JP2020015546A - 可剥離性蓋材及び蓋付容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な破断性を有する、新規な可剥離性蓋材を提供する。【解決手段】本発明の可剥離性蓋材100は、基材層102、接着性中間層104、剥離層106、及びシーラント層108をこの順で有し、剥離層が、カルボニル基含有樹脂、及びカルボニル基含有樹脂と非相溶である非相溶樹脂で構成されており、それによって、カルボニル基含有樹脂中に非相溶樹脂が分散している海島構造を形成しており、かつ接着性中間層104と剥離層106との間で剥離可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、可剥離性蓋材及び蓋付容器に関する。
従来、畜産加工食品等の内容物を包装するため、蓋付容器が広く用いられている。かかる蓋付容器は、高い密封性及び良好な開封性等の性質が要求されており、かかる要求を満足させるため、種々の手段が提案されている。
特許文献1では、表面樹脂層、粘着樹脂層、剥離樹脂層、ヒートシール樹脂層が順次に積層されてなる多層フィルムを包装体の蓋材又は底材の一方に用い、当該多層フィルムのヒートシール樹脂層を被シール体である包装体の底材又は蓋材にヒートシールしてなる包装体であり、当該包装体のヒートシール部において、粘着樹脂層と剥離樹脂層とが層間剥離したときに、両層が再封可能な状態で露出する包装体であって、粘着樹脂層が、所定のスチレン系熱可塑性エラストマーを主成分として構成される層からなり、ヒートシール樹脂層が、所定のポリエチレン系接着樹脂を主成分として構成される層からなることを特徴とする包装体が開示されている。
特許文献1では、蓋材のタブ部を引っ張ると、タブ部側の剥離樹脂層及びヒートシール樹脂層が破断され、粘着樹脂層と剥離樹脂層との層間で剥離が開始され、その後粘着樹脂層と剥離樹脂層との剥離がヒートシール部の内周に到達すると、蓋材の剥離樹脂層及びヒートシール樹脂層が破断されるとしている。また、特許文献1では、このように破断された蓋材の剥離樹脂層及びヒートシール樹脂層は、被シート体である底材側に移行し、粘着樹脂層の露出部と剥離樹脂層の露出部が形成されるとしている。
特開2015−071290号公報
熱可塑性エラストマーを粘着性樹脂として用いた場合、特許文献1に記載されているような剥離機構に従って蓋材を開封すると、タブ部側と反対側のヒートシール部で、蓋材の剥離樹脂層及びヒートシール樹脂層が正常に破断されないという問題が生じることがあった。かかる問題は、蓋材の開封時における糸引きや、容器の開口部の閉塞をもたらしていた。
そこで、良好な破断性を有する、新規な可剥離性蓋材を提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉基材層、接着性中間層、剥離層、及びシーラント層をこの順で有し、
前記剥離層が、カルボニル基含有樹脂、及び前記カルボニル基含有樹脂と非相溶である非相溶樹脂で構成されており、それによって、前記カルボニル基含有樹脂中に前記非相溶樹脂が分散している海島構造を形成しており、かつ
前記接着性中間層と前記剥離層との間で剥離可能である、
可剥離性蓋材。
〈態様2〉前記接着性中間層が、熱可塑性エラストマーから実質的に構成されている、態様1に記載の可剥離性蓋材。
〈態様3〉前記熱可塑性エラストマーが、ポリプロピレン系エラストマーである、態様2に記載の可剥離性蓋材。
〈態様4〉前記接着性中間層が、脂環族飽和炭化水素樹脂を更に含有している、態様1〜3のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様5〉前記脂環族飽和炭化水素樹脂の含有率が、前記接着性中間層全体の質量を基準として、5〜50質量%である、態様4に記載の可剥離性蓋材。
〈態様6〉前記接着性中間層の厚さが、10〜30μmである、態様1〜5のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様7〉前記剥離層の厚さが、0.5〜5μmである、態様1〜6のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様8〉前記カルボニル基含有樹脂が、非晶性ナイロンである、態様1〜7のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様9〉前記非相溶樹脂が、ポリスチレンである、態様1〜8のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様10〉前記非相溶樹脂の含有率が、前記剥離層全体の質量を基準として、1〜50質量%である、態様1〜9のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様11〉前記シーラント層の厚さが、0.5〜5μmである、態様1〜10のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
〈態様12〉フランジ部を有する容器、及び
前記容器の前記フランジ部に接合されており、それによって前記容器を密封している、態様1〜11のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材
