JP2020012394A - 排気処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の室内の騒音レベルが低い場合において尿素水の添加弁の駆動音によってドライバビリティが悪化することを抑制する。【解決手段】制御装置は、実行条件が成立すると(S100にてYES)、尿素水の添加量を設定するステップ(S102)と、車速がしきい値以下であると(S104にてYES)、第3周期を設定するステップ(S106)と、第3開弁時間を設定するステップ(S108)と、車速がしきい値よりも高く(S104にてNO)、触媒温度がしきい値よりも大きいと(S112にてYES)、第2周期を設定するステップ(S114)と、第2開弁時間を設定するステップ(S116)と、触媒温度がしきい値以下であると(S112にてNO)、第1周期を設定するステップ(S118)と、第1開弁時間を設定するステップ(S120)と、尿素水添加弁を制御するステップ(S110)とを含む、制御処理を実行する。【選択図】図3
Description
本発明は、尿素水を用いて排気を浄化する排気処理装置に関する。
車両に搭載されたディーゼルエンジン等の排気を浄化するために、排気通路には、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒等の各種触媒が排気処理装置として設けられる。たとえば、SCR触媒においては、上流側から添加される尿素水を用いて窒素酸化物(以下、「NOx」とも記載する)を還元することによって排気が浄化される。このような尿素水は、たとえば、添加弁を用いて触媒に添加される。
国際公開第2014/038067号(特許文献1)には、添加弁の開弁期間を可変する制御を行なうことによって排気成分の排出量に応じた量の添加剤を触媒に添加する技術が開示される。また、特許文献1には、SCR触媒の温度に応じて、添加弁の開閉周期を設定する技術が開示される。
しかしながら、たとえば、添加弁の開閉周期が比較的短周期に設定されている場合においては、車両が低速走行状態あるいは停車状態であると、ユーザは添加弁の駆動音に違和感を覚える可能性がある。これは、車両が低速走行状態あるいは停車状態であると、車両が高速走行状態であるときよりもロードノイズ等に起因する車両の室内における騒音レベルが低くなり、添加弁が駆動する状態と、添加弁の駆動が停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音が他の騒音よりも際立つためである。これにより、ドライバビリティが悪化する場合がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の室内の騒音レベルが低い場合において尿素水の添加弁の駆動音によってドライバビリティが悪化することを抑制する排気処理装置を提供することである。
この発明のある局面に係る排気処理装置は、車両に搭載されるエンジンの排気処理装置である。この排気処理装置は、尿素水を用いて排気に含まれる窒素酸化物を浄化する触媒と、触媒に尿素水を添加する添加弁と、添加弁の開弁時間と開閉周期とを設定し、設定された開弁時間と開閉周期とに従って添加弁を制御する制御装置とを備える。制御装置は、車両の室内における騒音レベルが低い状態である場合には、騒音レベルが高い状態である場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定する。
このようにすると、車両の室内における騒音レベルが低い状態である場合には、騒音レベルが高い状態である場合よりも添加弁の駆動頻度(所定期間当たりの駆動回数)を減少させることができる。これにより、添加弁を駆動する状態と、添加弁の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。そのため、添加弁の駆動音を他の騒音よりも際立たないようにすることができるため、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。
好ましくは、制御装置は、車両の速度が低い場合には、車両の速度が高い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定する。
このようにすると、車両の速度が低い場合(すなわち、車両の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、車両の速度が高い場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも添加弁の駆動頻度を減少させることができる。これにより、添加弁を駆動する状態と、添加弁の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。
さらに好ましくは、制御装置は、エンジンの回転数が低い場合には、エンジンの回転数が高い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定する。
このようにすると、エンジン回転数が低い場合(すなわち、車両の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、エンジン回転数が高い場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも添加弁の駆動頻度を減少させることができる。これにより、添加弁を駆動する状態と、添加弁の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。
