JP2020008196A - 二重管式熱交換器 - Google Patents

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【課題】曲げ不良を低減させることが可能な二重管式熱交換器を提供する。【解決手段】内周面に複数のリブ11が周方向に等間隔で形成された外管2と、外管2内に配置され、内周面に複数のリブ12が周方向に等間隔で形成された内管3と、を有する。外管2のリブ11の数は、内管3のリブ12の数よりも多い。【選択図】図1

Description

本発明は、外管内に内管が配置された二重管式熱交換器に関する。
特許文献1には、外管内に内管が配置された二重管式熱交換器であって、外管の内周面に周方向に複数のリブを形成するとともに、内管の内周面に周方向に複数のリブを形成したものが開示されている。内管の内周面に形成された複数のリブは、伝熱面積を増大させて熱交換効率を向上させるためのものである。一方、外管の内周面に形成された複数のリブは、二重管式熱交換器を曲げ加工した際に、外管からの曲げの力を内管に付与して内管を曲げるためのものである。
特許第5202029号明細書
ところで、特許文献1のように、外管のリブの数と、内管のリブの数とが同数である場合において、二重管式熱交換器を曲げ加工した際に、外管のリブの位置と、内管のリブの位置とが周方向にすべて一致していた場合は、すべてが一致していなかった場合と比べて、曲げ加工後のスプリングバック量が大きくなり、曲げ不良となる場合がある。なお、スプリングバックとは、曲げ加工による変形が元に戻ろうとする現象およびその力である。また、曲げ加工後に、外管と内管との隙間からなる環状流路の断面積が不均一となる場合がある。
そこで、特許文献1では、外管のすべてのリブの位置を、内管のすべてのリブの位置に対して周方向にずらしている。
しかしながら、外管のすべてのリブの位置を、内管のすべてのリブの位置に対して周方向にずらすためには、目視しながら外管内に内管を挿入したり、予め設けたガイドに沿って外管内に内管を挿入したりする必要があり、作業が煩雑である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、曲げ不良を低減させることが可能な二重管式熱交換器を提供することである。
本発明は、内周面に複数のリブが周方向に等間隔で形成された外管と、前記外管内に配置され、内周面に複数のリブが周方向に等間隔で形成された内管と、を有し、前記外管の前記リブの数は、前記内管の前記リブの数よりも多いことを特徴とする。
本発明によれば、外管のリブの数は、内管のリブの数よりも多い。これにより、外管内に内管を配置した際に、外管のリブの位置と、内管のリブの位置とが、周方向にすべて一致することがない。仮に、外管のリブのいずれか1つの位置と、内管のリブのいずれか1つの位置とが周方向に一致したとしても、外管の他のリブの位置と、内管の他のリブの位置とは、ほとんどが周方向に不一致になる。よって、二重管式熱交換器を曲げ加工した際に、曲げ加工後のスプリングバック量を、ほぼ均一にすることができる。これにより、曲げ不良を低減させることができる。また、曲げ加工後に、外管と内管との隙間からなる環状流路の断面積を、ほぼ均一にすることができる。
二重管式熱交換器の断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(二重管式熱交換器の構成)
本発明の一実施形態である二重管式熱交換器は、外管内に内管が配置されたものである。なお、本実施形態の二重管式熱交換器は、カーエアコン等の車両用空調装置の冷媒配管などに使用されるものであるが、これに限定されない。
二重管式熱交換器1は、断面図である図1に示すように、外管2と、内管3と、を有している。外管2および内管3は、断面形状が円形である。内管3は、外管2内に配置されている。
外管2と内管3との隙間からなる環状流路4には、高温高圧の液体の冷媒が流通される。一方、内管3内には、低温低圧の気体の冷媒が流通される。環状流路4を流れる液体の冷媒と、内管3内を流れる気体の冷媒との間で、熱交換が行われる。なお、環状流路4を流通する冷媒は液体に限定されず、気体や気液混合体であってもよい。また、内管3内を流通する冷媒は気体に限定されず、液体や気液混合体であってもよい。
このような二重管式熱交換器1は、車両内での配置スペースに応じて、曲げ加工が施される。
外管2の内周面には、複数のリブ11が周方向に等間隔で形成されている。また、内管3の内周面には、複数のリブ12が周方向に等間隔で形成されている。外管2は、アルミニウム製であり、押し出し加工によってリブ11が一体に形成される。内管3も同様である。外管2の各リブ11は、外管2の軸方向の一端から他端にわたって形成されている。内管3の各リブ12についても、同様である。
内管3の内周面に形成された複数のリブ12は、気体の冷媒との接触面積を増大させて、熱交換効率を向上させるためのものである。一方、外管2の内周面に形成された複数のリブ11は、二重管式熱交換器1を曲げ加工した際に、外管2からの曲げの力を内管3に付与して内管3を曲げるためのものである。
外管2のリブ11と、内管3の外周面との間には、クリアランスが設けられている。このクリアランスにより、外管2内に内管3を好適に挿入することができる。
本実施形態では、外管2のリブ11の数は、内管3のリブ12の数よりも多い。また、本実施形態では、外管2のリブ11の数は偶数で、内管3のリブ12の数は奇数である。
具体的には、外管2のリブ11の数は8で、内管3のリブ12の数は5である。なお、外管2のリブ11の数および内管3のリブ12の数は、これに限定されない。また、外管2のリブ11の数が奇数で、内管3のリブ12の数が偶数であってもよいし、両方の数がそれぞれ奇数であってもよい。
ここで、外管2のリブ11、および、内管3のリブ12は、周方向に、それぞれ等間隔で形成されている。これは、二重管式熱交換器1を曲げ加工した際に、外管2および内管3が偏平することなく曲がるようにするためである。すなわち、曲げ加工される二重管式熱交換器1においては、外管2のリブ11、および、内管3のリブ12が、周方向に、それぞれ等間隔で形成されていることが前提となる。
