JP2020008393A - 分極測定装置及び分極測定方法 - Google Patents

分極測定装置及び分極測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気化学的分極測定中の薄液膜のpHの変化を抑制できる分極測定装置及び分極測定方法を提供する。【解決手段】薄液膜8が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定装置1は、外壁2と、底部3と、隔膜4と、を含む。外壁2は筒形状である。底部3は、外壁2の下端に取り付けられ、試料電極5、対極6及び参照電極7を含む。隔膜4は、多孔質であり、外壁2の内部空間を、試料槽11と対極槽12とに仕切る。試料電極5は、試料槽11の底面の少なくとも一部を構成する金属である。対極6は、対極槽12の底面の少なくとも一部を構成する。参照電極7は、試料槽11に形成される薄液膜8と接触可能に配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、電気化学的分極により薄液膜が付着した金属の腐食反応を測定する分極測定装置及び分極測定方法に関する。
金属の大気腐食は、降雨や湿度により金属表面に付着した液膜中で進行する。特に、金属表面に付着した液膜の厚さが薄い(以下、薄液膜という。)ときに腐食が進行する。金属が腐食すると強度等の様々な機械特性が劣化するため、薄液膜が付着した金属の腐食反応を解析することは、大気環境の金属の腐食挙動を把握するために重要である。
金属の腐食挙動を把握する方法として、電気化学的分極測定が知られている。電気化学的分極測定は、直流電源に接続された一対の電極(陽極及び陰極)を電解質溶液に接触させ、陽極及び陰極間に様々な値の電圧を印加する。印加された電圧に応じて、陽極ではアノード反応、陰極ではカソード反応が起こるので、その際の電流値等を計測することにより、金属の腐食挙動を把握することができる。
電気化学的分極測定はたとえば、特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2に開示されている。
特開2017−116454号公報
マーティン・ストラトマン(Martin STRATMANN)、外3名、「薄い電解質層で覆われた金属の大気腐食−第3章 薄い電解質層で覆われた金属表面上での分極曲線測定(ON THE ATMOSPHERIC CORROSION OF METALS WHICH ARE COVERED WITH THIN ELECTROLYTE LAYERS-III. THE MEASUREMENT OF POLARISATION CURVES ON METAL SURFACES WHICH ARE COVERED BY THIN ELECTROLYTE LAYERS)」、コロージョンサイエンス(Corrosion Science)、(英国)、1990年、Vol.30、No.6/7、p.715-734 西方篤、外3名、「鋼の大気腐食の初期段階における電解質層の厚さ及び水素イオン指数の影響(Influence of Electrolyte Layer Thickness and pH on the Initial Stage of the Atmospheric Corrosion of Iron)」、ジャーナルオブエレクトロケミカルソサイエティ(Journal of The Electrochemical Society)、(米国)、1997年、Vol.144、No.4、p.1244-1252
しかしながら、特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2に開示される電気化学的分極測定装置では、陽極及び陰極が同じ薄液膜(電解質溶液)と接するため、アノード分極を実施した際、対極での化学反応により薄液膜の水素イオン指数(pH)が測定時間の経過とともに変化するおそれがある。より正確な電気化学的分極測定を行うためには、電気化学的分極測定中に薄液膜のpHの変化を抑制するのが望ましい。
本発明の目的は、電気化学的分極測定中の薄液膜のpHの変化を抑制できる分極測定装置及び分極測定方法を提供することである。
