JP2020005769A - 加工方法、加工システム、加工プログラム - Google Patents

加工方法、加工システム、加工プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020005769A
JP2020005769A JP2018128023A JP2018128023A JP2020005769A JP 2020005769 A JP2020005769 A JP 2020005769A JP 2018128023 A JP2018128023 A JP 2018128023A JP 2018128023 A JP2018128023 A JP 2018128023A JP 2020005769 A JP2020005769 A JP 2020005769A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser light
processing
laser
dental material
irradiating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018128023A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020005769A5 (ja
Inventor
真 吉田
Makoto Yoshida
真 吉田
敏男 前田
Toshio Maeda
敏男 前田
潤 植田
Jun Ueda
潤 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DGshape Corp
Original Assignee
DGshape Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DGshape Corp filed Critical DGshape Corp
Priority to JP2018128023A priority Critical patent/JP2020005769A/ja
Priority to EP19183366.4A priority patent/EP3590464B1/en
Publication of JP2020005769A publication Critical patent/JP2020005769A/ja
Publication of JP2020005769A5 publication Critical patent/JP2020005769A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C13/00Dental prostheses; Making same
    • A61C13/0003Making bridge-work, inlays, implants or the like
    • A61C13/0006Production methods
    • A61C13/0018Production methods using laser
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C13/00Dental prostheses; Making same
    • A61C13/0003Making bridge-work, inlays, implants or the like
    • A61C13/0004Computer-assisted sizing or machining of dental prostheses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61CDENTISTRY; APPARATUS OR METHODS FOR ORAL OR DENTAL HYGIENE
    • A61C19/00Dental auxiliary appliances
    • A61C19/003Apparatus for curing resins by radiation

Abstract

【課題】各個人の天然歯に近い透過率を有する歯科用材料を容易に得ることが可能な加工方法を提供する。【解決手段】歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させる加工方法。【選択図】図2

