JP2020015650A - フッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法 - Google Patents

フッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法 Download PDF

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Hideki Yamamoto
秀樹 山本
池田 靖之
Yasuyuki Ikeda
靖之 池田
芳英 渡部
Yoshihide Watabe
芳英 渡部
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Abstract

【課題】資源の有効利用、環境保全を図るべく、従来は中和処理等が施されて廃棄処分されていたフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法を提供する。【解決手段】フッ酸およびフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液に、フッ化アルカリ金属塩を添加した後、該フッ化アルカリ金属塩の添加により生じるフルオロ珪酸金属塩の固形物を除去することにより、フルオロ珪酸が除去された又はフルオロ珪酸含有率が低減されたフッ酸含有再生液を回収する固形物除去工程と、前記フッ酸含有再生液と、フッ酸と、を混合することによって、前記フッ酸含有再生液を利用した新たなフッ酸系処理液を得る混合工程と、を含む製造方法とする。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばガラス材の表面の洗浄処理液やエッチング処理液等として使用された後のフッ酸系処理廃液を再生させた再生液を利用して新たなフッ酸系処理液を製造する方法に関する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「フッ化水素酸」を単に「フッ酸」という場合があり、「フッ化水素酸」と「フッ酸」とは同義である。
従来より、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として、フッ化水素酸を含有する酸水溶液が使用されている。例えば、ガラス材のエッチング処理液として、フッ化水素酸と強酸(硫酸、塩酸、硝酸等)の混合水溶液が使用されている(特許文献1参照)。また、光ファイバ用母材のガラス材の表面のエッチング処理液として、フッ化水素酸を含有する水溶液またはフッ化水素酸と硝酸との混合水溶液が用いられている(特許文献2参照)。
特開2001−116923号公報 特開2000−44289号公報
ところで、上述したフッ酸系処理液(例えば、フッ酸・硫酸混合系処理液、フッ酸・硝酸混合系処理液)は、ガラス材の表面の洗浄処理やエッチング処理に継続使用していると、フッ酸系処理液中にフルオロ珪酸(H2SiF6)が生じてくる。継続使用によりフッ酸系処理液中のフルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が増大すると、エッチングレート(エッチング速度)が低下することになるため、フルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が増大した段階でフッ酸系処理廃液として廃棄処分されていた。そして、新たなフッ酸系処理液を用いてガラス材の表面の洗浄処理やエッチング処理が同様に行われて、フッ酸系処理液中のフルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が増大した段階で前記同様にフッ酸系処理廃液として廃棄処分される。このような処理の繰り返しにより多量に発生するフッ酸系処理廃液は、中和処理等が施されて廃棄処分されていたのが実状である。
しかるに、フッ酸の原料の蛍石は、貴重な資源であり、産地が限られる等の理由により近年フッ酸価格は上昇している。また、フッ酸原料の蛍石が貴重な資源であることから、資源の有効利用の観点からも、従来廃棄処分されていた上記フッ酸系処理廃液を再生して、この再生液をガラス材の表面の洗浄処理液やエッチング処理液等として再利用できるようにすることが求められていた。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、資源の有効利用、環境保全を図るべく、従来は中和処理等が施されて廃棄処分されていたフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]フッ酸およびフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液に、フッ化アルカリ金属塩を添加した後、該フッ化アルカリ金属塩の添加により生じるフルオロ珪酸金属塩の固形物を除去することにより、フルオロ珪酸が除去された又はフルオロ珪酸含有率が低減されたフッ酸含有再生液を回収する固形物除去工程と、
前記フッ酸含有再生液と、フッ酸と、を混合することによって、前記フッ酸含有再生液を利用した新たなフッ酸系処理液を得る混合工程と、
