JP2020004162A - 光電式煙感知器 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる波長の光の散乱特性の相違による散乱光を受光して煙の種類を識別する検煙構造につき、部品数を削減して構造の簡略化し、信頼性を向上可能とする。【解決手段】2色LEDを用いた発光素子20は、検煙空間に向けて、第1波長の光と第2波長の光を個別に発し、発光素子20から発せられる光を直接受光しない位置に、第1波長及び第2波長の双方の感度をもつ受光素子26が設けられ、発光素子20に対向した位置に第1波長の光のみを反射するダイクロイックミラー30が設けられる。発光素子20から発せられた第1波長の光による煙の散乱光量とダイクロイックミラー30で反射された第1波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力と、発光素子20から発せられた第2波長の光による煙の散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、受光素子に対する散乱特性が異なるように2波長の光を発して火災による煙の種類を識別して検知する光電式煙感知器に関する。
従来の光電式煙感知器は、火災による煙に限らず、調理の煙やバスルームの湯気等により非火災報を発してしまうことがある。
このような火災以外の原因による非火災報を防止するため、2種類の波長の光を検煙空間に照射し、煙による散乱光について異なる波長の光強度の比を求めて煙の種類を判定し、煙識別の確度を高めて非火災報防止を確実なものとする光電式煙感知器が提案されている(特許文献1)。
特許文献1の光電式煙感知器にあっては、異なる波長の光を発する2つの発光素子につき受光素子に対する散乱角を異ならせることで煙の種類による散乱特性の相違を作り出し、同時に2つの発光素子から発する光の波長を異ならせることで波長に起因した散乱特性の相違を作り出し、この散乱角の相違と波長の相違の相乗効果によって煙の種類による散乱光の光強度に顕著な差を持たせることで煙の識別確度を高め、調理の湯気やタバコの煙による非火災報を防止し、更に火災による煙についても黒煙火災と白煙火災といった燃焼物の種類を確実に識別することを可能にしている。
特開2004−325211号公報 特開平6−109631号公報 特開平7−12724号公報
しかしながら、このような従来の光電式煙感知器にあっては、2つの発光素子からの光軸が2本となって光が照射される範囲が広くなり、粉塵や結露により内部反射光が増大して非火災報が出力されることから、内部反射光を抑制するための処理や構造が複雑になる問題がある。
また、感知器の寿命を決定する部品である発光素子が2つとなるため、その分、故障の確率が大きくなり、製品寿命の低下の懸念があった。
本発明は、異なる波長の光の散乱特性の相違による散乱光を受光して煙の種類を識別する検煙部構造につき、部品数を削減して構造を簡略化し、信頼性を向上可能とする光電式煙感知器を提供することを目的とする。
(光電式煙感知器)
本発明は、光電式煙感知器に於いて、
検煙空間に向け、第1波長の光と第1波長とは異なる第2波長の光を個別に発する発光素子と、
発光素子から発せられる光を直接受光しない位置に設けられ、第1波長及び第2波長の双方の感度をもつ受光素子と、
発光素子に対向した位置に配置され、第1波長又は第2波長の光を反射する反射鏡と、
を備えたことを特徴とする。
(検煙部構造1)
発光素子の光軸と受光素子の光軸が30°〜70°の範囲の所定角度で交差するように配置され、
反射鏡は第1波長の光のみを反射し、
発光素子と受光素子の光軸の交差で構成される第1散乱角を110°〜150°の範囲に定め、反射鏡と受光素子の光軸の交差で構成される第2散乱角を30°〜70°の範囲に定める。
(検煙部構造1による煙の種類の識別)
検煙部構造1にあっては、受光素子で受光された、発光素子から発せられた第1波長の光による煙の散乱光量と反射鏡で反射された第1波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力と、発光素子から発せられた第2波長の光による煙の散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行う。
(検煙部構造2)
