JP2020012028A - フォトンアップコンバージョン組成物 - Google Patents

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君塚 信夫
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信夫 君塚
伸浩 楊井
Kyoichi Arimizu
伸浩 楊井
浩太 枡谷
Kota Masutani
浩太 枡谷
須藤 裕之
Hiroyuki Sudo
裕之 須藤
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Abstract

【課題】新規かつ単純な分子構造を有する発光体を含むフォトンアップコンバージョン組成物の提供。【解決手段】光を吸収して増感剤として機能する、ドナー分子と、ドナー分子からエネルギー移動を受けて発光体として機能し、かつ下記の化学式で示される、アクセプター分子と、を含む、フォトンアップコンバージョン組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、可視光から紫外光へのフォトンアップコンバージョンが可能な組成物に関する。
フォトンアップコンバージョン(UC)とは、低いエネルギーの光を高いエネルギーの光に変換する技術であり、例えば近赤外光から可視光へ、又は可視光から紫外光への変換等を可能にする革新的な技術である。
なお、紫外光とは200〜400nmの波長の光を指し、可視光とは400〜780nmの波長の光を指し、近赤外光とは波長750〜1000nmの光を言う。
近年、フォトンアップコンバージョン材料として、様々な開発がなされた。例えば、特許文献1では、所定のドナー分子及び所定のアクセプター分子を用いることで、可視光から紫外光への効率のよいフォトンアップコンバージョンを達成する組成物が開示されている。
また、特許文献2では、所定のドナー分子、所定のアクセプター分子、並びにドナー分子及びアクセプター分子を集積組織化させる特定の超分子マトリックスを含むフォトンアップコンバージョン材料が開示されている。
特開2016−056368号公報 特開2016−074898号公報
フォトンアップコンバージョンを利用することによって、様々な分野に役立てることが期待される。例えばフォトンアップコンバージョン材料と光触媒とを備える光電子デバイス等が知られている。
光触媒は、通常、TiOと樹脂材料とを併用されており、紫外光を照射することによって光触媒を機能(活性化)させることができる。しかしながら、紫外光の波長が短ければ短い程、樹脂材料の劣化が早くなる問題が知られている。したがって、フォトンアップコンバージョンを利用する際には、可視光を適切な紫外光波長に変換できる、適切なフォトンアップコンバージョン材料を選択する必要があり、特にアップコンバージョン材料における発光体の適切な選択が重要となる。
また、フォトンアップコンバージョン材料を透明樹脂に分散させて使用する場合、フォトンアップコンバージョン材料を透明溶媒中に分散させて使用する場合、又は透明樹脂又は透明溶媒中に分散されているフォトンアップコンバージョン材料を透明の樹脂容器若しくはガラス容器に封止して使用する場合も考えられる。これらの場合も、溶媒への溶解性や樹脂への分散性等を考慮して、フォトンアップコンバージョン材料を選択する必要がある。
すなわち、フォトンアップコンバージョン材料、特にアップコンバージョンの発光体の種類を増やす必要がある。
しかしながら、上記の特許文献1及び2の発明を含めて、いまだに紫外光を発光するフォトンアップコンバージョンの蛍光体の種類が少ないため、発光波長や溶媒への溶解性の選択の幅が狭い。
さらに、フォトンアップコンバージョンの発光体として、例えば上記の特許文献1に開示されている化合物は、複雑な分子構造を有しているため、合成コストがかかってしまう問題もある。よって、より単純な分子構造を有するフォトンアップコンバージョンの発光体が望まれる。
したがって、本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであり、新規なフォトンアップコンバージョン組成物、特により単純な分子構造を有する発光体を含むフォトンアップコンバージョン組成物を提供することを目的とする。
本開示の本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
光を吸収して増感剤として機能する、ドナー分子と、
前記ドナー分子からエネルギー移動を受けて発光体として機能し、かつ下記の化学式で示される、アクセプター分子と、
を含む、フォトンアップコンバージョン組成物:
新規かつ単純な分子構造を有する発光体(アクセプター分子)を含むフォトンアップコンバージョン組成物が提供される。
