JP2020011368A - 段ボールシート用抜き型および段ボールシート向け打ち抜き方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなヒゲ状切り屑は、異物であり、特に、内部に食品を収納する段ボール箱にとって、衛生管理上、その除去は必須であり、箱組み立て前の複数の打ち抜きブランクが積層された状態で、積層物の外周面に露出したヒゲ状切り屑を手作業あるいは吸引機により除去することが行われたが、この作業は、手間を要する作業であった。特に、打ち抜かれた打ち抜きブランクは、積層された状態で束ねられて、納品されるのが通常であるところ、積層物の外周面に露出したヒゲ状切り屑は積層状態で除去可能であるが、スリットを構成する切断端面は、打ち抜きブランクの内部に位置することから、積層状態で除去するのは困難である。
このような作業を省略する異物除去技術が提案されている。
このような紙粉除去装置によれば、コンパクトで効率よく紙粉を除去できる安価な紙粉除去装置を提供することが可能である。
切断用加工刃物は、シート材を切断してスリットを形成するための刃である第1切断刃から刃物本体の外方に突出して設けられる第2切断刃を複数備えるように構成しているため、第2切断刃がシート材の下方側から上方側に抜ける際に、第2切断刃が、切断端面に形成される細いひげ状の切断屑と、切断端面との間に進入して切断屑を切り落とすことが可能となる。これにより、スリット加工後のシート材にひげ状の切断屑が残存してしまうことを防止して、打ち抜きブランク等のシート材を切断した際に形成される切断面を綺麗な状態とすることができる。
すなわち、手作業によりひげ状の切断屑を除去する場合に比べれば、機械的にひげ状の切断屑を除去することは可能であるが、別途、ひげ状の切断屑を除去するための機械設備が必要であり、コスト高となるとともに、特許文献1および特許文献2においては、ひげ状切断屑の除去工程が、いったん、打ち抜きブランクを打ち抜いた後に行われることから、ひげ状の切断屑の効率的な除去は困難である。
この点、特許文献3においては、打ち抜きブランクを打ち抜くと同時にひげ状切断屑の切断が行われるが、打ち抜きブランクの外周面から内方に形成される細長スリットに発生するひげ状切断屑を切断するに過ぎず、打ち抜きブランクの外周切断端面に生じるひげ状切断屑を切断するものでない。
また、特許文献4においては、図5に示すように、打ち抜き対象物が開口を有する薄板であり、開口に相当する抜き型に設けた排出開口から、開口に相当する平面状切りカスを2分割して排出可能なように、排出開口に跨るカス分割用補助刃を設けるに過ぎず、段ボールの中芯に発生するひげ状切断屑を切断するものでない。
おもて面ライナーと、裏面ライナーと、両ライナーの間に介在し、両ライナーと段頂部を介して貼り合わされる波形形状の中芯とを有する段ボールシートから打ち抜きブランクを打ち抜くのに用いられる、段ボールシート用抜き型であって、
一方の表面に、打ち抜きブランクの外周縁に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物が設けられ、ブランク打ち抜き用刃物の刃は、打ち抜きブランクを打ち抜き可能なように、段ボールシートの厚みに応じて、該一方の表面から第1所定高さに亘って突出し、
さらに、前記ブランク打ち抜き用刃物により形成される打ち抜きブランクの切断端面の中芯に生じ得るヒゲ状切り屑を切断可能なように、前記枠状の少なくとも一辺において、該一辺から前記枠状の内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物を該一辺の延びる方向に互いに所定間隔を隔てて複数有し、各ヒゲ状切り屑切断用刃物の刃は、内方側先端部が自由端であり、段ボールシートの厚みに応じて、該一方の表面から第2所定高さに亘って突出する、構成としている。
さらにまた、枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物の全体に亘って刃先周縁部が高さ方向にそろっているのがよい。
さらにまた、前記所定間隔は、前記枠の少なくとも一辺の長さの1/4ないし1/2であるのがよい。
また、前記枠の少なくとも一辺から内方に向かって延びる長さは、中芯の波形の半波長以下であるのがよい。
さらに、前記枠の少なくとも一辺から内方に向かって延びる長さは、1ミリないし10ミリであるのがよい。
さらに、前記ヒゲ状切り屑切断用刃物は、中芯とともに、おもて面ライナーおよび裏面ライナーのうちいずれかのみを切断可能な第2所定高さを有するのがよい。
また、前記ヒゲ状切り屑切断用刃物は、前記枠の少なくとも一辺に対して直交するように設けられるのがよい。
一方の表面に、打ち抜きブランクの外周縁に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物が設けられ、前記枠の少なくとも一辺において、該一辺から内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物が設けられた段ボールシート用抜き型を準備する段階と、
