JP2019537616A - Cdk7を阻害するのに有用な化合物 - Google Patents

Cdk7を阻害するのに有用な化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規のCDK7阻害剤およびその薬学的組成物:またはその薬学的に許容される塩を提供する。

Description

本発明は、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)を阻害するのに有用な化合物、薬学的組成物、およびCDK7活性に関連する疾患を治療するための方法に関する。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、主要なクラスのキナーゼであり、がん細胞の増殖および調節されていない発癌性転写において重要である。CDK7は、サイクリンHおよびMATIに結合して、細胞周期制御に関与する他のCDKをリン酸化することによってその機能を果たす三量体サイクリン活性化キナーゼ(CAK)を形成する。この複合体は、細胞周期における2つの後続する相間の特異的な移行を制御する。CDK7は、細胞周期の一時的制御と転写活性の両方に関係している。CDK7は、RNAポリメラーゼII(RNAPII)のRbp1サブユニットのリン酸化による転写開始プロセスに関与している。制御されていない細胞増殖および調節されていない転写は癌の特徴である。CDK7の選択的な標的化は、活発な転写および細胞周期進行を同時に阻害することによって利点を提供し得る。したがって、CDK7は、癌、特に攻撃的で治療困難な癌の治療のための有望な標的である。
CDK7に対する低分子阻害剤が文献に報告されている(例えば、WO2015/154022、WO2016/142855、WO2016/160617、WO2016/193939、およびWO2017/044858を参照)。癌などの細胞増殖性疾患の治療に使用することができるCDK7阻害剤を提供する必要性が依然としてある。さらに、他のCDKと比べてCDK7に対して選択的であるCDK7阻害剤を提供する必要性がある。
本発明は、選択的CDK7阻害剤である新規化合物を提供する。そのような新規の化合物は、癌、特に転写が調節されていない癌の強力で効果的な治療の必要性に応えることができる。本発明はまた、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、および/または神経膠腫の強力で効果的な治療の必要性に応えることができる。
本発明は、式:
またはその薬学的に許容される塩を提供する。特に好ましいのはベシル酸塩である。ヘミエジシル酸塩水和物も好ましい。
本発明はまた、癌、特に転写が調節されていない癌を治療するための方法を提供する。好ましくは、癌は、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫である。より好ましくは、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である。最も好ましくは、癌は、乳癌である。
本発明はまた、患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、患者からの生物学的試料においてARID1A、KMT2C、KMT2Dおよび/またはRB1遺伝子に少なくとも1つの機能喪失変異が存在することを試験することと、試料がARID1A、KMT2C、KMT2Dおよび/またはRB1遺伝子のいずれかにおいて少なくとも1つの機能喪失変異について陽性であると試験された場合に、患者に治療有効量の、本発明の化合物または塩、特に[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩を投与することと、を含む、方法を提供する。好ましくは、塩は、ベシル酸塩またはヘミエジシル酸塩水和物である。より好ましくは、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である。最も好ましくは、癌は、乳癌である。好ましくは、生物学的試料は、腫瘍試料であり、試料は、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる。好ましくは、試料は、化合物またはその塩、好ましくは[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩を患者に最初に投与する前に患者から得られる。好ましくは、塩は、ベシル酸塩またはヘミエジシル酸塩水和物である。好ましくは、遺伝子は、ARID1A遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、KMT2C遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、KMT2D遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、RB1遺伝子である。
本発明はまた、患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、患者からの生物学的試料がARID1A、KMT2C、KMT2Dおよび/またはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異を含有するという条件で、患者に治療有効量の、本発明の化合物または塩、特に[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、塩は、ベシル酸塩またはヘミエジシル酸塩水和物である。より好ましくは、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である。最も好ましくは、癌は、乳癌である。好ましくは、生物学的試料は、腫瘍試料であり、試料は、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる。好ましくは、試料は、化合物またはその塩、好ましくは[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩を患者に最初に投与する前に患者から得られる。好ましくは、塩は、ベシル酸塩またはヘミエジシル酸塩水和物である。好ましくは、遺伝子は、ARID1A遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、KMT2C遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、KMT2D遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、RB1遺伝子である。
本発明はまた、患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、患者からの生物学的試料がARID1A、KMT2C、KMT2Dおよび/またはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異について陽性であると試験される患者が、治療のために選択されるという条件で、患者に治療有効量の、本発明の化合物または塩、特に[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。好ましくは、塩は、ベシル酸塩またはヘミエジシル酸塩水和物である。より好ましくは、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌からなる群から選択される。最も好ましくは、癌は、乳癌である。好ましくは、生物学的試料は、腫瘍試料であり、試料は、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる。好ましくは、試料は、化合物またはその塩、好ましくは[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩を患者に最初に投与する前に患者から得られる。好ましくは、塩は、ベシル酸塩またはヘミエジシル酸塩水和物である。好ましくは、遺伝子は、ARID1A遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、KMT2C遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、KMT2D遺伝子である。好ましくは、遺伝子は、RB1遺伝子である。
本発明はまた、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて含む、薬学的組成物を提供する。さらなる実施形態では、組成物は、1つ以上の他の治療薬をさらに含む。さらなる実施形態では、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて含む、癌を治療するための薬学的組成物を提供する。またさらなる実施形態では、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて含む、転写が調節されていない癌を治療するための薬学的組成物を提供する。該実施形態では、癌は、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫である。
好ましい実施形態では、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である。より好ましい実施形態では、癌は、乳癌である。
さらに、本発明は、患者からの生物学的試料を使用してインビトロアッセイを行うことと、ARID1A、KMT2C、KMT2DおよびRB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異の存在を決定することと、遺伝子のいずれかに少なくとも1つの不活性化変異が存在する場合に、患者に治療有効量の化合物またはその塩を投与することと、もまた含む、癌の治療における使用のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。該実施形態では、癌は、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫である。好ましくは、生物学的試料は、腫瘍試料であり、試料は、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる。好ましくは、化合物またはその塩は、約1mg〜2gの用量で患者に投与される。好ましくは、試料は、化合物またはその塩を患者に最初に投与する前に、患者から得られる。好ましくは、ARID1A遺伝子に不活性化変異を有する患者が選択される。好ましくは、KMT2C遺伝子に不活性化変異を有する患者が選択される。好ましくは、KMT2D遺伝子に不活性化変異を有する患者が選択される。好ましくは、RB1遺伝子に不活性化変異を有する患者が選択される。
さらに、本発明は、治療に使用するための、特に転写が調節されていない癌を治療するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、転写が調節されていない癌を治療するための薬剤の製造のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。該実施形態では、癌は、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫である。好ましい実施形態では、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌から選択される。より好ましい実施形態では、癌は、乳癌である。
