JP2020003040A - ホールプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱負荷によるシールフランジ部のクリープ変形を抑制してシール性を維持できるホールプラグを提供する。【解決手段】このホールプラグ10は、本体部30とシールフランジ部50とを有し、本体部30は、閉塞部31と内側壁部33と係合部39を有する外側壁部35とを有し、シールフランジ部50は、第1フランジ部51と、第1フランジ部51の先端に角度変化部55を介して連設され、第1フランジ部51に対して挿入方向F側に傾いて更に延出する第2フランジ部53とを有し、角度変化部55に、シールフランジ部50の外面の法線方向における厚さが最も薄い薄肉部57が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、所定部材に設けられた孔を閉塞するための、ホールプラグに関する。
例えば、自動車の車体パネルやリッドには、種々の目的に応じて、孔が形成されることがある。このような孔をそのままにしておくと、水密性や、見栄え等の点で問題が生じることがあるので、一般的にはホールプラグで閉塞されるようになっている。
従来のこの種のホールプラグとして、下記特許文献1には、パネルの孔に挿入される挿入部を備え、その挿入部には、パネル表面に圧接する環状の表側鍔部と、パネル裏面に圧接する環状の裏側鍔部とを一体形成してなる、プラグが記載されている。前記挿入部は、孔の内周縁に接する周壁部を有しており、この周壁部の上端から前記表側鍔部が一体形成されている。この表側鍔部は、周壁部上端から外径方向に向けて広がる部分と、その先端から斜め下方に向けて傘状に延びる部分とを有している。なお、表側鍔部は、その先端から基端に至るまで一定肉厚で形成されている。そして、パネルの孔に挿入部が挿入されると、孔の裏側に裏側鍔部が係合すると共に、孔の表側に表側鍔部の先端が圧接することで、孔にプラグが装着される。
特開2008−51314号公報
上記特許文献1のプラグは、孔への装着時に、孔の表側に表側鍔部の先端が圧接して、表側鍔部が撓み変形するようになっているが、その際には、表側鍔部の裏面側における根本部分(周壁部上端との連結部分)に応力が集中する。そのため、プラグが夏場に用いられた場合や高温雰囲気となる環境下で用いられて、プラグに高熱が長期的に負荷された場合に、表側鍔部の根本部分がクリープ変形して、表側鍔部の先端の、孔周縁に対するシール性が不十分になるおそれがあった。
したがって、本発明の目的は、高熱が長期的に負荷されても、シールフランジ部のクリープ変形を抑制して、シール性を維持することができる、ホールプラグを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、所定部材に設けられた孔を閉塞するためのホールプラグであって、前記孔に挿入される本体部と、前記孔の表側周縁に当接するシールフランジ部とを有しており、前記本体部は、閉塞部と、該閉塞部の周縁から、前記本体部の前記孔への挿入方向に延出する筒状の内側壁部と、該内側壁部の、前記挿入方向側の端部から外側に折り返されて、前記挿入方向とは逆方向に延出し、前記内側壁部を囲むように配置され、外周に前記孔に係合する係合部を有する筒状の外側壁部とを有し、前記シールフランジ部は、前記外側壁部の、前記挿入方向とは逆方向側の端部から外径方向に延出する第1フランジ部と、該第1フランジ部の先端に角度変化部を介して連設され、該第1フランジ部に対して前記挿入方向側に傾いて更に延出する第2フランジ部とを有し、前記角度変化部に、前記シールフランジ部の外面の法線方向における厚さが最も薄い薄肉部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、シールフランジ部は、外側壁部の挿入方向とは逆方向側の端部から外径方向に延出する第1フランジ部と、第1フランジ部の先端に角度変化部を介して連設され、該第1フランジ部に対して挿入方向側に傾いて更に延出する第2フランジ部とを有し、角度変化部に、シールフランジ部の外面の法線方向における厚さが最も薄い薄肉部が設けられているので、孔の表側周縁に押圧されたときに、シールフランジ部は、角度変化部と第1フランジ部の基端側とでそれぞれ撓み変形し、撓み変形による応力を分散することができ、熱負荷が作用してもクリープ変形を抑制することができ、また、角度変化部から第2フランジ部の先端までの短い距離で、孔の表側周縁からの反力を受けることで、第2フランジ部先端にかかる荷重を増加させて、シール性能を良好に維持することができる。
