JP2020002928A - Noxセンサの故障検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】NOXセンサの故障を正確に検出する。【解決手段】機関排気通路内にNOX吸着能を有する排気処理触媒(10)が配置される。排気処理触媒(10)の下流にNOXセンサ(11)が配置され、このNOXセンサ(11)の出力値は、排気ガス中のNOX濃度が高くなると高くなる。機関燃焼室(2)内の燃料の供給が停止されたときにNOXセンサ(11)の出力値が閾値よりも高い場合には、NOXセンサ(11)に異常が生じていると判定される。排気処理触媒(10)の劣化度を推定し、劣化度が高いと推定されるほど、閾値が低下せしめられる。【選択図】図7
Description
本発明は、NOXセンサの故障検出方法に関する。
機関排気通路にNOX選択還元触媒を配置すると共に、NOX選択還元触媒の上流に尿素水供給弁を配置し、NOX選択還元触媒の上流側と下流側に夫々上流側NOXセンサと下流側NOXセンサとを配置し、これらNOXセンサに基づいて尿素水の供給制御を行うようにした内燃機関において、これらNOXセンサの故障診断を行うために、車両の点検時に、尿素水供給弁からの尿素水の供給を停止した状態で機関を高負荷高速運転させ、それによりNOX選択還元触媒に吸着しているアンモニアをNOX選択還元触媒から完全に脱離させ、NOX選択還元触媒に吸着しているアンモニアがNOXセンサの出力値に影響を与えることがないようにして、上流側NOXセンサおよび下流側NOXセンサの故障診断を行うようにしたNOXセンサの故障検出方法が公知である(例えば特許文献1を参照)。
ところで、NOXセンサの出力値は排気ガス中のNOX濃度に応じて変化する。この場合、NOXセンサが正常である場合には、排気ガス中にNOXが含まれていないときのNOXセンサの出力値は、基準値、例えば、零となり、排気ガス中のNOX濃度が高くなると、NOXセンサの出力値は排気ガス中のNOX濃度に比例して上昇する。一方、NOXセンサが故障した場合には、排気ガス中にNOXが含まれていないときのNOXセンサの出力値は、基準値に対しオフセットし、例えば、基準値よりも高くなる。従って、NOXセンサの出力値に対して、基準値よりも少し高い適切な値の閾値を予め設定しておけば、排気ガス中にNOXが含まれていないときのNOXセンサの出力値がこの閾値よりも低いときには、NOXセンサが正常であると判別でき、排気ガス中にNOXが含まれていないときのNOXセンサの出力値がこの閾値よりも高いときには、NOXセンサが異常であると判別できることになる。
ところで、機関排気通路内に排気処理触媒が配置されており、排気処理触媒の下流にNOXセンサが配置されている場合において、排気ガス中にNOXが含まれていないときのNOXセンサの出力値に基づき、上述の閾値を用いて、車両走行中に、NOXセンサの故障診断を行う場合には、NOXセンサの故障診断を行うときに、排気ガス中にNOXが含まれないように、燃焼室内への燃料の供給を停止する必要がある。この場合、通常、減速運転中には、燃焼室内への燃料の供給が停止されるので、このときにNOXセンサの故障診断を行うことが考えられる。
ところが、排気処理触媒としてNOX吸着能を有する排気処理触媒を用いた場合には、車両走行中に機関から排出されたNOXが排気処理触媒に吸着し、減速運転が開始されると、排気処理触媒に吸着したNOXが排気処理触媒から脱離する。その結果、減速運転時に燃焼室内への燃料の供給が停止されたとしても、排気ガス中にはNOXが含まれているために、NOXセンサの出力値が上昇し、このときNOXセンサの出力値が上述の閾値を越えると、NOXセンサが実際には異常でないにもかかわらずにNOXセンサが異常であると誤判断してしまうことになる。このように、排気処理触媒にNOXが吸着している場合には、燃焼室内への燃料の供給を停止しているときにNOXセンサの出力値に基づいてNOXセンサの故障診断を行うと、誤診断を行う危険性がある。なお、この場合、排気処理触媒の劣化の度合い、即ち、劣化度が大きいほど、排気処理触媒へのNOXの吸着量が減少し、排気処理触媒から脱離するNOX量も減少することが確かめられている。従って、排気処理触媒の劣化度が大きいほど、燃焼室内への燃料の供給が停止されたときの排気ガス中のNOX濃度は低くなり、その結果、排気処理触媒の劣化度が大きいほど、NOXセンサの出力値が低くなる。従って、NOXセンサの故障を正確に診断するためには、排気処理触媒の劣化度が大きいほど、上述の閾値を低くする必要がある。
そこで、本発明によれば、機関排気通路内に配置されたNOX吸着能を有する排気処理触媒と、排気処理触媒の下流に配置されたNOXセンサとを備え、排気ガス中のNOX濃度が高くなるとNOXセンサの出力値が高くなり、機関燃焼室内の燃料の供給が停止されたときにNOXセンサの出力値が閾値よりも高い場合には、NOXセンサに異常が生じていると判定されるNOXセンサの故障検出方法において、排気処理触媒の劣化度を推定し、劣化度が高いと推定されるほど、閾値を低下させるようにしている。
排気処理触媒の劣化度が高いと推定されるほど、閾値を低下させることによって、NOXセンサの故障を正確に診断することができる。