Description

本発明は加工方法、加工システム、及び加工プログラムに関する。
義歯やインプラント等、歯科医療に用いる補綴物(以下、「歯科用補綴物」)がある。歯科用補綴物は、天然歯の形状に合わせて歯科用材料を加工することにより作成される。
天然歯は、歯毎に異なる透過率を有する。たとえば、中切歯や側切歯(所謂、前歯)は、一般的に根本側(歯肉側)が不透明であり、先端側にかけて徐々に透過率が高くなっている。従って、天然歯の形状に合わせて歯科用材料を加工したとしても、完成した歯科用補綴物と天然歯との透過率が異なるため審美性に欠ける。
そこで、歯科用材料の組成を変えることで、歯科用補綴物の透過率を天然歯の透過率に近づけるという手法が検討されている。たとえば、特許文献1には、焼結体密度及び強度が高く、透光感に優れる着色ジルコニア焼結体に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、歯科用製品の透過率を高めることができるセラミック材料に関する技術が開示されている。
特開2014−141388号公報 特開2017−122064号公報
しかし、たとえば同じ中切歯であっても個人によって透過率は全く異なる。そのため、特許文献1のジルコニア焼結体や特許文献2のセラミック材料は、個人に合わせて材料の組成を都度、変更しなければならないため煩雑である。
本発明の目的は、各個人の天然歯に近い透過率を有する歯科用材料を容易に得ることが可能な技術を提供することにある。
上記目的を達成するための一の発明は、歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させる加工方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
本発明によれば、各個人の天然歯に近い透過率を有する歯科用材料を容易に得ることができる。
実施形態に係るCAD/CAMシステム及びレーザー加工システムの構成を示す模式図である。 実施形態に係るレーザー加工システムの動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る歯科用材料を模式的に示した図である。 実施形態に係る歯科用材料を模式的に示した図である。 実施形態に係る歯科用材料を模式的に示した図である。 実施形態に係る歯科用材料を模式的に示した図である。
==実施形態の概要==
本実施形態に係る加工方法は、歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させる。レーザー光を用いることにより、非接触での加工が可能となる。
透過率は、特定波長の光(たとえば白色光)が材料を通過する割合である。
歯科用材料は、歯科用補綴物の元となる材料である。本実施形態に係る歯科用材料はレーザー光を透過するもの(光透過性の材料)を用いる。光透過性の材料としては、たとえばジルコニア系の材料を用いることができる。ジルコニア系の材料は、ジルコニア配合型ガラスセラミックのような複合材料であってもよいし、一定の透過率を有するジルコニア単体であってもよい。また、材料の光透過率は100%またはそれに準ずるような高い値である必要はなく、所定の位置までレーザー光が届き加工可能な程度の値であればよい。
なお、ジルコニア系の材料は焼結体(最終焼結体)であることが好ましい。焼結体は、半焼結体と異なり、加工後の焼成が不要となるため、加工時間を短縮することができる。また、焼結体は、半焼結体の焼成に伴う収縮等の影響を受けないため、加工精度が低下することもない。
レーザー光は、短パルスレーザーによる光を用いる。特に、歯科用材料の内部に対して直接、レーザー光を照射するためには、超短パルスレーザーによる光を用いることが好ましい。超短パルスレーザーは、一のパルス幅が数ピコ秒〜数フェムト秒のレーザー光を照射するレーザーである。超短パルスレーザーによるレーザー光を材料内部の所定の位置に短時間照射することにより、アブレーション加工(非熱加工)を行うことができる。アブレーション加工は、レーザー光により溶融した箇所が瞬時に蒸発、飛散し除去されるため、一般的なレーザー加工(熱加工)と比べ、熱による損傷が少ない。従って、アブレーション加工は、歯科用補綴物のような、サイズが小さい物の加工に対して特に有効である。
改質は、材料の組成や構造が変化することをいう。歯科用材料内部のある位置にレーザー光を照射することにより、当該位置で改質が生じ、加工痕が形成される。すなわち、加工痕は、レーザー光によって改質された領域である。加工痕が形成された部分(改質された領域)は、反射や散乱等の影響により、他の部分(レーザー光が照射されていない部分)に比べて光の透過率が低下する。従って、加工痕のサイズ、位置、数、或いは複数の加工痕が形成される場合の密度等を調整することにより、歯科用材料の所望の位置に所望の透過率を与えることができる(詳細は後述)。
本実施形態に係る加工方法は、加工データに基づいて、レーザー加工システム200により実施される。
