JP2020006853A - 補強用部材、パネル体、及び中空構造体 - Google Patents

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Tomoya Komada
朋也 駒田
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Abstract

【課題】複数の補強用部材を用いる場合であっても車両の補強性能を容易に確保することのできる補強用部材、パネル体、及び中空構造体を提供する。【解決手段】車両の構成パネルP1を補強する補強用部材10は、第1補強用部材11と第2補強用部材21とを備える。第1補強用部材11は、加熱されることで発泡体となる第1発泡性部材12と、第1発泡性部材12を支持する第1支持部材13と、第1支持部材13を構成パネルP1に固定する第1固定部材14とを備える。第2補強用部材21は、第2発泡性部材22と、第2支持部材23と、第2固定部材24とを備える。第1補強用部材11と第2補強用部材21とは、第1発泡性部材12の発泡性突出部12bと第2支持部材23の支持突出部23bとが重なり合うように配列される。【選択図】図1

Description

本発明は、補強用部材、パネル体、及び中空構造体に関する。
従来、車両を構成する鋼板に貼り付けられ、その鋼板を補強するための補強シートが知られている(特許文献1参照)。この補強シートは、エポキシ樹脂などが含有された樹脂層にガラスクロスなどの補強層が積層されて構成されている。
特開2005−139218号公報
ところで、上記の補強シートの寸法や形状等は、車両の鋼板において補強を必要とする範囲に応じて決定される。ここで、鋼板等の車両の構成パネルにおいて比較的広い範囲を補強することが必要な場合、複数に分割された補強シートを準備し、これら複数の補強シートを並べて構成パネルに取り付けることで、例えば、個々の補強シートの大型化を抑えることができる。ところが、このように複数の補強シート(補強用部材)を配置することで形成される補強構造では、隣り合う補強用部材の対向部分(境界部分)において補強効果が得られ難くなる場合がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の補強用部材を用いる場合であっても車両の補強性能を容易に確保することのできる補強用部材、パネル体、及び中空構造体を提供することにある。
上記課題を解決する補強用部材は、車両の構成パネルを補強する用途に用いられる補強用部材であって、第1補強用部材と前記第1補強用部材に隣り合って配列される第2補強用部材とを備え、前記第1補強用部材は、加熱されることで発泡体となる第1発泡性部材と、前記第1発泡性部材を支持する第1支持部材と、前記第1支持部材を前記構成パネルに固定する第1固定部材と、を備え、前記第2補強用部材は、加熱されることで発泡体となる第2発泡性部材と、前記第2発泡性部材を支持する第2支持部材と、前記第2支持部材を前記構成パネルに固定する第2固定部材と、を備え、前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、前記第1発泡性部材及び前記第2発泡性部材において前記構成パネルに向かい合う表面側とは反対側の裏面側を支持するように配置され、前記第1発泡性部材は、前記第1支持部材と重なり合う発泡性重複部と前記発泡性重複部から突出する発泡性突出部とを有し、前記第2支持部材は、前記第2発泡性部材と重なり合う支持重複部と前記支持重複部から突出する支持突出部とを有し、前記第1発泡性部材の発泡性突出部と前記第2支持部材の支持突出部とが重なり合うように前記第1補強用部材と前記第2補強用部材とが配列される。
この構成によれば、第1発泡性部材から形成された第1発泡体と第2発泡性部材から形成された第2発泡体との境界部分を第2支持部材によって補強することができる。また、第1発泡性部材から形成された第1発泡体によって第1支持部材と第2支持部材との対向部分を補強することができる。また、第1支持部材及び第2支持部材をそれぞれ第1固定部材及び第2固定部材によって構成パネルに固定(位置決め)することにより、第1支持部材と第2支持部材との相対的な位置ずれを抑えることができる。したがって、第1支持部材と第2支持部材との対向部分を補強するように形成される第1発泡体において、第1支持部材と第2支持部材との相対的な位置ずれを要因とした歪みが生じ難くなることで、第1発泡体による補強性能が維持され易くなる。