を含むことを特徴とするフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[2]前記固形物除去工程において、前記フッ酸含有再生液として、フルオロ珪酸の含有率が3質量%〜12質量%であるフッ酸含有再生液を回収し、このフッ酸含有再生液を前記混合工程で使用する前項1に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[3]前記混合工程で得た新たなフッ酸系処理液を用いて処理対象物を表面処理する表面処理工程をさらに含み、
前記表面処理に使用した後のフッ酸系処理廃液を回収して前記固形物除去工程に供給する前項1または2に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[4]前記固形物除去工程で除去された固形物と、水とを混合することにより、固形物の洗浄を行って精製固形物を得る洗浄工程と、
前記洗浄工程で得られた精製固形物と、アルカリ洗浄液と、を混合することによって、前記精製固形物からフッ化アルカリ金属塩を再生せしめてなる混合液を得た後、該混合液中の固形状のフッ化アルカリ金属塩を分離回収するフッ化アルカリ金属塩再生工程と、
をさらに含む前項1〜3のいずれか1項に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[5]前記フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩の少なくとも一部を、前記固形物除去工程に供給することによってフッ化アルカリ金属塩を循環使用することを特徴とする前項4に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[6]前記フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩の少なくとも一部と、硫酸とを混合してフッ化水素ガスを生成せしめた後、該フッ化水素ガスを水に吸収せしめることによって、再生フッ酸を得るフッ酸再生工程をさらに含む前項4または5に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[7]前記フッ酸再生工程で得た再生フッ酸を前記混合工程に供給することによってフッ酸を循環使用することを特徴とする前項6に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[8]前記フッ化アルカリ金属塩としてフッ化ナトリウムを用いる前項1〜7のいずれか1項に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[9]前記固形物除去工程において、前記フッ酸系処理廃液は、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として使用された後の処理廃液であり、
前記新たなフッ酸系処理液は、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として使用されるものである前項1〜8のいずれか1項に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
[1]の発明では、フッ酸およびフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液に、フッ化アルカリ金属塩を添加した後、該フッ化アルカリ金属塩の添加により生じる固形物(例えば沈殿物など)を除去することにより、フルオロ珪酸が除去された又はフルオロ珪酸含有率が低減されたフッ酸含有再生液を回収できるので、該フッ酸含有再生液を利用して新たなフッ酸系処理液を製造できる。これにより、従来は中和処理等が施されて廃棄処分されていたフッ酸系処理廃液を有効活用できるので、資源の有効利用、環境保全を図ることができる。
[2]の発明では、例えば、ガラス材の表面のエッチング処理等を行う際に十分なエッチングレート(エッチング速度)でエッチング処理を行うことができる。
[3]の発明では、フッ酸系処理廃液を再生使用しながら、処理対象物(ガラス材等)を表面処理することができる。
[4]の発明では、前記固形物除去工程で除去されたフルオロ珪酸金属塩の固形物から、フッ化アルカリ金属塩を分離回収できるので、この回収フッ化アルカリ金属塩を、例えば、前記固形物除去工程に供給することによってフッ化アルカリ金属塩を循環使用できる。
[5]の発明では、フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩の少なくとも一部を、固形物除去工程に供給することによってフッ化アルカリ金属塩を循環使用するので、さらに資源の有効利用を図ることができる。
[6]の発明では、フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩から再生フッ酸を得ることができるので、例えば、前記混合工程に供給することによってフッ酸を循環使用できる。
[7]の発明では、フッ酸再生工程で得た再生フッ酸を混合工程に供給することによってフッ酸を循環使用するので、さらに資源の有効利用を図ることができる。