==CAD/CAMシステム==
図1は、CAD/CAMシステム100及びレーザー加工システム200を示した図である。CAD/CAMシステム100は、加工データを作成し、レーザー加工システム200に出力する。なお、出力されるデータの形式は、レーザー加工システム200で使用できるものであれば特に限定されない。
加工データは、歯科用材料の内部にレーザー光を照射する際にレーザー加工システム200で使用するデータである。具体的に、加工データは、各個人の天然歯の透過率に近い透過率を有する歯科用材料を得るためのデータである。加工データは、歯科用材料の内部においてレーザー光が照射される位置に関する情報、透過率に関する情報、レーザー光の照射条件(スポットサイズ、強度、照射時間等)を含む。
レーザー光が照射される位置は、一または複数の点、線分(直線または曲線)、面(所定の面積を有する二次元領域)、或いは立体(所定の体積を有する三次元領域)として設定される。透過率に関する情報は、歯科用材料の透過率をどれくらい低下させるかを決定する情報である。
たとえば、レーザー光が照射される位置が複数の点からなる場合、各点に対応するデータは、三次元(XYZ)の座標値、及びベクトル情報を有する。
各座標値は、レーザー光の焦点位置を決定する際に用いられる(すなわち、各座標値は材料内部においてレーザー光が照射される位置に相当する)。座標値は、透過率に関する情報を考慮して決定される。たとえば、透過率が低い値で設定されている場合、CAD/CAMシステム100は、レーザー光の照射により形成される加工痕の密度が高くなるよう(点同士の間隔が狭くなるよう)に座標値を設定する。或いは、透過率が低い値で設定されている場合、CAD/CAMシステム100は、レーザー光の照射により形成される加工痕のサイズが大きくなるようにレーザー光の照射条件(スポットサイズや強度)を設定する。
ベクトル情報は、レーザー光の照射方向(材料に対するレーザー光の入射方向)を決定する際に用いられる。なお、材料内部にレーザー光を入射させる場合、材料表面における反射の影響が生じる。そこで、ベクトル情報を設定する場合、材料表面に対して垂直にレーザー光が入射するように設定することがより好ましい。
また、材料の種類によって屈折率が異なる。従って、ある座標値に対してレーザー光の焦点位置を合わせてレーザー光を照射しても、屈折率の影響により、当該ある座標値に対応する位置にレーザー光が照射されない場合もある。そこで、CAD/CAMシステム100は、材料の屈折率を考慮して座標値(レーザー光が照射される位置)を補正してもよい。
また、レーザー光が照射される位置が複数ある場合、加工データは、どの位置からレーザー光を照射するか(レーザー光を照射する順番)を示す順番データを含んでいてもよい。ここで、レーザー光の照射方向において重畳する位置がある場合、順番データは、レーザー光が入射する材料表面から離れている順(材料表面から遠い順)にレーザー光が照射されるように設定する。材料表面とレーザーが照射される位置との距離は、上述のレーザー光を入射させる方向に沿って決定される。
==レーザー加工システム==
図1に示すようにレーザー加工システム200は、加工装置1及びコンピューター2を有する。但し、コンピューター2の果たす機能を加工装置1で実現することによって、レーザー加工システム200が加工装置1単体で構成されてもよい。
本実施形態に係る加工装置1は、たとえば、直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)の駆動軸、及び2つの回転軸(X軸回りの回転軸、Y軸回りの回転軸)を有する。加工装置1は、加工データに基づき、歯科用材料の内部にレーザー光を照射する。加工装置1は、照射部10、保持部20、及び駆動機構30を含む。
照射部10は、歯科用材料に対してレーザー光を照射する。照射部10は、発振器及び光学系を含む。発振器は所定の強度を持ったレーザー光を発振させる。また、発振器は、加工データに含まれる照射条件に応じてレーザー光の強度を調整することができる。光学系は、発振器からのレーザー光を材料まで導くためのレンズ群等である。
なお、照射部10内に調整部を設けてもよい。調整部は、レーザー光のスポットサイズや照射パターンを調整する。調整部は、たとえば、ガルバノミラー、フレネルレンズ、回折光学素子(DOE)、空間光位相変調器(LCOS−SLM)等の部材である。調整部は、照射部10内において、たとえば、発振器とレンズ群との間に配置される。
照射パターンは、たとえば、材料内部の所定の位置に対して所定のスポット径のレーザー光を点として照射するパターンや、所定のスポット径のレーザー光を所定方向に走査しながら照射するパターンが可能である。このような照射パターンは、たとえば、調整部としてガルバノミラーを用いることにより実現できる。
別の照射パターンとして、二次元領域または三次元領域に一括でレーザー光を照射するパターンが可能である。このような照射パターンは、たとえば、調整部として空間光位相変調器を用いることにより実現できる。