前記枠の少なくとも一辺が段ボールシートの中芯の波形部の延び方向と交差する向きとなるように、段ボールシートを位置決めする段階と、
段ボールシート用抜き型のブランク打ち抜き用刃物およびヒゲ状切り屑切断用刃物を段ボールシートに対して押圧することにより、段ボールシートから打ち抜きブランクを打ち抜くとともに、打ち抜きの際、ブランク打ち抜き用刃物による切断端面に発生するヒゲ状切り屑を切断し、打ち抜きブランクから分離する段階とを有する、構成としている。
また、刃長および/または所定高さの異なる複数のヒゲ状切り屑切断用刃物を準備する段階と、段ボールシートのフルートタイプに応じて、複数のヒゲ状切り屑切断用刃物からヒゲ状切り屑切断に用いるヒゲ状切り屑切断用刃物を選択する段階とをさらに有する、のがよい。
前記段ボールシート用抜き型の段ボールシートに対する1回の押圧により、複数の打ち抜きブランクを同時に打ち抜くとともに、各打ち抜きブランクにおいて、打ち抜きの際発生するヒゲ状切り屑を切断し、打ち抜きブランクから分離する段階を有するのがよい。
さらにまた、一方の表面に、打ち抜きブランクの外周縁に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物が設けられ、前記枠の少なくとも一辺において、該一辺から内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物が設けられた段ボールシート用抜き型を準備する段階と、
前記枠の少なくとも一辺が段ボールシートの中芯の波形部の延び方向と交差する向きとなるように、段ボールシートを位置決めする段階と、
段ボールシート用抜き型のブランク打ち抜き用刃物およびヒゲ状切り屑切断用刃物を段ボールシートに対して押圧することにより、段ボールシートから打ち抜きブランクを打ち抜くとともに、打ち抜きの際、ブランク打ち抜き用刃物による切断端面に発生するヒゲ状切り屑を切断し、打ち抜きブランクから分離する段階と
ヒゲ状切り屑が切断された打ち抜きブランクを段ボールシートから取り出す段階と、
を有する、構成としている。
図1に示すように、打ち抜きシステム10は、段ボールシートSを給紙する給紙装置(図示せず)と、給紙装置により給紙される段ボールシートSを挟んで上下に配置される打ち抜き装置14とを有する。
以下では、打ち抜きシステム10により打ち抜かれる対象である段ボールを段ボールシートS、打ち抜きシステム10により打ち抜かれた製品である段ボールを打ち抜きブランクSSと称し、段ボールシートSの中芯Nの波形の延びる方向とは、図1に示すような向きXを意味するものとする。
給紙装置は、たとえば、段ボールシートSを下プレート13の上面に位置決めする従来既知の装置であり、後に説明する段ボールシート用抜き型16の複数のヒゲ状切り屑切断用刃物26が設置される向きに対して、段ボールシートSの中芯Nの波形の延びる方向Xと直交する向きが一致するように位置決めするように構成している。
打ち抜き装置14は、鋼板からなる下プレート13と、下プレート13の上側に対向配置された上プレート11を有し、後に説明する段ボールシート用抜き型16を打ち抜き用の刃を下向きにして水平に固定した状態で、下プレート13の上面に位置決めされた段ボールシートSを控え位置P1と抜き位置P2との間で上下方向に往復運動をする既知の装置である。下プレート13と上プレート11は、垂直方向に相対的に移動自在とされている。実施の形態では、上プレート11を固定し、下プレート13を昇降自在としているが、上プレート11を昇降自在とし、下プレート13を固定としてもよく、あるいは、下プレート13と上プレート11の双方を相反する方向に昇降動するよう昇降自在としてもよい。
このような構成により、給紙装置により下プレート13の上面に位置決めされた段ボールシートSを控え位置P1から抜き位置P2に移動させることにより、ブランク打ち抜き用刃物(後に説明)が、段ボールシートSのおもて面S1、中芯Nおよび裏面S2をシートの厚み方向に貫通するようにしている。
段ボールは、JIS Z 1516において、フルートの種類と段山数が規定されている。Aフルートは、段山数= 34±2山/30cm、Bフルートは、段山数=50±2山/30cm、Cフルートは、段山数=40±2山/30cmである。段ボールの段高は、JISには規定されていないが、打ち抜きブランクSSの厚さに直接影響する特性であり、段ボールを購入したユーザー等が、自動製函機にて、内容物を箱詰・封緘する場合に、シート厚さに合わせて自動製函機の厚さ間隙等を設定する必要等があるため、きわめて重要な特性であり、実取引上は、A フルートの段高=4.5〜4.8mm 、Bフルートの段高= 2 .5〜2 .8mmで生産され、取引されている。
