JP2020007986A - クライオポンプシステム - Google Patents

クライオポンプシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2020007986A
JP2020007986A JP2018130862A JP2018130862A JP2020007986A JP 2020007986 A JP2020007986 A JP 2020007986A JP 2018130862 A JP2018130862 A JP 2018130862A JP 2018130862 A JP2018130862 A JP 2018130862A JP 2020007986 A JP2020007986 A JP 2020007986A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
refrigerant gas
refrigerator
cryopump
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018130862A
Other languages
English (en)
Inventor
貴裕 谷津
Takahiro Yatsu
貴裕 谷津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2018130862A priority Critical patent/JP2020007986A/ja
Priority to PCT/JP2019/026296 priority patent/WO2020013031A1/ja
Priority to CN201980040153.XA priority patent/CN112334655A/zh
Priority to TW108124067A priority patent/TWI727363B/zh
Publication of JP2020007986A publication Critical patent/JP2020007986A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B37/00Pumps having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B35/00
    • F04B37/06Pumps having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B35/00 for evacuating by thermal means
    • F04B37/08Pumps having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B35/00 for evacuating by thermal means by condensing or freezing, e.g. cryogenic pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B37/00Pumps having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B35/00
    • F04B37/10Pumps having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B35/00 for special use
    • F04B37/14Pumps having pertinent characteristics not provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B35/00 for special use to obtain high vacuum
    • F04B37/16Means for nullifying unswept space
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B41/00Pumping installations or systems specially adapted for elastic fluids
    • F04B41/06Combinations of two or more pumps

Abstract

【課題】クライオポンプシステムに冗長性をもたせる。【解決手段】クライオポンプシステム10は、各クライオポンプ12が、クライオパネル16と、冷媒ガスの断熱膨張を用いてクライオパネル16を冷却する冷凍機18と、を備える少なくとも一台のクライオポンプ12と、各冷凍機18に冷媒ガスを供給するように並列接続され同時に運転されるN+1台の圧縮機(ただし、Nは正の整数)14と、を備える。N+1台の圧縮機14のうちどのN台の圧縮機14についても、当該N台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力の合計が、少なくとも一台のクライオポンプ12の個々の冷凍機18によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められている。【選択図】図1