本発明の薄液膜が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定装置は、外壁と、底部と、隔膜と、を含む。外壁は、筒形状である。底部は、外壁の下端に取り付けられ、試料電極、対極及び参照電極を含む。隔膜は、多孔質であり、外壁の内部空間を、試料槽と対極槽とに仕切る。試料電極は、試料槽の底面の少なくとも一部を構成する金属である。対極は、対極槽の底面の少なくとも一部を構成する。参照電極は、試料槽に形成される薄液膜と接触可能に配置される。
本発明の薄液膜が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定方法は、形成工程と、膜厚測定工程と、分極測定工程と、を含む。形成工程では、上記の分極測定装置の試料槽に薄液膜を形成する。膜厚測定工程では、試料槽に形成された薄液膜の厚さを測定する。分極測定工程では、膜厚測定工程後、薄液膜を電気化学的分極測定する。
本発明による分極測定装置及び分極測定方法によれば、電気化学的分極測定中の薄液膜のpHの変化を抑制できる。
図1は、本実施形態の分極測定装置を示す斜視図である。 図2は、本実施形態の分極測定装置を示す平面図である。 図3は、図1中のIII−III線での断面図である。 図4は、隔膜近傍の断面を示す模式図である。 図5は、試料電極をアノード反応させた場合の電解質溶液中のイオンの挙動を示す模式図である。 図6は、液膜厚さ測定装置を示す断面図である。 図7は、プローブの一部を示す断面図である。
(1)本実施形態の薄液膜が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定装置は、外壁と、底部と、隔膜と、を含む。外壁は、筒形状である。底部は、外壁の下端に取り付けられ、試料電極、対極及び参照電極を含む。隔膜は、多孔質であり、外壁の内部空間を、試料槽と対極槽とに仕切る。試料電極は、試料槽の底面の少なくとも一部を構成する金属である。対極は、対極槽の底面の少なくとも一部を構成する。参照電極は、試料槽に形成される薄液膜と接触可能に配置される。
このような構成によれば、外壁と底部とで構成される容器が、隔膜によって試料槽と対極槽とに区切られる。試料槽の底面には測定対象金属である試料電極が配置されており、試料槽に電解質溶液からなる薄液膜を形成することで、薄液膜が付着した金属(試料電極)を電気化学的分極測定できる。また、隔膜により試料槽と対極槽との間で電解質溶液が入り混じることが抑制される。これにより、電気化学的分極測定によって対極槽で生じたイオン(たとえば水酸化物イオン)が試料槽に進入しにくくなり、薄液膜のpHの変化が抑制される。
(2)上記(1)の分極測定装置において、外壁、隔膜及び対極はそれぞれ円筒形状であり、試料電極は円柱形状であり、外壁、隔膜、試料電極及び対極は同心円状に配置されるのが好ましい。
このような構成によれば、円柱形状の試料電極と円筒形状の対極との距離は、試料電極の円周方向全域で等しくなる。そのため、電気化学的分極測定中、試料槽の底面を構成する試料電極の上端面上で試料電極を構成する金属が円周方向全域で均一に金属イオン化しやすい。つまり、試料電極の上端面のある一部分だけが偏って溶解することを抑制できる。
(3)上記(1)又は(2)の分極測定装置において、隔膜の細孔半径は、500nm以上、1000nm以下であるのが好ましい。
このような構成によれば、後述する実施例に示すように、塩化ナトリウム水溶液が付着した炭素鋼の電気化学的分極測定に適する。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの分極測定装置において、隔膜は、バイコールガラスであるのが好ましい。
このような構成によれば、隔膜の製作を容易にでき、費用も安価で済む。
(5)本実施形態の薄液膜が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定方法は、形成工程と、膜厚測定工程と、分極測定工程と、を含む。形成工程では、上記(1)〜(4)のいずれかの分極測定装置の試料槽に薄液膜を形成する。膜厚測定工程では、試料槽に形成された薄液膜の厚さを測定する。分極測定工程では、膜厚測定工程後、薄液膜を電気化学的分極測定する。