仮に、外管2のリブ11の数と、内管3のリブ12の数とが同数である場合、外管2のリブ11のいずれか1つの位置と、内管3のリブ12のいずれか1つの位置とが周方向に一致すれば、外管2の他のリブ11の位置と、内管3の他のリブ12の位置とは、周方向にすべて一致することになる。
そして、外管2のリブ11の位置と、内管3のリブ12の位置とが周方向にすべて一致していた場合は、すべてが一致していなかった場合と比べて、曲げ加工後のスプリングバック量が大きくなる。そして、スプリングバック量が大きな二重管式熱交換器1は、所望の角度に曲がらず、曲げ不良となる。
そこで、本実施形態では、外管2のリブ11の数を、内管3のリブ12の数よりも多くしている。具体的には、外管2のリブ11の数を8にし、内管3のリブ12の数を5にしている。これにより、外管2内に内管3を配置した際に、外管2のリブ11の位置と、内管3のリブ12の位置とが、周方向にすべて一致することがない。仮に、外管2のリブ11のいずれか1つの位置と、内管3のリブ12のいずれか1つの位置とが周方向に一致したとしても、外管2の他のリブ11の位置と、内管3の他のリブ12の位置とは、周方向にすべて不一致になる。よって、二重管式熱交換器1を曲げ加工した際に、曲げ加工後のスプリングバック量を、ほぼ均一にすることができる。これにより、曲げ不良を低減させることができる。
なお、外管2のリブ11の数と内管3のリブ12の数とが、それぞれ、6本と3本、8本と4本、10本と5本、12本と6本である場合のように、外管2のリブ11の数が、内管3のリブ12の数の倍数である場合には、外管2内に内管3を配置した際に、外管2のリブ11の位置と、内管3のリブ12の位置とが、周方向にすべて一致する可能性が高くなる。よって、このような組み合わせは避けた方がよい。
また、内管3のリブ12の数を奇数にすることで、外管2のリブ11の位置と、内管3のリブ12の位置とが、周方向に一致する確率をさらに低減させることができる。これにより、曲げ加工後のスプリングバック量をさらに均一にすることができる。
さらに、外管2のリブ11の数と、内管3のリブ12の数とが、互いに素であることが、より好ましい。このような構成であれば、外管2内に内管3を配置した際に、外管2のリブ11と、内管3のリブ12とが周方向に一致する位置は、最大でも1つだけとなる。
ここで、外管2のリブ11の数は5以上13以下、好ましくは7以上11以下である。外管2のリブ11の数が多いほど、二重管式熱交換器1を曲げ加工した際に、外管2のリブ11で、内管3を好適に曲げることができる。その反面、外管2のリブ11の数が多いほど、外管2と内管3との隙間からなる環状流路4の断面積が小さくなり、圧力損失が大きくなる。そこで、外管2のリブ11の数を5以上13以下、好ましくは7以上11以下にすることで、圧力損失を抑えながら、内管3を好適に曲げることができる。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る二重管式熱交換器1によると、外管2のリブ11の数は、内管3のリブ12の数よりも多い。これにより、外管2内に内管3を配置した際に、外管2のリブ11の位置と、内管3のリブ12の位置とが、周方向にすべて一致することがない。仮に、外管2のリブ11のいずれか1つの位置と、内管3のリブ12のいずれか1つの位置とが、周方向に一致したとしても、外管2の他のリブ11の位置と、内管3の他のリブ12の位置とは、ほとんどが周方向に不一致になる。よって、二重管式熱交換器1を曲げ加工した際に、曲げ加工後のスプリングバック量を、ほぼ均一にすることができる。これにより、曲げ不良を低減させることができる。
また、外管2のリブ11の数、および、内管3のリブ12の数の少なくとも一方を奇数にすることで、外管2のリブ11の位置と、内管3のリブ12の位置とが、周方向に一致する確率をさらに低減させることができる。これにより、曲げ加工後のスプリングバック量をさらに均一にすることができる。
また、外管2のリブ11の数は5以上13以下、好ましくは7以上11以下である。外管2のリブ11の数が多いほど、二重管式熱交換器1を曲げ加工した際に、外管2のリブ11で内管3を好適に曲げることができる。その反面、外管2のリブ11の数が多いほど、外管2と内管3との隙間からなる環状流路4の断面積が小さくなり、圧力損失が大きくなる。そこで、外管2のリブ11の数を5以上13以下、好ましくは7以上11以下にすることで、圧力損失を抑えながら、内管3を好適に曲げることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に、本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 二重管式熱交換器
2 外管
3 内管
4 環状流路
11 リブ
12 リブ

Claims (4)

  1. 内周面に複数のリブが周方向に等間隔で形成された外管と、
    前記外管内に配置され、内周面に複数のリブが周方向に等間隔で形成された内管と、
    を有し、
    前記外管の前記リブの数は、前記内管の前記リブの数よりも多いことを特徴とする、二重管式熱交換器。
  2. 前記外管の前記リブの数、および、前記内管の前記リブの数の少なくとも一方は、奇数であることを特徴とする、請求項1に記載の二重管式熱交換器。
  3. 前記外管の前記リブの数が、5以上13以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二重管式熱交換器。
  4. 前記外管の前記リブの数と、前記内管の前記リブの数とが、互いに素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重管式熱交換器。
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