本発明が適用可能な段ボール製品(打ち抜きブランクSS)は、後に説明するブランク打ち抜き用刃物20およびヒゲ状切り屑切断用刃物26の段ボールシート用抜き型16の一方の表面22からの高さを適宜に選択する限り、いずれのフルートタイプの両面打ち抜きブランクSSでもよく、片側にのみライナーを設けた片面打ち抜きブランクSSでもよい。また、中芯Nについても、同様に、後に説明するブランク打ち抜き用刃物20およびヒゲ状切り屑切断用刃物26の高さを適宜に選択する限り、シングルフルートでもダブルフルートでもよい。
より詳細には、一方の表面22には、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の外周縁18に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物20が設けられ、ブランク打ち抜き用刃物20の刃は、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の厚みに応じて、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を打ち抜き可能なように、一方の表面22から所定高さhに亘って突出している。
ブランク打ち抜き用刃物20は、先端が尖端を形成するV字断面状で、例えば、鋳鉄、ステンレスや鉄、工具鋼等の金属材料により形成されている。
枠の隅部には、L字状のコーナー刃を設け、枠の各辺には、薄板状の直線刃を配置したり、複数の薄板状の直線刃を配置したりすることにより、全体として枠状のブランク打ち抜き用刃物20として構成してもよく、単一の薄板状の直線刃を枠状に成形することにより、ブランク打ち抜き用刃物20として構成してもよい。
ヒゲ状切り屑切断用刃物26は、ブランク打ち抜き用刃物20と同様に金属製であり、1組の対向辺44A、44Bそれぞれに対して直交するように設けられる。1組の対向辺に対する角度は、直交するのが好ましいが、それに限定されることなく、ブランク打ち抜き用刃物20による切断端面に発生し得る中芯N由来のヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、1組の対向辺に沿う方向を除き、任意の角度でよい。
図1に示すように、ヒゲ状切り屑切断用刃物26は、ブランク打ち抜き用刃物20のV字断面の一方の傾斜面に合致する形状の端面90を有し、ブランク打ち抜き用刃物20の刃先から連続して途切れなく延びている。
この場合、1組の対向辺44A、44Bから途切れなく枠の内方に向かって延びる必要はなく、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の切断端面に生じるヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、適宜、1組の対向辺44A、44Bと間隔を隔ててもよい。すなわち、ヒゲ状切り屑切断用刃物26が打ち抜きの際、ヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、たとえば、ブランク打ち抜き用刃物20が平面視で波形をなす場合は、1組の対向辺44A、44Bに沿って配置されるブランク打ち抜き用刃物20の刃と、ヒゲ状切り屑切断用刃物26との間に隙間があってもよい。ヒゲ状切り屑切断用刃物26の設置向きが切断端面に沿う方向では、ヒゲ状切り屑切断用刃物26によりヒゲ状切り屑Gを切断することができないが、ブランク打ち抜き用刃物20の刃と、ヒゲ状切り屑切断用刃物26との間の隙間は、切断端面に発生し得る中芯N由来のヒゲ状切り屑Gの想定し得る発生個所、屑の長さの観点から、適宜定めればよい。
所定間隔について、打ち抜きの際、発生が想定されるヒゲ状切り屑Gを同時に切断することにより、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)から分離可能な観点から定めればよいが、給紙装置により給紙される段ボール製品(打ち抜きブランクSS)に対する段ボールシート用抜き型16の位置次第で、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の外形を構成する外周縁の切断端面に中芯N由来のヒゲ状切り屑Gが発生したり、しなかったりする点、また、ある切断端面にはヒゲ状切り屑Gが発生するとしても、中芯Nの山部分と谷部分との中間部分が略Z字状に潰された状態で切断されることになり、切断線が中芯Nの波形方向に平行ではなく複数の山部分や谷部分を斜めに横切ることがあり、その程度によって、発生するヒゲ状切り屑Gの長さが定まることから、このような事態を想定したうえで、所定間隔および刃長lに相当する1組の対向辺44A、44Bから枠の内方に向かって延びる長さを定めるのが好ましい。
たとえば、所定間隔は、1組の対向辺44A、44Bの長さの1/4ないし1/2であり、具体的には、10ミリないし300ミリが好ましい。