(6)上記(5)の分極測定方法において、膜厚測定工程では、液膜厚さ測定装置を用いて薄液膜の厚さを測定するのが好ましい。液膜厚さ測定装置は、試料電極に対向し試料電極と電気的に接続された導線と、導線先端の側部に定着して設けられた撥水層と、を含み、試料電極に対して近接離間方向に往復移動可能なプローブと、導線と試料電極との間の電気抵抗を測定する抵抗測定部とを含む。
このような構成によれば、プローブの薄液膜との接触部が撥水コーティングされていることにより、プローブ先端を薄液膜に接触させた後に薄液膜から離しても、プローブに薄液膜が付着しにくく、測定毎に薄液膜の厚さが変化しにくい。したがって、測定環境を維持して電気化学的分極測定をすることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[分極測定装置]
図1は、本実施形態の分極測定装置を示す斜視図である。分極測定装置1は、薄液膜が付着した金属(試料電極5)を電気化学的分極測定する。本明細書において薄液膜とは、厚さが0nmよりも大きく、10000nm以下の液膜を意味する。
分極測定装置1は、外壁2と、底部3と、隔膜4と、を含む。底部3は、試料電極5と、対極6と、参照電極7とを含む。
分極測定装置1は、外壁2及び底部3で構成される容器を隔膜4で試料槽11と、対極槽12とに仕切った構成となっている。試料槽11には電解質溶液からなる薄液膜が形成され、測定対象金属からなる試料電極5と接触する。対極槽12には薄液膜と同じ組成の電解質溶液が貯留され、試料電極5と対になる対極6と接触する。試料槽11と対極槽12とを仕切る隔膜4は、試料槽11と対極槽12との間を通電させることは可能であるが、試料槽11の電解質溶液(薄液膜)と対極槽12の電解質溶液中のイオンが混ざることを抑制する。このような構成により、電気化学的分極測定中に、薄液膜のpHが変化することが抑制される。以下、各構成について詳しく説明する。
[外壁]
外壁2は筒形状であり、鉛直方向に延びる。本明細書において「筒形状」には、円筒及び角筒の双方が含まれる。したがって、図1に示されるように外壁2は水平方向断面が円形の円筒形状であってもよいし、水平方向断面が多角形の角筒形状であってもよい。外壁2の材質は、アクリル樹脂等の不導体である。
[底部]
図2は、本実施形態の分極測定装置を示す平面図である。図2では電極にハッチングを付している。底部3は、外壁2の中心側から順に、試料電極5と、参照電極7と、対極6とを含む。
図3は、図1中のIII−III線での断面図である。試料電極5は、腐食挙動を把握する金属(すなわち測定対象金属)からなり、鉛直方向に延びる円柱形状である。試料電極5の上端面は試料槽11の底面の一部を構成し、試料槽11に形成された薄液膜8と接触する。試料電極5の下端面には導線が接続され電源装置16と繋がる。
底部3はさらに、外壁2の中心側から順に、内絶縁部13と、中絶縁部14と、外絶縁部15とを含む。
内絶縁部13は、試料電極5と参照電極7との間に隙間なく配置され、両者を電気的に絶縁させる。内絶縁部13は、円筒形状であり、試料電極5の外周面に密着して配置される。内絶縁部13と試料電極5とを密着させるためたとえば、両者は接着剤で接合される。内絶縁部13の上端面は試料槽11の底面の一部を構成する。内絶縁部13はたとえば、アクリル樹脂等の絶縁性を有する部材である。後述する中絶縁部14及び外絶縁部15も同様である。
参照電極7は、内絶縁部13と中絶縁部14との間に隙間なく配置される。参照電極7は、円筒形状であり、内絶縁部13の外周面に密着して配置される。参照電極7は、試料槽11の底面の一部を構成し、試料槽11に形成される薄液膜8と接触する。参照電極7の下端面には導線が接続され電源装置16と繋がる。参照電極7は、薄液膜8と接触可能であればよく、その配置は特に限定されない。たとえば、試料槽11の底面の全部が試料電極5及び絶縁部によって構成される場合、参照電極7は試料槽11の上方から薄液膜8に接触してもよい。
参照電極7は電気化学的分極測定での電位基準となるため、電気化学的に安定な材料であるのが好ましい。参照電極7の材料はたとえば、塩化銀である。
中絶縁部14は、参照電極7と対極6との間に隙間なく配置され、両者を電気的に絶縁させる。中絶縁部14は、円筒形状であり、参照電極7の外周面に密着して配置される。中絶縁部14の上端面は試料槽11の底面の一部及び対極槽12の底面の一部を構成する。中絶縁部14の上端面は、隔膜4を支持する。
