JP2020006981A - 液体収容容器およびバックインボックス - Google Patents
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この点、バッグインボックスは、プラスチックフィルムからなる包装袋の欠点である脆弱性と不定形であるという問題を紙製の外箱を用いることで補い、内容物を消費した後は、折り畳むことにより減容できるという優れた機能を有している。また、バックインボックスの内袋を単層ポリエチレンフィルムなどのリサイクル可能な材料から形成することで、環境にも優しい製品とすることができる。
特許文献2には、バックインボックスにおいて注出口の筒状部の基部にフランジ部を設け、このフランジ部の上面に内袋の一部を貼着した構成が開示されている。
特許文献4には、口栓の底部にフランジ部異方性拡散板を設け、この上面にプラスチックバッグのフィルムを熱溶着した構成が開示されている。
特許文献5には、バックインボックスにおいて、注出口栓の底部に鍔条の突出片を設け、この突出片に液体収容容器のカートンを熱融着により固定した構成が開示されている。
これに対し特許文献2〜5に記載の構成では、いずれも口部材の基端側に設けたフランジ部にフィルムを熱溶着する構造が採用されている。しかし、熱溶着のみでフィルムを口部材に取り付けた構造では、熱溶着部分に溶着不良や剥離部を生じていると、口部材の取り付け部分周囲から液漏れを生じるおそれを有している。
このため、特許文献1に記載されている枠体を用いたかしめ固定構成が有利であると考えられる。そこで、本願発明者が特許文献1に記載されている構造を利用して更に強固な取付構造について研究した結果、本願発明に到達した。
「1」本発明に係る液体収容容器は、着脱自在なキャップを備えた口部材が合成樹脂製のフィルムからなる容器本体に取り付けられた液体収容容器において、前記口部材が、前記キャップを装着する周壁筒と、前記周壁筒の外周基部に前記周壁筒よりも大きな外径に形成された台座部を有し、前記容器本体の外壁を前記台座部に貫通させて前記口部材が前記容器本体に装着されるとともに、前記台座部の外周に周溝が形成され、この周溝の開口縁に鉤部が形成され、この鉤部を介し前記周溝に前記台座部貫通部分周りのフィルムが引き込まれ、前記周溝に外嵌合されたリング部材によって前記周溝内のフィルムが抜け止めされたことを特徴とする。
「3」本発明に係る液体収納容器において、前記鉤部が前記周溝の開口縁全周に形成され、前記リング部材の外周部に前記鉤部を嵌合する受け溝部が形成されたことが好ましい。
「4」本発明に係る液体収納容器において、前記台座部の前記周溝の内周面に、前記リング部材の内周面に押圧されるリング突条が1つ以上形成されたことが好ましい。
「6」本発明に係る液体収納容器において、前記突起部が山型で2つの斜面を有し、前記キャップを閉める場合の回転方向前方側の斜面の勾配と回転方向後方側の斜面の勾配において、後方側の斜面の勾配が前方側の斜面の勾配よりも小さくされたことが好ましい。
「7」本発明に係るバックインボックスは、先のいずれかに記載の液体収容容器を紙製の外箱に収容した構成を有する。
また、キャップの締め付け完了時に、キャップ内部の外接リングと内接リングにより、注出口栓の周壁筒先端部を挟んで液密に閉じる構成を採用できる。この構成により従来のキャップに必要とされていた中栓を略することができる。
前記液体収容容器を備えたバックインボックスであるならば、口部材の取り付け部分周りから液漏れを生じることのないバックインボックスを提供することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係るバックインボックスの斜視図であり、図2は図1に示すバックインボックスに適用されている容器本体の一例を示す。
この外箱2の上面に丸型の透孔2aが形成され、この透孔2aを介し内袋3の口部材5が外箱2の外部に突出され、この口部材5の先端にキャップ4が着脱自在に装着されている。
内袋3の大きさ、即ち、液体収容容器1の内容量としては、特に限定されないが、通常1〜35リットル、特に5〜20リットル程度であると取り扱い易い。また、内袋3の形状としては、特に限定されないが、折り畳み性、取り扱い性の面から、図1に示すような略立方体形状が好ましい。
口部材5は、図3に示すように周壁筒6の基端側に円環状の台座部7を有し、この台座部7の外周面に周溝8が形成されている。台座部7は周壁筒6よりも若干外径の大きいリング状に形成され、周溝8に内袋3の外壁を構成するフィルム3aの一部を引き込み、周溝8にリング部材を嵌め込み、リング部材を加締めることによる一体化などの取り付け手段により固着されている。
一例として、図4に示す通り、内袋3を貫通するように口部材5を設け、内袋3の貫通部分周りのフィルム3aを周溝8に嵌め込んだ樹脂製のリング部材9で固定した構造を採用できる。
