JP2020010094A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動板の全周方向をカバーする狭指向性の音場を形成すること。【解決手段】実施形態に係るスピーカ装置は、パネルと、振動素子と、駆動部とを備える。パネルは、略円形状に形成される。振動素子は、パネルに少なくとも1つ設けられ、パネルを振動させる。駆動部は、超音波帯域の搬送波を可聴波帯域の音声信号で変調した駆動信号を振動素子へ印加して、パネルに略同心円状の振動領域を形成する。【選択図】図1E
Description
開示の実施形態は、スピーカ装置に関する。
従来、複数の超音波振動子をアレイ状に配置して指向性を持たせたスピーカ装置が知られている。かかるスピーカ装置は、パラメトリックアレイスピーカとも呼ばれ、可聴波帯域の音声信号で変調をかけた超音波の電圧を複数の超音波振動素子に印加することで特定の方向に可聴音を発生させることができる(たとえば、特許文献1参照)。
また、特許文献1に開示のパラメトリックスピーカ装置とは別に、いわゆる狭指向性を有するスピーカ装置としては、パネル状の振動板の少なくとも一箇所に振動素子を備え、その振動素子の振動で振動板上に定在波を生じさせ、かかる定在波の腹の一つ一つが放音部となって、パネル面に対して所定の方向の指向性を持った音波を放射するものも提案されている。
しかしながら、上述したパネル状の振動板を有する従来のスピーカ装置は、振動板の全周方向をカバーする狭指向性の音場を形成するうえで、更なる改善の余地がある。
具体的には、振動板が略矩形状であり、長手方向の端部に短手方向に沿って延在するように振動素子が設けられた場合、たとえば平面視で短手方向と交差する特定方向の指向性が得られるが、かかる特定方向以外の狭指向性を持たせることは、構造上難しい。
しかしながら、たとえば、スピーカ装置の周囲に存在する特定の聴取者についてのみ、可聴音を聴取させたい場面もある。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、振動板の全周方向をカバーする狭指向性の音場を形成することができるスピーカ装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るスピーカ装置は、パネルと、振動素子と、駆動部とを備える。前記パネルは、略円形状に形成される。前記振動素子は、前記パネルに少なくとも1つ設けられ、前記パネルを振動させる。前記駆動部は、超音波帯域の搬送波を可聴波帯域の音声信号で変調した駆動信号を前記振動素子へ印加して、前記パネルに略同心円状の振動領域を形成する。
実施形態の一態様によれば、振動板の全周方向をカバーする狭指向性の音場を形成することができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するスピーカ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下の説明に用いる各図面には、説明を分かりやすくするために、スピーカ装置の厚み方向をZ軸方向とした3次元の直交座標系を図示する場合がある。
[1.第1の実施形態]
[1.1.スピーカ装置の概要]
まず、図1A〜図1Fを用いて、第1の実施形態に係るスピーカ装置1の構成の概要について説明する。図1A〜図1Dは、比較例に係るスピーカ装置1’の構成の概要説明図(その1)〜(その4)である。また、図1Eおよび図1Fは、第1の実施形態に係るスピーカ装置1の構成の概要説明図(その1)および(その2)である。
[1.1.スピーカ装置の概要]
まず、図1A〜図1Fを用いて、第1の実施形態に係るスピーカ装置1の構成の概要について説明する。図1A〜図1Dは、比較例に係るスピーカ装置1’の構成の概要説明図(その1)〜(その4)である。また、図1Eおよび図1Fは、第1の実施形態に係るスピーカ装置1の構成の概要説明図(その1)および(その2)である。
まず、スピーカ装置1の基本的な原理について、比較例に係るスピーカ装置1’を例に挙げて説明する。図1Aに示すように、スピーカ装置1’は、音出力部2と、駆動部3(図1B参照)とを備える。
スピーカ装置1’は、たとえば、車両に搭載される音響システムのスピーカ装置として利用される。なお、スピーカ装置1’の搭載対象は、車両の音響システムに限定されず、住宅等の施設に設けられる音響システムであってもよい。
音出力部2は、パネル10と、振動素子11とを備える。パネル10は、振動素子11の振動に応じて振動する板状部材であり、たとえば、ガラスなどの素材で略矩形状に形成される。