またさらなる実施形態では、本発明は、治療に使用するための、特に癌を治療するための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、癌を治療するための薬剤の製造のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。該実施形態では、癌は、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫である。好ましい実施形態では、癌は、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である。より好ましい実施形態では、癌は、乳癌である。さらに、本発明は、患者からの生物学的試料を使用してインビトロアッセイを行うことと、ARID1A、KMT2C、KMT2DおよびRB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異の存在を決定することと、遺伝子のいずれかに少なくとも1つの不活性化変異が存在する場合に、患者に治療有効量の化合物またはその塩を投与することと、もまた含む、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫の治療のための薬剤の製造を提供する。好ましくは、生物学的試料は、腫瘍試料であり、試料は、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる。好ましくは、化合物またはその塩は、約1mg〜2gの用量で患者に投与される。好ましくは、試料は、化合物またはその塩を患者に最初に投与する前に、患者から得られる。好ましくは、ARID1A遺伝子に少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される。好ましくは、KMT2C遺伝子に少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される。好ましくは、KMT2D遺伝子に少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される。好ましくは、RB1遺伝子に少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される。
本発明は、結晶性の塩の形態である、本発明の化合物の[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートを提供する。本発明はまた、結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物を提供する。本発明はまた、CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、21.5°、16.7°、および15.2°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた18.5°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶形態の[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物を提供する。本発明はまた、結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩を提供する。本発明はまた、CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、12.4°、17.3°、および15.8°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた21.5°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶形態の[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩を提供する。本発明はまた、結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩を提供する。本発明はまた、CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、5.5°、15.5°、および9.7°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた18.9°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶形態の[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩を提供する。
本発明はまた、本発明の化合物の合成に有用な中間体およびプロセスを包含する。
本明細書で使用する「治療する」(または「治療する」または「治療」)という用語は、既存の症状、状態または障害の進行または重症度を抑制、減速、停止または逆転させることを指す。
本明細書で使用される場合、「癌」および「癌性」という用語は、典型的には未制御細胞増殖を特徴とする患者における生理学的状態を指すか、または記載する。この定義には、良性および悪性の癌が含まれる。「早期癌」または「早期腫瘍」は、進行癌もしくは転移癌ではないか、またはステージ0、I、もしくはII癌として分類される癌を意味する。癌の例としては、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、反応して薬学的に許容される塩を形成することができる。薬学的に許容される塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は当該技術分野において周知である(例えば、P. Stahl, et al.Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, 2nd Revised Edition (Wiley−VCH, 2011); S.M. Berge, et al., “Pharmaceutical Salts,” Journal of Pharmaceutical Sciences, Vol. 66, No.1, January 1977を参照)。
当業者には、(I)に示される本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩が、下記の*によって表される通り、1つのキラル中心を含有するコアを含むことが理解されるであろう。
本発明は、全ての個々のエナンチオマー、ならびにラセミ体を含む該化合物のエナンチオマーの混合物を企図するが、本発明の好ましい化合物は下記の(II)によって表される。
で表されるものまたはその薬学的に許容される塩である。
当業者であれば、全てのキラル中心のカーン−インゴルド−プレローグ順位則(R)または(S)指定は、特定の化合物の置換パターンに依存して変化することも理解するであろう。単一のエナンチオマーは、キラル試薬で開始するか、または立体選択的もしくは立体特異的合成技術によって調製されてもよい。あるいは、単一のエナンチオマーは、本発明の化合物の合成における任意の都合のよい時点で、標準的なキラルクロマトグラフィーまたは結晶化技術によって混合物から単離されてもよい。本発明の化合物の単一のエナンチオマーは、本発明の好ましい実施形態である。
本発明の化合物は、好ましくは、様々な経路によって投与される薬学的組成物として製剤化される。そのような薬学的組成物およびそれを調製するためのプロセスは当該技術分野において周知である(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (A. Gennaro, et al., eds., 21st ed., Mack Publishing Co., 2005)を参照)。より特に好ましくは、以下の式の化合物、
またはその薬学的に許容される塩および1つ以上の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む薬学的組成物である。
本発明の好ましい実施形態は、
またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の特に好ましい実施形態は、化合物、(3S)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル4−{[5−メチル−3−(プロパン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート:
またはその薬学的に許容される塩に関する。ヘミエジシル酸塩水和物またはベシル酸塩が特に好ましい。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、化合物、(3S)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル4−{[5−メチル−3−(プロパン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート:
本発明のさらなる特に好ましい実施形態は、化合物、(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル4−{[5−メチル−3−(プロパン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート(下記の(III)によって示される):
またはその薬学的に許容される塩に関する。ヘミエジシル酸塩水和物またはベシル酸塩が特に好ましい。
本発明の別の特に好ましい実施形態は、化合物、(3R)−1−[(2E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル4−{[5−メチル−3−(プロパン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシレート:
本発明の化合物は、概して、幅広い用量範囲にわたって有効である。例えば、1日当たりの投与量は、約1mg〜約2gの範囲内に入る。いくつかの例では、上記範囲の下限を下回る投与量レベルは十分すぎるかもしれないが、他の場合には、より大きな用量が好ましい利益/リスクプロファイルを維持しながら使用され得るので、上記投与量範囲は、本発明の範囲を決して限定するものではない。実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物または複数の化合物、個々の患者の年齢、体重、および応答、ならびに患者の症状の重症度を含む、関連する状況に照らして、医師によって決定されることが理解されるであろう。
個々の異性体およびエナンチオマーは、選択的結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって、本発明の化合物の合成における任意の好都合な時点において、当業者により分離または分割され得る(例えば、J.Jacques, et al., ”Enantiomers, Racemates, and Resolutions”, John Wiley and Sons, Inc., 1981、およびE.L. Eliel and S.H. Wilen,” Stereochemistry of Organic Compounds”, Wiley−Interscience, 1994を参照)。
さらに、本明細書に記載の特定の中間体は、1つ以上の保護基を含有し得る。可変保護基は、各出現において、特定の反応条件および実施する特定の変換に応じて、同じでも異なっていてもよい。保護および脱保護の条件は、当業者に周知であり、文献に記載されている(例えば、“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”, Fourth Edition, by Peter G.M. Wuts and Theodora W. Greene, John Wiley and Sons, Inc.2007を参照)。
特定の略語は、以下の通りに定義される:「H NMR」はH核磁気共鳴を指し、「eq」は当量を指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「DCM」はジクロロメタンを指し、「MeCN」または「ACN」はアセトニトリルを指し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し、「MTBE」はメチルtert−ブチルエーテルを指し、「TEA」はトリエチルアミンを指し、「HATU」は、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−18−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシド−ヘキサフルオロホスフェートを指し、「MeOH」はメタノールを指し、「TLC」は薄層クロマトグラフィーを指し、「UV」は紫外線を指し、「LCカラム」は液体クロマトグラフィーカラムを指し、「DMEA」はジメチルエチルアミンを指し、「EtOAc」は、酢酸エチルを指し、「DMF」はジメチルホルムアミドを指し、「SCX」は強い陽イオン交換を指し、「ca.」は約またはおよそを指し、「RBF」は丸底フラスコを指し、「ATP」はアデノシン三リン酸を指し、「DTT」はジチオトレイトールを指し、「HEPES」は(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)を指し、「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を指し、「ATCC」はアメリカンタイプカルチャーコレクションを指し、「RT」は室温を指し、「PBS」はリン酸緩衝食塩水を指し、「BSA」はウシ血清アルブミンを指し、「FBS」はウシ胎児血清を指し、「RNAase」はリボヌクレアーゼを指し、「cDNA」は相補的DNAを指し、「GST」はグルタチオンS−トランスフェラーゼを指し、「His」はヒスチジンを指し、「GSH」はグルタチオンを指し、「HBSS」はハンクス平衡塩溶液を指す。
