JP2011042733A - 含酸素ポリオレフィンの製造方法及びそれにより得られるカルボニル基含有ポリオレフィン - Google Patents

含酸素ポリオレフィンの製造方法及びそれにより得られるカルボニル基含有ポリオレフィン Download PDF

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Abstract

【課題】工業的規模の高分子合成にも応用可能な、オゾン酸化による含酸素ポリオレフィンの製造方法を提供する。
【解決手段】分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、実質的に酸素を含まないオゾンとを、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応させることを特徴とする、含酸素ポリオレフィンの製造方法。特に、前記ポリオレフィンが、下記一般式(1)で表される両末端ビニリデン基含有ポリオレフィンである前記製造方法。
【化1】

(式中、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択され、nは10〜1000の整数である。)
【選択図】図1

Description

本発明は、含酸素ポリオレフィンの製造方法及びそれにより得られるカルボニル基含有ポリオレフィンに関する。
ポリオレフィン系樹脂は一般に生産性がよく、各種成形性にも優れ、しかも軽量で防錆、かつ耐衝撃性がある等といった多くの利点があるため、自動車や船舶等の内装や外装、および家電や家具、雑貨、建築の材料等として広範囲に使用されている。
近年、ポリオレフィン系樹脂のさらなる物性向上を目的として、ポリオレフィンブロックと、異種のモノマーからなる重合体ブロックとを有する共重合体の合成が試みられている。例えば、特許文献1には、両末端に酸無水物基を有するポリオレフィンと、両末端に水酸基を有するアルキレンジオールとを共重合してなるマルチブロック共重合体が開示されている。また、特許文献2には、ポリオレフィンを主鎖とし、両末端がマレイン化されたマレイン化オリゴオレフィンと、両末端がヒドロキシル化されたポリエチレンテレフタレートオリゴマーとを共重合させたマルチブロック共重合体が開示されている。これらの文献から明らかなとおり、このような共重合体を得るには、ポリオレフィンに対し、何らかの官能基を導入することが不可欠である。
ところで、二重結合を有する種々の基質に対して含酸素官能基を導入する方法として、オゾン酸化が有用であることは周知の通りである(例えば、非特許文献1及び2参照)。
しかしながら、従来のオゾン酸化では、中間生成物であるオゾニドの不安定性やオゾン自体の爆発性に起因する安全性の低さが問題であった。また、種々の副反応に起因する収率の低下により、工業的規模の高分子合成において用いられることはほとんど無かった。さらに、従来のオゾン酸化では、ジクロロメタンなどのハロゲン系不燃性溶媒を用いて低温を維持する必要があり、環境に対して高負荷であるという問題もあった。
このような欠点により、オゾン酸化は、専ら、半導体洗浄や食品洗浄(殺菌)、水の浄化などの分野に適用されるにとどまり(例えば、特許文献3〜5参照)、高分子合成分野に適用されることはほとんど無かった。
特開2006−131838号公報 特許第4250504号公報 特開2008−201992号公報 特開2008−055354号公報 特開2004−344866号公報
Angew. Chem. Int. Ed,. 1975, 14, 745. Eur. J. Org. Chem. 1998, 1625.
そこで、本発明は、工業的規模の高分子合成にも応用可能な、オゾン酸化による含酸素ポリオレフィンの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、実質的に酸素を含まないオゾンとを、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応させることにより、安全且つ高収率に含酸素ポリオレフィンが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の[1]〜[4]に関する。
[1]分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、実質的に酸素を含まないオゾンとを、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応させることを特徴とする、含酸素ポリオレフィンの製造方法。
[2]前記ポリオレフィンが、下記一般式(1)で表されるポリオレフィンである前記[1]記載の製造方法。
(式中、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択され、nは10〜1000の整数である。)