振動素子11は、たとえばピエゾ素子であり、一例としてパネル10の端部に設けられる。振動素子11は、たとえば、印加される交流電圧の駆動電圧Voに応じて伸縮することで、パネル10を振動させる。
振動素子11に印加される駆動電圧Voは、駆動部3によって生成される。駆動部3は、パネル10に縞状の振動領域Asを発生させるように、超音波帯域(概ね20kHz以上の周波数帯域)の周波数成分を含む駆動電圧Voを生成する。
具体的には、図1Bに示すように、駆動部3は、超音波帯域の搬送波Scを可聴波帯域(概ね20kHz未満)の音声信号Ssで変調した変調信号Smを増幅することによって振動素子11へ印加する駆動電圧Voを生成する。
なお、音声信号Ssは、たとえばスピーカ装置1’に接続された外部装置50から入力される。外部装置50は、可聴波帯域の音声信号Ssをスピーカ装置1へ出力する装置であり、たとえば、オーディオ装置、カーナビゲーション装置、スマートフォン、PC(Personal Computer)などのように外部に音声信号Ssを出力できる装置である。
そして、駆動電圧Voの振動素子11への印加によってパネル10が振動し、定在波Wが発生して、図1Aに示すようにパネル10に縞状の振動領域Asが形成される。縞状の振動領域Asは、複数の帯状振動領域Agを含んでおり、かかる帯状振動領域Agは、それぞれが、音声信号Ssで変調された超音波を放射する帯状の音源として機能する。
図1Aに示す例では、パネル10の長手方向(X軸方向)の両端部に、パネル10の短手方向(Y軸方向)に延伸する振動素子11がそれぞれ設けられる。そして、振動素子11の振動によってパネル10の長手方向に定在波Wが形成され、パネル10の短手方向に延伸する複数の帯状振動領域Agがパネル10の長手方向に等間隔で形成される。なお、図1A(および後に示す図1E)では、帯状であることの一例として、帯状振動領域Agを線状に表している。
また、図1Aでは、定在波Wの腹を実線で示し、定在波Wの節を破線で示しており、定在波Wの腹部分が帯状振動領域Agとして機能する。定在波Wの腹部分は、パネル10の長手方向に沿って等間隔で発生するため、帯状振動領域Agは、パネル10の長手方向(X軸方向)に沿って等間隔で発生する。なお、図1Aでは、説明の便宜上、7つの帯状振動領域Agが発生している例を示しているが、帯状振動領域Agの数は7つに限定されず、また、搬送波Scの周波数を高くするほど多くすることができる。
スピーカ装置1’では、このように形成される複数の帯状振動領域Agから発生した超音波同士の強調や干渉、および、変調処理をした超音波の非線形歪みによる自然復調現象によって特定方向に音声信号Ssに応じた音波が生成され、聴取者の耳元で可聴音として再生される。
ここで、スピーカ装置1’の指向性について説明する。図1Cは、パネル10に形成される定在波Wとスピーカ装置1の指向性との関係を説明するための図となっている。なお、図1Cでは、説明を分かりやすくするために、定在波Wを部分的に示している。また、定在波Wにおいて同相であり、隣り合う腹を帯状振動領域Ag1,Ag3とし、帯状振動領域Ag1,Ag3で発生する超音波のパネル10に対する角度θを表している。また、定在波Wにおいて帯状振動領域Ag1,Ag3と逆相であり、帯状振動領域Ag1,Ag3に隣り合う腹を帯状振動領域Ag2としている。
任意の角度θに対して、帯状振動領域Ag1,Ag3で発生する超音波は、距離dcosθだけ位相がずれる。搬送波Scの波長をλとすると、距離dcosθが波長λ/2の奇数倍となる角度θにおいて帯状振動領域Ag1,Ag3で発生する超音波は互いに打消し合う。つまり、距離dcosθが波長λ/2の奇数倍となる角度θでは、超音波がキャンセルされる。一方で、距離dcosθが波長λの整数倍(波長λ/2の偶数倍)となる角度θでは、帯状振動領域Ag1,Ag3で発生する超音波が互いに強め合う。一方、帯状振動領域Ag1,Ag3と逆相である帯状振動領域Ag2で発生する超音波は、帯状振動領域Ag1,Ag3で発生する超音波の正面方向(図1Aに示したZ軸の正方向)への出力を打ち消す。そして、超音波が空間を伝搬する際や超音波が物体に反射する際の超音波の非線形歪みによる自然復調現象により、可聴波帯域の音波が生成される。
このように、複数の帯状振動領域Agから発生する超音波は位相干渉(強調および打ち消し)することで、特定方向に超音波を進行させることができる。そして、超音波の非線形歪みによる自然復調現象により可聴波帯域の音波が生成されることによって、スピーカ装置1’は、特定方向への狭指向性を有するスピーカ装置として機能する。