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、当該技術分野において既知の様々な手順、ならびに以下の調製物および実施例によって調製されてもよい。記載される経路の各々についての特定の合成ステップは、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を調製するために、異なる様式で、または他のスキームからのステップと併せて、組み合わせてもよい。以下のスキームにおける各々のステップの産物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、ろ過、磨砕、および結晶化を含む、当該技術分野で周知の従来の方法によって回収することできる。試薬および出発物質は、当業者にとって容易に入手可能である。
以下の調製物および実施例は、本発明をさらに例示し、本発明の化合物の典型的な合成を表す。
調製物および実施例
調製1
3−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオールの合成
ナトリウムエトキシド(979g、14.4モル、3.0当量)およびマロン酸ジエチル(998g、6.23モル、3.0当量)を23℃で、4−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−アミン(600g、4.79モル)をエタノール(4.2L)に溶かした溶液に添加し、混合物を80℃(内部温度)に15時間加熱する。混合物を25℃に冷却し、1MのHCl水溶液(2.0L)(最終pH=2.0)を添加し、ろ過し、固体を水(2.0L)で洗浄し、乾燥させて、3−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオール(600g、65%)を白色固体として得る。ES/MS m/z194(M+H)。
調製2
5,7−ジクロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
MeCN(1.25L)中の3−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオール(500g、2.58モル)の懸濁液に、POCl(2.00L、25.8モル、10当量)およびN、N−ジメチルアニリン(162mL、2.58モル、1.0当量)を50℃で添加し、混合物を100℃に36時間加熱する。23℃に冷却し、1:1の氷/リン酸緩衝液(1M、pH=8、10L)に滴下し、15時間撹拌する。ろ過し、固体を水(5.0L)で洗浄し、乾燥させて、5,7−ジクロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(375g、63%)を褐色固体として得る。ES/MS m/z(35Cl/37Cl)230/232(M+H)。H NMR(d−DMSO)δ1.32(d,6H),3.19(dq,1H),7.58(s,1H),8.31(s,1H)。
5,7−ジクロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの代替の合成
エタノール(17.9mL、47.9mmol)中の21%ナトリウムエトキシドを、エタノール(150mL)に4−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−アミン(5g、39.9mmol)およびマロン酸ジエチル(6.74mL、43.9mmol)を溶かした溶液に添加し、室温で撹拌する。5分後、90℃に加熱し、撹拌する。18時間後、室温に冷却し、減圧下で濃縮する。残渣を水に溶解し、1N塩酸を添加して、pH=3にする。白い沈殿物をろ過し、減圧下、50℃で18時間乾燥させる。得られた固体、3−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオール(4.92g、25.5mmol、0.638)をオキシ塩化リン(48mL)に懸濁し、N、N−ジメチルアニリン(2.3mL)を添加する。混合物を110℃で還流する。2時間後、室温に冷却し、減圧下で濃縮する。残渣を氷/水溶液に注ぎ、DCMで抽出する(2回)。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。ろ過し、減圧下で濃縮して、残渣を得る。ヘキサン:酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により残渣を精製して、5,7−ジクロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(4.45g、19.3mmol)を褐色固体として得る。MS(m/z):230,232(M+1)。H NMR(400.21MHz,DMSO):8.31(s,1H),7.58(s,1H),3.19(m,1H),1.32(d,J=7.0Hz,6H)。
調製3
tert−ブチル4−[(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
N、N−ジイソプロピルエチルアミン(189mL、140g、1080mmol、2当量)および4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(114g、570mmol、1.05当量)を、2−プロパノール(1.0L)中の5,7−ジクロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(130g、542mmol)の懸濁液に23℃で添加し、混合物を18時間撹拌し、ろ過し、固体をMTBE(200mL)で洗浄し、乾燥させて、tert−ブチル4−[(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(182g、収率85%)を黄色固体として得る。ES/MS m/z(35Cl/37Cl)394/396(M+H)。H NMR(d−DMSO)δ1.28(d,6H),1.42(s,9H),1.61(m,2H),1.83(m,2H),2.87(m,1H),3.10(dq,1H),3.32(m,1H),3.85(m,1H),3.98(m,2H),6.34(s,1H),8.01(s,1H),8.07(d,1H)。
調製4
tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
N、N−ジイソプロピルエチルアミン(69.1mL、51.2g、396mmol、1当量)、4−ジメチルアミノピリジン(4.84g、39.6mmol、0.1当量)、およびジ−tert−ブチルジカーボネート(200mL、190g、871mmol、2.2当量)を、THF(936mL)にtert−ブチル4−[(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(156g、396mmol)を溶かした溶液に23℃で添加し、混合物を50℃(内部温度)で21時間加熱する。23℃に冷却し、真空中で濃縮して、tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(195g、99%)をオレンジ色の固体として得る。ES/MS m/z(35Cl/37Cl)438/440(M+H−56)。H NMR(d−DMSO)δ1.20(s,9H),1.31(d,6H),1.35(s,9H),1.46(m,2H),1.88(m,2H),2.75(m,1H),3.19(dq,1H),3.32(m,1H),3.95(m,1H),4.18(m,2H),7.20(s,1H),8.19(s,1H)。
tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの代替の合成
エタノール(32mL)に5,7−ジクロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(3.1g、13mmol)を溶かした溶液に、4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.8g、14mmol)を添加する。80℃で加熱する。18時間後、室温に冷却し、減圧下で濃縮する。酢酸エチル:DCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により残渣を精製して、tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートを白色固体として得る。質量スペクトル(m/e):394,396(M+1)tert−ブチル4−[(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(940mg、2.386mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(290mg、2.33mmol)をTHF(7mL)に溶かした溶液に、tert−ブトキシカルボニルtert−ブチルカーボネート(1.14g、5.22mmol)を添加する。混合物を60℃で加熱する。30分後、室温に冷却し、減圧下で濃縮する。DCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により残渣を精製して、tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(1.1g)を黄色がかった油状物として得る。質量スペクトル(m/z):438(M−t−Bu)。H NMR(400.13MHz,d−DMSO):8.19(s,1H),7.20(s,1H),5.76(s,1H),4.17(m,1H),3.95(m,2H),3.19(m,1H),1.87(m,2H),1.47(m,2H),1.35(s,9H),1−31(d,6H),1.19(s,9H)。
調製5
tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(190g、385mmol)を1,4−ジオキサン(1.5L)に溶かした溶液に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)DCM付加物(15.7g、19.3mmol、0.05当量)、三塩基性リン酸カリウム(245g、1160mmol、3当量)、および2,4,6−トリメチル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリボリナン(THF中50質量%、75.3mL、67.6g、270mmol、0.7当量)を90℃(内部温度)で添加する。5日後、23℃に冷却し、珪藻土のパッドを通してろ過し、固体をTHF(3x250mL)で洗浄する。合わせたろ液を23℃でSiliaMetS(登録商標)チオール樹脂(40〜63μm;充填量=1.46mmol/g;320g、467mmol)で処理し、65℃に18時間加熱する。23℃に冷却し、ろ過し、樹脂をDCM(2x250mL)で洗浄する。合わせたろ液を真空中で濃縮し、残渣をMTBE(1mL)に溶解し、水(200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、真空中で濃縮して、tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(182g、100%)を褐色固体として得る。ES/MS m/z474(M+H)。
調製6
3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン二塩酸塩の合成
