JP2020005027A - 超音波センサー - Google Patents

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Masamichi Hashida
昌道 橋田
知樹 桝田
Tomoki Masuda
知樹 桝田
賢輝 信長
Kenki Nobunaga
賢輝 信長
永原 英知
Hidetomo Nagahara
英知 永原
祐大 石崎
Yudai ISHIZAKI
祐大 石崎
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Abstract

【課題】優れた耐久性を有する超音波センサーを得ること。【解決手段】平板部4aを有する金属製部材4と、平板部4aの一方の面に接合された圧電素子2と、平板部4aの他方の面に接着された第1音響整合層5と、第1音響整合層5を平板部4aに接着する接着剤3と、からなり、第1音響整合層5は、平板部4aとの接着面に開口した開口部8aと、開口部8aに連通する空隙8を有し、接着剤3は、空隙8に充填されており、接着剤3が空隙8内で固化することでアンカー効果が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、主に超音波の送受信を行うセンサーに関するものである。
一般に、異なる物質間の音響インピーダンス(それぞれの物質の密度と音速の積)の違いが小さければ、超音波はこれらの物質の界面を透過して伝達し、音響インピーダンスの違いが大きければ、これらの界面で反射する。従って、音響インピーダンスの違いが小さくなるに従って、エネルギー伝達効率は高くなる。
しかし、圧電素子はセラミックス(密度と音速が高い)により構成されるのが一般的であり、超音波を伝達させようとする対象である空気等の気体の密度と音速は、セラミックスのそれらより大幅に小さい。従って、圧電素子から気体へのエネルギー伝達効率は非常に低くなる。この問題を解決するため、圧電素子と気体の間に、圧電素子より音響インピーダンスが小さく、気体より音響インピーダンスが大きい音響整合層を介在させ、エネルギー伝達効率を高める対策が行われてきた。
音響インピーダンスの観点からは、圧電素子から音響整合層を経て気体へ超音波が伝達するために最も効率が高くなる場合は、
Z2^2=Z1×Z3・・・(1)
を満たす場合である。
ここで、Z1:圧電素子の音響インピーダンス、Z2:音響整合層の音響インピーダンス、Z3:気体の音響インピーダンスである。
更に、圧電素子で発生した超音波を高効率で気体に伝播させるためには、音響整合層を伝播する超音波のエネルギー損失を低く抑えることが必要となる。音響整合層を伝播する超音波のエネルギー損失の大きな要素は、音響整合層を変形させることにより熱として散逸してしまうことである。従って、音響整合層として用いる物質は変形し難い(弾性率が大きい)ことが条件となる。
しかし、式(1)から判るように、音響整合層の音響インピーダンスZ2は、気体の音響インピーダンスZ3に近づけるため、固体の音響インピーダンスより大幅に小さくする必要がある。音響インピーダンスが小さい物質は、音速が遅く、密度が小さい物質ということになり、一般に変形しやすい物質である場合が多い。このような理由により、音響整合層として必要な特性を満たす物質は少ない。
これは、固体からなる圧電素子と気体の音響インピーダンスは5桁程度異なることなることから、式(1)を満たすためには、音響整合層の音響インピーダンスは圧電素子の音響インピーダンスの3桁程度小さくする必要があるためである。
そこで、音響整合層を2層用いることで、圧電素子と一層目(第1音響整合層)の音響インピーダンス、一層目の音響インピーダンスと二層目の音響インピーダンスにおいて式(1)が成立し、二層目(第2音響整合層)の音響インピーダンスと気体の間において式(1)が成立する場合に最も伝達効率が高くなることを用いて、充分な効率で超音波を伝達させる事が試みられてきた。
ここで、第1音響整合層は、第2音響整合層に超音波を効率よく伝播させるため、変形
によるエネルギー損失が小さくなる硬質(弾性率が大きい)な材料が望ましく、特にPEEK等の硬質な樹脂が望ましい。
しかし、一般に硬質な樹脂は接着が困難であるため、圧電素子との熱膨張率の際により、接合に不具合が生じる可能性あった。従って熱膨張率の差異による接合の不具合を抑制するための施策がとられてきた(例えば、特許文献1参照)。
更に、音響整合層に貫通孔を設けることにより、貼付時の接合面への気泡混入を抑制するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第4701059号公報 特許第3488102号公報