なお、このようにスピーカ装置1’は、特定方向への狭指向性を有することができるが、超音波が互いに強め合う角度θ(以下、角度θdと記載する)は、パネル10に直交する軸に対して対称に存在する。
したがって、図1Dに示すように、スピーカ装置1’は、各帯状振動領域Agから角度θdで発生した各超音波の位相干渉により、パネル10全体としてみれば、たとえばパネル10に直交する軸L1に対して対称となる角度θdの狭指向性を有することとなる。なお、図1Dでは、スピーカ装置1’の指向性を帯状の矢印で示しており、実際のスピーカ装置1’の指向性はある程度の幅を有していることを模式的に示している。
ところで、このような狭指向性を有するスピーカ装置1’であるが、その指向性の方向は、たとえば図1Dに示すように、主としてYZ平面と交差する方向であり、XZ平面と交差する方向には超音波が放射されない。
また、たとえば平面視、すなわちZ軸の正方向側から視た場合に、指向性の方向がYZ平面と交差する角度(指向角)は概ね一定となるが、かかる指向角は、スピーカ装置1’の場合、振動素子11のY軸方向の長さに関係するため、かかる指向角を変化させることは難しい。すなわち、スピーカ装置1’に対しては、パネル10の全周方向をカバーする狭指向性を持たせることが難しかった。
そこで、本実施形態に係るスピーカ装置1は、パネル10を略円形状に形成することとしたうえで、かかるパネル10に少なくとも1つの振動素子11を設け、かかる振動素子11に対し搬送波Scを音声信号Ssで変調した駆動電圧Voを印加することで、略同心円状の振動領域Asを形成することとした。
具体的には、図1Eに示すように、本実施形態に係るスピーカ装置1は、略円状に形成されたパネル10と、たとえば略円形状に形成された1つの振動素子11を備える。振動素子11は、たとえばパネル10の中心部に配置され、駆動部3により、搬送波Scを音声信号Ssで変調した駆動電圧Voが印加される。
そして、駆動電圧Voの振動素子11への印加によってパネル10が振動し、定在波Wが発生して、図1Eに示すようにパネル10に略同心円状の振動領域Asが形成される。略同心円状の振動領域Asは、略同心円を構成する複数の帯状振動領域Agを含んでおり、かかる帯状振動領域Agは、それぞれが、音声信号Ssで変調された超音波を放射する帯状の音源として機能する。
ここで、図1Eに示すように、パネル10の径方向の軸線axRを仮定し、かかる軸線axR上における帯状振動領域Ag1,Ag2,Ag3を考える。帯状振動領域Ag1,Ag2,Ag3は、図1Cに示したのと同様であるものとする。
すると、スピーカ装置1においては、振動領域Asは略同心円状であるので、図中のM1部を軸L1まわりに回転させた場合がスピーカ装置1の指向性を表すこととなる。
すなわち、M1部を図1Cおよび図1Dの説明に照らしつつ、M1部を軸L1まわりに回転させた場合をパネル10全体としてみれば、図1Fに帯状の矢印で示すように、スピーカ装置1は、徐々に放射状に広がるような指向性を有することとなる。
スピーカ装置1をこのような構成とすることで、前述の角度θdによる狭指向ながらも、パネル10の全周方向をカバーしつつ音波を発生させることが可能となる。また、スピーカ装置1’では難しかった、指向角の制御が可能となる。
上述したように、本実施形態に係るスピーカ装置1は、パネル10と、振動素子11と、駆動部3とを備える。パネル10は、略円形状に形成される。振動素子11は、パネル10に少なくとも1つ設けられ、パネル10を振動させる。駆動部3は、超音波帯域の搬送波Scを可聴波帯域の音声信号Ssで変調した駆動電圧Voを振動素子11へ印加して、パネル10に略同心円状の振動領域Asを形成する。
したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、パネル10の全周方向をカバーする狭指向性の音場を形成することができる。以下、かかるスピーカ装置1の構成についてさらに具体的に説明する。
[1.2.スピーカ装置1の具体的構成]
図2は、第1の実施形態に係るスピーカ装置1のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