本発明に係るホールプラグの一実施形態を示す斜視図である。 (a)は同ホールプラグの拡大斜視図、(b)は同ホールプラグの、(a)とは異なる方向から見た場合の拡大斜視図である。 同ホールプラグの断面図である。 同ホールプラグを孔に取付けた状態の斜視図である。 同ホールプラグを孔に取付けた状態の、拡大断面図である。 (a)はホールプラグの比較例1を示す拡大断面図、(b)はホールプラグの比較例2を示す拡大断面図である。 実施例のホールプラグの、応力分布確認試験の結果を示す図である。 比較例1のホールプラグの、応力分布確認試験の結果を示す図である。 比較例2のホールプラグの、応力分布確認試験の結果を示す図である。 漏水性能確認試験の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るホールプラグの一実施形態について説明する。
図1に示すように、このホールプラグ10は、例えば、自動車の車体パネル等の所定部材1に設けられた孔5を閉塞するために用いられる。この実施形態の場合、孔5は円形状をなしているが、矩形孔や、楕円形や小判状の長孔等であってもよい。なお、所定部材1としては、自動車の荷室のリッドや、トランクリッド、ドア、フェンダー等であってもよく、特に限定はされない。
そして、図2及び図3に示すように、この実施形態におけるホールプラグ10(以下、単に「プラグ10」ともいう)は、前記孔5に挿入される本体部30と、孔5の表側周縁に当接するシールフランジ部50とを有している。
図3に示すように、前記本体部30は、孔5を覆う形状をなす閉塞部31と、この閉塞部31の周縁から、本体部30の孔5への挿入方向F(以下、単に「挿入方向F」ともいう)に延出する筒状の内側壁部33と、この内側壁部33の、前記挿入方向F側の端部33aから外側に折り返されて、前記挿入方向Fとは逆方向に延出し、内側壁部33の外周を囲むように配置され、その外周に前記孔5に係合する係合部39を有する、筒状の外側壁部35とを有している。
この実施形態では、前記閉塞部31は円板状をなしており、その周縁から円筒状をなした内側壁部33が、前記挿入方向F側へ向けて延出している。この内側壁部33の、挿入方向F側の端部33aから、プラグ10の外径方向に向けて折返し部37が延出しており、この折返し部37を介して、円筒状をなした外側壁部35が、内側壁部33の径方向外側に同心状に離間して、前記挿入方向Fとは逆方向に向けて延出している。なお、内側壁部33と外側壁部35との間には、閉塞部31側が開口した環状の溝部41が形成されており、これによって外側壁部35が撓み変形可能となっている。
また、図3に示すように、外側壁部35の、前記挿入方向F側の端部35a側の外面は、前記折返し部37に向けて次第に縮径するテーパ面43をなしており、本体部30を孔5へ挿入しやすくなっている。
更に、上記外側壁部35のテーパ面43の頂部に、環状をなした前記係合部39が設けられている(図2(b)参照)。図5に示すように、この係合部39が、所定部材1に形成した孔5の裏側周縁に係合するようになっている。ただし、係合部としては、例えば、外側壁部35の外周に沿って複数設けられた、突起状をなしていてもよく、孔5の裏側周縁に係合可能であればよい。
そして、図3に示すように、前記シールフランジ部50(以下、単に「フランジ部50」ともいう)は、外側壁部35の、前記挿入方向Fとは逆方向側の端部35bから外径方向に延出する第1フランジ部51と、この第1フランジ部51の先端51bに角度変化部55を介して連設され、該第1フランジ部51に対して前記挿入方向F側に傾いて更に延出する第2フランジ部53とを有している。
前記角度変化部55は、第1フランジ部51と第2フランジ部53との間に設けられて、本体部30の軸心Cに対する第1フランジ部51又は第2フランジ部53の角度を変化させるものである。そして、この角度変化部55には、フランジ部50の外面の法線方向(すなわち、フランジ部50の外面における接線Sに対して、直交する法線Hに沿った方向を意味する)における厚さが最も薄い薄肉部57が設けられている。