また、本実施形態における調整部は、各照射パターンでレーザー光を照射する際、位置に応じてスポットサイズの変更が可能となっている。スポットサイズは、レーザー光が点で照射される場合には、その径(スポット径)に相当する。一方、空間光位相変調器等を用いて二次元領域または三次元領域に対してレーザー光を照射する場合、スポットサイズは、二次元領域の面積或いは三次元領域の体積に相当する。
保持部20は歯科用材料を保持する。歯科用材料を保持する方法は、保持された歯科用材料を5軸に沿って移動・回転させることができれば、特に限定されるものではない。
駆動機構30は、照射部10及び保持部20を相対的に移動させる。駆動機構30は駆動用のサーボモータ等を含む。駆動機構30は、照射部10及び保持部20の少なくとも一方をXYZ方向の三軸で同時に移動させることができる。
コンピューター2は、照射部10及び駆動機構30の動作を制御する。本実施形態に係るコントローラー2は、歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させるよう照射部10及び駆動機構30を制御する。
具体的に、コンピューター2は、加工データに基づいて、歯科用材料の内部における所定の位置にレーザー光を照射できるよう(所定の位置とレーザー光の焦点位置が一致するよう)、駆動機構30を制御して照射部10と保持部20(保持部20に保持された歯科用材料)との相対的な位置関係を調整する。また、コンピューター2は、照射部10を制御し、照射されるレーザー光のスポットサイズや強度等の調整を行う。その後、コンピューター2は、照射部10を制御し、歯科用材料に対して所定時間だけレーザー光の照射を行う。レーザー光が照射された位置は改質が生じ、加工痕が形成される。コンピューター2は、「制御部」の一例である。
なお、スポットサイズ、強度、照射時間等は、照射されるレーザー光の出力(エネルギー)に影響を与えるものである。これらの値は、上述のように、加工データに予め組み込まれていてもよいし、加工装置1側で設定することでもよい。また、照射部10と保持部20との相対的な位置関係を調整する際、加工装置1側で歯科用材料の屈折率に基づく補正を行ってもよい。
また、後述の加工方法を実施することが可能であれば、レーザー加工システム200は5軸である必要はない。たとえば、照射部10をZ方向に駆動させる駆動軸、保持部20をX方向及びY方向に駆動させる駆動軸の3軸の加工装置を用いることも可能である。
==加工システムによる加工==
次に図2〜図6を参照して、本実施形態に係る加工方法の具体例について説明する。加工方法は、専用の加工プログラムとして、レーザー加工システム200に予めインストールされている。この例では、予め、天然歯と同様の形状に加工された歯科材料Mの内部にレーザー光を照射する例について述べる。なお、形状の加工は、公知の切削加工装置を利用して行うことができる。図2は、レーザー加工システム200の動作を示すフローチャートである。図3〜図6は、本実施形態に係る加工方法により加工される歯科用材料Mの内部を模式的に示した図である。図3〜図6に示すXYZは直交する3軸である。歯科用材料Mの加工データはCAD/CAMシステム100により予め作成されている。
作業者は、歯科用材料Mを加工装置1の保持部20にセットする(歯科用材料のセット。ステップ10)。
コンピューター2は、歯科用材料Mの加工データに基づいて、加工装置1にレーザー光の照射を実行させる。
コンピューター2は、加工データが示す位置(材料内部の透過率を変化させたい位置)及び照射条件に基づいて、レーザー光を照射させる(材料内部にレーザー光を照射。ステップ11)。
ここで、レーザー光の照射方法について図3〜図6を参照して具体的に説明する。図3〜図6において、レーザー光が照射される位置は破線で示した曲線であり、レーザー光を照射して形成される加工痕は実線で示す。
たとえば、図3に示したように、コンピューター2は、歯科用材料Mの表面形状に沿って複数の位置(位置P1及び位置P2)にレーザー光Lを照射することができる。この場合、位置P1にレーザー光を照射して形成される加工痕I1の幅と位置P2にレーザー光を照射して形成される加工痕I2の幅はほぼ等しい。なお、図3においては、位置P1に対しては既にレーザー光の照射が行われ、加工痕I1が形成されている例を示している。
また、図4に示したように、コンピューター2は、間隔が異なる複数の位置(位置P1〜位置P4)にレーザー光Lを照射することができる。ここで、位置P1と位置P2及び位置P2と位置P3の間隔は、位置P3と位置P4の間隔よりも狭く(密)になっている。従って、位置P1〜位置P4にレーザー光を照射して形成される加工痕I1〜I4は密度が異なるといえる。なお、図4の例においては、位置P1〜位置P3に対しては既にレーザー光の照射が行われ、加工痕I1〜加工痕I3が形成されている例を示している。