さらに好ましくは、制御装置は、車両に搭載される補機の作動が停止している場合には、補機が作動している場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定する。
このようにすると、車両に搭載される補機の作動が停止している場合(すなわち、車両の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、補機が作動している場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも添加弁の駆動頻度を減少させることができる。これにより、添加弁を駆動する状態と、添加弁の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。
さらに好ましくは、制御装置は、騒音レベルが低い状態であっても、添加弁の温度が高い場合には、添加弁の温度が低い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が短くなるように開弁時間および開閉周期を設定する。
このようにすると、騒音レベルが低い状態であっても、添加弁の温度が高い場合には、添加弁の温度が低い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が短くなるようにすることによって、添加弁の駆動頻度が増加するため、添加弁の温度上昇を抑制することができる。
この発明によると、車両の室内の騒音レベルが低い場合において尿素水の添加弁の駆動音によってドライバビリティが悪化することを抑制する排気処理装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、排気処理装置30の構成の一例が示される。図1は、車両10に搭載された排気処理装置30の概略構成を示す図である。本実施の形態において、車両10としては、たとえば、ディーゼルエンジン等の内燃機関を駆動源とする車両であるとして説明する。
車両10は、貯留タンク20と、エンジン26と、排気処理装置30と、制御装置100と、Gセンサ102と、車速センサ104と、レベルセンサ106と、アクセル開度センサ108と、エアフローメータ110と、触媒温度センサ112と、エンジン回転数センサ114と、排気温度センサ116とを含む。
エンジン26は、燃焼室内で燃料と空気の混合気を燃焼して作動するディーゼルエンジンである。エンジン26の作動時に生じる排気は、排気処理装置30に排出される。
排気処理装置30は、エンジン26の排気管36に接続される。排気処理装置30は、DOC(Diesel Oxidation Catalyst)32と、PM除去フィルタ34と、尿素水添加弁37と、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒38とを含む。
エンジン26からの排気は、排気管36から排気処理装置30(すなわち、DOC32、PM除去フィルタ34、およびSCR触媒38)を経由してマフラー(図示せず)に送られる。
DOC32は、酸化触媒であるとともに、SOF(Soluble Organic Fraction)成分の酸化性能を有する。PM除去フィルタ34は、排気中の粒子状物質(PM(Particulate Matter))を捕集する。
尿素水添加弁37は、PM除去フィルタ34と、SCR触媒38との間の排気管に設けられる。尿素水添加弁37は、制御装置100からの制御信号に応じて排気管内に尿素水を添加(噴射)する。
SCR触媒38において、尿素水添加弁37によって添加された尿素水は、排気の熱によって加水分解され、アンモニアに変化する。変化したアンモニアと排気中の窒素酸化物(以下、「NOx」とも記載する)との化学反応により窒素と水に還元され、排気が浄化される。なお、還元剤としては、尿素水に特に限定されるものではない。
貯留タンク20は、尿素水添加弁37に供給するための尿素水を貯留する。貯留タンク20内の尿素水は、図示しないポンプ等を用いて尿素水添加弁37に供給される。貯留タンク20は、所定のタンク形状を有している。
エンジン26の動作は、制御装置100によって制御される。制御装置100は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリと、外部との情報のやり取りを行なうための入・出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。入力ポートには、上述したセンサ類(たとえば、Gセンサ102、車速センサ104、レベルセンサ106、アクセル開度センサ108、エアフローメータ110、触媒温度センサ112、エンジン回転数センサ114および排気温度センサ116等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、エンジン26および尿素水添加弁37等)が接続される。
制御装置100は、各センサおよび機器からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン26が所望の運転状態となるように各種機器を制御する。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。また、制御装置100には、時間の計測を行うためのタイマー回路(図示せず)が内蔵されている。
