞留・吸収量を100%とした場合の各歯磨剤組成物の滞留及び吸収率(各例のビタミンE又はその誘導体の滞留及び吸収率)を算出し、下記の評価基準に従い、ビタミンE又はその誘導体((A)成分)の口腔内滞留・吸収性を判定した。
評価基準
◎:滞留・吸収率が150%超
○:滞留・吸収率が100%超150%以下
×:滞留・吸収率が100%以下
(3)曳糸性の評価方法
上記口径8mmのラミネートチューブ容器に充填した歯磨剤組成物を歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ4列ヘッド、ミディアム)上に約1g載せた後、上方向にチューブ容器と歯ブラシを引き離した際の歯磨剤組成物の曳糸性を試験した。曳糸性とは、チューブ容器から取り出した時、歯磨剤組成物が糸を引くように伸びる性状をいい、その糸の長さを測定し、下記の評価基準で判定した。糸の長さが短いほど、曳糸性が良いと判断できる。
評価基準
◎:糸の長さが0.5cm未満であり、練り切れが良い
○:糸の長さが0.5cm以上0.8cm未満であり、練り切れがやや良い
△:糸の長さが0.8cm以上1.2cm未満であるが、許容できるレベル
×:糸の長さが1.2cm以上であり、使用上問題がある(許容できない)
(4)味の良さの評価方法
専門家パネラー10人が下記方法で官能試験によって評価した。
上記口径8mmのラミネートチューブ容器に充填した歯磨剤組成物を歯ブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ4列ヘッド、ミディアム)上に約1g載せて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた味について、下記の評点基準で評価した。評点結果の平均を求め、下記の評価基準で味の良さを判定した。
評点基準
4点:苦味を感じない
3点:わずかに苦味を感じるが、使用上問題ないレベル
2点:苦味を感じ、使用上やや問題があるレベル
1点:強く苦味を感じ、使用上問題があるレベル
評価基準
◎:平均点が3.5点以上4点以下
○:平均点が3点以上3.5点未満
×:平均点が3点未満
(5)練肌の評価方法
上記口径8mmのラミネートチューブ容器に充填した歯磨剤組成物を60℃の恒温槽に1ヶ月間保存後、室温に戻し、チューブ容器から押し出したときの歯磨剤組成物の外観(練肌)を、上記と同様に−5℃で3ヶ月間保存した歯磨剤組成物を対象品として、下記の評価基準で判定した。
評価基準
◎:対象品と同等であり、歯磨剤組成物の表面にしわがなく、つやに変化が認められ
ない
○:対象品と比べて、歯磨剤組成物の表面にわずかなしわや表面のつやにわずかな劣
化が認められるが、品質上問題ないレベル
×:対象品と比べて、歯磨剤組成物の表面にしわが認められ、表面につやがなく品質
上問題であるレベル
使用した主な原料の詳細を下記に示す。
(A)酢酸トコフェロール:
DSMニュートリションジャパン社製、酢酸dl−α−トコフェロール
(A)ニコチン酸トコフェロール:
エーザイフード・ケミカル(株)製、ニコチン酸トコフェロール
(A)トコフェロール:
DSMニュートリションジャパン社製、dl−α−トコフェロール
(B)ポリオキシエチレン(3)硬化ヒマシ油:
青木油脂工業(株)製、ブラウノン CW−3
(B)ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油:
日本エマルジョン(株)製、HC−5
(B)ポリオキシエチレン(7)硬化ヒマシ油:
日本エマルジョン(株)製、HC−7
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(比較品):
日本エマルジョン(株)製、HC−20
(C)フッ化ナトリウム:
ステラケミファ(株)製、フッ化ナトリウム
(D)ラウロイルサルコシンナトリウム:
日光ケミカルズ(株)製、NIKKOL サルコシネートLN
(E)パラオキシ安息香酸メチル:
上野製薬(株)製、パラオキシ安息香酸メチル
Figure 2020015704
Figure 2020015704
Figure 2020015704
Figure 2020015704

*;曳糸性の悪化がほとんど認められず、練り切れが良かった。
次に処方例を示す。実施例と同様に処方例の練歯磨を調製し、同様に評価したところ、(A)成分の保存安定性及び口腔内滞留・吸収性に優れ、曳糸性、味の良さ及び練肌も良好であった。
[処方例]練歯磨
(A)酢酸dl−α−トコフェロール 0.1
(B)ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油 1.5
(C)フッ化ナトリウム 0.32
(D)ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
(E)パラオキシ安息香酸メチル 0.18
ソルビット液(70%) 45.0
研磨性シリカ 12.0
増粘性シリカ 6.0
プロピレングリコール 3.0
キサンタンガム 1.0
香料 1.1
精製水 バランス
計 100%
{(A)+(B)}/(C)(質量比)=5.0

Claims (5)

  1. (A)トコフェロール及びその有機酸とのエステルから選ばれる1種以上を0.01〜3質量%、
    (B)エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜7モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.1〜4質量%
    及び
    (C)フッ化ナトリウムを0.3〜1質量%
    含有し、{(A)+(B)}/(C)が質量比として0.5〜15であることを特徴とする口腔用組成物。
  2. 更に、(D)アシル基の炭素数が10〜18であるアシルサルコシン塩を0.01〜2質量%含有する請求項1記載の口腔用組成物。
  3. (D)成分がラウロイルサルコシンナトリウムである請求項2記載の口腔用組成物。
  4. 更に、(E)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の口腔用組成物。
  5. 研磨剤含有の歯磨剤組成物である請求項1〜4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
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