JP2020015290A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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【課題】効率的にシ−トの変形を矯正し、画像定着性に優れた画像形成装置を提供する。【解決手段】液体組成物と、液体組成物をシ−トPに付与する付与手段と、シ−トPの変形を矯正するシ−トP矯正装置601と、を有し、液体組成物は、特定の構造単位を有する共重合体を含有し、シ−トP矯正装置601は、シ−トPを挟んで搬送するベルト対602と、ベルト対602がシ−トPを挟み持つ領域内でベルト対602の一部を湾曲変形させる押し当て部材603Aと、シ−トPを加熱する加熱手段604と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関する。
用紙などのシ−トに液体を付与した場合、液体が付与された部分が膨潤し、液体が付与されていない部分では膨潤が生じないことなどによってコックリング(波打ち)などと称される変形が生じる。
従来、例えば、連続紙を、所定の曲率の接触面を有する接触部材の接触面に接触させて搬送することによって、コックリングを抑制しながら液体の乾燥を促進する乾燥装置が知られている(特許文献1)。
また、2つの無端ベルトの間で用紙を挟み持って複数のロ−ラに巻きつけることでカ−ルを矯正するものも知られている(特許文献2)。
ところで、乾燥装置によって液体が付与されたシ−トを乾燥する場合、大きな加熱量で長い時間加熱することによってコックリングなどの変形を矯正することは可能であるが、乾燥時間が長くなるため生産効率が低下するという課題がある。
また、例えば前記特許文献1または2に記載の発明において、コックリングやカ−ルの矯正効果を高めるためには、記録媒体を湾曲変形させるときに張力を掛ける必要があり、記録媒体に対して搬送かつ張力を与えるためにはベルト挟持などを行う構成が必須となる。しかし、従来の液体組成物(例えばインク)を用いて画像形成を行うと、画像定着性に劣ることからベルトに対して液体組成物の転写が起きてしまうという問題点があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、効率的にシ−トの変形を矯正し、画像定着性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)液体組成物と、
前記液体組成物をシ−トに付与する付与手段と、
前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正装置と、
を有し、
前記液体組成物は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有し、
前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
(上記一般式(I)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数が2以上18以下のアルキレン基を表す。*は結合手を表す。)
本発明よれば、効率的にシ−トの変形を矯正し、画像定着性に優れた画像形成装置を提供することができる。
本発明に使用されるシ−ト矯正装置を備えた、第1実施形態に係る印刷装置の概略説明図である。 本発明の第1実施形態に係るシ−ト矯正装置の側面説明図である。 同じく押し当てロ−ラ部分の説明図である。 押し当てロ−ラ部分の斜視説明図である。 本発明の第2実施形態に係るシ−ト矯正装置の側面説明図である。 押し当て部材部分の説明図である。 本発明の第3実施形態に係るシ−ト矯正装置の押し当て部材部分の説明図である。 本発明の第4実施形態に係るシ−ト矯正装置の側面説明図である。 各実施形態におけるベルト対の異なる例の説明に供するベルト対の押し当て部材部分における斜視説明図である。 ベルト対のステアリングコントロ−ルの説明に供する斜視説明図である。 対向ロ−ラのユニット化の説明に供する押し当て部材近傍の説明図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに説明するが、本発明は下記の実施形態に制限されるものではない。
<液体組成物>
−特定の構造を有する共重合体−
本発明における液体組成物(以下、インクと言うことがある)は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有する。
(上記一般式(I)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数が2以上18以下のアルキレン基を表す。*は結合手を表す。)
本発明における前記共重合体は、下記一般式(a)と、例えば、アニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマ−、重合性の疎水性モノマ−、重合性界面活性剤等とを重合することで得られる。必要に応じてアニオン性以外の親水性官能基を有する重合性のモノマ−、例えばカチオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマ−またはノニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマ−を追加してもよい。
(上記一般式(a)中、R5は、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数が2以上18以下のアルキレン基を表す。)
アニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマ−としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、2−メタクイロイルオキシエチルアシッドホスホエ−ト、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスホエ−ト、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコ−ルメタクリレ−ト、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコ−ルメタクリレ−ト、アシッドホスホキシポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコ−ルメタクリレ−トなどの不飽和リン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸、或いはリン酸、ホスホン酸、アレンドロン酸又はエチドロン酸を含有した不飽和エチレンモノマ−等のアニオン性不飽和エチレンモノマ−などが挙げられる。
一般式(a)のモノマ−については、1−ビニルナフタレン、2−ビニルタフタレン、4−ビニルビフェニルのように従来公知のモノマ−を使用して合成することができる。
また、分子中にナフチル基またはビフェニル基を有する反応性化合物と重合性のモノマ−とを反応させることで、一般式(a)のモノマ−を得ることができる。
分子中にナフチル基またはビフェニル基を有する反応性化合物としては、例えば、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシエチルエステル、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシプロピルエステル、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシブチルエステル、ビフェニルカルボン酸ヒドロキシエチルエステルなどが挙げられる。これらの反応性化合物と反応性させるモノマ−としては、例えば、2−アクロイルオキシエチルイソシアネ−ト、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ−トなどが挙げられる。
本発明における共重合体が有するアニオン性の親水性官能基としては次のようなものが挙げられるが,これらに限定されるわけではない。また、これらのアニオン性の親水性官能基の中でも特にカルボキシル基が好ましい。
−COO、−SO 、−PO、−PO 2−、−CON2−、−SO2−、−NH−C−COO、−NH−C−SO 、−NH−C−PO、−NH−C−PO 2−、−NH−C−CON2−、−NH−C−SO2−
前記重合性の疎水性モノマ−としては、例えば、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマ−;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマ−、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性界面活性剤は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を分子内に少なくとも1つ以上有するアニオン性又は非イオン性の界面活性剤が挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基とアリル基(−CH−CH=CH)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基とメタクリル基〔−CO−C(CH)=CH〕とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基と1−プロペニル基(−CH=CHCH)とを有する芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、三洋化成社製のエレミノ−ルJS−20、及びRS−300、第一工業製薬社製のアクアロンKH−10、アクアロンKH−1025、アクアロンKH−05、アクアロンHS−10、アクアロンHS−1025、アクアロンBC−0515、アクアロンBC−10、アクアロンBC−1025、アクアロンBC−20、及びアクアロンBC−2020などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、1−プロペニル基(−CH=CHCH)とポリオキシエチレン基〔−(CO)n−H〕とを有する炭化水素化合物又は芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、第一工業製薬社製のアクアロンRN−20、アクアロンRN−2025、アクアロンRN−30、及びアクアロンRN−50、花王社製のラテムルPD−104、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、及びラテムルPD−450などが挙げられる。
前記重合性界面活性剤は、1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
前記ノニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマ−としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、が挙げられる。
また、前記カチオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマ−としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロ−ル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等が挙げられる。