発光素子の光軸と受光素子の光軸が110°〜150°の範囲の所定角度で交差するように配置され、
反射鏡は第2波長の光のみを反射し、
発光素子と受光素子の光軸の交差で構成される第1散乱角を30°〜70°の範囲に定め、反射鏡と受光素子の光軸の交差で構成される第2散乱角を110°〜150°の範囲に定める。
(検煙部構造2における煙の種類の識別)
検煙部構造2にあっては、受光素子で受光された、発光素子から発せられた第1波長の光による煙の散乱光量の受光出力と、発光素子から発せられた第2波長の光による煙の散乱光量と反射鏡で反射された第2波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行う。
(第1波長と第2波長の大小関係)
発光素子から発せられる第1波長に対し、第2波長を短くする。例えば、発光素子から発せられる第1波長の中心波長を800nm以上に定め、第2波長の中心波長を600nm以下に定める。
(ダイクロイックミラー)
反射鏡をダイクロイックミラーとする。
(2色LED)
発光素子を、第1波長の光を発する第1発光チップと第2波長の光を発する第2発光チップを備え、第1波長と第2波長の光を間欠的に発する2色LEDとする。
(発光制御)
通常の監視状態では、発光素子から第1波長の光を発するように駆動し、受光素子から所定の閾値以上又は閾値を超える受光出力が得られた際に、発光素子から第2波長の光を発するように駆動する。
(基本的な効果)
本発明は、光電式煙感知器に於いて、検煙空間に向け、第1波長の光と第1波長とは異なる第2波長の光を個別に発する発光素子と、発光素子から発せられる光を直接受光しない位置に設けられ、第1波長及び第2波長の双方の感度をもつ受光素子と、発光素子に対向した位置に配置され、第1波長又は第2波長の光を反射する反射鏡とを備えたため、検煙空間に対する発光素子からの光軸が1本となり、光が照射される範囲が限定され、粉塵や結露による内部反射光が低減して非火災報が抑制され、構造も簡単になることでコストも低減できる。
また、感知器の寿命を決める部品である発光素子が1つとなるため、故障確率が小さくなり、信頼性を高めることができ、環境負荷を低減できる。
(検煙部構造1の効果)
また、検煙部構造1にあっては、発光素子の光軸と受光素子の光軸が30°〜70°の範囲の所定角度で交差するように配置され、反射鏡は第1波長の光のみを反射し、発光素子と受光素子の光軸の交差で構成される第1散乱角を110°〜150°の範囲に定め、反射鏡と受光素子の光軸の交差で構成される第2散乱角を30°〜70°の範囲に定められ、更に、受光素子で受光された、発光素子から発せられた第1波長の光による煙の散乱光量と反射鏡で反射された第1波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力と、発光素子から発せられた第2波長の光による煙の散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行うようにしたため、発光素子から発した第1波長の光については、発光素子からの第1波長の散乱光と反射鏡で反射した第1波長の散乱光よる散乱角を異ならせた第1波長の合成散乱光を受光素子で受光し、発光素子からの第2波長の光については、第1波長の光に対し散乱角を異ならせた第2波長の散乱光を受光素子で受光することで、煙の種類による散乱特性の相違を作り出し、同時に発光素子から発する光の波長を異ならせることで波長に起因した散乱特性の相違を作り出し、この散乱角の相違と波長の相違の相乗効果によって煙の種類による散乱光の光強度に顕著な差を持たせることで煙の識別確度を高め、火災による煙から燻焼と燃焼を識別することにより、以降の火災対応、制御が異なり、更に、湯気やタバコは白煙よりもさらに大きな粒子である場合が多いことで、非火災要因として識別することにより、調理の湯気やタバコの煙による非火災報を確実に防止できる。
(検煙部構造2の効果)