Description

本発明は、クライオポンプシステムに関する。
クライオポンプは、極低温に冷却されたクライオパネルに気体分子を凝縮または吸着により捕捉して排気する真空ポンプである。クライオポンプは半導体回路製造プロセス等に要求される清浄な真空環境を実現するために一般に利用される。クライオポンプにはクライオパネルを冷却する極低温冷凍機が組み込まれている。冷凍機は圧縮機からの冷媒ガス供給によって動作する。
特開2012−67633号公報
半導体製造プロセスのための真空プロセス装置には多数のクライオポンプが設置されうる。多数のクライオポンプの同時運転など、比較的大流量で冷媒ガスを供給することが望まれる場合には、並列配置された複数台の圧縮機を有するクライオポンプシステムが使用されることがある。
しかし、そうしたクライオポンプシステムの稼働中に何らかの理由によりいずれかの圧縮機が異常停止したとすると、クライオポンプへの冷媒ガスの供給能力が低下する。例えば、クライオポンプシステムが2台の圧縮機を有し、そのうち1台が停止したとすれば、冷媒ガスの供給能力はおよそ半分に低下しうる。不十分な冷媒ガスの供給は各クライオポンプの冷凍機の冷凍能力低下をもたらし、これはクライオパネルの温度上昇につながりうる。クライオパネル温度の顕著な上昇は、クライオポンプの機能を損なわせる。例えば、クライオパネル温度があるしきい値温度(例えば、約20K)を超えた場合、水素などの非凝縮性ガスの吸着が不能となる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、クライオポンプシステムに冗長性をもたせることにある。
本発明のある態様によると、クライオポンプシステムは、各クライオポンプが、クライオパネルと、冷媒ガスの断熱膨張を用いて前記クライオパネルを冷却する冷凍機と、を備える少なくとも一台のクライオポンプと、各冷凍機に冷媒ガスを供給するように並列接続され同時に運転されるN+1台の圧縮機(ただし、Nは正の整数)と、を備える。前記N+1台の圧縮機のうちどのN台の圧縮機についても、当該N台の圧縮機の冷媒ガス供給能力の合計が、前記少なくとも一台のクライオポンプの個々の冷凍機によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められている。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、クライオポンプシステムに冗長性をもたせることができる。
実施の形態に係るクライオポンプシステムを概略的に示す図である。 実施の形態に係るクライオポンプシステムにおける冷媒ガスの流れを概略的に示す図である。 実施の形態に係るクライオポンプシステムに関する制御ブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係るクライオポンプシステム10を概略的に示す図である。クライオポンプシステム10は、少なくとも1台のクライオポンプ12と、複数台の圧縮機14とを備える。ここでは、例示的な構成として、クライオポンプシステム10が2台のクライオポンプ12と2台の圧縮機14を有する場合を示す。
クライオポンプ12は、例えばスパッタリング装置または蒸着装置の真空チャンバに取り付けられて、真空チャンバ内部の真空度を所望の真空プロセスに要求されるレベルまで高めるために使用される。
クライオポンプ12は、クライオパネル16と、冷媒ガスの断熱膨張を用いてクライオパネル16を冷却する冷凍機18と、を備える。クライオパネル16は、クライオポンプ12に収容されており、クライオポンプ12の動作中は冷凍機18によって極低温に冷却される。冷凍機18は、膨張機またはコールドヘッドとも称され、圧縮機14とともに極低温冷凍機を構成する。クライオポンプ12の吸気口から進入する気体は、極低温に冷却されたクライオパネル16の表面に凝縮され、またはクライオパネル16上に設けられた吸着材に吸着されて捕捉される。クライオパネル16の配置や形状などクライオポンプ12の構成は、種々の公知の構成を適宜採用することができるので、ここでは詳述しない。
圧縮機14は、冷凍機18に冷媒ガスを供給するように並列接続され同時に運転される。圧縮機14は、冷媒ガスを冷凍機18から回収し、回収した冷媒ガスを昇圧して、再び冷媒ガスを冷凍機18に供給するよう構成されている。
後述するように、クライオポンプシステム10の動作中、複数台の圧縮機14は常態として同時に運転される。いずれかの圧縮機14が何らかの要因により停止した場合、残りの圧縮機14は継続して運転される。
圧縮機14と冷凍機18との間の冷媒ガスの循環が冷凍機18内での冷媒ガスの適切な圧力変動と容積変動の組み合わせをもって行われることにより、寒冷を発生する熱力学的サイクルが構成され、冷凍機18の冷却ステージが所望の極低温に冷却される。それにより、冷凍機18の冷却ステージに熱的に結合されたクライオパネル16を目標冷却温度に冷却することができる。冷媒ガスは、通例はヘリウムガスであるが、適切な他のガスが用いられてもよい。理解のために、冷媒ガスの流れる方向を図1に矢印で示す。
冷凍機18は、一例として、単段式または二段式のギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機であるが、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機、またはそのほかのタイプの極低温冷凍機であってもよい。冷凍機18は、極低温冷凍機のタイプに応じて異なる構成を有する。圧縮機14は、極低温冷凍機のタイプによらず、同じ構成を用いることができる。
なお、一般に、圧縮機14から冷凍機18に供給される冷媒ガスの圧力と、冷凍機18から圧縮機14に回収される冷媒ガスの圧力は、ともに大気圧よりかなり高く、それぞれ第1高圧及び第2高圧と呼ぶことができる。説明の便宜上、第1高圧及び第2高圧はそれぞれ単に高圧及び低圧とも呼ばれる。典型的には、高圧は例えば約2〜3MPaの範囲にあり、低圧は例えば約0.5〜1.5MPaの範囲にある。
圧縮機14は、吐出ポート20と吸入ポート21とを有する。吐出ポート20は、圧縮機14により高圧に昇圧された冷媒ガスを圧縮機14から送出するために圧縮機14に設けられた冷媒ガスの出口であり、吸入ポート21は、低圧の冷媒ガスを圧縮機14に受け入れるために圧縮機14に設けられた冷媒ガスの入口である。
冷凍機18は、高圧ポート22と低圧ポート23とを有する。高圧ポート22は、冷凍機18の内部に高圧の作動ガスを受け入れるために冷凍機18に設けられた冷媒ガスの入口である。低圧ポート23は、冷凍機18の内部での冷媒ガスの膨張により減圧された低圧の冷媒ガスを冷凍機18から排出するために冷凍機18に設けられた冷媒ガスの出口である。
また、クライオポンプシステム10は、圧縮機14と冷凍機18との間で冷媒ガスを循環させるべくこれらを接続する配管システム24を備える。配管システム24は、高圧ライン26と低圧ライン28とを備える。高圧ライン26は、圧縮機14の吐出ポート20から高圧合流部25を経て冷凍機18の高圧ポート22へと冷媒ガスが流れることができるように構成されている。低圧ライン28は、冷凍機18の低圧ポート23から低圧合流部27を経て圧縮機14の吸入ポート21に冷媒ガスが流れることができるように構成されている。配管システム24は、圧縮機14ごとに吐出側逆止弁29と吸入側逆止弁30とを備える。
