JP2020005535A - 作業爪 - Google Patents

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Abstract

【課題】農作業者の目視によらず、作業爪の摩耗の度合いを評価することができる作業爪を提供すること。【解決手段】作業爪は、農作業機に設けられた保持部材によって保持され、センサを備える作業爪であって、前記センサは、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられている。又は、作業爪は、農作業機に取り付けられる作業爪であって、前記作業爪にかかる荷重によって発生する前記作業爪の歪みが、他の部分よりも大きい箇所にセンサを備える。【選択図】図3

Description

本発明は作業爪に関する。
農作業機用の作業爪として、ロータリー作業機に装着される耕耘爪や代かき機に装着される代かき爪などがある。これらの作業爪は、耕耘作業又は代かき作業の際に圃場と接触し、徐々に摩耗が進行する。作業爪の摩耗が進行するに伴い、作業爪の放擲能力、反転能力、又は攪拌能力が低下し、最終的には耕耘性能又は代かき性能が低下して、適切な作業が行えない状態となる。そのため、農作業者は、定期的に作業爪の摩耗の度合いを確認し、ある程度まで摩耗が進行したら速やかに交換することで対応している。
このような作業爪の交換時期を判断するために、例えば特許文献1には、作業爪の交換の目安となる摩耗後のラインに沿う位置に、両面から視認できるリブを設ける技術が記載されている。
また、農作業者は、農作業機による作業中に、目視又は作業爪が圃場に作用する音や振動などの情報に基づいて、耕深などの作業状態を推定していたが、この推定は農作業者の経験や勘に基づくものであった。
実用新案登録第3198032号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術の場合、結局、作業爪の摩耗の度合いは農作業者が目視で確認しなければならず、確認を忘れてしまったり、面倒で確認を怠ったりした場合には、作業爪の交換時期を逸してしまう可能性があるという問題があった。
また、例えばロータリー作業機や代かき機で耕耘作業を行う際に、耕耘爪に土や泥が付着する場合がある。そのような場合、特許文献1に記載された技術では、土や泥の影響でリブが視認できず、摩耗の度合いを判断することができない場合があるという問題があった。
また、農作業機による作業中の作業状態は、農作業者の経験や勘に頼らざるを得ず、農作業者に依存しない定量的な評価をすることは困難であった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、農作業者の目視によらず、作業爪の摩耗の度合いを評価することができる作業爪を提供することを課題とする。又は、農作業者の経験や勘に頼ることなく、圃場に対する作業状態を評価することができる作業爪を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態における作業爪(作業爪200)は、農作業機に設けられた保持部材(ホルダ190、フランジ600A、又は固定部材500)によって保持され、センサ(第1センサ300又は第2センサ400)を備える作業爪であって、前記センサは、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられている。
前記保持部材は、前記作業爪を回動させる爪軸(爪軸180)に設けられ、前記作業爪を挿入可能なホルダ(ホルダ190)を含み、前記センサは、前記ホルダの内壁と前記作業爪との間に設けられていてもよい。
前記保持部材は、前記作業爪を回動させる爪軸(爪軸180A)に設けられ、前記作業爪を取付け可能なフランジ(フランジ600A)を含み、前記センサは、前記フランジと前記作業爪との間に設けられていてもよい。
前記フランジは、前記作業爪を取り付ける取付け部(取付け部610A)と、前記取付け部から、前記取付け部に対して前記作業爪が設けられる側に突出する突出部(突出部620A)と、を有し、前記センサは、前記突出部と前記作業爪との間に設けられていてもよい。
前記保持部材は、前記作業爪を回動させる爪軸に対して前記作業爪を固定する、脱着可能な固定部材を含み、前記センサは、前記固定部材と前記作業爪との間に設けられていてもよい。
前記センサは、第1センサ及び第2センサを含み、前記第1センサは、前記爪軸を中心とする回転方向において、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられ、前記第2センサは、前記作業爪を回動させる爪軸の長手方向において、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられていてもよい。
本発明の一実施形態における作業爪は、農作業機に取り付けられる作業爪であって、前記作業爪にかかる荷重によって発生する前記作業爪の歪みが、他の部分よりも大きい箇所にセンサを備える。
前記作業爪は、前記農作業機に設けられた保持部材(ホルダ190B及び固定部材500B)の第1支点(開口端部195B)及び第2支点(固定部材500Bのうち作業爪200Bを支持する箇所)によって支持され、前記第1支点は、前記第2支点よりも前記作業爪の先端側に位置し、前記センサは、前記第1支点よりも前記作業爪の先端側に設けられていてもよい。
本発明によれば、農作業者の目視によらず、作業爪の摩耗の度合いを評価することができる。又は、農作業者の経験や勘に頼ることなく、圃場に対する作業状態を評価することができる。
本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を背面側から示す図である。 本発明の一実施形態に係る農作業機の構成を側方から示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る作業爪及びホルダを示す図である。 本発明の一実施形態に係る作業爪及びフランジを示す図である。 本発明の一実施形態に係る作業爪及びホルダを示す図である。 本発明の一実施形態に係るホルダタイプの作業爪において、作業爪に係る荷重によって発生する作業爪の歪みを計算したシミュレーション結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る作業爪及びフランジを示す図である。 本発明の一実施形態に係る作業爪及びフランジを示す図である。 本発明の一実施形態に係るフランジタイプの作業爪において、作業爪に係る荷重によって発生する作業爪の歪みを計算したシミュレーション結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係るホルダタイプの作業爪において、爪の摩耗を検知する方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係るホルダタイプの作業爪を用いて、作業時に作業爪に発生する歪みを測定した実験結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の作業爪、及び作業爪が装着された作業機の実施形態について説明する。但し、本発明の作業爪、及び作業爪が装着された作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は同一の符号の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する。
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」は作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180°反対の方向を示す。また、作業爪単体の説明においては、図示した状態における上下左右方向を用いて説明する。