上記補強用部材において、前記第1支持部材は、前記第1発泡性部材の表面と裏面とを接続する側面の少なくとも一部分を被覆する第1壁部を有することが好ましい。
この構成によれば、第1発泡性部材の発泡する方向を第1壁部によって規制することができる。したがって、第1発泡性部材から形成される第1発泡体を所望の位置に配置し易くなることで、所望の補強性能が得られ易くなる。
上記補強用部材において、前記第2支持部材は、前記第2発泡性部材の表面と裏面とを接続する側面の少なくとも一部分を被覆する第2壁部を有することが好ましい。
この構成によれば、第2発泡性部材の発泡する方向を第2壁部によって規制することができる。したがって、第2発泡性部材から形成される第2発泡体を所望の位置に配置し易くなることで、所望の補強性能が得られ易くなる。
上記課題を解決するパネル体は、上記補強用部材と、前記補強用部材が取り付けられる前記構成パネルと、を備える。
上記パネル体において、前記第1発泡性部材及び前記第2発泡性部材は、前記第1発泡性部材及び前記第2発泡性部材の少なくとも一部分と前記構成パネルとの間に隙間を有した状態で配置されることが好ましい。
この構成によれば、第1発泡性部材及び第2発泡性部材の少なくとも一部分と構成パネルとの間の隙間に電着塗装するための電着液を流入させて構成パネルを電着塗装することができる。
上記課題を解決する中空構造体は、上記補強用部材と、前記補強用部材が取り付けられる前記構成パネルと、前記構成パネルよりも車両の外側に配置される外側パネルと、を備え、前記構成パネルと前記外側パネルとの間に形成される中空部を有する。
上記中空構造体において、前記補強用部材は、前記中空部に配置されることが好ましい。
この構成によれば、中空部で形成した発泡体によって中空構造体を補強することができる。このため、中空部の外方に配置される部材と発泡体との接触を回避することで、発泡体による中空構造体の補強性能をより発揮させることができる。
上記中空構造体において、前記外側パネルと、前記第1補強用部材及び前記第2補強用部材とは離間して配置されることが好ましい。
この構成によれば、外側パネルが外力により中空部を狭めるように変形したとしても、外側パネルが第1補強用部材及び第2補強用部材に直ちに接触することはない。したがって、外側パネルが変形しても、第1補強用部材及び第2補強用部材の補強性能が直ちに低下することを回避することができるため、第1補強用部材及び第2補強用部材による構成パネルの補強効果をより持続させることが可能となる。
本発明によれば、複数の補強用部材を用いる場合であっても車両の補強性能を容易に確保することができる。
実施形態の中空構造体を示す分解斜視図である。 中空構造体を示す斜視図である。 中空構造体の一部を切り欠いて示す正面図である。 (a)は、中空構造体を示す断面図であり、(b)は、発泡体が形成された中空構造体を示す断面図である。 補強用部材の変更例を示す斜視図である。
以下、補強用部材、パネル体、及び中空構造体の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、補強用部材10は、第1補強用部材11と、第1補強用部材11に隣り合って配列される第2補強用部材21とを備えている。補強用部材10は、車両の構成パネルP1を補強する用途に用いられる。パネル体41は、構成パネルP1と、構成パネルP1に取り付けられた補強用部材10とを備えている。
第1補強用部材11は、加熱されることで発泡体となる第1発泡性部材12と、第1発泡性部材12を支持する第1支持部材13と、第1支持部材13を構成パネルP1に固定する第1固定部材14とを備えている。
第2補強用部材21は、加熱されることで発泡体となる第2発泡性部材22と、第2発泡性部材22を支持する第2支持部材23と、第2支持部材23を構成パネルP1に固定する第2固定部材24とを備えている。
第1発泡性部材12は、第1支持部材13と重なり合う発泡性重複部12aと、発泡性重複部12aから突出する発泡性突出部12bとを有している。発泡性突出部12bは、第1発泡性部材12の表裏面(両主面)に沿った方向に突出している。
第2支持部材23は、第2発泡性部材22と重なり合う支持重複部23aと、支持重複部23aから突出する支持突出部23bとを有している。支持突出部23bは、第2発泡性部材22の表裏面(両主面)に沿った方向に突出している。
第1補強用部材11と第2補強用部材21とは、第1発泡性部材12の発泡性突出部12bと第2支持部材23の支持突出部23bとが重なり合うように配列される。なお、本実施形態の第1支持部材13は、第1発泡性部材12と重なり合う支持重複部13aを有している。また、本実施形態の第2発泡性部材22は、第2支持部材23と重なり合う発泡性重複部22aを有している。