[3]前記一般式(1)で表されるポリオレフィンを得る工程として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ4−メチル−1−ペンテンからなる群から選択される一種又は二種以上のポリオレフィンを溶融させ、減圧下、不活性ガスをバブリングしつつ熱分解する工程を有することを特徴とする、前記[2]記載の製造方法。
[4][2]又は[3]に記載の製造方法により得られ、下記一般式(2)で表されるカルボニル基含有ポリオレフィン。
(式中、各Xは、それぞれ独立に−C(O)R又は−COOHであり、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択され、nは10〜1000の整数である。)
本発明に係る製造方法により、オゾンを用いて含酸素ポリオレフィンを安全に、且つ高収率で得ることが出来る。
図1は、iPP−TVD(Mn:1000)及びそのオゾン酸化生成物(ケトン基含有ポリプロピレン、iPP−O)のIRスペクトルを示す。 図2は、iPP−TVD(Mn:5000)及びそのオゾン酸化生成物(ケトン基含有ポリプロピレン、iPP−O)のIRスペクトルを示す。
含酸素ポリオレフィンの製造方法
本発明に係る製造方法は、分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、実質的に酸素を含まないオゾンとを、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応させることを特徴とする。
本発明に係る製造方法において、分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンを構成するモノマー、その重合度、数平均分子量については特に制限されず、従来公知の種々のポリオレフィンを使用することが出来る。
分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンとしては、例えば、下記一般式(1)で表されるポリオレフィンを用いることが好ましい。
(式中、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択され、nは10〜1000の整数である。)
上記一般式(1)で表されるポリオレフィンは、本発明者らが開発した高度制御熱分解(Macromolecules, 28, 7973(1995)参照。)によるポリオレフィンの熱分解生成物として得られる。
ポリプロピレン(Rがすべて−CHの場合)を例に説明すると、高度制御熱分解法によって得られるポリプロピレンの熱分解生成物は、数平均分子量Mnが1000〜50000程度、分散度Mw/Mnが2程度、1分子当たりのビニリデン基の平均数が1.5〜1.9の範囲であり、分解前の原料ポリプロピレンの立体規則性を保持しているという特性を有している。分解前の原料のポリオレフィンの重量平均分子量は、好ましくは1万〜100万の範囲内、さらに好ましくは20万〜80万の範囲内である。
熱分解装置としては、Journal of PolymerScience:Polymer Chemistry Edition, 21, 703(1983)に開示された装置を用いることができる。パイレックス(R)ガラス製熱分解装置の反応容器内にポリプロピレンを入れて、減圧下、溶融ポリマー相を窒素ガスで激しくバブリングし、揮発性生成物を抜き出すことにより、2次反応を抑制しながら、所定温度で所定時間、熱分解反応させる。熱分解反応終了後、反応容器中の残存物を熱キシレンに溶解し、熱時濾過後、アルコールで再沈殿させ精製する。再沈物を濾過回収して、真空乾燥することにより両末端ビニリデン基含有ポリプロピレンが得られる。
熱分解条件は、分解前のポリプロピレンの分子量と最終目的物のブロック共重合体の1次構造から生成物の分子量を予測し、予め実施した実験の結果を勘案して調整する。熱分解温度は300℃〜450℃の範囲が好ましい。300℃より低い温度では、ポリプロピレンの熱分解反応が充分に進行しない恐れがあり、450℃より高い温度では、熱分解生成物の劣化が進行する恐れがある。
熱分解するポリマーとしては、上記の方法と同様な方法で、ポリエチレン、ポリ1−ブテン(Rがすべて−C)、エチレン・プロピレン共重合体(RがH又は−CH)、エチレン・1−ブテン共重合体(RがH又は−C)、プロピレン・1−ブテン共重合体(Rが、−CH又は−C)、ポリ4−メチル−1−ペンテン(Rがすべて−CHCH(CH)、又はこれらの混合物を用いることができる。なお、エチレン・プロピレン共重合体等の共重合体は、ランダムおよびブロックのいずれでも良い。
この様にして得られた両末端二重結合含有ポリオレフィンの重合度(n)としては、通常10〜1000の整数である。また、数平均分子量Mnは1000〜50000、重量平均分子量は1000〜100万程度である。
本発明においては、上記分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、実質的に酸素を含まないオゾンとを液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応させる。