しかしながら、圧電素子と音響整合層は面状の接着剤により接合されている。圧電素子の周囲は緩衝部材により保持されてはいるものの、緩衝部材から遠方の部分、即ち、圧電素子の中央付近はこれらの熱膨張率による応力が大きくなる可能性がある。更に、一般に音響整合層として優れた特性を有するものの候補は、弾性率が大きな樹脂である。ここで、弾性率の大きな樹脂としてはPEEK等のスーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられるが、これらの樹脂は難接着の樹脂でもある。
以上の理由により、硬質樹脂を音響整合層として用いた場合、特に中央付近で剥離が生じる可能性があった。また、音響整合層に相当程度以上の直径の貫通孔が設けられている場合、超音波が低減してしまうことにより、超音波センサーとしての性能が低下してしまう可能性があった。
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波センサーは、少なくとも、圧電素子と、前記圧電素子に接着された第1音響整合層と、前記圧電素子と前記第1音響整合層を接着する接着剤と、からなり、前記第1音響整合層は、前記圧電素子との接着面に開口した開口部を有する空隙を有し、前記接着剤は、前記空隙に充填されていることを特徴とするもので圧電素子と第1音響整合層を接着する接着剤と空隙内で固化した接着剤が一体になることで、アンカー効果が得られ、優れた耐久性を得ることができる。
音響整合層は、圧電素子、或いは電気伝導性を確保するために接合された金属性の部材に接着される。ここで、一般に圧電素子はチタン酸ジルコン酸鉛等のセラミックスからなる。
従って、接着する対象は難接着性の樹脂と、比較的接着が容易なセラミックス或いは金属である。本発明では、音響整合層には開口部に連通した空隙を備えることで、空隙に充填後硬化した接着剤は音響整合層と、化学的な接合に加え、機械的な接合、即ちアンカー効果により接合される。これにより、難接着(化学結合による接合が脆弱)であっても強固な接合が担保される。一方、接着剤の対面は、セラミックス或いは金属と比較的容易に接合する。
以上の通り、圧電素子と音響整合層は、強固に接合することにより、これらに熱膨張率の差による応力が生じた場合でも容易に剥離せず、優れた耐久性を有する超音波センサー
を得ることができる。
本発明によると、音響整合層には、接合面に開口した開口部とこの開口部に連通する空隙が存在するため、音響整合層と接着剤はアンカー効果により強固な接合を得ることができる。従って、音響整合層が難接着性の材料からなる場合であっても、圧電素子に対して強固な接合を得ることができる。音響整合層として優れた特性を有する硬質樹脂、例えばPEEK等のスーパーエンジニアリングプラスチックは、得てして難接着性であるが、アンカー効果により圧電素子と強固な接合を行うことにより、音響整合層として用いることができる。以上のように、優れた特性と信頼性を有する超音波センサーを得ることができる。
実施の形態1における超音波センサーの断面模式図 実施の形態2における超音波センサーの断面模式図 実施の形態2における第1音響整合層の上面図 実施の形態3における超音波センサーの断面模式図 実施の形態3における第1音響整合層の上面図 (a)〜(c)実施の形態1における他の実施例を示す超音波センサーの断面模式図
第1の発明は、少なくとも、圧電素子と、前記圧電素子に接着された第1音響整合層と、前記圧電素子と前記第1音響整合層を接着する接着剤と、からなり、前記第1音響整合層は、前記圧電素子との接着面に開口した開口部を有する空隙を有し、前記接着剤は、前記空隙に充填されていることを特徴とするもので、圧電素子と第1音響整合層を接着する接着剤と空隙内で固化した接着剤が一体になることで、アンカー効果が得られ、優れた耐久性を得ることができる。
圧電素子から、音響整合層へ高効率で超音波を伝播するため、充分な接合強度を確保する必要がある。
音響整合層は、それが単層の場合、圧電素子から伝播した超音波を気体へ高効率で伝播させる必要があり、それが第1音響整合層、第2音響整合層というように複数の音響整合層での場合、第1音響整合層から第2音響整合層へ、第2音響整合層から気体へ高効率で伝播させる必要がある。
そして、音響整合層に必要な特性として、式(1)で示される音響インピーダンス特性の他、音響整合層が変形することによるエネルギーの損失を抑制(高伝播特性)する必要がある。一般に、高伝播特性を有する物質は硬い(高弾性)である。更に、式(1)及び高弾性であることを満たす物質は、PEEK等のスーパーエンジニアリングプラスチックである場合が多い。