また、検煙部構造2にあっては、発光素子の光軸と受光素子の光軸が110°〜150°の範囲の所定角度で交差するように配置され、反射鏡は第2波長の光のみを反射し、発光素子と受光素子の光軸の交差で構成される第1散乱角を30°〜70°の範囲に定め、反射鏡と受光素子の光軸の交差で構成される第2散乱角を110°〜150°の範囲に定め、更に、受光素子で受光された、発光素子から発せられた第1波長の光による煙の散乱光量の受光出力と、発光素子から発せられた第2波長の光による煙の散乱光量と反射鏡で反射された第2波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行うようにしたため、発光素子からの第1波長の光については、第2波長の光に対し散乱角を異ならせた第1波長の散乱光を受光素子で受光し、発光素子から発した第2波長の光については、発光素子からの第2波長の散乱光と反射鏡で反射した第2波長の散乱光との合成散乱光を受光素子で受光することで、煙の種類による散乱特性の相違を作り出し、同時に発光素子から発する光の波長を異ならせることで波長に起因した散乱特性の相違を作り出し、この散乱角の相違と波長の相違の相乗効果によって煙の種類による散乱光の光強度に顕著な差を持たせることで煙の識別確度を高め、調理の湯気やタバコの煙による非火災報を防止し、更に火災による煙についても黒煙火災と白煙火災といった燃焼物の種類を確実に識別することができる。
(第1波長と第2波長の大小関係による効果)
また、発光素子から発せられる第1波長に対し、第2波長を短くし、例えば、発光素子から発せられる第1波長の中心波長を800nm以上に定め、第2波長の中心波長を600nm以下に定めるようにしたため、発光素子から発する光の波長を十分に異ならせることで波長に起因した散乱特性の相違を作り出し、煙の種類による散乱光の光強度に顕著な差を持たせることができる。
(ダイクロイックミラーの効果)
また、反射鏡をダイクロイックミラーとしたため、誘電体の多層膜などの薄膜を鏡面に形成させることで、発光素子からの第1波長又は第2波長の光を効率よく反射して仮想的な発光素子として利用できる。また、反射により光量を確保できるため、反射する波長の発光量が従来より少なくて済み、省電力化できる。
(2色LEDの効果)
また、発光素子を、第1波長の光を発する第1発光チップと第2波長の光を発する第2発光チップを備え、第1波長と第2波長の光を間欠的に発する2色LEDとしたため、第1発光チップと第2発光チップは個別に駆動することができ、これにより第1波長の光と第2波長の光を間欠的に発することができる。また、2色LEDを使用したことで、波長の異なるLEDを2個配置した場合に比べ、部品点数の低減と省スペース化及び省電力化を図ることができる。
(発光制御の効果)
また、通常の監視状態では、発光素子から第1波長の光を発するように駆動し、受光素子から所定の閾値以上又は閾値を超える受光出力が得られた際に、発光素子から第2波長の光を発するように駆動するようにしたため、通常の監視状態での消費電力を低減できる。
本発明による光電式煙感知器の回路構成を示したブロック図 図1における検煙部構造の第1実施形態を示した説明図 綿灯芯とケロシンを燃焼した場合の煙に対する図2の検煙部構造により検出された受光出力とその比率を示した説明図 図2の検煙部構造を用いた図1の回路ブロックによる火災感知制御を示したフローチャート 図1における検煙部構造の第2実施形態を示した説明図 綿灯芯とケロシンを燃焼した場合の煙に対する図5の検煙部構造により検出された受光出力とその比率を示した説明図
[光電式煙感知器の回路構成]
図1は本発明による光電式煙感知器の回路構成を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態の光電式煙感知器10は、CPU、メモリ及び各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成される制御部12、S端子とSC端子に接続された伝送線11a,11bを介して火災受信機との間で信号を送受信する伝送部14、伝送線11a,11bを介して供給された電源電圧を所定の安定化電圧に変換して出力する電源部15、発光駆動部16、検煙部18、増幅回路部28で構成される。
検煙部18には発光素子20が設けられる。本実施形態にあっては、発光素子20として2色LED(2色発光ダイオード)を使用しており、2色LEDは、第1波長λ1の光を発する第1発光チップ22と、第1波長λ1とは異なる第2波長λ2の光を発する第2発光チップ24を備え、発光駆動部16により第1発光チップ22と第2発光チップ24を個別に駆動することにより、第1波長λ1の光又は第2波長λ2の光を発することができる。
