JP2020011839A - ブレード取り付け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレードの安定性を保持しながらハブに取り付けることができるブレード取り付け装置を提供する。【解決手段】ハブ2を回転自在に支持するナセル3をタワー4の頂部に取り付けた後に、クレーン5を使用してブレード6をハブ2に取り付けるブレード取り付け工程で使用するブレード取り付け装置1であって、タワー4に沿って昇降するガイド部10と、ブレード6を吊り下げる吊り具7とガイド部10とを接続する索体30とを具備し、索体30は、吊り具7とガイド部10との間の最大長が制限され、吊り具7とガイド部10との間の長さを前記最大長以下で制御可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電設備の構築に際し、タワーの頂部に位置するハブにブレードを取り付けるブレード取り付け装置に関する。
風力発電設備の構築には、ハブを回転自在に支持するナセルをタワーの頂部に取り付けた後に、ブレードをハブに取り付けるブレード取り付け工程が存在する(特許文献1参照)。風力発電設備は、風の日が多く、且つ風の強い場所に構築されるため、ブレード取り付け工程では、風の影響を考慮する必要がある。
特開2008−128253号公報
特に、洋上に設定される洋上風力発電設備では、厳しい海象・気象条件下でブレード取り付け工程しなければならず、ブレードの姿勢は不安定となりやすい。そのため、ブレード取り付け工程において、ブレードの姿勢を適正に維持した状態で吊り上げてハブに近づけることは困難であった。クレーン船としてSEP(自己昇降式)台船を使用すれば少なくとも台船の揺れが抑えられるが、狭隘なSEP船上で介錯を行う必要があるため、ブレードの姿勢制御が難しかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、ブレードの安定性を保持しながらハブに取り付けることができるブレード取り付け装置を提供することにある。
本発明のブレード取り付け装置は、ハブを回転自在に支持するナセルをタワーの頂部に取り付けた後に、クレーンを使用してブレードをハブに取り付けるブレード取り付け工程で使用するブレード取り付け装置であって、前記タワーに沿って昇降するガイド部と、前記ブレードを吊り下げる吊り具と前記ガイド部とを接続する索体と、を具備し、前記索体は、前記吊り具と前記ガイド部との間の最大長が制限され、前記吊り具と前記ガイド部との間の長さを前記最大長以下で制御可能に構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明のブレード取り付け装置において、前記ガイド部は、前記タワーの周面を囲む枠体と、前記タワーの周面に当接して前記枠体の前記タワーに沿った昇降を案内する複数の当接ローラーとを備えていても良い。
さらに、本発明のブレード取り付け装置において、前記ガイド部は、前記当接ローラーを前記タワーの周面に押圧する押圧機構を備えていても良い。
さらに、本発明のブレード取り付け装置において、前記ガイド部は、複数の前記当接ローラーを接続して前記タワーの周面を囲むリング部を備えていても良い。
さらに、本発明のブレード取り付け装置において、前記リング部の最大径を設定するリング径調整部材を備えていても良い。
本発明によれば、ガイド部はブレード上昇と共に引き上げられ、吊り具−ガイド部間の索体の長さを制御することで、取付け時の微調整を安全に行うことができるため、ブレードの安定性を保持しながらハブに取り付けることができるという効果を奏する。
本発明に係るブレード取り付け装置の実施形態の構成を示す概略図である。 図1に示すガイド部の構成を示す斜視図である。 図2に示すローラー支持部の構成を示す斜視図である。 図1に示すブレード取り付け装置の動作を説明する説明図である。 本発明に係るブレード取り付け装置の実施形態の他の構成例を示す概略図である。 図5に示すガイドレールとしてH鋼を使用した場合の構成例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施形態のブレード取り付け装置1は、図1を参照すると、ハブ2を回転自在に支持するナセル3をタワー4の頂部に取り付けた後に、クレーン5を使用してブレード6をハブ2に取り付けるブレード取り付け工程で使用する装置であり、タワー4に沿って昇降するガイド部10と、ブレード6を吊り下げる吊り具7にガイド部10を介して接続された索体30とを備えている。
ガイド部10は、図2を参照すると、正方形の枠体11と、枠体11の4隅にそれぞれ取り付けられた当接ローラー12と、枠体11の一辺の両端にそれぞれ取り付けられた転向ローラー13とを備えている。
枠体11は、タワー4の周面を囲むように設置して使用する。そのため、枠体11は、接続部14によって4つに分割可能に構成されている。分割した状態の枠体11を、タワー4の周面を囲むように配置し、図示しない締結具(例えば、ボルト・ナット)によって接続部14を締結する。これにより、枠体11がタワー4の周面を囲んで設置される。
当接ローラー12は、タワー4の周面に当接して枠体11のタワー4に沿った昇降を案内する案内手段である。当接ローラー12は、ローラー支持部20によって枠体11の4隅にそれぞれ取り付けられている。ローラー支持部20は、当接ローラー12を回転軸がタワー4の軸方向に対して垂直になるように回転可能に支持する。そして、ローラー支持部20は、当接ローラー12の取付け位置を、図2に矢印で示す対角方向で変更可能に構成され、異なる径のタワー4に対応することができるようになっている。