図2は、第1の実施形態に係るスピーカ装置1のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2に示すように、スピーカ装置1は、外部装置50に接続されており、外部装置50から入力される音声信号Ssに基づいて、パネル10を振動させ、音声信号Ssで変調された搬送波Scに応じた超音波を発生する。外部装置50については既に説明したため、ここでの説明は省略する。また、スピーカ装置1は、音出力部2と、駆動部3とを備える。
[1.2.1.音出力部2]
音出力部2は、上述したように、パネル10と、パネル10に配置される振動素子11とを備える。パネル10は、振動素子11の振動に応じて振動する略円形状の板状部材であり、たとえば、ガラスなどの素材で形成されるが、ガラスに限られず、金属やプラスチックなど他の部材を用いることもできる。
音出力部2は、上述したように、パネル10と、パネル10に配置される振動素子11とを備える。パネル10は、振動素子11の振動に応じて振動する略円形状の板状部材であり、たとえば、ガラスなどの素材で形成されるが、ガラスに限られず、金属やプラスチックなど他の部材を用いることもできる。
振動素子11は、略円形状に設けられ、パネル10の略中心部に配置される。なお、振動素子11は、上述したように、たとえばピエゾ素子であるが、駆動部3から供給される駆動電圧Voの周波数で振動できる構成であればよく、ピエゾ素子以外の振動素子であってもよい。また、図2に示す例では、パネル10に配置される振動素子11が1つである場合を示したが、振動素子11は、少なくとも1つであればよい。
[1.2.2.駆動部3]
駆動部3は、振動素子11を振動させるための駆動電圧Voを生成して、振動素子11に印加する。振動素子11は、駆動部3から供給される駆動電圧Voによって伸縮することでパネル10を振動させ、パネル10に複数の帯状振動領域Agを含む略同心円状の振動領域Asを発生させる。
駆動部3は、振動素子11を振動させるための駆動電圧Voを生成して、振動素子11に印加する。振動素子11は、駆動部3から供給される駆動電圧Voによって伸縮することでパネル10を振動させ、パネル10に複数の帯状振動領域Agを含む略同心円状の振動領域Asを発生させる。
駆動部3は、取得部31と、搬送波生成部32と、変調部33と、増幅部34とを備え、振動素子11を振動させるための駆動電圧Voを生成し、生成した駆動電圧Voを振動素子11に印加する。かかる駆動部3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、データフラッシュ、および、入出力ポートなどを有するコンピュータや増幅回路などの各種回路を含む。
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することによって、駆動部3の取得部31、搬送波生成部32および変調部33として機能する。また、駆動部3の取得部31、搬送波生成部32および変調部33の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアで構成することもできる。また、増幅部34は、たとえば、パワーアンプなどの増幅回路によって構成される。
取得部31は、外部装置50から出力される音声信号Ssを取得し、取得した音声信号Ssを変調部33へ出力する。なお、取得部31は、種々の音源加工処理を実行することもできる。
たとえば取得部31は、音声信号Ssのゲイン(振幅)を調整し、調整後の音声信号Ssを変調部33へ出力することができる。また、取得部31は、可聴波帯域の信号を通過させるローパスフィルタを有していてもよく、かかるローパスフィルタによって可聴波帯域以外の信号を除去することができる。また、取得部31は、イコライザ処理を実行することができる。
搬送波生成部32は、搬送波Scを生成し、変調部33へ出力する。搬送波Scは、超音波帯域の正弦波信号であり、パネル10に定在波Wを発生させ、略同心円状の振動領域Asを形成する周波数を有する。
変調部33は、搬送波生成部32から入力される搬送波Scを取得部31から入力される音声信号Ssで変調した信号である変調信号Smを生成し、増幅部34へ出力する。変調部33による変調は、AM(Amplitude Modulation)変調、または、FM(Frequency Modulation)変調によって行われる。なお、AM変調は、例えば、DSB(Double Sideband)変調、または、SSB(Single Sideband)変調である。
増幅部34は、変調部33から入力された変調信号Smを増幅し、変調信号Smの波形に応じた交流電圧の駆動電圧Voとして振動素子11へ印加する。振動素子11は、印加された駆動電圧Voに応じて伸縮し、パネル10に定在波Wを発生させる。かかる定在波Wの腹が帯状振動領域Agとなる。