受光素子26は発光素子20から発せられる第1波長λ1の光と第2波長λ2の光の双方に感度を持つフォトダイオード(PD)が使用される。
[検煙部の第1実施形態]
図2は図1における検煙部の構造の第1実施形態を示した説明図であり、発光素子20と受光素子26の交差角θ2を90°以下とした場合である。
図2に示すように、外部からの煙が流入する検煙部18内には発光素子20、受光素子26及び波長選択性をもつ反射鏡として機能するダイクロイックミラー30が配置されている。
2色LEDを用いた発光素子20は、第1発光チップ22から第1波長λ1の光を光軸20aの方向に照射し、また、第2発光チップ24から第2波長λ2の光を光軸20aの方向に照射する。
発光素子20が発する第1波長λ1の光は中心波長を800nm以上に定めており、本実施形態ではλ1=900nmに設定している。また、発光素子20が発する第2波長λ2の光は中心波長を600nm以下に定めており、本実施形態ではλ2=500nmに設定している。
受光素子26は発光素子20からの光を直接受けることのない位置に配置され、発光素子20の光軸20aと受光素子26の光軸26aの交差角θ2は30°〜70°の範囲の所定角度であり、本実施形態にあっては、交差角θ2を例えばθ2=30°に設定している。
ダイクロイックミラー30は発光素子20からの光軸20a上で検煙点Pを介して対向した位置に配置され、本実施形態にあっては、発光素子20の第1発光チップ22から発せられた第1波長λ1の光のみを反射するように構成されている。
受光素子26は発光素子20から発せられる第1波長λ1=900nmの光と第2波長λ2=500nmの光の双方に感度をもつ。発光素子20が第1波長λ1の光を発すると、検煙部18に流入した煙による散乱光が受光素子26で受光され、この場合の散乱角θ1はθ1=150°となり、受光素子26は後方散乱光を受光する。
同時に、発光素子20から発せられた第1波長λ1の光はダイクロイックミラー30で反射されて検煙点Pの方向に戻り、検煙部18に流入している煙による散乱光が受光素子26で受光され、この場合の散乱角θ2は、発光素子20と受光素子26の交差角と同じθ2=30°となり、受光素子26は前方散乱光を受光する。
このため発光素子20が第1波長λ1の光を発した場合、受光素子26は発光素子20からの直接光による散乱角θ1=150°の後方散乱光と、ダイクロイックミラー30からの反射光による散乱角θ2=30°の前方散乱光の両方を受光し、合成散乱光量に対応した受光出力A1が得られる。
一方、発光素子20が第2波長λ2の光を発した場合には、検煙部18に流入した煙による第2波長λ2の散乱光が受光素子26で受光され、この場合の散乱角θ1はθ1=150°となり、受光素子26は後方散乱光のみを受光し、受光出力A2が得られる。
[制御部による煙の識別]
図1に示した制御部12は、通常の監視状態では、発光駆動部16に指示して発光素子20の第1発光チップ22を所定周期で間欠駆動することで、第1波長λ1の光を発し、第1波長λ1による後方散乱光とダイクロイックミラー30の反射による前方散乱光の和となる合成散乱光が受光素子26で受光され、これに対応して増幅回路部28から出力される受光出力A1を検出しており、受光出力A1が所定の煙濃度、例えば注意警報を必要とする煙濃度に対応した閾値Ath以上となったことを判別すると、受光出力A1をメモリに記憶する。
続いて、制御部12は、煙の種類を識別するために発光素子20の第2発光チップ24を駆動して第2波長λ2の光を発する。この場合、ダイクロイックミラー30は第2波長λ2の光を反射しないので、受光素子26は第2波長λ2による後方散乱光のみを受光し、増幅回路部28から出力される受光出力A2を検出してメモリに記憶する。
続いて、制御部12は、発光素子20から発せられた第1波長λ1の光による煙の後方散乱光とダイクロイックミラー30で反射された第1波長λ1の光による前方散乱光との合計散乱光による受光出力A1と、発光素子20から発せられた第2波長λ2の光による煙の散乱光による受光出力A2とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行う。
[受光出力の比率による煙種類の判断]
図3は綿灯芯とケロシンを燃焼した場合の煙に対する図2の検煙部構造により検出された受光出力とその比率を示した説明図であり、燻焼煙となる白煙と燃焼煙となる黒煙を識別するため、その代表サンプルとして綿灯芯とケロシンを選んでいる。