高圧ライン26は、圧縮機高圧サブライン31と冷凍機高圧サブライン32とを有する。圧縮機高圧サブライン31は、圧縮機14の吐出ポート20を高圧合流部25に接続し、冷凍機高圧サブライン32は、冷凍機18の高圧ポート22を高圧合流部25に接続する。高圧ライン26は圧縮機14から冷凍機18への冷媒ガスの流路であるから、圧縮機14から冷凍機18に向かう流れ方向を高圧ライン26の順方向と呼び、その反対方向を高圧ライン26の逆方向と呼ぶことができる。順方向は、図示されている矢印の向きにあたる。吐出側逆止弁29は、順方向の冷媒ガス流れを許容し、逆方向の冷媒ガス流れを遮断するように、圧縮機高圧サブライン31に配置されている。
低圧ライン28は、圧縮機低圧サブライン33と冷凍機低圧サブライン34とを有する。圧縮機低圧サブライン33は、圧縮機14の吸入ポート21を低圧合流部27に接続し、冷凍機低圧サブライン34は、冷凍機18の低圧ポート23を低圧合流部27に接続する。低圧ライン28は、冷凍機18から圧縮機14への冷媒ガスの流路であるから、冷凍機18から圧縮機14に向かう流れ方向を低圧ライン28の順方向と呼び、その反対方向を低圧ライン28の逆方向と呼ぶことができる。吸入側逆止弁30は、順方向の冷媒ガス流れを許容し、逆方向の冷媒ガス流れを遮断するように、圧縮機低圧サブライン33に配置されている。
吐出側逆止弁29および吸入側逆止弁30はいずれも、順方向上流側(すなわち逆止弁への入口側)での冷媒ガス圧力が順方向下流側(すなわち逆止弁の出口側)での冷媒ガス圧力を超える場合に開き、逆に順方向上流側での冷媒ガス圧力が順方向下流側での冷媒ガス圧力を超えない場合に閉じるように構成されている。言い換えれば、各逆止弁(29,30)は、その逆止弁を流れる順方向の冷媒ガス流れがあるときには、逆止弁が順方向流れに生じさせる圧力損失によって自然に開く。一方、各逆止弁(29,30)は、その逆止弁の出入口間に冷媒ガスの逆流を生み出しうる圧力差(すなわち出口圧が入口圧より高い)が発生すると、閉じる。このように上流側と下流側との間の差圧の作用により開閉する逆止弁は一般に入手可能であり、各逆止弁(29,30)は、そうした汎用の逆止弁を適宜採用することができる。
一例として、高圧ライン26および低圧ライン28は、フレキシブル管により構成されるが、リジッド管で構成されてもよい。また、高圧合流部25及び/または低圧合流部27は、単一部品(例えばマニホールド)として構成されてもよい。この単一部品に吐出側逆止弁29及び/または吸入側逆止弁30が組み込まれていてもよい。
配管システム24は、吐出側逆止弁29の両側に設けられた一組の脱着可能な継手35と、吸入側逆止弁30の両側に設けられたもう一組の脱着可能な継手35と、を備える。脱着可能な継手35は、例えば、セルフシーリング・カップリングである。
なお、脱着可能な継手35は、吐出側逆止弁29の片側(すなわち、吐出側逆止弁29と吐出ポート20の間、または吐出側逆止弁29と高圧合流部25の間)にのみ設けられていてもよい。同様に、脱着可能な継手35は、吸入側逆止弁30の片側にのみ設けられていてもよい。吐出側逆止弁29は、吐出ポート20に一体的に組み込まれていてもよい。吸入側逆止弁30は、吸入ポート21に一体的に組み込まれていてもよい。
複数の圧縮機14は常態として、クライオポンプシステム10の動作中に同時に運転される。
図1に示されるように、各圧縮機14において圧縮された高圧の冷媒ガスは、圧縮機14の吐出ポート20から圧縮機高圧サブライン31に送出される。冷媒ガスは高圧ライン26の順方向に流れているから、吐出側逆止弁29を通じて流れることができる。複数の圧縮機14からの冷媒ガス流れは高圧合流部25で一度合流し、冷凍機高圧サブライン32へと再び分流される。冷媒ガスは冷凍機高圧サブライン32から冷凍機18の高圧ポート22を経て冷凍機18に供給される。こうして、クライオポンプシステム10は、複数の圧縮機14からクライオポンプ12へと高圧の冷媒ガスを供給することができる。
各冷凍機18から排出される低圧の冷媒ガスは、冷凍機18の低圧ポート23から冷凍機低圧サブライン34を流れる。冷媒ガス流れは低圧合流部27で一度合流し、圧縮機低圧サブライン33へと再び分流される。冷媒ガスは低圧ライン28の順方向に流れているから、吸入側逆止弁30を通じて流れることができる。冷媒ガスは圧縮機低圧サブライン33から圧縮機14の吸入ポート21経て圧縮機14に回収される。こうして、クライオポンプシステム10は、クライオポンプ12から複数の圧縮機14へと低圧の冷媒ガスを回収することができる。
図2は、実施の形態に係るクライオポンプシステム10における冷媒ガスの流れを概略的に示す図である。図1に示されるクライオポンプシステム10の正常動作とは異なり、図2には、複数台の圧縮機14のうちある圧縮機14が何らかの要因により停止した異常時における冷媒ガスの流れを示す。圧縮機14は、停電、冷却設備の不具合、あるいは、気温や湿度、気圧など周囲環境の異常変動など、クライオポンプシステム10自体では制御不能または対処困難な種々の外部的要因により異常停止しうる。
ある圧縮機14が異常停止した場合、残りの圧縮機14が継続して運転され、それによりクライオポンプシステム10の停止を回避することが可能となる。図2にはクライオポンプシステム10が2台の圧縮機14を有する例を示しているから、一方の圧縮機14が停止し、他方の圧縮機14は正常に運転を継続している。
説明の便宜上、停止している圧縮機を第1圧縮機14aと称し、動作している圧縮機を第2圧縮機14bと称することとする。また、第1圧縮機14aに付随する吐出側逆止弁29および吸入側逆止弁30をそれぞれ、第1吐出側逆止弁29aおよび第1吸入側逆止弁30aと称する。同様に、第2圧縮機14bに付随する吐出側逆止弁29および吸入側逆止弁30をそれぞれ、第2吐出側逆止弁29bおよび第2吸入側逆止弁30bと称する。
この場合、図2に示されるように、第1圧縮機14aにより圧縮された高圧の冷媒ガスは、第1圧縮機14aの吐出ポート20から高圧ライン26に送出される。冷媒ガスは、圧縮機高圧サブライン31から高圧合流部25を経て冷凍機高圧サブライン32に分岐し、各冷凍機18の高圧ポート22に流入する。冷媒ガスは高圧ライン26の順方向に流れているから、第1吐出側逆止弁29aを通じて流れることができる。
一方、第2圧縮機14bは停止しているから、第2圧縮機14bの吐出ポート20から冷媒ガスは吐出されない。そのため、第2吐出側逆止弁29bについては、その順方向上流側での冷媒ガス圧力が順方向下流側での冷媒ガス圧力を下回り、第2吐出側逆止弁29bは閉鎖される。よって、第2吐出側逆止弁29bは、圧縮機高圧サブライン31を通じた第2圧縮機14bへの冷媒ガスの逆流を遮断する。
このようにして、高圧ライン26を通じて第1圧縮機14aから冷凍機18へと高圧の冷媒ガスを供給することができる。また、第1圧縮機14aから第2圧縮機14への高圧ライン26を通じた逆流が防止される。
冷凍機18から排出される低圧の冷媒ガスは、冷凍機18の低圧ポート23から低圧ライン28に送出される。冷媒ガスは、冷凍機低圧サブライン34から低圧合流部27および圧縮機低圧サブライン33を経て第1圧縮機14aの吸入ポート21に流入する。冷媒ガスは低圧ライン28の順方向に流れているから、第1吸入側逆止弁30aを通じて流れることができる。
一方、第2圧縮機14bは停止しているから、第2圧縮機14bの吸入ポート21から冷媒ガスは吸入されない。そのため、第2吸入側逆止弁30bについては、その順方向下流側で順方向上流側よりも圧力が高くなり、第2吸入側逆止弁30bは閉鎖される。よって、第2吸入側逆止弁30bは、圧縮機低圧サブライン33を通じた第2圧縮機14bへの冷媒ガスの逆流を遮断する。