Gセンサ102は、車両10の所定方向(たとえば、前後方向および/または左右方向)の加速度を検出する。Gセンサ102は、検出した車両10の所定方向の加速度を示す信号を制御装置100に送信する。
車速センサ104は、車両10の速度(以下、車速とも記載する)Vを検出する。車速センサ104は、車速Vを示す信号を制御装置100に送信する。なお、車速センサ104としては、たとえば、車両10の車輪の回転速度を検出する車輪速センサや変速機の出力軸の回転速度を検出する出力軸回転速度センサを用いてもよい。この場合、制御装置100は、車輪速センサにより検出された車輪の回転速度や出力軸回転速度センサにより検出された出力軸の回転速度を用いて車速Vを算出する。
レベルセンサ106は、貯留タンク20内に設けられ、貯留タンク20に貯留される尿素水の液面高さを検出する。レベルセンサ106は、検出した液面高さを示す信号を制御装置100に送信する。
アクセル開度センサ108は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量を検出する。アクセル開度センサ108は、検出したアクセルペダルの踏み込み量を示す信号を制御装置100に送信する。
エアフローメータ110は、エンジン26の吸気通路に設けられ、エンジン26に吸入される空気量(吸入空気量)を検出する。エアフローメータ110は、検出した吸入空気量を示す信号を制御装置100に送信する。
触媒温度センサ112は、SCR触媒38の温度(触媒温度)を検出する。触媒温度センサ112は、検出した触媒温度を示す信号を制御装置100に送信する。
エンジン回転数センサ114は、エンジン26の出力軸の回転数(以下、エンジン回転数と記載する)NEを検出する。エンジン回転数センサ114は、検出したエンジン回転数NEを示す信号を制御装置100に送信する。
排気温度センサ116は、PM除去フィルタ34に流入する排気の温度(排気温度)を検出する。排気温度センサ116は、検出した排気温度を示す信号を制御装置100に送信する。
以上のような構成を有するエンジン26のSCR触媒38においては、上述のとおり、尿素水添加弁37によって適量の尿素水が添加されることによりNOxが還元されることによって排気が浄化される。
この場合において、制御装置100は、尿素水添加弁37の開弁時間と開閉周期とをエンジン26の運転状態に基づいて設定し、設定された開弁時間と開閉周期とに従って尿素水添加弁37を制御する。
図2は、尿素水添加弁の動作の一例を説明するための図である。図2の上段のグラフの縦軸は、触媒温度Tcを示す。図2の中段のグラフの縦軸は、開閉周期を示す。図2の下段のグラフの縦軸は、駆動パルスを示す。また、図2の上段、中段および下段のグラフの横軸は、時間を示す。図2のLN1は、触媒温度Tcの変化を示す。図2のLN2は、開閉周囲の変化を示す。図2のLN3は、駆動パルスの変化を示す。
制御装置100は、たとえば、尿素水添加弁37の温度によって開閉周期を第1周期と第2周期とのうちのいずれかを選択する。制御装置100は、たとえば、図2のLN1に示すように、時間t(0)以前において触媒温度Tcがしきい値Tc(0)以下である場合には、図2のLN2を示すように第1周期を選択する。なお、以下の実施例では、尿素水添加弁37の温度は、SCR触媒38の触媒温度と同等であるとしてSCR触媒38の触媒温度に置き換えて説明するが、尿素水添加弁37およびSCR触媒38の配置によってはSCR触媒38の触媒温度を尿素水添加弁37の温度に置き換えることができない。その場合は、尿素水添加弁37の周囲に温度センサを設けたり、尿素水添加弁37の上流に配置される排気温度センサ116の検出値に、排気管の温度や車速から放熱量と応答遅れとを考慮した補正を行ない、尿素水添加弁37周辺の温度を推定するなど、既存の方法で尿素水添加弁37の温度を検出または算出することができる。
そして、制御装置100は、図2のLN1に示すように、時間t(0)〜時間t(1)において、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも高くなる場合には、図2のLN2に示すように第2周期を選択する。制御装置100は、エンジン26の運転状態(たとえば、NOx発生量等に関連するエンジン26の運転状態)に応じて単位時間当たりの尿素水の添加量を決定する。なお、単位時間当たりの尿素水の添加量としては、予め定められた量であってもよい。制御装置100は、決定された添加量と周期とに基づいて1周期当りの開弁時間を設定する。
第1周期は、第2周期よりも長い周期である。そのため、たとえば、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも高い場合と、しきい値Tc(0)以下の場合とで単位時間当たりの添加量を一定とすると、図2のLN3に示すように、第1周期における1周期当りの開弁時間(以下、第1開弁時間と記載する)は、第2周期における1周期当りの開弁時間(以下、第2開弁時間と記載する)よりも長い時間となる。そのため、たとえば、第1周期が第2周期の2倍の周期である場合には、第1開弁時間は、第2開弁時間の2倍の開弁時間となる。このように、尿素水添加弁37の温度が高い場合には、第1周期よりも短い周期である第2周期により尿素を添加することで、尿素水添加弁37の温度上昇を抑制する。