また、周溝8の内周面8aには2本のリング突条8fが上下に離間するように形成されている。
また、容器本体3の外壁を構成するフィルム3aにおいて、口部材5を貫通させた部分の周りに相当する部分のフィルム3aが鉤部8eと傾斜面9bの間の部分から周溝8に引き込まれている。更に、引き込まれたフィルム3aは周溝8の上部からリング部材9の上面側に若干引き出されている。
リング部材9は、その内周面9eをリング突条8b、8bの先端に押し付けるように周溝8に嵌合されているので、フィルム3aはリング部材9とリング突条8fに挟まれて挟持されている。なお、図4においてはフィルム3aの先端を台座部7の外側に出しているが、フィルム3の先端は周溝8の内側に位置させておくことが好ましい。
更に、この嵌め込み部分を常温まで冷却することでリング部材9の内径を更に縮小することができ、内袋3の貫通部分とその周りの部分を周溝8内にリング部材9でかしめ固定したかしめ構造を実現できる。
また、フィルム3aを鉤部8eと傾斜面9dによって挟持した上に、リング部材9の内周面とリング突条8bによってフィルム3aを挟持している。このため、口部材5の台座部7によりフィルム3aを貫通している部分の液密性が高く、この貫通部分とその周囲部分からの液漏れを生じ難い。
口部材5の大きさの一例として、周壁筒4の内径が3〜4cm程度、台座部7を含めて周壁筒4の長さが2〜3cm程度、台座部7の上方に延在する周壁筒上部の長さが1cm程度、台座部7の外径が4〜6cm程度であるが、これらの大きさに制限されるものではない。
口部材5において図3に示すように周壁筒6の外周面に螺旋突条を形成することで外ネジ部12が形成されている。前記螺旋突条は周壁筒6の上端より若干下方位置から突起部10の若干上方位置まで形成されている。
キャップ4の内周には螺旋突条を形成することで内ネジ部17が形成されている。キャップ4の内径は口部材5の周壁筒6に装着して周壁筒6の開口部を閉じることができる大きさであって、キャップ4の内ネジ部17と周壁筒6の外ネジ部12を螺合できる程度の大きさに形成されている。
キャップ4は一例としてポリエチレン(低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン)からあるいはポリプロピレンなどの軟質樹脂から一体成形されていることが好ましい。ポリエチレンやポリプロピレンは石油由来の樹脂、植物性由来の樹脂、石油由来と植物由来の樹脂を任意の割合で混合した樹脂のいずれかとすることもできる。キャップ4は繰り返しの開け閉めなどに使用するため、割れや欠けなどを生じ難いように上述の軟質樹脂からなることが好ましい。
図8、図10に示す例において、ラチェット溝24の一部を構成する凸部22は側面視下向きの等脚台形状に形成されている。このため、凸部22は、下向きの頂面24とこの頂面24の両側に位置する傾斜面25を有する。凹部23は下向きの底面26とこの底面26の両側に位置する傾斜面25を有する。なお、ここで示す側面視とは、キャップ4の周面外方側からキャップ4の中心方向を見た場合の凸部22または凹部23の形状を意味する。
図に示す例において凹部23は一例としてキャップ4の内周周りに36個形成されている。なお、凹部23の形成個数は一例であって、キャップ4の内周周りに2〜40個とすることができ、12〜36個とすることが好ましく、特に18個〜36個程度形成されていることが好ましい。
キャップ4の回転進行に伴い、フランジ部16の内周側に設けられている凹部23が突起部10に接近し、4つの突起部10のうち、いずれかが、いずれかの凹部23に嵌合する。この嵌合時、図11に示すように突起部10が凸部22の頂面24に強く接触し、頂面24を乗り越えてから凹部23に嵌入するので、この際に生じる衝撃により、使用者はクリック感を把握できる。このため、使用者はこのクリック感を知覚することでキャップ4のネジ締めが完了したこと、口部材5の開口を液密に閉塞できたことを把握できる。即ち、容器本体3を密閉できたと認識できる。
本実施形態では、キャップ4をポリエチレンなどの軟質樹脂で形成しているので、突起部10が頂面24を乗り越えて凹部23に嵌入する際に適度な大きさのクリック感を得ることができ、突起部10の破損も生じ難い構造を提供できる。
図12に示すように凹部23に突起部10を嵌合している状態でキャップ4を矢印B方向に回転させると、突起部10の先端が凹部23の開口部近くの傾斜面25に突き当たる。更にキャップ4を回転させると、図13に示すように突起部10が凸部22の頂面24に乗り上がるように移動し、キャップ4の回転の抵抗とならなくなるので、キャップ4の螺合を容易に解除できる。
また、ラチェット溝24に突起部10を一端嵌合させると、凹部23から突起部10が外れ難く、キャップ4が回転し難くなるので、キャップ4が緩み難い構成を提供できる。このため、内容物の液漏れを生じ難い構成のバックインボックス(液体収容容器)1を提供できる。
