JP2020006559A - インク収容ボトル - Google Patents

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Isateru Nishino
勇輝 西野
秀行 斉藤
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秀行 斉藤
修平 瀧口
Shuhei Takiguchi
修平 瀧口
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【課題】長期間保存した場合であってもノズル部での固着が発生しにくい、光学濃度の高い画像を記録可能なインクが収容されたインク収容ボトルを提供する。【解決手段】インクジェット用の水性インクを収容する本体部101と、本体部101に収容された水性インクを外部に注出するノズル部102と、ノズル部102に装着されるキャップ103と、を備えたインク収容ボトル100である。水性インクが、自己分散顔料、塩、及びグリセリンを含有し、塩が、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、Cl-、SO42-、CO32-、CH3COO-、及びC6H4(COO-)2などのアニオンとが結合して構成される塩である。【選択図】図1

Description

本発明は、インク収容ボトルに関する。
従来、インクジェット方式の記録ヘッドから吐出したインクを記録媒体に付与して画像を記録するインクジェット記録装置が各分野で使用されている。例えば、記録ヘッドなどを有する記録部が設けられた装置本体とは別に、インクを収容したインクタンクなどの収容体を備え、この収容体から供給チューブを介して供給されるインクで画像を記録するインクジェット記録装置が提案されている(特許文献1)。また、このような記録装置の収容体にインクなどの液体を補充する容器として、インクを収容する本体部と、本体部に収容されたインクを注出するノズル部とを備えたインク収容ボトルが提案されている(特許文献2)。さらに、光学濃度の高い画像を記録しうるインクとして、自己分散顔料及び塩を含有するインクジェット用の水性インクが提案されている(特許文献3)。
特開2014−012375号公報 特開2017−081087号公報 特開2002−080763号公報
本発明者らは、特許文献2及び3で提案された内容を元に、自己分散顔料及び塩を含有するインクを収容したインク収容ボトルを用意し、その特性について検討した。その結果、このインク収容ボトルを長期間保存すると、インク収容ボトルのノズル部で顔料などの成分が固着してしまい、インク収容ボトルからインクタンクなどの収容体へのインク補充速度が低下するといった課題が生ずることがわかった。
したがって、本発明の目的は、長期間保存した場合であってもノズル部での固着が発生しにくい、光学濃度の高い画像を記録可能なインクが収容されたインク収容ボトルを提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、インクジェット用の水性インクを収容する本体部と、前記本体部に収容された前記水性インクを外部に注出するノズル部と、前記ノズル部に装着されるキャップと、を備えたインク収容ボトルであって、前記水性インクが、自己分散顔料、塩、及びグリセリンを含有し、前記塩が、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンと、が結合して構成される塩であることを特徴とするインク収容ボトルが提供される。
本発明によれば、長期間保存した場合であってもノズル部での固着が発生しにくい、光学濃度の高い画像を記録可能なインクが収容されたインク収容ボトルを提供することができる。
本発明のインク収容ボトルの一実施形態を示す正面図である。 図1に示すインク収容ボトルの分解図である。 図1に示すインク収容ボトルのノズル部付近の部分断面図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
<インク収容ボトル>
本発明のインク収容ボトルは、インクジェット用の水性インクを収容する本体部と、この本体部に収容された水性インクを外部に注出するノズル部と、このノズル部に装着されるキャップとを備える。そして、本体部に収容された水性インクが、自己分散顔料、所定の塩、及びグリセリンを含有する。このような構成を採用したため、本発明のインク収容ボトルは、長期間保存した場合であってもノズル部での固着が発生しにくい。また、自己分散顔料及び所定の塩を含有するインクが本体部に収容されているため、このインクを用いれば、インクジェット記録方法により光学濃度の高い画像を記録することができる。上記のような効果が得られる理由につき、本発明者らは以下のように推測している。
インク収容ボトルを長期間保管すると、キャップを閉めていたとしても、水分がボトルの構成素材を徐々に透過してしまい、インク中の水分が減少する。特に、インク収容ボトルのノズル部に付着したインクはキャップ付近にあるため、水分が蒸発しやすい。自己分散顔料及び塩を含有するインクは、水分の減少に伴って顔料の分散状態が不安定になり、増粘するといった特性を有する。このため、インクの構成成分のなかでも、特に顔料がノズル部で固着しやすい。これに対して、自己分散顔料及び塩とともに、グリセリンをさらに含有するインクは、水分が減少しても顔料の分散状態が不安定になりにくく、ノズル部において顔料が固着しにくい。したがって、自己分散顔料、所定の塩、及びグリセリンを含有するインクが本体部に収容された本発明のインク収容ボトルは、長期間保存した場合であってもノズル部での固着が発生しにくいと考えられる。
(インク収容ボトルの構成)
図1は、本発明のインク収容ボトルの一実施形態を示す正面図である。図1に示すように、本実施形態のインク収容ボトル100は、インクジェット用のインクを収容する本体部101と、本体部101に収容されたインクを外部に注出するノズル部102と、ノズル部102に装着されるキャップ103とを備える。ノズル部102は本体部101と接続されており、本体部101に収容されたインクを外部へと注出する際の出口となる。キャップ103はノズル部102に装着されることで、インク収容ボトル100の内部(より具体的には、本体部101の内部)を外気から遮蔽する。