本発明者らの知見によって、実質的に酸素を含まないオゾンを用いることにより、オゾン酸化の際に生じる種々の副反応を抑制し、安全に反応を行うことが出来ると共に、含酸素ポリオレフィンを高収率で合成出来ることが明らかになった。また、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応を行うことにより、二酸化炭素の不燃性及びラジカルケージ効果を利用して、反応過程で生じるラジカル種による種々の副反応の抑制が可能であり、ひいては安全性の確保を期待できる。また、従来のオゾン酸化方法においては、不燃性溶媒として塩化メチレン等の環境高負荷の溶媒を用いる必要があったが、本発明においては液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を用いるので、環境に対する負荷も低減することが出来る。
実質的に酸素を含まないオゾンを得る方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることが可能である。具体的には、通常公知のオゾン発生器により発生させたガスをシリカゲルに曝すことで、オゾンを選択的に吸着したシリカゲルを得ることが出来る。より具体的には、酸素を原料として、オゾン発生器によりオゾン/酸素混合ガスを得、当該混合ガスを低温のシリカゲルに曝すことにより、オゾンを選択的に吸着したシリカゲルが得られる。この際、シリカゲルの温度としては、経済性及びオゾンの吸着性の観点から、−80〜−40℃の範囲に冷却することが好ましい。
このようにして得られたシリカゲルを吸着させたオゾンは、高純度オゾン(実質的に酸素を含まないオゾン)の供給源として直接オゾン酸化反応に使用することが出来る。例えば、オートクレーブ(加圧容器)に、原料としての分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、オゾンを吸着したシリカゲルとを仕込んだ後、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を導入する。さらに、反応系を所定温度、所定圧力に保持しつつ、所定時間反応を行う。反応系の温度としては、特に制限はないが、オゾンの熱分解の観点から、−30〜30℃が好ましい。反応系の圧力としては、特に制限はないが、反応温度を勘案して1〜20MPaに保持することが好ましい。これにより、オゾンが二酸化炭素により反応系内に放出されると共に、ポリオレフィンの二重結合に反応してオゾニドが生成する。さらに、生成したオゾニドを酸や熱によって分解することで、カルボニル基を有するポリオレフィンを得ることが出来る。また、シリカゲルを吸着させたオゾンに、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を通すことにより、予めオゾンの二酸化炭素溶液を調製し、当該溶液内でオゾン酸化反応を行うことも可能である。
生成物の定性的若しくは定量的な分析は、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、質量分析又はこれらの組み合わせた方法、NMR、IR、UV−VIS等の分光学的方法等により行うことが出来る。また生成物の分子量特性についてはGPC法で測定可能であり、ミクロ構造についてはNMRやIR分光学的方法が適用可能である。
カルボニル基含有ポリオレフィン
本発明に係るカルボニル基含有ポリオレフィンは、上記の製造方法によって得られ、下記一般式(2)で表されるポリオレフィンである。
一般式(2)において、繰り返し単位数nに関しては特に制限がないが、通常10〜1000の整数である。
各Xは、−COOH又は−C(O)Rであり、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択される。すなわち、ポリオレフィン鎖を構成するポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン(Rがすべて−CH)、ポリ1−ブテン(Rがすべて−C)、エチレン・プロピレン共重合体(RがH又は−CH)、エチレン・1−ブテン共重合体(RがH又は−C)、プロピレン・1−ブテン共重合体(Rが、−CH又は−C)又はオリゴ4−メチル−1−ペンテン(Rがすべて−CHCH(CH)であるもの等が含まれる。なお、エチレン・プロピレン共重合体等の共重合体は、ランダムおよびブロックの両方を含む。
本発明に係るカルボニル基含有ポリオレフィンは、両末端にカルボニル基を有することから、カルボニル基の官能基変換を経由して、アミノ基等の種々の官能基を有するポリオレフィンの合成を可能とする。また、これらの官能性基を有するポリオレフィンは、機能性ポリオレフィンの製造原料(高分子の改質剤)等として使用することが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各実施例において分子量は、GPC分析装置(HLC−8121GPC/HT(東ソー(株)製))で測定した。その際、THFを移動相として測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。また、NMRはFT−NMR:JNM−GX400(日本電子(株)製)を使用した。