このようにして、低圧ライン28を通じて冷凍機18から第1圧縮機14aへと低圧の冷媒ガスを回収することができる。また、第2圧縮機14から第1圧縮機14aへの低圧ライン28を通じた逆流が防止される。
なお、圧縮機14においては通例、停止しているとき吐出ポート20と吸入ポート21は均圧化されている。すなわち、吐出ポート20と吸入ポート21はともに高圧と低圧の平均圧となっている(例えば高圧が2MPaで低圧が0.6MPaであれば平均圧は1.3MPaである)。よって、第2吐出側逆止弁29bと第2吸入側逆止弁30bはともに、出口圧が入口圧よりも顕著に高くなり、この圧力差によって確実に閉鎖される。
図3は、実施の形態に係るクライオポンプシステム10に関する制御ブロック図である。図3は、クライオポンプシステム10の関連部分を示し、複数のクライオポンプ12のうち1つについて内部の詳細を示し、他のクライオポンプ12については同様であるので図示を省略する。同様に、複数の圧縮機14について詳細を示し、他の圧縮機14はそれと同様であるので内部の図示を省略する。
なお、こうしたクライオポンプシステム10の制御構成は、ハードウェア構成としてはコンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現され、ソフトウェア構成としてはコンピュータプログラム等によって実現されるが、図3では適宜、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
クライオポンプシステム10は、クライオポンプコントローラ(以下ではCPコントローラとも称する)100を備える。CPコントローラ100は、クライオポンプ12(即ち冷凍機18)および圧縮機14を制御する。CPコントローラ100は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、メモリ等を備える。また、CPコントローラ100は、クライオポンプ12が取り付けられる真空プロセス装置を制御するための上位のコントローラ(図示せず)とも通信可能に構成されている。
CPコントローラ100は、クライオポンプ12及び圧縮機14とは別体として設置されている。CPコントローラ100は、クライオポンプ12及び圧縮機14と互いに通信可能に接続されている。クライオポンプ12はそれぞれ、CPコントローラ100と通信する入出力を処理するためのIOモジュール50を備える。なおCPコントローラ100は、いずれかのクライオポンプ12または圧縮機14と一体に搭載されていてもよい。
CPコントローラ100は上述のように、各クライオポンプ12のIOモジュール50に通信可能に接続されている。IOモジュール50は、冷凍機インバータ52及び信号処理部54を含む。冷凍機18は、冷凍機18の熱力学的サイクルを駆動する駆動源としての冷凍機モータ56を備える。冷凍機インバータ52は外部電源例えば商用電源から供給される規定の電圧及び周波数の電力を調整し冷凍機モータ56に供給する。冷凍機モータ56に供給されるべき電圧及び周波数はCPコントローラ100により制御される。クライオポンプ12は、クライオパネル温度センサ58を備える。クライオパネル温度センサ58は、冷凍機18の冷却ステージ及び/またはクライオパネル16(図1参照)の温度を測定する。
CPコントローラ100はセンサ出力信号に基づいて指令制御量を決定する。信号処理部54は、CPコントローラ100から送信された指令制御量を冷凍機インバータ52へと中継する。例えば、信号処理部54はCPコントローラ100からの指令信号を冷凍機インバータ52で処理可能な信号に変換して冷凍機インバータ52に送信する。指令信号は冷凍機18の運転周波数を表す信号を含む。また、信号処理部54は、クライオポンプ12の各種センサの出力をCPコントローラ100へと中継する。例えば、信号処理部54はセンサ出力信号をCPコントローラ100で処理可能な信号に変換してCPコントローラ100に送信する。
IOモジュール50の信号処理部54には、クライオパネル温度センサ58を含む各種センサが接続されている。クライオパネル温度センサ58は、クライオパネル16の温度を周期的に測定し、測定温度値を示す信号を出力する。クライオパネル温度センサ58の測定温度信号は、所定時間おきにCPコントローラ100へと入力され、温度測定値はCPコントローラ100の所定の記憶領域に格納保持される。
冷凍機18の運転周波数(運転速度ともいう)とは、冷凍機モータ56の運転周波数または回転数、冷凍機インバータ52の運転周波数、冷凍機18の熱力学的サイクル(例えばGMサイクルなどの冷凍サイクル)の周波数、または、これらのいずれかを表す。熱力学的サイクルの周波数とは、冷凍機18において行われる熱力学的サイクルの単位時間あたりの回数である。
CPコントローラ100は、目標冷却温度とクライオパネルの測定温度との偏差の関数として(例えばPID制御により)冷凍機18の運転周波数を決定するよう構成されている。CPコントローラ100は、決定された運転周波数を冷凍機インバータ52に出力する。冷凍機インバータ52は、入力電力を、CPコントローラ100から入力された運転周波数を有するよう変換する。冷凍機インバータ52への入力電力は、冷凍機電源(図示せず)から供給される。冷凍機インバータ52は、変換された電力を冷凍機モータ56に出力する。こうして冷凍機モータ56は、CPコントローラ100によって決定され冷凍機インバータ52から出力された運転周波数で駆動される。
クライオポンプ12への熱負荷が増加したときクライオパネル16の温度が高まりうる。クライオパネル温度センサ58の測定温度が目標温度よりも高温である場合には、CPコントローラ100は、冷凍機18の運転周波数を増加させる。その結果、冷凍機18における熱力学的サイクルの周波数も増加され(すなわち冷凍機18の冷凍能力は高まり)、クライオパネル16は目標温度に向けて冷却される。逆にクライオパネル温度センサ58の測定温度が目標温度よりも低温である場合には、冷凍機18の運転周波数は減少され冷凍能力は低下し、クライオパネル16は目標温度に向けて昇温される。こうして、クライオパネル16の温度を目標温度の近傍の温度範囲に留めることができる。熱負荷に応じて冷凍機18の運転周波数を適切に調整することができるので、こうした制御はクライオポンプ12の消費電力の低減に役立つ。
このように、冷凍機18でのクライオパネル冷却に使用される冷媒ガス流量は、クライオポンプ12への熱負荷に応じてクライオパネル16の温度を目標温度に維持するように変化する。仮に、圧縮機14から冷凍機18に供給される冷媒ガス流量が不足したとすると、冷凍機18の運転周波数が増加したとしても、冷凍機18の冷凍能力は十分に増加されない。そこで、実施の形態に係るクライオポンプシステム10は、圧縮機14からの冷媒ガス吐出流量を可変とするように構成されている。そうした圧縮機制御の一例を次に説明する。
また、圧縮機14は、圧縮機コントローラ60と、圧縮機インバータ62と、圧縮機モータ64と、第1圧力センサ66と、第2圧力センサ68とを備える。圧縮機14は、例えば、スクロール方式、ロータリ式、または冷媒ガスを昇圧するそのほかのポンプとして構成され、圧縮機モータ64はこれを駆動する駆動源として設けられている。