を具備している、蓋付容器。
〈態様13〉前記容器に収容されている内容物を更に具備している、態様12に記載の蓋付容器。
本発明によれば、剥離層及びシーラント層の良好な破断性を有する、新規な可剥離性蓋材を提供することができる。
図1は、本発明の可剥離性蓋材及び蓋付容器の概略図である。 図2は、本発明の可剥離性蓋材の剥離機構の概念図である。 図3は、従来の可剥離性蓋材の剥離機構の概念図である。
《可剥離性蓋材》
図1に示すように、本発明の可剥離性蓋材100は、基材層102、接着性中間層104、剥離層106、及びシーラント層108をこの順で有し、
剥離層が、カルボニル基含有樹脂、及びカルボニル基含有樹脂と非相溶である非相溶樹脂で構成されており、それによって、カルボニル基含有樹脂中に非相溶樹脂が分散している海島構造を形成しており、かつ
接着性中間層104と剥離層106との間で剥離可能である。
従来のように、剥離層をカルボニル基含有樹脂のみで構成した場合、図3(a)に示すように、タブ110を摘まんで引き上げると、図3(b)に示すように、シール部108aの外周でシーラント層108及び剥離層106が破断し、そしてシール部108a上においては接着性中間層104と剥離層106との間で剥離する。しかしながら、剥離を進めると、図3(c)に示すように、シール部108aの内周で剥離層106が破断せず、その結果、シール部108aの内周よりも内側の領域において、シーラント層108及び剥離層106が残存することがある。
これに対し、本発明者らは、上記の構成により、良好な破断性を有する、可剥離性蓋材を提供できることを見出した。より具体的には、図2(a)に示すように、タブ110を摘まんで引き上げると、図2(b)に示すように、シール部108aの外周でシーラント層108及び剥離層106が破断し、そしてシール部108a上においては接着性中間層104と剥離層106との間で剥離する。剥離を進めると、図2(c)に示すように、シール部108aの内周でシーラント層108及び剥離層106が破断する。これにより、容器の開口部を露出させることができる。理論に拘束されることを望まないが、これは、剥離層が、カルボニル基含有樹脂及び非相溶樹脂で形成される海島構造であるため、剥離層の破断強度が、シール部108aの外周では、容器とシーラント層との接着強度よりも弱くなること、及び、シール部108aの内周では、接着性中間層と剥離層との接着強度よりも弱くなることに起因すると考えられる。
以下では、本発明の蓋材の層構成について説明する。
〈基材層〉
基材層は、例えば接着層を介して接着性中間層を支持することができる層であれば、特に限定されない。基材層は、例えば樹脂層、紙層、若しくは金属層の単層、又はこれらの積層体であってよい。また、基材層が積層体である場合には、例えばバリア層、接着層等の他の層を具備していてもよい。
樹脂層としては、例えば市販のフィルムや押出し樹脂などを適宜用いることが可能である。
フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)、中密度ポリエチレンフィルム(MDPE)、高密度ポリエチレンフィルム(HDPE)、線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ナイロンフィルム(Ny)などを、単独で又は組み合わせて使用してよい。
押出し樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)などを、単独で又は組み合わせて用いてよい。
紙層としては、例えばコート紙、アート紙などを用いることができる。
金属層としては、例えばアルミニウム箔、銅箔、チタン箔等の金属箔、アルミニウム合金箔、ステンレス箔等の合金箔を用いることができる。
接着層としては、例えばドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
〈接着性中間層〉
接着性中間層は、熱可塑性エラストマーから実質的に構成されていてよい。ここで、本明細書において、「実質的に構成されている」とは、含有率が、接着性中間層全体の質量を基準として、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であり、かつ100質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下を占めること意味するものである。
接着性中間層は、脂環族飽和炭化水素樹脂を含有していることが、リシール性を高める観点から好ましい。ここで、本発明において、「リシール性」とは、接着性中間層と剥離層とが剥離した後において、剥離層が粘着性を示さない又は低い粘着性を示し、特に手で剥離層を触ってもタックせず、かつ接着性中間層と剥離層とを再度密着させ、指で押圧すると接着することを意味するものである。
この場合、脂環族飽和炭化水素樹脂の含有率は、接着性中間層全体の質量を基準として、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることが、良好なリシール性を得る観点から好ましく、また50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、又は15質量%以下であることが、接着性中間層の製膜性の観点から好ましい。
