JP2020014090A - 動特性測定装置及びそのプログラム、並びに、動特性測定システム - Google Patents
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シャッタ制御手段は、表示装置がパターン画像を表示するときの遅延時間に応じて、フレーム制御期間の倍となるシャッタ制御期間内で1フレーム期間だけシャッタを開く。
動特性用画像の信号レベルが測定レベル(L−ΔL)に相当し、基準信号レベルが理想レベルLに相当するので、両者の差分が影響量ΔLを表すことになる。このように、動特性測定装置は、回転鏡を備えることなく、空間方向の信号レベル変化量(L−ΔL)により表示装置の動特性を測定できるので、その測定を行う毎に精密な調整を必要としない。
また、本発明に係る動特性測定装置は、一般的なコンピュータを前記した各手段として協調動作させるプログラムで実現することもできる。
本発明によれば、測定を行う毎に精密な調整を必要としないので、表示装置の動特性を簡易に測定することができる。
[動特性測定システムの構成]
図1を参照し、動特性測定システム1の構成について説明する。
動特性測定システム1は、ディスプレイ9の動特性を測定するものであり、図1に示すように、シャッタ2と、撮像装置3と、動特性測定装置4とを備える。
ここで、ディスプレイ9は、測定レベル(L−ΔL)に相当する動特性用信号レベルの測定時、2つのパターン画像を交互に表示する。一方、ディスプレイ9は、理想レベルLに相当する基準レベルの測定時、同一のパターン画像を表示し続ける。
なお、本実施形態では、パターン画像Fの信号レベルが水平方向で変化することとして説明するが、垂直方向の場合も同様である。
以下、動特性測定装置4の構成について説明する。
動特性測定装置4は、撮像装置3から入力された動特性用画像及び基準用画像を用いて、空間方向の信号レベル変化量(L−ΔL)によりディスプレイ9の動特性を測定するものである。具体的には、動特性測定装置4は、ディスプレイ9におけるパターン画像Fの表示タイミングと、シャッタ2の開閉タイミングとを制御し、撮像装置3からの動特性用画像及び基準用画像を用いて、ディスプレイ9の動特性を測定する。
演算手段40は、動特性測定システム1を制御すると共に、ディスプレイ9の動特性を測定するものであり、制御手段43と、動特性測定手段49とを備える。
例えば、各種パラメータとしては、フレーム制御期間、シャッタ制御期間、遅延時間、遷移期間、パターン情報があげられる。これらパラメータは、動特性測定装置4の各手段によって参照される。
「シャッタ制御期間」とは、シャッタ2の開閉を制御する期間のことであり、フレーム制御期間の倍に設定される。
「遅延時間」とは、ディスプレイ9がパターン画像Fを表示するときの遅延時間のことである。つまり、遅延時間は、ディスプレイ9にパターン画像Fを出力してから、ディスプレイ9がパターン画像Fを表示するまでの遅延を表す。
なお、遷移期間が存在しない場合、利用者は、この遷移期間をパラメータ設定手段41に設定する必要がない。
制御手段43は、後記する信号発生手段45及びタイミング調整手段47を制御するものである。具体的には、制御手段43は、予め設定されたフレーム制御期間毎に、信号発生手段45にパターン画像Fの出力を指令する(パターン画像制御信号)。また、制御手段43は、シャッタ制御期間内で1フレーム期間だけシャッタ2が開くようにタイミング調整手段47に指令する(シャッタ制御信号)。
一方、信号発生手段45は、基準レベルの測定時、動特性用信号レベルの測定時と同様に、同一のパターン画像Faをディスプレイ9に出力する。なお、同一のパターン画像Faを出力する以外、基準レベル測定時の処理内容は、動特性用信号レベルの測定時と同様のため、説明を省略する。
なお、動特性用信号レベルの測定時及び基準レベルの測定時の両方において、タイミング調整手段47の処理内容は同様である。
図4を参照し、動特性測定装置4の動作について説明する。
図4に示すように、動特性測定装置4は、パラメータの設定処理S1、基準信号レベルの測定処理S2、動特性用信号レベルの測定処理S3、動特性の測定処理S4を行う。そして、動特性測定装置4は、測定終了判定処理S5の結果に応じて、中心信号レベルの変更処理S6を行い、S1〜S5の処理を繰り返す。その後、動特性測定装置4は、動特性の出力処理S7を行う。
図4のパラメータの設定処理S1について説明する。
パラメータ設定手段41は、各種パラメータとして、例えば、フレーム制御期間、シャッタ制御期間、遅延時間、パターン情報が設定される。ここでは、フレーム制御期間が1フレーム期間に設定され、シャッタ制御期間が2フレーム期間に設定されたこととする。
図5を参照し、図4の基準信号レベルの測定処理S2について説明する。
図5では、縦方向が時間の経過を表しており、左側がパターン画像Fの表示タイミングを表し、右側がシャッタ2の開閉タイミングを表す。図5の左側では、パターン画像Fの時系列を明確にするため、フレーム単位で‘01’〜‘04’の番号を付した。また、図5の右側では、シャッタ2が開いている時間を白抜きで図示し、シャッタ2が閉じている時間をハッチングで図示した。
また、基準信号レベルの測定処理S2では、1つ目のパターン画像Faのみを表示し続ける以外、動特性用信号レベルの測定処理S3と同様にタイミング調整を行うため、その説明を省略する。