[1.2.3.変調部33の具体的構成]
次に、変調部33の具体的構成について、図3を用いて説明する。図3は、変調部33の具体的構成の一例を示す図である。なお、ここでは、変調部33がSSB変調を行うものとする。SSB変調では、2つの側波帯のうちの一方が除去される。
次に、変調部33の具体的構成について、図3を用いて説明する。図3は、変調部33の具体的構成の一例を示す図である。なお、ここでは、変調部33がSSB変調を行うものとする。SSB変調では、2つの側波帯のうちの一方が除去される。
図3に示すように、変調部33は、再生音調整部33aと、2つのπ/2移相器331a,331bと、2つの乗算部332a,332bと、3つの加算部333,334,335とを備える。
図3に示すように、まず、変調部33に搬送波Scおよび音声信号Ssが入力され、搬送波Scは、乗算部332aへ入力される。音声信号Ssは、再生音調整部33aを介して乗算部332bへ入力される。再生音調整部33aは、たとえば音質変化を防止するための補正処理等を行う。
また、搬送波Scは、π/2移相器331aへ入力され、位相がπ/2だけ遅れた状態で出力されて、乗算部332bへ入力される。また、再生音調整部33aを介した音声信号Ssは、π/2移相器331bへ入力され、位相がπ/2だけ遅れた状態で出力されて、乗算部332aへ入力される。
乗算部332aでは、位相が遅れていない搬送波Scと、位相がπ/2遅れた音声信号Ssとにより第1の変調信号Sm1が生成され、加算部333へ入力される。また、乗算部332bでは、位相がπ/2遅れた搬送波Scと、位相が遅れていない音声信号Ssとにより第2の変調信号Sm2が生成され、加算部333へ入力される。
そして、加算部333では、第1の変調信号Sm1と第2の変調信号Sm2とが加算され、音声信号Ssの下側波帯(LSB:Lower Side Band)および搬送波Scが除去された信号が生成されて、加算部334へ入力される。
そして、加算部334は、加算部333から入力された信号と、変調部33へ入力された搬送波Scとを合成して、音声信号Ssの上側波帯(USB:Upper Side Band)のみを含む変調信号Smが生成され、加算部335へ入力される。
そして、加算部335では、変調信号Smと再生音調整部33aを介した音声信号Ssとが加算されて、出力される。なお、再生音調整部33aを介して音声信号Ssをスルー出力する回路は、スピーカ装置1はf特性上可聴音域の信号出力も可能であるため、指向性を狭める必要がない場面において広指向再生を行うために用いることができる。
なお、図3に示す例では、音声信号Ssの下側波帯を完全に除去したが、これに限定されず、下側波帯の一部を除去して、下側波帯が上側波帯よりも抑制された状態の変調信号Smを生成してもよい。また、音声信号Ssの下側波帯を除去したが、これに限定されず、上側波帯を除去して、下側波帯が残った変調信号Smを生成してもよい。
上述してきたように、第1の実施形態に係るスピーカ装置1は、パネル10と、振動素子11と、駆動部3とを備える。パネル10は、略円形状に形成される。振動素子11は、パネル10に少なくとも1つ設けられ、パネル10を振動させる。駆動部3は、超音波帯域の搬送波Scを可聴波帯域の音声信号Ssで変調した駆動電圧Voを振動素子11へ印加して、パネル10に略同心円状の振動領域Asを形成する。
したがって、本実施形態に係るスピーカ装置1によれば、パネル10の全周方向をカバーする狭指向性の音場を形成することができる。
また、振動素子11は、略円形状に形成される。したがって、第1の実施形態に係るスピーカ装置1によれば、パネル10に略同心円状の振動領域Asを形成しやすくすることができる。
また、振動素子11は、パネル10の中央部に配置される。したがって、第1の実施形態に係るスピーカ装置1によれば、やはりパネル10に略同心円状の振動領域Asを形成しやすくすることができる。
[2.第2の実施形態]
ところで、上述した第1の実施形態では、略円形状のパネル10の中心部に対し、略円形状に形成された1つの振動素子11を設ける場合について説明したが、より高出力を得るために、さらに別の振動素子を設けることとしてもよい。
ところで、上述した第1の実施形態では、略円形状のパネル10の中心部に対し、略円形状に形成された1つの振動素子11を設ける場合について説明したが、より高出力を得るために、さらに別の振動素子を設けることとしてもよい。