[8]の発明では、フッ化アルカリ金属塩としてフッ化ナトリウム(NaF)を用いるので、他のフッ化アルカリ金属塩を用いる場合と比較してフルオロ珪酸の除去効率を向上させることができて、より再生利用に適している。
[9]の発明では、新たなフッ酸系処理液は、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として使用して優れた表面処理性能を発揮できる。
本発明に係る製造方法の一例を示す概略全体フロー図である。 固形物除去工程の一例を示す概略フロー図である。 フッ化アルカリ金属塩再生工程の一例を示す概略フロー図である。 フッ酸再生工程の一例を示す概略フロー図である。
本発明に係る、フッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法について説明する。図1は、本製造方法の一例を示した概略の全体フロー図である。本実施形態では、ガラス材の表面のエッチング処理液として使用された後のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法の一例について説明するが、特にこれに限定されるものではない。
本実施形態では、前記フッ酸系処理廃液は、フッ酸、硫酸およびフルオロ珪酸(H2SiF6)を含むフッ酸系処理廃水である。ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として使用された後のフッ酸系処理廃水中の前記フルオロ珪酸(H2SiF6)の含有率は、特に限定されないものの、4質量%〜12質量%が多く、通常は、6質量%〜8質量%である。フルオロ珪酸の含有率がこの程度まで多くなると、エッチングレート(エッチング速度)等の表面処理性能が低下するので、本発明の製造方法により、十分な表面処理性能(エッチングレート等)が得られる新たなフッ酸系処理液を製造する。
[最初の混合工程]
フッ酸と硫酸を混合してそれぞれが所定濃度になるフッ酸系処理液を調製する。例えば、HF含有率が25質量%〜35質量%、H2SO4含有率が20質量%〜35質量%のフッ酸系処理液を調製する、好ましくはHF含有率が30質量%〜32質量%、H2SO4含有率が25質量%〜30質量%のフッ酸系処理液を調製する。
[表面処理工程]
次に、上記フッ酸系処理液を用いてガラス材等の処理対象物の表面処理を行うことにより、ガラス製品等の表面処理済み製品を製造する。上記フッ酸系処理液をガラス材の表面の洗浄処理やエッチング処理に継続して使用していると、処理液中にフルオロ珪酸(H2SiF6)が生じてきてその含有率が増大して、エッチングレート(エッチング速度)が低下することになるため、フルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が例えば4質量%〜12質量%(好ましくは6質量%〜8質量%)に増大した段階で使用をやめてこのフッ酸系処理廃液に対して以下の工程を適用する。
[固形物除去工程](図2)
前記フッ酸系処理廃液(フッ酸、硫酸およびフルオロ珪酸を含む水)にフッ化アルカリ金属塩であるNaF(フッ化ナトリウム)を添加して混合撹拌する。そうすると、
2SiF6 + 2NaF → Na2SiF6↓ + 2HF …(1)
上記化学反応式(1)で示す化学反応の進行により、フルオロ珪酸金属塩であるNa2SiF6の沈殿物(固形物)が生成するとともに、HF(フッ化水素)が生成する(図2参照)。
前記沈殿処理後(固形物生成後)の混合液は、HF、H2SO4、H2SiF6および固形物のNa2SiF6を含む水溶液である。この混合液中におけるフルオロ珪酸(H2SiF6)の含有率は、前記フッ酸系処理廃液中のフルオロ珪酸の含有率よりも低減されている、又は、前記混合液中のフルオロ珪酸は除去されている。
次に、前記沈殿処理後の混合液を濾過する(図2参照)。前記濾過の手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、加圧濾過、吸引濾過等が挙げられる。前記濾過を経て得られた濾液(フッ酸含有再生液)は、HF、H2SO4およびH2SiF6を含む水溶液である。この濾液(フッ酸含有再生液)中におけるフルオロ珪酸の含有率は、前記フッ酸系処理廃液中のフルオロ珪酸の含有率よりも低減されている、又は、濾液(フッ酸含有再生液)中においてフルオロ珪酸は除去されている。この濾液(フッ酸含有再生液)は、前記混合工程に供給してこの混合工程で使用する(図1、2参照)。
前記固形物除去工程において、前記フッ酸含有再生液として、フルオロ珪酸の含有率が3質量%〜12質量%であるフッ酸含有再生液を回収して、この濃度範囲のフッ酸含有再生液を前記混合工程で使用するのが好ましい。
また、前記濾過を経て得られた濾過物(固形物)は、主にNa2SiF6を含有する(図2参照)。前記濾過物(固形物)は、「フッ化アルカリ金属塩再生工程」に供給して、ここでNaFに再生する。
[フッ化アルカリ金属塩再生工程](図3)
前記固形物除去工程で除去された固形物(濾過物;主にNa2SiF6を含有する)と、精製水とを混合することにより、固形物(濾過物)の洗浄を行った後、濾過を行って、精製固形物(精製Na2SiF6)を得る(洗浄工程)(図3参照)。この洗浄は、1回ないし複数回行う。