図2は、図1に示すインク収容ボトルの分解図である。図2に示すように、インク収容ボトル100の本体部101の上部外側には、雄ネジ構造を有するボトルネジ部101aが形成されている。ノズル部102は、ネジ構造を有するノズルネジ部102aと、ノズルネジ部102aに接続されたノズル102bとを備える。ノズルネジ部102aは、その内側に雌ネジ構造が形成された下部ネジ部102cと、その外側に雄ネジ構造が形成された上部ネジ部102dとに分かれている。キャップ103の下部内側には、雌ネジ構造を有するキャップネジ部103aが形成されている。
図3は、図1に示すインク収容ボトルのノズル部付近の部分断面図である。図3には、キャップネジ部103aと上部ネジ部102dとの螺合により、キャップ103がノズル部102に装着された状態が示されている。キャップ103がノズル部102に装着されることで、ノズル102bとキャップ103の内側が当接し、ノズル102bを密封するシール部111が形成される。
(水性インク)
[自己分散顔料]
インク収容ボトルの本体部に収容されているインクは、自己分散顔料を色材として含有する。自己分散顔料は、例えば、顔料の粒子表面にアニオン性基などの親水性基が直接又は他の原子団を介して結合しているものである。インク中の自己分散顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
アニオン性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。これらのアニオン性基は塩を形成していてもよい。アニオン性基が塩を形成している場合、これらの各基のプロトンの少なくとも1つがカチオンに置換されている。カチオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンなどを挙げることができる。アルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのイオンを挙げることができる。有機アンモニウムイオンとしては、モノ乃至トリアルキルアミンなどの脂肪族アミン;モノ乃至トリアルカノールアミンなどの脂肪族アルコールアミンのカチオンやその塩を挙げることができる。アニオン性基は、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩型、又はアンモニウム塩型であることが特に好ましい。
他の原子団としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、ビフェニレン基などのアリーレン基;ピリジレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピリジニレン基、チエニレン基、チアゾリレン基などのヘテロアリーレン基;カルボニル基;カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基、ホスホン酸エステル基などのエステル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。ノズル部での固着をより有効に抑制するためには、顔料の粒子表面にアニオン性基が直接結合した自己分散顔料よりも、顔料の粒子表面に他の原子団を介してアニオン性基が結合した自己分散顔料を用いることが好ましい。なかでも、顔料の粒子表面に結合している基が、フタル酸基であることが好ましい。
自己分散顔料を構成する顔料(顔料種)としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドンなどの有機顔料などを用いることができる。なかでも、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましく、カーボンブラックを用いることがさらに好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどいずれのカーボンブラックも使用することができる。
顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合しているアニオン性基の量は、自己分散顔料の表面電荷量と相関関係を有する。このため、自己分散顔料の表面電荷量を測定することで、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団を介して結合しているアニオン性基の量を把握することができる。自己分散顔料の表面電荷量は、電位差を利用したコロイド滴定により測定することができる。表面電荷量の値が大きいほどアニオン性基が多く、小さいほどアニオン性基が少ないことを意味する。自己分散顔料の表面電荷量は、自己分散顔料の単位表面積当たりの量である。後述する実施例においては、流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、電位差を利用したコロイド滴定により、顔料分散液中の自己分散顔料の表面電荷量を測定した。滴定試薬としては、メチルグリコールキトサンを用いた。なお、インクから適切な方法により抽出した自己分散顔料を用いて表面電荷量を測定することも可能である。自己分散顔料の表面電荷量(μmol/m2)は、0.4μmol/m2以上2.5μmol/m2以下であることが好ましい。表面電荷量が0.4μmol/m2未満又は2.5μmol/m2超であると、ノズル部での固着の抑制効果がやや低下する場合がある。
[塩]
インクは、以下に示すカチオンとアニオンとが結合して構成される塩を含有する。カチオンは、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である。アニオンは、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどを挙げることができる。また、有機アンモニウムイオンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの炭素数1以上4以下のアルカノールアミン類;などのカチオンを挙げることができる。