2−プロパノール中の塩酸(5.50mol/L、349mL、1920mmol、5当量)を、2−プロパノール(1.4L)中のtert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(182g、384mmol)の懸濁液に23℃で添加し、混合物を70℃(内部温度)に3時間加熱する。23℃に冷却し、ろ過し、固体をMTBE(2×200mL)で洗浄し、乾燥させて、3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン二塩酸塩(95g、収率71%)を黄色固体として得る。母液を合わせ、MTBE(2L)で希釈し、ろ過し、固体をMTBE(2×50mL)で洗浄し、乾燥させて、追加の物質(8.42g、収率15%)を得る。ES/MS m/z274(M+H)。H NMR(d−DMSO)δ1.28(d,6H),2.04(m,4H),2.61(s,3H),3.00(m,2H),3.40(m,3H),4.16(m,2H),6.68(s,1H),8.30(s,1H),8.80(m,1H),9.21(m,1H),9.86(m,1H)。
3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン二塩酸塩の代替の合成
7−クロロ−3−イソプロピル−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(2.1kg、10.0mol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.18L、2.4当量)をイソプロパノール(16.8L、8mL/g)に溶解する。4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.6kg、1.3当量)を反応混合物に加え、75〜80℃に16時間加熱する。反応混合物を5〜10℃に冷却し、イソプロパノール(17.5L、7.0当量)中の4M塩酸溶液を添加する。40〜45℃に4時間加熱する。25〜30℃に冷却し、混合物をろ過して、表題化合物(2.25kg、収率72.7%)を得る。物質を、さらに精製することなく次の工程に使用した。H NMR(500MHz,DO)δ8.16(s,1H),6.45(s,1H),4.29−4.26(m,1H),3.63(d,J=15.0Hz,2H),3.26−3.12(m,3H),2.64(s,3H),2.40(d,J=15.0Hz,2H),2.08(dd,J=10.0,25.0Hz,2H),1.31(d,J=5.0Hz,6H)。
遊離塩基としての3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミンの代替の合成
tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(5−クロロ−3−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(689mg、1.39mmol)、2,4,6−トリメチル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリボリナン(350mg、2.79mmol)および三塩基性リン酸カリウム(1.2g、5.5mmol)の混合物に、1,4−ジオキサン(15mL)を添加する。5分間、溶液にNを泡立てる。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)DCM付加物(60mg、0.072mmol)を添加する。110℃で加熱する。1.5時間後、さらに[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(60mg、0.072mmol)を添加し、100℃で加熱する。18時間後、室温に冷却し、混合物をフィルターセルのパッドを通してろ過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で濃縮する。酢酸エチルおよびDCMで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により残渣を精製して、tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(537mg、1.077mmol)を橙色油状物として得る。質量スペクトル(m/z):474(M+1)。
tert−ブチル4−[tert−ブトキシカルボニル−(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(537mg、1.077mmol)をDCM(12mL)に溶かした溶液に、トリフルオロ酢酸(2.5mL、33mmol)を滴下する。室温で撹拌する。2時間後、混合物を減圧下で濃縮する。10%DCM:MeOH、次いでMeOH(2N NH)で溶出するSCX−2カートリッジにより残渣を精製する。塩基性画分を減圧下で濃縮して、3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(345mg、1.199mmol)を褐色がかった固体として得る。質量スペクトル(m/z):274(M+1)。H NMR(400.13MHz,DMSO):7.82(s,1H),7.23(d,1H),6.08(s,1H),3.58(m,1H),3.12(m,1H),2.97(m,2H),2.58(m,2H),2.39(s,3H),2.10(m,2H),1.28(d,6H)。
調製7
[(3S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
tert−ブチル(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(76.5g、409mmol)をTHF(765mL)に溶かした溶液に、ホスゲン(トルエン中20質量%、348mL、485g、981mmol、2.4当量)を添加し、32%NHOH水溶液を含有するスクラバートラップボトルに接続された3首RBFに23℃で1時間入れる。30分間、混合物を通してNを泡立て、真空中で濃縮する。残渣をDCM(757mL)に溶解し、0℃(内部温度)に冷却し、あらかじめトリエチルアミン(228mL、166g、1639mmol、6当量)で処理された、DCM(756.8mL)中の3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン二塩酸塩(94.6g、273.2mmol)の懸濁液を添加する(7分かけてゆっくり添加する)。添加後に冷却浴を除去し、30分後に35%HCl水溶液(20mL)および1M HCl水溶液(300mL)で反応をクエンチする(最終pH=7)。有機層を分離し、水(300mL)および飽和NaCl水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮する。残渣(約180g)をDCM(1.5L)に溶解し、23℃でSiliaMetS(登録商標)チオール樹脂(40〜63μm;充填量=1.46mmol/g;10g、14.6mmol、Pd含有量に基づいて140当量)を添加し、次いで混合物を40℃に2時間加熱する。ろ過し、樹脂をDCM(2×10mL)で洗浄し、合わせたろ液を真空中で濃縮して、[(3S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(129g、97%)を黄色固体として得る。ES/MS m/z487(M+H)。H NMR(d−DMSO)δ1.28(d,6H),1.40(s,9H),1.65(m,2H),1.88(m,2H),1.96(m,1H),2.07(m,1H),2.46(s,3H),2.90(m,2H),3.31(m,5H),3.89(m,1H),4.02(m,2H),5.10(m,1H),6.32(s,1H),8.01(s,1H)。
[(3S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの代替の合成
tert−ブチル(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(438g、1.3当量)を、15〜30℃でACN(4.4L、10.0mL/g)に溶解する。トリエチルアミン(595mL、4.5当量)、続いてクロロぎ酸4−ニトロフェニル(490g、1.4当量)を15〜30℃で添加する。35〜40℃に加熱し、混合物を4時間撹拌する。15〜25℃に冷却し、3−イソプロピル−5−メチル−N−(ピペリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(500g、1.8mol)を添加する。15〜30℃で5時間撹拌する。減圧下で濃縮する。2−メチルテトラヒドロフラン(4.4L、10.0mL/g)を添加し、撹拌し、ろ過する。ろ液を、2M NaOH(1.1L、2.5mL/g、4回)および飽和NaCl水溶液(4.4L、10.0mL/g)で順次洗浄する。NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。イソプロピルアルコール(2.2L、5mL/g)を添加して、表題化合物(660g、収率75.4%)の溶液を得る。
調製8
[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
2−プロパノール中の塩酸(5.50mol/L、217mL、1190mmol、5当量)を、2−プロパノール(755mL)中の[(3S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(116g、239mmol)の懸濁液に23℃で添加し、混合物を70℃に90分間加熱する。23℃に冷却し、真空中で濃縮する。残渣をDCM(1.5L)中に懸濁し、1M NaOH水溶液(400mL)および50%NaOH水溶液(100mL)を添加する。15分間撹拌する。有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮する。残渣(約131g)を、MTBE/ヘキサン(2:1、900mL)中に懸濁し、混合物を18時間撹拌する。ろ過し、ろ過した固体をヘキサン(2×100mL)で洗浄し、乾燥させて、[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(82.7g、収率90%)を黄色固体として得る。ES/MS m/z387(M+H)。H NMR(d−DMSO)δ1.28(d,6H),1.60(m,3H),1.88(m,3H),2.40(s,3H),2.75(m,2H),2.91(m,4H),3.13(dq,1H),3.78(m,1H),4.02(m,2H),5.10(m,1H),6.14(s,1H),7.41(d,1H),7.87(s,1H)。
[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの代替の合成
(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−イル4−((3−イソプロピル−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ)ピペリジン−1−カルボキシレート(819g)を含有するイソプロピルアルコール溶液に、イソプロピルアルコール(8.4L、5.0mL/g)中の5.5M塩酸を20〜30℃で添加する。反応混合物を50〜60℃に5時間加熱する。30〜35℃に冷却し、MTBE(8.2L、10mL/g)を添加し、1時間撹拌する。ろ過し、湿ったケーキを0〜5℃で水酸化ナトリウム水溶液(3.0当量)に添加し、30分間撹拌する。2−メチルテトラヒドロフラン(8.2L、10.0mL/g)を添加し、撹拌する。有機相を抽出し、飽和NaCl水溶液で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で1〜2容量に濃縮する。MTBE(2.46L、3mL/g)を添加し、3時間撹拌する。ろ過により、表題化合物(550g)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.82(s,1H),6.12(d,J=8.1Hz,1H),5.78(s,1H),5.27−5.13(m,1H),4.26−4.01(m,2H),3.74−3.59(m,1H),3.36−3.23(m,1H),3.14−2.98(m,5H),2.90(ddd,J=11.1,8.4,5.4Hz,1H),2.52(s,3H),2.18−2.00(m,3H),1.87(dd,J=12.6,6.4Hz,1H),1.76(s,1H),1.66−1.52(m,2H),1.34(d,J=6.9Hz,6H)。