次に、前記洗浄工程で得られた精製固形物と、アルカリ洗浄液(例えば水酸化ナトリウム水溶液)と、必要に応じて水と、を混合することによって、前記精製固形物からフッ化アルカリ金属塩(本実施形態ではNaF)を再生せしめる。
Na2SiF6+4NaOH→6NaF↓+SiO2+2H2O …(2)
上記化学反応式(2)で示す化学反応の進行によりフッ化アルカリ金属塩(本実施形態ではNaF)が再生する(図3参照)。
同時に、アルカリ洗浄液(例えば水酸化ナトリウム水溶液)は、SiO2溶解剤でもあるので、
SiO2+2NaOH→Na2SiO3+H2O …(3)
上記化学反応式(3)で示す化学反応の進行によりSiO2の溶解反応も同時に起こる(図3参照)。
Na2SiF6+6NaOH→6NaF↓+Na2SiO3+3H2O …(4)
これら両反応をまとめると上記の化学反応式(4)となる。なお、図3では、理解の容易化のために、NaF再生反応とSiO2の溶解反応とを分けて記載したが、これら両反応は、1つの反応槽において同時進行で行わせた反応である。
上記両反応後の液を濾過する(図3参照)。前記濾過の手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、加圧濾過、吸引濾過等が挙げられる。前記濾過により得られた濾過物(NaF)と洗浄液(水または水酸化ナトリウム水溶液等)とを混合することにより、濾過物(NaF)の洗浄を行った後、濾過を行って、精製濾過物(精製NaF)を得る(図3参照)。
上記のようにして得られた精製NaF(再生NaF)を、本実施形態では、一部を前記固形物除去工程に供給することによってNaFを循環使用する(図2参照)と共に、残部を下記フッ酸再生工程に供給する(図4参照)。この場合、フッ化アルカリ金属塩再生工程で得られた再生NaFの20質量%〜45質量%を前記固形物除去工程に供給すると共に、フッ化アルカリ金属塩再生工程で得られた再生NaFの80質量%〜55質量%をフッ酸再生工程に供給するのが、フルオロ珪酸(H2SiF6)の除去性向上の観点から、好ましい。中でも、フッ化アルカリ金属塩再生工程で得られた精製NaF(再生NaF)の3分の1質量部を前記固形物除去工程に供給すると共に、該精製NaF(再生NaF)の3分の2質量部を下記フッ酸再生工程に供給するのが、特に好ましい。
[フッ酸再生工程](図4)
前記フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩の少なくとも一部と、硫酸と、を混合して、フッ化水素ガスを生成せしめて、該フッ化水素ガスを水(精製水等)に吸収させることによって再生フッ酸を得る(図4参照)。前記硫酸としては、特に限定されるものではないが、硫酸濃度が90質量%以上の硫酸水溶液を使用するのが好ましく、この場合にはHFガスの生成効率を向上させることができる。中でも、前記硫酸としては98%濃硫酸を用いるのが好ましい。
前記フッ酸再生工程で得た再生フッ酸を前記混合工程に供給することによってフッ酸を循環使用するのが好ましい(図1、4参照)。
[混合工程](図1)
しかして、図1に示すように、フッ酸と、硫酸と、水(精製水等)と、前記固形物除去工程で得られた「フッ酸含有再生液」と、前記フッ酸再生工程で得られた「再生フッ酸」とを混合することによって、「新たなフッ酸系処理液」を調製する。新たなフッ酸系処理液の使用用途に適した各成分濃度になるように各成分の濃度や配合量等を調整して混合する。
[表面処理工程](図1)
次に、前記「新たなフッ酸系処理液」を用いてガラス材等の処理対象物の表面処理を行うことにより、ガラス製品等の表面処理済み製品を製造する(図1参照)。良好なエッチングレートが得られて良好なエッチング処理を行うことができる。上記「新たなフッ酸系処理液」をガラス材の表面の洗浄処理やエッチング処理に継続して使用していると、処理液中にフルオロ珪酸(H2SiF6)が生じてきてその含有率が増大して、エッチングレート(エッチング速度)が低下することになるため、フルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が増大した段階で使用をやめてこのフッ酸系処理廃液に対して前記同様に以下の工程を適用する。
即ち、前記表面処理工程で出たフッ酸系処理廃液に対して、上記と同様にして、固形物除去工程(図2参照)、フッ化アルカリ金属塩再生工程(図3参照)およびフッ酸再生工程(図4参照)を実施した後、再び上記と同様にして混合工程(図1参照)を実施する。以下、同様にして、図1に示すような循環サイクル系を継続実施しながら、ガラス材等の処理対象物の表面処理を継続して実施できる。この循環サイクル系を何回繰り返しても良好に表面処理を行うことができる(例えば良好状態にガラス材の表面エッチングを行うことができる)。
本発明において、前記フッ化アルカリ金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、NaF(フッ化ナトリウム)、KF(フッ化カリウム)等が挙げられる。中でも、前記フッ化アルカリ金属塩としてはNaFを用いるのが好ましく、この場合には、他のフッ化アルカリ金属塩と比較してフルオロ珪酸の除去効率を向上させることができて、再生利用により適している。
なお、上記実施形態では、フッ化アルカリ金属塩としてNaFを使用した系で説明しているが、フッ化アルカリ金属塩として上記他の化合物を使用した場合にも同様にして本発明の製造方法を実施することができる。