図6を参照し、図4の動特性用信号レベルの測定処理S3について説明する。
図6に示すように、信号発生手段45は、1フレーム期間毎に、2つのパターン画像Fa,Fbを交互にディスプレイ9に出力する。このとき、タイミング調整手段47は、2フレーム期間のシャッタ制御期間Tsのうち、1フレーム期間だけシャッタ2が開くように、シャッタ2を制御する。
図7を参照し、動特性用信号レベルの測定処理S3でのタイミング調整を説明する。
図7では、縦方向が時間の経過を表している。また、図7には、左側に出力タイミング、中央に表示タイミング、右側に開閉タイミングを図示した。出力タイミングは、信号発生手段45がディスプレイ9にパターン画像Fa,Fbを出力するタイミングを表す。表示タイミングは、ディスプレイ9がパターン画像Fa,Fbを表示するタイミングを表す。開閉タイミングは、シャッタ2が開閉するタイミングを表す。
図8を参照し、図4の動特性の測定処理S4について説明する。
図8に示すように、ステップS2,S3の処理において、基準信号レベルLと、動特性用信号レベル(L−ΔL)との組が多数測定されている。そこで、動特性測定手段49は、ステップS2で測定した基準信号レベルLと、ステップS3で測定した動特性用信号レベル(L−ΔL)との差分ΔLを、ディスプレイ9の動特性として測定する。
図4の測定終了判定処理S5について説明を続ける。
動特性測定手段49は、ディスプレイ9の動特性の測定を終了するか否かを判定する。
動特性測定手段49は、全ての中心信号レベルでディスプレイ9の動特性を測定した場合、測定終了と判定し(ステップS5でYes)、動特性の出力処理S7に進む。
動特性測定手段49は、全ての中心信号レベルでディスプレイ9の動特性を測定していない場合、測定継続と判定し(ステップS5でNo)、中心信号レベルの変更処理S6に進む。
図4の中心信号レベルの変更処理S6について説明する。
動特性測定手段49は、パラメータ設定手段41に設定されたパターン情報を参照し、ディスプレイ9の動特性を未だ測定していない中心信号レベルに変更し、基準信号レベルの測定処理S2に戻る。
図9を参照し、動特性の出力処理S7について説明する。
動特性測定手段49は、動特性の測定処理S4で測定したディスプレイ9の動特性を外部(例えば、図示を省略したモニタ装置)に出力する。ここで、動特性測定手段49は、複数の中心信号レベルを設定した場合、各中心信号レベルの測定結果を別々に出力してもよく、全ての測定結果の平均を出力してもよい。
なお、動特性測定手段49は、図9のグラフに限定されず、任意の形式でディスプレイ9の動特性を出力できる。
以上のように、第1実施形態に係る動特性測定システム1は、空間方向の信号レベル変化量(L−ΔL)により、ディスプレイ9の動特性を測定する。従って、動特性測定システム1は、従来技術のように回転鏡を備えず、測定を行う毎に精密な調整を必要としないので、ディスプレイ9の動特性を簡易に測定することができる。
以下、第2実施形態に係る動特性測定システム1Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
第2実施形態では、フレーム制御期間及びシャッタ制御期間が、第1実施形態と異なる。具体的には、フレーム制御期間が、第1実施形態では1フレーム期間であるのに対し、第2実施形態では2フレーム期間である。また、シャッタ制御期間が、第1実施形態では2フレーム期間であるのに対し、第2実施形態では4フレーム期間である。
さらに、第2実施形態では、シャッタ2を開閉するタイミングも第1実施形態と異なる。
図1に示すように、動特性測定システム1Bは、シャッタ2と、撮像装置3と、動特性測定装置4Bとを備える。
動特性測定装置4Bは、演算手段40B(制御手段43B、動特性測定手段49B)と、パラメータ設定手段41と、信号発生手段45Bと、タイミング調整手段47Bとを備える。
なお、制御手段43B、信号発生手段45B及びタイミング調整手段47B以外の各手段は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
信号発生手段45Bは、ディスプレイ9に対して、2フレーム期間であるフレーム制御期間毎に、2つのパターン画像Fa,Fbを交互に出力するものである。
タイミング調整手段47Bは、遅延時間及び遷移期間に応じて、2フレーム期間であるシャッタ制御期間内で1フレーム期間だけシャッタ2が開くようにシャッタ2を制御するものである。さらに、タイミング調整手段47Bは、シャッタ制御期間内でシャッタ2を開くタイミングを変更する。
動特性測定手段49Bは、動特性用画像の信号レベルと、基準画像の信号レベルとの差分を、ディスプレイ9の動特性として測定するものである。
図4を参照し、動特性用信号レベルの測定処理S3B及び動特性の出力処理S7Bの測定処理について説明する。なお、動特性用信号レベルの測定処理S3B及び動特性の出力処理S7B以外の各処理は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
図10を参照し、図4の動特性用信号レベルの測定処理S3Bについて説明する。
図10に示すように、シャッタ2の開閉タイミングが2つ設定されており、それぞれ符号2A,2Bで図示した。これらの開閉タイミング2A,2Bでは、シャッタ2を開くタイミングが異なっている。また、フレーム制御期間Tpが2フレーム期間であり、シャッタ制御期間Tsが4フレーム期間である。