前記共重合体の合成方法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等、公知の種々の合成方法を利用することができるが、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に用いられているものなら使用可能で、具体的には、パ−オキシケタ−ル、ハイドロパ−オキサイド、ジアルキルパ−オキサイド、ジアシルパ−オキサイド、パ−オキシジカ−ボネ−ト、パ−オキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレ−ト等が挙げられる。分子量の制御がしやすく、分解温度の低い有機過酸化物やアゾ系化合物が好ましく、特にアゾ系化合物がより好ましい。重合開始剤の使用量は、重合性単量体の総質量に対して、1〜10質量%が好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は、インクの保存安定性、画像濃度、光沢度、吐出信頼性がより向上するので、5,000以上40,000以下が好ましい。
本発明の共重合体は塩であることが好ましい。インク中において、共重合体を中和するのに添加した塩基は、カチオンとして存在する。
カチオンの添加量としては、インクの保存安定性がより向上するため、共重合体に含まれるアニオン性親水性官能基のモル数に対して1倍以上2倍以下が好ましい。
カチオンとしては、インクの保存安定性がより向上するため、有機アンモニウムイオンが好ましい。
インク中に含まれるカチオン量については、処方量から計算することもできるが、インクそのものを分析することによっても求める事もできる。
インク中に含まれるカチオンの定量は、カチオンが金属イオンであれば、ICP発光分光分析装置により行うことができる。ICP発光分光分析装置としては、例えばICPE−9000(島津製作所製)、Optima8000(PerkinElmer社製)等が挙げられる。
また、カチオンが有機アンモニウムであれば、GC/MS分析によりインク中のカチオン量を定量することができる。GC/MS分析装置としては、GCMS−QP2010 Ultra(島津製作所製)、Agilent7000C(アジレントテクノロジ−社製)等が挙げられる。
カチオンとしては、特に限定されないが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、有機アンモニウムイオン等が挙げられる。
有機アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムイオン、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムイオン、プロピルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオン、オクチルトリメチルアンモニウムイオン、ノニルトリメチルアンモニウムイオン、デシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、テトラデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオンジドデシルジメチルアンモニウムイオン、ジテトラデシルジメチルアンモニウムイオン、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、モノエチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、モノエタノ−ルアンモニウムイオン、ジエタノ−ルアンモニウムイオン、トリエタノ−ルアンモニウムイオン、メチルエタノ−ルアンモニウムイオン、メチルジエタノ−ルアンモニウムイオン、ジメチルエタノ−ルアンモニウムイオン、モノプロパノ−ルアンモニウムイオン、ジプロパノ−ルアンモニウムイオン、トリプロパノ−ルアンモニウムイオン、イソプロパノ−ルアンモニウムイオン、等が挙げられる。カチオンとしては、インクの保存安定性及び吐出信頼性が向上するため、有機アンモニウムイオンが好ましい。
本発明の共重合体は、ナフチル基が顔料への高い吸着性を示すことで、インク中及び画像中においても顔料と共重合体が吸着した状態にあることで、画像状態における高い定着性を示すと考えられる。そのため、本発明における用紙変形矯正装置を用いた場合でも、インクの高い定着性を得ることができる。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
−有機溶剤−
本発明のインクは、SP値が8.9〜12.0の有機溶剤(有機溶剤X)を少なくとも1種含有することが好ましい。これにより、記録媒体への濡れ性が向上し、塗工層を持つ吸インク性の悪いコ−ト紙などの商業印刷用紙にもインク成分が浸透し、ビ−ディングを抑制することが可能となる。
前記有機溶剤Xとしては水溶性のものが好ましく、特に下記一般式(X−1)で表されるアミド化合物又は一般式(X−5)で表されるオキセタン化合物が好ましい。
SP値が8.9以上の有機溶剤は、一般に水への溶解性が高く分離が発生しにくく、SP値が12.0以下の有機溶剤は、乾燥性やビ−ディングが良化する。
上記SP値はヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値であり、二成分系溶液の溶解度の目安となる。また、本発明におけるSP値は、Fedors法で算出した値である。正則溶液理論における凝集エネルギ−密度の平方根で示され、単位は(J/cm0.5である。一般に普及している簡易ソフトで算出できる。
下記一般式(X−1)で示されるアミド化合物の例としては、次の式(X−2)〜式(X−4)の化合物が挙げられる。
(上記式中、R3は炭素数4〜6のアルキル基を表す。)
また、下記一般式(X−5)で示されるオキセタン化合物の例としては、次の式(X−6)〜式(X−7)の化合物が挙げられる。
(上記式中、R4は炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
有機溶剤Xの含有量は、インク全体の10質量%以上が好ましく、更に好ましくは20〜60質量%である。含有量が20質量%以上であれば、商業印刷用紙上でのビ−ディングや色間のカラ−ブリ−ド抑制効果が十分得られる。また、含有量が60質量%以下であれば、インクの粘度上昇により吐出安定性が悪化するようなことはない。
更に、本発明では、有機溶剤として100℃の環境下で蒸気圧が50mmHg以上を示すグリコ−ルエ−テル化合物(化合物Z)を含有させることにより乾燥性が良好となり、商業印刷用紙上でも乾燥性を高くすることが可能となる上に、100℃の温風乾燥直後に画像部が搬送ロ−ラ−と接触しても画像が転写せず、高速生産性が確保される。
化合物Zとしては高純水に溶解するものが好ましい。その例としては、プロピレングリコ−ルモノプロピルエ−テル(bp150℃,蒸気圧107mmHg)、プロピレングリコ−ルモノエチルルエ−テル(bp133℃,蒸気圧252mmHg)、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル(bp120℃,蒸気圧360mmHg)、プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テル(bp170℃,蒸気圧59mmHg)、3−メトキシ−1−ブタノ−ル(bp161℃,蒸気圧76mmHg)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノ−ル(bp174℃,蒸気圧50mmHg)が挙げられる。
インク中の有機溶剤Xと化合物Zの含有量比(質量比)は、1:1〜8:1が好ましい。さらに3:1〜5:1とすることが好ましい。この比が1:1未満の場合、即ち、有機溶剤Xが化合物Zよりも少ない場合には、乾燥性が良くなりすぎてインクジェットヘッド内も乾燥してしまい吐出安定性に問題を生じることがある。また、比が8:1を超える場合には、有機溶剤Xが多すぎて、商業印刷用紙上での乾燥性が低下し生産性が低下する可能性がある。
また本発明では、前記以外の有機溶剤として、例えば、多価アルコ−ル類、多価アルコ−ルアルキルエ−テル類や多価アルコ−ルアリ−ルエ−テル類などのエ−テル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類等を使用することができる。
有機溶剤Xおよび化合物Zを含むインク中の有機溶剤の合計含有量は、インク全体の20〜60質量%とすることが好ましい。20質量%以上であれば、商業印刷用紙上でのビ−ディング抑制効果が減少することはない。また、60質量%以下であれば、インク粘度が著しく高くなって吐出安定性に問題が生じるようなことはない。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
−色材−
本発明のインクは、色材(着色剤)を含むことができる。
着色剤には、界面活性剤で顔料を分散した界面活性剤分散、樹脂で顔料を分散した樹脂分散、顔料の表面を樹脂で被覆した樹脂被覆分散及び顔料表面に親水基を設けた自己分散顔料などがあるが、水分散性着色剤が好ましい。
また、一般的な有機顔料、又は無機顔料の粒子を有機顔料若しくはカ−ボンブラックで被覆した複合顔料を用いることもできる。前記複合顔料は、無機顔料の粒子の存在下で有機顔料を析出させる方法や、無機顔料と有機顔料を機械的に混合摩砕するメカノケミカル法等により作製することができる。更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成されるオルガノシラン化合物の層を、無機顔料と有機顔料の中間に設けることにより両者の接着性を向上させることもできる。
前記無機顔料粒子と、被覆材である有機顔料若しくはカ−ボンブラックの質量比は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましい。被覆材が少ないと発色性や着色力が低下することがあり、被覆材が多くなると透明性や色調が悪くなることがある。
上記複合顔料としては、戸田工業社製のシリカ/カ−ボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンPB15:3複合材料、シリカ/ジスアゾイエロ−複合材料、シリカ/キナクリドンPR122複合材料などが、一次平均粒径が小さいので好適である。
ここで、20nmの一次粒子径を持つ無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、この顔料の一次粒子径は、25nm程度になる。これに適当な分散剤を用いて一次粒子まで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作製することができる。前記複合顔料は、表面の有機顔料が分散に寄与するだけでなく、厚み約2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる顔料分散剤の選択も重要である。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロ−、カドミウムレッド、クロムイエロ−、カ−ボンブラックなどが挙げられる。これらの中でもカ−ボンブラックが特に好ましく、例えばコンタクト法、ファ−ネス法、サ−マル法などの公知の方法によって製造されたチャンネルブラック、ファ−ネスブラック、ガスブラック、ランプブラックなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレ−ト、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などが好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレ−キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレ−トアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料などが挙げられる。前記染料キレ−トとしては、例えば、塩基性染料型キレ−ト、酸性染料型キレ−ト、などが挙げられる。