冷凍機18の場合と同様に、圧縮機コントローラ60は、圧縮機14の運転周波数を決定し、決定された運転周波数を圧縮機インバータ62に出力する。圧縮機インバータ62は、圧縮機コントローラ60から入力された運転周波数に従って入力電力を変換し、変換された電力を圧縮機モータ64に出力する。こうして圧縮機モータ64は、圧縮機コントローラ60によって決定され圧縮機インバータ62から出力された運転周波数で駆動される。ここで、圧縮機14の運転周波数とは例えば、圧縮機インバータ62の運転周波数、圧縮機モータ64の運転周波数または回転数を指す。
第1圧力センサ66はクライオポンプシステム10の高圧(例えば高圧ライン26の圧力)を測定し、第2圧力センサ68はクライオポンプシステム10の低圧(例えば低圧ライン28の圧力)を測定するように圧縮機14の内部に設けられている。第1圧力センサ66および第2圧力センサ68はそれぞれ、冷媒ガスの圧力を周期的に測定し、測定圧力値を示す信号を圧縮機コントローラ60に出力する。圧縮機コントローラ60は、測定圧力信号及び/または圧縮機14の運転周波数をCPコントローラ100に送信してもよい。
圧縮機コントローラ60は、第1圧力センサ66及び/または第2圧力センサ68の測定圧力に基づいて圧縮機14の運転周波数を制御するよう構成されている。例えば、圧縮機コントローラ60は、圧縮機14の吐出側と吸入側との差圧と目標差圧との偏差の関数として(例えばPID制御により)圧縮機14の運転周波数を決定するよう構成されている。このような圧縮機14の制御は、「差圧一定制御」と呼ばれることがある。なお必要に応じて、差圧の目標値は差圧一定制御の実行中に変更されてもよい。差圧一定制御において、圧縮機コントローラ60は、第1圧力センサ66の測定圧力と第2圧力センサ68の測定圧力との差圧を求める。圧縮機コントローラ60は、その測定差圧を差圧目標値に一致させるように圧縮機14の運転周波数を決定する。圧縮機コントローラ60は、測定差圧が差圧目標値より大きければ運転周波数を低下させ、測定差圧が差圧目標値より小さければ運転周波数を増加させる。
冷凍機18でのクライオパネル冷却に使用される冷媒ガス流量は、冷凍機18の運転周波数に比例し、例えば、冷凍機18の内部容積と冷凍機18の運転周波数との積から求まる。冷凍機18の運転周波数が増加するほど、圧縮機14から冷凍機18に供給すべき冷媒ガス流量は増える。このとき圧縮機14の運転周波数が低く、圧縮機14からの冷媒ガス供給が不十分だったとすると、圧縮機14の吐出側の圧力は低下する。冷凍機18の運転周波数が増加するとき冷凍機18から圧縮機14に回収すべき冷媒ガス流量も増える。このとき圧縮機14の運転周波数が低ければ、冷凍機18から排気される冷媒ガスを圧縮機14は十分に回収しないから、圧縮機14の吸入側の圧力は高まる。こうして、冷凍機18の運転周波数の増加は、圧縮機14の吐出側と吸入側との差圧を小さくする傾向をもたらす。逆に、冷凍機18の運転周波数の減少は、圧縮機14の吐出側と吸入側との差圧を大きくする傾向をもたらす。
圧縮機14の差圧一定制御によれば、クライオポンプ12への負荷が増し冷凍機18の運転周波数が増加するときには、圧縮機14の吐出側と吸入側との差圧低下を抑制するように圧縮機14の運転周波数が増加され、圧縮機14から冷凍機18への冷媒ガス供給も増加される。一方、クライオポンプ12への負荷が低下し冷凍機18の運転周波数が減少するときには、圧縮機14の運転周波数が減少されて圧縮機14から冷凍機18への冷媒ガス供給も抑制される。クライオポンプシステム10への負荷に応じて圧縮機14の運転周波数を適切に調整することができるので、差圧一定制御はクライオポンプシステム10の消費電力の低減に役立つ。
ところで、典型的なクライオポンプシステムは、圧縮機を1台のみ有するように構成されることができる。これに対して、実施の形態に係るクライオポンプシステム10は、圧縮機14が1台のみではなく、もう1台の圧縮機14が追加されている。クライオポンプシステム10は、圧縮機14に関して冗長性を有する。これら2台の圧縮機14は、クライオポンプ12への冷媒ガス供給源としてクライオポンプシステム10の動作中に同時に運転される。
2台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力の合計が、クライオポンプ12の個々の冷凍機18によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められている。ここで、圧縮機14の冷媒ガス供給能力は、例えば、圧縮機14が最大の運転周波数で運転されるときに実現される圧縮機14の最大吐出流量を指す。冷凍機18に必要な冷媒ガス流量は、例えば、冷凍機18が最大の運転周波数で運転されるときに冷凍機18に使用される冷媒ガス流量を指す。よって、2台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力をQc,Qcと表し、2台の冷凍機18の必要冷媒ガス流量をqr,qrと表すとき、次の関係が成り立つ。
Qc+Qc≧qr+qr
圧縮機14の冷媒ガス供給能力がこのように定められることにより、2台の圧縮機14の同時運転によって2台の冷凍機18に冷媒ガスを十分に供給することができる。冷凍機18における冷媒ガスの不足を回避することができるので、クライオパネル16を目標温度に維持し、クライオポンプシステム10の運転を継続することができる。
加えて、実施の形態に係るクライオポンプシステム10においては、2台の圧縮機14のうちどの圧縮機14についても、当該圧縮機14の冷媒ガス供給能力が、各クライオポンプ12の冷凍機18によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められている。すなわち、クライオポンプシステム10は、次の関係も満たす。
Qc≧qr+qr かつ Qc≧qr+qr
図2を参照して説明したように、何らかの原因により片方の圧縮機14が停止する状況が想定される。しかし、クライオポンプシステム10は、停止していない他方の圧縮機14によって2台の冷凍機18に冷媒ガスを十分に供給することができる。このようにして、たとえ1台の圧縮機14が運転しない状況にあっても、クライオポンプシステム10は、各クライオポンプ12のクライオパネル16を目標温度に維持し、クライオポンプシステム10の運転を継続することができる。
実施の形態に係るクライオポンプシステム10の構成は、次のように一般化することができる。クライオポンプシステム10は、M台のクライオポンプ12と、各クライオポンプ12の冷凍機18に冷媒ガスを供給するように並列接続され同時に運転されるN+1台の圧縮機14と、を備える。ただし、M、Nはそれぞれ正の整数である。一例として、正の整数Mは、例えば、1またはそれより大きく、2またはそれより大きく、3またはそれより大きく、5またはそれより大きく、または、10またはそれより大きくてもよい。正の整数Mは、例えば、20またはそれより小さく、10またはそれより小さく、5またはそれより小さく、または、3またはそれより小さくてもよい。正の整数Nは、例えば、1またはそれより大きく、2またはそれより大きく、3またはそれより大きく、5またはそれより大きく、または、10またはそれより大きくてもよい。正の整数Nは、例えば、20またはそれより小さく、10またはそれより小さく、5またはそれより小さく、または、3またはそれより小さくてもよい。