また、図5に示したように、コンピューター2は、レーザー光Lを複数の位置(位置P1及び位置P2)に対して照射する場合、位置P1と位置P2によって、レーザー光Lのスポット径を変更することができる。図5の例では、位置P1に照射されるレーザー光のスポット径S1の方が、位置P2に照射されるレーザー光のスポット径S2よりも大きく設定されている。従って、位置P1にレーザー光を照射して形成される加工痕I1の幅は、位置P2にレーザー光を照射して形成される加工痕I2の幅よりも広い。なお、図5においては、位置P1に対しては既にレーザー光の照射が行われ、加工痕I1が形成されている例を示している。
或いは、図6に示したように、コンピューター2は、レーザー光Lを複数の位置(位置P1及び位置P2)に対して照射する場合、位置P1と位置P2によって、レーザー光の強度を変更することができる。図6の例においては、位置P1の方が位置P2よりも照射されるレーザー光の強度が強い。従って、位置P1に照射されるレーザー光のスポット径S1と位置P2に照射されるレーザー光のスポット径S2は同等である一方、位置P1にレーザー光を照射して形成される加工痕I1の幅は、位置P2にレーザー光を照射して形成される加工痕I2の幅よりも広い。なお、図6においては、位置P1に対しては既にレーザー光の照射が行われ、加工痕I1が形成されている例を示している。
ここで、レーザー光の照射方向において重畳する位置がある場合に、各位置に対して同じ方向からレーザー光を照射すると、先にレーザー光を照射した位置で材料の改質が生じる結果、それよりも奥(材料内部)の位置にはレーザー光を照射できない可能性がある。たとえば図3の例においてZ軸に沿って上側から下側に向かってレーザー光を照射する場合、位置P2に対して先にレーザー光を照射すると、位置P2で材料の改質が生じる結果、それよりも内側の位置P1にはレーザー光を照射できない可能性がある。
そこで、レーザー光の照射方向において重畳する位置にレーザー光を照射する場合、当該重畳する位置に対し、レーザー光が入射する材料表面から離れている順にレーザー光を照射することが好ましい。
たとえば、図3の例においてZ軸に沿って上側から下側に向かってレーザー光を照射するとする。この場合、コンピューター2は、照射部10を制御し、まず材料表面から最も離れている位置P1にレーザー光を照射させる。その後、コンピューター2は、照射部10を制御し、位置P1の次に材料表面から離れている位置P2に対してレーザー光を照射する。レーザー光を照射する順番は、加工データに含まれる順番データを用いて決定できる。なお、位置P1及び位置P2それぞれにレーザー光を照射する場合にも、位置P1(位置P2)の曲線のうち、レーザー光が入射する材料表面から最も離れている位置から順にレーザー光の照射を行うことが好ましい。
更に、加工データにおいて、レーザー光を照射する位置が、歯科用材料Mの屈折率に基づいて補正されている場合、コンピューター2は、照射部10を制御し、当該補正された位置にレーザー光を照射させることができる。また、コンピューター2は、歯科用材料Mの表面に対して垂直にレーザー光を入射させるよう照射部10と保持部20との位置関係を調整することができる。
なお、上記レーザー光の照射方法については組み合わせて使用することが可能である。たとえば、レーザー光を照射する位置に応じて、レーザー光の強度とスポットサイズの双方を変更することでもよい。また、たとえば図3等に示した位置P1の途中でレーザー光の強度やスポットサイズを変えることも可能である。また、図3〜図6では、歯科用材料Mの一部に加工痕を形成する例について示しているが、加工痕を形成する部分は、天然歯の透過率に応じて設定される。従って、天然歯の透過率によっては、歯科用材料Mの全体に加工痕が形成される場合もありうる。
加工データに含まれる全ての位置に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ12でYの場合)、歯科用材料Mの内部には任意の加工痕が形成されるため、透過率が変化する。すなわち、所望の透過率を有する歯科用材料Mが得られる(所望の透過率を有する歯科用材料の取得。ステップ13)。なお、歯科用材料Mの焼成や仕上げ処理が既に済んでいる場合、ステップ13で得られた歯科用材料は、そのまま歯科用補綴物として使用できる。
以上の通り、本実施形態に係る加工方法は、歯科用材料Mの内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させる。
このように、歯科用材料Mの内部を改質し、加工痕を形成することにより、加工痕が形成された部分とそれ以外の部分とで透過率が変化する。従って、ある個人の天然歯に近い透過率になるように加工痕を調整することにより、個々人に適した歯科用補綴物を提供することが可能となる。この際、歯科用材料の内部をレーザー光で加工するだけでよいため、各個人に合わせて歯科用材料の組成を調整する必要は無い。このように、本実施形態に係る加工方法によれば、各個人の天然歯に近い透過率を有する歯科用材料を容易に得ることができる。