以下、枠体11の各辺が、鉛直軸と直交する方向に設置されているものとし、図3を参照として、ローラー支持部20の構成を説明する。
ローラー支持部20は、図3を参照すると、当接ローラー12を回転可能に支持する本体部21と、一端が本体部21に取り付けられた2本のネジシャフト22と、タワー4の周面を囲むリング部を本体部21と共に形成するアーム部23と、タワー4の周面を囲むリング部の径を調整するリング径調整部材24とを備えている。
本体部21において、2本のネジシャフト22は、当接ローラー12の支持面とは反対側に、当接ローラー12の回転軸方向に間隔をおいて配置されている。そして、枠体11の隅部には、ブレース部材11aが斜めに架け渡され、ブレース部材11aには、枠体11の対角方向にネジシャフト22が貫通可能な開口が、鉛直軸と直交する方向に間隔をおいて2か所形成されている。これにより、ナットを用いて2本のネジシャフト22をブレース部材11aに固定することで、当接ローラー12は、回転軸が鉛直軸、すなわちタワー4の軸方向に対して垂直になるように回転支持される。
また、ネジシャフト22と本体部21とは、鉛直軸と平行な回動軸25で回動可能に取り付けられている。これにより、2本のネジシャフト22の固定位置に応じて、当接ローラー12の鉛直軸周りの向きを微調整することができる。
ネジシャフト22は、外周にネジ溝が形成された中空のアウターシャフト22aと、アウターシャフト22aに嵌合されたインナーシャフト22bとからなり、アウターシャフト22aが枠体11のブレース部材11aに固定され、インナーシャフト22bが本体部21に固定されている。そして、アウターシャフト22aの中空部には、インナーシャフト22bを伸長方向に付勢するばねが内蔵されている。アウターシャフト22aの中空部に内蔵されたばねは、当接ローラー12をタワー4の周面に押圧する押圧機構として機能する。
アーム部23は、一端が鉛直軸と平行な回動軸26で回動可能に支持され、左側に隣接するローラー支持部20に向けて延出する板状部材である。リング径調整部材24は、一端が鉛直軸と平行な回動軸27で回動可能に支持され、右側に隣接するローラー支持部20に向けて延出する棒状部材である。アーム部23の解放端には、屈曲部23aが設けられ、屈曲部23aには、左側に隣接するローラー支持部20から延出されたリング径調整部材24が貫通する開口が形成されている。そして、リング径調整部材24には、図示しないネジ溝が形成されており、屈曲部23aの開口を貫通したリング径調整部材24の解放端側からナットが螺合されている。これにより、アーム部23と本体部21によって
複数の当接ローラー12を接続してタワー4の周面を囲むリング部が形成される。そして、そして、ナットの螺合位置に応じて、本体部21とアーム部23とで形成されるリング部の最大径が設定される。
索体30は、例えば、ナイロン等の樹脂製のロープで構成され、図1に示すよう、一端が吊り具7に接続され、ガイド部10の転向ローラー13によって下方に転向された他端が巻き取り装置であるウインチ40に接続されている。なお、索体30としてチェーンやワイヤーを使用することもできるが、タワー4やブレード6への影響(傷や汚れ)を鑑みると、樹脂製のロープで構成することが望ましい。
索体30には、ガイド部10(転向ローラー13)と吊り具7との間の最大長を制限するストッパ31が取付けられている。従って、図1に矢印で示すように、クレーン5によって吊り具7に吊り下げられたブレード6を上昇させると、索体30によってガイド部10も引き上げられ、タワー4に沿って上昇する。この際、当接ローラー12によりタワー4から反力を取れるため、吊り具7に吊り下げられたブレード6の荷振れや回転を防ぐことができる。なお、本実施形態において、吊り具7は、吊上げフレーム71と、吊上げフレーム71に架け渡され、ブレード6を支持するベルト72とで構成され、索体30は、ベルト72のブレード6に接する箇所に接続されている。
また、ガイド部10の上昇に伴って、ウインチ40から巻き出す必要がある。この索体30の巻出しは、人手で行っても良く、ウインチ40とガイド部10との間で索体30のテンションを計測し、計測したテンションに応じて自動制御で行っても良い。
索体30は、ウインチ40の巻き取りによって、吊り具7とガイド部10との間の長さを最大長以下で制御可能である。そこで、ブレード6を所定の高さまで上昇させた後は、図4に矢印で示すように、ウインチ40によって索体30を巻き取る。これにより、索体30は、吊り下げられたブレード6の動きを制御する介錯ロープとして機能し、ブレード6をハブ2に向けて引き込むことができる。索体30を巻き取るスピードは、任意に調整することができるため、取付け時の微調整を安全に行うことができる。
なお、ウインチ40をガイド部10に取り付け、遠隔で操作するようにしても良い。この場合、ブレード6の上昇時にはウインチ40を停止(巻出しも巻き取りを行わない状態)させ、ブレード6を所定の高さまで上昇させた後に、ウインチ40を動作させて巻き取りを行うと良い。また、ウインチ40を取り付ける位置によっては、転向ローラー13を省略して、索体30をウインチ40から吊り具7に直接接続しても良い。