N+1台の圧縮機14のうちどのN台の圧縮機14についても、当該N台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力の合計が、各クライオポンプ12の冷凍機18によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められている。よって、N+1台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力をQc,Qc,・・・,Qc,QcN+1と表し、M台の冷凍機18の必要冷媒ガス流量をqr,qr,・・・,qrと表すとき、クライオポンプシステム10は、次の関係のすべてを満たす。
ΣQc−Qc≧Σqr
ΣQc−Qc≧Σqr
・・・・
ΣQc−Qc≧Σqr
ΣQc−QcN+1≧Σqr
ここで、ΣQc=Qc+Qc+・・・+Qc+QcN+1(すなわち、N+1台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力の合計)、Σqr=qr+qr+・・・+qr(すなわち、M台の冷凍機18の必要冷媒ガス流量の合計)を表す。よって、上記の各式の左辺は、N+1台の圧縮機14のうち任意のN台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力の合計を表す。
このようにすれば、たとえ何らかの原因によりいずれかの圧縮機14が停止したとしても、クライオポンプシステム10は、停止していない残りの圧縮機14によってM台のクライオポンプ12の冷凍機18に冷媒ガスを十分に供給することができる。クライオポンプシステム10は、いずれかの圧縮機14が停止している間も、各クライオポンプ12のクライオパネル16を目標温度に維持し、クライオポンプシステム10の運転を継続することができる。
また、N+1台の圧縮機14のすべてが運転している正常な状況では、クライオポンプシステム10が1台の余剰の圧縮機14を含むことになる。そのため、N+1台の圧縮機14の各々が供給すべき冷媒ガス流量は、クライオポンプシステム10がN台の圧縮機14のみを含む場合に比べて少なくてすむ。よって、実施の形態に係るクライオポンプシステム10によれば、各圧縮機14を比較的低い負荷(すなわち運転周波数)で運転することができ、これは圧縮機14の寿命を延ばすことに役立つ。
また、クライオポンプシステム10は、N+1台の圧縮機14を制御する制御部(例えば、圧縮機コントローラ60、またはCPコントローラ100)を備える。制御部は、同時に運転される圧縮機14の数がN+1台からN台に減少するとき、同時に運転されるN台の圧縮機14それぞれの冷媒ガス供給を増加するように各圧縮機14を制御するように構成されている。
このような圧縮機制御に好適な一例は、上述の差圧一定制御である。複数台の圧縮機14のうちいずれかの圧縮機14が停止した状況を考えると、停止した一台の圧縮機14の分だけ合計の冷媒ガス供給流量が低下するから、高圧ライン26の圧力は低下し低圧ライン28の圧力は高まりうる。つまり、いずれかの圧縮機14が停止すると、残りの圧縮機14の各々の吐出側と吸入側との差圧が低下する傾向となる。差圧一定制御によれば、こうした差圧の低下が目標差圧へと回復するように各圧縮機14の運転周波数が増加される。このようにして、クライオポンプシステム10は、同時に運転される圧縮機14の数がN+1台からN台に減少するとき、同時に運転されるN台の圧縮機14それぞれの冷媒ガス供給を増加するように各圧縮機14を制御することができる。
さらに、クライオポンプシステム10の配管システム24は、圧縮機14ごとに吐出側逆止弁29と吸入側逆止弁30とを備える。このようにすれば、複数台の圧縮機14のうちいずれかの圧縮機14が停止したとしても、運転している残りの圧縮機14から停止中の圧縮機14への冷媒ガスの逆流を防止することができる。吐出側逆止弁29と吸入側逆止弁30は差圧によって機械的に閉鎖されるので、電気的な制御を要することなくクライオポンプシステム10のから停止した圧縮機14を自然に切り離すことができる。
とくに、吐出側逆止弁29と吸入側逆止弁30は出入口間の差圧で動作する汎用の逆止弁を採用でき、こうした逆止弁は比較的単純な構成を有し安価である。切り離しのための電気的な制御弁を配管システム24に設けるのに比べて、配管システム24を簡素に構成することができ、これはクライオポンプシステム10の製造コストの低減に役立ちうる。なお、必要に応じて、配管システム24は、吐出側逆止弁29及び/または吸入側逆止弁30に代えて、停止した圧縮機14への冷媒ガス逆流を遮断するように構成された制御弁を備えてもよい。
また、配管システム24は、吐出側逆止弁29の両側に設けられた一組の脱着可能な継手35を備える。配管システム24は、吸入側逆止弁30の両側に設けられたもう一組の脱着可能な継手35を備える。このようにすれば、作業者は、停止した圧縮機14をクライオポンプシステム10から取り外してメンテナンスを施すことができる。あるいは、作業者は、圧縮機14をクライオポンプシステム10から取り外して、新品のまたはメンテナンス済みの他の圧縮機と交換することができる。このようなメンテナンス作業をクライオポンプシステム10の運転を継続しながら行うことができるので、便利である。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。また、ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
上述の実施の形態においては、冷凍機18に必要な冷媒ガス流量は、例えば、冷凍機18が最大の運転周波数で運転されるときに冷凍機18に使用される冷媒ガス流量を指すと説明している。現実には、冷凍機18の最大運転周波数が要求される場面は、クライオポンプシステム10の起動時(このとき冷凍機18は室温から極低温に高速に冷却することが望まれる)等など限定的であり、稀である。そのようにしてクライオポンプシステム10が起動されて安定的に稼動している状態では、冷凍機18に必要な冷媒ガス流量はそれほど多い必要はない。そこで、冷凍機18に必要な冷媒ガス流量は、冷凍機18がある運転周波数しきい値で運転されるときに冷凍機18に使用される冷媒ガス流量を指してもよい。この運転周波数しきい値は、最大の運転周波数より小さい。このようにすれば、圧縮機14の冷媒ガス供給能力をより低く設計することが可能となるので、個々の圧縮機14の小型化やクライオポンプシステム10の製造コストの低減につながりうる。
クライオポンプシステム10は、少なくとも一台のクライオポンプ12と、同時に運転されるN+1台より多くの圧縮機14(例えばN+2台またはN+3台の圧縮機14)を備えてもよい。N+1台より多くの圧縮機14のうちどのN台の圧縮機14についても、当該N台の圧縮機14の冷媒ガス供給能力の合計が、少なくとも一台のクライオポンプ12の個々の冷凍機18によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められていてもよい。このようにすれば、クライオポンプシステム10は、圧縮機14に関してさらに冗長化されており、例えば2台または3台の圧縮機14が停止したとしてもクライオポンプシステム10の運転を継続することができる。
あるいは、N+1台を超える余剰の圧縮機14は、常態としては他の圧縮機14と同時に運転されない予備の圧縮機としてクライオポンプシステム10に設けられていてもよい。
10 クライオポンプシステム、 12 クライオポンプ、 14 圧縮機、 16 クライオパネル、 18 冷凍機、 24 配管システム、 29 吐出側逆止弁、 30 吸入側逆止弁、 35 脱着可能な継手。