図4(a)に示すように、第1支持部材13及び第2支持部材23は、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22において構成パネルP1に向かい合う表面S1側とは反対側の裏面S2側を支持するように配置されている。
第1支持部材13は、平板状の第1支持本体部B1と、第1支持本体部B1に立設される第1壁部W1とを有している。第1壁部W1は、第1発泡性部材12の表面S1と裏面S2とを接続する側面S3の少なくとも一部分を被覆する。第2支持部材23は、平板状の第2支持本体部B2と、第2支持本体部B2に立設される第2壁部W2とを有している。第2壁部W2は、第2発泡性部材22の表面S1と裏面S2とを接続する側面S3の少なくとも一部分を被覆する。本実施形態の第1壁部W1は、第1発泡性部材12の長手方向に延在する両側面を被覆している。第2壁部W2についても、第2発泡性部材22の長手方向に延在する両側面を被覆している。なお、表面S1と裏面S2とを接続する側面S3とは、第1発泡性部材12の短手方向に延在する両側面、及び第2発泡性部材22の短手方向に延在する両側面を含む。
第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22は、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22の少なくとも一部分と構成パネルP1との間に第1の隙間G1を有した状態で配置される。
第1壁部W1は、第1発泡性部材12よりも構成パネルP1に近い位置まで延在することが好ましい。第2壁部W2は、第2発泡性部材22よりも構成パネルP1に近い位置まで延在することが好ましい。換言すると、第1壁部W1の高さ寸法H1は、第1発泡性部材12の厚さ寸法T1よりも大きいことが好ましい。また、第2壁部W2の高さ寸法H2は、第2発泡性部材22の厚さ寸法T2よりも大きいことが好ましい。
図3に示すように、第1発泡性部材12と第2発泡性部材22とが互いに対向する位置において、第1発泡性部材12(発泡性突出部12b)の第1発泡性端部E11と第2発泡性部材22(発泡性重複部22a)の第2発泡性端部E21との間には、第2の隙間G2が形成されている。第1支持部材13と第2支持部材23とが互いに対向する位置において、第1支持部材13(支持重複部13a)の第1支持端部E12と、第2支持部材23(支持突出部23b)の第2支持端部E22との間には、第3の隙間G3が形成されている。
第1固定部材14は、構成パネルP1の有する取付孔PHに係止する係止クリップから構成されている。第2固定部材24についても、構成パネルP1の取付孔PHに係止する係止クリップから構成されている。第1固定部材14の個数及び第2固定部材24の個数は、それぞれ単数であってもよいし、複数であってもよい。第1固定部材14は、第1支持部材13の長さ方向において離間して配置される複数から構成されることが好ましい。第2固定部材24についても、第2支持部材23の長さ方向において離間して配置される複数から構成されることが好ましい。
次に、補強用部材10を構成する材料について製造方法とともに説明する。
第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22は、発泡性材料を押出成形、プレス成形、射出成形等の周知の成形法により成形することで得られる。発泡性材料には、基材、発泡剤、及び架橋剤が含有される。発泡性材料には、必要に応じて充填剤、可塑剤等を含有させることができる。基材としては、合成樹脂、エラストマー及びゴムが挙げられる。合成樹脂としては、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、EVA(エチレン/ビニルアセテートコポリマー)等が挙げられる。エラストマーとしては、RB(ポリブタジエンエラストマー)、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。ゴムとしては、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン/ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IR(イソプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、UR(ウレタンゴム)、ENR(エポキシ化天然ゴム)、EPM(エチレン/プロピレンゴム)等が挙げられる。発泡剤としてはアゾジカルボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン等、架橋剤としては周知のジメチルウレア、ジシアンジアミド、充填剤としては炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、シリカ等が挙げられる。