以下の実施形態では、作業爪として耕耘機に装着される耕耘爪について例示するが、この構成に限定されない。例えば、以下の実施形態に示す作業爪は、耕耘機以外に、代かき機、砕土機、畦塗り機などに用いられる作業爪であってもよい。また、以下の実施形態では、作業爪として、爪軸に取り付けられたホルダ又はフランジに装着される作業爪について例示するが、この構成に限定されない。例えば、以下の実施形態に示す作業爪は、これら以外の態様で爪軸に装着される作業爪であってもよい。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、異なる実施形態間の技術を組み合わせることができる。
〈第1実施形態〉
[農作業機100の構成]
図1は、第1実施形態の農作業機100の構成を背面側から示す図である。図2は、第1実施形態の農作業機100の構成を側方から示す側面図である。具体的には、図2は、農作業機100のエプロン130(整地体とも呼ばれる)を通常位置に下降させた状態を図1の左側方から示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態の農作業機100は、大別して、フレーム110、シールドカバー120(図2にのみ図示)、エプロン130、サイドプレート140(図1にのみ図示)、耕耘ロータ150、制御装置170等を含む。
図2に示すように、フレーム110は、トラクタ等の走行機体(図示せず)とトップマスト135及びロアリンク連結部136により接続される。フレーム110は、例えば円筒形であり、その内部には図1のチェーンケース105に通じる動力伝達軸(図示せず)が設けられている。この動力伝達軸は、トラクタ等の走行機体が有するPTO軸からPIC(Power Input Connection)シャフト137を経て伝達される回転動力の向きを、進行方向に対して左右方向へと切り替える役割を果たす。フレーム110内の動力伝達軸は、農作業機100の側部に配置されたチェーンケース105に接続され、このチェーンケース105内のチェーン伝達機構によって、耕耘ロータ150の爪軸180に動力が伝達される。
耕耘ロータ150は、農作業機100の幅方向に延びる爪軸180と、この爪軸180に取り付けられたホルダ190と、ホルダ190に装着された複数の作業爪200とで構成される。つまり、本実施形態における農作業機100は、ホルダタイプの作業機である。図1に示すように、農作業機100の背面側から見た場合、複数の作業爪200は、左方向に湾曲した作業爪200Lと、右方向に湾曲した作業爪200Rとで構成され、爪軸180の軸方向に間隔をおいて取り付けられる。なお、本実施形態では、作業爪200L及び作業爪200Rは爪軸180の軸方向に一定間隔で取り付けられている。以下の説明において、作業爪200L及び作業爪200Rを特に区別しない場合、単に作業爪200という。
本実施形態では、爪軸180の軸方向において略同じ位置に、1つの爪軸180に対して複数のホルダ190及び作業爪200が取付けられる。なお、図2に示すように、爪軸180の軸方向において略同じ位置に、4つのホルダ190が取り付けられており、これらのホルダ190には、2本の作業爪200L及び2本の作業爪200Rが装着されている。ただし、装着される作業爪の種類や本数はこの構成に限定されない。
図1に示すように、農作業機100を背面側から見た場合、互いに向かい合って配置されている作業爪200R、作業爪200Lは、互いの爪先がオーバーラップしている。したがって、個々の作業爪200L、作業爪200Rが土を掘り起こす領域の幅は、隣接する作業爪200L、作業爪200Rの間で一部重複している。なお、本実施形態の農作業機100においては、耕耘ロータ150は、図2において矢印Wで示す方向に回転する。
図2に示すように、シールドカバー120は、耕耘ロータ150の上方を覆うように配置される。図1に示すように、シールドカバー120の側面には、サイドプレート140が設けられる。サイドプレート140は、チェーンケースプレート、サイドフレーム、支持フレーム等と呼ばれる場合もある。図2においては、サイドプレート140の図示が省略されている。
図2に示すように、エプロン130は、耕耘ロータ150の後方に配置され、シールドカバー120に対して接続部160を軸として回転可能に接続されている。エプロン130の重心は、接続部160よりも後方にあるため、エプロン130は自重により下降しようとする。エプロン130の先端にはステンレスの整地板132が取付けられている。整地板132はエプロン130の内側から外側に向かってループを描くように構成されている。この整地板132が耕耘ロータ150によって掘り起こされた圃場を平坦にする。
図1に示すように、整地板132の両端には可動式の延長整地板134が設けられている。延長整地板134を開くことによって整地板132とともに広い幅の範囲を整地することが可能になる。
制御装置170は、図示しない中央演算処理装置(CPU)、記憶装置(メモリ)及び通信装置を含み、農作業機100の外部から受信した信号(例えば、リモコン信号)を処理したり、逆に、農作業機100又は作業爪200で生成された信号(例えば、センサによって取得されたデータ等)を外部に送信したり、作業爪200で生成された上記信号を解析したりする機能を有する。記憶装置は、各種データ及び各種プログラムを記憶している。中央演算処理装置は、記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、農作業機100が備えるアクチュエータ等の駆動部の動作を制御したり、作業爪200で生成された上記信号を解析したりする。
通信装置は、有線通信又は無線通信を行うための装置である。例えば、無線通信の場合は、例えば、近距離無線通信を可能とするモジュールやWiFi等の通信規格に従う無線通信を可能とするモジュールを搭載していてもよい。つまり、制御装置170が備える通信装置は、ネットワーク上に接続されるサーバやユーザ端末等の通信端末や走行機体に搭載されるタブレットPC等の通信端末との間の通信を制御する機能を有していてもよい。
[作業爪200の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る作業爪及びホルダを示す図である。図3の(A)は、図2と同じ方向から作業爪200を見た図である。図3の(B)は、図3の(A)においてD2の方向に(つまり、図3の(A)において、作業爪200の右側から)作業爪200を見た図である。なお、図3の(B)において、作業爪200の一部は省略されている。図3に示す作業爪200は、図2に示す作業爪200Lを拡大した図である。なお、本実施形態に示す作業爪200Lの形状は一例に過ぎず、この形状に限定されない。また、作業爪200Rについての詳細な説明は省略するが、湾曲する方向が異なる点を除いては、以下に説明する作業爪200Lと同様の特徴を有する。以下の説明において、作業爪200Lを単に作業爪200という。なお、以下の説明において、爪軸180を中心とする回転方向をラジアル方向Rといい、爪軸180の長手方向をスラスト方向Tという。
図3に示すように、ホルダ190は爪軸180の外周に設けられている。ホルダ190には、凹部191が設けられており、その凹部191に作業爪200が挿入されている。ホルダ190及び作業爪200には、スラスト方向Tにそれぞれを貫通する貫通孔が設けられている。これらの貫通孔が位置合わせされた状態で、これらの貫通孔にボルトなどの固定部材500を貫通させることで、作業爪200がホルダ190に固定される。換言すると、固定部材500は、爪軸180に対して作業爪200を固定する、脱着可能な部材である。なお、図3の(B)に示すように、ホルダ190には、凹部191につながる開口193が設けられている。固定部材500は、開口193の内部で作業爪200に接し、作業爪200を凹部191の開口193が設けられた側とは逆側の内壁に押しつけるようにして、作業爪200を固定する。なお、図3の(B)では、説明の便宜上、後述する第2センサ400の他の、部材に対する相対的な厚さを実際よりも厚く図示している。そのため、固定部材500より上方の湾曲内側面201側において、作業爪200とホルダ190の内壁との間に間隙があるように示されているが、実際には上記のような間隙はほとんどない。ホルダ190の凹部191の内壁を単にホルダ190の内壁という場合がある。