図2のLN3に示すように、開閉時期として、第2周期が選択される場合には、第1周期が選択される場合よりも尿素水添加弁37の単位時間当たりの駆動回数が多くなる(尿素水添加弁37の駆動頻度が増加する)。そのため、たとえば、尿素水添加弁37の開閉周期が比較的短周期(に設定されている場合においては、車両10が低走行状態あるいは停車状態であると、ユーザは尿素水添加弁37の駆動音に違和感を覚える可能性がある。これは、車両10が低走行状態あるいは停車状態であると、車両10が高速走行状態であるときよりもロードノイズ等に起因する車両10の室内における騒音レベルが低くなり、尿素水添加弁37が駆動する状態と、尿素水添加弁37の駆動が停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音が他の騒音よりも際立つためである。これにより、ドライバビリティが悪化する場合がある。
そこで、本実施の形態においては、制御装置100は、車両10の室内における騒音レベルが低い状態である場合には、騒音レベルが高い状態である場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定するものとする。
より具体的には、制御装置100は、車速Vが低い場合には、車速Vが高い場合よりも尿素水添加弁37の開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定するものとする。
このようにすると、車速Vが低い場合(すなわち、車両10の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、車速Vが高い場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも尿素水添加弁37の駆動頻度を減少させることができる。これにより、尿素水添加弁37を駆動する状態と、尿素水添加弁37の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。そのため、尿素水添加弁37の駆動音を他の騒音よりも際立たないようにすることができる。
以下に、図3を参照して、本実施の形態における制御装置100で実行される制御処理について説明する。図3は、制御装置100で実行される制御処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の制御周期毎にメインルーチン(図示せず)から呼び出されて実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する。)100にて、制御装置100は、尿素水添加弁37の制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。制御装置100は、たとえば、エンジン26が始動状態であるという条件と、触媒温度Tcがしきい値(たとえば、NOxの還元が可能となる温度の下限温度)以上という条件とがいずれも成立する場合に実行条件が成立していると判定する。尿素水添加弁37の制御の実行条件が成立していると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。
S102にて、制御装置100は、尿素水の添加量を設定する。制御装置100は、たとえば、エンジン26の運転状態に基づいて単位時間当たりの尿素水の添加量を設定する。制御装置100は、エンジン回転数NE、吸入空気量あるいは燃料噴射量等に基づいてNOxの排出量を推定する。制御装置100は、推定された排出量のNOxを還元可能な単位時間当たりの尿素水の添加量を設定する。
S104にて、制御装置100は、車速Vがしきい値V(0)以下であるか否かを判定する。しきい値V(0)としては、たとえば、尿素水添加弁37の駆動を停止したときの車両10の室内の騒音レベルが所定の騒音レベル以下となる車速Vが設定される。車速Vがしきい値V(0)以下であると判定される場合(S104にてYES)、処理は、S106に移される。
S106にて、制御装置100は、開閉周期として第3周期を設定する。第3周期は、上述の第1周期および第2周期よりも長い周期(長周期)である。第3周期としては、たとえば、尿素水添加弁37が過熱状態にならない範囲内であって、かつ、尿素水添加弁37の駆動停止期間がしきい値以上となる予め定められた周期(たとえば、数十秒)が設定される。
S108にて、制御装置100は、開弁時間として第3開弁時間を設定する。制御装置100は、S106にて設定された開閉周期(第3周期)と、S102にて設定された単位時間当たりの尿素水の添加量とに基づいて第3開弁時間(長時間)を設定する。
S110にて、制御装置100は、設定された開閉周期(第1周期、第2周期あるいは第3周期)と開弁時間(第1開弁時間、第2開弁時間あるいは第3開弁時間)とに従って尿素水添加弁37を制御する。具体的には、制御装置100は、設定された開閉周期と開弁時間とに応じた駆動パルスを生成し、尿素水添加弁37に生成した駆動パルスを出力する。
なお、車速Vがしきい値V(0)よりも高いと判定される場合には(S104にてNO)、処理はS112に移される。
S112にて、制御装置100は、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも大きいか否かを判定する。触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも大きいと判定される場合(S112にてYES)、処理はS114に移される。