図4は、第2の実施形態に係る音出力部2Aの構成例を示す図である。図4に示すように、音出力部2Aは、第1の実施形態に係る音出力部2に加えて、たとえばパネル10の外縁部に、リング状に形成された振動素子12を備える。
かかる構成において、振動素子11および振動素子12に対し、パネル10に略同心円状の振動領域Asを発生させる超音波帯域の周波数成分を含む駆動電圧Voが印加されることによって、より高出力に音波を放出することが可能となる。
上述してきたように、第2の実施形態に係る音出力部2Aは、振動素子12をさらに備える。振動素子12は、リング状に形成され、パネル10の外縁部側に設けられる。したがって、第2の実施形態に係る音出力部2Aによれば、より高出力を得ることができる。
[3.第3の実施形態]
また、上述した第2の実施形態では、第1の実施形態に加えてリング状の振動素子12を略円形状のパネル10の外縁部に設けることとしたが、振動素子12はリング状でなくともよい。
また、上述した第2の実施形態では、第1の実施形態に加えてリング状の振動素子12を略円形状のパネル10の外縁部に設けることとしたが、振動素子12はリング状でなくともよい。
図5は、第3の実施形態に係る音出力部2Bの構成例を示す図である。図5に示すように、音出力部2Bは、パネル10の外縁部に、リング状の振動素子12ではなく、リング状の一部分のみに相当する形状に形成された振動素子12a,12bを備える点が、第2の実施形態に係る音出力部2Aとは異なる。
かかる構成において、振動素子11および振動素子12a,12bに対し、パネル10に略同心円状の振動領域Asを発生させる超音波帯域の周波数成分を含む駆動電圧Voが印加されることによって、より高出力に音波を放出することが可能となる。
なお、図5では、パネル10の外縁部に2つの振動素子12a,12bを備える場合を例に挙げたが、3つ以上であってもよい。
上述してきたように、第3の実施形態に係る音出力部2Bは、複数の振動素子12a,12bをさらに備える。振動素子12a,12bは、パネル10の外縁部側に設けられる。したがって、第3の実施形態に係る音出力部2Bによれば、より高出力を得ることができる。
[4.第4の実施形態]
また、上述した各実施形態では、パネル10が略扁平である場合を例に挙げたが、この場合、前述の角度θdは、パネル10全体において同一となる。かかる角度θdは、搬送波Scの周波数を変更することで変更可能であるが、パネル10全体において変更されてしまう。
また、上述した各実施形態では、パネル10が略扁平である場合を例に挙げたが、この場合、前述の角度θdは、パネル10全体において同一となる。かかる角度θdは、搬送波Scの周波数を変更することで変更可能であるが、パネル10全体において変更されてしまう。
図6Aおよび図6Bは、第4の実施形態に係る音出力部2Cの構成例を示す図(その1)および(その2)である。なお、図6Bは、図6Aに示すA−A線略断面図となっている。
図6Aおよび図6Bに示すように、第4の実施形態に係る音出力部2Cは、パネル10の表面に、パネル10の中心に対して略同心円状の溝13が形成されている点が、たとえば第2の実施形態に係る音出力部2Aとは異なる。
かかる構成によって、溝13を挟んで振動素子11寄り(パネル10の中心部寄り)の領域である第1領域と、振動素子12寄り(パネル10の外縁部寄り)の領域である第2領域とで、共振モードを異ならせることが可能となる。
したがって、かかる構成において、振動素子11および振動素子12に対し、パネル10に略同心円状の振動領域Asを発生させる超音波帯域の周波数成分を含む駆動電圧Voが印加されることによって、第1領域では、たとえば角度θd1の指向性を得ることができる(図6Bの矢印601参照)。
また、第2領域では、たとえば角度θd1よりも小さい角度θd2の指向性を得ることができる(図6Bの矢印602参照)。すなわち、第4の実施形態に係る音出力部2Cによれば、パネル10の全周方向においてより広範囲に音場を形成することができる。
上述してきたように、第4の実施形態に係る音出力部2Cは、パネル10の表面に溝13を有する。溝13は、たとえば、パネル10の中心に対して略同心円状となるように形成される。したがって、第4の実施形態に係る音出力部2Cによれば、パネル10の全周方向においてより広範囲に音場を形成することができる。
[5.適用例]