第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22は、互いに異なる発泡性材料から構成されてもよい。
第1支持部材13は、第1発泡性部材12を発泡及び硬化するための加熱に耐え得る材料から形成される。第2支持部材23は、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22を発泡及び硬化するための加熱に耐え得る材料から形成される。第1支持部材13及び第2支持部材23は、互いに異なる材料から構成されてもよい。本実施形態の第1支持部材13及び第2支持部材23は、ポリアミドから構成されている。第1支持部材13及び第2支持部材23は、押出成形、プレス成形、射出成形等の周知の成形法により成形することができる。
第1固定部材14及び第2固定部材24についても、第1支持部材13及び第2支持部材23と同様に上記の加熱に耐え得る材料から形成される。第1支持部材13と第1固定部材14とは一体に成形されることが好ましい。第2支持部材23と第2固定部材24とについても一体に成形されることが好ましい。
第1支持部材13に対する第1発泡性部材12の取付方法、及び第2支持部材23に対する第2発泡性部材22の取付方法としては、例えば、係止部材の利用、インジェクション成型、嵌め合わせ、粘着剤や接着剤の利用等が挙げられる。例えば、第1発泡性部材12又は第2発泡性部材22に粘着性を付与し、第1発泡性部材12又は第2発泡性部材22の自己粘着性を利用して第1支持部材13又は第2支持部材23に取り付けてもよい。
次に、中空構造体について説明する。
図2〜図4(a)に示すように、中空構造体51は、補強用部材10と、補強用部材10が取り付けられる構成パネルP1と、構成パネルP1よりも外側に配置される外側パネルP2とを備えている。中空構造体51は、構成パネルP1と外側パネルP2との間に位置する中空部52を有している。本実施形態の外側パネルP2は、補強用部材10を覆うように配置されている。すなわち、補強用部材10は、中空構造体51の中空部52に配置されている。また、補強用部材10は、中空部52において外側パネルP2と離間して配置されている。換言すると、外側パネルP2は、補強用部材10と非接触の状態で構成パネルP1に接合されている。構成パネルP1及び外側パネルP2は、金属材料(鋼板)から構成されている。構成パネルP1及び外側パネルP2としては、例えば、ピラー、ドアパネル、ルーフパネル、トランクリッド、フロントフードパネル、各種リンフォース等に用いられるパネルが挙げられる。
次に、補強用部材の使用方法について主な作用とともに説明する。
パネル体41は、第1補強用部材11を取り付けた構成パネルP1に第2補強用部材21を取り付けることで得られる。中空構造体51は、補強用部材10が取り付けられた構成パネルP1(パネル体41の構成パネルP1)と外側パネルP2とをスポット溶接により接合することで得られる。
中空構造体51の中空部52に配置されている補強用部材10を外部から加熱することで、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22を発泡及び硬化させる。補強用部材10の加熱には、構成パネルP1及び外側パネルP2を塗装(電着塗装)する際の乾燥工程を利用することができる。なお、補強用部材10の加熱には、電気、蒸気等の熱源を利用した周知の加熱装置を用いてもよい。
図4(a)及び図4(b)に示すように、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22からそれぞれ第1発泡体F1及び第2発泡体F2が形成される。
ここで、図3に示すように、発泡体を形成する前の補強用部材10では、第1発泡性部材12の発泡性突出部12bと第2支持部材23の支持突出部23bとが重なり合うように配置されている。すなわち、第1発泡性部材12と第2発泡性部材22のとの対向部分(第2の隙間G2)には、第2支持部材23が跨って配置され、かつ第1支持部材13と第2支持部材23との対向部分(第3の隙間G3)には、第1発泡性部材12が跨って配置されている。