ところが、一般に、スーパーエンジニアリングプラスチックは接着が困難という特性がある。そこで、音響整合層が、前記圧電素子、或いは圧電素子に接合された部材に面した開口部を有することにより、空隙に充填後硬化した接着剤は音響整合層と、化学的な接合に加え、機械的な接合、即ちアンカー効果により接合される。これにより、難接着(化学結合による接合が脆弱)であっても強固な接合が担保される。一方、接着剤の対面は、セラミックス或いは金属と比較的容易に接合する。
以上の通り、圧電素子と音響整合層は、強固に接合することにより、これらに熱膨張率の差による応力が生じた場合でも容易に剥離せず、優れた耐久性を有する超音波センサーを得ることができる。
第2の発明は、少なくとも、平板部を有する金属製部材と、前記平板部の一方の面に接合された圧電素子と、前記平板部の他方の面に接着された第1音響整合層と、前記第1音響整合層を前記平板部に接着する接着剤と、からなり、前記第1音響整合層は、前記平板部との接着面に開口した開口部と、前記開口部に連通する空隙を有し、前記接着剤は、前記空隙に充填されていることを特徴とするもので、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
第3の発明は、第1または2の発明において、前記開口部の開口面積は、前記空隙の断面積以下であることを特徴とするもので、更に大きなアンカー効果を得ることができる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、前記第1音響整合層に前記接着剤で接着された第2音響整合層を有し、前記空隙は、第2音響整合層に連通する開口部を有したことを特徴とするものである。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、前記第1音響整合層の少なくとも一部が樹脂であることを特徴とする。
空隙を有する物質に液状の接着剤を充填し、固化させた後の物質の密度は、これらの物質の密度の存在比率による平均となる。
一方、音響整合層が圧電素子側の第1音響整合層とこれに積層された第2音響整合層の2層である場合、第2音響整合層の密度が0.05g/cm程度の場合、第一整合層の密度(音速の樹脂依存性は小さいため、音響インピーダンスは密度の依存性が大きい)は、式(1)によると、1g/cm程度となる。この密度は一般的な樹脂の密度に相当する。更に、エポキシ系のなどの接着剤の密度は1g/cm程度である。従って、音響整合層が樹脂製であることにより、その空隙に密度が1g/cm程度の接着剤が充填された場合の平均密度も1g/cm程度となる。
従って、音響整合層が樹脂であることにより、優れた特性を有する超音波センサーを得ることができる。
第6の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、第1音響整合層の少なくとも一部が無機物或いは金属である超音波センサーである。
無機物や金属は耐熱性が高いため、接着剤として合金からなるロウ材等を用いることにより、他熱性に優れた超音波センサーを得ることができる。
第7の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、空隙の少なくとも一部が略円筒形状である超音波センサーである。
工業生産性の観点から、一部が略円筒形状である音響整合層は生産に適している。例えば、略円筒形状として、音響整合層の、圧電素子或いは圧電素子に接合した部材側の面と対面間の貫通孔はこれに該当する。このような形状は、例えば音響整合層が熱可塑性の樹脂の場合、射出成型や、板状の部材に機械加工で貫通孔を形成することによる生産が可能である。一方、音響整合層が金属の場合、ダイキャスト成型や、板状の部材に機械加工による成型が可能である。
更に、空隙に接着剤が充填され固化された状態では、音響整合層と圧電素子或いは圧電素子に接合された部材の熱膨張率差による応力は、空隙内の接着材にほぼ垂直に加わるため、これらの界面の不具合を抑制する効果も充分である。
第8の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、空隙の少なくとも一部が粉末を成型することにより得られた超音波センサーである。
一般に粉末を成型することにより得られた部材は、開口部より広い面積を有する空隙を有する。更に、このような成型が可能な物質は、無機物、金属、樹脂等多岐にわたる。従って、密度、弾性率、耐熱温度等適正な物性を有する音響整合層を形成することができ、優れた特性を有する超音波センサーを得ることができる。