なお、フランジ部50の「外面」とは、フランジ部50の内面とは反対側であって、所定部材1に形成した孔5の表側から離反する側の面を意味する(第1フランジ部51及び第2フランジ部53においても同様)。一方、フランジ部50の「内面」とは、所定部材1に形成した孔5の表側に対向する側(孔5の表側に近接する側)の面を意味する(第1フランジ部51及び第2フランジ部53においても同様)。
また、この実施形態におけるフランジ部50は、第1フランジ部51が、本体部30の外側壁部35の、前記挿入方向Fとは逆方向側の端部35bから外径方向に向けて次第に肉薄となって角度変化部55に至り、第2フランジ部53は、角度変化部55から外径方向に向けて次第に肉厚となるように延出した構造となっている。
具体的に説明すると、この実施形態における第1フランジ部51は、所定厚さの肉厚形状をなした基端51aが、外側壁部35の、前記挿入方向Fとは逆方向側の端部35bに連結されており、同端部35bからフランジ部50の外径方向に向けて次第に肉薄となるように延びて、その延出方向の先端51bが、角度変化部55の径方向内側部分に至るように形成されている。
また、この第1フランジ部51は、本体部30の軸心Cに対して鋭角をなすように、前記挿入方向F側に傾斜して延出している。具体的に説明すると、第1フランジ部51の、外面59の法線H方向に沿った厚さ方向中央の位置において、前記基端51aと前記先端51bとを結ぶ第1フランジ部51の延出方向Lが、本体部30の軸心Cに対して鋭角をなすように、前記挿入方向F側に傾斜した形状となっている。なお、本体部30の軸心Cとは、閉塞部31の中心を通り、かつ、内側壁部33及び外側壁部35の軸心を通る方向を意味する。
この実施形態では、主として第1フランジ部51の外面59が、本体部30の軸心Cに対して、前記挿入方向F側に傾斜した形状をなしており、それによって、第1フランジ部51全体として、本体部30の軸心Cに対して鋭角をなすように、前記挿入方向F側に傾斜している。
一方、前記第2フランジ部53は、前記角度変化部55の径方向外側部分から、肉薄の基端53aが延びており、フランジ部50の外径方向に向けて次第に肉厚となるように延出している。また、第2フランジ部53は、その外面63が本体部30の軸心Cに対して角度θ2で傾斜して延出し、内面65が本体部30の軸心Cに対して角度θ3で傾斜して延出しており、内面65側の角度θ3の方が外面63側の角度θ2よりも小さくなるように設けられている。
更に、第2フランジ部53の肉厚形状をなした延出方向先端であって、その内面65側における先端部67は、所定曲率で形成されたR状をなしている。このR状をなした先端部67は、図5に示すように、孔5に本体部30を挿入して、係合部39が孔5の裏側周縁に係合した状態で、孔5の表側周縁に当接するように構成されている。また、図3に示すように、先端部67の径方向外側部分は、本体部30の軸心Cに対して直交する平坦面67aをなしている。更に、第2フランジ部53の延出方向最先端の端面53bは、前記平坦面67aに対して直角に立ち上がる面となっている。
また、上記説明において、第2フランジ部53が、「第1フランジ部51に対して挿入方向F側に傾く」とは、第2フランジ部53の外面63と、第1フランジ部51の外面59とが、同一平面上又は同一曲面上に配置されないように、第2フランジ部53の外面63が、角度変化部55を介して、第1フランジ部51の外面59に対して、前記挿入方向F側に傾いて配置されることを意味する。
更に、この実施形態における前記角度変化部55には、フランジ部50の外面側及び内面側に、曲面状に丸みを帯びた形状をなす、曲面部69,71がそれぞれ設けられている。図3に示すように、この実施形態では、内面側の曲面部71の、本体部30の軸心Cを通る縦断面における曲線長さK2が、外面側の曲面部69の、本体部30の軸心Cを通る縦断面における曲面長さK1よりも、長くなるように形成されている。