また、接着性中間層は、随意の他の成分を含有していてよい。他の成分としては、例えば酸変性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。
接着性中間層の厚さは、10μm以上、13μm以上、15μm以上、又は17μm以上であることが、製膜性の観点から好ましく、また30μm以下、25μm以下、又は20μm以下であることが、コストパフォーマンスの観点から好ましい。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーは、一般に、高温で流動化して成形が可能であり、常温ではゴム弾性を示す材料である。
熱可塑性エラストマーは、一般に、ハードセグメントと、ソフトセグメントとを含み、大別して以下の2種類がある:
単一ポリマー中にハードセグメントとソフトセグメントとが化学結合している、一般にはブロック共重合体であるブロックポリマー型;及び
ハードセグメントとなるポリマーとソフトセグメントとなるポリマーとを物理的に混合してなる、一般的に「海島分散」と呼ばれるブレンド型。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びポリブタジエン系エラストマーを用いることができる。特に、本発明の可剥離性蓋材を食品のために用いる場合には、熱可塑性エラストマーとして、ポリオレフィン系エラストマーを用いることが、衛生面の観点から好ましい。
例えば、ブロックポリマー型のポリオレフィン系エラストマーとしては、常温(20℃)でゴム弾性を有するオレフィン系樹脂が挙げられ、このようなポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−ブテン共重合体(EBM)、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が挙げられる。
ポリマーアロイ型のポリオレフィン系エラストマーは、ハードセグメントと、ソフトセグメントとを含有していてよい。ハードセグメントは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンであってよい。ソフトセグメントは、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、天然ゴム等であってよい。かかるポリオレフィン系エラストマーは、ソフトセグメントが高温になると、ハードセグメントが可塑化して成形が可能となり、常温ではソフトセグメントのゴム弾性が現れる熱可塑性エラストマーである。
上記のポリオレフィン系エラストマーの中でも、成分としてプロピレンを含有しているポリプロピレン系エラストマーを用いることが、製造の観点から好ましい。
熱可塑性エラストマーの密度は、ASTM D1505の密度勾配管法に基づいて測定した場合、好ましくは950kg/m以下、930kg/m以下、910kg/m以下、0.910kg/m未満、900kg/m以下、890kg/m以下、880kg/m以下、又は870kg/m以下であり、また840kg/m以上、850kg/m以上、860kg/m以上、870kg/m以上、又は880kg/m以上であってもよい。
(脂環族飽和炭化水素系樹脂)
一般に、脂環族飽和炭化水素系樹脂は、オレフィン系の主鎖に、環状炭化水素がグラフト重合した構造を有する樹脂である。脂環族飽和炭化水素系樹脂の存在により、接着性中間層に粘着性がもたらされ、その結果、接着性中間層のリシール性が高まると考えられる。かかる脂環族飽和炭化水素系樹脂としては、例えばC9系石油樹脂の水素付加体等を用いることができる。
脂環族飽和炭化水素系樹脂のJIS K 5601−2−2に準拠する環球法により測定した軟化点は、80℃以上、90℃以上、100℃以上、又は110℃以上であってよく、また150℃以下、140℃以下、130℃以下、又は120℃以下であってよい。
(酸変性ポリオレフィン系樹脂)
酸変性ポリオレフィンは、酸を、ポリオレフィンにグラフト重合したものである。酸変性ポリオレフィンとしては、例えば無水マレイン酸変性ポリオレフィン等が用いられる。酸変性ポリオレフィンは、複数種組み合わせて用いてもよい。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDPE)、直線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)}、ポリプロピレン{ポリプロピレン(PP)ホモポリマー(ホモPP)、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)}が好適に用いられる。
例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィン100質量部に対して、無水マレイン酸を0.05質量部以上、0.1質量部以上、0.3質量部以上、0.5質量部以上、又は1.0質量部以上で、50質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、10質量部以下、又は5.0質量部以下でグラフト重合したものを用いることができる。かかる無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、特開平9−278956号公報に記載のものを挙げることができる。