カチオンとアニオンとが結合して構成される塩としては、例えば、1価のカチオンを(M2)として表すと、(M2)Cl、(M2)Br、(M2)I、(M2)ClO、(M2)ClO2、(M2)ClO3、(M2)ClO4、(M2)NO2、(M2)NO3、(M22SO4、(M22CO3、(M2)HCO3、HCOO(M2)、(COO(M2))2、COOH(COO(M2))、CH3COO(M2)、C24(COO(M2))2、C65COO(M2)、C64(COO(M2))2、(M23PO4、(M22HPO4、(M2)H2PO4などを挙げることができる。
インク中の塩の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
[水性媒体]
インクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に限定はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤(グリセリンを含む)の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上50.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクは、グリセリンを含有する。グリセリンの比誘電率は42.7であり、水溶性有機溶剤のなかでも比誘電率が高いため、インクから水分が蒸発した際にも、自己分散顔料のアニオン性基がイオン解離した状態を保ちやすいので、顔料の分散状態を安定に維持しやすい。このため、グリセリンを含有するインクを収容することで、長期間保存した場合であってもノズル部での固着が発生しにくくなる。インク中のグリセリンの含有量(質量%)は、1.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に占める、グリセリンの含有量(質量%)の割合は、35.0質量%以上80.0質量%以下であることが好ましい。
[その他の添加剤]
インクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、蒸発促進剤、酸化防止剤、還元防止剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性などの界面活性剤を挙げることができる。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(自己分散顔料の表面電荷量の測定方法)
流動電位滴定ユニット(PCD−500)を搭載した電位差自動滴定装置(商品名「AT−510」、京都電子工業製)を使用し、滴定試薬としてメチルグリコールキトサンを用いた電位差滴定により、顔料分散液中の自己分散顔料の表面電荷量を測定した。
(顔料分散液1)
水5.5gに濃塩酸60mmolを溶かした溶液を5℃に冷却した状態とし、この状態で4−アミノフタル酸7.80mmolを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム21.2mmolを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、カーボンブラック(比表面積260m2/g)6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。適量の水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液1を得た。顔料分散液1中の自己分散顔料の表面電荷量は1.0μmol/m2であった。
(顔料分散液2)
4−アミノフタル酸の量を3.0mmоl、顔料の種類をC.I.ピグメントブルー15:4(比表面積100m2/g)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液2を得た。顔料分散液2中の自己分散顔料の表面電荷量は1.0μmol/m2であった。
(顔料分散液3)
4−アミノフタル酸の量を3.8mmоl、顔料の種類をC.I.ピグメントレッド122(比表面積125m2/g)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液3を得た。顔料分散液3中の自己分散顔料の表面電荷量は1.0μmol/m2であった。
(顔料分散液4)
4−アミノフタル酸の量を2.0mmоl、顔料の種類をC.I.ピグメントイエロー74(比表面積66m2/g)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液4を得た。顔料分散液4中の自己分散顔料の表面電荷量は1.0μmol/m2であった。
(顔料分散液5)
顔料(カーボンブラック、比表面積260m2/g)6.0g、((4−アミノベンゾイルアミノ)−メタン−1,1−ジイル)ビスホスホン酸の一ナトリウム塩2.0mmol、硝酸40mmol、及び純水200mLを混合した。シルヴァーソン混合機を使用し、室温条件下、6,000rpmで30分間混合して混合物を得た。少量の水に溶解させた亜硝酸ナトリウム40.0mmolを、得られた混合物にゆっくりと添加した。亜硝酸ナトリウムを添加することで、混合物の温度は60℃に達した。この状態で1時間反応させた。水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合物のpHを10に調整した。30分後、純水20.0mLを加え、スペクトラムメンブランを用いてダイアフィルトレーションした。適量の水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液5を得た。顔料分散液5中の自己分散顔料の表面電荷量は1.0μmol/m2であった。
(顔料分散液6)
特表2003−535949号公報の実施例3の記載を参考にし、オゾンガスを用いて顔料の表面を酸化処理して自己分散顔料を調製した。具体的には、まず、顔料をイオン交換水に予備分散させた後、オゾン処理を6時間行った。顔料としては、カーボンブラック(比表面積260m2/g)を用いた。次いで、水酸化カリウムを添加して混合物のpHを7程度に調整しながら、液−液衝突型の分散機を用いて混合物を3時間循環混合させた。適量の水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液6を得た。顔料分散液6中の自己分散顔料の表面電荷量は1.0μmol/m2であった。