[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの代替の合成。
tert−ブチル(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(500mg、2.67mmol)およびTEA(0.37mL、2.6mmol)をTHF(13mL)に溶かした冷(0℃)溶液に、ホスゲン(1.14mL、トルエン中20質量%、3.20mmol)を添加する。冷浴を除去し、混合物を室温で撹拌する。30分後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCM(11mL)に溶解する。この溶液を、3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(C、365mg、100質量%、0.365g)およびTEA(0.3mL)をDCM(11mL)に溶かした溶液に添加する。混合物を室温で撹拌する。10分後、飽和NaHCO水溶液を添加し、さらにDCMで抽出する。有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残渣を得る。DCM:MeOHで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により残渣を精製して、[(3S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(671mg)を黄色がかった油状物として得る。質量スペクトル(m/z):487(M+1)。
[(3S)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(671mg、1.269mmol)をDCM(12mL)に溶かした溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL、26.45mmol)を滴下する。室温で撹拌する。18時間後、混合物を減圧下で濃縮する。残渣をDCMに溶解し、有機相を10%KCO水溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(274mg、0.6593mmol)を白色の泡状物として得る。質量スペクトル(m/z):387(M+1)。H NMR(400.13MHz,d−DMSO):7.87(s,1H),7.42(d,J=9.0Hz,1H),6.13(s,1H),5.00(ddd,J=9.0,5.2,2.5Hz,1H),4.02(m,2H),3.77(m,1H),3.13(m,1H),2.89(m,4H),2.72(m,2H),2.40(s,3H),1.87(dd,J=6.8,14.1Hz,2H),1.63(m,3H),1.28(d,J=6.8Hz,6H)。
調製9
[(3R)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
tert−ブチル(3R)−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(500mg、2.67mmol)およびTEA(0.37mL、2.6mmol)をTHF(13mL)に溶かした冷(0℃)溶液に、ホスゲン(1.14mL、トルエン中20質量%、3.20mmol)を添加する。冷浴を除去し、混合物を室温で撹拌する。
30分後、混合物を減圧下で濃縮し、残渣をDCM(11mL)に溶解する。この溶液を、3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン(365mg、100質量%、0.365g)およびTEA(0.3mL)をDCM(11mL)に溶かした溶液に添加する。混合物を室温で撹拌する。10分後、飽和NaHCO水溶液を添加し、さらにDCMで抽出する。有機層を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残渣を得る。ヘキサン:酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)により残渣を精製して、[(3R)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(350mg)を黄色がかった油状物として得る。質量スペクトル(m/z):487(M+1)。
[(3R)−1−tert−ブトキシカルボニルピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(350mg、0.72mmol)をDCM(7mL)に溶かした溶液に、トリフルオロ酢酸(0.8mL、0.72mmol)を滴下する。室温で撹拌する。45分後、混合物を減圧下で濃縮する。10%DCM:MeOH、次いでMeOH(2N NH)で溶出するSCX−2カートリッジにより残渣を精製する。塩基性画分を減圧下で濃縮して、[(3R)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(246mg)を褐色がかった固体として得る。質量スペクトル(m/z):387(M+1)。
調製10
3−イソプロピル−5−メチル−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オンの合成
4−イソプロピル−1H−ピラゾール−5−アミン(2.2kg、17.6mol)およびアセト酢酸エチル(2.86kg、1.25当量)を、酢酸(17.6L、8.0mL/g)に溶解する。混合物を110〜115℃に加熱し、次いで35〜40℃に冷却する。ヘプタンおよびMTBE(44L、20mL/g、5/1の比)を添加する。ろ過し、固体をヘプタン(4.4L、2mL/g)で洗浄して、表題化合物(2.28kg、収率85.5%)を得る。H NMR(500MHz,DMSO)δ11.81(s,1H),7.77(s,1H),5.50(s,1H),3.08−3.05(m,1H),2.31(s,3H),1.22(d,J=5.0Hz,6H)。
調製11
7−クロロ−3−イソプロピル−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
3−イソプロピル−5−メチル−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン(2.1kg、11.0mol)およびN、N−ジメチルアニリン(0.86kg、0.65当量)を、ACN(8.4L、4mL/g)に溶解する。反応液を50〜55℃に加熱し、POCl(4.2kg、2.5当量)を滴下する。温度を60〜65℃に調整し、混合物を9時間撹拌する。混合物を25〜30℃に冷却し、2Mリン酸カリウム緩衝液(pH=8.0、42L、20mL/g)に注ぐ。MTBE(23.9L、11.4mL/g)を添加し、有機相を抽出する。有機相を、20%クエン酸溶液(4.2L、2.0mL/g)2回、10%NaHCO水溶液(10.5L、5.0mL/g)および飽和NaCl水溶液(10.5L、5.0mL/g)で順次洗浄する。有機相を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.8kg、収率78%)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.02(s,1H),6.75(s,1H),3.27−3.25(m,1H),2.58(s,3H),1.42(d,J=8.0Hz,6H)。
調製12
3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン
3−イソプロピル−5−メチル−N−(4−ピペリジル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−アミン二塩酸塩(2.2kg、6.4mol)を、1M水酸化ナトリウム水溶液(19.2L、3.0当量)に10〜15℃で添加する。反応混合物を15〜20分間撹拌し、次いで2−メチルテトラヒドロフラン(4.70L、10.0当量)を添加し、20〜25分間撹拌する。有機相を分離し、水相を2−メチルテトラヒドロフラン(6.6L、3.0mL/g、3回)で洗浄する。有機溶液を合わせ、飽和NaCl水溶液(11L、5.0mL/g)で洗浄する。有機相を、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。MTBE(6.6L、3.0mL/g)を添加し、25〜30℃で40分間撹拌する。ろ過により、表題化合物(1.5kg、収率85.7%)を得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.81(s,1H),6.10(d,J=8.0Hz1H),5.75(s,1H),3.59−3.54(m,1H),3.32−3.28(m,1H),3.22−3.19(m,2H),2.77−2.73(m,2H),2.51(s,3H),2.11(d,J=8.0Hz,2H),1.56−1.50(m,3H),1.34(d,J=8.0Hz,6H)。
実施例1
[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
[*実施例1に示される通り、キラル中心は配向を変え、Sエナンチオマー形態は、構造(II)の上記実施例に示されるものとは異なって表されることに留意されたい。](E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(15.0g、90.3mmol、1.2当量)、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(31.3mL、23.4g、181mmol、2.4当量)、およびHATU(42.9g、113mmol、1.5当量)を、THF(146mL)中の[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(29.1g、75.3mmol)の懸濁液に23℃で添加し、混合物を90分間撹拌する。リン酸緩衝液(0.5M、pH=9、150mL)で希釈し、DCM(2×375mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮する。得られた残渣(約95g)を、クロマトグラフィー(残留物を65mLのDCMに溶解;330gのSiO;溶出液:MeOH中のMTBE/7N NH 0%〜10%;TLC:MeOH中のMTBE/7N NH 5:1)により精製する。物質(約40g)をDCM(400mL)に溶解し、1M KHPO水溶液(1M、80mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮する。残渣(約38g)を、クロマトグラフィー(SiO(50g)中に残留物を吸収させる;330gのSiO;溶出液:MeOH中のMTBE/7N NH 0%〜10%)により精製して、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(28.1g、75%)を白色固体として得る。ES/MS m/z498(M+H)。H NMR(CDOD)δ1.33(d,6H),1.64(m,2H),2.10(m,2H),2.18(m,1H),2.26(m,1H),2.29(s,6H),2.50(s,3H),3.11(m,2H),3.18(dd,2H),3.29(dq,1H),3.70(m,3H),3.87(m,2H),4.14(m,2H),5.31(m,1H),6.12(s,1H),6.47(m,1H),6.86(m,1H),7.88(s,1H)。[α] 20=+49.9°(C=2.0,MeOH)。鏡像体過剰率(ee)=97%。Rt(保持時間)=2.79分(UV)、LCカラム:CHIRALPAK(登録商標)AS(4.6×150mm、5μm)、MeOH+0.2%DMEA、流速:1.0mL/分。
[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの代替の合成。