前記有機顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロ−1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、139、150、151、155、153、180、183、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パ−マネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカ−ミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ロ−ダミンレ−キ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブル−1、2、15(フタロシアニンブル−)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブル−)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリ−ン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
使用する顔料のBET比表面積は、好ましくは約10〜約1500m/g、より好ましくは約20〜約600m/g、更に好ましくは約50〜約300m/gである。 所望の比表面積のものの利用が容易ではない場合には、顔料を比較的小さい粒径にするため、一般的なサイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボ−ルミル粉砕、ジェットミル粉砕、超音波処理)を行えばよい。
前記水分散性着色剤の体積平均粒径(D50)は、インク中において10〜200nmが好ましい。
前記水分散性着色剤のインク中の含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%以上であれば、インクの発色性及び画像濃度が良くなり、15質量%以下であれば、インクが増粘して吐出性が悪くなることはなく、更に経済的にも好ましい。
なお、本発明では、色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用する必要がある。
顔料を分散してインクを得る方法としては、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカ−ボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルタ−、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
−界面活性剤−
本発明では、界面活性剤としてポリエ−テル変性シロキサン化合物を用いることが好ましい。これにより、本発明の効果が高まるとともに、ヘッドノズルプレ−ト撥インク層に濡れ難いインクとなり、インクのノズル付着による吐出不良を防ぎ、吐出安定性が向上する。また、特に問題になりやすいノズル撥インク層面にインクが付着し難く、吐出不良が生じ難いインクとなる。
中でも、下記一般式(S−1)〜一般式(S−17)で示されるものが好ましく、特に、水分散性着色剤の種類や有機溶剤の組合せによって分散安定性を損なわず、動的表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
(上記式中、R14は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは0〜23の整数、nは1〜10の整数、aは1〜23の整数、bは0〜23の整数を表す。)
上記一般式(S−1)で示される化合物の例としては、次の式(S−2)〜式(S−9)の化合物が挙げられる。
(上記式中、R15及びR16は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは1〜8の整数、c及びdは1〜10の整数を表す。)
上記一般式(S−10)で示される化合物の例としては、次の式(S−11)の化合物が挙げられる。
(上記式中、R17は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、eは1〜8の整数を表す。)
上記一般式(S−12)で示される化合物の例としては、次の式(S−13)の化合物が挙げられる。
(上記式中、R18は、下記一般式(A)のポリエ−テル基を表し、fは1〜8の整数を表す。〕
(上記式中、R19は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、gは0〜23の整数、hは0〜23の整数を表す。但し、g及びhが同時に0の場合を除く。)
上記一般式(S−14)で示される化合物の例としては、次の式(S−15)〜式(S−17)の化合物が挙げられる。
更に、上記化合物と同等の効果を示す市販品のポリエ−テル変性シロキサン化合物界面活性剤としては、TORAY ダウ・コ−ニング社製の、71ADDITIVE,74ADDITIVE,57ADDITIVE,8029ADDITIVE,8054ADDITIVE,8211ADDITIVE,8019ADDITIVE,8526ADDITIVE,FZ−2123,FZ−2191、モメンティブ・パフォ−マンス・マテリアルズ社製の、TSF4440,TSF4441,TSF4445,TSF4446,TSF4450,TSF4452,TSF4460、日信化学工業社製の、シルフェイスSAG002,シルフェイスSAG003,シルフェイスSAG005,シルフェイスSAG503A,シルフェイスSAG008,シルフェイスSJM003、エボニック社製の、TEGO_Wet_KL245,TEGO_Wet_250,TEGO_Wet_260,TEGO_Wet_265,TEGO_Wet_270,TEGO_Wet_280、ビックケミ−・ジャパン社製の、BYK−345,BYK−347,BYK−348,BYK−375,BYK−377等が挙げられる。
また、必要に応じて、上記ポリエ−テル変性シロキサン化合物の界面活性剤と、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコ−ル又はアセチレンアルコ−ル系界面活性剤を併用しても良い。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パ−フルオロアルキルリン酸エステル化合物、パ−フルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパ−フルオロアルキルエ−テル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエ−テルポリマ−化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パ−フルオロアルキルエ−テル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエ−テルポリマ−化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サ−フロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラ−ドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリ−エム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニ−ル(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプスト−ンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤のインク中の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。0.001質量%以上であれば、界面活性剤の添加効果が得られる。しかし、5質量を超えると添加効果が飽和するため増量しても意味がない。
−その他の成分−
本発明のインクには、前記成分の他に、必要に応じて、公知の種々の添加剤を加えても良い。その例としては、浸透剤、抑泡剤(消泡剤)、水分散性樹脂、pH調整剤、防腐防黴剤、キレ−ト試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。
−浸透剤−
浸透剤としては、炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオ−ル化合物又はグリコ−ルエ−テル化合物を少なくとも1種が好ましい。ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。これらの浸透剤の中でも、下記一般式(2)で表される1,3−ジオ−ル化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−ル[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
(上記式中、R20はメチル基又はエチル基、R21は水素又はメチル基、R22はメチル基又はプロピル基を表す。)
その他の非湿潤剤性ポリオ−ル化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオ−ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオ−ル、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオ−ル、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオ−ル、5−ヘキセン−1,2−ジオ−ルなどの脂肪族ジオ−ルが挙げられる。
浸透剤のインク中の含有量は、0.5〜4質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。0.5質量%以上であれば、インクの浸透性効果が得られ、画像品質が向上する。また、4質量%以下であれば、インクに十分に溶解するので、分離したりインク初期粘度が高くなる等の不具合は生じない。
−抑泡剤−
抑泡剤は、インクに微量添加することによって、その発泡を抑えるために用いられる。ここで、発泡とは液体が薄い膜になって空気を包むことである。この泡の生成にはインクの表面張力や粘度等の特性が関与する。即ち、水のように表面張力が高い液体は、液体の表面積をできるだけ小さくしようとする力が働くため発泡し難い。これに対し、高粘度で高浸透性のインクは、表面張力が低いために発泡し易く、溶液の粘性により生成した泡が維持されやすく消泡し難い。
通常、抑泡剤は、泡膜の表面張力を局部的に低下させて泡を破壊するか、発泡液に不溶な抑泡剤を発泡液表面に点在させることにより泡を破壊する。インクに界面活性剤として表面張力を低下させる働きの極めて強いポリエ−テル変性シロキサン化合物の界面活性剤を用いた場合には、前者の機構による抑泡剤を用いても泡膜の表面張力を局部的に低下させることができない。そこで、後者の発泡液に不溶な抑泡剤を用いるが、この場合、溶液に不溶な抑泡剤によりインクの安定性が低下する。