1組の対向辺44A、44Bから枠の内方に向かって延びる長さは、中芯Nの波形の半波長以下であるのが好ましく、たとえば、1ミリないし10ミリが好ましい。
図4に示すように、変形例として、ヒゲ状切り屑切断用刃物26は、矩形状底面28を有するブロック状基部30と、ブロック状基部30の上面32から上方に突出する刃本体部34とを有し、刃本体部34は、刃厚wに対して刃長lが大きい細長薄板状であり、一方の表面22には、矩形状底面28をはめ込み固定または圧入固定可能な開口36が設けられる。これにより、ブランク打ち抜き用刃物20に比べて、打ち抜きの際の受圧面積の小さいヒゲ状切り屑切断用刃物26を段ボールシート用抜き型16の一方の表面22に強固に固定することが可能である。
図5に示すように、別の変形例として、ヒゲ状切り屑切断用刃物26は、先端に向かって縮径する截頭円錐形状ブロック状基部37と、円錐形状ブロック状基部37の上面から上方に突出する刃本体部34とを有し、刃本体部34は、刃厚wに対して刃長lが大きい細長薄板状であり、一方の表面22には、截頭円錐形状ブロック状基部37の円形底面39をはめ込み固定または圧入固定可能な円形開口が設けられるのでもよい。
なお、段ボールシート用抜き型16の枠の1組の対向辺44A、44Bが、段ボールシートSの中芯Nの波形部の延び方向と直交する方向となるように、段ボールシートSを段ボールシート用抜き型16に対して位置決めする。ちなみに、段ボールシートSの中芯Nの波形部の延び方向と直交する方向には、中芯Nの波形形状は露出しない。ちなみに、ブロック状基部30および截頭円錐形状ブロック状基部37は、打ち抜きの際、刃本体部34が保護される限り、中実でも中空でもよい。
この場合、図7に示すように、中芯Nの波形の延び方向に対する打ち抜き角度Θは、0°である必要はなく、ブランク打ち抜き用刃物20による切断端面に発生し得る中芯N由来のヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、傾斜してもよく、たとえば、0°ないし10°が許容範囲である。
また、一方の表面22には、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を段ボール箱に組み立てる際の折り目として利用するのに、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)に罫線を付与するポンチまたは凸状体(図示せず)が適宜の位置に、適宜の数設けられる。
まず、段ボールシート用抜き型16の一方の表面22に、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の外周縁18に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物20を設けるとともに、1組の対向辺44A、44Bにおいて、1組の対向辺44A、44Bそれぞれから枠の内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物26を設け、たとえば、一方の表面22の枠状溝25に圧入固定する。
次いで、1組の対向辺44A、44Bが段ボールシートSの中芯Nの波形部の延び方向と直交する方向の向きとなるように、給紙装置により段ボールシートSを段ボールシート用抜き型16に対して位置決めする。なお、中芯Nの波形の延び方向に対する打ち抜き角度Θ は、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の少なくとも一辺の切断端面に生じるヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、直交する方向の向きでなくてもよく、0°ないし10°の範囲が好ましい。
これにより、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の打ち抜きの際、ヒゲ状切り屑切断用刃物26により、打ち抜き切断端面の中芯Nにヒゲ状切り屑Gが発生する場合でも、打ち抜きと同時にヒゲ状切り屑Gを切断し、以て、打ち抜かれる段ボール製品(打ち抜きブランクSS)から分離除去することが可能である。
次いで、段ボールシート用抜き型16のブランク打ち抜き用刃物20およびヒゲ状切り屑切断用刃物26を段ボールシートSに対して押圧することにより、段ボールシートSから段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を打ち抜くとともに、打ち抜きの際発生するヒゲ状切り屑Gを切断し、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)から分離除去する。