S114にて、制御装置100は、開閉周期として第2周期を設定する。第2周期は、上述のとおり、第1周期および第3周期よりも短い周期(短周期)である。第2周期としては、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも大きい状態において、尿素水添加弁37が過熱状態にならない範囲内で予め定められた周期(たとえば、数ミリ秒)が設定される。
S116にて、制御装置100は、開弁時間として第2開弁時間を設定する。制御装置100は、S114にて設定された開閉周期(第2周期)と、S102にて設定された単位時間当たりの尿素水の添加量とに基づいて第2開弁時間(短時間)を設定する。
なお、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)以下であると判定される場合(S112にてNO)、処理はS118に移される。
S118にて、制御装置100は、開閉周期として第1周期を設定する。第1周期は、上述のとおり、第2周期よりも長い周期であって、かつ、第3周期よりも短い周期(中周期)である。第1周期としては、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)以下の状態において、尿素水添加弁37が過熱状態にならない範囲であって、急なエンジン26の運転状態の変化によるNOx排出量の増加に対応可能であって、かつ、可能な限り長い予め定められた周期(たとえば、数秒)が設定される。
S120にて、制御装置100は、S118にて設定された開閉周期(第1周期)と、S102にて設定された単位時間当たりの尿素水の添加量とに基づいて第1開弁時間(中時間)を設定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく制御装置100の動作について図4を参照しつつ説明する。図4は、制御装置100の動作を説明するためのタイミングチャートである。図4の上段のグラフの縦軸は、車速Vを示す。図4の下段のグラフの縦軸は、駆動パルスを示す。図4の上段および下段のグラフの横軸は、時間を示す。さらに、図4のLN4は、車速Vの変化を示す。図4のLN5は、駆動パルスの変化を示す。また、エンジン26は、作動状態であって、かつ、SCR触媒38の暖機が完了している場合を想定する。さらに、車速Vは、しきい値V(0)よりも高く、かつ、SCR触媒38の触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも低い場合を想定する。
この場合、実行条件が成立しているため(S100にてYES)、エンジン26の運転状態に応じた尿素水の添加量が設定される(S102)。
図4のLN4に示すように、時間t(2)になるまでの期間においては、車速Vがしきい値V(0)よりも高く(S104にてNO)、かつ、触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも低い(S112にてNO)。そのため、開閉周期として第1周期(中周期)が設定されるとともに(S118)、開弁時間として第1開弁時間(中時間)が設定される(S120)。
そのため、図4のLN5に示すように、時間t(2)になるまでの期間においては、第1周期を開閉周期として、第1開弁時間が開弁時間となるように駆動パルスが生成され、生成された駆動パルスに従って尿素水添加弁37が制御される(S110)。
一方、図4のLN4に示すように、時間t(2)にて、車速Vがしきい値V(0)以下になると(S104にてYES)、開閉周期として第3周期が設定されるとともに(S106)、開弁時間として第3開弁時間が設定される(S108)。
そのため、図4のLN5に示すように、時間t(2)以降の期間においては、第3周期を開閉周期とし、第3開弁時間が開弁時間となるように駆動パルスが生成され、生成された駆動パルスに従って尿素水添加弁37が制御される(S110)。開閉周期が第3周期となることにより、開閉周期が第1周期や第2周期である場合と比較して尿素水添加弁37の駆動頻度が減少する。
以上のようにして、本実施の形態に係る排気処理装置30によると、車速Vがしきい値V(0)以下である場合(すなわち、車両10の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、車速Vがしきい値V(0)よりも高い場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも尿素水添加弁37の駆動頻度(所定期間当たりの駆動回数)を減少させることができる。これにより、尿素水添加弁37を駆動する状態と、尿素水添加弁37の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。そのため、尿素水添加弁37の駆動音を他の騒音よりも際立たないようにすることができる。したがって、車両の室内の騒音レベルが低い場合において尿素水の添加弁の駆動音によってドライバビリティが悪化することを抑制する排気処理装置を提供することができる。
さらに、車速Vがしきい値V(0)以下である場合には、車速Vがしきい値V(0)よりも高い場合よりも開閉周期を長周期にすることによって、尿素水添加弁37の駆動頻度を減少させることができるため、尿素水添加弁37の寿命を延ばすことができる。