図1は、本開示のアクセプター分子のH−NMRスペクトルを示す図である。 図2は、本開示のアクセプター分子の吸光スペクトル及び蛍光発光スペクトルを示す図である。 図3は、本開示の組成物のフォトンアップコンバージョンの発光スペクトルを示す図である。
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、本開示は、以下の実施の形態のみには限定されない。
《フォトンアップコンバージョン組成物》
本開示のフォトンアップコンバージョン組成物は、
光を吸収して増感剤として機能する、ドナー分子と、
ドナー分子からエネルギー移動を受けて発光体として機能し、かつ下記の化学式で示される、アクセプター分子と、
を含む、フォトンアップコンバージョン組成物:
本開示のフォトンアップコンバージョン組成物によるフォトンアップコンバージョンのメカニズムは、いわゆる「TTA(triplet−triplet annihilation;三重項−三重項消滅)機構」である。すなわち、二つのドナー分子(すなわち、増感剤)の分子が光を吸収し、それぞれのドナー分子が一つのアクセプター分子(すなわち、有機蛍光分子)にエネルギーを供給する。そして、エネルギーを受け取った二つのアクセプター分子が衝突することで、一方のアクセプター分子から、他方のアクセプター分子にエネルギーが移り、そのアクセプター分子の電子は更に高いエネルギー状態へ励起され、そこから高いエネルギーの光(短波長の光)を放出することができる。
このように、本開示のフォトンアップコンバージョン組成物に含まれるドナー分子は、光を吸収して励起三重項状態となって、光を吸収して増感剤として機能することができる。また、本開示のフォトンアップコンバージョン組成物に含まれるアクセプター分子は、ドナー分子からの三重項エネルギー移動を受けて、励起一重項状態となって、発光体として機能することができる。
〈ドナー分子〉
本開示において、ドナー分子として、光を吸収して増感剤として機能するものであれば、特に限定されず、例えば下記の式で示す白金オクタエチルポルフィリン(PtOEP)のようなポルフィリン化合物であってもよい。
なお、ドナー分子としてのポルフィリン化合物の他の例は、特許文献2に列挙されたものを適宜参照することができる。
〈アクセプター分子〉
本開示において、アクセプター分子は、上述したドナー分子からエネルギー移動を受けて発光体として機能し、かつ下記の化学式で示される:
このような本開示のアクセプター分子は、インデンとチアゾール基とを含んでおり、特許文献1及び2に開示されているアクセプター分子と比べて、より簡単な共役二重結合を示している。また、このような本開示のアクセプター分子は、390nm付近において、発光波長を有することができる。
〈組成比〉
本開示の組成物において、ドナー分子とアクセプター分子とのモル比(ドナー分子:アクセプター分子)は、特に限定されず、例えば1:10〜1:100000、1:10〜1:1000、又は1:100〜1:1000の範囲内であってもよい。
〈溶媒〉
本開示の組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒として、ドナー分子及びアクセプター分子を溶解できれば、特に限定されず、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、又はクロロホルムを用いることができる。
〈形態〉
本開示の組成物をフォトンアップコンバージョンのために用いる際の形態は、特に限定されず、例えば、透明溶媒中に分散した形態であってもよく、透明樹脂中に分散した形態であってもよく、又は透明溶媒又は透明樹脂中に分散して、かつ透明な樹脂容器又はガラス容器に封止された形態であってもよい。
以下に合成例および実施例を挙げて本開示の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本開示の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、光吸収スペクトルの測定は分光光度計(日本分光社製:V−670)を用いて行い、発光スペクトルの測定は分光光度計(パーキンエルマー社製:LS55、大塚電子社製:MCPD−9800)を用いて行った。
(合成例)
下記反応式に従い、化合物(1)を合成した。
より具体的には、500mlのナスフラスコに2−インダノン5.00g(37.83mmol、1.0eq)及びフェニルトリフルイミド(TfNPh)12.84g(35.94mmol、0.95eq)を加えて、系内を窒素置換し、これに脱水テトラヒドロフラン(THF)230mlを加えた。ドライアイスバスで冷やした後にヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS、1.0M in THF、Aldrich)42ml(42.00mmol、1.1eq)を滴下ロートで30分かけて加え、ドライアイスバスにつけたまま終夜攪拌を行った。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで3回抽出して、有機層を合わせて水、brine(高濃度塩化ナトリウム水溶液)で順次洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥してろ過後に減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンのみ)によって化合物(1)を7.65g(収率77%)を得た。