第9の発明は、第1から8のいずれか1つの発明において、前記接着剤は、硬化時の平均密度が0.8g/cm以上、1.5g/cm以下であることを特徴とするものである。
音響整合層が2層であり、第二音響整合層の密度が0.05g/cm程度の場合、第一整合層の密度(音速の樹脂依存性は小さいため、音響インピーダンスは密度の依存性が大きい)は、式(1)によると、1g/cm程度となる。この密度は一般的な樹脂の密度に相当する。更に、エポキシ系のなどの接着剤の密度は1g/cm3程度である。従って、音響整合層が樹脂製であることにより、その空隙に密度が1g/cm3程度の接着剤が充填された場合の平均密度も1g/cm程度となる。更に、第二音響整合層の密度が0.05g/cmより大きい場合、小さい場合それぞれにおいて、超音波センサーとして最大の効率を得ることができる第一整合層の密度は異なり、0.8g/cm以上、1.5g/cm以下程度の場合、最適となる。
第10の発明は、第1から9のいずれか1つの発明において、前記接着剤は、液状で前記空隙に充填された後、硬化することにより接合を行うことを特徴とするものである。
一例として、音響整合層の空隙に液状の接着を充填するため、空隙の総体積に比較して過剰の接着剤を塗布した場合、音響整合層の表面には少なくとも塗布量と、空隙の総体積の差分に相当する液状の接着剤が残存する。このような状態で、圧電素子或いは圧電素子に接合された部材に接触すると、これらの界面に液状の接着剤が濡れ広がる。
一般に、圧電素子或いは圧電素子に接合された部材は無機物、金属からなるため、比較的接合が容易である。従って、液状の接着剤は固化することにより、圧電素子或いは圧電素子に接合された部材とは化学結合を主とする結合力により接合され、音響整合層とはアンカー効果を主とする結合力により接合される。これら一連の効果により、圧電素子或いは圧電素子に接合された部材と音響整合層は強固に接合され、優れた信頼性を有する超音波センサーを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における超音波センサーの断面模式図である。
図1において、超音波センサー1は、圧電素子2、接着剤3、ケース4、第1音響整合層5、第2音響整合層6、電極7a,7bからなる。
ケース4は、有底筒状の金属製部材で平板部である天面4aの内側に圧電素子2が導電性接着剤9で接合されている。ケース4の天面4aの外部には圧電素子2に対向するように第1音響整合層5が接着剤3で接合され、更に、第1音響整合層5には第2音響整合層6が接着剤3で接合されている。また、電極7aが圧電素子の電極2aに接続され、電極7bがケース4に接続されている。圧電素子の電極2bは導電性接着剤9でケース4に接合されているので、電極7a、7b間に所定の電圧を印加することで圧電素子2は発振し、超音波を発する。発生した超音波は、ケース4、第1音響整合層5、第2音響整合層6を介して、最終的に気体に伝達される。なお、ケース4は、有底筒状の形状としているが、平板状であっても良い。
ここで、第1音響整合層5は、ケース4に対向する面に開口部8aを有し、ケース4との接合面に平行な断面積が開口部8a付近で最も小さくなるくさび形状の空隙8が設けられている。
そして、本実施の形態では、液状の接着剤3を予め空隙8へ充填し、ケース4と濡れた状態で固化することにより、ケース4と第1音響整合層5が接合されている。
超音波センサー1に必要な特性は、圧電素子2で発生した超音波を高効率で気体に伝播することであるため、圧電素子2、ケース4、第1音響整合層5、第2音響整合層6間を充分な強度と環境耐久性を確保しつつ接合することが必要である。
一般に、異なる部材を接合して作製される製品は、それらの熱膨張率を可能な限り近似したものにすることが望ましい。これは、熱膨張率が異なるものを接合した製品に温度変化が加わると、接合界面に熱膨張率差によるせん断力が働き、界面に不具合が発生することを防ぐためである。
これらの観点から、圧電素子2とケース4、ケース4と第1音響整合層5、第1音響整合層5と第2音響整合層6の接合に関して俯瞰すると次の通りとなる。
圧電素子2は一般にセラミックスからなり、ケース4は一般に金属からなる。セラミックス、金属いずれも比較的接着が容易であることや、セラミックスと金属は比較的熱膨張率が近似していることから、これらの接合は比較的容易である。
第1音響整合層5は樹脂からなり、第2音響整合層6も樹脂からなる場合が多いため、熱膨張率は近似しているため、比較的接着が容易である。