また、上記角度変化部55に設けられた前記薄肉部57は、図3に示すように、外面側の曲面部69及び内面側の曲面部71の、曲線長さK1,K2の長さ方向のほぼ中央に位置するように設けられている。なお、薄肉部57の厚さT1は、フランジ部50の最大厚さT2(この実施形態では、第2フランジ部53の先端側であって、外面63の法線H方向における最も肉厚の部分の厚さを意味する。ただし、薄肉部としては、角度変化部55に設けられていればよく、形成位置等は特に限定されない。
上記構造をなしたプラグ10は、図5に示すように、所定部材1に形成した孔5に取付けすべく、本体部30を孔5に挿入して、係合部39が孔5の裏側周縁に係合し、フランジ部50を構成する第2フランジ部53の先端部67が、孔5の表側周縁に当接した状態となると、角度変化部55の薄肉部57を介して、フランジ部50が撓み変形するようになっている。具体的には、フランジ部50の第2フランジ部53の先端部67が、孔5の表側周縁に押圧されることで、角度変化部55が薄肉部57を中心にして撓み変形すると共に、撓み変形した角度変化部55を介して、第1フランジ部51が基端51aの内面側を中心として更に撓み変形する。このように、このフランジ部50は、角度変化部55及び第1フランジ部51がそれぞれ撓み変形するようになっている。
以上説明したプラグ10は、例えば、ゴムや弾性エラストマー等の、弾性樹脂材料によって、一体形成されている。
次に、上記構成からなるプラグ10の使用方法及び作用効果について説明する。
すなわち、フランジ部50の外周を把持して、図1や図3に示すように、所定部材1に設けた孔5の表側から、本体部30の内側壁部33の端部33a側や外側壁部35の端部35a側を挿入して、同本体部30を挿入方向F側に向けて押し込んでいく。すると、本体部30がテーパ面43によってガイドされながら、外側壁部35や内側壁部33が孔5に挿入されると共に、孔5の内周に係合部39が押圧されて、溝部41を介して外側壁部35が孔内側に向けて撓んでいく。また、孔5の表側周縁にフランジ部50の先端部67が当接するため、孔5の表側周縁によって第2フランジ部53が押圧されて、角度変化部55の薄肉部57や第1フランジ部51の基端51aを介してフランジ部50が撓み変形する。更にプラグ10を押し込んで、孔5の裏側から係合部39が抜け出ると、外側壁部35が弾性復帰して、孔5の裏側周縁に係合部39が係合すると共に、孔5の表側周縁に第2フランジ部53の先端部67が弾性的に当接して、係合部39とフランジ部50とで所定部材1が挟み込まれて、図4や図5に示すように、孔5を閉塞した状態で、孔5にプラグ10を取付けることができる。
そして、このプラグ10においては、フランジ部50は、外側壁部35の、前記挿入方向Fとは逆方向側の端部35bから外径方向に延出する第1フランジ部51と、この第1フランジ部51の先端51bに角度変化部55を介して連設され、該第1フランジ部51に対して前記挿入方向F側に傾いて更に延出する第2フランジ部53とを有しており、前記角度変化部55に、フランジ部50の外面の法線H方向における厚さが最も薄い薄肉部57が設けられている。そのため、プラグ10を孔5に挿入した状態で、フランジ部50を構成する第2フランジ部53の先端部67が、孔5の表側周縁に押圧されたときに、図5に示すように、同フランジ部50が、角度変化部55と、第1フランジ部51の基端側とで、それぞれ撓み変形する。
ここでは、第2フランジ部53の先端部67が孔5の表側周縁に押圧されることで、同先端部67に孔5の表側周縁からの反力が作用して、図5に示すように、第2フランジ部53が押し上げられて、角度変化部55に孔5の表側から離反する向きの曲げ応力Mが付与されるので、主として内面側の曲面部71に引張り応力が作用して、角度変化部55が薄肉部57を中心として、略への字状をなすように撓み変形する。この場合、角度変化部55には、薄肉部57の内面側を中心として、その近傍に応力が負荷される。図7には、その際の応力分布状態が示されている(図7については後述する)。また、図7に示されるように、フランジ部50は、その角度変化部55の内面側から第2フランジ部53の先端部67までの間において、孔5の表側周縁からの反力を受けており、特に第2フランジ部53の先端部67側にかかる荷重が増加するようになっている。
