JP2020002311A - 官能基化ポリオレフィン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ポリオレフィンの適用範囲を広げるために、両末端二重結合を有するポリレフィンの両末端を、無水マレイン酸以外の官能基としてエポキシ基に変換した、新規な末端官能基化ポリオレフィン及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】下記一般式(1)E(R1)−(CH2−CH(R2))n−CH2−(R3)E (1)(式中、Eはエポキシ基、nは20〜1000の整数、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、H、−CH3、−C2H5、−C3H7及び−CH2CH(CH3)2からなる群から選択される。)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン。【選択図】なし

Description

本発明は、両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン及び両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの製造方法に関するものである。
ポリプロピレン等のポリオレフィンは、耐油性、耐薬品性に優れ、環境負荷も低減できるといった優れた特性を有している。このようなポリオレフィンの特性を利用して、種々の用途への適用が検討されている。
しかしながら、ポリオレフィンは非極性の高分子であり、かつ官能基を導くことが困難であることから、極性物質との相互作用が乏しく、極性基を有する高分子との混合が困難であることから、適用範囲が限定され、例えば、塗装性、接着性が得られないという問題点や十分な機械的強度が得られないという問題点を有する。そこで、ポリオレフィンの適用範囲を広げるために、ポリオレフィンに極性基や官能基を導入する手法が試みられている。
極性基や官能基を導入したポリオレフィン、すなわち、極性基や官能基を有するポリオレフィン誘導体として、本発明者らは、ポリオレフィンの精密熱分解により得られる両末端二重結合含有ポリオレフィンを出発原料とする、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを提案している(特許文献1)。
特許文献1の無水マレイン酸変性ポリオレフィンでは、ミクロ相分離構造を有している。ミクロ相分離構造を有している上記ポリオレフィンをベース樹脂とする成形品は、一般に、柔軟性と強靭性とを兼ね備えているので、例えば、電気電子材料を包含する分野で使用できることを提案した。
一方で、特許文献1の無水マレイン酸変性ポリオレフィンでは、電気電子材料を包含する分野以外では、ポリオレフィンを好適には使用することができないことがある。従って、ポリオレフィンの適用範囲を他の分野にも広げるために、無水マレイン酸以外の他の官能基が導入されたポリオレフィンが要求されている。
特開2002−161141号公報
上記事情に鑑み、本発明は、ポリオレフィンの適用範囲を広げるために、両末端二重結合を有するポリレフィンの両末端を、無水マレイン酸以外の官能基としてエポキシ基に変換した、新規な末端官能基化ポリオレフィン及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は以下の通りである。
[1]下記一般式(1)
E(R)−(CH−CH(R))−CH−(R)E (1)
(式中、Eはエポキシ基、nは20〜1000の整数、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン。
[2]前記R、R、Rが、−CHである[1]に記載の両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン。
[3]下記一般式(2)
CH=C(R)−(CH−CH(R))−CH−C(R)=CH(2)
(式中、nは20〜1000の整数、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。)で表される両末端二重結合を有するポリオレフィンに有機溶媒を添加してポリオレフィンの分散体を得る工程と、
前記ポリオレフィンの分散体に、過酸を添加する工程と、
を含む、下記一般式(1)
E(R)−(CH−CH(R))−CH−(R)E (1)
(式中、Eはエポキシ基、nは20〜1000の整数、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの製造方法。
[4]前記有機溶媒が、芳香族系有機溶媒である[3]に記載の製造方法。
[5]前記過酸を、カルボン酸に酸化剤を添加して調製し、前記カルボン酸が、ギ酸及び酢酸からなる群から選択される[3]または[4]に記載の製造方法。
[6]前記酸化剤が、過酸化水素である[5]に記載の製造方法。
本発明によれば、両末端にエポキシ基を有する新規なポリオレフィンを提供することができる。両末端のエポキシ基が反応性に富むことから、種々のポリマー組成物の改質および機能性ポリマー組成物の製造原料として使用することができる。
特に、ポリオレフィンの両末端に導入されたエポキシ基の機能により、例えば、塗装性や接着性に優れた組成物(すなわち、塗料や接着剤)の原料成分として使用することが期待できる。
(両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン)
本発明に係る両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンは上記一般式(1)の構造を有する。