上記の通り、ケース4は金属、第1音響整合層5は樹脂からなることが多く、これらの熱膨張率は大きく異なることが一般的である。更に、第1音響整合層をなす樹脂は、PEEK等難接着、即ち接着剤3と界面剥離する場合がある。
従って、圧電素子2から気体へ高効率で超音波を伝播させるために必要な要素は、接着剤3と第1音響整合層5の接合を確立することである。
本実施の形態では、開口部8a付近で最も小さくなるくさび形状の空隙8を設けることにより、空隙8内部で硬化した接着剤は開口部8aを通過できないため、強力なアンカー効果が得られ、接着剤3と第1音響整合層5の接合は強固となる。従って、接着剤3と第1音響整合層5間に熱膨張率の差によるせん断力が働いても容易に剥離することがない。
以上により、圧電素子2から第2音響整合層まで優れた接合を得られるため熱衝撃など
の環境に対する耐久性に優れた超音波センサーを得ることができる。
なお、本実施の形態では、空隙8の形状としてくさび形状としたが、開口部8aの開口断面積よりも大きな断面積を一部に有していれば良い事は言うまでも無い。
なお、上記実施の形態において、超音波センサーは、ケース4及び第2音響整合層6を有する構成としたが、図6(a)に示す超音波センサー31のように第2音響整合層を用いない構成、図6(b)に示す超音波センサー41のようにケースを用いない構成、或いは、図6(c)に示す超音波センサー51のようにケースも第2音響整合層も用いない構成とするなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施することができる。
(実施の形態2)
図2は実施の形態2における超音波センサーの断面模式図であり、図3は図2に示す第2音響整合層の上面図であり、破線は、図2における断面の位置である。
図2において、超音波センサー11は、圧電素子2、接着剤3、ケース4、第1音響整合層15、第2音響整合層6、電極7a,7bからなり、基本的な構成は実施の形態1で示した符号と同じものは、同一の構成を示し説明は省略する。超音波センサー1と異なるのは、第1音響整合層15の構造である。
図3において、第1音響整合層15の空隙18は円筒型であり、ケース4側から、第2音響整合層6の側まで貫通した貫通孔として、樹脂を射出成型することにより作製されたものである。
本実施の形態において、ケース4、第1音響整合層15、第2音響整合層6は、予め液状の接着剤3を空隙に18に充填した状態で、ケース4、第2音響整合層6と濡れた状態で固化することにより接合されたものである。
本実施の形態では、空隙18である貫通孔に充填された接着剤3を介して第1音響整合層15の両面の接着剤が結合されるので、強力なアンカー効果が得られ、接着剤3と第1音響整合層15の接合は強固となる。
従って、本実施の形態では接着剤3と第1音響整合層15間に熱膨張率の差によるせん断力が働いても不具合を防止可能な機構を有している。
以上により、圧電素子2から第2音響整合層6まで優れた接合を得られるため熱衝撃などの環境に対する耐久性に優れた超音波センサーを得ることができる。
上記密度であることにより、圧電素子2、第2音響整合層6に関して式(1)を成立させることが容易であり、優れた特性を有する超音波センサーを得ることができる。
なお、第1音響整合層15の空隙18(貫通孔)は、樹脂を射出成型することにより作製しても良いし、金属製の円板に機械加工により貫通孔を形成しても良い。
(実施の形態3)
図4は実施の形態3における超音波センサーの断面模式図であり、図5は図4に示す第1音響整合層の上面図である。
図4において、超音波センサー21は、圧電素子2、接着剤3、ケース4、第1音響整合層25、第2音響整合層6、電極7a,7bからなり、基本的な構成は実施の形態1で
示した符号と同じものは、同一の構成を示し説明は省略する。超音波センサー1と異なるのは、第1音響整合層25の構造である。
図4において第1音響整合層25は、樹脂の粉末を加熱しながら加圧することにより成型することにより多孔質としたものである。
粉末が、例えば略球形で大きさが揃っており、それらが最密充填のごとく配置された場合、粉末で満たされていない空間が、第1音響整合層25の空隙28に相当する。
この場合、空隙28の開口部は、最表面付近に配置された粉末から形成され、空隙は、少なくとも一箇所以上、この開口部に比較して同等以上の面積の部分を有することは明白である。
このような特徴を有する空隙28に液状の接着剤3が充填された状態で、ケース4、第2音響整合層6と濡れ広がった状態で固化することにより、強固な接合を実現し、優れた信頼性を有する超音波センサーを得ることができる。