図11を参照し、図4動特性の出力処理S7Bについて説明する。
動特性測定手段49Bは、開閉タイミング2A,2Bのそれぞれについて、ディスプレイ9の動特性を出力する。例えば、動特性測定手段49Bは、ディスプレイ9の動特性として、図11のグラフを出力する。図11のグラフでは、開閉タイミング2A,2Bそれぞれの測定結果に符号2A,2Bを付した。
以上のように、第2実施形態に係る動特性測定システム1Bは、第1実施形態と同様、測定を行う毎に精密な調整を必要としないので、ディスプレイ9の動特性を簡易に測定することができる。さらに、動特性測定システム1Bは、シャッタ2の開閉タイミングを変更してディスプレイ9の動特性を測定するので、ディスプレイ9の動特性をより詳細に分析することができる。
以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した各実施形態では、動特性用信号レベルを測定する際、2つのパターン画像を交互に表示することとして説明したが、3つ以上のパターン画像を切り替えて表示してもよい。
前記した第2実施形態では、2つの開閉タイミングでシャッタを開閉し、ディスプレイの動特性を測定することとして説明したが、これに限定されない。つまり、何れか1つの開閉タイミングのみでシャッタを開閉し、ディスプレイの動特性を測定してもよい。
さらに、DMD(Digital Mirror Device)で駆動するプロジェクタのような、遷移期間が発生しない表示装置も存在する。この場合、タイミング調整手段は、プロジェクタの遅延時間のみを考慮して、シャッタの開閉タイミングを調整すればよい。
2 シャッタ
2A,2B 開閉タイミング
3 撮像装置
4,4B 動特性測定装置
9 ディスプレイ(表示装置)
9a 画面
40,40B 演算手段
41 パラメータ設定手段
43,43B 制御手段
45,45B 信号発生手段(パターン画像出力手段)
47,47B タイミング調整手段(シャッタ制御手段)
49,49B 動特性測定手段
A パターンの振幅
C 中心信号レベル
F,Fa,Fb パターン画像
T パターンの周期
Tp フレーム制御期間
Ts シャッタ制御期間
Claims (7)
- 動特性測定用のパターン画像を表示している表示装置を撮像する撮像装置と、前記表示装置と前記撮像装置との間に配置されたシャッタとを備える動特性測定システムで用いられる動特性測定装置であって、
前記表示装置に対して、1フレーム期間又は2フレーム期間以上で予め設定されたフレーム制御期間毎に、異なるパターンが描かれた2つ以上の前記パターン画像を出力するパターン画像出力手段と、
前記表示装置が前記パターン画像を表示するときの遅延時間に応じて、前記フレーム制御期間の倍となるシャッタ制御期間内で1フレーム期間だけ前記シャッタを開くシャッタ制御手段と、
前記パターン画像を表示している表示装置を撮像した動特性用画像が前記撮像装置から入力され、入力された前記動特性用画像の信号レベルと基準信号レベルとの差分を、前記表示装置の動特性として測定する動特性測定手段と、
を備えることを特徴とする動特性測定装置。 - 前記パターン画像出力手段は、前記パターンの信号レベルを表す信号波の位相が正反対である2つの前記パターン画像を前記表示装置に交互に出力することを特徴とする請求項1に記載の動特性測定装置。
- 前記パターン画像出力手段は、さらに、前記パターンの信号レベルを表す信号波の位相が同一である前記パターン画像を前記表示装置に出力し、
前記動特性測定手段は、同一の前記パターン画像を表示している表示装置を撮像した基準用画像が前記撮像装置から入力され、入力された前記基準用画像の信号レベルを前記基準信号レベルとして測定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動特性測定装置。 - 前記動特性測定手段は、前記信号波の振幅中心の信号レベルを表す中心信号レベルが予め複数設定され、前記中心信号レベル毎に前記動特性用画像の信号レベル及び前記基準信号レベルを測定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の動特性測定装置。
- 前記パターン画像出力手段は、前記フレーム制御期間が2フレーム期間以上で予め設定され、
前記シャッタ制御手段は、前記シャッタ制御期間内で前記シャッタを開くタイミングを変更し、
前記動特性測定手段は、前記タイミング毎に前記表示装置の動特性を測定することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の動特性測定装置。 - コンピュータを、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の動特性測定装置として機能させるためのプログラム。
- 動特性測定用のパターン画像を表示している表示装置を撮像する撮像装置と、
前記表示装置と前記撮像装置との間に配置されたシャッタと
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の動特性測定装置と、
を備えることを特徴とする動特性測定システム。
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