[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(170mg、0.4091mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(135mg、0.81512mmol)およびHATU(317mg、0.8181mmol)を、N、N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶かした溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(0.36mL、2.1mmol)を添加する。室温で撹拌する。5分後、混合物を減圧下で濃縮する。10%DCM:MeOH、次いでMeOH(2N NH)で溶出するSCX−2カートリッジにより残渣を精製する。塩基性画分を減圧下で濃縮し、残渣を、NHCOpH9/ACNで溶出するISCO(商標)逆相Claricep Cシリーズにより精製して、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(129mg、0.255mmol)を白色固体として得る。質量スペクトル(m/z):498(M+1)。H NMR(400.13MHz,MeOD):7.88(s,1H),6.85(m,1H),6.47(m,1H),6.12(s,1H),3.91−3.52(m,5H),3.13(m,1H),3.03(m,2H),2.94(m,1H),2.39(s,3H),2.15(s,6H),2.06(m,1H),1.88(d,J=11.5Hz,2H),1.66(m,2H),1.28(d,J=6.8Hz,6H)。
[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの代替の合成。
[(3S)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(550g、1.4mol)を、15〜30℃でTHF(5.5L、10.0mL/g)に溶解する。(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(278g、1.2当量)およびTEA(1.17L、6.0当量)を15〜30℃で添加し、40分間撹拌する。EtOAc中の50%プロピルホスホン酸無水物(1.68L、1.2当量)を15〜30℃で添加し、12時間撹拌する。ろ過し、ろ液を減圧下で酢酸イソプロピルと溶媒交換する。2M NaOH水溶液(2.75L、5mL/g)を添加し、25〜30℃で20分間撹拌する。有機相を抽出し、飽和NaCl水溶液(2.75L、5mL/g)で洗浄する。NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮する。15〜30℃でヘプタン(3.85L、7mL/g)およびTHF(16.5L、3mL/g)を添加する。1時間撹拌し、ろ過して、表題化合物(440g、収率63.2%)を得る。H NMR(500MHz,CDOD)δ7.86(s,1H),6.83(d,J=10.7Hz,1H),6.43(dd,J=34.3,14.9Hz,1H),6.08(s,1H),5.26(d,J=24.2Hz,1H),4.85(s,2H),4.22−4.01(m,2H),3.90−3.76(m,2H),3.61−3.47(m,1H),3.36−3.21(m,2H),3.17−3.11(m,2H),3.12−2.98(m,2H),2.47(s,3H),2.28−2.21(m,7H),2.16−2.00(m,3H),1.68−1.48(m,2H),1.30(d,J=6.2Hz,6H)。
実施例2
[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩の合成。
[*実施例2に示される通り、キラル中心は配向を変え、Sエナンチオマー形態は、構造(II)の上記実施例に示されるものとは異なって表されることに留意されたい。][(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン]−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(0.283g、0.549mmol)をアセトン(5.5mL)に溶かした溶液に、HCl(EtOAc中1M(0.589mL、0.590g、0.589mmol、1.07当量))を23℃で添加し、混合物を5時間撹拌する。真空中で濃縮して、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩(0.244g、81%)を白色固体として得る。ES/MS m/z498(M+H)。
H NMR(CDOD)δ1.34(d,6H),1.66(m,2H),2.11(m,2H),2.20(m,1H),2.30(m,1H),2.54(s,3H),2.90(s,6H),3.12(m,2H),3.28(dq,1H),3.74(m,4H),3.95(dd,2H),4.16(m,2H),4.63(m,1H),5.32(m,1H),6.22(s,1H),6.78(m,2H),7.94(s,1H)。
実施例3
[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
[*実施例3に示される通り、キラル中心は配向を変え、Rエナンチオマー形態は、構造(III)の上記実施例に示されるものとは異なって表されることに留意されたい。][(3R)−ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(170mg、0.43mmol)、(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エン酸塩酸塩(150mg、0.90mmol)およびHATU(343mg、0.87mmol)をDMF(4mL)に溶かした溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2.0mmol)を添加する。室温で撹拌する。5分後、混合物を減圧下で濃縮する。10%DCM:MeOH、次いでMeOH(2N NH)で溶出するSCX−2カートリッジにより残渣を精製する。塩基性画分を減圧下で濃縮し、残渣を、NHCOpH9/ACNで溶出するISCO逆相Claricep Cシリーズにより精製して、[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(188mg)を白色固体として得る。質量スペクトル(m/z):498(M+1)。
H NMR(400.21MHz,DMSO):7.86(s,1H),7.41(m,1H),6.63(m,1H),6.37(m,1H),6.13(s,1H),5.16(m,1H),4.09−3.92(m,2H),3.78(m,2H),3.56(m,2H),3.13(m,1H),3.03(m,2H),2.93(m,1H),2.39(s,3H),2.14(s,6H),2.06(m,1H)1.88(m,2H),1.60(m,2H),1.28(d,J=6.8Hz,6H)。
実施例4
結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物の合成
[*実施例4に示される通り、キラル中心は配向を変え、Sエナンチオマー形態は、構造(II)の上記実施例に示されるものとは異なって表されることに留意されたい。][(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン]−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート2.0gを、室温で磁気撹拌しながらアセトン8mLに入れる。別のバイアルにおいて、アセトン6mLに1,2−エタンジスルホン酸水和物505mgを溶解する。酸溶液を遊離塩基溶液に添加し、室温で混合する。混合が完全になるように試料を撹拌し、必要ならば追加の溶媒を添加してスラリーを希釈する。懸濁液を一晩50℃でスラリー化する。一晩撹拌後、残っている濃厚な白色固体のスラリーを20℃に冷却する。ろ紙上での真空ろ過により固体を単離し、得られた白色固体のケーキをフィルター上の適所で乾燥させる(2.1g、収率88%)。
35kVおよび50mAで作動する、CuKα源λ=1.54060ÅおよびVantec検出器を備えた、Bruker D4 EndeavorX線粉末回折装置で、結晶性固体のXRDパターンを得る。試料を、2θにおいて0.008°のステップサイズおよび0.5秒/ステップの走査速度、ならびに0.6mm発散、5.28固定散乱防止、および9.5mm検出器スリットで、2θにおいて4〜40°の間で走査する。乾燥粉末を石英試料ホルダー上に充填し、ガラススライドを使用して滑らかな表面を得る。結晶形回折パターンを室温および相対湿度にて収集する。所定の結晶型について、回折ピークの相対強度が、結晶形態および晶癖などの要因からの結果として生じる好ましい配向に起因して変化し得ることが結晶学技術分野において周知である。好ましい配向の効果が存在する場合、ピーク強度は変化するが、多形体の特徴的なピーク位置は変化しない。例えば、The United States Pharmacopeia #23, National Formulary #18, pages 1843−1844, 1995を参照。さらに、結晶学分野では、任意の所与の結晶形に関して、ピークの角度位置が若干変化し得ることもまた周知である。例えば、ピーク位置は、試料が分析される温度もしくは湿度の変動、試料の位置ずれ、または内部標準の有無に起因してシフトし得る。本発明の場合、2θの±0.2のピーク位置の変動は、示された結晶形の明確な同定を妨げることなくこれらの起こり得る変動として考慮される。結晶形の確認は、特徴的なピーク(°2θの単位で)、典型的にはより顕著なピークの任意の固有の組み合わせに基づいて行われ得る。室温および相対湿度にて収集した結晶形回折パターンを、8.853および26.774°2シータにおけるNIST675標準ピークに基づいて調節する。
結晶性ヘミエジシル酸塩水和物の調製試料は、CuKα線を使用したXRDパターンによって、0.2度の回析角に対する許容度で、以下の表に記載される回折ピーク(2シータ値)を有するものとして、特に、21.5°、16.7°、および15.2°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた18.5°におけるピークを有するものとして特徴付けられる。
実施例5
結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩の合成
[*実施例5に示される通り、キラル中心は配向を変え、Sエナンチオマー形態は、構造(II)の上記実施例に示されるものとは異なって表されることに留意されたい。][(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン]−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート1998mgを、室温で1000rpmで撹拌しながらアセトン15mLに入れる。(5mLのアセトンに溶解した)ベンゼンスルホン酸650mgを添加する。試料を室温で1000rpmで1時間撹拌し、その後しばらくして、溶液が白濁し、濃厚な白色固体のスラリーが生じる。ろ紙上での真空ろ過により白色固体を単離する。試料を70℃の真空オーブンで1時間乾燥させる(2.23g、収率85%)。
結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩の合成
[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート(440g、1.1mol)を、15〜30℃でEtOAc(1.4L)およびアセトン(357mL)に溶解する。50〜55℃に加熱する。ベンゼンスルホン酸一水和物(156g、0.89当量)をEtOAc(709mL)およびアセトン(166mL)に溶解し、50〜55℃で5〜10mL/分で反応混合物に添加する。1時間撹拌する。15〜30℃に冷却し、12時間撹拌する。ろ過し、湿ったケーキを窒素下で乾燥させて、表題化合物(525g、収率72.9%)を得る。1H NMR(500MHz,CDOD)δ7.89(s,1H),7.85−7.79(m,2H),7.43−7.39(m,3H),6.82−6.66(m,2H),6.15(s,1H),5.27(d,J=21.5Hz,1H),4.11(d,J=32.9Hz,2H),3.94−3.79(m,4H),3.33−3.18(m,2H),3.10−2.97(m,2H),2.84(s,6H),2.49(s,3H),2.25−1.94(m,5H),1.68−1.51(m,2H),1.31(d,J=6.8Hz,6H)。