なお、第1音響整合層25の空隙28(多孔質)の作成方法としては、金属の粉末を加熱しながら加圧することにより成型することも可能である。
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
実施例では超音波センサーの第1音響整合層の接着強度の比較方法として、−40℃と80℃の温度で、100回熱衝撃を加えた前後でのセンサー特性の変化を指標として用いた。
超音波センサーの特性の評価指標として、各実施例で評価する超音波センサーと100mm離した位置に基準となる超音波センサーを設置し、各実施例で評価する超音波センサーから発した超音波が、基準となるセンサーに伝播して、基準となるセンサーに発生する起電力を用いる。
基準となるセンサーは、圧電素子として、厚さ3.8mm、直径10mmの円板状のチタン酸ジルコン酸鉛を用い、ケースとして厚さ0.2mmのSUS304製のものを用いた。更に、音響整合層は一層のみとし、エポキシ樹脂にガラスバルーンを添加することで密度を0.5g/cmとしたものを厚さ1.2mm、直径10mmとしたものを用いた。
上記の通り、各実施例で用いられる超音波センサーの特性は、基準となる超音波センサーから発生する起電力により知ることができる。
超音波センサーの接着強度は、熱衝撃試験後の起電力を、熱衝撃試験前の起電力で割り、その値(感度保持率)が大きいものが優れた接着強度を有しているものとする。
(実施例1)
図2に示す実施の形態2において、下記の通り評価を行った。
圧電素子2として、厚さ3.8mm、直径10mmの円板状のチタン酸ジルコン酸鉛を用いた。接着剤3として、常温で液状であり、加熱により固化するエポキシ系の接着剤を用いた。ケース4として厚さ0.2mmのSUS304からなるものを用いた。
第1音響整合層15として厚さ1mm、直径10mmのPEEK樹脂からなり、ケース4側の面の開口部は直径300μm、第2音響整合層6側の面の開口部は400μmの貫通孔が空隙8として成型されているものを用いた。孔間距離は、開口部の直径が400μmの側で100μmである。
第2音響整合層6として、ポリメタクリルイミド樹脂を発泡して独立気泡からなる成型物とし、密度を0.07g/cmとしたものを、厚さ0.8mm、直径10mmの円板状に加工したものを用いた。
超音波センサー11の組み立ては下記の通り行った。まず、常温で第1音響整合層15を接着剤3に浸漬し、下方から、ケース4、第1音響整合層15、第2音響整合層6の順に配置し、第2音響整合層6の上部より100g荷重を加えた。この状態で、第1音響整合層15とケース4、第1音響整合層15と第2音響整合層6の間には接着剤3が濡れ広がっている。
この後、150℃で60分加熱することにより、接着剤3を固化させることによりケース4から第2音響整合層6の接合がなされる。更に、ケース4と圧電素子2は導電性接着剤により接合され、ケース4と電極7b、圧電素子2と電極7aは半田により接合された。
上記の通り作製された超音波センサーの起電力は100mV、熱衝撃試験後の超音波センサーの起電力は98mVであった。従って、超音波センサーの感度保持率は98%であった。
(実施例2)
図2に示す実施の形態2において、下記の通り評価を行った。
圧電素子2として、厚さ3.8mm、直径10mmの円板状のチタン酸ジルコン酸鉛を用いた。接着剤3として、常温で液状であり、加熱により固化するエポキシ系の接着剤を用いた。ケース4として厚さ0.2mmのSUS304からなるものを用いた。
第1音響整合層15として厚さ1mm、直径10mmのPEEK樹脂からなり、直径が300μmの貫通孔が空隙18として成型されているものを用いた。孔間距離は100μmである。
第2音響整合層6として、ポリメタクリルイミド樹脂を発泡して独立気泡からなる成型物とし、密度を0.07g/cmとしたものを、厚さ0.8mm、直径10mmの円板状に加工したものを用いた。
超音波センサー11の組み立ては下記の通り行った。まず、常温で第1音響整合層15を接着剤3に浸漬し、下方から、ケース4、第1音響整合層15、第2音響整合層6の順に配置し、第2音響整合層6の上部より100g荷重を加えた。この状態で、第1音響整合層15とケース4、第1音響整合層15と第2音響整合層6の間には接着剤3が濡れ広がっている。
この後、150℃で60分加熱することにより、接着剤3を固化させることによりケース4から第2音響整合層の接合がなされる。更に、ケース4と圧電素子2は導電性接着剤により接合され、ケース4と電極7b、圧電素子2と電極7aは半田により接合された。