図1に内燃機関の全体図を示す。図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各気筒に対して夫々設けられた燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5はスロットル弁、6は吸入空気量検出器、7はエアクリーナ、8は排気マニホルドを夫々示す。図1に示される例では、排気マニホルド8は第1の排気処理触媒9の入口に連結され、第1の排気処理触媒9の出口は第2の排気処理触媒10の入口に連結される。これら第1の排気処理触媒9および第2の排気処理触媒10の少なくとも一方は、NOX吸着能を有する触媒からなり、これら排気処理触媒9、10として、例えば、酸化触媒、NOX吸蔵還元型三元触媒又はパティキュレートフィルタが用いられる。この場合、第1の排気処理触媒9を省略し、NOX吸着能を有する第2の排気処理触媒10のみとすることもできる。なお、図1に示される例では、第1の排気処理触媒9は、NOX吸着能を有する酸化触媒からなり、第2の排気処理触媒10はNOX吸着能を有するパティキュレートフィルタからなる。また、図1に示される例では、第2の排気処理触媒、即ち、パティキュレートフィルタ10の下流にNOXセンサ11が配置されており、パティキュレートフィルタ10には、パティキュレートフィルタ10の温度を検出するための温度センサ12が取り付けられている。
電子制御ユニット20はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス21によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具備する。NOXセンサ11、温度センサ12および吸入空気量検出器6の出力信号は、夫々対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。また、アクセルペダル30にはアクセルペダル30の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ31が接続され、負荷センサ31の出力電圧は対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。更に入力ポート25にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ32が接続される。CPU24では、このクランク角センサ32の出力パルスから機関回転数が算出される。一方、出力ポート26は対応する駆動回路28を介して燃料噴射弁3、スロットル弁5の駆動用アクチュエータ(図示せず)等に接続される。
図2は、NOXセンサ11周りを流れるガス中のNOX濃度をパルス状に変化させたときのNOXセンサ11の出力値の変化を示している。なお、詳細な説明は省略するが、NOXセンサ11では、NOXセンサ11周りを流れるガス中のNOX濃度が変化すると電極間を流れる電流値が変化する。この電流値が変化は電圧値の変化として取り出すこともできる。図2におけるNOXセンサ11の出力値は、これら電流値又は電圧値を示している。さて、図2に示されるNOXセンサ11の出力値において、実線はNOXセンサ11が正常であるときのNOXセンサ11の出力値の変化を示している。NOXセンサ11周りを流れるガス中のNOX濃度が零のときには、NOXセンサ11の出力値は、図2において実線で示されるように基準値となる。図2に示される例では、この基準値は零とされている。
NOXセンサ11周りを流れるガス中のNOX濃度が図2に示されるように増大すると、NOXセンサ11の出力値は、図2において実線で示されるように徐々に上昇し、NOXセンサ11周りを流れるガス中のNOX濃度が再び零になると、NOXセンサ11の出力値は、図2において実線で示されるように、徐々に減少して零となる。一方、NOXセンサ11が劣化すると、NOXセンサ11の出力値のゲインが低下し、或いはNOXセンサ11の出力値がオフセットし、或いはNOXセンサ11の出力値が零に張り付き、或いはNOXセンサ11の出力値の応答性が低下する等の種々の変化の形で現れる。図2における破線は、NOXセンサ11が劣化してNOXセンサ11の出力値がオフセットしたときのNOXセンサ11の出力値の変化を示している。
即ち、NOXセンサ11が劣化すると、NOXセンサ11の出力値は、正常時のNOXセンサ11の出力値に対してずれを生じ、図2に示される例では、破線で示されるように、NOXセンサ11が劣化するとNOXセンサ11の出力値は、NOX濃度にかかわらずに上昇する。この場合、NOXセンサ11の出力値が基準値、即ち、零よりも高いときに、NOXセンサ11の出力値が基準値、即ち、零よりも高いのはNOXセンサ11の劣化に起因していると判別できるのは、NOX濃度が零のときだけである。そこで本発明による実施例では、NOX濃度が零のときのNOXセンサ11の出力値からNOXセンサ11が劣化しているか、即ち、NOXセンサ11に異常があるかを判別している。具体的に言うと、NOXセンサ11の製造公差によるNOXセンサ11の出力値の最大変化量、又は、この最大変化量よりも若干大きい値を閾値RX(図2)として予め設定しておき、NOX濃度が零のときのNOXセンサ11の出力値が、図2において実線で示されるように、閾値RXよりも小さいときには、NOXセンサ11が正常であると判別され、NOX濃度が零のときのNOXセンサ11の出力値が、図2において破線で示されるように、閾値RXよりも大きいときには、NOXセンサ11に異常があると判別される。