以下、変形例について説明する。
上述の実施の形態では、車両10の室内における騒音レベルが低い状態であるか否かを車速Vを用いて判定する場合を一例として説明したが、特に車速Vを用いて判定することに限定されるものではない。
上述の実施の形態では、車両10の室内における騒音レベルが低い状態であるか否かを車速Vを用いて判定する場合を一例として説明したが、特に車速Vを用いて判定することに限定されるものではない。
制御装置100は、たとえば、エンジン回転数NEが低い場合には、エンジン回転数NEが高い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定してもよい。
具体的には、制御装置100は、たとえば、実行条件が成立し、尿素水の添加量を設定した場合において、エンジン回転数NEがしきい値NE(0)以下であるときには、開閉周期として第3周期を選択し、エンジン回転数NEがしきい値NE(0)よりも大きいときには、上述したようにSCR触媒38の触媒温度Tcに応じて第1周期および第2周期のうちのいずれかを選択してもよい。しきい値NE(0)は、たとえば、アイドル状態であることを判定するためのエンジン回転数NEのしきい値である。
このようにすると、エンジン回転数NEが低い場合(すなわち、車両の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、エンジン回転数NEが高い場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも尿素水添加弁37の駆動頻度を減少させることができる。これにより、尿素水添加弁37を駆動する状態と、尿素水添加弁37の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。
あるいは、制御装置100は、車両10に搭載される補機の作動が停止している場合には、補機が作動している場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定してもよい。
具体的には、制御装置100は、たとえば、実行条件が成立し、尿素水の添加量を設定した場合において、車両10に搭載される補機が停止状態であるときには、開閉周期として第3周期を選択し、補機が作動状態であるときには、上述したようにSCR触媒38の触媒温度Tcに応じて第1周期および第2周期のうちのいずれかを選択してもよい。
補機は、たとえば、オーディオや空調装置(エアコンコンプレッサーや送風装置等を含む)などの車両10の室内に設けられる電気機器、および、エンジンルーム内の各種ポンプ等の車両10に搭載される電気機器のうちの少なくともいずれかを含む。
このようにすると、車両10に搭載される補機の作動が停止している場合(すなわち、車両の室内の騒音レベルが低い状態である場合)には、補機が作動している場合(すなわち、騒音レベルが高い状態である場合)よりも尿素水添加弁37の駆動頻度を減少させることができる。これにより、尿素水添加弁37を駆動する状態と、尿素水添加弁37の駆動を停止する状態とが短時間で繰り返されることによって生じる駆動音の発生を抑制することができる。
あるいは、制御装置100は、車両10の室内における予め定められた周波数帯の騒音のレベルを検出し、検出された騒音レベルが低い場合には、騒音レベルが高い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定してもよい。
具体的には、制御装置100は、たとえば、実行条件が成立し、尿素水の添加量を設定した場合において、車両10の室内の騒音レベルがしきい値以下であるときには、開閉周期として第3周期を選択し、騒音レベルがしきい値よりも大きいときには、上述したようにSCR触媒38の触媒温度Tcに応じて第1周期および第2周期のうちのいずれかを選択してもよい。
あるいは、制御装置100は、たとえば、アクセル開度、車両10に作用する前後方向の加速度、予め定められた期間における燃料噴射量の指令値の平均値、吸入空気量、NOx排出量、排気温度、ターボの回転数、筒内圧、および、レール圧のうちの少なくともいずれかをパラメータとして、車両10の室内の騒音レベルが小さい状態であると判定される場合には、騒音レベルが大きい状態であると判定される場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が長くなるように開弁時間および開閉周期を設定してもよい。
具体的には、制御装置100は、たとえば、実行条件が成立し、尿素水の添加量を設定した場合において、上記したパラメータに起因する騒音レベルが一定レベル以下の状態であるときには、開閉周期として第3周期を選択し、騒音レベルが一定レベルを超える状態であるときには、上述したようにSCR触媒38の触媒温度Tcに応じて第1周期および第2周期のうちのいずれかを選択してもよい。
さらに上述の実施の形態では、第3周期としては、予め定められた周期が設定されるものとして説明したが、車速がしきい値V(0)以下の場合において、車速が小さいほど長い周期を第3周期として設定し、車速がV(0)に近づいて大きくなるほど短い周期を第3周期として設定してもよい。
さらに上述の実施の形態では、車速Vがしきい値V(0)以下の騒音レベルが低い状態である場合には、開閉周期として第3周期を選択するものとして説明したが、車両10の室内の騒音レベルが低い状態であっても、尿素水添加弁37の温度が高い場合には、尿素水添加弁37の温度が低い場合よりも開閉時間および開閉周期の各々が短くなるように開弁時間および開閉周期を設定してもよい。