(参考例):両末端ビニリデン基含有ポリプロピレン(iPP−TVD)の合成
熱分解装置として試料量最大5kgのラボスケール高度制御熱分解装置を使用した。市販のイソタクチックポリプロピレン(ノバテックPP(日本ポリプロピレン株式会社製)、グレード:EA9A、メルトフローインデックス(MFR):0.5g/10min)2.0kgを反応器に仕込み、系内を窒素置換後、2mmHgに減圧して、反応器を200℃に加熱して溶融した。その後、390℃に設定されたメタルバスに反応器を沈め、熱分解を行った。熱分解中は、系内を2mmHg程度の減圧状態に保ち、溶融ポリマーを導入されたキャピラリーから排出される窒素ガスのバブリングによって攪拌した。3.0時間経過後、反応器をメタルバスからあげ、室温まで冷却した後、反応系を常圧にし、反応器内の残渣を熱キシレンにて溶解した後、メタノールに滴下して再沈殿精製した。得られたポリマーは収率77%、数平均分子量(Mn)が5000、分散度(Mw/Mn)が1.7、一分子当たり末端二重結合の平均数(fTVD)が1.78であった。
また、熱分解条件を変えることにより、数平均分子量(Mn)が1500、分散度(Mw/Mn)が1.0、一分子当たりの末端二重結合の平均数(fTVD)が1.8のiPP−TVDを合成した。
(実施例):両末端ビニリデン基含有ポリプロピレン(iPP−TVD)のオゾン酸化
オゾン発生器として、EcoDesign DE−OG−R4を使用し、酸素を0.2MPa、1L/minで流入させることにより、53.9g/mのO/O混合ガスを調製した。
次に、O/O混合ガスを、−60℃に冷却したシリカゲルに10分間通し、オゾンをシリカゲルに収着させた。
50mlのステンレス製オートクレーブに、iPP−TVD(Mn:1500)を入れ、先のオゾン吸着シリカゲルから液化二酸化炭素により抽出したオゾン溶液を加えたのち、6.4MPa、20℃で30分間撹拌した。その後常圧まで減圧し気体成分を除去したのち、新たな液化二酸化炭素を加え、140℃に加熱し超臨界状態として10MPa、15分間加熱撹拌をした。
得られたポリマーは、収率98%、数平均分子量(Mn)が1600、分散度(Mw/Mn)が1.0であった。
また、同様の条件で、iPP−TVD(Mn:5000)をオゾン酸化した。
図1に、iPP−TVD(Mn:1000)及びそのオゾン酸化生成物(ケトン基含有ポリプロピレン、iPP−O)のIRスペクトルを示す。また、図2に、iPP−TVD(Mn:5000)及びそのオゾン酸化生成物(ケトン基含有ポリプロピレン、iPP−O)のIRスペクトルを示す。
図1及び図2より、iPP−Oでは、新たにカルボニル基に基づく吸収が観測されていることが分かる。
また、iPP−Oの1H−NMRを測定したところ、iPP−TVDでは観測された末端ビニリデン結合に基づくプロトンのシグナルが観測されなかった。
これらの事実から、iPP−TVDの末端ビニリデン基がケトン基に変換され、ケトン基含有ポリプロピレンが生成したことが分かる。
本発明に係る製造方法は、オゾンを用いて含酸素ポリオレフィンを安全に、且つ高収率で得ることが出来るので、工業的規模の高分子合成に応用することが可能である。

Claims (4)

  1. 分子鎖両末端に二重結合を有するポリオレフィンと、実質的に酸素を含まないオゾンとを、液化二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素中で反応させることを特徴とする、含酸素ポリオレフィンの製造方法。
  2. 前記ポリオレフィンが、下記一般式(1)で表されるポリオレフィンである請求項1に記載の製造方法。
    (式中、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択され、nは10〜1000の整数である。)
  3. 前記一般式(1)で表されるポリオレフィンを得る工程として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ4−メチル−1−ペンテンからなる群から選択される一種又は二種以上のポリオレフィンを溶融させ、減圧下、不活性ガスをバブリングしつつ熱分解する工程を有することを特徴とする、請求項2記載の製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の製造方法により得られ、下記一般式(2)で表されるカルボニル基含有ポリオレフィン。
    (式中、各Xは、それぞれ独立に−C(O)R又は−COOHであり、各Rは、H、−CH、−C、および−CHCH(CHからなる群から独立に選択され、nは10〜1000の整数である。)
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