このように本発明による実施例では、NOX濃度が零のときのNOXセンサ11の出力値からNOXセンサ11の故障診断を行っている。この場合、NOX濃度が零になるのは燃焼室2内への燃料の供給が停止されたときである。一方、減速運転時には、通常、燃焼室2内への燃料の供給が停止される。そこで本発明による実施例では、減速運転時に燃焼室2内への燃料の供給が停止されたときに、NOXセンサ11の故障診断を行っている。次にこのことについて、図3を参照しつつ説明する。なお、図3には、NOXセンサ11が正常であるときのNOXセンサ11の出力値の変化と、減速運転時において燃焼室2内への燃料の供給を停止すべきときにセットされる燃料供給停止フラグの変化が示されている。なお、この燃料供給停止フラグは、例えば、機関回転数が設定回転数よりも高いときに減速運転が開始されたときにセットされ、機関回転数が復帰回転数以下まで低下したときにリセットされ、燃料供給停止フラグがセットされている間、燃料の供給が停止される。
さて、図3において、t0 は、減速運転時において燃焼室2内への燃料の供給が停止されたときを示している。一方、図3において、Δt1 は、燃焼室2内のガスがNOXセンサ11に到達するまでのガス輸送時間を表しており、図3において、Δt2 は、NOXセンサ11の応答時間を示している。従って、図3において、時刻t1 になると、NOXセンサ11周りのガス中のNOX濃度が零となり、従って、NOXセンサ11の出力値が零に向けて低下し始める。一方、図3において、Δt3 は、NOXセンサ11の出力値をなましたり、NOXセンサ11の出力値の平均値を計算したりするのに要する時間であり、本発明による実施例では、この時間Δt3 を経過した時刻t3 において、NOXセンサ11の出力値に基づき、NOXセンサ11の故障診断が行われる。
ところで、本発明による実施例では、NOXセンサ11上流の機関排気通路内には、NOX吸着能を有する酸化触媒9やNOX吸着能を有するパティキュレートフィルタ10が、即ち、NOX吸着能を有する排気処理触媒9、10が配置されている。このように機関排気通路内にNOX吸着能を有する排気処理触媒9、10が配置されていると、機関運転時には、排気ガス中に含まれるNOXが排気処理触媒9、10に吸着される。一方、このように排気処理触媒9、10上にNOXが吸着しているときに、減速運転が行われて燃焼室2内への燃料の供給が停止されると、排気処理触媒9、10に吸着されているNOXが、排気処理触媒9、10から脱離し、脱離したNOXを含むガスがNOXセンサ11の周りに送り込まれる。その結果、燃焼室2からはNOXが排出されていないにもかかわらず、NOXセンサ11周りのNOX濃度が増大することになる。
この場合、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が多いほど、排気処理触媒9、10から脱離するNOX吸着量も多くなる。従って、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が多いほど、NOXセンサ11周りのNOX濃度が増大することになる。図4は、減速運転時において燃焼室2内への燃料の供給が停止されたときのNOXセンサ11の出力値の変化(実線はNOXセンサ正常時、破線はNOXセンサ異常時)を示している。なお、図4において、(A)は、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が多いときを示しており、(B)は、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が、(A)のときに比べれば少ないときを示しており、(C)は、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が零のときを示している。
図4から、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が多いほど、NOXセンサ11の故障診断が行われる時刻t3 におけるNOXセンサ11の出力値が高くなることがわかる。従って、図4からわかるように、閾値RXが、図2に示される閾値RXに固定されていると、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が増大したときに、NOXセンサ11の出力値と閾値RXから、NOXセンサ11の異常を正確に検出することができなくなる。
ところで、排気処理触媒9、10の劣化の度合いが進行すると、それにつれて排気処理触媒9、10のNOX吸着能力が次第に低下し、それにより排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が次第に少なくなる。次に、このことについて、図5Aから図5Cを参照しつつ説明する。さて、通常運転時には、排気処理触媒9、10の劣化の度合いはほとんど進行せず、排気処理触媒9、10の劣化の度合いが進行するのは、排気処理触媒10、即ち、パティキュレートフィルタ10の再生制御が行われたときである。即ち、パティキュレートフィルタ10を再生するときには、パティキュレートフィルタ10上に堆積したパティキュレートを燃焼除去するために、パティキュレートフィルタ10の温度が500℃ 以上に保持され、このとき排気処理触媒9、10の劣化の度合いが進行する。パティキュレートフィルタ10を再生するためにパティキュレートフィルタ10の温度が500℃ 以上に保持される時間を再生時間と称すると、排気処理触媒9、10は、再生時におけるパティキュレートフィルタ10の温度が高いほど、排気処理触媒9、10の劣化の度合いが進行し、再生時間が長いほど、排気処理触媒9、10の劣化の度合いが進行する。