図3の(A)に示すように、作業爪200は、取付け基部210、縦刃部220、及び横刃部230を有する。取付け基部210はD1方向に直線状に延びている。取付け基部210には、作業爪200を貫通する貫通孔215が設けられている。上記のように、この貫通孔215に固定部材500が貫通している。縦刃部220及び横刃部230は、取付け基部210から連続してD1方向及びD2方向に延びながらD2方向及びD3方向(紙面の奥側から手前側に向かう方向)に湾曲している。なお、横刃部230は、D3方向に略一定の曲率半径で湾曲している。ただし、横刃部230のD3方向への曲率は一定の曲率半径でなくてもよい。
横刃部230のD2方向の先端領域が頭頂部240である。頭頂部240は、後述する刃縁部250から峰縁部260まで延びている。縦刃部220及び横刃部230の下方の端部が刃縁部250である。縦刃部220及び横刃部230の下方には刃面270が設けられている。刃面270は、縦刃部220及び横刃部230の下端(つまり、刃縁部250)に向かって徐々に作業爪200の厚さが小さくなる形状を有している。縦刃部220及び横刃部230の上方の端部、つまり刃縁部250の反対側が峰縁部260である。峰縁部260は、作業爪200の2つの主面(湾曲内側面201及び湾曲外側面203)の間の側面に該当する部分であり、刃縁部250とは異なり、作業爪200の厚さが略等間隔の形状を有している。なお、図3の(A)では、横刃部230がD3方向に湾曲しているため、横刃部230の先端付近の頭頂部240が見えている。湾曲内側面201側は横刃部230の湾曲形状の内側(つまり、紙面の手前側)の面であり、湾曲外側面203は外側(つまり、紙面の奥側)の面である。
作業爪200には第1センサ300及び第2センサ400が設けられている。図3の(A)に示すように、第1センサ300は、ラジアル方向Rにおいて、ホルダ190の内壁と作業爪200との間に設けられている。本実施形態では、第1センサ300は、ホルダ190の内壁及び作業爪200の各々と接している。図3の(B)に示すように、第2センサ400は、スラスト方向Tにおいて、ホルダ190の内壁と作業爪200との間に設けられている。本実施形態では、第2センサ400は、ホルダ190の内壁及び作業爪200の各々と接している。上記のように、第1センサ300及び第2センサ400は、それぞれホルダ190の内壁と作業爪200との間に設けられている。
ここで、ホルダ190及び固定部材500を「保持部材」という場合がある。当該保持部材は農作業機100に設けられた部材であり、作業爪200を保持する部材である。上記の構成を換言すると、センサは当該保持部材と作業爪200との間に設けられている。なお、農作業機100がフランジタイプの場合、保持部材は上記のホルダ190に代えてフランジを含む。
第1センサ300及び第2センサ400として、センサにかかる圧力を検知することができる圧力センサを用いることができる。圧力センサは、センサにかかる圧力に基づく出力値を出力する。例えば、圧力センサとして、圧力センサに相対的に大きな圧力がかかったときは、相対的に出力値の変化量が大きく、圧力センサに相対的に小さな圧力がかかったときは、相対的に出力値の変化量が小さい、という特徴を有するセンサを用いることができる。つまり、第1センサ300は、作業爪200がラジアル方向Rに受ける荷重の大きさを測定することができる。第2センサ400は、作業爪200がスラスト方向Tに受ける荷重の大きさを測定することができる。第1センサ300及び第2センサ400として圧力センサが用いられる場合、作業爪200の荷重が変化したときに、その変化量を測定できればよいので、作業爪200に荷重がかかっていない、又はその荷重の力の弱い状態において、これらのセンサは作業爪200及びホルダ190の内壁に接していなくてもよい。
本実施形態では、第1センサ300及び第2センサ400が作業爪200に設けられた構成を例示したが、これらのセンサはホルダ190の内壁に設けられていてもよい。また、第1センサ300が峰縁部260側の作業爪200とホルダ190の内壁との間に設けられた構成を例示したが、第1センサ300は刃縁部250側の作業爪200とホルダ190の内壁との間に設けられていてもよく、両方に設けられていてもよい。また、第2センサ400が湾曲内側面201側の作業爪200とホルダ190の内壁との間に設けられた構成を例示したが、第2センサ400は湾曲外側面203側の作業爪200とホルダ190の内壁との間に設けられていてもよく、両方に設けられていてもよい。また、第1センサ300及び第2センサ400が貫通孔215よりも作業爪200の先端(頭頂部240)側に設けられた構成を例示したが、これらのセンサは貫通孔215の上方(作業爪200の先端とは反対側の端部側)に設けられていてもよい。
本実施形態では、第1センサ300及び第2センサ400が作業爪200とホルダ190の内壁との間に設けられた構成を例示したが、これらのセンサは作業爪200と固定部材500との間に設けられていてもよい。例えば、第1センサ300は、貫通孔215の内壁(位置310)に設けられていてもよい。また、第2センサ400は作業爪200の湾曲外側面203側(位置410)に設けられていてもよい。上記の構成を換言すると、第1センサ300は、ラジアル方向Rにおいて、固定部材500と作業爪200との間に設けられていてもよい。また、第2センサ400は、スラスト方向Tにおいて、固定部材500と作業爪200との間に設けられていてもよい。この場合においても、これらのセンサは、作業爪200側に設けられていてもよく、固定部材500側に設けられていてもよい。
上記のように、第1センサ300及び第2センサ400によって、作業爪200にかかるラジアル方向R及びスラスト方向Tのそれぞれの荷重の大きさを測定することができる。作業爪200が圃場に作用する際に、作業爪200には、ラジアル方向R及びスラスト方向Tの荷重が変化する。作業爪200が新品に近い状態で、その性能が最大限発揮されているときは、作業時に作業爪200が圃場から受ける荷重は相対的に大きい。一方、作業爪200が摩耗した状態で、その性能が十分に発揮されないときは、作業時に作業爪200が圃場から受ける荷重は相対的に小さい。詳細は後述するが、第1センサ300及び第2センサ400にかかる荷重の大きさの経時変化を測定することで、作業爪200の摩耗を検出することができる。
以上のように、本実施形態に係る作業爪200によると、第1センサ300及び第2センサ400を用いて、作業中に作業爪200にかかる荷重の大きさを測定することができる。この荷重の経時変化を測定することで、作業爪の摩耗の度合いを評価することができる。
なお、本実施形態では、作業爪200に第1センサ300及び第2センサ400の両方が取り付けられ、ラジアル方向R及びスラスト方向Tの両方にかかる荷重の大きさを測定する構成を例示したが、この構成に限定されない。作業爪200に取り付けられるセンサは、第1センサ300だけでもよく、第2センサ400だけでもよい。つまり、ラジアル方向R及びスラスト方向Tのうち、いずれか一方の荷重の大きさを測定する構成であってもよい。また、作業爪200に対して第1センサ300の反対側に第1センサ300と同じセンサが設けられていてもよい。同様に、作業爪200に対して第2センサ400の反対側に第2センサ400と同じセンサが設けられていてもよい。
また、第1センサ300及び第2センサ400が取り付けられるそれぞれの位置において、作業爪200及びホルダ190の内壁の少なくともいずれか一方に凹部が設けられ、これらの凹部に第1センサ300及び第2センサ400が埋め込まれるように配置されてもよい。このようにすることで、作業爪200に対して、それぞれのセンサを押す方向に非常に大きな荷重がかかった場合であっても、これらのセンサが潰されて破壊されることを抑制することができる。第1センサ300及び第2センサ400が作業爪200と固定部材500との間に設けられる場合は、作業爪200及び固定部材500の少なくとも一方に凹部が設けられ、その凹部にセンサが設けられてもよい。