一般式(1)中、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。すなわち、ポリオレフィン鎖を構成するポリオレフィンには、ポリエチレン(R、R、Rが、すべてH)、ポリプロピレン(R、R、Rが、すべて−CH)、ポリ1−ブテン(R、R、Rが、すべて−C)、エチレン・プロピレン共重合体(R、R、Rが、Hまたは−CH)、エチレン・1−ブテン共重合体(R、R、Rが、Hまたは−C)、プロピレン・1−ブテン共重合体(R、R、Rが、−CHまたは−C)、ポリ4−メチル−1−ペンテン(R、R、Rが、すべて−CHCH(CH)であるもの等が含まれる。このうち、ポリエチレン(R、R、Rが、すべてH)、ポリプロピレン(R、R、Rが、すべて−CH)が好ましく、ポリプロピレン(R、R、Rが、すべて−CH)が特に好ましい。なお、共重合体の構造は、特に限定されず、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
一般式(1)中、nはポリオレフィン鎖の構成成分であるモノマー単位の繰返し数であり、nは20〜1000の整数である。好ましくは、nは30〜500の整数である。
一般式(1)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの数平均分子量Mnは、1000〜50000が好ましく、2000〜30000が特に好ましい。また、一般式(1)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの重量平均分子量Mwは、1000〜1000000が好ましく、2000〜500000が特に好ましい。
一般式(1)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンでは、両末端のエポキシ基が反応性に富むことから、耐油性、耐薬品性に優れ、環境負荷も低減しつつ、種々のポリマー組成物の改質および機能性ポリマー組成物の製造原料として使用することができる。
特に、ポリオレフィンの両末端に導入されたエポキシ基の機能により、例えば、塗装性や接着性に優れた組成物(すなわち、塗料や接着剤)の原料成分として使用することが期待できる。
(両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの製造方法)
本発明に係る両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンは、上記一般式(2)で表される両末端二重結合を有するポリオレフィンに分散媒として有機溶剤を添加して、ポリオレフィンの分散体を得、その後、カルボン酸と酸化剤とを添加することにより製造できる。
上記一般式(2)で表される両末端二重結合を有するポリオレフィンは、本発明者らが開発した精密熱分解(Macromolecules,28,7973(1995)参照。)によるポリオレフィンの熱分解生成物として得られる。
ポリオレフィンとして、ポリプロピレンを例に説明すると、精密熱分解法によって得られるポリプロピレンの熱分解生成物は、数平均分子量Mnが1000〜1000000、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.0〜5.0、熱分解生成物1分子当たりの二重結合の平均数が1.3〜1.8程度である。精密熱分解法によって得られるポリプロピレンの熱分解生成物は、分解前の原料ポリプロピレンの立体規則性を保持しているという特性を有している。分解前の原料ポリプロピレンの数平均分子量Mnは、50000〜10000000の範囲内、好ましくは200000〜1000000の範囲内である。
熱分解装置は特に限定されないが、回分式もしくは連続式装置が挙げられる。回分式装置の一例としては、Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition, 21, 703(1983)に開示された装置を用いることができる。パイレックス(登録商標)ガラス製熱分解装置の反応容器内に原料ポリプロピレンを入れて、減圧下、溶融ポリマー相を窒素ガスで激しくバブリングし、揮発性生成物を抜き出すことにより、2次反応を抑制しながら、所定温度で所定時間、熱分解反応させる。熱分解反応終了後、反応容器中の残存物を熱キシレンに溶解し、熱時濾過後、アルコールで再沈殿させて精製する。再沈物を濾過回収して、真空乾燥することにより両末端二重結合を有するポリプロピレン(テレケリックポリプロピレン)が得られる。
熱分解条件は、分解前の原料ポリプロピレンの分子量から両末端二重結合を有するポリプロピレンの分子量を予測し、予め実施した実験の結果を勘案して調整する。熱分解温度は300〜450℃の範囲が好ましい。300℃より低い温度ではポリプロピレンの熱分解反応が充分に進行しない恐れがあり、450℃より高い温度ではテレケリックポリプロピレンの劣化が進行する恐れがある。
上記のようにして得られた両末端二重結合を有するポリオレフィンに有機溶媒を添加して、両末端二重結合を有するポリオレフィンが有機溶媒に溶解した、ポリオレフィンの分散体を得る。ポリオレフィンの分散体の状態としては、溶液でもスラリー状でもよいが、有機溶剤の除去等を容易化して製造工程を簡略化する点から、スラリー状が好ましい。有機溶媒の添加量や温度を適宜調整することで、ポリオレフィンの分散体をスラリー状とすることができる。
有機溶剤としては、特に限定されないが、芳香族系有機溶媒が好ましい。芳香族系有機溶媒としては、芳香族炭化水素系の有機溶剤が挙げられ、具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらのうち、トルエンが好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の使用量としては、特に限定されないが、両末端二重結合を有するポリオレフィン100質量部に対して、100質量部〜1000質量部が好ましく、200質量部〜600質量部が特に好ましい。
次に、上記のようにして得られた両末端二重結合を有するポリオレフィンの分散体を加熱した状態で、過酸を添加する。ポリオレフィンの分散体の加熱温度は、例えば、40℃〜80℃を挙げることができる。過酸は過酸そのものを添加してもよく、カルボン酸と酸化剤をそれぞれ添加してもよい。加熱されているポリオレフィンの分散体に過酸を添加後、所定時間(例えば、1〜10時間)撹拌して、ポリオレフィンを酸化処理する。