(顔料分散液7)
4−アミノフタル酸の量を2.3mmоlに変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液7を得た。顔料分散液7中の自己分散顔料の表面電荷量は0.3μmol/m2であった。
(顔料分散液8)
4−アミノフタル酸の量を3.1mmоlに変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液8を得た。顔料分散液8中の自己分散顔料の表面電荷量は0.4μmol/m2であった。
(顔料分散液9)
4−アミノフタル酸の量を19.5mmоlに変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液9を得た。顔料分散液9中の自己分散顔料の表面電荷量は2.5μmol/m2であった。
(顔料分散液10)
4−アミノフタル酸の量を20.3mmоlに変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%の顔料分散液10を得た。顔料分散液10中の自己分散顔料の表面電荷量は2.6μmol/m2であった。
(顔料分散液11)
酸価が140mgKOH/g、重量平均分子量が10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を10%水酸化カリウム水溶液で中和した。比表面積が260m2/gであるカーボンブラック10部、中和したスチレン−アクリル酸共重合体(固形分)5部、及び水70部を混合した。サンドグラインダーを用いて得られた混合物を1時間分散させた後、遠心分離処理して粗大粒子を除去した。ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が5.0%の顔料分散液11を得た。
(顔料分散液12)
顔料の種類をC.I.ピグメントブルー15:4(比表面積100m2/g)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液11と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が5.0%の顔料分散液12を得た。
(顔料分散液13)
顔料の種類をC.I.ピグメントレッド122(比表面積125m2/g)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液11と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が5.0%の顔料分散液13を得た。
(顔料分散液14)
顔料の種類をC.I.ピグメントイエロー74(比表面積66m2/g)に変更したこと以外は、前述の顔料分散液11と同様の手順で、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤の含有量が5.0%の顔料分散液14を得た。
<インクの調製>
表1−1及び1−2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表1−1及び1−2中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)の商品名である。
Figure 2020006559
Figure 2020006559
<評価>
調製した各インクをインク収容ボトルの本体部(空ボトル、商品名「PIXMAG1000用 GI−790」、キヤノン製)に充填し、インク収容ボトルを得た。得られた各インク収容ボトルを手振りした後、60℃のオーブン中に2ヶ月間保存した。インク収容ボトルを常温に戻した後にキャップを開け、インクを注出するノズル部を目視にて観察した。さらに、インクを補充する際の速度を確認し、以下に示す評価基準にしたがってノズル部の耐固着性を評価した。結果を表2に示す。本発明においては、以下に示す評価基準で、「AA」及び「A」を好ましいレベルとし、「B」を許容できないレベルとした。
AA:ノズル部が固着していなかった。
A:ノズル部が固着していたが、固着していないものと同等のインク補充速度であった。
B:ノズル部が強固に固着しており、固着していないものと比較してインク補充速度が遅くなっていた。
Figure 2020006559
100:インク収容ボトル
101:本体部
102:ノズル部
103:キャップ

Claims (4)

  1. インクジェット用の水性インクを収容する本体部と、前記本体部に収容された前記水性インクを外部に注出するノズル部と、前記ノズル部に装着されるキャップと、を備えたインク収容ボトルであって、
    前記水性インクが、自己分散顔料、塩、及びグリセリンを含有し、
    前記塩が、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、及び有機アンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、HCOO-、(COO-2、COOH(COO-)、CH3COO-、C24(COO-2、C65COO-、C64(COO-2、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンと、が結合して構成される塩であることを特徴とするインク収容ボトル。
  2. 前記自己分散顔料が、顔料の粒子表面に親水性基が他の原子団を介して結合した自己分散顔料である請求項1に記載のインク収容ボトル。
  3. 前記自己分散顔料の表面電荷量(μmol/m2)が、0.4μmol/m2以上2.5μmol/m2以下である請求項1又は2に記載のインク収容ボトル。
  4. 前記インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に占める、前記グリセリンの含有量(質量%)の割合が、35.0質量%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク収容ボトル。
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