また、本実施形態では、第1センサ300及び第2センサ400として圧力センサが用いられる構成を例示したが、この構成に限定されない。これらのセンサとして、圧力センサ以外に、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、歪みセンサ、音センサ、及び光センサなどの物理量センサを用いることができる。又は、上記のセンサとして、土壌の水分を検出するセンサ、土壌の塩分を検出するセンサ、及び土壌の温度を検出するセンサ、土壌のpH(水素イオン指数)を検出するセンサなどの土壌センサを用いることができる。ただし、第1センサ300及び第2センサ400として用いられるセンサは、上記のセンサに限定されず、その他のセンサを用いることができる。
これらのセンサとして圧力に対して耐久性が低いセンサを用いる場合は、上記のように、作業爪200及びホルダ190の内壁の少なくともいずれか一方、又は作業爪200及び固定部材500の少なくともいずれか一方に凹部を設け、センサに過剰な圧力がかからない構成にすることが好ましい。この場合、センサは作業爪200及びホルダ190の内壁の両方と接していてもよく、いずれか一方と接していてもよい。同様に、センサは作業爪200及び固定部材500の両方と接していてもよく、いずれか一方と接していてもよい。また、これらのセンサとして上記のような土壌センサを用いる場合、土や泥がセンサに到達するように、センサから下方に向かって土や泥の通り道を設けた構成にすることが好ましい。
上記のように、第1センサ300及び第2センサ400として圧力センサ以外のセンサが用いられる場合、これらのセンサの周囲が作業爪200及びホルダ190によって覆われているため、例えば作業中に飛来する小石などからセンサを保護することができる。
第1センサ300及び第2センサ400は電源を内蔵していてもよく、配線を介して外部から電源が供給されてもよい。また、これらのセンサがセンシングしたデータはセンサに内蔵された記憶装置に保存されてもよく、センサに接続され、作業爪200に設けられた記憶装置に保存されてもよい。これらのセンサがセンシングしたデータは、作業爪200の外部に設けられた記憶装置に、配線を介して送信されてもよく、無線で送信されてもよい。また、これらのセンサは、マイクロコンピュータ、CPUなどの演算処理装置、及びワイヤレス給電通信制御装置などを備えていてもよい。
第1センサ300及び第2センサ400は、センサに固有の識別子を有していてもよい。識別子はセンサによって異なるため、識別子に基づいてセンサを特定することができる。識別子はセンサに内蔵された記憶装置に記憶されていてもよく、センサに接続された他の記憶装置に記憶されていてもよい。識別子は、センサがセンシングしたデータと同様に外部機器に送信される。センサが識別子を有し、その識別子が外部機器に送信されることで、例えば、センサが取り付けられた作業爪200が農作業機100に複数装着されている場合であっても、センサによってセンシングされたデータがどの作業爪200に取り付けられたセンサのデータなのかを特定することができる。つまり、識別子に基づいて作業爪200を特定することができる。
〈第2実施形態〉
[作業爪200Aの構成]
図4を用いて、第2実施形態に係る作業爪200Aについて説明する。作業爪200Aは、フランジに装着される作業爪である。図4は、本発明の一実施形態に係る作業爪及びフランジを示す図である。図4の(A)は、図2と同じ方向から作業爪200Aを見た図である。図4の(B)は、図4の(A)のI−I’線に沿った断面図である。
図4に示すように、フランジ600Aは爪軸180Aの外周に設けられている。フランジ600Aには2つの貫通孔615Aが設けられている。これらの貫通孔615Aに対応して、作業爪200Aにも2つの貫通孔215Aが設けられている。貫通孔215A及び貫通孔615Aが位置合わせされた状態で、これらの貫通孔にボルトなどの固定部材500を貫通させることで、作業爪200Aがフランジ600Aに固定される。なお、図4の(B)に示すように、作業爪200Aはフランジ600AのD3方向側に設けられている。固定部材500Aはボルト501A、ナット503A、及びスプリングワッシャー505Aで構成されている。ただし、固定部材500Aはこの構成に限定されない。
図3の作業爪200と同様に、作業爪200Aは、取付け基部210A、縦刃部220A、及び横刃部230Aを有しており、縦刃部220A及び横刃部230Aの下方の端部に刃縁部250Aが設けられており、刃縁部250Aの反対側に峰縁部260Aが設けられている。上記のように、作業爪200Aの取付け基部210Aには2つの貫通孔215Aが設けられている。なお、この例では、貫通孔215Aは2つだが、3つ以上設けられていてもよい。ただし、貫通孔215Aは1つでもよい。図4の(A)に示す2つの貫通孔215Aのうち、一方の貫通孔215Aだけが設けられた構成の場合、他方の貫通孔215Aの位置には、作業爪200Aをフランジ600Aに係止可能な係止部が設けられていてもよい。
フランジ600Aは、取付け部610A及び突出部620Aを有する。作業爪200Aが取付け部610Aに載置された状態で固定部材500Aによって固定され、作業爪200Aがフランジ600Aに固定される。突出部620Aは、取付け部610Aから、取付け部610Aに対して作業爪200Aが設けられる側に突出している。
作業爪200Aには第1センサ300A及び第2センサ400Aが設けられている。図4の(A)に示すように、第1センサ300Aは、ラジアル方向Rにおいて、突出部620Aと作業爪200Aとの間に設けられている。本実施形態では、第1センサ300Aは、突出部620A及び作業爪200Aの各々に接している。図4の(B)に示すように、第2センサ400Aは、スラスト方向Tにおいて、取付け部610Aと作業爪200Aとの間に設けられている。本実施形態では、第2センサ400Aは、取付け部610A及び作業爪200Aの各々に接している。なお、図4の(B)では、説明の便宜上、第2センサ400Aの他の部材に対する相対的な厚さを実際よりも厚く図示している。そのため、取付け部610Aと作業爪200Aとの間に間隙があるように図示されているが、実施には上記のような間隙はほとんどない。
本実施形態では、第1センサ300A及び第2センサ400Aが作業爪200Aに設けられた構成を例示したが、これらのセンサは突出部620A又は取付け部610Aに設けられていてもよい。また、第1センサ300Aは、ラジアル方向Rにおいて、作業爪200Aと固定部材500Aとの間に設けられていてもよい。第2センサ400Aは、スラスト方向Tにおいて、作業爪200Aと固定部材500Aとの間に設けられていてもよい。
以上のように、本実施形態に係る作業爪200Aによると、第1センサ300A及び第2センサ400Aを用いて、作業中に作業爪200Aにかかる荷重の大きさを測定することができる。この荷重の経時変化を測定することで、作業爪の摩耗の度合いを評価することができる。
〈第3実施形態〉
[作業爪200Bの構成]
図5を用いて、第3実施形態に係る作業爪200Bについて説明する。作業爪200Bは、ホルダに装着される作業爪である。図5は、本発明の一実施形態に係る作業爪及びホルダを示す図である。図5の(A)は、図2と同じ方向から作業爪200Bを見た図である。図5の(B)は、図5の(A)においてD2の方向に作業爪200Bを見た図である。
図5に示す作業爪200Bは、図3に示す作業爪200と類似しているが、第1センサ300B及び第2センサ400Bが設けられた位置が作業爪200とは相違する。なお、図5の(A)に示す作業爪200Bは、作業爪200Bにラジアル方向Rの荷重がかかった状態を示している。この状態において、作業爪200Bは、固定部材500B及びホルダ190Bの開口端部195Bによって、ラジアル方向Rへの回動が規制されている。なお、この回動の規制は、固定部材500B及びホルダ190Bの側壁197Bによってなされていてもよい。また、図5の(B)に示す作業爪200Bは、作業爪200Bにスラスト方向Tの荷重がかかった状態を示している。この状態において、作業爪200Bは、固定部材500B及びホルダ190Bの開口端部199Bによって、スラスト方向Tへの回動が規制されている。