図8に示すように、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の外周縁18、すなわち、枠の一組の対向辺44A、44Bに対応する一組の対向辺52A、52Bには、ヒゲ状切り屑切断用刃物26により切り込みCが形成されている一方、枠の一組の対向辺46A、46Bに対応する別の一組の対向辺54A、54Bには、切り込みCが形成されていない。
たとえば、同じ外形の段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を打ち抜く場合には、枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物20としては、同じ配置構成で採用するとしても、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)が片面打ち抜きブランクSSか両面打ち抜きブランクSSか、あるいは、同じタイプの打ち抜きブランクSSであってもフルートタイプが異なる場合には、それに応じて、ヒゲ状切り屑切断用刃物26のタイプおよび/または配置を選択するのがよい。
よって、複数の段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を積層して束ねた状態で納品するのが通常であるところ、積層した複数の段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の周側面なら積層後にヒゲ状切り屑Gを除去可能であるが、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の内部に及ぶ細長スリット42に発生するヒゲ状切り屑Gは積層後に除去困難であるところ、いずれのヒゲ状切り屑Gも段ボール製品(打ち抜きブランクSS)と一体のまま発生させることなく、別途、ヒゲ状切り屑Gの除去作業を省略することが可能である。
なお、打ち抜きブランクSSは、それを組み立てることにより段ボール箱としての製品となる場合もあり、たとえば、段ボール箱内に収納される中敷きの場合は、打ち抜きブランクSS自体がそのまま製品となるのであり、この意味において、以上説明した段ボールシート向け打ち抜き方法について、さらに、打ち抜いたブランクを段ボールシートから取り出すことにより、打ち抜きブランクの製造方法としても法的評価可能であり、打ち抜きブランクの製造方法により製造された結果物である打ち抜きブランクにも打ち抜きブランクの製造方法特許の効力が及ぶものと解される。
ブランク打ち抜き用刃物20が中芯Nの波形を略Z状に押し潰しながら中芯Nを切り抜く際、中芯Nの山部分と谷部分との中間部分が略Z字状に潰された状態で切断されることになり、切断線が中芯Nの波形方向に平行ではなく複数の山部分や谷部分を斜めに横切ることがあることから、中芯Nの切断端面には、中芯Nのヒゲ状切り屑Gが発生するところ、ヒゲ状切り屑切断用刃物26が枠の少なくとも1辺から枠の内方に延びるように設けられていることから、ヒゲ状切り屑切断用刃物26が段ボールシートSのおもて面S1または裏面S2から段ボールシートSの内部に及び、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の打ち抜きの際にヒゲ状切り屑Gを同時に切断し、打ち抜かれた段ボール製品(打ち抜きブランクSS)から分離除去することが可能である。
よって、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の打ち抜き後に、別途、残存するヒゲ状切り屑Gを除去する工程を省略可能である。
本実施形態は、段ボールシート用抜き型16の枠の一対の対向辺44A、44Bそれぞれに、所定間隔を隔てて複数のヒゲ状切り屑切断用刃物26を設ける点では第1実施形態と共通であるが、第1実施形態においては、略矩形状の打ち抜きブランクSSを一度の打ち抜きにより同時に複数打ち抜くのに対して、本実施形態においては、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の外周縁18に、細長スリット42を設け、細長スリット42を構成する枠の辺にもヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けている。
図9(A)においては、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の一対の対向辺52A、52Bそれぞれに、細長スリット42を設け、図9(B)に示すように、段ボールシート用抜き型16においては、各細長スリット42を構成する枠の対向する1組の長辺56A、56Bでなく、1組の長辺56A、56B同士を結ぶ底辺58にヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けている。