また、本実施形態に係る加工方法は、レーザー光を複数の位置に対して照射する場合に、レーザー光の照射により形成される加工痕の密度が異なるようレーザー光を照射することができる。加工痕の密度を変えることにより、歯科用材料の透過率をより細かく調整することができる。従って、各個人の天然歯に合わせた(より天然歯の透過率に近づくような)加工が可能となる。
また、本実施形態に係る加工方法は、レーザー光を複数の位置に対して照射する場合に、当該位置によって、レーザー光のスポットサイズを変更することができる。レーザー光のスポットサイズを変更することにより、材料内部に形成される加工痕のサイズを調整できる。従って、各個人の天然歯に合わせた(より天然歯の透過率に近づくような)加工が可能となる。
また、本実施形態に係る加工方法は、レーザー光を複数の位置に対して照射する場合に、当該位置によって、レーザー光の強度を変更することができる。レーザー光の強度を変更することにより、材料内部に形成される加工痕のサイズを調整できる。従って、各個人の天然歯に合わせた(より天然歯の透過率に近づくような)加工が可能となる。
また、本実施形態に係る加工方法において、レーザー光の照射方向において重畳する位置にレーザー光を照射する場合、当該重畳する位置に対し、レーザー光が入射する材料表面から離れている順にレーザー光を照射することができる。このようにレーザー光を照射することにより、照射されるレーザー光が改質の影響を受けることが無い。すなわち、改質した位置をレーザー光が透過できないといった問題や、改質した位置でレーザー光の屈折や反射が起こり、別の位置に対して正確にレーザー光を照射できないといった問題が生じ難い。
また、本実施形態に係る加工方法は、歯科用材料の屈折率に基づいて補正された位置にレーザー光を照射することができる。この場合、歯科用材料の屈折率の影響を受けることなく、所望の位置に対してレーザー光を照射できる。
また、本実施形態に係る加工方法は、歯科用材料の表面に対して垂直にレーザー光を入射させることができる。このようにレーザー光を入射させることにより、レーザー光の屈折に伴う集光点の位置ずれを回避できる。
或いは、本実施形態に係るレーザー加工システム200は、歯科用材料Mに対してレーザー光を照射する照射部10と、歯科用材料Mを保持する保持部20と、照射部10及び保持部20を相対的に移動させる駆動機構30と、歯科用材料Mの内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させるよう照射部10及び駆動機構30を制御するコントローラー2と、を含む。このようなレーザー加工システム200によれば、各個人の天然歯に近い透過率を有する歯科用材料を容易に得ることができる。
また、本実施形態に係る加工プログラムは、歯科用材料Mに対してレーザー光を照射する照射部10、歯科用材料Mを保持する保持部20、及び照射部10及び保持部20を相対的に移動させる駆動機構30を有するレーザー加工システム200で実行されるプログラムであって、レーザー加工システム200に、歯科用材料Mの内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させるよう照射部10及び駆動機構30を制御する機能を実現させるために用いることができる。このような加工プログラムによれば、レーザー加工システム200を用いて、各個人の天然歯に近い透過率を有する歯科用材料を容易に得ることができる。
=その他=
上記実施形態では、予め天然歯の形状に合わせて加工された歯科用材料に対してレーザー光を照射する例について述べた。一方、形状の加工や仕上げ加工について、レーザー加工システム200で行うことも可能である。この場合、歯科用材料の取り付け・取り外しの作業がなくなるため、加工時間を短縮できたり、加工精度の低下を防止できる。なお、レーザー光を用いた形状の加工や仕上げ加工等の加工方法については、たとえば、特願2016−214176号公報を参照して援用する。但し、加工方法はこれに限られるものではない。
また、上記実施形態とは異なり、予め材料内部に加工痕を形成した後、天然歯の形状に合わせて加工することでもよい。
上記実施形態の加工プログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(non-transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD−ROM(Read Only Memory)等がある。
上記実施形態は、発明の例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 加工装置
2 コンピューター(制御部)
10 照射部
20 保持部
30 駆動機構
100 CAD/CAMシステム
200 レーザー加工システム