本質的に実施例4に記載されている通りに、結晶性固体のXRDパターンを得る。結晶性ベシル酸塩の調製試料は、CuKα線を使用したXRDパターンによって、0.2度の回析角に対する許容度で、以下の表に記載される回折ピーク(2シータ値)を有するものとして、特に、12.4°、17.3°、および15.8°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた21.5°におけるピークを有するものとして特徴付けられる。
実施例6
結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート塩酸塩の合成
[*実施例6に示される通り、キラル中心は配向を変え、Sエナンチオマー形態は、構造(II)の上記実施例に示されるものとは異なって表されることに留意されたい。][(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン]−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレート557mgを、室温で1000rpmで撹拌しながらアセトン4mLに入れる。1200μLのHCl(酢酸エチル中1M、1.07当量)を添加する。試料を1000rpmで一晩撹拌して、白色固体の濃厚なスラリーを得る。ろ紙上での真空ろ過により白色固体を単離する。得られた白色固体のケーキをフィルター上の適所にて空気流下で10分間乾燥させる(385mg、収率64%)。
本質的に実施例4に記載されている通りに、結晶性固体のXRDパターンを得る。結晶性塩酸塩の調製試料は、CuKα線を使用したXRDパターンによって、0.2度の回析角に対する許容度で、以下の表に記載される回折ピーク(2シータ値)を有するものとして、特に、5.5°、15.5°、および9.7°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた18.9°におけるピークを有するものとして特徴付けられる。
生物学的アッセイ
以下のアッセイにより、本発明の化合物がCDK7活性の阻害剤であることが実証される。またアッセイの結果により、本発明の化合物が癌細胞におけるCDK7シグナル伝達を阻害することが示される。さらに、本発明の化合物は、癌細胞株における増殖および癌の異種移植腫瘍モデルにおける腫瘍増殖を阻害する。
「IC50」は、その薬物について可能な最大阻害応答の50%を生じる薬物の濃度、あるいは、受容体へのリガンド特異的結合の50%置換を生じる薬物の濃度を指し、相対IC50値は、蛍光ユニットを使用して、プレート上の「MIN」および「MAX」対照に関して阻害パーセントを計算し、次いで10点用量反応データを4パラメーターロジスティック式に当てはめることにより決定される。
CDK7およびCDK9キナーゼ活性アッセイ
このアッセイの目的は、本発明の化合物の、CDK7/CyclinH/Mat1複合体のキナーゼ活性を阻害する能力を測定することである。本発明に含まれる化合物がCDK7、CDK7およびCDK9に対して何らかの親和性を示すかどうかを実証するために、生化学的アッセイは、化合物と酵素のプレインキュベーションなしで、または3時間のプレインキュベーションをして行われる。機能アッセイにより、本発明の化合物がCDK7およびCDK9キナーゼ活性を阻害する能力を示すかどうかについての裏付けが提供される。以下のアッセイで使用される全てのリガンド、溶媒、および試薬は、商業的供給源から容易に入手可能であるか、または当業者によって容易に合成され得る。CDK7およびCDK9についてのIC50の決定は、以下のように決定される。
CDK7/CyclinH/MAT1の阻害についての生化学的アッセイ
阻害剤のIC50活性は、ATP/[33P]ATPおよびペプチド基質の存在下で精製ヒト組換え酵素を使用した放射標識フィルター結合(FB)アッセイを使用して決定される。選択されるATP濃度は、ATPに対する酵素Kmまたはその付近である。
反応は、96ウェルポリスチレンプレート中で、1ウェルあたり25μLの最終容量で行われる。20%DMSO中の5μLの試験化合物、10μLの基質溶液(ATP/33PATPおよびCDK7/9)および10μLの酵素溶液を混合する。基質溶液を、4mMのMgCl、0.01%のTRITONTMX−100、2mMのDTTおよび20mMのHEPESのキナーゼ緩衝液中に希釈された、最終濃度100μMのATP/[33P]ATP(NEN10μCi/μL、3000Ci/mmol)および250μMのCDK7/9ペプチド((YSPTSPSYSPTSPSYSTTSPSKKKK)(配列番号1))を得るように調製する。キナーゼ緩衝液中に希釈された最終濃度1nMのCDK7/CyclinH/Mat1酵素[Proqinase0366−0360−4Lot002)]で酵素溶液を調製する。試験化合物を20%DMSOで1:3に段階希釈して、20μMの開始濃度で10点曲線を作成する。試験化合物を含まない20%DMSO緩衝液単独を高対照(任意の阻害剤の非存在下での全活性)として用い、500mM EDTAを使用して酵素活性の非存在下でのバックグラウンドのレベルを決定する(低対照)。5μLの化合物を10μLの酵素溶液と混合した後、プレートを22℃で0または180分間インキュベートする。その後、10μLの基質溶液を添加して反応を開始させ、22℃で50分間インキュベートする。反応を、80μLの冷10%オルトリン酸溶液を添加することによって終了させる。フィルタープレート(不透明、無菌のフィルタープレート)を、各ウェルに10μLの10%オルトリン酸溶液で予備洗浄する。100μLの混合物をホスホセルロースフィルターに移し、室温で45分間インキュベートする。フィルタープレートを、フィルタープレートプロセッサーで200μLの0.5%オルトリン酸で3回洗浄する。33Piの取り込み(「cpm」の計数)は、各ウェルに80μLのMICROSCINT(商標)を添加し、1時間後にカウンターで読むことによって決定される。データは、GENEDATA SCREENER(登録商標)ツールを介して処理される。データは、4パラメーター非線形ロジスティック式(4パラメーターロジスティック濃度−応答曲線)を使用して分析され、Y=bot+[(top−bot)/1+(x/IC50)slope]、式中、Y=阻害%、X=y阻害%をもたらす濃度、Bottom=曲線によって達成されるyの最小値、Top=曲線によって達成されるyの最大値、およびSlope=IC50での曲線の勾配。阻害%=[(最大中央値−x/最大中央値−最小中央値)]・100
IC50:所与の反応(リガンド結合、酵素反応)を50%減少させる化合物の濃度。
実施例1および3に記載の化合物は、プレインキュベーションなしのCDK7において、それぞれ0.0173μMおよび0.0487μMのIC50を示す。実施例1および3とのCDK7酵素の3時間のプレインキュベーションの後、これらはそれぞれ0.00237μMおよび0.00506μMのIC50を示す。これらのデータは、実施例1および3の両方がCDK7を阻害することを示している。
CDK9/CyclinT1キナーゼ活性の阻害についてのアッセイ:
阻害剤のIC50活性は、ATPおよびペプチド基質の存在下で精製ヒト組換え酵素を使用した放射標識フィルター結合(FB)アッセイを使用して決定される。選択されるATP濃度は、ATPに対する酵素Kmまたはその付近である。反応は、96ウェルポリスチレンプレート中で、1ウェルあたり25μLの最終容量で行われる。20%DMSO中の5μLの試験化合物、10μLの基質溶液(ATP/[33P]ATPおよびCDK7/9)および10μLの酵素溶液を混合する。基質溶液を、4mMのMgCl、0.0025%のTRITON(商標)X−100、1.58mMのDTTおよび15.80mMのHEPESのキナーゼ緩衝液中に希釈された、最終濃度100μMのATP/[33P]ATP(NEN10uCi/μL、3000Ci/mmol)および200μMのCDK7/9ペプチド((YSPTSPSYSPTSPSYSTTSPSKKKK)(配列番号1))を得るように調製する。キナーゼ緩衝液中に希釈された最終濃度7.5nMのCDK9/CyclinT1酵素[Proqinase0371−0345−1(Lot004)]で酵素溶液を調製する。試験化合物を20%DMSOで1:3に段階希釈して、20μMの開始濃度で10点曲線を作成する。試験化合物を含まない20%DMSO緩衝液単独を高対照(任意の阻害剤の非存在下での全活性)として用い、500mM EDTAを使用して酵素活性の非存在下でのバックグラウンドのレベルを決定する(低対照)。5μLの化合物を10μLの酵素溶液と混合した後、プレートを22℃で0または180分間インキュベートする。その後、10μLの基質溶液を添加して反応を開始させ、22℃で60分間インキュベートする。反応を、80μLの冷10%オルトリン酸溶液を添加することによって終了させる。フィルタープレート(不透明、無菌のフィルタープレート)を、1ウェルあたり10μLの10%オルトリン酸溶液で予備洗浄する。100μLの混合物をホスホセルロースフィルターに移し、室温で45分間インキュベートする。フィルタープレートを、フィルタープレートプロセッサーで200μLの0.5%オルトリン酸で3回洗浄する。80μLのMICROSCINT(商標)を各ウェルに添加し、1時間後にシンチレーションカウンターで読み取る。データは、GENEDATA−SCREENER(登録商標)ツールを介して処理される。データは、4パラメーター非線形ロジスティック式(4パラメーターロジスティック濃度−応答曲線)を使用して分析され、Y=bot+[(top−bot)/1+(x/IC50)slope]、式中、Y=阻害%、X=y阻害%をもたらす濃度、Bottom=曲線によって達成されるyの最小値、Top=曲線によって達成されるyの最大値、およびSlope=IC50での曲線の勾配。阻害%=[(最大中央値−x/最大中央値−最小中央値)]・100IC50:所与の反応(リガンド結合、酵素反応)を50%減少させる化合物の濃度。相対IC50:化合物の最大応答の半分を与える濃度。
実施例1および3に記載の化合物は、(3時間プレインキュベーションした)CDK9に対して、それぞれ5.93μMおよび2.45μMのIC50を示す。これらのデータは、実施例1および3がCDK9活性を強力に阻害しないことを示している。
まとめると、上記のアッセイからのデータは、実施例1および3の化合物がCDK9よりもCDK7を選択的に阻害することを実証している。
CDK7およびCDK9の細胞メカニズムアッセイ
これらのアッセイの目的は、化合物の、インビトロで癌細胞におけるCDK7およびCDK9のシグナル伝達を阻害する能力を測定することである。
ホスホ−カルボキシル末端ドメイン(Rbp2)(Ser2)p−CTD(S2)細胞ベースのAcumenアッセイ
HCT116細胞(ATCC CCL−247)を、10%FBS、1%NaPyrおよび1%Pen/Strepを補充したMcCoyの5A培地修飾培地中で培養し、100μL容量中の1ウェルあたり5,000細胞の密度で96ウェル平底プレート中で平板培養する(70%コンフルエントになる前に)。次いで、細胞を、細胞培養インキュベーター(5%CO、95%相対湿度(RH)、および37℃)で一晩インキュベートし、プレートに付着させる。翌朝、細胞に化合物が投与される。化合物阻害剤を、0.6%DMSOを含有する培地中に60μMで最初に可溶化する。続いて、化合物連続希釈物(1:3)を、60μM〜0.003μMの範囲にわたって調製する。細胞に、連続希釈プレートから100μLの培地を付着させた細胞を含有するアッセイプレートに50μLを添加することで投与し、最終化合物濃度が20〜0.001μMの範囲で投与されて、最終DMSO濃度0.2%を生じる。最高点については0.2%のDMSOを含有する培地を使用し、最低点については、0.2%のDMSOを含有する増殖培地中の0.83μMの最終濃度に希釈した対照化合物を使用する。化合物を投与した後、細胞プレートを、37℃および5%COで4時間インキュベートする。増殖培地を注意深く除去し、100μLの4%パラホルムアルデヒドを室温で30分間添加することにより細胞を固定する。細胞をPBSで1回洗浄し、細胞透過のために室温で15分間100μLの冷MeOHと共にインキュベートする。細胞をPBS(各100μL)で2回洗浄し、100μL/ウェルの1%BSA/PBSで室温で30分間ブロックする。1%BSA/PBS中に希釈した1:1000一次抗体(抗ホスホCTD Ser2 Abcam、カタログ番号ab5095−100)50μLを各ウェルに添加し、プレートを密封し、4℃で一晩インキュベートする。