図3に示すように、受光出力A1は、第1波長λ1=900nm、散乱角θ1=150°の後方散乱光と、第1波長λ1=900nm、散乱角θ2=30°の前方散乱光の和となり、また、受光出力A2は、第2波長λ2=500nm、散乱角θ1=150°の後方散乱光となる。
このような綿灯芯とケロシンの燃焼で測定された受光出力A1,A2の比率R=A1/A2を取ると、綿灯芯の場合はR=6.1となり、ケロシンの場合はR=1.6となり、綿灯芯とケロシンでは両者の比率Rに顕著な差異が表れ、比率Rに基づく煙の種類の識別が可能となる。
このため制御部12は、比率閾値Rthとして例えばRth=4を設定し、R>4の場合は燻焼火災による白煙が発生していると判断し、R<4の場合には燃焼火災による黒煙が発生していると判断し、判断した煙の種類又は火災の種類を示す識別情報を含む火災信号を受信機に送信して火災警報を出力させる制御を行う。
なお、光電式煙感知器10にバスルーム等からの非火災要因となる湯気が流入した場合、比率Rはむ例えばR=10以上の大きな値となることから、例えば非火災閾値Rth2として例えばRth2=12を設定し、比率RがRth2以上の場合は非火災要因と判別し、非火災要因の識別情報を含む火災信号を送信しても良い。
[感知器制御]
図4は図2の検煙部構造を用いた図1の回路ブロックによる火災感知制御を示したフローチャートであり、制御部12による制御動作となる。
図4に示すように、制御部12はステップS1で発光駆動部16に指示して発光素子20の第1発光チップ22を所定周期で間欠的に発光駆動して第1波長λ1の光を検煙部18内に照射し、ステップS2で受光素子26で受光された第1波長λ1の後方散乱光とダイクロイックミラー30の反射による前方散乱光の和に対応した受光出力A1を検出し、ステップS3で所定の閾値Ath以上であることを判別すると、ステップS4に進み、そのとき検出している受光出力A1をメモリに記憶する。
続いて、制御部12はステップS5で発光駆動部16に指示して発光素子20の第2発光チップ24を発光駆動して第2波長λ2の光を検煙部18内に照射し、ステップS6で受光素子26で受光された第2波長λ2の後方散乱光に対応した受光出力A2を検出してステップS7でメモリに記憶する。
続いて、制御部12は、ステップS8で受光出力A1,A2の比率R=A1/A2を算出し、ステップS9で比率Rを例えば閾値Rth=4と比較し、比率Rが閾値Rth=4以上であれば、ステップS10に進んで白煙による燻焼火災と判断し、ステップS11で受光出力A1が閾値Ath1以上であることを判別するとステップS12に進み、白煙識別情報を含む火災信号を受信機に送信し、白煙による燻焼火災であることを示す火災警報を出力させる。
一方、制御部12は、ステップA9で比率Rが閾値Rth=4未満であれば、ステップS13に進んで黒煙による燃焼火災と判断し、ステップS14で受光出力A2が閾値Ath2以上であることを判別するとステップS15に進み、黒煙識別情報を含む火災信号を受信機に送信し、黒煙による燃焼火災であることを示す火災警報を出力させる。
[検煙部構造の第2実施形態]
図5は図1における検煙部の構造の第2実施形態を示した説明図であり、発光素子20と受光素子26の交差角θ2を90°以上とした場合である。
図5に示すように、外部からの煙が流入する検煙部18内には発光素子20、受光素子26及び反射鏡として機能するダイクロイックミラー30が配置されている。
2色LEDを用いた発光素子20は、第1発光チップ22から第1波長λ1の光を光軸20aの方向に照射し、また、第2発光チップ24から第2波長λ2の光を光軸20aの方向に照射する。発光素子20が発する第1波長λ1の光は中心波長を800nm以上に定めており、本実施形態ではλ1=900nmに設定している。また、発光素子20が発する第2波長λ2の光は中心波長を600nm以下に定めており、本実施形態ではλ2=500nmに設定している。
受光素子26は発光素子20からの光を直接受けることのない位置に配置され、発光素子20の光軸20aと受光素子26の光軸26aの交差角θ2は110°〜150°の範囲の所定角度であり、本実施形態にあっては、交差角θ2を90°より大きい例えばθ2=150°に設定している。