上記の通り作製された超音波センサーの起電力は100mV、熱衝撃試験後の超音波センサーの起電力は98mVであった。従って、超音波センサーの感度保持率は98%であった。
実施例1と比較して、超音波センサーの特性、接着強度とも実施例1と同等であることが判った。
(実施例3)
図2に示す実施の形態2において、下記の通り評価を行った。
圧電素子2として、厚さ2.8mm、直径10mmの円板状のチタン酸ジルコン酸鉛を用いた。接着剤3として、常温で液状であり、加熱により固化するエポキシ系の接着剤を用いた。ケース4として厚さ0.2mmのSUS304からなるものを用いた。
第1音響整合層15として厚さ1mm、直径10mmのアルミニウムからなり、直径が2mmの貫通孔が空隙8として成型されているものを用いた。孔間距離は200μmである。第2音響整合層として、ポリメタクリルイミド樹脂を発泡して独立気泡からなる成型物とし、密度を0.07g/cmとしたものを、厚さ0.8mm、直径10mmの円板状に加工したものを用いた。
超音波センサー11の組み立ては下記の通り行った。まず、常温で第1音響整合層15を接着剤3に浸漬し、下方から、ケース4、第1音響整合層5、第2音響整合層6の順に配置し、第2音響整合層6の上部より100g荷重を加えた。この状態で、第1音響整合層15とケース4、第1音響整合層15と第2音響整合層6の間には接着剤3が濡れ広がっている。
この後、150℃で60分加熱することにより、接着剤3を固化させることによりケース4から第2音響整合層の接合がなされる。更に、ケース4と圧電素子2は導電性接着剤により接合され、ケース4と電極7a、圧電素子2と電極7bは半田により接合された。
上記の通り作製された超音波センサーの起電力は95mV、熱衝撃試験後の超音波センサーの起電力は95mVであった。従って、超音波センサーの感度保持率は100%であった。
実施例2と比較して、超音波センサーの起電力は少し小さい値となったが、ほぼ同等であると考えた。実施例2では第1音響整合層の平均密度は、密度が1.3g/cmのPEEK樹脂と密度が1.0g/cmのエポキシ樹脂の平均の1.2程度であるのに対し、実施例3では同様に第1音響整合層の平均密度は1.6g/cm程度と、大きいことが要因の1つとして考えられる。
一方、感度維持率は100%であり、実施例2に比較して更に改善していることが判った。これは、アルミニウムはPEEK樹脂に比較してSUS304からなるケースとの熱膨張率の差が小さいため、熱衝撃試験でのせん断力が低減したためであると判断できる。
(実施例4)
図4に示す実施の形態3において、下記の通り評価を行った。
圧電素子2として、厚さ2.8mm、直径10mmの円板状のチタン酸ジルコン酸鉛を用いた。接着剤3として、常温で液状であり、加熱により固化するエポキシ系の接着剤を用いた。ケース4として厚さ0.2mmのSUS304からなるものを用いた。
第1音響整合層25として、PEEK樹脂を粉砕し、平均粒径を100μmとした粉末を加熱しながら加熱することで厚さ1mm、直径10mmに成型したものを用いた。
超音波センサー21の組み立ては下記の通り行った。まず、常温で第1音響整合層25を接着剤3に浸漬し、下方から、ケース4、第1音響整合層25、第2音響整合層6の順に配置し、第2音響整合層6の上部より100g荷重を加えた。この状態で、第1音響整合層25とケース4、第1音響整合層25と第2音響整合層6の間には接着剤3が濡れ広がっている。
この後、150℃で60分加熱することにより、接着剤3を固化させることによりケース4から第2音響整合層の接合がなされる。更に、ケース4と圧電素子2は導電性接着剤により接合され、ケース4と電極7a、圧電素子2と電極7bは半田により接合された。
上記の通り作製された超音波センサーの起電力は85mV、熱衝撃試験後の超音波センサーの起電力は85mVであった。従って、超音波センサーの感度保持率は100%であった。
実施の形態1〜3と比較すると起電力はやや小さくなっている。これは第1音響整合層は、PEEK樹脂からなる多孔質とその空隙をエポキシ樹脂で充填した構造になっているため、超音波が伝播する際、音響インピーダンスが近似しているが、僅かに反射することが繰り返されることにより、効率が僅かに低下するためであると考えられる。
一方、感度保持率は、実施例2に比較しても改善している。これは、実施例2では第1音響整合層の一部であるPEEK樹脂がケースに面しているため僅かではあるが、熱衝撃によるせん断力による影響を受けているが、実施例4では、粒子状のPEEK樹脂は、ケースには点接触状に面している、即ちほぼ全面がエポキシ樹脂からなる接着剤が面しているためであると考えられる。
(比較例1)