試料槽11の底面は、試料電極5、内絶縁部13、参照電極7及び中絶縁部14の一部それぞれの上端面によって構成される。試料槽11の底面には薄液膜8が形成されるため、試料電極5、内絶縁部13、参照電極7及び中絶縁部14の一部それぞれの上端面は、平坦で、同一平面を形成する。同一平面はたとえば、各上端面を研磨することで形成される。
対極6は、中絶縁部14と外絶縁部15との間に隙間なく配置される。対極6は、円筒形状であり、中絶縁部14の外周面に密着して配置される。対極6の上端面は対極槽12の底面の一部を構成し、対極槽12に貯留された電解質溶液9と接触する。対極6の下端面には導線が接続され電源装置16と繋がる。
対極6は、試料電極5と対をなす電極であり、その材料は電気伝導体であれば特に限定されないが、イオン化傾向の小さい金属(たとえば電解質溶液中で安定な金、白金、グラファイト等)であるのが好ましい。その理由は、次のとおりである。対極6のイオン化傾向が大きければ、対極6をアノード反応(すなわち、試料電極5をカソード反応)させた場合、対極6の金属イオンが電解質溶液9中に溶解する。その後、対極6をカソード反応(すなわち、試料電極5をアノード反応)させた場合、電解質溶液9中の金属イオンが還元され、電解質溶液9中に析出する。これを抑制するために対極6のイオン化傾向は小さい方が好ましい。
対極6は、上端面(電解質溶液9と接する面)を覆うめっき層を含んでもよい。この場合、めっき層をイオン化傾向の小さい金属とすれば、対極6の材料のイオン化傾向は大きくてもよい。めっき層はたとえば、金である。
外絶縁部15は、対極6の外周面に密着して配置される。外絶縁部15の上端面の一部は対極槽12の底面の一部を構成する。外絶縁部15の上端面は外壁2を支持する。
対極槽12には薄液膜は形成されず、電解質溶液が一定の高さまで貯留されるため、対極6の上端面は、中絶縁部14及び外絶縁部15の上端面と同一平面を形成しなくてもよい。また、試料電極5と同様に、対極6の上端面は対極槽12の底面の全部を構成してもよい。
[隔膜]
隔膜4は筒形状であり、隔膜4の下端は中絶縁部14の上端面に取り付けられる。隔膜4は、外壁2の内部空間を、試料槽11と対極槽12とに仕切り、試料槽11と対極槽12との間で電解質溶液中のイオンが混ざることを抑制する。これを実現するために、隔膜4はバイコールガラス、セラミックス等の多孔質の材料からなる。
図4は、隔膜近傍の断面を示す模式図である。隔膜4は、複数の細孔17を含む。細孔17は、隔膜4内に不規則に散在する。細孔17は、電解質溶液を通すことができる大きさを有するため、隔膜4を電解質溶液に一定時間浸漬させれば、細孔17内は電解質溶液で満たされる。これにより、電気化学的分極測定の際に、試料電極5と対極6とが通電可能となる。
後述する実施例に示すように、電気化学的分極測定を行う一定時間内に試料槽11と対極槽12との間でイオンが入り混じらないようにするため、細孔17の半径は、500nm以上、1000nm以下であるのが好ましい。
図3を参照して、分極測定装置1はさらに、電源装置16を含む。電源装置16は、参照電極7と試料電極5とに印加される直流電圧を制御する。電源装置16はたとえば、ポテンシオスタットである。
図示はしないが、電源装置16はさらに電流計及び電圧計を含む。電流計は、試料電極5と対極6との間の電流値を測定する。電圧計は、試料電極5と対極6との間の電圧値を測定する。
図1を参照して、分極測定装置1はさらに、水平台28と、固定具29とを含むのが好ましい。水平台28は底部3を支持し、試料槽11内の薄液膜を水平にする。固定具29は、隔膜4に対して外壁2を固定し、隔膜4と外壁2との同軸度を維持する。
[薄液膜のpHの変化の抑制]
本実施形態の分極測定装置による薄液膜のpHの変化の抑制について説明する。以下では例として、試料電極が正極で炭素鋼からなり、対極が負極で塩化銀からなり、電解質溶液が塩化ナトリウム水溶液である場合の電気化学的分極測定について説明する。