この構成によれば、第1発泡性部材12から形成された第1発泡体F1と第2発泡性部材22から形成された第2発泡体F2との境界部分を第2支持部材23によって補強することができる。また、第1発泡性部材12から形成された第1発泡体F1によって第1支持部材13と第2支持部材23との対向部分(第3の隙間G3)を補強することができる。詳述すると、第1支持部材13と第2支持部材23とを連結するように一体となった第1発泡体F1が形成されることで、好適に補強される。
また、第1支持部材13及び第2支持部材23をそれぞれ第1固定部材14及び第2固定部材24によって構成パネルP1に固定(位置決め)することにより、第1支持部材13と第2支持部材23との相対的な位置ずれを抑えることができる。したがって、第1支持部材13と第2支持部材23との対向部分を補強するように形成される第1発泡体F1において、第1支持部材13と第2支持部材23との相対的な位置ずれを要因とした歪みが生じ難くなることで、第1発泡体F1による補強性能が維持され易くなる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)車両の構成パネルP1を補強する用途に用いられる補強用部材10は、第1補強用部材11と第1補強用部材11に隣り合って配列される第2補強用部材21とを備えている。第1補強用部材11は、第1発泡性部材12と第1支持部材13と第1固定部材14とを備えている。第2補強用部材21は、第2発泡性部材22と第2支持部材23と第2固定部材24とを備えている。第1発泡性部材12は、発泡性重複部12aと発泡性突出部12bとを有している。第2支持部材23は、支持重複部23aと支持突出部23bとを有している。第1補強用部材11と第2補強用部材21とは、発泡性突出部12bと支持突出部23bとが重なり合うように配列されている。
この構成によれば、上述したように対向部分の強度が維持され易くなる。したがって、複数の補強用部材(第1補強用部材11及び第2補強用部材21)を用いる場合であっても車両の補強性能を容易に確保することができる。
(2)第1支持部材13は、第1発泡性部材12の側面S3の少なくとも一部分を被覆する第1壁部W1を有している。この場合、第1発泡性部材12の発泡する方向を第1壁部W1によって規制することができる。したがって、第1発泡性部材12から形成される第1発泡体F1を所望の位置に配置し易くなることで、第1発泡体F1に基づく所望の補強性能が得られ易くなる。
(3)第2支持部材23は、第2発泡性部材22の側面S3の少なくとも一部分を被覆する第2壁部W2を有している。この場合、第2発泡性部材22の発泡する方向を第2壁部W2によって規制することができる。したがって、第2発泡性部材22から形成される第2発泡体F2を所望の位置に配置し易くなることで、第2発泡体F2に基づく所望の補強性能が得られ易くなる。
(4)パネル体41は、補強用部材10と、補強用部材10が取り付けられる構成パネルP1とを備えている。この構成によれば、車両の所望の箇所を補強することができる。
(5)パネル体41の第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22は、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22の少なくとも一部分と構成パネルP1との間に隙間(第1の隙間G1)を有した状態で配置されている。この場合、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22の少なくとも一部分と構成パネルP1との間の隙間に電着塗装するための電着液(電着塗料)を流入させて構成パネルP1を電着塗装することができる。
(6)中空構造体51は、補強用部材10と、補強用部材10が取り付けられる構成パネルP1と、構成パネルP1よりも車両の外側に配置される外側パネルP2とを備えている。中空構造体51は、構成パネルP1と外側パネルP2との間に形成される中空部52を有している。例えば、このように補強性能を有する中空構造体51が得られる。
(7)中空構造体51の補強用部材10は、中空部52に配置されている。この場合、中空部52で形成した発泡体(第1発泡体F1及び第2発泡体F2)によって中空構造体51を補強することができる。このため、中空部52の外方に配置される部材と発泡体との接触を回避することで、発泡体による中空構造体51の補強性能をより発揮させることができる。