実施例1において、空隙8の開口部8aの直径が400μmの面をケース側として接合して超音波センサーを作製し、評価を行った。
上記の通り作製された超音波センサーの起電力は100mV、熱衝撃試験後の超音波センサーの起電力は60mVであった。従って、超音波センサーの感度保持率は60%であった。
作製後の超音波センサーの起電力は実施例1と同等であることが判った。一方、感度保持率は実施例1と比較して低下していることが判った。これは、熱衝撃試験により、ケースと第1音響整合層に生じる線弾力が加わると、第1音響整合層の空隙内の接着剤には面方向に対して垂直方向の遠ざかる方向の力の成分が生じるため、剥離しやすくなるためであると考えられる。
(比較例2)
実施例2において、第1音響整合層に貫通孔、即ち空隙を設けずに超音波センサーを作製した。
上記の通り作製された超音波センサーの起電力は100mV、熱衝撃試験後の超音波センサーの起電力は20mVであった。従って、超音波センサーの感度保持率は20%であった。
熱衝撃試験後の超音波センサーでは、ケースと音響整合層は容易に剥離した。更に、剥
離後、接着剤は、ほぼ全てケースに残存することが判った。これらから、熱衝撃試験で生じるケースと第一の整合層の熱膨張率によるせん断力によりPEEK樹脂界面の接合が劣化するためであると判断した。
以上の実施例、比較例から判るように、音響整合層を熱膨張率の差が大きい材料と接着する場合に、音響整合層の開口部に比較して同等以上の面積の部分を有する空隙が存在するため、接着剤のアンカー効果により優れた接着強度を有することで環境耐久性を向上できる超音波センサーを得られることが判った。
以上のように、本発明にかかる超音波センサーは、種々の流体の測定用流量計に好適に用いられる。特に、使用環境が、室温に比較して高温や低温環境で優れた耐久性を要する用途に、好適に用いられる。
1、11、21、31、41、51 超音波センサー
2 圧電素子
3 接着剤
4 ケース(金属製部材)
4a 天面(平板部)
5、15、25 第1音響整合層
6 第2音響整合層
8、18、28 空隙

Claims (10)

  1. 少なくとも、圧電素子と、前記圧電素子に接着された第1音響整合層と、前記圧電素子と前記第1音響整合層を接着する接着剤と、からなり、
    前記第1音響整合層は、前記圧電素子との接着面に開口した開口部を有する空隙を有し、前記接着剤は、前記空隙に充填されていることを特徴とする超音波センサー。
  2. 少なくとも、平板部を有する金属製部材と、前記平板部の一方の面に接合された圧電素子と、前記平板部の他方の面に接着された第1音響整合層と、前記第1音響整合層を前記平板部に接着する接着剤と、からなり、
    前記第1音響整合層は、前記平板部との接着面に開口した開口部と、前記開口部に連通する空隙を有し、
    前記接着剤は、前記空隙に充填されていることを特徴とする超音波センサー。
  3. 前記開口部の開口面積は、前記空隙の断面積以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波センサー。
  4. 前記第1音響整合層に前記接着剤で接着された第2音響整合層を有し、
    前記空隙は、第2音響整合層に連通する開口部を有したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波センサー。
  5. 前記第1音響整合層の少なくとも一部が樹脂である請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波センサー。
  6. 記第1音響整合層の少なくとも一部が無機物或いは金属である請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波センサー。
  7. 前記空隙の少なくとも一部が略円筒形状である請求項1から6のいずれか1項に記載の超音波センサー。
  8. 前記空隙の少なくとも一部が粉末を成型することにより得られたものである請求項1から6のいずれか1項に記載の超音波センサー。
  9. 前記接着剤は、硬化時の平均密度が0.8g/cm以上、1.5g/cm以下である請求項1から8のいずれか1項に記載の超音波センサー。
  10. 前記接着剤は、液状で前記空隙に充填された後、硬化することにより接合を行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の超音波センサー。
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