第1センサ300B及び第2センサ400Bは、取付け基部210Bと縦刃部220Bとの間の領域に設けられている。第1センサ300Bは峰縁部260B側に設けられている。第2センサ400Bは湾曲外側面203B側に設けられている。これらのセンサは、作業爪200Bがホルダ190Bから露出した領域に設けられている。本実施形態では、第1センサ300Bは峰縁部260B側に設けられており、第2センサ400Bは湾曲外側面203B側に設けられているが、この構成に限定されない。第1センサ300Bは、刃縁部250B側に設けられていてもよく、第2センサ400Bは湾曲内側面201B側に設けられていてもよい。
第1センサ300B及び第2センサ400Bとして、作業爪200Bの歪みを検知することができる歪みセンサを用いることができる。歪みセンサは、作業爪200Bの歪みに基づく出力値を出力する。例えば、歪みセンサとして、歪みセンサが取り付けられた位置の作業爪200Bの歪みが相対的に大きいときは、相対的に出力値の変化量が大きく、歪みが相対的に小さいときは、相対的に出力値の変化量が小さい、という特徴を有するセンサを用いることができる。詳細は後述するが、これらのセンサは、作業爪200Bにかかる荷重によって発生する作業爪200Bの歪みが、他の部分よりも大きい箇所に備えられている。ただし、第1センサ300B及び第2センサ400Bとして、歪みセンサ以外に、上述した他のセンサを用いることができる。
図5の(A)に示す状態で、作業爪200Bにラジアル方向Rの荷重がかかると、開口端部195B付近の作業爪200Bの歪みが大きくなる。この状態において、作業爪200Bは固定部材500B及び開口端部195Bによって支持されているため、作業爪200Bに発生する歪みについて、開口端部195Bより固定部材500B側で発生する歪みに比べて開口端部195Bより作業爪200Bの先端側で発生する歪みの方が大きい。したがって、第1センサ300Bとして歪みセンサを用いる場合、当該センサは開口端部195Bよりも作業爪200Bの先端側に設けられることが好ましい。このような場合、ホルダ190B及び固定部材500Bを保持部材、作業爪200Bを支持する開口端部195Bを第1支点、固定部材500Bのうち作業爪200Bを支持する箇所を第2支点という場合がある。なお、ここでは第1支点及び第2支点と表現するが、実際には、開口端部195B及び作業爪200B、並びに、固定部材500B及び作業爪200Bは、D3方向に延びる線形部分において線接触している。また、上記の作業爪200Bの先端側とは、作業爪200Bにおける箇所において、頭頂部240Bに近い側を意味する。
ここで、作業爪200Bの回動が固定部材500B及び側壁197Bによって規制されている場合、作業爪200Bに発生する歪みについて、固定部材500Bより側壁197B側で発生する歪みに比べて固定部材500Bより作業爪200Bの先端側で発生する歪みの方が大きい。したがって、第1センサ300Bとして歪みセンサを用いる場合、当該センサは固定部材500Bよりも作業爪200Bの先端側に設けられることが好ましい。このような場合、ホルダ190B及び固定部材500Bを保持部材、固定部材500Bのうち作業爪200Bを支持する箇所を第1支点、作業爪200Bを支持する側壁197Bを第2支点という場合がある。
図5の(B)に示す状態で、作業爪200Bにスラスト方向Tの荷重がかかると、開口端部199B付近の作業爪200Bの歪みが大きくなる。この状態において、作業爪200Bは固定部材500B及び開口端部199Bによって支持されているため、作業爪200Bに発生する歪みについて、開口端部199Bより固定部材500B側で発生する歪みに比べて開口端部199Bより作業爪200Bの先端側で発生する歪みの方が大きい。したがって、第2センサ400Bとして歪みセンサを用いる場合、当該センサは開口端部199Bよりも作業爪200Bの先端側に設けられることが好ましい。このような場合、ホルダ190B及び固定部材500Bを保持部材、作業爪200Bを支持する開口端部199Bを第1支点、固定部材500Bのうち作業爪200Bを支持する箇所を第2支点という場合がある。
図6は、本発明の一実施形態に係るホルダタイプの作業爪において、作業爪に係る荷重によって発生する作業爪の歪みを計算したシミュレーション結果を示す図である。図6において、作業爪200Bにラジアル方向R及びスラスト方向Tの荷重がかかった場合における、作業爪200Bに発生する歪みの大きさが色で識別されている。青で示されている領域は歪みが小さく、赤で示されている領域は歪みが大きい。なお、図6の(A)は作業爪200Bにスラスト方向Tの荷重がかかった場合、(B)はラジアル方向Rの荷重がかかった場合のシミュレーション結果である。図6の(A−1)及び(B−1)は、それぞれ図5の(A)に対応する。(A−2)及び(B−2)は、取付け基部210B付近を湾曲内側面201B側から見た斜視図であり、(A−3)及び(B−3)は、湾曲外側面203B側からみた斜視図である。
図6の(A−1)に示すように、作業爪200Bにスラスト方向Tの荷重がかかった場合、刃縁部250B側に比べて峰縁部260B側の方が、歪みが大きい。また、(A−2)及び(A−3)に示すように、開口端部195Bに発生する歪みは、湾曲内側面201B側に比べて湾曲外側面203B側の方が大きい。図6の(B−2)及び(B−3)に示すように、作業爪200Bにラジアル方向Rの荷重がかかった場合、峰縁部260Bに大きな歪みが生じる。また、開口端部195Bに発生する歪みは、湾曲内側面201B側に比べて湾曲外側面203B側の方が大きい。
したがって、第1センサ300B及び第2センサ400Bとして歪みセンサを用いる場合、第1センサ300Bを、湾曲内側面201Bと湾曲外側面203Bとの中央よりも湾曲外側面203B側に設けることがより好ましく、第2センサ400Bを、刃縁部250Bと峰縁部260Bとの中央よりも峰縁部260B側に設けることが好ましい。
上記のように、作業爪にスラスト方向T及びラジアル方向Rの荷重がかかった場合のシミュレーション結果で、最も歪みが大きい領域に第1センサ300B及び第2センサ400Bを設けることで、効率よく作業爪200Bに発生する歪みを測定することができる。なお、上記のセンサは、シミュレーション結果で最も歪みが大きい領域以外に設けられてもよい。上記のセンサは、少なくともシミュレーション結果において作業爪に歪みが、他の部分よりも大きい箇所に設けられればよい。
なお、作業爪において発生する歪みの分布は作業爪の形状によって異なる。したがって、上記のセンサを設ける最適な場所は、作業爪の形状によって適宜調整することが好ましい。ただし、上記のセンサを開口端部195Bよりも作業爪200Bの先端側に設ける、という点は、作業爪の形状によらず共通する特徴である。
〈第4実施形態〉
[作業爪200Cの構成]
図7を用いて、第4実施形態に係る作業爪200Cについて説明する。作業爪200Cは、フランジに装着される作業爪である。図7は、本発明の一実施形態に係る作業爪及びフランジを示す図である。図7の(A)は、図2と同じ方向から作業爪200Cを見た図である。図7の(B)は、図7の(A)においてD2の方向に作業爪200Cを見た図である。
図7に示す作業爪200Cは、図4に示す作業爪200Aと類似しているが、第1センサ300C及び第2センサ400Cが設けられた位置、及びフランジ600Cが突出部を有しない点において作業爪200Aとは相違する。なお、図7の(A)に示す作業爪200Cは、作業爪200Cにラジアル方向Rの荷重がかかった状態を示している。この状態において、作業爪200Cは、2つの固定部材500Cによって、ラジアル方向Rへの回動が規制されている。
以下の説明において、2つの固定部材500Cのうち、作業爪200Cの先端に近い側の固定部材500Cを第1固定部材500C−1といい、他方の固定部材500Cを第2固定部材500C−2という。なお、これらを特に区別しない場合、単に固定部材500Cという。この回動の規制は、3つ以上の固定部材によってなされていてもよい。また、図7の(B)に示す作業爪200Cは、作業爪200Cにスラスト方向Tの荷重がかかった状態を示している。この状態において、作業爪200Cは、固定部材500C及びフランジ600Cの取付け部610Cによって、スラスト方向Tへの回動が規制されている。