上記の角度変化部55の撓み変形と共に、孔5の表側周縁からの押圧力が、角度変化部55を介して第1フランジ部51に伝達されて、図5に示すように、第1フランジ部51にも、角度変化部55と同様に、孔5の表側から離反する向きの曲げ応力Mが付与されるので、同第1フランジ部51が、基端51aの内面61側を中心として押し上げられて、その外面側が凹むように湾曲しつつ、第1フランジ部51が撓み変形する。この場合、第1フランジ部51には、基端51aの内面61側を中心として、その近傍に応力が負荷される(図7も併せて参照)。
したがって、このプラグ10においては、上述したように、フランジ部50が孔5の表側周縁に押圧されたときに、同フランジ部50が、角度変化部55と、第1フランジ部51の基端51a側とで、それぞれ撓み変形するようになっているので、フランジ部50の撓み変形による応力を、第1フランジ部51の基端51aの内面61側のみに集中させずに、角度変化部55にも分散することができる。その結果、プラグ10を取付けた自動車を夏場に用いた場合や、高温雰囲気となる環境下で用いられた場合等において、高温の熱負荷が作用しても、フランジ部50のクリープ変形を抑制することができ、フランジ部50の反力(弾発力)の低下やへたれを抑えることができ、また、上述したように、角度変化部55から第2フランジ部53の先端までの短い距離で、孔5の表側周縁からの反力を受けることで(図7の応力分布状態を参照)、第2フランジ部53の先端部67側にかかる荷重を増加させることができ、孔5の表側周縁に対するフランジ部50のシール性能を良好に維持することができる。
また、この実施形態においては、図3に示すように、第1フランジ部51は、本体部30の軸心Cに対して鋭角をなすように、前記挿入方向F側に傾斜して延出された構造となっている。そのため、第2フランジ部53が、第1フランジ部51に対して更に挿入方向F側に傾斜して延出することとなるので、第2フランジ部53が孔5の表側周縁に押圧されたときの、第2フランジ部53の反力をより高めることができ、孔5の表側周縁に対するフランジ部50のシール性をより向上させることができる。
更にこの実施形態においては、図3に示すように、フランジ部50は、第1フランジ部51が、本体部30の外側壁部35の、前記挿入方向Fとは逆方向側の端部35bから外径方向に向けて次第に肉薄となって角度変化部55に至り、第2フランジ部53は、角度変化部55から外径方向に向けて次第に肉厚となるように延出している。そのため、第2フランジ部53が孔5の表側周縁に押圧されたときに、その押圧力を、角度変化部55の薄肉部57を中心にして、フランジ部50の径方向に分散しやすくなるので、熱負荷が作用した際の、フランジ部50のクリープ変形をより効果的に抑制することができ、孔5の表側周縁に対するフランジ部50のシール性能をより良好に維持することができる。
また、この実施形態においては、図3に示すように、フランジ部50を構成する角度変化部55の外面及び内面に曲面部69,71がそれぞれ設けられており、内面側の曲面部71の、本体部30の軸心Cを通る縦断面における曲線長さK2が、外面側の曲面部69の、本体部30の軸心Cを通る縦断面における曲面長さK1よりも、長くなるように形成されている。そのため、孔5に本体部30を挿入して、フランジ部50の第2フランジ部53が孔5の表側周縁に当接して、フランジ部50が撓み変形する際に、角度変化部55に設けた薄肉部57を中心として、角度変化部55にかかる応力をより効果的に分散させるとともに撓みやすくすることができ、角度変化部55の内面側にかかる応力をより広い範囲で緩和することができる。角度変化部55の外面側の曲面部69の方が内面側の曲面部71よりも長い場合には、内面側の曲面部71に応力が集中しやすくなって、角度変化部55を撓み変形させにくくなり、応力の分散が図りにくくなる傾向がある。