図5Aは、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量と、排気処理触媒10、即ち、パティキュレートフィルタ10の再生時間の積算値である積算再生時間trとの関係を示している。なお、図5Aにおいて、積算再生時間trが零のときは排気処理触媒9、10が全く劣化していないとき、即ち、排気処理触媒9、10が新品であるときを示している。一方、図5Aにおいて、黒丸は実測値を示しており、破線は黒丸を通る直線を示している。また、図5Aにおいて、破線Xは,パティキュレートフィルタ10の再生時にパティキュレートフィルタ10の温度が750℃ に保持された場合を示しており、破線Yは,パティキュレートフィルタ10の再生時にパティキュレートフィルタ10の温度が650℃ に保持された場合を示している。従って、図5Aから、再生時におけるパティキュレートフィルタ10の温度が高いほど、積算再生時間trの増大につれて排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が急速に低下することがわかる。
一方、図5Aにおいて、tmax (650℃) は、パティキュレートフィルタ10の再生時にパティキュレートフィルタ10の温度が650℃ に保持された場合において、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が零になったときの積算再生時間trを示しており、図5Aにおいて、tmax (750℃) は、パティキュレートフィルタ10の再生時にパティキュレートフィルタ10の温度が750℃ に保持された場合において、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が零になったときの積算再生時間trを示している。なお、上述したように、排気処理触媒9、10の劣化の度合いが進行するにつれて排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が少なくなる。この場合、排気処理触媒9、10が劣化すると排気処理触媒9、10へのNOX吸着量は零となる。従って、図5Aにおいて、tmax (650℃) およびtmax (650℃) は夫々、排気処理触媒9、10が劣化するまでの積算再生時間trを表していると言える。
図5Bは、排気処理触媒9、10が劣化するまでの積算再生時間tmax と、再生時におけるパティキュレートフィルタ10の再生温度との関係を示している。図5Bからわかるように、排気処理触媒9、10が劣化するまでの積算再生時間tmax は、パティキュレートフィルタ10の再生温度が高くなるほど短くなる。一方、排気処理触媒9、10の劣化の度合いは、積算再生時間trに比例して進行し、従って、排気処理触媒9、10の劣化の度合い、即ち、排気処理触媒9、10の劣化度は、積算再生時間trを、排気処理触媒9、10が劣化するまでの積算再生時間tmax でもって除算した値(tr/tmax)で表すことができる。この場合、排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)が大きくなるほど、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量は減少する。図5Cは、この排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)と、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量との関係を示している。
ところで、排気処理触媒9、10の種類および容量が定まると、排気処理触媒9、10が新品のときの排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が定まる。一方、パティキュレートフィルタ10の再生温度が決定されると、それに応じて、排気処理触媒9、10が劣化するまでの積算再生時間tmax が定まる。その結果、図5Cにおける排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)と、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量との関係が定まることになる。本発明による実施例では、定まったこれらの関係に基づいて、NOXセンサ11の出力値と閾値RXから、NOXセンサ11の異常を正確に検出することができるように、閾値RXが決定される。
図6は、このようにして決定された排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)と閾値RXとの関係を示しており、図7は、図6に示される閾値RXが用いられた場合を示している。なお、図6において、閾値RX0は、排気処理触媒9、10が新品のときのNOX吸着量排気処理触媒9、10へのNOX吸着量に基づいて、計算により、或いは、実験により求められた初期値である。また、図4の(A)、(B)、(C)と同様に、図7において、(A)は、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が多いときを示しており、(B)は、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が、(A)のときに比べれば少ないときを示しており、(C)は、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が零のときを示している。