Claims (4)

  1. 各クライオポンプが、クライオパネルと、冷媒ガスの断熱膨張を用いて前記クライオパネルを冷却する冷凍機と、を備える少なくとも一台のクライオポンプと、
    各冷凍機に冷媒ガスを供給するように並列接続され同時に運転されるN+1台の圧縮機(ただし、Nは正の整数)と、を備え、
    前記N+1台の圧縮機のうちどのN台の圧縮機についても、当該N台の圧縮機の冷媒ガス供給能力の合計が、前記少なくとも一台のクライオポンプの個々の冷凍機によるクライオパネル冷却に必要な冷媒ガス流量の合計を下回らないように定められていることを特徴とするクライオポンプシステム。
  2. 前記N+1台の圧縮機を制御する制御部であって、同時に運転される圧縮機の数がN+1台からN台に減少するとき、同時に運転されるN台の圧縮機それぞれの冷媒ガス供給を増加するように各圧縮機を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプシステム。
  3. 各クライオポンプの冷凍機と前記N+1台の圧縮機とを接続する配管システムであって、圧縮機ごとに吐出側逆止弁と吸入側逆止弁とを備える配管システムをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のクライオポンプシステム。
  4. 前記配管システムは、前記吐出側逆止弁の両側に設けられた一組の脱着可能な継手と、前記吸入側逆止弁の両側に設けられたもう一組の脱着可能な継手と、を備えることを特徴とする請求項3に記載のクライオポンプシステム。
JP2018130862A 2018-07-10 2018-07-10 クライオポンプシステム Pending JP2020007986A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130862A JP2020007986A (ja) 2018-07-10 2018-07-10 クライオポンプシステム
PCT/JP2019/026296 WO2020013031A1 (ja) 2018-07-10 2019-07-02 クライオポンプシステムおよびクライオポンプシステムの運転方法
CN201980040153.XA CN112334655A (zh) 2018-07-10 2019-07-02 低温泵系统及低温泵系统的运转方法
TW108124067A TWI727363B (zh) 2018-07-10 2019-07-09 低溫泵系統