〈剥離層〉
剥離層は、カルボニル基含有樹脂、及びカルボニル基含有樹脂と非相溶である非相溶樹脂で構成されており、それによって、カルボニル基含有樹脂中に非相溶樹脂が分散している海島構造を形成している層である。
非相溶樹脂の含有率は、剥離層全体の質量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、又は10質量%以上であることが、開封性を良好にする観点から好ましく、また50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、又は30質量%以下であることが、製膜性の観点から好ましい。
剥離層の厚さは、0.5μm以上、0.7μm以上、又は1μm以上であることが、製造上の観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、剥離層を破断しやすくし、その結果、図2に言及する開封機構を実現する観点から好ましい。
(カルボニル基含有樹脂)
カルボニル基含有樹脂は、構造中にカルボニル基を含有している樹脂である。カルボニル基含有樹脂は、構造中のカルボニル基の存在に起因して、剥離層の大きな表面エネルギーをもたらすと考えられる。例えば、カルボニル基含有樹脂である6,6−ナイロン及びポリエチレンテレフタレートは、それぞれ46.5mN/m及び43.8mN/mの表面エネルギーを示しているのに対し、カルボニル基を含有していないポリエチレン及びポリプロピレンは、それぞれ35.6mN/m及び29.8mN/mの表面エネルギーを示している。理論に拘束されることを望まないが、カルボニル基含有樹脂の高い表面エネルギーは、剥離層と接着性中間層との間の密着性、及びそれによる図2に言及する開封機構の促進に寄与していると考えられる。
カルボニル基含有樹脂としては、例えばポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂を用いることができる。
カルボニル基含有樹脂は、結晶性であってもよく、又は非晶性であってもよい。
(カルボニル基含有樹脂:ポリアミド系樹脂)
ポリアミド系樹脂としては、例えば結晶性ナイロン(登録商標)6、ナイロン6,6、結晶性ナイロンMXD6等の結晶性ナイロン、非晶性ナイロン6、非晶性ナイロン6,6、非晶性ナイロンMXD6等の非晶性ナイロン等が挙げられる。
(カルボニル基含有樹脂:ポリエステル系樹脂)
ポリエステル系樹脂としては、例えば結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリブチレンテレフタレート等を用いることができる。
(非相溶樹脂)
非相溶樹脂は、カルボニル基含有樹脂と非相溶である樹脂である。ここで、「非相溶」とは、カルボニル基含有樹脂中に非相溶樹脂が分散している海島構造を形成できる程度に、カルボニル基含有樹脂と非相溶であることを意味するものである。
例えば、カルボニル基含有樹脂が非晶性ナイロンである場合には、非相溶樹脂は、ポリスチレン、ポリオレフィン等の炭化水素系樹脂等を用いることができる。
〈シーラント層〉
シーラント層は、本発明の可剥離性蓋材を容器にヒートシールするための層であってよい。シーラント層の材料は、封止すべき容器の材質によって選択され、例えば、ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等の樹脂でよい。これらの樹脂は、例えば、延伸又は無延伸フィルム、押出積層用の溶融樹脂、ホットメルト用の塗料等の形態で与えることができる。
また、シーラント層としては、これらの樹脂で構成されていない、市販のイージーピール樹脂やイージーピールシーラントフィルムを用いてもよい。
シーラント層は、酸変性ポリオレフィンを含有していることが、剥離層との接着性を確保する観点から好ましい。この場合、シーラント層は、酸変性ポリオレフィン単体であってもよく、又はシーラント層全体の質量を基準として、酸変性ポリオレフィンを1質量%以上、2質量%以上、若しくは3質量%以上であり、かつ10質量%以下、7質量%以下、若しくは5質量%以下で含有している樹脂組成物であってもよい。
シーラント層の厚さは、0.5μm以上、0.7μm以上、又は1μm以上であることが、製造上の観点から好ましく、また5μm以下、4μm以下、3μm以下、又は2μm以下であることが、シーラント層を破断しやすくし、その結果、図2に言及する開封機構を実現する観点から好ましい。
次に、本発明の蓋材の面方向の構成について説明する。
〈タブ〉
タブは、手で摘まむことができるように、本発明の蓋材の周縁の少なくとも一部に存在していてよい。特に、下記の蓋付容器においては、タブは、下記のシール部の外側に存在していてよい。
《可剥離性蓋材の製造方法》
本発明の可剥離性蓋材は、例えば以下の工程を含む方法により製造することができる:
(i)接着性中間層及び剥離層を構成する樹脂をそれぞれ溶融混練すること、
(ii)接着性中間層及び剥離層を製膜すること、
(iii)接着性中間層及び剥離層を積層させること、