図14に種々形状の突起部と凹部を側面視した場合の組み合わせ例を示す。
図14(B)を先の例と同等形状の突起部10と凹部23の組み合わせとすると、図14(A)は凹部のみを丸溝型の凹部30で構成した例、図14(C)は突起部のみを蒲鉾型の突起部31で構成した例である。
図14(C)に示す構成は、キャップ4を閉める場合に凹部23に突起部31を嵌入し易く、キャップ4を開ける場合に突起部31が凹部23から外れやすい構成を実現できる。
図14(D)は左側の傾斜面32Aを右側の傾斜面32Bより急斜面とした例である。この構成を図3に示す先の実施形態に適用すると、図10、図11に示すようにキャップ4を閉める場合に閉め易く、図12、図13に示すようにキャップ4を開ける場合に開け難い構成とすることができる。
この構成が閉め易く開け難いキャップを提供するという面では望ましい組み合わせと考えられる。
図15(A)は周壁筒6に近い側から台座部7の端部側にかけて突起部10の稜線部10Dを同一高さとした場合の構成(図3に示す突起部10の構成)を示す概略図である。
また、図15(C)に示すように稜線36aを台座部7の外周端部側に向かって下向きとなる直線状に傾斜させた突起部36であっても良い。
また、上述の構造を有するバックインボックス(液体収容容器)1であるならば、口部材5の取り付け部分から液漏れする心配のない構造を提供することができる。
3…容器本体、3a…フィルム、
4…キャップ、5…口部材、
6…周壁筒、7…台座部、
8…周溝、8a…内周面、8e…鉤部、8b…リング突条、
9…リング部材、9a…受け溝部、
10…突起部、10A、10B…傾斜面、10D…稜線部、
12…外ネジ部、13…周壁部、
15…天井部、16…フランジ部、
17…内ネジ部、18…外接リング、19…内接リング、
22…凸部、23…凹部、24…ラチェット溝。
Claims (7)
- 着脱自在なキャップを備えた口部材が合成樹脂製のフィルムからなる容器本体に取り付けられた液体収容容器において、
前記口部材が、前記キャップを装着する周壁筒と、前記周壁筒の外周基部に前記周壁筒よりも大きな外径に形成された台座部を有し、
前記容器本体の外壁を前記台座部に貫通させて前記口部材が前記容器本体に装着されるとともに、
前記台座部の外周に周溝が形成され、この周溝の開口縁に鉤部が形成され、この鉤部を介し前記周溝に前記台座部貫通部分周りのフィルムが引き込まれ、前記周溝に外嵌合されたリング部材によって前記周溝内のフィルムが抜け止めされたことを特徴とする液体収容容器。 - 前記キャップが周壁部を有し、この周壁部の内周側に内ネジ部が形成され、前記周壁筒の外周側に外ネジ部が形成され、前記キャップが前記周壁筒の先端開口側に螺合自在に装着されるとともに、
前記キャップの内部側であって、前記周壁部の奥側に、前記ネジ部どうしの螺合完了時点で前記口部材の周壁筒先端外周面に接する外接リングが形成され、
前記外接リングの内側に、前記ネジ部どうしの螺合完了時点で前記口部材の周壁筒先端内周面に接する内接リングが形成され、内蓋が略されたことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。 - 前記鉤部が前記周溝の開口縁全周に形成され、前記リング部材の外周部に前記鉤部を嵌合する受け溝部が形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体収容容器。
- 前記台座部の前記周溝の内周面に、前記リング部材の内周面に押圧されるリング突条が1つ以上形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液体収容容器。
- 前記台座部に1つ以上の突起部が形成され、前記周壁部の開口側にフランジ部が形成されるとともに、前記フランジ部の内周側に前記キャップの螺合終了時点で前記突起部に噛み合うラチェット溝が形成されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の液体収容容器。
- 前記突起部が山型で2つの斜面を有し、前記キャップを閉める場合の回転方向前方側の斜面の勾配と回転方向後方側の斜面の勾配において、後方側の斜面の勾配が前方側の斜面の勾配よりも小さくされたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液体収容容器。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の液体収容容器を紙製の外箱に収容したバックインボックス。
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