本発明において、前記フッ酸系処理廃液としては、特に限定されるものではないが、上記実施形態で示した「フッ酸、硫酸及びフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液」の他、例えば、「フッ酸、硝酸及びフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液」、「フッ酸及びフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液」等が挙げられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
フッ酸と硫酸を混合して、HF含有率が35質量%、H2SO4含有率が30質量%、水含有率が35質量%のフッ酸系処理液を調製した。次に、前記フッ酸系処理液を用いてガラス材の表面のエッチング処理を継続して行ってガラス製品を製造した。このエッチング処理でのエッチングレート(エッチング速度)は8μm/分であり、エッチング処理を良好に行うことができた。このエッチング処理を4日間実施した段階で、フッ酸系処理液中のフルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が6質量%に達してエッチングレートが低下してきたため、この4日間使用した後のフッ酸系処理廃液を用いて以下のようにして、固形物除去工程(図2)、フッ化アルカリ金属塩再生工程(図3)およびフッ酸再生工程(図4)を実施して、図1に示すような循環サイクル系を維持した中で、新たなフッ酸系処理液を製造すると共に、ガラス材の表面のエッチング処理を継続して実施した。以下に、詳述する。
(固形物除去工程)
上述した4日間使用した後のフッ酸系処理廃液8865質量部と、NaF(フッ化ナトリウム)232.5質量部とを第1反応槽に投入して0.5時間混合撹拌した。第1反応槽の底部に沈殿物(固形物)が生成した。次に、第1反応槽中の内容物の全てを反応加圧濾過装置を用いて濾過した。この濾過操作により、濾液(フッ酸含有再生液)と濾過物(固形物)とを分離した(図2参照)。前記濾過物(固形物)は、X線回折(XRD)分析によりNa2SiF6(フルオロ珪酸ナトリウム)であることを確認した。前記濾過操作により、濾液(フッ酸含有再生液)6765質量部および濾過物(固形物;Na2SiF6)2333質量部を得た(図2参照)。
得られたフッ酸含有再生液(濾液)は、HF含有率が34質量%、H2SO4含有率が30質量%、H2SiF6含有率が2質量%であった。このフッ酸含有再生液(濾液)は、後述する混合工程に供給して使用する。
(フッ化アルカリ金属塩再生工程)
上記固形物除去工程で得られた濾過物(固形物;Na2SiF6)を精製水で数回洗浄を行った後、反応加圧濾過装置を用いて濾過を行った。この洗浄、濾過を経て、500質量部の精製濾過物(精製Na2SiF6)を得た(図3参照)。
次に、上記精製濾過物(精製Na2SiF6)500質量部と、精製水200質量部と、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液(NaOHaq)930質量部とを第2反応槽に投入して0.17時間混合撹拌した。第2反応槽の底部にNaF(固形物)が沈殿した(図3参照)。
次に、第2反応槽中の内容物の全てを反応加圧濾過装置を用いて濾過することによって、濾過物(固形物)のNaFを得た。この濾過物(NaF)を精製水で数回洗浄を行った後、反応加圧濾過装置を用いて濾過を行った。この洗浄、濾過を経て、690質量部の精製濾過物(精製NaF)を得た(図3参照)。この精製濾過物がNaFであることをX線回折(XRD)分析により確認した。
こうして得られた690質量部の精製NaFは、その3分の1の230質量部を前記固形物除去工程へ供給して循環使用し、その3分の2の460質量部を以下のフッ酸再生工程に供給して使用した(図1〜4参照)。
(フッ酸再生工程)
前記フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収した690質量部の精製NaFのうちその3分の2に相当する460質量部の精製NaFと、1600質量部の濃硫酸(98質量%濃硫酸)とを混合して撹拌することにより、フッ化水素ガス(HFガス)を生成せしめ、該フッ化水素ガスを精製水に吸収させることによって、3700質量部の再生フッ酸を得た(図4参照)。前記再生フッ酸におけるHF含有率は5質量%であった。この再生フッ酸を下記混合工程に供給して使用する。
(混合工程)
フッ酸(HF含有率65質量%)450質量部、硫酸水溶液(H2SO4含有率98質量%)280質量部、フッ酸系処理廃液8865質量部、前記固形物除去工程で得られたフッ酸含有再生液7980質量部、前記フッ酸再生工程で得られた再生フッ酸150質量部を混合して撹拌を行うことによって、「新たなフッ酸系処理液」を得た(図1参照)。前記新たなフッ酸系処理液において、HF含有率は32質量%、H2SO4含有率は30質量%、フルオロ珪酸(H2SiF6)含有率は3.9質量%、水含有率は34質量%であった。
(表面処理工程)