以下、図5を参照して、この変形例における制御装置100で実行される制御処理について説明する。図5は、変形例において、制御装置100で実行される制御処理を示すフローチャートである。なお、図5に示すフローチャートにおいて、図3に示すフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付与しており、以下に説明する場合を除き、同様の処理が行なわれる。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
S104にて、車速Vがしきい値V(0)以下であると判定される場合(S104にてYES)、処理はS200に移される。
S200にて、制御装置100は、尿素水添加弁37の温度と同様と推定されるSCR触媒38の触媒温度Tcがしきい値Tc(0)以下であるか否かを判定する。触媒温度Tcがしきい値Tc(0)以下であると判定される場合(S200にてYES)、処理はS106に移される。
触媒温度Tcがしきい値Tc(0)よりも高いと判定される場合(S200にてNO)、処理はS114に移される。
このようにすると、騒音レベルが低い状態であっても、触媒温度Tcが高い場合には、触媒温度Tcが低い場合よりも開弁時間および開閉周期の各々が短くなるようにすることによって、尿素水添加弁37から尿素水が添加される頻度が増えるため尿素水添加弁37の温度が上昇することを抑制することができる。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車両、20 貯留タンク、26 エンジン、30 排気処理装置、34 PM除去フィルタ、36 排気管、37 尿素水添加弁、38 SCR触媒、100 制御装置、102 Gセンサ、104 車速センサ、106 レベルセンサ、108 アクセル開度センサ、110 エアフローメータ、112 触媒温度センサ、114 エンジン回転数センサ、116 排気温度センサ。
Claims (5)
- 車両に搭載されるエンジンの排気処理装置であって、
尿素水を用いて排気に含まれる窒素酸化物を浄化する触媒と、
前記触媒に前記尿素水を添加する添加弁と、
前記添加弁の開弁時間と開閉周期とを設定し、設定された前記開弁時間と前記開閉周期とに従って前記添加弁を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記車両の室内における騒音レベルが低い状態である場合には、前記騒音レベルが高い状態である場合よりも前記開弁時間および前記開閉周期の各々が長くなるように前記開弁時間および前記開閉周期を設定する、排気処理装置。 - 前記制御装置は、前記車両の速度が低い場合には、前記車両の速度が高い場合よりも前記開弁時間および前記開閉周期の各々が長くなるように前記開弁時間および前記開閉周期を設定する、請求項1に記載の排気処理装置。
- 前記制御装置は、前記エンジンの回転数が低い場合には、前記エンジンの回転数が高い場合よりも前記開弁時間および前記開閉周期の各々が長くなるように前記開弁時間および前記開閉周期を設定する、請求項1に記載の排気処理装置。
- 前記制御装置は、前記車両に搭載される補機の作動が停止している場合には、前記補機が作動している場合よりも前記開弁時間および前記開閉周期の各々が長くなるように前記開弁時間および前記開閉周期を設定する、請求項1に記載の排気処理装置。
- 前記制御装置は、前記騒音レベルが低い状態であっても、前記添加弁の温度が高い場合には、前記添加弁の温度が低い場合よりも前記開弁時間および前記開閉周期の各々が短くなるように前記開弁時間および前記開閉周期を設定する、請求項1に記載の排気処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018133894A JP2020012394A (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 排気処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018133894A JP2020012394A (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 排気処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020012394A true JP2020012394A (ja) | 2020-01-23 |
Family
ID=69168760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018133894A Pending JP2020012394A (ja) | 2018-07-17 | 2018-07-17 | 排気処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020012394A (ja) |
-
2018
- 2018-07-17 JP JP2018133894A patent/JP2020012394A/ja active Pending
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