第1センサ300Cは、湾曲内側面201C側において、第1固定部材500C−1の付近に設けられている。具体的には、第1センサ300Cは、第1固定部材500C−1に対して第2固定部材500C−2とは反対側に設けられている。換言すると、第1センサ300Cは、第1固定部材500C−1よりも作業爪200Cの先端側に設けられている。なお、第1センサ300Cは、第1固定部材500C−1の一部よりも作業爪200Cの先端側に設けられていればよく、第1固定部材500C−1の全部よりも作業爪200Cの先端側に設けられている必要はない。つまり、第2固定部材500C−2と第1センサ300Cとの距離が、第2固定部材500C−2と第1固定部材500C−1の一部との距離と同じ、又はそれよりも短くてもよい。
なお、詳細は後述するが、作業爪200Cにラジアル方向Rの荷重がかかったときに、第2固定部材500C−2(又は、貫通孔215C−2)から見て、第1固定部材500C−1(又は、貫通孔215C−1)の影になる位置における作業爪200Cに大きな歪みが発生する。したがって、第1センサ300Cとして歪みセンサを用いる場合、上記のように大きな歪みが発生する領域に第1センサ300Cを設けることで、効率よく作業爪200Cの歪みを検知することができる。ただし、作業爪200Cに荷重がかかったときに作業爪200に発生する歪みは、他の領域にも発生するため、第1センサ300Cを設ける位置は、上記の領域に限定されない。
第2センサ400Cは、湾曲外側面203C側において、フランジ600Cの取付け部610Cの付近に設けられている。具体的には、第2センサ400Cは、第1固定部材500C−1に対して第2固定部材500C−2とは反対側に設けられている。換言すると、第2センサ400Cは、取付け部610Cの端部611Cよりも作業爪200Cの先端側に設けられている。なお、詳細は後述するが、作業爪200Cにスラスト方向Tの荷重がかかったときに、端部611Cよりも作業爪200Cの先端側において、端部611C付近の作業爪200Cに大きな歪みが発生する。したがって、第2センサ400Cとして歪みセンサを用いる場合、上記の領域に第2センサ400Cを設けることで、効率よく作業爪200Cの歪みを検知することができる。ただし、作業爪200Cに荷重がかかったときに作業爪200Cに発生する歪みは、他の領域にも発生するため、第2センサ400Cを設ける位置は、上記の領域に限定されない。
〈第5実施形態〉
[作業爪200Dの構成]
図8を用いて、第5実施形態に係る作業爪200Dについて説明する。作業爪200Dは、フランジに装着される作業爪である。図8は、本発明の一実施形態に係る作業爪及びフランジを示す図である。図8の(A)は、図2と同じ方向から作業爪200Dを見た図である。図8の(B)は、図8の(A)においてD2の方向に作業爪200Dを見た図である。
図8に示す作業爪200D及びフランジ600Dは、図7に示す作業爪200C及びフランジ600Cと類似しているが、フランジ600Dに対する作業爪200Dの位置が図7とは逆である点において、作業爪200Cとは相違する。図8の説明において、図7と同様の特徴については説明を省略し、図7との相違点について説明する。
図8の(B)に示すように、フランジ600D(取付け部610D)は作業爪200DのD3方向側に設けられている。つまり、図8の(A)において、作業爪200Dは、取付け部610Dの紙面奥側に位置している。作業爪200Dのうち取付け部610Dに隠れている箇所は点線で示されている。
第1センサ300D及び第2センサ400Dは、いずれも、作業爪200Dの湾曲外側面203D側において、第1固定部材500D−1の付近に設けられている。具体的には、第1センサ300D及び第2センサ400Dは、第1固定部材500D−1に対して第2固定部材500D−2とは反対側に設けられている。換言すると、第1センサ300D及び第2センサ400Dは、第1固定部材500D−1よりも作業爪200Dの先端側に設けられている。なお、第1センサ300D及び第2センサ400Dは、第1固定部材500D−1の一部よりも作業爪200Dの先端側に設けられていればよく、第1固定部材500D−1の全部よりも作業爪200Dの先端側に設けられている必要はない。つまり、第2固定部材500D−2と第1センサ300Dとの距離、及び第2固定部材500D−2と第2センサ400Dとの距離が、第2固定部材500D−2と第1固定部材500D−1の一部との距離と同じ、又はそれよりも短くてもよい。
なお、詳細は後述するが、作業爪200Dにラジアル方向Rの荷重がかかったときに、第1固定部材500D−1(又は、貫通孔215D−1)よりも作業爪200Dの先端側、かつ、峰縁部260D側の作業爪200Dに大きな歪みが発生する。また、作業爪200Dにスラスト方向Tの荷重がかかったときに、第1固定部材500D−1の端部501D−1よりも作業爪200Dの先端側において、端部501D−1付近の作業爪200Dに大きな歪みが発生する。したがって、第1センサ300D及び第2センサ400Dとして歪みセンサを用いる場合、上記のように大きな歪みが発生する領域にそれぞれのセンサを設けることで、効率よく作業爪200Dの歪みを検知することができる。ただし、作業爪200Dに荷重がかかったときに作業爪200Dに発生する歪みは、他の領域にも発生するため、これらのセンサを設ける位置は、上記の領域に限定されない。
〈第6実施形態〉
[作業爪の歪みシミュレーション結果]
図9は、本発明の一実施形態に係るフランジタイプの作業爪において、作業爪にかかる荷重によって発生する作業爪の歪みを計算したシミュレーション結果を示す図である。図9において、作業爪200C、200Dにラジアル方向R及びスラスト方向Tの荷重がかかった場合における、作業爪200C、200Dに発生する歪みの大きさが色で識別されている。青で示されている領域は歪みが小さく、赤で示されている領域は歪みが大きい。なお、図9の(A)は、図7に示す作業爪200Cにスラスト方向Tの荷重がかかった場合、(B)は、図8に示す作業爪200Dにスラスト方向Tの荷重がかかった場合、(C)は作業爪200C、200Dにラジアル方向Rの荷重がかかった場合のシミュレーション結果である。なお、(C)に関するシミュレーション結果は、作業爪200C、200Dの場合で実質的に差がないため、1つの図面で結果を示した。
図9の(A−1)、(B−1)及び(C−1)は、それぞれ取付け基部210C、210Dを湾曲内側面201C、201D側から見た斜視図であり、(A−2)、(B−2)及び(C−2)は、それぞれ取付け基部210C、210Dを湾曲外側面203C、203D側から見た斜視図である。
図9の(A−1)に示すように、作業爪200Cに図7に示すスラスト方向Tの荷重がかかった場合、貫通孔215C(又は、第1固定部材500C−1が取り付けられる位置)よりも作業爪200Cの先端側において歪みが発生する。作業爪200Cに発生する歪みの大きさは、刃縁部250C側に比べて峰縁部260C側の方が大きい。また、固定部材500C又は取付け部610Cが作業爪200Cに接する領域を除くと、貫通孔215Cに近いほど、相対的に歪みが大きい。また、(A−2)に示すように、取付け部610Cの端部611C付近に、端部611Cに沿って大きな歪みが発生する。湾曲外側面203Cにおいて端部611C付近に発生する歪みは、湾曲内側面201C側で発生する歪みに比べて大きい。図7を参照すると、作業爪200Cにスラスト方向Tの荷重がかかったときに、作業爪200Cの湾曲外側面203Cが取付け部610Cの端部611Cによって支持されることで、その移動が規制される。このため、上記のように湾曲外側面203Cの端部611C付近において作業爪200Cに発生する歪みが、他の領域に比べて大きくなっていると考えられる。