これに対し、下記一般式(3)の抑泡剤は、表面張力を低下させる働きがポリエ−テル変性シロキサン化合物の界面活性剤ほど強くないものの、該界面活性剤に対する相溶性が高い。このため、抑泡剤が効率的に泡膜に取り込まれ、前記界面活性剤と抑泡剤との表面張力の違いにより泡膜の表面が局部的に不均衡な状態となり、泡が破壊すると考えられる。
(上記式中、R23及びR24は、それぞれ独立に炭素原子3〜6個を有するアルキル基、R25及びR26は、それぞれ独立に炭素原子1〜2個を有するアルキル基、nは1〜6の整数を表す。)
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい例としては、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオ−ル、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオ−ルが挙げられる。抑泡効果とインクへの相溶性が高いことから、2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオ−ルが特に好ましい。
抑泡剤のインク中の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。前記含有量が0.01質量%であれば、泡抑効果が得られ、10質量%以下であれば、抑泡効果が頭打ちになったり、粘度、粒径等のインク物性に悪影響が出るようなことはない。
−水分散性樹脂−
水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であり、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ−テル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコ−ン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロ−ス類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にアクリル−シリコ−ン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。また、前記水分散性樹脂を2種類以上併用してもよい。
水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基を持つ樹脂により分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマ−や不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。
不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレ−ト剤、及びpH調整剤などを添加した水中で反応させて樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を替えやすく、目的の性質を作りやすい。
水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散性着色剤との混和性の点から、6〜11がより好ましく、7〜10が更に好ましい。
水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないため平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
また、水分散性樹脂は、水分散性着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して着色剤の定着性を向上させる機能を有する。そのため、水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。また、水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると、樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度は−30℃以上であることが好ましい。
水分散性樹脂のインク中の含有量は、固形分で、0.5〜10質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましい。
−pH調整剤−
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、アルコ−ルアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7〜11の範囲を外れると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコ−ルアミン類としては、例えば、ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオ−ル等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、例えば、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
−防腐防黴剤−
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオ−ル−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノ−ルナトリウム、等が挙げられる。
−キレ−ト試薬−
キレ−ト試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
−防錆剤−
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコ−ル酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリト−ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
−酸化防止剤−
酸化防止剤としては、例えば、フェノ−ル系酸化防止剤(ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤、サリチレ−ト系紫外線吸収剤、シアノアクリレ−ト系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
−インクの製造−
本発明のインクは、前記共重合体と、その他の成分とを水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザ−、ボ−ルミル、ペイントシェイカ−、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスタ−ラ−、高速の分散機等で行うことができる。
−インク物性−
本発明のインクは、本発明の効果が良好に発現するという観点から、また、記録媒体に対する濡れ性および浸透性を適切とし、画像品質を担保しつつ、浸透を早めることで定着性を向上し、ベルトへの転写を抑えるという観点から、25℃の条件下において、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たすことが好ましい。また、上記と同様の観点から、前記動的表面張力Aは34.0mN/m以下であることが好ましい。さらに、前記静的表面張力Bは20.0mN/m以上30.0mN/m以下であることが好ましい。
前記動的表面張力Aおよび前記前記静的表面張力Bは、インク中の界面活性剤の種類や含有量を適宜変更することにより調整することができる。
前記動的表面張力Aは、例えば、SITA DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定することができる。
前記インクの静的表面張力Bは、例えば、自動表面張力計(DY−300、協和界面科学株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
また、インクの25℃での粘度は5〜25mPa・sが好ましく、6〜20mPa・sがより好ましい。5mPa・s以上であれば印字濃度や文字品位の向上効果が得られる。また25mPa・s以下であれば、インク吐出性を確保することができる。
上記粘度は、例えば粘度計(RE−550L、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
本発明の画像形成装置は、前記液体組成物(インク)と、前記液体組成物をシ−トに付与する付与手段と、前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正装置と、を有し、前記液体組成物は、前記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有し、前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、液体組成物(インク)をシ−トに付与する付与工程と、シ−ト矯正装置を用いて前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正工程と、を有し、前記液体組成物は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有し、前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする。
インクをシ−トに付与する付与手段および付与工程は、例えば公知のインクジェット方式を採用することができる。インクジェットヘッドとしては、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサ−マル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)等が挙げられ、本発明のインクは、いずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタに良好に使用できる。
また、本発明のインクは、インクカ−トリッジ等の容器中に収容して使用してもよい。
<前処理液>
本発明では、例えば公知のインクジェット方式やコ−ト法により前処理液を記録媒体に塗布し、前記前処理液を塗布した記録媒体にインクを付与して画像を形成することができる。
前処理液は凝集剤として金属塩、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤はインクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の前処理液に用いられる材料を使用できる。
<金属塩>
金属塩としては、2価以上の特定の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンから構成され得る。金属塩は、カルシウム塩、マグネシウム塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、ホウ素塩、亜鉛塩等から選択できるが、カルシウム塩、マグネシウム塩が好ましく、マグネシウム塩が特に好ましい。なお、金属塩は、必要に応じて2種以上を組み合わせることもできる。
<無機金属塩>
無機金属塩の具体例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<有機酸金属塩>