更に、この実施形態においては、図3に示すように、第2フランジ部53の内面65の、本体部30の軸心Cに対する角度θ3が、第2フランジ部53の外面63の、本体部30の軸心Cに対する角度θ2よりも小さくなるように設けられており、また、第2フランジ部53の内面65側における先端部67がR状をなし、この先端部67が孔5の表側周縁に当接するように構成されている。そのため、第2フランジ部53を、先端部67側が肉厚となる形状にしやすくして、孔5の表側周縁に対する第2フランジ部53の面圧を高めることができると共に、孔5を設けた所定部材1の板厚に柔軟に対応して、R状の先端部67を孔5の表側周縁に密接状態で当接させることができるため、孔5の表側周縁に対するフランジ部50のシール性を更に高めることができる。また、第2フランジ部53の内面65側における先端部67がR状をなし、この先端部67が孔5の表側周縁に当接するため、ホールプラグ成型時にバリが生じやすい、第2フランジ部53の外面63側の先端部(端面53bの、孔5から離れたエッジ部分等)が、孔5の表側周縁に当接しないため、バリの影響によるフランジ部50のシール性低下を抑制することができる。
(応力分布確認試験)
各種のホールプラグを所定部材の孔に取付けた場合に、シールフランジ部に、応力がどのように付与されているかを測定した。
(実施例の作製)
図1〜5に示すホールプラグと同様の形状をなす、実施例のホールプラグを作製した。そのシールフランジ部50の薄肉部57の厚さT1は0.51mmであり、同シールフランジ部50の最大厚さT2は1.34mmである。
(比較例1の作製)
図6(a)に示すように、実施例のホールプラグとはシールフランジ部の形状が異なり、それ以外は同様の構造をなした、比較例1のホールプラグを作製した。シールフランジ部100は、外側壁部35の端部35bから斜め外方に向けて傘状をなすように、一定の厚さTで延出しており、その厚さTは0.80mmである。
(比較例2の作製)
図6(b)に示すように、実施例のホールプラグとはシールフランジ部の形状が異なり、それ以外は同様の構造をなした、比較例2のホールプラグを作製した。シールフランジ部200は、外側壁部35の端部35bから斜め外方に向けて第1フランジ部210が延出すると共に、角度変化部220を介して、その先端から更に第2フランジ部230が斜め外方に延出しているが、実施例のホールプラグとは異なり、角度変化部220に薄肉部がない構造となっている。また、第1フランジ部210、角度変化部220、第2フランジ部230は、同一の厚さTで形成されており、その厚さTは1.00mmである。
(測定方法及びその測定結果)
実施例及び比較例1,2を所定部材の孔に取付けた状態で、80℃の高温雰囲気下で200時間の熱負荷を与え、その場合における各シールフランジ部への応力分布について、周知の解析ソフトを用いて測定した。なお、所定部材の板厚は1.8mmであり、孔の内径は29.8mmである。図7には実施例の結果が示されており、図8には比較例1の結果が示されており、図9には比較例2の結果が示されている。なお、各図7〜9において、「MX」とは、シールフランジ部に付与される応力の最大値を意味しており、各図の左上欄の「SMX」にその具体的な数値が記載されている。
図8に示す比較例1では、シールフランジ部の内面側全体に亘って応力が付与されており、特に、その基端部内面側に最大応力(SMX:11.324)が付与されている。これは、比較例1のホールプラグを孔に挿入して、シールフランジ部100の先端部が、孔の表側周縁から押圧力を受けると、シールフランジ部100の全体が撓み変形するためであると考えられる。
一方、図9に示す比較例2でも、シールフランジ部の内面側全体に亘って応力が付与され、特に、その基端部内面側に最大応力(SMX:14.548)が付与されている。これは、シールフランジ部200には、第1フランジ部210と第2フランジ部230とが存在するが、角度変化部220に薄肉部が存在せず、角度変化部220が撓み変形しにくいため、第2フランジ部230の先端部が孔の表側周縁から押圧力を受けると、その押圧力が、第2フランジ部230及び角度変化部220を介して第1フランジ部210側へと伝わって、シールフランジ部200全体が大きく撓み変形するため、比較例1と同様に、シールフランジ部200の基端部内面側に応力が集中しやすいものと考えられる。