(iv)接着性中間層に、基材層を積層させること、並びに
(v)剥離層に、シーラント層を積層させること。
接着性中間層、及び剥離層の製膜は、例えばインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形、押出成形又は射出成形等により行ってよい。
接着性中間層及び剥離層の積層は、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、及び押出ラミネート法等により、製膜と同時に行うことが好ましい。
基材層の積層は、例えば接着層を介して行ってもよく、又は押出ラミネート法により、製膜と同時に行ってもよい。また、基材層の積層は、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法により、接着性中間層及び剥離層の積層とともに行ってもよい。
シーラント層の積層は、グラビアコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、リップコート、ディップコート等のコーティング手段によりコーティングして行ってもよく、又はグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルク印刷等の印刷手段により行ってもよい。また、シーラント層の積層は、共押出インフレーション法及び共押出Tダイ法により、接着性中間層及び剥離層の積層とともに行ってもよい。
《蓋付容器》
図1に示すように、本発明の蓋付容器300は、フランジ部210を有する容器200、及び
容器200のフランジ部210に接合されており、それによって容器を密封している、上記の可剥離性蓋材100
を具備している。
上記の構成によれば、本発明の蓋付容器は、図2に関して言及した剥離機構を実現することができる。
蓋付容器は、容器から蓋材を剥離することによって開封することができる。
蓋付容器は、容器に収容されている内容物を更に具備していてよい。
〈容器〉
容器は、フランジ部を有する容器である。
容器の材料は、容器の内容物に応じて、任意に選択することができる。
例えば、容器の内容物が容器から染み出さないようにするために、容器は、内容物に対して不透過性を有する材料で形成されていてよい。より詳細には、容器は、ポリプロピレン等の樹脂から形成されていてよい。また、容器の表面は、ポリオレフィン等でコートされていてもよい。
〈内容物〉
内容物は、非食用物品であってもよく、又は食用物品であってもよい。
非食用物品としては、例えば化学薬品、化粧品、洗剤、芳香剤、医薬品、ウェットティッシュ等が挙げられる。
食用物品としては、スナック菓子、グミキャンディー等の菓子類、即席麺等のレトルト食品、ハム、ソーセージ、ベーコン等の畜産加工食品、練り製品等の水産加工食品等が挙げられる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《可剥離性蓋材の作製》
〈実施例1〉
接着性中間層、剥離層、及びシーラント層を構成する樹脂を、3種3層のTダイ法により製膜し、「接着性中間層(20μm)/剥離層(2μm)/シーラント層(2μm)」の層構成を有する積層体Aを作製した。接着性中間層を構成する樹脂としては、ポリプロピレン系エラストマー樹脂(タフマーPN3560、三井化学株式会社、密度866kg/m)を用いた。剥離層を構成する樹脂としては、非晶性ナイロン(グリボリーG21、エムスケミ―・ジャパン株式会社)90質量部及びポリスチレン(ディックスチレンXC−315、DIC株式会社)10質量部を溶融混練した樹脂を用いた。シーラント層を構成する樹脂としては、マレイン酸変性ポリオレフィン(PF−508、三井化学株式会社)を用いた。
次いで、上記の積層体Aの接着性中間層と、基材層としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET−B、ユニチカ株式会社、厚さ12μm)とを、ドライラミネート接着剤(RU‐50/H−4、ロックペイント株式会社)を介して接着させて、「基材(12μm)/接着性中間層(20μm)/剥離層(2μm)/シーラント層(2μm)」の層構成を有する実施例1の可剥離性蓋材を作製した。
〈実施例2〜3及び比較例〉
非晶性ナイロン及びポリスチレンの含有率を表1に示すように変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2〜3及び比較例の可剥離性蓋材を作製した。
〈実施例4〉
接着性中間層を構成する樹脂として、上記のポリプロピレン系エラストマー樹脂90質量部及び脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP115、荒川化学工業株式会社、軟化点115±5℃)10質量部を溶融混錬させた樹脂を用いたことを除き、実施例1と同様にして、実施例4の可剥離性蓋材を作製した。
〈実施例5〉
基材、接着性中間層、剥離層を構成する樹脂を、3種3層のTダイ法により製膜し、「基材(10μm)/接着性中間層(20μm)/剥離層(2μm)」の層構成を有する積層体Bを作製した。基材層を構成する樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(ノバテックFG3DC、日本ポリプロ株式会社)を用いた。接着性中間層を構成する樹脂としては、上記のポリプロピレン系エラストマー樹脂を用いた。剥離層を構成する樹脂としては、結晶性ポリエチレンテレフタレート(IFG8L、株式会社ベルポリエステルプロダクツ)90質量部及び上記のポリスチレン10質量部を溶融混練した樹脂を用いた。