有機酸金属塩の具体例としては、パントテン酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、酢酸、及び乳酸のカルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前処理液における金属塩の濃度としては、前処理液全量に対して、例えば0.01〜0.1モル/kgであり、0.05〜0.5モル/kgが好ましい。
<記録媒体>
本発明のインクを用いて記録を行うことが可能な記録媒体には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシ−ト、汎用印刷用紙などが挙げられる。しかし、本発明のインクは、商業印刷用紙に対しても他の用紙と同様に良好な記録が可能である点で、非常に優れたものである。
ここでいう商業印刷用紙とは、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する印刷用紙のことであり、例えば、塗工層材料として炭酸カルシウムやカオリン等のフィラ−を用いた印刷用紙が挙げられる。また、商業印刷用紙の一例である印刷コ−ト紙は、塗工層がクレ−(カオリン)や炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンなどの接着剤(バインダ−)で作られている。
本発明のインクを用いて形成された画像を有する記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像が記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
記録媒体の中でも、画像品質(画像濃度、彩度、ビ−ディング、カラ−ブリ−ド)に優れ、かつ光沢性が高く、更にスミア定着性にも優れた画像が記録できる点から、吸液特性が一定範囲内の記録媒体が好適である。具体的には、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する商業印刷用紙が挙げられ、前記塗工層を有する面の、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記印刷用紙への転移量が2〜35mL/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の前記印刷用紙への転移量が3〜40mL/mである印刷用紙が好ましい。これよりも純水の転移量が少なすぎると、ビ−ディング(隣り合ったドットが引き付けあったりして画像にブツブツ感が出るような現象)及びカラ−ブリ−ド(色間の滲み)が発生し易くなることがあり、純水の転移量が多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりベタ画像が埋まらないことがある。
純水の転移量は、動的走査吸液計(K350シリ−ズD型、協和精工社製)を用いて測定することができる。接触時間100msにおける転移量は、それぞれ接触時間の近隣接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
吸液特性が前記一定範囲内にある印刷用紙の市販品としては、例えば、PODグロスコ−ト、OKトップコ−ト+、OK金藤+、SA金藤+(王子製紙社製)、ス−パ−MIダル、オ−ロラコ−ト、スペ−スDX(日本製紙社製)、αマット、ミュ−コ−ト(北越製紙社製)、雷鳥ア−ト、雷鳥ス−パ−ア−ト(中越パルプ工業社製)、パ−ルコ−トN(三菱製紙社製)などが挙げられる。
次に、本発明に使用されるシ−ト矯正装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に使用されるシ−ト矯正装置を備えた、第1実施形態に係る印刷装置の概要について図1を参照して説明する。図1は同装置の概略説明図である。
印刷装置1は、搬入部100と、印刷部200と、乾燥部300と、本発明に係るシ−ト矯正装置で構成したシ−ト矯正部600と、搬出部400とを備えている。印刷装置1は、搬入部100から搬入されるシ−トPに対し、印刷部200で液体(インク)を付与して所要の印刷を行い、乾燥部300でシ−トPに付着した液体を乾燥させた後、シ−ト矯正部600でシ−トPに生じたコックリングなどの波打ち変形を矯正して、シ−トPを搬出部400に排出する。
搬入部100は、複数枚のシ−トPが積載される搬入トレイ110と、搬入トレイ110からシ−トPを1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、シ−トPを印刷部200へ送り込むレジストロ−ラ対130とを備えている。
給送装置120には、ロ−ラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により搬入トレイ110から送り出されたシ−トPは、その先端がレジストロ−ラ対130に到達した後、レジストロ−ラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、印刷部200へ送り出される。
印刷部200は、シ−トPを外周面に担持して搬送する担持ドラム210と、担持トラム210に担持されたシ−トPに向けて液体(インク)を吐出してシ−トPにインクを付与する手段である液体吐出部220を備えている。また、印刷部200は、送り込まれたシ−トPを受け取って担持ドラム210へ渡す渡し胴201と、担持ドラム210によって搬送されたシ−トPを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202を備えている。
搬入部100から印刷部200へ搬送されてきたシ−トPは、渡し胴201の表面に設けられたシ−トグリッパによって先端が把持され、渡し胴201の回転に伴って搬送される。渡し胴201により搬送されたシ−トPは、担持ドラム210との対向位置で担持ドラム210へ受け渡される。
担持ドラム210の表面にもシ−トグリッパが設けられており、シ−トPの先端がシ−トグリッパによって把持される。担持ドラム210の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されており、各吸引孔には吸引装置211によって担持ドラム210の内側に向かう吸い込み気流が発生する。
そして、渡し胴201から担持ドラム210へ受け流されたシ−トPは、シ−トグリッパによって先端が把持されるとともに、吸い込み気流によって担持ドラム210の表面に吸着され、担持210の回転に伴って搬送される。
液体吐出部220はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ−)、K(ブラック)の4色の液体(インク)を吐出して、画像を印刷するものであり、液体の色ごとに個別の液体を付与する手段である液体吐出ヘッド220C、220M、220Y、220Kを備えている。なお、必要に応じて、白色、金色、銀色などの特殊な液体を吐出する液体吐出ヘッド、表面コ−ト液などの処理液を吐出する液体吐出ヘッドを設けることもできる。
液体吐出部220の液体吐出ヘッド220C、220M、220Y、220Kは、印刷情報に応じた駆動信号により、それぞれ吐出動作が制御される。担持ドラム210に担持されたシ−トPが液体吐出部220との対向領域を通過するときに液体吐出ヘッド220C、220M、220Y、220Kから各色の液体が吐出され、当該印刷情報に応じた画像が印刷される。
乾燥部300は、乾燥装置であり、印刷部200から搬送されてくるシ−トPを吸着して搬送する吸引搬送ベルト301と、吸引搬送ベルト301で搬送されるシ−トPに対して液体を乾燥させるための温風を吹きつける温風吹きつけ手段302などとを備えている。吸引搬送ベルト301は、例えば駆動ロ−ラ303と従動ロ−ラ304との間に掛け回され、駆動ロ−ラ303を駆動することで周回移動する。
印刷部200から搬送されてきたシ−トPは、吸引搬送ベルト301に受け取られた後、温風吹きつけ手段302を通過するように搬送され、シ−ト矯正部600に受け渡され、シ−ト矯正部600から搬出部400へ受け渡される。
温風吹き付け手段302を通過するとき、シ−トPの液体には乾燥処理が施される。これにより液体中の水分などの液分が蒸発し、シ−トP上に液体中に含まれる着色剤が定着する。
シ−ト矯正部600を乾燥後のシ−トPが通過することで、シ−トPのコックリングなどの変形が矯正される。
搬出部400は、複数のシ−トPが積載される排出トレイ410を備えている。シ−ト矯正部600から搬送されてくるシ−トPは、排出トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。
なお、印刷装置1には、例えば、シ−トPに対して前処理を行う前処理部を印刷部200の上流側に配置したり、液体が付着したシ−トPに対して後処理を行う後処理部をシ−ト矯正部600と搬出部400との間に配置したりすることもできる。
前処理部としては、例えば、液体と反応して滲みを抑制するための処理液をシ−トPに塗布する先塗り処理を行うものが挙げられる。また、後処理部としては、例えば、印刷部200で印刷されたシ−トを反転させて再び印刷部200へ送ってシ−トPの両面に印刷するためのシ−ト反転搬送処理や、複数枚のシ−トを綴じる処理などを行うものが挙げられる。
また「印刷装置」には、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出・噴射する機能部品である。液体を吐出するエネルギ−発生源として、圧電アクチュエ−タ−(積層型圧電素子または、薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサ−マルアクチュエ−タ−、振動板と対向電極からなる静電アクチュエ−タ−などの吐出エネルギ−発生手段を使用することができるが、使用する吐出エネルギ−発生手段が限定されるものではない。
次に、本発明の第1実施形態におけるシ−ト矯正部を構成している本発明に係るシ−ト矯正装置について図2及び図3を参照して説明する。図2は同シ−ト矯正装置の側面説明図、図3は押し当てロ−ラ部分の説明図である。
シ−ト矯正装置601は、シ−トPを挟んで搬送する無端状の上ベルト611と下ベルト612で構成されるベルト対602を備えている。
上ベルト611は、搬送ロ−ラ621A、ステアリングコントロ−ルロ−ラ622A、従動ロ−ラ624A、625Aに掛け回され、テンションロ−ラ623Aによってテンションが与えられている。
下ベルト612は、搬送ロ−ラ621B、ステアリングコントロ−ルロ−ラ622B、従動ロ−ラ624B、625Bに掛け回され、テンションロ−ラ623Bによってテンションが与えられている。
これらの上ベルト611と下ベルト612は、搬送ロ−ラ621A、621Bが回転駆動されることによって矢印方向に周回移動し、シ−トPを挟み持ってシ−トPを搬送方向(矢印Y方向、以下「搬送方向Y」という)に搬送する。
ここで、テンションロ−ラ623A、623Bは、ベルト対602のシ−トPを挟み持つベルト面が搬送方向Yの上流側と下流側とに引っ張られる方向に作用する張力を、ベルト対602の各ベルト611、612にそれぞれ付与するテンション付与手段となる。
そして、上ベルト611と下ベルト612の各ベルト面が対向(対面)する領域内において、ベルト対602の一部を湾曲形状に変形(湾曲変形)させる複数(ここでは、3個)の押し当て部材である曲面部材としての押し当てロ−ラ603(603A、603B)が配置されている。
押し当てロ−ラ603は、発熱手段としてのヒ−タ604を内臓しており、ベルト対602を介して押し当てロ−ラ603に押し付けられて湾曲変形しているシ−トPの領域を加熱する加熱手段を兼ねている加熱ロ−ラである。
なお、「押し当て」は、ベルト対602側を押し当てロ−ラ603に押し付ける構成、ベルト対602に押し当てロ−ラ603を押し付ける構成、ベルト対602と押し当てロ−ラ603とを双方から押し付ける構成のいずれかであってもよい。