より詳細には、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の一組の対向辺52A、52Bそれぞれには、内方に延びる細長スリット42が設けられ、細長スリット42の対向する長辺48A,48Bに相当する段ボールシート用抜き型16の対応する1辺56A,56Bそれぞれと、細長スリット42の底部50に相当する段ボールシート用抜き型16の対応する底辺58とには、ブランク打ち抜き用刃物20が設けられ、たとえば、1組の対向辺44A,44Bそれぞれにおいて、1辺56A,56Bとの境界部には、L字状コーナータイプのブランク打ち抜き用刃物20を設置するとともに、底辺58に対して直交する向きに枠の内方に延びるヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けている。
これにより、打ち抜いた段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を複数積層してバンドBで束ねて製品として納品する際、各段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の一対の対向辺52A、52Bによって構成される側面は、外側に露出しているが、細長スリット42の底部に相当する底辺50によって構成される側面は、外側に露出しないことから、各段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の打ち抜きと同時に、細長スリット42の底部に相当する底辺50(切断端面)に発生するヒゲ状切り屑Gが切断分離される点は、各段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の1組の対向辺52A、52Bそれぞれによって構成される側面に発生するヒゲ状切り屑Gが切断分離されるのに比べて、格段に有効である。
それに対して、図9(C)においては、細長スリット42を構成する枠の対向する一対の辺56A、56Bそれぞれにも、ヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けている。より詳細には、細長スリット42の対向する長辺48A,48Bに相当する段ボールシート用抜き型16の対応する1辺56A,56Bに、1辺56A,56Bに対して直交する向きで枠の内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物26がさらに設けられる。それにより、細長スリット42を構成する対向する一対の辺48A、48Bそれぞれにも、切り込みCが形成されている。
図10に示すように、ロータリダイカッタは、上側回転軸及び下側回転軸を備え、上側回転軸および下側回転軸は、互いに平行に、段ボールシート給送ラインを挟んで対向するように配置されており、それぞれ円盤状の上側回転ホルダ70及び下側回転ホルダ72を備えている。本発明の特徴であるヒゲ状切り屑切断用刃物26は、第1実施形態および第2実施形態と共通であり、ブランク打ち抜き用刃物20およびヒゲ状切り屑切断用刃物26が平板状の表面に固定されるか、断面円弧状の曲面状の表面に固定されるかの違いがあるに過ぎない。
たとえば、本実施形態において、一回の打ち抜きにより複数の段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を打ち抜き可能な段ボールシート用抜き型16として説明したが、それに限定されることなく、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の少なくとも一辺の切断端面に生じるヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、一回の打ち抜きにより1枚の段ボール製品(打ち抜きブランクSS)を打ち抜き可能な段ボールシート用抜き型16でもよく、その場合、段ボールシート用抜き型16の一方の表面22の枠を構成する2組の対向する辺同士において、打ち抜き切断面に波形が露出しない方の1組の対向する辺それぞれに、ヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けるのでもよい。
たとえば、本実施形態において、段ボールシート用抜き型16の1組の対向する辺の両方にヒゲ状切り屑切断用刃物26を複数設けるものとして説明したが、それに限定されることなく、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の少なくとも一辺の切断端面に生じるヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、多角形状段ボール製品(打ち抜きブランクSS)でもよいし、曲線形状の一部に直線状辺を有する段ボール製品(打ち抜きブランクSS)でもよく、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の一辺が斜めに配置されていてもよい。