Claims (9)

  1. 歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させる加工方法。
  2. 前記レーザー光を複数の位置に対して照射する場合に、当該レーザー光の照射により形成される加工痕の密度が異なるよう前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項1記載の加工方法。
  3. 前記レーザー光を複数の位置に対して照射する場合に、当該位置によって、前記レーザー光のスポットサイズを変更可能であることを特徴とする請求項1または2記載の加工方法。
  4. 前記レーザー光を複数の位置に対して照射する場合に、当該位置によって、前記レーザー光の強度を変更可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の加工方法。
  5. 前記レーザー光の照射方向において重畳する位置に前記レーザー光を照射する場合、当該重畳する位置に対し、前記レーザー光が入射する材料表面から離れている順に前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の加工方法。
  6. 前記歯科用材料の屈折率に基づいて補正された位置に前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の加工方法。
  7. 前記歯科用材料の表面に対して垂直に前記レーザー光を入射させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の加工方法。
  8. 歯科用材料に対してレーザー光を照射する照射部と、
    前記歯科用材料を保持する保持部と、
    前記照射部及び前記保持部を相対的に移動させる駆動機構と、
    前記歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させるよう前記照射部及び前記駆動機構を制御する制御部と、
    を含むレーザー加工システム。
  9. 歯科用材料に対してレーザー光を照射する照射部、前記歯科用材料を保持する保持部、及び前記照射部及び前記保持部を相対的に移動させる駆動機構を有するレーザー加工システムで実行されるプログラムであって、
    前記レーザー加工システムに、前記歯科用材料の内部にレーザー光を照射して改質することにより、透過率を変化させるよう前記照射部及び前記駆動機構を制御する機能を実現させるための加工プログラム。
JP2018128023A 2018-07-05 2018-07-05 加工方法、加工システム、加工プログラム Pending JP2020005769A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018128023A JP2020005769A (ja) 2018-07-05 2018-07-05 加工方法、加工システム、加工プログラム
EP19183366.4A EP3590464B1 (en) 2018-07-05 2019-06-28 Processing method, processing system, and processing program