ここでは上ベルト611と下ベルト612の各ベルト面が対向(対面)する領域内において、押し当てロ−ラ603Aと押し当てロ−ラ603Bとを交互に配置している。
押し当てロ−ラ603Aは、曲面603a(図3参照)がベルト対602の下ベルト612側に押し付けられることで、ベルト対602を上方に凸形状になる方向に湾曲変形させる。押し当てロ−ラ603Bは、曲面603aがベルト対602の上ベルト611側に押し付けられることで、ベルト対602を下方に凸形状となる方向に湾曲変形させる。
つまり、シ−トPの搬送方向において、シ−トPの一面側が凸形状になる方向に湾曲変形させる押し当てロ−ラ603Aと、シ−トPの地面側が凸形状になる方向に湾曲変形させる押し当てロ−ラ603Bとが交互に配置されている。なお、押し当てロ−ラ603Bを最上流側にして押し当てロ−ラ603Aと押し当てロ−ラ603Bとを交互に配置することもできる。
また、複数の押し当てロ−ラ603は、隣り合う押し当てロ−ラ603、603の間でベルト対602が湾曲しない状態になる間隔で配置されている。これにより、いったん湾曲したベルト対602の応力を解放することができ、次段の押し当てロ−ラ603に対する密着性を向上することができる。
押し当てロ−ラ603には、それぞれベルト対602を挟んで対向する対向部材としての対向ロ−ラ606、607が配置されている。対向ロ−ラ606は、ベルト対602が押し当てロ−ラ603の周面603aに接触を開始する押し付け開始位置(巻きつけ開始位置)を決めている。対向ロ−ラ607は、ベルト対602が押し当てロ−ラ603の周面603aから離間する押し付け終了位置(巻きつけ終了位置)を決めている。
これらの対向ロ−ラ606、607は押し当てロ−ラ603の周面に対して進退可能(移動可能)に配置されている。これにより、シ−トPの厚み(種類)、液体付与量などに応じて、ベルト対602の押し当てロ−ラ603の周面への巻きつけ角θを変化させることができる。
次に、本実施形態の作用についても図4も参照して説明する。図4は押し当てロ−ラ部分の斜視説明図であり、ベルト対は透過状態で示している。
図4に示すように、シ−トPにコックリング(波打ち)Cが残った状態であるとき、シ−トPを押し付けロ−ラ603の周面603aなどの湾曲面に張力をかけながら巻きつけると、巻きついている間は、波打ちが消える。これは、液体が付与されて膨潤している部分と液体が付与されていない部分のシ−トPの長さを強制的に同じ長さにできるためである。
しかしながら、湾曲面に張力をかけながら巻きつけただけでは、張力がなくなると波打ちが元に戻り矯正されない。
そこで、シ−トPを加熱手段で加熱してシ−トPの水分を飛ばしながらしごくことで、液体が付与された部分と液体が付与されていない部分の長さを同じにでき、シ−トPのコックリングなどの波打ち変形を矯正することができる。
つまり、図3に示すように、シ−トPを2つの上ベルト611と下ベルト612との間に挟み持ち、この状態で、ベルト対602を加熱ロ−ラである押し当てロ−ラ603の周面603aに押し付けることで、ベルト対602はシ−トPを挟持したまま湾曲状に変形される。
このとき、上ベルト611及び下ベルト612には、テンションロ−ラ623A、623Bによって、加熱ロ−ラである押し付けロ−ラ603の周面603a(湾曲面)に押し付けられる方向(図3で矢印B方向)に力が加わるように張力が付与されている。
そして、上ベルト611と下ベルト612に挟まれたシ−トPには、上ベルト611及び下ベルト612とシ−トPとの間の摩擦力によって矢印B方向に張力がかかっている状態で、加熱ロ−ラである押し付けロ−ラ603の周面603a(湾曲面)に押し付けられる。
これにより、シ−トPは押し付けロ−ラ603によって加熱され、押し付けロ−ラ603の周面603aに倣うことによって、液体が付与された部分と、液体が付与されていない部分の長さが同じになってシ−トPのコックリングなどの波打ち変形が矯正される。
このように、シ−トPを加熱した状態で、シ−トPに張力を付与しながら押し当て部材(本実施形態では押し当てロ−ラ)に押し付けて湾曲変形させることで、効率的にシ−トの変形を矯正することができる。
そして、本実施形態では、図2に示すように、上ベルト611と下ベルト612が対向する領域内において、複数の加熱ロ−ラである押し当てロ−ラ603(603A、603B)を配置している。
つまり、前述したように、シ−トPを加熱手段で加熱してシ−トP内の水分を飛ばしながらしごくことで、液体が付与された部分と液体が付与されていない部分の長さを同じにでき、シ−トPのコックリングなどの波打ち変形を矯正することができる。
この場合、1つの曲面部材(押し当てロ−ラ)の周面に大きな巻きつけ角度で巻きつけるよりも、複数の曲面部材(押し当てロ−ラ)に小さな巻きつけ角で複数回巻きつけるほうが、矯正効果は大きくなる。
例えば、φ80のロ−ラにシ−トPを1回で90度の巻きつけ角θで巻きつけた場合よりも、30度の巻きつけ角θによる巻き付けを3回行った場合のほうが、シ−トPの変形に対する矯正効果が大きくなる。
そして、本実施形態では、ベルト対602を上方に凸形状となるように湾曲させる押し当てロ−ラ603Aと、ベルト対602を下方に凸形状となるように湾曲させる押し当てロ−ラ603Bとを交互に配置している。
これによって、シ−トPは上下方向に交互に凸形状となるように両面が押し当てロ−ラ603に押し付けられているので、カ−ルの発生を抑制しながら、より確実にシ−トの変形を矯正することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るシ−ト矯正装置について図5及び図6を参照して説明する。図5は同シ−ト矯正装置の側面説明図、図6は同じく押し当て部材部分の説明図である。
本実施形態では、押し当て部材として、湾曲面633aを有する曲面部材633(633A、633B)を配置している。曲面部材633は、発熱手段としてのヒ−タ部634を有しており、シ−トPを加熱する加熱手段を兼ねている。
本実施形態においても、上ベルト611と下ベルト612の各ベルト面が対向(対面)する領域内において、曲面部材633Aと曲面部材633Bとを交互に配置している。
曲面部材633Aは、湾曲面633aがベルト対602の下ベルト612側に押し付けられることで、ベルト対602を上方に凸形状になる方向に湾曲変形させる。曲面部材633Bは、湾曲面633aがベルト対602の上ベルト611側に押し付けられることで、ベルト対602を下方に凸形状となる方向に湾曲変形させる。
つまり、シ−トPの搬送方向において、シ−トPの一面側が凸形状になる方向に湾曲変形させる曲面部材633Aと、シ−トPの地面側が凸形状になる方向に湾曲変形させる曲面部材633Bとが交互に配置されている。なお、曲面部材633Bを最上流側にして曲面部材633Aと曲面部材633Bとを交互に配置することもできる。
また、複数の曲面部材633は、隣り合う曲面部材633、633の間でベルト対602が湾曲しない状態になる間隔で配置されている。これにより、一旦湾曲したベルト対602の応力を解放することができ、次段の曲面部材633に対する密着性を向上することができる。
また、前記第1実施形態と同様の対向ロ−ラ606、607を曲面部材633に対向して移動可能に配置している。
本実施形態の構成においても、図6に示すように、上ベルト611と下ベルト612に挟まれたシ−トPとの間の摩擦力によって矢印B方向に張力が掛かっている状態で、加熱手段を兼ねる曲面部材633の湾曲面633aに押し付けられる。
これにより、シ−トPは曲面部材633によって加熱され、曲面部材633の湾曲面633aに倣うことによって、液体が付与された部分と液体が付与されていない部分の長さが同じになってシ−トPのコックリングなどの波打ち変形が矯正される。
次に、本発明の第3実施形態に係るシ−ト矯正装置について図7を参照して説明する。図7は同シ−ト矯正装置の押し当て部分部材の説明図である。
本実施形態では、押し当て部材643は、シ−トPの搬送方向に並べて配置された複数本の接触部材646で構成されている。
そして、複数本の接触部材646は、基台645上に保持されている。複数本の接触部材646の基台645からの高さは、搬送方向Yにおいて、中央部側の接触部材646の先端部646aが両側の接触部材646の先端部646aよりも突出している。
ここでは、5本接触部材646を配置しているので、搬送方向Yの中央位置の接触部材646を起点として、上流側に行くにしたがって、接触部材646の高さが低くなり、下流側にいくにしたがって接触部材646の高さが低くなるようにしている。
また、押し当て部材643は、例えば基台645側に発熱手段644としてのヒ−タを備え、あるいは、接触部材646内にヒ−タを内蔵し、シ−トPを加熱する加熱手段を兼ねている。
本実施形態においても、図7に示すように、上ベルト611と下ベルト612に挟まれたシ−トPには、上ベルト611及び下ベルト612とシ−トPとの間の摩擦力によって矢印B方向に張力がかかっている状態で、加熱手段を兼ねる押し当て部材643の全体として湾曲形状を形成している複数本の接触部材646に押し付けられる。
これによって、シ−トPは押し当て部材643によって加熱され、複数本の接触部材646で構成される湾曲形状に倣うことによって、液体が付与された部分と液体が付与されていない部分の長さが同じになってシ−トPのコックリングなどの波打ち変形が矯正される。
そして、この押し当て部材643を、前記第1、第2実施形態と同様に、搬送方向Yに沿って、複数並べて配置することで、より矯正効果を高めることができる。
なお、接触部材646に先端部646aには例えば回転部材を回転可能に設けることができ、これにより、各接触部材646のベルト対602との間の摩擦抵抗を減らし、ベルト対602を湾曲させた状態で滑らかに移動することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るシ−ト矯正装置について図8を参照して説明する。図8は同シ−ト矯正装置の側面説明図である。
本実施形態では、前記第1実施形態の従動ロ−ラ624A、624Bに代えて、加熱ロ−ラ654A、654Bを配置し、上ベルト611と下ベルト612とでシ−トPを挟む箇所よりも搬送方向上流側でシ−トPを加熱する。
そして、押し当て部材としては、加熱手段を備えていない押し当てロ−ラ653(653A、653B)を配置している。
このように構成することで、加熱ロ−ラ654A、654Bによって上ベルト611と下ベルト612がそれぞれ加熱され、上ベルト611と下ベルト612とは加熱された状態でシ−トPを挟み持つ。これにより、シ−トPは上ベルト611と下ベルト612によって加熱された状態になってベルト対602を介して押し当てロ−ラ603に押し付けられる。
つまり、シ−トPを押し当てロ−ラ653に押し付けて矯正を行うとき、シ−トPの高温状態が維持されていれば、押し当てロ−ラ653でベルト対602を湾曲変形させている部分を直接加熱する必要はない。そこで、本実施形態では、上ベルト611と下ベルト612とでシ−トPを挟む箇所よりも搬送方向上流側でベルト対602を加熱して、加熱したベルト対602でシ−トPを加熱する構成をしている。
これによって、押し当て部材(矯正部)を増やしても、加熱手段は増やさずに矯正機能を高めることができる。また、厚紙対応時に加熱手段(例えばヒ−タ)のケ−ブルを一緒に動かす必要がなくなる。
次に、各実施形態におけるベルト対602を構成する上ベルト611、下ベルト612は、シ−トPの全面を被覆することができる全面ベルトである。図9(b)に示すベルト対602を構成する上ベルト611、下ベルト612は、メッシュベルトである。図9(c)に示すベルト対602を構成する上ベルト611、下ベルト612は、搬送方向と直行する方向において複数に分割された分割ベルトである。