たとえば、本実施形態において、段ボールシート用抜き型16の1組の対向する辺の両方に設ける複数のヒゲ状切り屑切断用刃物26について、各々が一辺に直交する向きに設けるものとして説明したが、それに限定されることなく、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の少なくとも一辺の切断端面に生じるヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、一辺に直交する向きでなくてもよく、ヒゲ状切り屑切断用刃物26ごとに向きが異なっていてもよい。
たとえば、本実施形態において、段ボールシート用抜き型16のヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けた1組の対向辺44A、Bに対して、段ボールシートSの下プレート10に対する設置向きを位置決め調整するものとして説明したが、それに限定されることなく、段ボールシート用抜き型16のヒゲ状切り屑切断用刃物26を設けた1組の対向辺44A、Bが段ボールシートSの中芯Nの波形の延びる方向と直交する向きとなり、段ボール製品(打ち抜きブランクSS)の少なくとも一辺の切断端面に生じるヒゲ状切り屑Gを切断可能である限り、段ボールシートSに対して段ボールシート用抜き型16の設置向きを調整するのでもよい。
F1ないしF8 枠
S1 おもて面ライナー
S2 裏面ライナー
N 中芯
SS 打ち抜きブランク
S 段ボールシート
t 打ち抜きブランクの厚み
h 所定高さ
w 刃厚
l 刃長
d 所定間隔
Θ 中芯Nの波形の延び方向に対する打ち抜き角度
10 打ち抜きシステム
11 上プレート
13 下プレート
14 打ち抜き装置
16 段ボールシート用抜き型
18 外周縁
20 ブランク打ち抜き用刃物
22 一方の表面
24 枠の少なくとも一辺
25 枠状溝
26 ヒゲ状切り屑切断用刃物
28 矩形状底面
30 ブロック状基部
32 上面
34 刃本体部
32 細長上面
37 截頭円錐形状ブロック状基部
38 薄板状基部
39 円形底面
40 補強部
42 細長スリット
44 一方の対の対向辺
46 他方の対の対向辺
48 一対の長辺
50 底部
52 一方の対の対向辺
54 他方の対の対向辺
56 一対の内辺
58 底辺
70 上側回転ホルダ
72 下側回転ホルダ
90 端面
Claims (17)
- おもて面ライナーと、裏面ライナーと、両ライナーの間に介在し、両ライナーと段頂部を介して貼り合わされる波形形状の中芯とを有する段ボールシートから打ち抜きブランクを打ち抜くのに用いられる、段ボールシート用抜き型であって、
一方の表面に、打ち抜きブランクの外周縁に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物が設けられ、ブランク打ち抜き用刃物の刃は、打ち抜きブランクを打ち抜き可能なように、段ボールシートの厚みに応じて、該一方の表面から第1所定高さに亘って突出し、
さらに、前記ブランク打ち抜き用刃物により形成される打ち抜きブランクの切断端面の中芯に生じ得るヒゲ状切り屑を切断可能なように、前記枠状の少なくとも一辺において、該一辺から前記枠状の内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物を該一辺の延びる方向に互いに所定間隔を隔てて複数有し、各ヒゲ状切り屑切断用刃物の刃は、内方側先端部が自由端であり、段ボールシートの厚みに応じて、該一方の表面から第2所定高さに亘って突出する、
ことを特徴とする、段ボールシート用抜き型。 - 前記一辺に沿う方向に隣接するヒゲ状切り屑切断用刃物同士の間隔は、隣接するヒゲ状切り屑切断用刃物同士の間の切断端面の中芯に生じ得るヒゲ状切り屑を切断可能なように設定される、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 各ヒゲ状切り屑切断用刃物は、その端面を前記ブランク打ち抜き用刃物の側面にあてがう態様で、前記ブランク打ち抜き用刃物と別体として設けられる、請求項1または請求項2に記載の段ボールシート用抜き型。
- 枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物の全体に亘って刃先周縁部が高さ方向にそろっている、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記所定間隔は、前記枠の少なくとも一辺の長さの1/4ないし1/2である、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記所定間隔は、10ミリないし300ミリである、請求項5に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記枠の少なくとも一辺から内方に向かって延びる長さは、中芯の波形の半波長以下である、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