図9の(B−1)に示すように、作業爪200Dに図8に示すスラスト方向Tの荷重がかかった場合、貫通孔215D(又は、第1固定部材500D−1が取り付けられる位置)よりも作業爪200Dの先端側において歪みが発生する。作業爪200Dに発生する歪みの大きさは、刃縁部250D側に比べて峰縁部260D側の方が大きい。また、固定部材500Dが作業爪200Dに接する領域を除くと、貫通孔215Dに近いほど、相対的に歪みが大きい。特に、図9には図示されていないが、貫通孔215Dに取り付けられる第1固定部材500D−1の端部であって、貫通孔215Dよりも作業爪200Dの先端側の端部付近に大きな歪みが発生する。この歪みは、(A)の場合とは異なり、湾曲内側面201D及び湾曲外側面203Dで同程度の大きさである。図8を参照すると、作業爪200Dにスラスト方向Tの荷重がかかったときに、作業爪200Dの湾曲外側面203Dが第1固定部材500D−1によって支持されることで、その移動が規制される。このため、上記のように、第1固定部材500D−1の端部501D−1に対応する領域において発生する歪みが、他の領域に比べて大きくなっていると考えられる。
図9の(C−1)に示すように、作業爪200C、200Dに図7、図8に示すラジアル方向Rの荷重がかかった場合、主に貫通孔215C、D(又は、第1固定部材500C、D−1が取り付けられる位置)よりも作業爪200C、Dの先端側において歪みが発生する。作業爪200C、Dに発生する歪みの大きさは、刃縁部250C、D側に比べて峰縁部260C、D側の方が大きい。また、貫通孔215C、Dに近いほど、相対的な歪みが大きい。特に、貫通孔215C、Dの端部(貫通孔の側壁に近い部分)であって、貫通孔215C、Dよりも作業爪200C、Dの先端側の端部付近に大きな歪みが発生する。作業爪200C、Dの湾曲内側面201C、Dにおいて、最も大きい歪みが発生する領域は、第2固定部材500C、D−2が取り付けられる貫通孔215C、D−2から見て、第1固定部材500C、D−1が取り付けられる貫通孔215C、D−1の影になる領域である。
一方で、図9の(C−2)、(C−3)に示すように、作業爪200C、Dの湾曲外側面203C、Dにおいて、作業爪200C、Dに発生する歪みが最も大きい領域は、湾曲内側面201C、Dにおいて作業爪200C、Dに発生する歪みが最も大きい領域(図9の(C−1)に示す領域)とは異なっている。具体的には、貫通孔215C、D−1(又は、第1固定部材500C、D−1)よりも作業爪200C、Dの先端側、かつ、峰縁部260C、D側の作業爪200C、Dに最も大きな歪みが発生している。
上記のように、作業爪にスラスト方向T及びラジアル方向Rの荷重がかかった場合のシミュレーション結果で、最も歪みが大きい領域に第1センサ300C、D及び第2センサ400C、Dを設けることで、効率よく作業爪200C、Dに発生する歪みを測定することができる。なお、上記のセンサは、シミュレーション結果で最も歪みが大きい領域以外に設けられてもよい。上記のセンサは、少なくともシミュレーション結果において作業爪に歪みが、他の部分よりも大きい箇所に設けられればよい。
なお、作業爪において発生する歪みの分布は作業爪の形状によって異なる。したがって、上記のセンサを設ける最適な場所は、作業爪の形状によって適宜調整することが好ましい。ただし、上記のセンサを貫通孔215C、D−1(又は、第1固定部材500C、D−1が取り付けられる位置)よりも作業爪200C、Dの先端側に設ける、という点は、作業爪の形状によらず共通する特徴である。
〈第7実施形態〉
[センサを用いた作業爪の摩耗検出方法]
図10を用いて、センサとして圧力センサを用いた場合の、センサを用いた作業爪の摩耗検出方法について説明する。図10の(A)に示すホルダ190E、作業爪200E、及び第1センサ300Eは、図3に示したホルダ190、作業爪200、及び第1センサ300と同様である。第1センサ300Eとして、圧力センサが用いられている。上記のように、圧力センサは、センサに相対的に大きな圧力がかかったときは、相対的な出力値の変化量が大きくなり、相対的に小さな圧力がかかったときは、相対的な出力値の変化量が小さくなる、という特徴を有する。例えば、圧力センサに圧力がかかったときに、圧力センサが初期値よりも大きな値の出力値を出力する場合、圧力センサにかかる圧力が大きくなるにしたがって出力値が大きくなる。一方、圧力センサに圧力がかかったときに、圧力センサが初期値よりも小さな値の出力値を出力する場合、圧力センサにかかる圧力が大きくなるにしたがって出力値が小さくなる。以下の説明は、圧力センサとして前者の特徴を有するセンサを用いた例について説明するが、後者の特徴を有するセンサを用いてもよい。
図10の(B)に示すグラフ700Eは、作業爪200Eが圃場に打ち込まれたときに、第1センサ300Eによって出力される出力値をプロットしたグラフである。グラフ700Eの横軸710Eは荷重変化を示し、縦軸720Eはセンサ出力値を示す。グラフ700Eにおいて、出力データ730Eは実線で表示されている。出力データ730Eは、1回の打ち込み動作において、作業爪200Eが圃場から受ける荷重が最大になる最大荷重点711Eにおいて、極大値を有している。初期値721は、第1センサ300Eに荷重がかかっていない状態における第1センサ300Eの出力値である。しきい値723Eは、以下に説明する摩耗検出システムが出力データ730Eに基づいて作業爪200Eが摩耗したか否かを判定する基準となる値である。
作業爪200Eが新品に近い状態で、その性能が最大限発揮されているときは、作業時に作業爪200Eが圃場から受ける荷重は相対的に大きい。一方、作業爪200Eが摩耗した状態で、その性能が十分に発揮されないときは、作業時に作業爪200Eが圃場から受ける荷重は相対的に小さい。つまり、作業爪200Eが摩耗し、その性能が低下すると、出力データ730Eの極大値が小さくなり、その性能が一定以下まで低下すると、その極大値はしきい値723Eに達しなくなる。したがって、出力データ730Eの極大値がしきい値723Eに達しない場合(つまり、出力値の変化量が所定の量よりも小さい場合)に、作業爪200Eの摩耗が進行し、摩耗検出システムが、作業爪200Eの交換時期に達したと判断することができる。
図10の(C)に示すグラフ740Eは、第1センサ300Eによって出力される出力データ730Eの経時的な変動を示すグラフである。図10の(C)を用いて、本実施形態に係る摩耗検出システムによって作業爪200Eが摩耗したことを判断する方法(又は、作業爪200Eの交換時期を判断する方法)について説明する。
第1期間741Eは、新品に近い状態の作業爪200Eを用いて作業したときの出力データ730Eである。第1期間741Eでは、作業爪200Eが圃場から受ける荷重は相対的に大きいため、出力データ730Eの極大値はしきい値723Eを上回る(つまり、出力値の変化量が所定の量よりも大きい)。ここで、第1期間741Eは、作業爪200Eがほぼ新品である状態を示す期間であり、例えば、出力データ730Eの極大値が経時的に低下していないと認められる期間とすることができる。第1期間741Eは、作業爪200Eを新品に交換してから、所定の期間(例えば、1週間)内、又は所定の作業時間(例えば、48時間)内の期間であってもよい。第1期間741Eは、上記のように自動的に設定されてもよく、ユーザによって指定された期間であってもよい。
作業爪200Eを用いた作業回数が増えて作業爪200Eが摩耗すると、作業爪200Eが圃場から受ける荷重が小さくなるため、出力データ730Eの極大値は作業爪200Eの摩耗に伴って小さくなる(第2期間743E)。そして、作業爪200Eの摩耗がさらに進行し、出力データ730Eの極大値がしきい値723Eを下回ったときに(つまり、第3期間745Eにおいて、出力値の変化量が所定の量よりも小さくなったときに)、上記の摩耗検出システムは、作業爪200Eが摩耗したと判断する。
ここで、しきい値723Eは予め設定された値であってもよく、第1期間741Eの出力データ730Eに基づいて決定された値であってもよい。
しきい値723Eが予め設定された値の場合、ユーザがしきい値723Eを設定することができる。この場合、しきい値723Eに基準値があり、ユーザによって当該基準値が上下に調整されることでしきい値723Eが設定されてもよい。例えば、ユーザに圃場の硬さ、圃場の地域、圃場の種類(例えば、水田又は畑など)、又は作物の種類を選択可能なインターフェースを提供し、ユーザによって選択された内容に応じてしきい値723Eを自動的に調整してもよい。例えば、農作業機100E又は作業爪200EがGPS機能を有しており、当該GPS機能によって得られた位置情報に基づいて、その地域に適したしきい値723Eを自動的に調整してもよい。ユーザによって選択された項目(例えば、圃場の硬さ、圃場の種類、作物の種類)及び上記GPS機能によって得られた位置情報の両方の情報に基づいて、しきい値723Eが自動的に調整されてもよい。