ベルト対602を構成する上ベルト611、下ベルト612としては、図9(a)〜(C)のいずれのベルトでもよいが、シ−トPに生じる波打ちの位置などは不定であることから、効率的に湾曲部に巻きつけるためには、図9(a)の全面ベルトが好ましい。
次に、ベルト対602のステアリングコントロ−ルについて図10を参照して説明する。図10は同説明に供する斜視説明図である。
ステアリングコントロ−ラ622はブラケット628に回転可能に保持されている。ブラケット628はステアリングコントロ−ルロ−ラ622の軸方向の中央部(端部でもよい)を回転軸629にて回転可能に保持されている。
そして、ベルト対602の位置を検出してステアリングコントロ−ルロ−ラ622の角度を変えることによって、ベルト対602の搬送方向を変更する。
次に、各実施形態における対向ロ−ラのユニット化について図11を参照して説明する。図11は押し当て部材近傍の説明図である。
押し当て部材である押し当てロ−ラ603(或いは曲面部材633)に対向する対向ロ−ラ606、607は、例えば、ホルダ部材608に回転可能に保持して対向ロ−ラユニット609としている。
このように、複数の対向部材をユニット化することで、対向ロ−ラ606、607を押し当てロ−ラ603(或いは曲面部材633)に対して進退可能とするとき、進退機構の構成が簡単になる。
なお、上記各実施形態においては、シ−ト矯正装置は、シ−トを水平方向(横方向)に搬送する例で説明しているが、縦方向に搬送する構成としたり、斜めに搬送する構成としたりすることもできる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コ−ティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。成形加工品は、例えば、シ−ト状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメ−タ−や操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお例中、「部」および「%」とあるのは特記しない限り質量基準である。
(調製例)
<共重合体R−1の合成>
[モノマ−の合成]
62.0g(525mmol)の1,6−ヘキサンジオ−ル(東京化成社製)を700mLの塩化メチレン中に溶解させた後、20.7g(262mmol)のピリジンを加えた。次に、50.0g(262mmol)の2−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成社製)を100mLの塩化メチレンに溶解させた溶液を、攪拌しながら2時間で滴下した後、室温で6時間攪拌した。さらに、水洗した後、有機相を単離した。次に、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。さらに、溶離液として、塩化メチレン/メタノ−ル(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−により精製し、52.5gの2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを得た。
42.1g(155mmol)の2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを80mLの乾燥メチルエチルケトン中に溶解させた後、60℃まで昇温した。次に、24.0g(155mmol)のカレンズMOI(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ−ト)(昭和電工社製)を20mLの乾燥メチルエチルケトン中に溶解させた溶液を、攪拌しながら1時間で滴下した後、70℃で12時間攪拌した。さらに、室温まで冷却した後、溶媒を留去した。次に、溶離液として、塩化メチレン/メタノ−ル(体積比99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−により精製し、57.0gの下記の化学式(1)で表される[モノマ−M−1]を得た。
[共重合体R−1の合成]
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマ−M−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマ−溶液を調製した。モノマ−溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマ−溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−1](重量平均分子量(Mw):30,000)を得た。
得られた[共重合体R−1]を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−1]の10質量%水溶液を調製した。
<顔料分散体の調製>
(調製例1)
[ブラック顔料分散体PD−1の調製]
40.0部の共重合体R−1の10質量%水溶液に、16.0部のカ−ボンブラック(NIPEX160、degussa社製及び44.0部のイオン交換水を加えて12時間攪拌した。次に、ディスクタイプのビ−ズミルKDL型(シンマルエンタ−プライゼス社製)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散させた。このとき、メディアとして、直径が0.3mmのジルコニアボ−ルを使用した。さらに、孔径が1.2μmのメンブレンフィルタ−でろ過した後、顔料の濃度が16質量%になるようにイオン交換水を加えて、ブラック顔料分散体PD−1を得た。
(調製例2)
[シアン顔料分散体PD−2の調製]
カ−ボンブラックの代わりにピグメントブル−15:3(大日精化社製、クロモファインブル−)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のシアン顔料分散体PD−2を得た。
(調製例3)
[マゼンタ顔料分散体PD−3の調製]
カ−ボンブラックの代わりにピグメントレッド122(クラリアント社製、トナ−マゼンタEO02)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のマゼンタ顔料分散体PD−3を得た。
(調製例4)
[イエロ−顔料分散体PD−4の調製]
カ−ボンブラックの代わりにピグメントイエロ−74(大日精化社製、ファ−ストイエロ−531)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料の濃度が16質量%のイエロ−顔料分散体PD−4を得た。
<水分散性樹脂分散体の調製>
(調製例5)
−樹脂微粒子分散体1の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロ−トを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、イオン交換水350gに、8.0gのラテムルS−180(花王社製、反応性陰イオン性界面活性剤)を加えて混合し、65℃に昇温した。次いで、反応開始剤のt−ブチルパ−オキソベンゾエ−ト3.0g、イソアスコルビン酸ナトリウム1.0gを加え、5分後にメタクリル酸メチル45g、メタクリル酸−2−エチルヘキシル160g、アクリル酸5g、メタクリル酸ブチル45g、メタクリル酸シクロヘキシル30g、ビニルトリエトキシシラン15g、ラテムルS−180 8.0g、及びイオン交換水340gの混合物を、3時間かけて滴下した。次いで、80℃で2時間加熱熟成した後、常温まで冷却し、水酸化ナトリウムでpHを7〜8に調整した。次いでエバポレ−タによりエタノ−ルを留去し、水分調節をして、固形分40%のアクリル−シリコ−ンポリマ−微粒子分散体730gを得た。分散体中のポリマ−微粒子の体積平均粒径(D50)を、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定したところ125nmであった。
(調製例6)
−樹脂微粒子分散体2の調製−
59.8g(140mmol)のモノマ−M−1を2.02g(28.0mmol)のアクリル酸に溶解し、100gのイオン交換水、3.00gのアクアロンKH−10(第一工業製薬社製のアニオン性ラジカル反応性界面活性剤)、及び1.00gの過硫酸アンモニウムを加え、ホモミキサ−でプレエマルジョンを形成した。次いで、100gのイオン交換水に2.00gのアクアロンKH−10を加え、アルゴン気流下で80℃まで加熱した後、プレエマルジョンのうち10%を加え、30分間初期重合させた。
次いで、残りのプレエマルジョンを2時間かけて滴下しながら重合させた後、更に80℃で2時間重合させた。冷却後、ろ過し、アンモニア水で中和して、固形分濃度30%の共重合体CP−11(重量平均分子量(Mw):21000、数平均分子量(Mn):9700)の樹脂微粒子分散体2を得た。
−顔料含有ポリマ−粒子分散体の調製−
−ポリマ−溶液Aの調製−
(合成例1)
−ポリマ−分散液の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロ−トを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレ−ト12.0g、ポリエチレングリコ−ルメタクリレ−ト4.0g、スチレンマクロマ−(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカプトエタノ−ル0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレ−ト108.0g、ポリエチレングリコ−ルメタクリレ−ト36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト60.0g、スチレンマクロマ−(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノ−ル3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマ−溶液800gを得た。
(調製例7)
−フタロシアニン顔料含有ポリマ−微粒子分散体の調製−
合成例1で合成したポリマ−溶液28g、フタロシアニン顔料26g、1mol/Lの水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、三本ロ−ルミルを用いて混練した。得られたペ−ストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレ−タ−を用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、シアン色のポリマ−微粒子分散体(シアン顔料含有ポリマ−粒子分散体)を調製した。
(調製例8)
−ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマ−微粒子分散体の調製−
調製例7のフタロシアニン顔料を、C.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、調製例7と同様にして、マゼンタ色のポリマ−微粒子分散体(マゼンタ顔料含有ポリマ−粒子分散体)を調製した。
(調製例9)
−モノアゾ黄色顔料含有ポリマ−微粒子分散体の調製−
調製例7のフタロシアニン顔料を、C.I.ピグメントイエロ−74に変更した以外は、調製例7と同様にして、黄色のポリマ−微粒子分散体(イエロ−顔料含有ポリマ−粒子分散体)を調製した。