記枠の少なくとも一辺から内方に向かって延びる長さは、1ミリないし10ミリである、請求項7に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記ヒゲ状切り屑切断用刃物は、中芯とともに、おもて面ライナーおよび裏面ライナーのうちいずれかのみを切断可能な第2所定高さを有する、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記枠は、矩形状であり、1組の対向辺それぞれに、前記ヒゲ状切り屑切断用刃物が設けられる、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 打ち抜きブランクの外周縁には、内方に延びる細長スリットが設けられ、前記枠の該細長スリットに相当する辺には、さらに前記ブランク打ち抜き用刃物が設けられ、前記細長スリットに相当する対向する内辺の少なくとも一方に、該内辺から枠の内方に向かって延びる前記ヒゲ状切り屑切断用刃物がさらに設けられる、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 前記ヒゲ状切り屑切断用刃物は、前記枠の少なくとも一辺に対して直交するように設けられる、請求項1に記載の段ボールシート用抜き型。
- 複数の打ち抜きブランクに対応して、前記枠の一方の対向辺に平行して、他方の対向辺間を延びるブランク打ち抜き用刃物と、前記枠の他方の対向辺に平行して、一方の対向辺間を延びるブランク打ち抜き用刃物とをさらに有することにより、複数の矩形状枠が形成され、各矩形状枠の一方および/または他方の対向辺に、前記ヒゲ状切り屑切断用刃物が配置される、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の段ボールシート用抜き型。
- 一方の表面に、打ち抜きブランクの外周縁に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物が設けられ、前記枠の少なくとも一辺において、該一辺から内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物が設けられた段ボールシート用抜き型を準備する段階と、
前記枠の少なくとも一辺が段ボールシートの中芯の波形部の延び方向と交差する向きとなるように、段ボールシートを位置決めする段階と、
段ボールシート用抜き型のブランク打ち抜き用刃物およびヒゲ状切り屑切断用刃物を段ボールシートに対して押圧することにより、段ボールシートから打ち抜きブランクを打ち抜くとともに、打ち抜きの際、ブランク打ち抜き用刃物による切断端面に発生するヒゲ状切り屑を切断し、打ち抜きブランクから分離する段階とを有する、ことを特徴とする段ボールシート向け打ち抜き方法。 - 刃長および/または所定高さの異なる複数のヒゲ状切り屑切断用刃物を準備する段階と、段ボールシートのフルートタイプに応じて、複数のヒゲ状切り屑切断用刃物からヒゲ状切り屑切断に用いるヒゲ状切り屑切断用刃物を選択する段階とをさらに有する、請求項14に記載の段ボールシート向け打ち抜き方法。
- 複数の打ち抜きブランクに対応して、前記枠の一方の対向辺に平行して、他方の対向辺間を延びるブランク打ち抜き用刃物と、前記枠の他方の対向辺に平行して、一方の対向辺間を延びるブランク打ち抜き用刃物とをさらに有することにより、複数の矩形状枠が形成され、各矩形状枠の一方および/または他方の対向辺に、前記ヒゲ状切り屑切断用刃物を配置する段階と、
前記段ボールシート用抜き型の段ボールシートに対する1回の押圧により、複数の打ち抜きブランクを同時に打ち抜くとともに、各打ち抜きブランクにおいて、打ち抜きの際発生するヒゲ状切り屑を切断し、打ち抜きブランクから分離する段階を有する、請求項14に記載の段ボールシート向け打ち抜き方法。 - 一方の表面に、打ち抜きブランクの外周縁に相当する枠状に配置されたブランク打ち抜き用刃物が設けられ、前記枠の少なくとも一辺において、該一辺から内方に向かって延びるヒゲ状切り屑切断用刃物が設けられた段ボールシート用抜き型を準備する段階と、
前記枠の少なくとも一辺が段ボールシートの中芯の波形部の延び方向と交差する向きとなるように、段ボールシートを位置決めする段階と、
段ボールシート用抜き型のブランク打ち抜き用刃物およびヒゲ状切り屑切断用刃物を段ボールシートに対して押圧することにより、段ボールシートから打ち抜きブランクを打ち抜くとともに、打ち抜きの際、ブランク打ち抜き用刃物による切断端面に発生するヒゲ状切り屑を切断し、打ち抜きブランクから分離する段階と
ヒゲ状切り屑が切断された打ち抜きブランクを段ボールシートから取り出す段階と、
を有する、ことを特徴とする打ち抜きブランクの製造方法。
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