下記反応式に従い、化合物(1)を用いて、化合物(2)を合成した。
より具体的には、300mlのナスフラスコに、酢酸カリウム(AcOK)4.12g(42.00mmol、2.5eq)、ビス(ピナコラト)ジボロン5.12g(20.17mmol、1.2eq)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(Pd(dppf)Cl−CHCl)686mg(0.84mmol、0.05eq)、及び化合物(1)4.44g(16.80mmol、1.0eq)を脱水ジオキサン(Dioxane)100mlに溶解したものを加えて、系内を窒素置換し、140℃で30分加熱還流させた。そして、室温まで放冷後、減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンのみからヘキサン:酢酸エチル=50:1)によって、化合物(2)を3.24g(収率80%)得た。
下記反応式に従い、化合物(2)を用いて、化合物(3)、すなわち本開示のアクセプター分子を合成した。
より具体的には、50mlのナスフラスコにボロン酸エステル(化合物(2))1.00g(4.13mmol、1.5eq)、2−ブロモチアゾ−ル451mg(2.75mmol、1.0eq)を脱水ジオキサン20mlに溶解し、リン酸三カリウム(KPO)1.17g(5.51mmol、2.0eq)水溶液5ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)318mg(0.275mmol、0.1eq)を加えて、系内を窒素置換し、140℃で10分加熱還流させた。そして、室温で放置し、沈殿が生じた。生じた沈殿をろ取して、水:ジオキサン=1:1で洗浄して、ろ液を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせて、水、brineで順次洗浄した。その後、硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過後に減圧濃縮して、分取薄層クロマトグラフィーで3回精製を行い(1回目:ヘキサン:酢酸エチル=4:1;2回目:ヘキサン:酢酸エチル=9:1;3回目:クロロホルム:ヘキサン=3:1)、化合物(3)、すなわち本開示のアクセプター分子を薄い黄色の固体として200.13mg(収率24%)得た。
(本開示のアクセプター分子の同定)
得られた本開示のアクセプター分子に対して、H−NMR測定(300MHz、溶媒CDCl)及び元素分析を行い、同定した。なお、分析の結果は、図1及び下記表1に示し、元素分析の結果は下記表2に示す。
(本開示のアクセプター分子の光物性評価)
得られた本開示のアクセプター分子の光学特性を評価するために、10μMのDMF溶媒中にて吸光測定(Abs)及び蛍光発光測定(PL)を行い、その結果は図2に示す。
(フォトンアップコンバージョンの評価)
DMF溶媒中に、本開示のアクセプター分子10mM及びドナー分子PtOEP10μMを含む本開示の組成物に対して、532nmのレーザーで、異なる励起パワー密度を用いて、フォトンアップコンバージョンの発光スペクトルを測定した。その結果は図3に示す。なお、ドナー分子PtOEPの構造式は、下記式のとおりである。
図3に示されているように、本開示の組成物が紫外光域(390nm付近)において、フォトンアップコンバージョンの発光スペクトルが観測された。
(フォトンアップコンバージョンの発光量子収率)
相対法によって、本開示の組成物のフォトンアップコンバージョンの発光量子収率を求めた。ここで相対法とは、量子収率が既知の蛍光色素(スタンダード)が各励起光強度に対してどの程度の発光強度を示すのかをもとに、TTA−UCの発光強度からTTA−UCの量子収率を逆算する方法であり、下記の式1を用いる。
また、スタンダードとして、ローダミンBを用いた。
その結果、本開示の組成物について、アップコンバージョン量子収率を相対法により求めたところ、0.16%であった。

Claims (1)

  1. 光を吸収して増感剤として機能する、ドナー分子と、
    前記ドナー分子からエネルギー移動を受けて発光体として機能し、かつ下記の化学式で示される、アクセプター分子と、
    を含む、フォトンアップコンバージョン組成物:
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