一般式(2)で表される精密熱分解法によって得られた両末端二重結合を有するポリオレフィンに過酸を添加することにより、前記両末端二重結合を有するポリオレフィンが酸化される。前記両末端二重結合を有するポリオレフィンが酸化されることにより、両末端の二重結合がエポキシ基に変換されて、一般式(1)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンが製造される。
過酸に用いるカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸類を挙げることができる。モノカルボン酸類としては、例えば、下記一般式(3)
−COOH (3)
(式中、Rは、H、CH、C、C、CR 、C 及びC からなる群から選択され、Rは、H、F、Cl及びBrからなる群から選択され、且つ少なくとも1つのRはF、ClまたはBrである。)で表されるモノカルボン酸やハロゲン化されたモノカルボン酸が挙げられる。
これらのうち、モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸が好ましく、ハロゲン化されたモノカルボン酸としては、クロロ酢酸、フルオロ酢酸が好ましい。このうち、カルボン酸として、ギ酸、酢酸が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸の使用量としては、特に限定されないが、カルボン酸のカルボキシル基のmol数は、両末端二重結合を有するポリオレフィンの末端二重結合のmol数よりも多いことが好ましい。具体的には、例えば、両末端二重結合を有するポリオレフィン1.0molに対して、カルボン酸のカルボキシル基が3.0〜200mol添加されることが好ましく、5.0〜100mol添加されることがより好ましく、10〜50mol添加されることが特に好ましい。
過酸の調製方法は特に限定されないが、例えば、カルボン酸を空気や酸素等の酸素を含有する雰囲気下で加圧して調製する方法や、カルボン酸に酸化剤を加えて調製する方法などが挙げられる。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸、過硫酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、臭素酸、臭素酸塩、過酸化水素等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、過酸化水素が特に好ましい。過酸化水素は、過酸化水素水溶液の態様で使用することができる。
酸化剤の使用量としては、特に限定されないが、酸化剤のmol数は、両末端二重結合を有するポリオレフィンの末端二重結合のmol数よりも多いことが好ましい。具体的には、例えば、両末端二重結合を有するポリオレフィン1.0molに対して、酸化剤が3.0〜100mol添加されることが好ましく、4.0〜50mol添加されることがより好ましく、5.0〜25mol添加されることが特に好ましい。
また、カルボン酸と酸化剤の添加割合は、特に限定されないが、カルボン酸のカルボキシル基1.0molに対して、酸化剤が0.10〜1.0mol添加されるのが好ましく、0.30〜0.70添加されるのが特に好ましい。
酸化処理終了後、生成物をろ過等により回収後、過剰量のアルコール(例えば、メタノール)で精製し、沈殿をろ過等により回収して乾燥することで、両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンを精製された状態で得ることができる。
本発明の製造方法では、反応系に水分が含まれてもよく、製造工程において厳密に水分を除去する必要がないので、簡便である。また、本発明の製造方法では、使用する試薬は入手しやすく、また安価であり、さらに、1段階の反応工程で両末端の二重結合をエポキシ基に変換できるため、コスト面においても優れている。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を超えない限り、本発明は、実施例に限定されるものではない。
イソタクチックポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、Mn=16万、Mw/Mn=6.0)を精密熱分解法によるポリオレフィンの熱分解をすることにより、両末端二重結合を有するポリプロピレン(テレケリックポリプロピレン)を得た。得られた両末端二重結合を有するポリプロピレンは、ペレット状であり、数平均分子量Mnは27000、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.1、熱分解生成物1分子当たりの二重結合の平均数が1.8であった。
得られた両末端二重結合を有する粉末状のポリプロピレン100g(3.7mmol)を2Lのガラスフラスコに入れ、トルエン450mLを添加してスラリー状態とした。スラリー状のポリプロピレンの分散体に、20mLのギ酸(ギ酸:133mmol)と30質量%過酸化水素水溶液を80mL(過酸化水素:75mmol)添加して5時間撹拌した。反応終了後、沈殿をメタノールで洗浄して生成物(両末端にエポキシ基を有するポリプロピレン)Aを得た。
得られた生成物Aは、1H−NMRスペクトルから、両末端の二重結合がエポキシ基に変換された、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンであることを確認した。
上記のようにして得られた両末端二重結合を有する粉末状のポリプロピレン100g(3.7mmol)を2Lのガラスフラスコに入れ、トルエン450mLを添加してスラリー状態とした。スラリー状態のポリプロピレン分散体に、20mLのギ酸と30質量%過酸化水素水溶液80mLを添加して60℃で5時間撹拌した。反応終了後、沈殿をメタノールで洗浄して生成物(両末端にエポキシ基を有するポリプロピレン)Bを得た。