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018128023A JP2020005769A (ja) 2018-07-05 2018-07-05 加工方法、加工システム、加工プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020005769A true JP2020005769A (ja) 2020-01-16
JP2020005769A5 JP2020005769A5 (ja) 2021-02-12

Family

ID=67137699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018128023A Pending JP2020005769A (ja) 2018-07-05 2018-07-05 加工方法、加工システム、加工プログラム

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3590464B1 (ja)
JP (1) JP2020005769A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014515722A (ja) * 2011-04-20 2014-07-03 ストラウマン ホールディング アーゲー ガラスセラミック体の調製方法
JP2014161908A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Saitama Univ 内部加工層形成方法、内部加工層形成部材、および、表面3次元構造部材
JP2015509016A (ja) * 2012-01-20 2015-03-26 ストラウマン ホールディング アーゲー 補綴要素
WO2016083609A2 (de) * 2014-11-27 2016-06-02 Siltectra Gmbh Laserbasiertes trennverfahren
JP2016113362A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG パターン化されたコーティングを備えたガラスセラミック部材の製造方法
JP2018079493A (ja) * 2016-11-16 2018-05-24 ローランドディー.ジー.株式会社 加工方法、加工システム、加工プログラム。

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BRPI0819020A2 (pt) * 2007-11-29 2015-05-05 3M Innovative Properties Co "método e sistema para criar uma peça"
JP6205988B2 (ja) 2012-12-28 2017-10-04 東ソー株式会社 着色透光性ジルコニア焼結体及びその用途
JP6477245B2 (ja) 2015-05-22 2019-03-06 Tdk株式会社 栽培装置及び栽培方法
JP6752018B2 (ja) 2016-01-06 2020-09-09 クラレノリタケデンタル株式会社 セラミック材料及び歯科用製品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014515722A (ja) * 2011-04-20 2014-07-03 ストラウマン ホールディング アーゲー ガラスセラミック体の調製方法
JP2015509016A (ja) * 2012-01-20 2015-03-26 ストラウマン ホールディング アーゲー 補綴要素
JP2014161908A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Saitama Univ 内部加工層形成方法、内部加工層形成部材、および、表面3次元構造部材
WO2016083609A2 (de) * 2014-11-27 2016-06-02 Siltectra Gmbh Laserbasiertes trennverfahren
JP2016113362A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 ショット アクチエンゲゼルシャフトSchott AG パターン化されたコーティングを備えたガラスセラミック部材の製造方法
JP2018079493A (ja) * 2016-11-16 2018-05-24 ローランドディー.ジー.株式会社 加工方法、加工システム、加工プログラム。

Also Published As

Publication number Publication date
EP3590464B1 (en) 2021-03-31
EP3590464A1 (en) 2020-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2809959B2 (ja) レ−ザビ−ムによるアブレーション装置およびその方法
CN105798455B (zh) 激光加工系统和方法
JP5062838B2 (ja) レーザマーキング装置
TW200827078A (en) Scanner optical system, laser processing apparatus, and scanner optical device
JP2009142866A5 (ja)
KR102239663B1 (ko) 세라믹 임플란트 레이저 가공 장치
CN110191775A (zh) 用于增材制造旋转构建平台的系统和方法
Wang et al. Preliminary study on a miniature laser manipulation robotic device for tooth crown preparation
JP6859072B2 (ja) 加工方法、加工システム、加工プログラム。
US20190118305A1 (en) Laser 3d processing system
JP2020005769A (ja) 加工方法、加工システム、加工プログラム
JP2019141884A (ja) 加工方法、加工システム、加工プログラム
KR20220163966A (ko) 레이저 가공 장치 및 레이저 가공 방법
JP2019177410A (ja) 加工方法、加工システム、加工プログラム。
US20200055146A1 (en) Processing method, processing system, and processing program
KR101451972B1 (ko) 인필드 온더 플라이 기능을 이용한 레이저 다이렉트 패터닝 시스템 및 그 제어 방법
US20200009683A1 (en) Processing method, processing system, and processing program
JP2020066011A (ja) レーザ加工機及びレーザ加工方法
JP2008012538A5 (ja)
JP6908438B2 (ja) 印刷装置
JP2003088966A5 (ja) レーザマーキング装置,及び2次元コード印字方法
JP2021113133A (ja) 加工方法、加工システム、加工プログラム
JP2020007591A (ja) 加工方法、加工システム及び加工プログラム
WO2018216562A1 (ja) 加工データ作成方法、レーザー加工方法、加工データ作成システム、加工システム、加工データ作成プログラム、加工プログラム
JP2021122855A (ja) 加工方法、加工システム、加工プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201221

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201221

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201221

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210907