図5は、試料電極をアノード反応させた場合の電解質溶液中のイオンの挙動を示す模式図である。試料電極5では、試料電極が酸化され、鉄イオン(Fe2+)化する。鉄イオンは薄液膜8中を対極6(陰極)に向かって移動する。一方、対極6では、電解質溶液及び空気中の酸素等が還元され、水酸化物イオン(OH)化する。水酸化物イオンは電解質溶液9中を試料電極5(陽極)に向かって移動する。
仮に、試料電極5と対極6との間に隔膜等の何らの仕切りがない場合、水酸化物イオンが試料電極5近傍に容易に到達するため、試料電極5近傍の電解質溶液のpHがアルカリ性に傾く。電解質溶液のpHがアルカリ性に傾けば、試料電極5である炭素鋼が不動態被膜を形成するため、電気化学分極測定が行いにくくなる。
この点、本実施形態の分極測定装置では試料電極5と対極6との間に多孔質の隔膜4が設けられる。隔膜4内の細孔17は隔膜4の試料槽11側から対極槽12側まで複雑な経路を形成するため、試料槽11のイオンと対極槽12のイオンとが入り混じるには、一定時間が必要である。この一定時間内に電気化学的分極測定を行えば、薄液膜8中のpHの変化を抑制して、所望のpHの薄液膜8を維持したまま電気化学的分極測定を行うことができる。
[分極測定方法]
続いて、上述した分極測定装置を用いた分極測定方法について説明する。本実施形態の分極測定方法は、形成工程と、膜厚測定工程と、分極測定工程とを含む。
[形成工程]
図3を参照して、形成工程では、分極測定装置1の試料槽11に薄液膜8を形成する。薄液膜8は電解質溶液であれば特に限定されず、測定対象となる腐食環境に合わせて適宜選択すればよい。薄液膜8はたとえば、塩化ナトリウム水溶液や、各種酸等である。
薄液膜8の形成はたとえば、試料槽11の上方からスポイト等によって電解質溶液を試料電極5上に滴下すればよい。薄液膜の形成は、その他周知の方法により行ってもよい。なお、薄液膜8を形成する前に試料槽11の底面を研磨し、平坦にしておくのが好ましい。
対極槽12には、薄液膜8と同じ電解質溶液を入れておく。対極槽12の電解質溶液は、薄液膜とする必要はなく、十分な量の電解質溶液を貯留しておいてよい。対極槽12への電解質溶液の貯留は、分極測定工程開始前までにされていればよく、その順序は特に問わない。
なお、試料電極5と対極6とを通電させるため、試料槽11及び対極槽12に電解質溶液を入れた後、一定時間放置し、隔膜4の細孔に電解質溶液を浸透させておくのが好ましい。
[膜厚測定工程]
膜厚測定工程では、試料槽11に形成された薄液膜8の厚さを測定する。厚さの測定は周知の方法で行えばよい。ただし、後述するように、厚さの測定はプローブと薄液膜とを接触させる接触式により行うのが好ましい。レーザー等の光学式の厚さ測定では、レーザー等の照射により薄液膜中で化学反応が生じ、薄液膜のpHが変化する可能性があるためである。
[分極測定工程]
分極測定工程は、膜厚測定工程後に実施される。分極測定工程では、薄液膜8を電気化学的分極測定する。具体的な測定方法は次のとおりである。
試料電極5を電源装置16の正極につなぎ、対極6を負極につなぐ。参照電極7は電源装置16の参照電極用端子につなぐ。参照電極7を基準として、試料電極5の電位を上げる。これにより、電気化学的分極が開始され、試料電極5でアノード反応が起こる。電気化学的分極を所定時間行い、電流値及び電圧値を得る。なお、試料電極5でカソード反応を起こさせる場合は、試料電極5を負極につなぎ、対極6を正極につなぐ。
このような分極測定を試料電極5に付与する電位を変えて、繰り返す。得られた電流値、電圧値及び薄液膜8の厚さに基づいて、分極曲線等の所望の特性を得る。分極曲線を得る方法はたとえば、JIS G 0579(2007)に準拠して行えばよい。
なお、分極測定工程では、分極測定装置の外壁2及び隔膜4上に錘を乗せたり、上蓋をボルト締結したりすることで、外壁2及び隔膜4を底部3に押し付けておくのが好ましい。外壁2と底部3との間及び隔膜4と底部3との間から電解質溶液が漏れることを抑制するためである。電解質溶液が漏れることを抑制するためさらに、外絶縁部15の上端面及び外壁2の下端面を研磨して滑らかにしておくのが好ましい。中絶縁部14及び隔膜4についても同様である。
[他の実施形態]
上述の実施形態では、膜厚測定工程を周知の方法により行う場合を説明したが、膜厚測定工程は以下のような液膜厚さ測定装置を用いるのが好ましい。