得られた生成物Bは1H−NMRスペクトルから、両末端の二重結合がエポキシ基に変換された、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンであることを確認した。
上記のようにして得られた両末端二重結合を有する粉末状のポリプロピレン100g(3.7mmol)を2Lのガラスフラスコに入れ、トルエン450mLを添加してスラリー状態とした。スラリー状態のポリプロピレン分散体に、20mLの酢酸と30質量%過酸化水素水溶液80mLを添加して80℃で5時間撹拌した。反応終了後、沈殿をメタノールで洗浄して生成物(両末端にエポキシ基を有するポリプロピレン)Cを得た。
得られた生成物Cは1H−NMRスペクトルから、両末端の二重結合がエポキシ基に変換された、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンであることを確認した。
上記のようにして得られた両末端二重結合を有する粉末状のポリプロピレン100g(3.7mmol)を2Lのガラスフラスコに入れ、トルエン450mLを添加してスラリー状態とした。スラリー状態のポリプロピレン分散体に、20mLのトリフルオロ酢酸と30質量%過酸化水素水溶液80mLを添加して60℃で5時間撹拌した。反応終了後、沈殿をメタノールで洗浄して生成物(両末端にエポキシ基を有するポリプロピレン)Dを得た。
得られた生成物Dは1H−NMRスペクトルから、両末端の二重結合がエポキシ基に変換された、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンであることを確認した。
上記のようにして得られた両末端二重結合を有する粉末状のポリプロピレン100g(3.7mmol)を2Lのガラスフラスコに入れ、トルエン450mLを添加してスラリー状態とした。スラリー状態のポリプロピレン分散体に、20mLのトリフルオロ酢酸と30質量%過酸化水素水溶液80mLを添加して5時間撹拌した。反応終了後、沈殿をメタノールで洗浄して生成物(両末端にエポキシ基を有するポリプロピレン)Eを得た。
得られた生成物Eは1H−NMRスペクトルから、両末端の二重結合がエポキシ基に変換された、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンであることを確認した。
上記のようにして得られた両末端二重結合を有する粉末状のポリプロピレン100g(3.7mmol)を2Lのガラスフラスコに入れ、トルエン450mLを添加してスラリー状態とした。スラリー状態のポリプロピレン分散体に、100gのm−クロロ過安息香酸と80mLの純水を添加して5時間撹拌した。反応終了後、沈殿をメタノールで洗浄して生成物(両末端にエポキシ基を有するポリプロピレン)Fを得た。
得られた生成物Fは1H−NMRスペクトルから、両末端の二重結合がエポキシ基に変換された、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンであることを確認した。
本発明は、ポリオレフィンの両末端に、反応性に富むエポキシ基が導入され、このエポキシ基の機能により、従来のポリオレフィンとは異なる適用範囲、例えば、塗装性や接着性に優れた組成物(すなわち、塗料や接着剤)の原料成分として適用することが期待できる。例えば、両末端にハロゲン原子を導入して原子移動ラジカル重合の開始剤として利用することが可能である。また、水酸基を利用してポリオレフィンと異素材との相溶性を改善することも可能である。異素材としては一般的な充填剤であるタルク、ガラス繊維の他、ポリエステルやポリカーボネートなどの樹脂、炭素繊維やセルロースナノファイバーといった次世代型素材が挙げられる。さらに金属やガラスとの接合にも有効である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    E(R)−(CH−CH(R))−CH−(R)E (1)
    (式中、Eはエポキシ基、nは20〜1000の整数、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン。
  2. 前記R、R、Rが、−CHである請求項1に記載の両末端にエポキシ基を有するポリオレフィン。
  3. 下記一般式(2)
    CH=C(R)−(CH−CH(R))−CH−C(R)=CH(2)
    (式中、nは20〜1000の整数、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。)で表される両末端二重結合を有するポリオレフィンに有機溶媒を添加してポリオレフィンの分散体を得る工程と、
    前記ポリオレフィンの分散体に、過酸を添加する工程と、
    を含む、下記一般式(1)
    E(R)−(CH−CH(R))−CH−(R)E (1)
    (式中、Eはエポキシ基、nは20〜1000の整数、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、−CH、−C、−C及び−CHCH(CHからなる群から選択される。)で表される両末端にエポキシ基を有するポリオレフィンの製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、芳香族系有機溶媒である請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記過酸を、カルボン酸に酸化剤を添加して調製し、前記カルボン酸が、ギ酸及び酢酸からなる群から選択される請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 前記酸化剤が、過酸化水素である請求項5に記載の製造方法。
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