ダイクロイックミラー30は発光素子20からの光軸20a上で検煙点Pを介して対向した位置に配置され、本実施形態にあっては、発光素子20の第2発光チップ24から発せられた第2波長λ2の光のみを反射するように構成されている。
受光素子26は発光素子20から発せられる第1波長λ1=900nmの光と第2波長λ2=500nmの光の双方に感度をもち、発光素子20が第1波長λ1の光を発した場合は、検煙部18に流入した煙による第1波長λ1の散乱光が受光素子26で受光され、この場合の散乱角θ1はθ1=30°となり、受光素子26は前方散乱光のみを受光し、受光出力A1が得られる。
一方、発光素子20が第2波長λ2の光を発すると、検煙部18に流入した煙による散乱光が受光素子26で受光され、この場合の散乱角θ1はθ1=30°となり、受光素子26は前方散乱光を受光する。同時に、発光素子20から発せられた第2波長λ2の光はダイクロイックミラー30で反射されて検煙点Pの方向に戻り、検煙部18に流入している煙による散乱光が受光素子26で受光され、この場合の散乱角θ2は、発光素子20と受光素子26の交差角と同じθ2=150°となり、受光素子26は後方散乱光を受光する。
このため発光素子20が第2波長λ2の光を発した場合、受光素子26は発光素子20からの直接光による散乱角θ1=30°の前方散乱光と、ダイクロイックミラー30からの反射光による散乱角θ2=150°の後方散乱光の両方を受光し、合成散乱光量に対応した受光出力A2が得られる。
[制御部による煙の識別]
図6は綿灯芯とケロシンを燃焼した場合の煙に対する図5の検煙部構造により検出された受光出力とその比率を示した説明図である。
図6に示すように、受光出力A1は、第1波長λ1=900nm、散乱角θ1=30°の前方散乱光となり、受光出力A2は、第2波長λ2=500nm、散乱角θ1=30°の前方散乱光と、第2波長λ2=500nm、散乱角θ2=150°の後方散乱光の和となる。
このような綿灯芯とケロシンの燃焼で測定された受光出力A1,A2の比率R=A1/A2を取ると、綿灯芯の場合はR=2.7となり、ケロシンの場合はR=0.4となり、綿灯芯とケロシンでは両者の比率Rに差異が表れ、比率Rに基づく煙の種類の識別が可能となる。
このため制御部12は、比率閾値Rthとして例えばRth=1.5を設定し、R>1.5の場合は燻焼による白煙が発生していると判断し、R<1.4の場合には燃焼による黒煙が発生していると判断し、判断した煙の種類を示す情報を含む火災信号を受信機に送信して火災警報を出力させる制御を行う。
また、図6の検煙部構造を対象とした図1の制御部12による感知器制御は、図4のフローチャートに示した制御と基本的に同じになる。
[本発明の変形例]
(発光素子の駆動制御)
上記の実施形態は、発光素子20から間欠的に第1波長λ1の光を発して受光出力A1を検出し、受光出力A1が閾値以上の場合に第2波長λ2を発して受光出力A2を検出して煙の種類を識別しているが、所定周期毎に、発光素子20から第1波長λ1の光と第2波長λ2の光を時間をずらして発して受光出力A1,A2を検出して煙の種類を識別するようにしても良い。
(散乱角)
上記の実施形態では、散乱角θ1を150°又は30°とした例を挙げているが、散乱角θ1は光電式煙感知器の要求仕様に合わせて適宜選択することができる。例えば感知器の大きさを小さくしたければ、散乱角θ1を小さくして検煙部18の幅を狭くすることができる。ただし、散乱角θ1が小さくなることに伴い、発光素子20からの光線が受光素子26に直接入射したり、検煙部18の壁面での反射光が受光素子26に入射する可能性があり、検煙部18の内部反射光対策が必要となる。
逆に検煙部18の内部反射光の処理を効率的に行うためには、散乱角θ1を90°に近く大きめに設定することが望ましい。このように光電式煙感知器に要求される仕様により散乱角θ1を適宜選択することができる。
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:光電式煙感知器
11a,11b:伝送線
12:制御部
14:伝送部
15:電源部
16:発光駆動部
18:検煙部
20:発光素子
20a,26a:光軸
22:第1発光チップ
24:第2発光チップ
26:受光素子
28:増幅回路部
30:ダイクロイックミラー

Claims (10)