(8)中空構造体51において、外側パネルP2と、第1補強用部材11及び第2補強用部材21とは離間して配置されている。この場合、外側パネルP2が外力により中空部52を狭めるように変形したとしても、外側パネルP2が第1補強用部材11及び第2補強用部材21に直ちに接触することはない。したがって、外側パネルP2が変形しても、第1補強用部材11及び第2補強用部材21の補強性能が直ちに低下することを回避することができるため、第1補強用部材11及び第2補強用部材21による構成パネルP1の補強効果をより持続させることが可能となる。
(変更例)
上記実施形態を次のように変更して構成してもよい。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22は、第1発泡性部材12及び第2発泡性部材22と構成パネルP1との間に隙間を有さない状態で配置されてもよい。
・中空構造体51において、第1補強用部材11及び第2補強用部材21の少なくとも一方を外側パネルP2と接触した状態で配置することもできる。
・中空構造体51において、補強用部材10を中空部52に配置せずに、構成パネルP1の車両内側に配置してもよい。
・パネル体41の構成パネルP1は、中空部52を形成しない用途(車両構造)に用いられるパネルであってもよい。
・第1発泡性部材12と第2発泡性部材22とを接触した状態で配置してもよい。
・第1支持部材13と第2支持部材23とを接触した状態で配置してもよい。
・第1壁部W1は、第1発泡性部材12において、第2発泡性部材22と対向する側面とは反対側に位置する側面等を被覆するように配置されていてもよい。第2壁部W2は、第2発泡性部材22において、第1発泡性部材12と対向する側面やその側面とは反対側に位置する側面等を被覆するように配置されていてもよい。なお、パネル体41や中空構造体51を加熱して発泡体を形成した後の補強構造において、第1発泡性部材12から形成される第1発泡体F1と第2発泡性部材22から形成される第2発泡体F2とは離間していてもよいし、接合されていてもよい。
・第1支持部材13の第1壁部W1を省略してもよい。第2支持部材23の第2壁部W2についても省略してもよい。
・図5に示すように、補強用部材10は、さらに第3補強用部材31を備える構成に変更することができる。この場合、例えば、上記第1補強用部材11について、支持重複部13aから第2補強用部材21とは反対側となる方向(第3補強用部材31が配列される方向)に突出する支持突出部13bを有する構成に変更する。
第3補強用部材31は、上記実施形態の第1補強用部材11と同様に、第3発泡性部材32と第3支持部材33と第3固定部材34とを備える。第3発泡性部材32は、発泡性重複部32aと発泡性突出部32bとを有している。なお、第3支持部材33は、第3発泡性部材32と重なり合う支持重複部33aを有している。
この変更例の補強用部材10では、第3発泡性部材32の発泡性突出部32bと第1支持部材13の支持突出部13bとが重なり合うように第3補強用部材31と第1補強用部材11とを配列させることができる。この場合、第1発泡性部材12から形成された第1発泡体と第3発泡性部材32から形成された第3発泡体との境界部分を第1支持部材13によって補強することができる。また、第3発泡性部材32から形成された第3発泡体によって第1支持部材13と第3支持部材33との対向部分を補強することができる。
また、図示を省略するが、上記実施形態の第1補強用部材11について、第1発泡性部材12の両端側にそれぞれ発泡性突出部を有する構成に変更されてもよい。この変更例の補強用部材では、第1補強用部材に対して、支持突出部を有する第3補強用部材を第2補強用部材21とは反対側に配列させることで、第1補強用部材と第3補強用部材とを用いた補強構造を得ることができる。
また、図示を省略するが、上記実施形態の第2補強用部材21についても、第1補強用部材11とは反対側に突出する発泡性突出部又は支持突出部を有する構成に変更されてもよい。この変更例の補強用部材では、第2補強用部材に対して、支持突出部又は発泡性突出部を有する第3補強用部材を第1補強用部材11とは反対側に配列させることで、第2補強用部材と第3補強用部材とを用いた補強構造を得ることができる。
以上のように、補強用部材10を3つ以上の補強用部材から構成する場合であっても車両の補強性能を確保することが容易となる。