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130862A JP2020007986A (ja) 2018-07-10 2018-07-10 クライオポンプシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020007986A true JP2020007986A (ja) 2020-01-16

Family

ID=69142394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018130862A Pending JP2020007986A (ja) 2018-07-10 2018-07-10 クライオポンプシステム

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2020007986A (ja)
CN (1) CN112334655A (ja)
TW (1) TWI727363B (ja)
WO (1) WO2020013031A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102536332B1 (ko) * 2022-09-23 2023-05-26 크라이오에이치앤아이(주) 크라이오 펌프 시스템

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022092331A (ja) * 2020-12-10 2022-06-22 アルバック・クライオ株式会社 クライオポンプ、および、クライオポンプ用断熱構造体

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004136851A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Denso Corp 車両用空調装置
JP2012067633A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd クライオポンプシステム及びその制御方法
JP2014219125A (ja) * 2013-05-02 2014-11-20 株式会社前川製作所 冷凍システム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3538021B2 (ja) * 1998-04-24 2004-06-14 株式会社東芝 冷蔵庫の冷却運転制御装置
JP2009121786A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Ihi Corp 極低温冷凍装置とその制御方法
TWI705187B (zh) * 2011-03-04 2020-09-21 美商艾德華真空有限責任公司 低溫冷凍系統以及用於控制氦氣冷凍劑之供給的方法
DE102011076858A1 (de) * 2011-06-01 2012-12-06 Siemens Aktiengesellschaft Vorrichtung zur Kühlung einer supraleitenden Maschine und Verfahren zum Betrieb der Vorrichtung
JP6067423B2 (ja) * 2013-03-04 2017-01-25 住友重機械工業株式会社 極低温冷凍装置、クライオポンプ、核磁気共鳴画像装置、及び極低温冷凍装置の制御方法
CN206018879U (zh) * 2016-08-26 2017-03-15 珠海格力电器股份有限公司 热泵系统及车载空调
CN108240722B (zh) * 2018-03-21 2023-11-07 天津商业大学 一种多循环变流量制冷系统

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004136851A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Denso Corp 車両用空調装置
JP2012067633A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd クライオポンプシステム及びその制御方法
JP2014219125A (ja) * 2013-05-02 2014-11-20 株式会社前川製作所 冷凍システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102536332B1 (ko) * 2022-09-23 2023-05-26 크라이오에이치앤아이(주) 크라이오 펌프 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
CN112334655A (zh) 2021-02-05
TW202006251A (zh) 2020-02-01
WO2020013031A1 (ja) 2020-01-16
TWI727363B (zh) 2021-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5738174B2 (ja) クライオポンプシステム、極低温システム、圧縮機ユニットの制御装置及びその制御方法
JP5545858B2 (ja) クライオポンプシステム及びその制御方法
JP4686572B2 (ja) クライオポンプ、真空排気システム、及びその診断方法
US10054114B2 (en) Cryopump and method of monitoring cryopump
TWI705187B (zh) 低溫冷凍系統以及用於控制氦氣冷凍劑之供給的方法
KR101652909B1 (ko) 크라이오펌프시스템, 및 크라이오펌프시스템의 운전방법
WO2020013031A1 (ja) クライオポンプシステムおよびクライオポンプシステムの運転方法
WO2018147179A1 (ja) 極低温冷凍機のための圧縮機ユニット、及びクライオポンプシステム
JP2020112315A (ja) 極低温冷凍機の起動方法、極低温冷凍機
US9068564B2 (en) Cryopump and method of monitoring cryopump
US11649998B2 (en) Cryocooler
CN113324342B (zh) 超低温制冷机用压缩机系统及辅助冷却装置
KR20230071991A (ko) 크라이오펌프시스템 및 크라이오펌프시스템의 운전방법
US11262105B2 (en) Cryocooler and cryocooler pipe system
JP2017214936A (ja) クライオポンプシステム、及びクライオポンプシステムの運転方法
WO2023218865A1 (ja) オイル潤滑式の極低温冷凍機用圧縮機
JP2019173756A (ja) クライオポンプシステム、クライオポンプシステムの運転方法、冷凍機システム、および冷凍機システムの運転方法
JP6556891B2 (ja) 液化ガス用冷却装置およびそのメンテナンス方法
JP2021063508A (ja) クライオポンプシステム、クライオポンプシステムの運転方法、冷凍機システム、および冷凍機システムの運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221027

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221206