図6は、液膜厚さ測定装置を示す断面図である。液膜厚さ測定装置20は、プローブ21と、抵抗測定部22と、移動装置23とを含む。
プローブ21は、試料電極5の鉛直上方に配置される。プローブ21は、試料電極5に対し、鉛直方向に沿って近接離間可能である。液膜厚さを測定する際、移動装置23によりプローブ21を試料電極5に対して降下させる。移動装置23は、逐次、プローブ21の位置を把握する。プローブ21と薄液膜8とが接触するとプローブ21と試料電極5との間の電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化は、抵抗測定部22によって把握され、算出装置31に信号として送られる。抵抗測定部22からの信号及び移動装置23からのプローブの位置情報に基づいて、算出装置31が薄液膜8の厚さを算出する。移動装置23はたとえば、マイクロメータである。
図7は、プローブの一部を示す断面図である。図7は、プローブの延在方向に沿った断面を示す。プローブ21は、導線24と、撥水層25とを含む。導線24はたとえば、白金線である。撥水層25はたとえば、フッ素樹脂コーティング層であり、導線24の一部又は全部をコーティングする。
導線24は、先端面26と、側面27とを含む。たとえば、導線24の断面が円形である場合、先端面26は導線24の一方の端面(下端面)であり、側面27は円柱形状の導線の外周面である。先端面26は、試料電極の上端面と対向する。図6に示すように、導線24は、試料電極5と電気的に接続されている(一点鎖線参照)。導線24と試料電極5との接続は周知の方法で接続すればよい。さらに、導線24と試料電極5とは抵抗測定部22に電気的に接続される。
撥水層25は、撥水性を有する材料からなる。撥水層25は、少なくとも導線24の先端側部に定着して設けられ、外周面(側面27)を覆う。導線24の先端側部とは、導線24の先端面26から導線24の延在方向に所定の距離までの側面27の領域を意味する。撥水層25は、プローブ21を薄液膜8に接触させた際、薄液膜がプローブ21に付着し、奪うことを抑制する。したがって、撥水層25は、少なくともプローブ21の先端から薄液膜が付着する(濡れ上がる)領域まで設けられる。薄液膜が濡れ上がる領域は、薄液膜の組成、量、プローブ21の大きさ等の測定条件により様々である。プローブ21の浸漬濡れ性を高めるため、撥水層25は導線24の周方向全域にわたって覆うのが好ましい。
撥水層25はたとえば、液化した撥水性材料(たとえばフッ素樹脂)に導線24を浸漬させることで設けられる。導線24を撥水性材料に浸漬させた後、乾燥させれば、導線24に撥水性材料が定着し、撥水層25が形成される。このように浸漬により撥水層25を形成することで、導線24の側面27に一様な厚さの撥水層25が形成されやすくなる。導線24の先端に撥水層25を形成した後、先端をやすりで削る、又は切断することで導線24の先端を露出して導電性を担保した接触面を成形する。
このような液膜厚さ測定装置20によれば、薄液膜に接触させたプローブ21を引き上げる際、このプローブ21は浸漬濡れ性が低いことから、液滴(薄液膜)が付着しにくい。そのため、薄液膜の体積がプローブ21の離間に伴い奪われにくく、維持されやすい。すなわち、プローブ21を用いて薄液膜の厚さを測定した前後で薄液膜の厚さが変化しにくい。したがって、測定毎に自然な大気腐食環境を維持することができる。特に、薄液膜の厚さを繰り返し測定する際に、液膜厚さ測定装置20は顕著な効果を奏する。
本実施形態の分極測定装置の効果を確認するため、電気化学的分極測定を行い、試料槽内の薄液膜のpHの変化を調べた。
[試験条件]
本発明例として、上述の実施形態の分極測定装置を用い、隔膜4の細孔半径を300nm〜5000nmまでの間で4パターン変化させた。比較例として、上述の分極測定装置から隔膜4を除いた装置を用いた。その他の点で本発明例と比較例とで試験条件に差はなかった。
試料電極5は直径3mmの円柱形状であり、材料は炭素鋼(SM490相当)であった。対極6は外径6mm、肉厚1mmの円筒形状であり、材料はステンレス鋼(SUS304相当)であった。対極6の上端面全域に金めっきを施した。参照電極7は、厚さ0.5mmの銀箔を塩化銀化させ、円筒形状にして用いた。底部の材料は、アクリル樹脂であった。