しきい値723Eが第1期間741Eの出力データ730Eに基づいて決定される場合、例えば、第1期間741Eに測定された出力データ730Eの極大値の平均値に対して一定の乗数をかけた値、又は出力データ730Eの極大値の中央値をしきい値723Eとすることができる。しきい値723Eを算出するために用いられる乗数は、一定値であってもよく、第1期間741Eの出力データ730Eの極大値の統計値(例えば、極大値の標準偏差に基づく値)に基づいて変動する値であってもよい。
摩耗検出システムは、出力データ730Eがしきい値723Eを下回った場合に、作業爪200Eが摩耗したと判断する。この判断の際に、突発的な異常値の影響を受けないように、一定回数以上、出力データ730Eがしきい値723Eを下回った場合に作業爪200Eが摩耗したと判断してもよい。若しくは、ある一定期間における出力データ730E、その平均値、又はその中央値がしきい値723Eを下回った場合に作業爪200Eが摩耗したと判断してもよい。上記の一定期間は、例えば、農作業機100を起動してから停止するまでの間の期間であってもよく、所定の作業時間であってもよい。
なお、上記では、センサとして圧力センサを用いた場合における作業爪の摩耗検出について説明したが、圧力センサの代わりに歪みセンサを用いた場合についても、上記と同様の手法を用いることができる。
〈第1実施例〉
[歪みセンサを用いた実施例]
図11は、本発明の一実施形態に係るホルダタイプの作業爪を用いて、作業時に作業爪に発生する歪みを測定した実験結果を示す図である。図11に示す作業爪200Fは、図5に示す作業爪200Bのうち第2センサ400Bだけが設けられた作業爪である。図11の(A)は、新品の状態における作業爪200Fを撮影した写真であり、(B)は、摩耗した状態の作業爪200Fを撮影した写真である。作業爪200Fの取付け基部210Fと縦刃部220Fとの境界付近に、第2センサ400Fが設けられている。本実施例では、第2センサ400Fとして歪みセンサが用いられている。第2センサ400Fには配線420Fが接続されており、第2センサ400Fは保護部材430Fによって覆われている。
図11の(C)は、第2センサ400Fによって出力された出力データ730F(ひずみ値)の実測データであり、(D)は各条件における出力データ730Fの極大値を示す実測値である。図11の(C)には、4つの条件で測定された出力データ730Fがプロットされている。細い実線は、新品の状態の作業爪200Fで硬い圃場に対して作業を行った場合の実測データである。太い実線は、新品の状態の作業爪200Fで軟らかい圃場に対して作業を行った場合の実測データである。細い点線は、摩耗した状態の作業爪200Fで硬い圃場に対して作業を行った場合の実測データである。太い点線は、摩耗した状態の作業爪200Fで軟らかい圃場に対して作業を行った場合の実測データである。
これらの実測データの極大値を抽出した結果が(D)の実測値である。(D)に示すように、圃場が硬い場合であっても軟らかい場合であっても、作業爪200Fが摩耗した状態の実測値は、新品の状態の実測値に比べて小さい。例えば、圃場が硬い場合、第2センサ400Fによって出力される摩耗品のひずみ値は、新品のひずみ値の約83%である。圃場が軟らかい場合、第2センサ400Fによって出力される摩耗品のひずみ値は、新品のひずみ値の約79%である。例えば、上記の摩耗検出システムにおいて、ひずみ値が新品の85%を下回った場合に、作業爪200Fが摩耗したと判断してもよい。このように、作業爪200Fに発生するひずみ値に基づいて、作業爪200Fが摩耗したことを検出することができる。
以上のように、本実施例に係る作業爪200Fによると、第2センサ400Fを用いて、作業中に作業爪200Fにかかる荷重の大きさの経時変化を測定することで、作業爪の摩耗の度合いを評価することができる。
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の作業爪を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
100:農作業機、 105:チェーンケース、 110:フレーム、 120:シールドカバー、 130:エプロン、 132:整地板、 134:延長整地板、 135:トップマスト、 136:ロアリンク連結部、 137:PICシャフト、 140:サイドプレート、 150:耕耘ロータ、 160:接続部、 170:制御装置、 180:爪軸、 190:ホルダ、 191:凹部、 193:開口、 195B:開口端部、 197B:側壁、 199B:開口端部、 200:作業爪、 201:湾曲内側面、 203:湾曲外側面、 210:取付け基部、 215:貫通孔、 220:縦刃部、 230:横刃部、 240:頭頂部、 250:刃縁部、 260:峰縁部、 270:刃面、 300:第1センサ、 400:第2センサ、 420F:配線、 430F:保護部材、 500:固定部材、 500C−1:第1固定部材、 500C−2:第2固定部材、 501A:ボルト、 501D−1:端部、 503A:ナット、 600A:フランジ、 610A:取付け部、 611C:端部、 615A:貫通孔、 620A:突出部、 700E:グラフ、 710E:横軸、 711E:最大荷重点、 720E:縦軸、 721:初期値、 723E:しきい値、 730E:出力データ、 740E:グラフ、 741E:第1期間、 R:ラジアル方向、 T:スラスト方向、 W:矢印

Claims (8)

  1. 農作業機に設けられた保持部材によって保持され、センサを備える作業爪であって、
    前記センサは、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられた作業爪。
  2. 前記保持部材は、前記作業爪を回動させる爪軸に設けられ、前記作業爪を挿入可能なホルダを含み、
    前記センサは、前記ホルダの内壁と前記作業爪との間に設けられている、請求項1に記載の作業爪。
  3. 前記保持部材は、前記作業爪を回動させる爪軸に設けられ、前記作業爪を取付け可能なフランジを含み、
    前記センサは、前記フランジと前記作業爪との間に設けられている、請求項1に記載の作業爪。
  4. 前記フランジは、
    前記作業爪を取り付ける取付け部と、
    前記取付け部から、前記取付け部に対して前記作業爪が設けられる側に突出する突出部と、
    を有し、
    前記センサは、前記突出部と前記作業爪との間に設けられている、請求項3に記載の作業爪。
  5. 前記保持部材は、前記作業爪を回動させる爪軸に対して前記作業爪を固定する、脱着可能な固定部材を含み、
    前記センサは、前記固定部材と前記作業爪との間に設けられている、請求項1乃至4のいずれか一に記載の作業爪。
  6. 前記センサは、第1センサ及び第2センサを含み、
    前記第1センサは、前記爪軸を中心とする回転方向において、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられ、
    前記第2センサは、前記作業爪を回動させる爪軸の長手方向において、前記保持部材と前記作業爪との間に設けられている、請求項1乃至5のいずれか一に記載の作業爪。
  7. 農作業機に取り付けられる作業爪であって、
    前記作業爪にかかる荷重によって発生する前記作業爪の歪みが、他の部分よりも大きい箇所にセンサを備える作業爪。
  8. 前記作業爪は、前記農作業機に設けられた保持部材の第1支点及び第2支点によって支持され、
    前記第1支点は、前記第2支点よりも前記作業爪の先端側に位置し、
    前記センサは、前記第1支点よりも前記作業爪の先端側に設けられている、請求項7に記載の作業爪。
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