  1. 検煙空間に向け、第1波長の光と前記第1波長とは異なる第2波長の光を個別に発する発光素子と、
    前記発光素子から発せられる光を直接受光しない位置に設けられ、前記第1波長及び前記第2波長の双方の感度をもつ受光素子と、
    前記発光素子に対向した位置に配置され、前記第1波長又は前記第2波長の光を反射する反射鏡と、
    を備えたことを特徴とする光電式煙感知器。
  2. 請求項1記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記発光素子の光軸と前記受光素子の光軸が30°〜70°の範囲の所定角度で交差するように配置され、
    前記反射鏡は前記第1波長の光のみを反射し、
    前記発光素子と前記受光素子の光軸の交差で構成される第1散乱角を110°〜150°の範囲に定め、前記反射鏡と前記受光素子の光軸の交差で構成される第2散乱角を30°〜70°の範囲に定めたことを特徴とする光電式煙感知器。
  3. 請求項2記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記受光素子で受光された、前記発光素子から発せられた前記第1波長の光による煙の散乱光量と前記反射鏡で反射された前記第1波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力と、前記発光素子から発せられた前記第2波長の光による煙の散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行うことを特徴とする光電式煙感知器。
  4. 請求項1記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記発光素子の光軸と前記受光素子の光軸が110°〜150°の範囲の所定角度で交差するように配置され、
    前記反射鏡は前記第2波長の光のみを反射し、
    前記発光素子と前記受光素子の光軸の交差で構成される第1散乱角を30°〜70°の範囲に定め、前記反射鏡と前記受光素子の光軸の交差で構成される第2散乱角を110°〜150°の範囲に定めたことを特徴とする光電式煙感知器。
  5. 請求項4記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記受光素子で受光された、前記発光素子から発せられた前記第1波長の光による煙の散乱光量の受光出力と、前記発光素子から発せられた前記第2波長の光による煙の散乱光量と前記反射鏡で反射された前記第2波長の光による煙の散乱光量との合計散乱光量の受光出力とを比較することにより、煙の種類を識別し、煙の種類に応じた判断基準により火災判断を行うことを特徴とする光電式煙感知器。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記発光素子から発せられる前記第1波長に対し、前記第2波長を短くしたことを特徴とする光電式煙感知器。
  7. 請求項6記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記発光素子から発せられる前記第1波長の中心波長を800nm以上に定め、前記第2波長の中心波長を600nm以下に定めたことを特徴とする光電式煙感知器。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の光電式煙感知器に於いて、前記反射鏡をダイクロイックミラーとしたことを特徴とする光電式煙感知器。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の光電式煙感知器に於いて、
    前記発光素子を、前記第1波長の光を発する第1発光チップと前記第2波長の光を発する第2発光チップを備え、前記第1波長と前記第2波長の光を間欠的に発する2色発光ダイオードとしたことを特徴とする光電式煙感知器。
  10. 請求項1乃至9の何れかに記載の光電式煙感知器に於いて、通常の監視状態では、前記発光素子から前記第1波長の光を発するように駆動し、前記受光素子から所定の閾値以上又は前記閾値を超える受光出力が得られた際に、前記発光素子から前記第2波長の光を発するように駆動することを特徴とする光電式煙感知器。
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