次いで、積層体Bの剥離層の面に、シーラント層としての変性ポリオレフィン(ユニストール H−200、三井化学株式会社)を2g/mで塗工し、「基材(10μm)/接着性中間層(20μm)/剥離層(2μm)/シーラント層を(2g/m)」の層構成を有する実施例5の可剥離性蓋材を作製した。
《評価》
〈破断性〉
作製した蓋材を、95mm径のポリエチレンコートカップのフランジ部に、温度150℃、圧力0.3MPa、シール時間1.5秒、シール幅8mmの条件でヒートシールした。次いで、蓋材を開封し、シーラント層及び剥離層がシール部の外周及び内周において破断しているか否かを目視により確認した。評価基準は以下のとおりである:
〇:シーラント層及び剥離層が糸引きすることなく破断し、開口しているもの
×:シーラント層及び剥離層が破断せず、開口しないもの
〈リシール性〉
開封した各蓋材の剥離層と接着性中間層とを重ね合わせ、基材層側から指で擦ってリシールさせ、再度開封させて、官能評価によりリシール性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
〇:剥離後に手で剥離層を触ってもタックせず、かつ接着性中間層と剥離層とを再度密着させ、指で押圧すると強く接着する。
×:剥離後に手で剥離層を触るとタックするか、又は接着性中間層と剥離層とを再度密着させ、指で押圧すると接着するが、接着が弱い。
結果を表1に示す。
Figure 2020015546
表1から、剥離層がカルボニル基含有樹脂及び非相溶樹脂で構成されている実施例1〜4の可剥離性蓋材は、良好な破断性を有することが理解できよう。これに対し、剥離層がカルボニル基含有樹脂のみで構成されている比較例の可剥離性蓋材は、破断性が良好ではなかったことが理解できよう。
また、接着性中間層が脂環族飽和炭化水素樹脂を含有している実施例4及び5の可剥離性蓋材は、良好な破断性を維持しつつ、リシール性が得られていることが理解できよう。
100 可剥離性蓋材
100’ 従来の可剥離性蓋材
102 基材層
104 接着性中間層
106 剥離層
106’ 従来の剥離層
108 シーラント層
108a シール部
110 タブ
200 容器
210 フランジ部
300 蓋付容器

Claims (13)

  1. 基材層、接着性中間層、剥離層、及びシーラント層をこの順で有し、
    前記剥離層が、カルボニル基含有樹脂、及び前記カルボニル基含有樹脂と非相溶である非相溶樹脂で構成されており、それによって、前記カルボニル基含有樹脂中に前記非相溶樹脂が分散している海島構造を形成しており、かつ
    前記接着性中間層と前記剥離層との間で剥離可能である、
    可剥離性蓋材。
  2. 前記接着性中間層が、熱可塑性エラストマーから実質的に構成されている、請求項1に記載の可剥離性蓋材。
  3. 前記熱可塑性エラストマーが、ポリプロピレン系エラストマーである、請求項2に記載の可剥離性蓋材。
  4. 前記接着性中間層が、脂環族飽和炭化水素樹脂を更に含有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  5. 前記脂環族飽和炭化水素樹脂の含有率が、前記接着性中間層全体の質量を基準として、5〜50質量%である、請求項4に記載の可剥離性蓋材。
  6. 前記接着性中間層の厚さが、10〜30μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  7. 前記剥離層の厚さが、0.5〜5μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  8. 前記カルボニル基含有樹脂が、非晶性ナイロンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  9. 前記非相溶樹脂が、ポリスチレンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  10. 前記非相溶樹脂の含有率が、前記剥離層全体の質量を基準として、1〜50質量%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  11. 前記シーラント層の厚さが、0.5〜5μmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材。
  12. フランジ部を有する容器、及び
    前記容器の前記フランジ部に接合されており、それによって前記容器を密封している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の可剥離性蓋材
    を具備している、蓋付容器。
  13. 前記容器に収容されている内容物を更に具備している、請求項12に記載の蓋付容器。
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