上記の比較例1,2に対して、実施例においては、角度変化部55が薄肉部57によって撓み変形しやすいため、第2フランジ部53の先端部67が、孔5の表側周縁からの押圧力を受けた場合に、薄肉部57を介して角度変化部55が大きく撓み変形すると共に、第1フランジ部51も、その外面側が凹むように湾曲しつつ大きく撓み変形するので、応力を分散を分散しやすくすることができる。その結果、第1フランジ部51の基端51aの内面側に付与される最大応力(SMX8.515)が、比較例1,2に比べて低くなり、第1フランジ部51の基端51aの内面側での応力集中を緩和できることが分かる。
(漏水性能確認試験)
図10に示すように、底部パネル310に孔320を形成した水槽300内に水を充填しておき、前記孔320に実施例及び比較例1のホールプラグを、シールフランジ部が下向きとなるように取付けた。水槽300に充填される水の、底部パネル310からの高さは100mmである。また、水槽300の底部パネル310の板厚、及び、孔320の内径は、下記表に示すものとなっている。そして、80℃の高温雰囲気下で200時間の熱負荷を与え、実施例及び比較例1のホールプラグを、上記状態で10分間保持して、孔320からの水の漏れがあるかどうかについて測定した。その結果を下記表1に示す。
その結果、比較例1のホールプラグでは、パネル厚さや孔の内径によらず、いずれの条件においても水漏れが発生したのに対し、実施例のホールプラグでは、いずれの条件でも水漏れが発生しなかった。そのため、シールフランジ部は、孔に対して十分なシール性を得られることが理解できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
1 所定部材
5 孔
10 ホールプラグ(プラグ)
30 本体部
31 閉塞部
33 内側壁部
35 外側壁部
39 係合部
50 シールフランジ部(フランジ部)
51 第1フランジ部
53 第2フランジ部
55 角度変化部
57 薄肉部
67 先端部
69,71 曲面部

Claims (5)

  1. 所定部材に設けられた孔を閉塞するためのホールプラグであって、
    前記孔に挿入される本体部と、前記孔の表側周縁に当接するシールフランジ部とを有しており、
    前記本体部は、閉塞部と、
    該閉塞部の周縁から、前記本体部の前記孔への挿入方向に延出する筒状の内側壁部と、
    該内側壁部の、前記挿入方向側の端部から外側に折り返されて、前記挿入方向とは逆方向に延出し、前記内側壁部を囲むように配置され、外周に前記孔に係合する係合部を有する筒状の外側壁部とを有し、
    前記シールフランジ部は、前記外側壁部の、前記挿入方向とは逆方向側の端部から外径方向に延出する第1フランジ部と、
    該第1フランジ部の先端に角度変化部を介して連設され、該第1フランジ部に対して前記挿入方向側に傾いて更に延出する第2フランジ部とを有し、
    前記角度変化部に、前記シールフランジ部の外面の法線方向における厚さが最も薄い薄肉部が設けられていることを特徴とするホールプラグ。
  2. 前記第1フランジ部は、前記本体部の軸心に対して鋭角をなすように、前記挿入方向側に傾斜して延出されている請求項1記載のホールプラグ。
  3. 前記第1フランジ部は、前記外側壁部の前記挿入方向とは逆方向側の端部から外径方向に向けて次第に肉薄となって前記角度変化部に至り、前記第2フランジ部は、前記角度変化部から外径方向に向けて次第に肉厚となるように延出している請求項1又は2記載のホールプラグ。
  4. 前記角度変化部の外面及び内面に、曲面部がそれぞれ設けられており、
    前記内面側の曲面部の、前記本体部の軸心を通る縦断面における曲線長さが、前記外面側の曲面部の、前記本体部の軸心を通る縦断面における曲面長さよりも、長くなるように形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のホールプラグ。
  5. 前記第2フランジ部の内面の、前記本体部の軸心に対する角度が、同第2フランジ部の外面の、前記本体部の軸心に対する角度よりも小さくなるように設けられており、
    前記第2フランジ部の内面側における先端部がR状をなし、該先端部が前記孔の表側周縁に当接するように構成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のホールプラグ。
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