次に、前記「新たなフッ酸系処理液」を用いて前記同様にガラス材の表面のエッチング処理を継続して行ってガラス製品を製造した(図1参照)。このエッチング処理でのエッチングレート(エッチング速度)が11μm/分であり、良好なエッチング処理を行うことができた。
(循環サイクル)
そして、このエッチング処理を4日間実施した段階で、フッ酸系処理液中のフルオロ珪酸(H2SiF6)含有率が6質量%に達したため、この4日間使用した後のフッ酸系処理廃液に対して、上記と同様にして、固形物除去工程(図2参照)、フッ化アルカリ金属塩再生工程(図3参照)およびフッ酸再生工程(図4参照)を実施した後、再び上記と同様にして混合工程(図1参照)を実施し、以下同様にして図1に示すような循環サイクル系を継続実施しながら、ガラス材の表面のエッチング処理を継続して実施した。そして図1に示す循環サイクルを10回繰り返してガラス材の表面のエッチング処理を継続して実施したところ、循環サイクルの2回目〜10回目での各表面処理工程(エッチング処理工程)でのエッチングレート(エッチング速度)は約7μm/分〜約8μm/分であり、各エッチング処理工程で良好なエッチングを行うことができることを確認できた。
本発明に係る製造方法により得られた「新たなフッ酸系処理液」は、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として好適に使用できるものであるが、特にこのような用途に限定されるものではない。

Claims (9)

  1. フッ酸およびフルオロ珪酸を含むフッ酸系処理廃液に、フッ化アルカリ金属塩を添加した後、該フッ化アルカリ金属塩の添加により生じるフルオロ珪酸金属塩の固形物を除去することにより、フルオロ珪酸が除去された又はフルオロ珪酸含有率が低減されたフッ酸含有再生液を回収する固形物除去工程と、
    前記フッ酸含有再生液と、フッ酸と、を混合することによって、前記フッ酸含有再生液を利用した新たなフッ酸系処理液を得る混合工程と、
    を含むことを特徴とするフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  2. 前記固形物除去工程において、前記フッ酸含有再生液として、フルオロ珪酸の含有率が3質量%〜12質量%であるフッ酸含有再生液を回収し、このフッ酸含有再生液を前記混合工程で使用する請求項1に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  3. 前記混合工程で得た新たなフッ酸系処理液を用いて処理対象物を表面処理する表面処理工程をさらに含み、
    前記表面処理に使用した後のフッ酸系処理廃液を回収して前記固形物除去工程に供給する請求項1または2に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  4. 前記固形物除去工程で除去された固形物と、水とを混合することにより、固形物の洗浄を行って精製固形物を得る洗浄工程と、
    前記洗浄工程で得られた精製固形物と、アルカリ洗浄液と、を混合することによって、前記精製固形物からフッ化アルカリ金属塩を再生せしめてなる混合液を得た後、該混合液中の固形状のフッ化アルカリ金属塩を分離回収するフッ化アルカリ金属塩再生工程と、
    をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  5. 前記フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩の少なくとも一部を、前記固形物除去工程に供給することによってフッ化アルカリ金属塩を循環使用することを特徴とする請求項4に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  6. 前記フッ化アルカリ金属塩再生工程で分離回収したフッ化アルカリ金属塩の少なくとも一部と、硫酸とを混合してフッ化水素ガスを生成せしめた後、該フッ化水素ガスを水に吸収せしめることによって、再生フッ酸を得るフッ酸再生工程をさらに含む請求項4または5に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  7. 前記フッ酸再生工程で得た再生フッ酸を前記混合工程に供給することによってフッ酸を循環使用することを特徴とする請求項6に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  8. 前記フッ化アルカリ金属塩としてフッ化ナトリウムを用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
  9. 前記固形物除去工程において、前記フッ酸系処理廃液は、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として使用された後の処理廃液であり、
    前記新たなフッ酸系処理液は、ガラス材の表面の洗浄処理液またはガラス材のエッチング処理液として使用されるものである請求項1〜8のいずれか1項に記載のフッ酸系処理廃液を用いて新たなフッ酸系処理液を製造する方法。
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