本発明による実施例では、図6に示されるように、積算再生時間trから排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)が推定され、推定された排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)に基づいて、図6に示される関係から、閾値RXが算出される。従って、排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)が高いと推定されるほど、閾値RXが低下せしめられる。このときの閾値RXは、図7の(A)、(B)、(C)に示されるように、排気処理触媒9、10へのNOX吸着量が高くても、NOXセンサ11の故障診断が行われる時刻t3 における正常時のNOXセンサ11の出力値よりも少し高い値とされ、従って、NOXセンサ11の出力値と閾値RXから、NOXセンサ11の異常を正確に検出することができることになる。
図8は、NOXセンサ11の故障検出方法を説明するためのタイムチャートを示している。なお、図8には、排気処理触媒10、即ち、パティキュレートフィルタ10の再生処理のタイミングと、排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)の変化と、故障診断条件が成立したタイミングと、閾値RXの変化が示されている。図8に示されるように、パティキュレートフィルタ10の再生処理が行われる毎に、排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)が増大する。一方、減速運転が行われて燃焼室2内への燃料の供給が停止され、かつ温度センサ12により検出された排気処理触媒10、即ちパティキュレートフィルタ10の温度が活性化温度以上のときに、故障診断条件が成立したと判別される。図8からわかるように、このように故障診断条件が成立したと判別されるのは、パティキュレートフィルタ10の再生処理が行われていないときである。故障診断条件が成立すると、前回故障診断条件が成立したと判別されたときに比べて排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)が増大しているときには、閾値RXが減少せしめられる。
図9はNOXセンサ11の故障診断ルーチンを示している。このルーチンは一定時間Δtz毎の割り込みによって実行される。図9を参照すると、まず初めにステップ40において、パティキュレートフィルタ10の再生処理中であるか否かが判別される。パティキュレートフィルタ10の再生処理中である場合には、ステップ41に進んで積算再生時間trに割り込み時間Δtzが加算される。次いで処理サイクルを終了する。これに対し、パティキュレートフィルタ10の再生処理中でない場合には、ステップ42に進んで、故障診断条件が成立したか否かが判別される。上述したように、減速運転が行われて燃焼室2内への燃料の供給が停止され、かつ温度センサ12により検出された排気処理触媒10、即ちパティキュレートフィルタ10の温度が活性化温度以上のときに、故障診断条件が成立したと判別される。
故障診断条件が成立していないと判別されたときには処理サイクルを終了する。これに対し、故障診断条件が成立したと判別されたときには、ステップ43に進んで、NOXセンサ11の故障診断が完了したか否かが判別される。NOXセンサ11の故障診断が既に完了しているときには、処理サイクルを終了する。これに対して、NOXセンサ11の故障診断が完了していないときには、ステップ44に進んで、図3に示される一定時間(Δt1+ Δt2+ Δt3)が経過したか否かが判別される。一定時間(Δt1+ Δt2+ Δt3)が経過していないときには、処理サイクルを終了する。これに対し、一定時間(Δt1+ Δt2+ Δt3)が経過したときにはステップ45に進む。
ステップ45では、排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)が算出される。次いで、ステップ46では、この排気処理触媒9、10の劣化度(tr/tmax)に基づいて、図6に示される関係を用いて、閾値RXが算出される。次いで、ステップ47では、NOXセンサ11の出力値が閾値RXよりも低いか否かが判別される。NOXセンサ11の出力値が閾値RXよりも低いときにはステップ48に進んで、NOXセンサ11が正常であると判別される。次いで処理サイクルを終了する。これに対し、NOXセンサ11の出力値が閾値RXよりも低くないときにはステップ49に進んで、NOXセンサ11が異常であると判別される。次いで処理サイクルを終了する。
1 機関本体
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
4 吸気マニホルド
8 排気マニホルド
9 第1の排気処理触媒
10 第2の排気処理触媒
11 NOXセンサ
12 温度センサ
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
4 吸気マニホルド
8 排気マニホルド
9 第1の排気処理触媒
10 第2の排気処理触媒
11 NOXセンサ
12 温度センサ
Claims (1)
- 機関排気通路内に配置されたNOX吸着能を有する排気処理触媒と、該排気処理触媒の下流に配置されたNOXセンサとを備え、排気ガス中のNOX濃度が高くなるとNOXセンサの出力値が高くなり、機関燃焼室内の燃料の供給が停止されたときにNOXセンサの出力値が閾値よりも高い場合には、NOXセンサに異常が生じていると判定されるNOXセンサの故障検出方法において、該排気処理触媒の劣化度を推定し、劣化度が高いと推定されるほど、該閾値が低下せしめられるNOXセンサの故障検出方法。
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