また、本実施形態では、タワー4自体をガイドとして使用したが、図5に示すように、タワー4に沿ってガイドレール50を立設させ、タワー4の代わりにガイドレール50をガイドとして使用するようにしても良い。
ガイドレール50としてH鋼を使用した場合、図6(a)に示すように、4以上の当接ローラー12aを設け、H鋼におけるフランジに左右・表裏からそれぞれ当接させるように構成すると、ガイド部10をガイドレール50に沿って確実に昇降させることができる。
この場合、左右の当接ローラー12aを鉛直軸と平行な回動軸28で連結された本体部21a、21bにそれぞれ支持するように構成すると良い。本体部21aと本体部21bとを回動軸28によって回動可能に構成することで、図6(b)に示すように、左右の当接ローラー12aの間隔を拡げることで、ガイドレール50への装着を容易に行うことができる。なお、回動軸25もしくは回動軸28には、遊びが設けられている。これにより、2本のネジシャフト22の間隔を変更することなく、本体部21aと本体部21bとを回動させることができる。
以上説明したように、本実施形態は、ハブ2を回転自在に支持するナセル3をタワー4の頂部に取り付けた後に、クレーン5を使用してブレード6をハブ2に取り付けるブレード取り付け工程で使用するブレード取り付け装置1であって、タワー4に沿って昇降するガイド部10と、ブレード6を吊り下げる吊り具7とガイド部10とを接続する索体30とを具備し、索体30は、吊り具7とガイド部10との間の最大長が制限され、吊り具7とガイド部10との間の長さを前記最大長以下で制御可能に構成されている。
この構成により、ガイド部10はブレード6の上昇と共に引き上げられ、吊り具7−ガイド部10間の索体30の長さを制御することで、取付け時の微調整を安全に行うことができるため、ブレード6の安定性を保持しながらハブ2に取り付けることができる。また、ブレード6の取り付け位置を確定でき、工程短縮につながる。さらに、索体30を介錯ロープとして機能させることができたため、風が強く吹く上空でもブレード6の荷ぶれを防ぐことができる。
さらに、本実施形態において、タワー4の周面に当接して枠体11の前記タワーに沿った昇降を案内する複数の当接ローラー12とを具備する。
この構成により、タワー4から反力をとることで、ブレード6の荷振れや回転を効果的に防止することができる。
さらに、本実施形態において、ガイド部10は、当接ローラー12をタワー4の周面に押圧する押圧機構を備えている。
この構成により、当接ローラー12がタワー4の周面に当接した状態で、ガイド部10をタワー4に沿ってスムーズに昇降させることができる。また、上下で径が異なるタワー4に対応することができる。
さらに、本実施形態において、ガイド部10は、複数の当接ローラー12を接続してタワー4の周面を囲むリング部(本体部21、アーム部23)を具備する。
この構成により、複数の当接ローラー12の相対位置を確定させることができ、ガイド部10の昇降を安定化させることができる。
さらに、本実施形態において、リング部の最大径を設定するリング径調整部材24を具備する。
この構成により、タワー4の径に応じて当接ローラー12の位置を調整することができる。
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 ブレード取り付け装置
2 ハブ
3 ナセル
4 タワー
5 クレーン
6 ブレード
7 吊り具
10 ガイド部
11 枠体
11a ブレース部材
12、12a、12a 当接ローラー
13 転向ローラー
14 接続部
20 ローラー支持部
21、21a、21b 本体部
22 ネジシャフト
22a アウターシャフト
22b インナーシャフト
23 アーム部
23a 屈曲部
24 リング径調整部材
25、26、27、28 回動軸
30 索体
31 ストッパ
40 ウインチ
50 ガイドレール
71 吊上げフレーム
72 ベルト

Claims (5)

  1. ハブを回転自在に支持するナセルをタワーの頂部に取り付けた後に、クレーンを使用してブレードをハブに取り付けるブレード取り付け工程で使用するブレード取り付け装置であって、
    前記タワーに沿って昇降するガイド部と、
    前記ブレードを吊り下げる吊り具と前記ガイド部とを接続する索体と、を具備し、
    前記索体は、前記吊り具と前記ガイド部との間の最大長が制限され、前記吊り具と前記ガイド部との間の長さを前記最大長以下で制御可能に構成されていることを特徴とするブレード取り付け装置。
  2. 前記ガイド部は、前記タワーの周面を囲む枠体と、
    前記タワーの周面に当接して前記枠体の前記タワーに沿った昇降を案内する複数の当接ローラーと、を具備することを特徴とする請求項1記載のブレード取り付け装置。
  3. 前記ガイド部は、前記当接ローラーを前記タワーの周面に押圧する押圧機構を備えていることを特徴とする請求項2記載のブレード取り付け装置。
  4. 前記ガイド部は、複数の前記当接ローラーを接続して前記タワーの周面を囲むリング部を具備することを特徴とする請求項2又は3記載のブレード取り付け装置。
  5. 前記リング部の最大径を設定するリング径調整部材を具備することを特徴とする請求項4記載のブレード取り付け装置。
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