なお、上述した各実施形態において説明してきたスピーカ装置1は、たとえば、狭指向性ながらも、パネル10の全周方向をカバーしたい場面に適用することができる。たとえば、美術館や博物館等において、鑑賞者が全周方向から鑑賞可能な展示ケースがある。かかる展示ケースの中央付近に、上述してきたスピーカ装置1を配置することで、展示ケースの周囲にいる鑑賞者のみに向けて、たとえば音声ガイドを可聴させることができる。
なお、上述した各実施形態において説明してきたスピーカ装置1は、たとえば、狭指向性ながらも、パネル10の全周方向をカバーしたい場面に適用することができる。たとえば、美術館や博物館等において、鑑賞者が全周方向から鑑賞可能な展示ケースがある。かかる展示ケースの中央付近に、上述してきたスピーカ装置1を配置することで、展示ケースの周囲にいる鑑賞者のみに向けて、たとえば音声ガイドを可聴させることができる。
また、スピーカ装置1は、たとえばソナー装置としても利用することができる。この場合、振動素子11,12,12a,12b等の近傍に図示略の受信部を配置し、かかる受信部により、スピーカ装置1から発せられた音波の反射波を受信することによって、物体を検知することが可能である。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1,1’ スピーカ装置
2,2A,2B,2C 音出力部
3 駆動部
10 パネル
11,12,12a,12b 振動素子
13 溝
Ag,Ag1,Ag2,Ag3 帯状振動領域
As 振動領域
Sc 搬送波
Sm 変調信号
Ss 音声信号
Vo 駆動電圧
W 定在波
2,2A,2B,2C 音出力部
3 駆動部
10 パネル
11,12,12a,12b 振動素子
13 溝
Ag,Ag1,Ag2,Ag3 帯状振動領域
As 振動領域
Sc 搬送波
Sm 変調信号
Ss 音声信号
Vo 駆動電圧
W 定在波
Claims (6)
- 略円形状に形成されるパネルと、
前記パネルに少なくとも1つ設けられ、前記パネルを振動させる振動素子と、
超音波帯域の搬送波を可聴波帯域の音声信号で変調した駆動信号を前記振動素子へ印加して、前記パネルに略同心円状の振動領域を形成する駆動部と
を備えることを特徴とするスピーカ装置。 - 前記振動素子は、略円形状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。 - 前記振動素子は、前記パネルの中央部に配置される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。 - 前記パネルの外縁部側に設けられるリング状の前記振動素子
を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載のスピーカ装置。 - 前記パネルの外縁部側に設けられる複数個の前記振動素子
を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載のスピーカ装置。 - 前記パネルは、
該パネルの表面に溝を有する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のスピーカ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018126892A JP2020010094A (ja) | 2018-07-03 | 2018-07-03 | スピーカ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018126892A JP2020010094A (ja) | 2018-07-03 | 2018-07-03 | スピーカ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020010094A true JP2020010094A (ja) | 2020-01-16 |
Family
ID=69152478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018126892A Pending JP2020010094A (ja) | 2018-07-03 | 2018-07-03 | スピーカ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020010094A (ja) |
-
2018
- 2018-07-03 JP JP2018126892A patent/JP2020010094A/ja active Pending
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