電解質溶液は、0.1mol/Lの塩化ナトリウム水溶液であった。試料槽11に形成された薄液膜8の厚さは、40μmであった。試料電極5の電位は、参照電極7に対して−0.55Vであった。電気化学的分極測定は、20分間行った。
[評価方法]
試料槽11と対極槽12との間でイオンが入り混じれば、鉄イオンが水酸化物イオンにより還元されて析出物となる。そこで、本実施例では、電気化学的分極測定後の析出物の有無を目視で確認し、析出物が生じた場合は試料槽11と対極槽12との間でイオンが入り混じった、すなわち薄液膜のpHが変化したと判断した。
[試験結果]
本実施例の試験結果を、表1に示す。
Figure 2020008393
表1中、「○」は析出物が生じなかったことを意味し、「△」は隔膜内で析出物が生じたことを意味し、「×」は試料槽内で析出物が生じたことを意味する。表1に示されるように、隔膜4の細孔半径が500nm及び1000nmであれば、電気化学的分極測定後に析出物が生じず、薄液膜のpHの変化はなかった。隔膜4の細孔半径が300nm及び5000nmであれば、隔膜内では析出物が生じたものの、試料槽内では析出部は生じず、薄液膜のpHの変化はなかった。比較例では析出物が生じ、試料電極近傍(試料槽相当領域)のpHが変化した。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
本実施形態の分極測定装置及び分極測定方法は、金属の腐食反応の測定に用いることができる。
1:分極測定装置
2:外壁
3:底部
4:隔膜
5:試料電極
6:対極
7:参照電極
8:薄液膜
9:電解質溶液
11:試料槽
12:対極槽
13:内絶縁部
14:中絶縁部
15:外絶縁部
16:電源装置
17:細孔

Claims (6)

  1. 薄液膜が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定装置であって、
    筒形状の外壁と、
    前記外壁の下端に取り付けられ、試料電極、対極及び参照電極を含む底部と、
    前記外壁の内部空間を、試料槽と対極槽とに仕切る多孔質の隔膜と、を備え、
    前記試料電極は、前記試料槽の底面の少なくとも一部を構成する前記金属であり、
    前記対極は、対極槽の底面の少なくとも一部を構成し、
    前記参照電極は、試料槽に形成される前記薄液膜と接触可能に配置される、分極測定装置。
  2. 請求項1に記載の分極測定装置であって、
    前記外壁、前記隔膜及び前記対極はそれぞれ円筒形状であり、
    前記試料電極は円柱形状であり、
    前記外壁、前記隔膜、前記試料電極及び前記対極は同心円状に配置される、分極測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の分極測定装置であって、
    前記隔膜の細孔半径は、500nm以上、1000nm以下である、分極測定装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の分極測定装置であって、
    前記隔膜は、バイコールガラスである、分極測定装置。
  5. 薄液膜が付着した金属を電気化学的分極測定する分極測定方法であって、
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の分極測定装置の前記試料槽に薄液膜を形成する形成工程と、
    前記試料槽に形成された薄液膜の厚さを測定する膜厚測定工程と、
    前記膜厚測定工程後、前記薄液膜を電気化学的分極測定する分極測定工程と、を備える、分極測定方法。
  6. 請求項5に記載の分極測定方法であって、
    前記膜厚測定工程では、液膜厚さ測定装置を用いて前記薄液膜の厚さを測定し、
    前記液膜厚さ測定装置は、
    前記試料電極に対向し前記試料電極と電気的に接続された導線と、前記導線先端の側部に定着して設けられた撥水層と、を含み、前記試料電極に対して近接離間方向に往復移動可能なプローブと、
    前記導線と前記試料電極との間の電気抵抗を測定する抵抗測定部とを含む、分極測定方法。
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