(調製例10)
−カ−ボンブラック顔料含有ポリマ−微粒子分散体の調製−
調製例7のフタロシアニン顔料をカ−ボンブラック(一次粒子径19nm、DBP吸油量115mL/100g)に変更した以外は、調製例7と同様にして、黒色のポリマ−微粒子分散体(ブラック顔料含有ポリマ−粒子分散体)を調製した。
<前処理液の作製>
[前処理液調製例]
硫酸マグネシウム 10.0%
1,3ブタンジオ−ル 10.0%
グリセリン 10.0%
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル 2.0%
TEGO Wet270(エボニック社製、有効成分10%) 0.5%
プロキセルLV 0.2%
1,2,3−ベンゾトリアゾ−ル 0.1%
イオン交換水を加えて100%とした。
<インクの作製>
(調製例I−1)
攪拌機を備えた容器に、下記表1の配合処方に従って、30分間混合撹拌した(ただし、ブラック顔料分散体PD−1、樹脂微粒子分散体1および純水を除く)。次いで、調製例1のブラック顔料分散体PD−1及び純水を加え、60分間混合撹拌した。更に樹脂微粒子分散体1を30分間混合撹拌した。得られた混合物を、平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルタ−で加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、実施例1のインクI−1を得た。
調製例I−1と同様にして、下記表1の調製例I−2〜I−12の各欄に示す有機溶剤X、化合物Z、界面活性剤、その他成分を混合撹拌し、次いで、顔料分散体、純水を加え混合撹拌し、更に樹脂微粒子分散体を加えて、混合撹拌した。得られた混合物を平均孔径1.2μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルタ−で加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、実施例及び比較例の各インクを得た。
表1中の詳細は次のとおりである。
・TEGO Wet270:ポリエ−テル変性シロキサン化合物(エボニック社製、有効成分10%)
・ユニダイン DSN403N:ポリオキシエチレンパ−フロロアルキルエ−テル(ダイキン工業社製、有効成分100%)
調製例I−1〜I−12の各インクについて、下記のようにして測定した物性の結果を表2に示す。
<粘度測定>
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
<pH測定>
インクのpHは、pHメ−タ−計(HM−30R型、TOA−DKK株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
<動的表面張力A>
最大泡圧法による表面寿命15msec時の動的表面張力をSITA_DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定した。
<静的表面張力B>
自動表面張力計(DY−300、協和界面科学社製)を用いて、25℃で測定した。
調製例I−1〜I−12のインクのインクセットを用い、下記のようにして画像を形成し、特性を評価した。結果を表3に示す。なお、比較例2〜4は、シ−ト矯正部600の通過を省略した例である。
<ビ−ディング>
図1の印刷装置を用い、300dpi×300dpi、かつ1画素当たり4.0pLとしてインクを吐出して、記録媒体1(OKトップコ−ト+米坪量104.7g/m(王子製紙社製))に形成した印刷物中の5cm×5cmのベタ画像部分のビ−ディングを目視により確認し、以下の基準で評価した。なお、シ−ト矯正装置における加熱温度は100℃とし、前処理を行う場合には、バ−コ−タ−を用いて前処理液を付与した記録媒体を用いた。
〔評価基準〕
A:全くなし
B:僅かにあり
C:かなりあり
D:激しくあり
<用紙変形>
前記<ビ−ディング>評価と同様にベタ画像を印字した後、印刷部分の用紙変形の度合いを目視により次の4段階にて官能評価した。 本発明において、AまたはBの評価であれば、コックリングが抑制されているとする。
〔評価基準〕
A:用紙変形の発生が無く、良好なレベル。
B:用紙変形の発生が若干確認されるが、実使用上問題とならないレベル。
C:用紙変形の発生が満遍なく見られ、実使用上問題となるレベル。
D:用紙変形の発生が著しく、印字に支障が起こるレベル。
<定着性>
前記<ビ−ディング>評価と同様に記録媒体にベタ画像を印字した後、シ−ト矯正装置のベルトへの顔料の転写具合を目視観察し、転写性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
A:ベルトへの顔料の転写はみられない。
B:ベルトへの顔料の転写はほとんどみられない(ベタ画像全体の5%未満の面積の転写)。
C:わずかにベルトへの顔料の転写が見られる(ベタ画像全体の10%未満の面積の転写)。
D:明確なベルトへの顔料の転写が見られる(ベタ画像全体の10%以上の面積の転写)。
表3の結果から、実施例1〜6では、比較例に比べて用紙変形、ビ−ディグ、定着性のいずれも優れた結果となった。
1 印刷装置
100 搬入部
110 搬入トレイ
120 給送装置
130 レジストロ−ラ対
200 印刷部
201 渡し胴
202 受け渡し胴
210 担持ドラム
211 吸引装置
220 液体吐出部
220C、220M、220Y、220K 液体吐出ヘッド
300 乾燥部
301 吸引搬送ベルト
302 温風吹付け手段
303 駆動ロ−ラ
304 従動ロ−ラ
400 搬出部
410 排出トレイ
600 シ−ト矯正部
P シ−ト
601 シ−ト矯正装置
602 ベルト対
603、603A、603B 押し当てロ−ラ
603a 周面
604 ヒ−タ
606、607 対向ロ−ラ(対向部材)
608 ホルダ部材
609 対向ロ−ラユニット
611 上ベルト
612 下ベルト
621A、621B 搬送ロ−ラ
622A、622B ステアリングコントロ−ルロ−ラ
623A、623B テンションロ−ラ
624A、625A、624B、625B 従動ロ−ラ
628 ブラケット
629 回転軸
633、633A、633B 曲面部材
633a 湾曲面
634 ヒ−タ部
643 押し当て部材
644 発熱手段
645 基台
646 接触部材
646a 先端部
653A、653B 押し当てロ−ラ
654A、654B 加熱ロ−ラ
特開2016−107519号公報 特開2008−265987号公報

Claims (11)

  1. 液体組成物と、
    前記液体組成物をシ−トに付与する付与手段と、
    前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正装置と、
    を有し、
    前記液体組成物は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有し、
    前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
    (上記一般式(I)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数が2以上18以下のアルキレン基を表す。*は結合手を表す。)
  2. 前記液体組成物が、25℃の条件下において、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが34.0mN/m以下であり、前記動的表面張力Aと、前記液体組成物の25℃での静的表面張力Bとが、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たす請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 液体組成物と、
    前記液体組成物をシ−トに付与する付与手段と、
    前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正装置と、
    を有し、
    前記液体組成物は25℃の条件下において、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たし、
    前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記液体組成物の動的表面張力Aが34.0mN/m以下である請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記液体組成物は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有する請求項3または4に記載の画像形成装置。
    (上記一般式(I)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数が2以上18以下のアルキレン基を表す。*は結合手を表す。)
  6. 前処理液と、前記前処理液を付与する手段を更に備える請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記インクの25℃での静的表面張力Bが、20.0mN/m以上30.0mN/m以下である請求項2〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記液体組成物が、有機溶剤Xを含有し、前記有機溶剤Xが、下記一般式(X−1)または一般式(X−5)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
    (一般式(X−1)中、R3は炭素数4〜6のアルキル基を表す。)
    (一般式(X−5)中、R4は炭素数1〜2のアルキル基を表す。)
  9. 前記液体組成物が、ポリエ−テル変性シロキサン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインク吐出装置。
  10. 液体組成物をシ−トに付与する付与工程と、
    シ−ト矯正装置を用いて前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正工程と、
    を有し、
    前記液体組成物は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する共重合体を含有し、
    前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする画像形成方法。
    (上記一般式(I)中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。Yは、炭素数が2以上18以下のアルキレン基を表す。*は結合手を表す。)
  11. 液体組成物をシ−トに付与する付与工程と、
    シ−ト矯正装置を用いて前記シ−トの変形を矯正するシ−ト矯正工程と、
    を有し、
    前記液体組成物は25℃の条件下において、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aと、前記インクの25℃での静的表面張力Bとが、次式、10.0%≦[(A−B)/(A+B)]×100≦19.0%を満たし、
    前記シ−ト矯正装置は、前記シ−トを挟んで搬送するベルト対と、前記ベルト対が前記シ−トを挟み持つ領域内で前記ベルト対の一部を湾曲変形させる押し当て部材と、前記シ−トを加熱する加熱手段と、を備えていることを特徴とする画像形成方法。
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