・第1支持部材13又は第2支持部材23は、切り欠きや貫通孔を有していてもよい。
・パネル体41は、第1補強用部材11と第2補強用部材21とを予め組み付けた補強用部材を構成パネルP1に取り付けることで得ることもできる。
・構成パネルP1の形状は、平板状に限らず、段差部や凹凸部等を有する形状であってもよい。また、補強用部材10において、第1補強用部材11及び第2補強用部材21は、構成パネルP1の段差部や凹凸部に沿って配列されてもよい。
・中空構造体51は、構成パネルP1及び外側パネルP2に加えて、例えば、構成パネルP1の車両内側に配置されるインナパネル、外側パネルP2の車両外側に配置されるアウタパネル等のパネルを備えていてもよい。
10…補強用部材、11…第1補強用部材、12…第1発泡性部材、12a,22a,32a…発泡性重複部、12b,32b…発泡性突出部、13…第1支持部材、13a,23a,33a…支持重複部、13b,23b…支持突出部、14…第1固定部材、21…第2補強用部材、22…第2発泡性部材、23…第2支持部材、24…第2固定部材、31…第3補強用部材、32…第3発泡性部材、33…第3支持部材、34…第3固定部材、41…パネル体、51…中空構造体、52…中空部、B1…第1支持本体部、B2…第2支持本体部、E11…第1発泡性端部、E12…第1支持端部、E21…第2発泡性端部、E22…第2支持端部、F1…第1発泡体、F2…第2発泡体、G1…第1の隙間、G2…第2の隙間、G3…第3の隙間、H1…高さ寸法、P1…構成パネル、P2…外側パネル、PH…取付孔、S1…表面、S2…裏面、S3…側面、T1…厚さ寸法、W1…第1壁部、W2…第2壁部。

Claims (8)

  1. 車両の構成パネルを補強する用途に用いられる補強用部材であって、
    第1補強用部材と前記第1補強用部材に隣り合って配列される第2補強用部材とを備え、
    前記第1補強用部材は、
    加熱されることで発泡体となる第1発泡性部材と、
    前記第1発泡性部材を支持する第1支持部材と、
    前記第1支持部材を前記構成パネルに固定する第1固定部材と、を備え、
    前記第2補強用部材は、
    加熱されることで発泡体となる第2発泡性部材と、
    前記第2発泡性部材を支持する第2支持部材と、
    前記第2支持部材を前記構成パネルに固定する第2固定部材と、を備え、
    前記第1支持部材及び前記第2支持部材は、
    前記第1発泡性部材及び前記第2発泡性部材において前記構成パネルに向かい合う表面側とは反対側の裏面側を支持するように配置され、
    前記第1発泡性部材は、
    前記第1支持部材と重なり合う発泡性重複部と前記発泡性重複部から突出する発泡性突出部とを有し、
    前記第2支持部材は、
    前記第2発泡性部材と重なり合う支持重複部と前記支持重複部から突出する支持突出部とを有し、
    前記第1発泡性部材の発泡性突出部と前記第2支持部材の支持突出部とが重なり合うように前記第1補強用部材と前記第2補強用部材とが配列される、補強用部材。
  2. 前記第1支持部材は、前記第1発泡性部材の表面と裏面とを接続する側面の少なくとも一部分を被覆する第1壁部を有する、請求項1に記載の補強用部材。
  3. 前記第2支持部材は、前記第2発泡性部材の表面と裏面とを接続する側面の少なくとも一部分を被覆する第2壁部を有する、請求項1又は請求項2に記載の補強用部材。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の補強用部材と、前記補強用部材が取り付けられる前記構成パネルと、を備える、パネル体。
  5. 前記第1発泡性部材及び前記第2発泡性部材は、前記第1発泡性部材及び前記第2発泡性部材の少なくとも一部分と前記構成パネルとの間に隙間を有した状態で配置される、請求項4に記載のパネル体。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の補強用部材と、前記補強用部材が取り付けられる前記構成パネルと、前記構成パネルよりも車両の外側に配置される外側パネルと、を備え、前記構成パネルと前記外側パネルとの間に形成される中空部を有する、中空構造体。
  7. 前記補強用部材は、前記中空部に配置される、請求項6に記載の中空構造体。
  8. 前記外側パネルと、前記第1補強用部材及び前記第2補強用部材とは離間して配置される、請求項7に記載の中空構造体。
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