翌日、細胞を、PBS(100μL/ウェル)で3回洗浄し、PBS中の二次抗体(1:2000希釈、ヤギ抗ウサギIgM ALEXA FLUOR(商標)488)50μL/ウェルと共に室温で1時間インキュベートする。PBS(100μL/ウェル)で3回洗浄した後、50μg/mLのRNAase100μLおよびPBS中の1:1000のヨウ化プロピジウム希釈物を各ウェルに添加する。プレートを密封し、ベンチ上で室温で1時間インキュベートする(光から保護する)。プレートをAcumenのFL2(平均強度)、およびFL3(全強度)で分析する。蛍光プレートを、Acumen Explorer(商標)[TTP LABTECH LTDによって製造されたレーザー走査蛍光マイクロプレートサイトメーター]を用いて走査して、セリン2における抗ホスホカルボキシル末端ドメイン(pCTD)を測定する。画像分析は、陽性細胞を同定するための細胞蛍光シグナルに基づく。pCTD(S2)陽性細胞は、閾値を超える500〜530の平均強度によって同定される。ヨウ化プロピジウム/DNAからの575〜640の全強度を使用して、個々の細胞を同定する。アッセイ出力は、%pCTD陽性細胞である。
IC50は、GENE DATA(商標)を使用して各出力について4パラメーターロジスティックにカーブフィッティングすることにより決定される。実施例1および3に記載の化合物は、ホスホCTD(S2)に対して、それぞれ>20μMおよび3.52μMの相対IC50を示す。これらのデータは、実施例1および3の両方が細胞中のCDK9を強力に阻害しないことを示している。
ホスホ−カルボキシル末端ドメイン(Rbp2)(Ser5)p−CTD(S5)細胞ベースのAcumenアッセイ
HCT116細胞(ATCC CCL−247)を、10%FBS、1%NaPyrおよび1%Pen/Strepを補充したMcCoyの5A培地修飾培地中で培養し、100μL容量中の1ウェルあたり5,000細胞の密度で96ウェル平底プレート中で平板培養する(70%コンフルエントになる前に)。細胞を、細胞培養インキュベーター(5%CO、95%相対湿度(RH)、および37℃)で一晩インキュベートし、プレートに付着させる。翌朝、細胞に化合物が投与される。化合物阻害剤を、0.6%DMSOを含有する培地中に60μMで可溶化する。続いて、化合物連続希釈物(1:3)を、60μM〜0.003μMの範囲にわたって調製する。細胞に、連続希釈プレートから100μLの培地を付着させた細胞を含有するアッセイプレートに50μLを添加することで投与し、最終化合物濃度が20〜0.001μMの範囲で投与されて、最終DMSO濃度0.2%を生じる。最高点については0.2%のDMSOを含有する培地を使用し、最低点については、0.2%のDMSOを含有する増殖培地中の0.83μMの最終濃度に希釈した対照化合物を使用する。化合物を投与した後、細胞プレートを、37℃および5%COで4時間インキュベートする。増殖培地を注意深く除去し、100μLの4%パラホルムアルデヒドを室温で30分間添加することにより細胞を固定する。細胞をPBSで1回洗浄し、細胞透過のために室温で15分間100μLの冷MeOHと共にインキュベートする。また細胞をPBS(各100μL)で2回洗浄し、100μL/ウェルの1%BSA/PBSで室温で30分間ブロックする。1%BSA/PBS中に希釈した1:1000一次抗体(抗ホスホCTD Ser5 Bethyl Laboratories、カタログ番号A300−655A)50μLを各ウェルに添加し、プレートを密封し、4℃で一晩インキュベートする。
翌日、細胞を、PBS(100μL/ウェル)で3回洗浄し、PBS中の二次抗体(1:2000希釈、ヤギ抗ウサギIgM ALEXA FLUOR(商標)488)50μL/ウェルと共に室温で1時間インキュベートする。PBS(100μL/ウェル)で3回洗浄した後、50μg/mLのRNAase(Sigma)100μLおよびPBS中の1:1000のヨウ化プロピジウム希釈物を各ウェルに添加する。プレートを密封し、ベンチ上で室温で1時間インキュベートする(光から保護する)。プレートをAcumenのFL2(平均強度)、およびFL3(全強度)で分析する。蛍光プレートを、Acumen Explorer(商標)[TTP LABTECH LTDによって製造されたレーザー走査蛍光マイクロプレートサイトメーター]を用いて走査して、セリン5における抗ホスホカルボキシル末端ドメイン(pCTD)を測定する。画像分析は、陽性細胞を同定するための細胞蛍光シグナルに基づく。pCTD(S5)陽性細胞は、閾値を超える500〜530の平均強度によって同定される。ヨウ化プロピジウム/DNAからの575〜640の全強度を使用して、個々の細胞を同定する。アッセイ出力は、%pCTD陽性細胞である。IC50は、GENE DATA(商標)を使用して各出力について4パラメーターロジスティックにカーブフィッティングすることにより決定される。
実施例1および3に記載の化合物は、pCTD Ser5に対して、それぞれ0.148μMおよび0.198μMの相対IC50を示す。これらのデータは、実施例1および3の両方がCDK7細胞活性を阻害することを示している。
cMyc細胞ベースのAcumenアッセイ
HCT116細胞(ATCC CCL−247)を、10%FBS、1%NaPyrおよび1%Pen/Strepを補充したMcCoyの5A培地修飾培地中で培養し、100μL容量中の1ウェルあたり5,000細胞の密度で96ウェル平底プレート中で平板培養する(70%コンフルエントになる前に)。次いで、細胞を、細胞培養インキュベーター(5%CO、95%相対湿度(RH)、および37℃)で一晩インキュベートし、プレートに付着させる。翌朝、細胞に化合物が投与される。化合物阻害剤を、0.6%DMSOを含有する培地中に60μMで可溶化する。続いて、化合物連続希釈物(1:3)を、60μM〜0.003μMの範囲にわたって調製する。細胞に、連続希釈プレートから100μLの培地を付着させた細胞を含有するアッセイプレートに50μLを添加することで投与し、最終化合物濃度が20μM〜0.001μMの範囲で投与されて、最終DMSO濃度0.2%を生じる。最高点については0.2%のDMSOを含有する培地を使用し、最低点については、0.2%のDMSOを含有する増殖培地中の0.83μMの最終濃度に希釈した対照化合物を使用する。化合物を投与した後、細胞プレートを、37℃および5%COで4時間インキュベートする。増殖培地を注意深く除去し、100μLの4%パラホルムアルデヒドを室温で30分間添加することにより細胞を固定する。細胞をPBSで1回洗浄し、細胞透過のために室温で15分間100μLの冷MeOHと共にインキュベートする。また細胞をPBS(各100μL)で2回洗浄し、100μL/ウェルの1%BSA/PBSで室温で30分間ブロックする。1%BSA/PBS中に希釈した1:1000一次抗体(抗cMyc抗体[Y69]Abcam、カタログ番号ab32072)50μLを各ウェルに添加し、プレートを密封し、4℃で一晩インキュベートする。翌日、細胞を、PBS(100μL/ウェル)で3回洗浄し、PBS中の二次抗体(1:2000希釈、ヤギ抗ウサギIgM ALEXA FLUOR(商標)488)50μL/ウェルと共に室温で1時間インキュベートする。PBS(100μL/ウェル)で3回洗浄した後、50μg/mLのRNAase100μLおよびPBS中の1:1000のヨウ化プロピジウム(Invitrogene)希釈物を各ウェルに添加する。プレートを密封し、ベンチ上で室温で1時間インキュベートする(光から保護する)。プレートをAcumenのFL2(平均強度)、およびFL3(全強度)で分析する。蛍光プレートを、Acumen Explorer(商標)[TTP LABTECH LTDによって製造されたレーザー走査蛍光マイクロプレートサイトメーター]を用いて走査して、セリン5における抗ホスホカルボキシル末端ドメイン(pCTD)を測定する。画像分析は、陽性細胞を同定するための細胞蛍光シグナルに基づく。pCTD(S5)陽性細胞は、閾値を超える500〜530の平均強度によって同定される。ヨウ化プロピジウム/DNAからの575〜640の全強度を使用して、個々の細胞を同定する。アッセイ出力は、%pCTD陽性細胞である。IC50は、GENE DATA(商標)を使用して各出力について4パラメーターロジスティックにカーブフィッティングすることにより決定される。
実施例1および3に記載の化合物は、cMycに対して、それぞれ0.0828μMおよび0.0573μMの相対IC50を示す。これらのデータは、実施例1および3の両方が、HCT116細胞におけるcMycの転写を阻害することを示している。
選択性プロファイリング実験:Proqinase WT Profiler
化合物のキナーゼ阻害プロファイルは、320の野生型プロテインキナーゼアッセイにおいて残留活性値を4つの濃度で一回測定することによって決定される。化合物を、20μM、2μM、0.2μMおよび0.02μMで一回試験する。全ての反応カクテル(高対照および低対照を含む)における最終DMSO濃度は1%である。
プロテインキナーゼアッセイ
放射性プロテインキナーゼアッセイ(33PANQINASE(登録商標)活性アッセイ、ProQinase)を、320のプロテインキナーゼのキナーゼ活性を測定するために使用する。全てのキナーゼアッセイを、50μLの反応容量で96ウェルのFLASHPLATESTMで行う。反応カクテルを以下の順序で4段階でピペットで移す。
1.10μLの非放射性ATP溶液(HO中)
2.25μLのアッセイ緩衝液/[γ−33P]−ATP混合物
10%DMSO中の試験試料3.5μL
4.10μLの酵素/基質混合物
全てのプロテインキナーゼのアッセイは、70mMのHEPES−NaOH(pH7.5)、3mMのMgCl、3mMのMnCl、3μMのオルトバナジン酸ナトリウム、1.2mMのDTT、ATP(可変量、それぞれのキナーゼの見かけのATP−Kmに対応する、表1参照)、[γ−33P]−ATP(1ウェルあたり約8×1005cpm)、プロテインキナーゼ(可変量;表1参照)、および基質(可変量;表1参照)を含有する。全てのPKCアッセイ(PKC−muおよびPKC−nuアッセイを除く)は、1mMのCaCl、4mMのEDTA、5μg/mlのホスファチジルセリン、および1μg/mLの1,2−ジオレイルグリセロールをさらに含有する。CAMK1D、CAMK2A、CAMK2B、CAMK2D、CAMK2G、CAMK4、CAMKK1、CAMKK2、DAPK2、EEF2K、MYLK、MYLK2およびMYLK3アッセイは、1μg/mLのカルモジュリンおよび0.5mMのCaClをさらに含有する。PRKG1およびPRKG2アッセイは、1μMのcGMPをさらに含有する。DNA−PKアッセイは、2.5μg/mLのDNAをさらに含有する。
プロテインキナーゼ反応カクテルを、30℃で60分間インキュベートする。50μLの2%(v/v)HPOで反応を停止し、プレートを吸引し、200μLの0.9%(w/v)NaClで2回洗浄する。33Piの取り込み(「cpm」の計数)は、マイクロプレートシンチレーションカウンターで決定する。全てのプロテインキナーゼアッセイを、BeckmanCoulter BIOMEK(登録商標)2000/SLロボットシステムを用いて行う。ProQinaseによって提供する全てのプロテインキナーゼは、Sf9昆虫細胞または大腸菌において、組換えGST融合タンパク質またはHisタグ付加タンパク質として、完全長または酵素的に活性な断片のいずれかとして発現する。全てのキナーゼは、ヒトcDNAから産生され、GSHアフィニティークロマトグラフィーまたは固定化金属のいずれかによって精製される。親和性タグは、精製中にいくつかのキナーゼから除去される。プロテインキナーゼの純度は、SDS−PAGE/クマシー染色によって調べ、同一性は質量分析によって確認する。外部の販売業者(CAR=Carna Biosciences Inc.、INV=Life Technologies(Invitrogen Corporation(商標))、MIL=Merck−Millipore(Millipore Corporation(商標))、表1参照)によるキナーゼは、販売業者の測定によって発現、精製および品質管理されている。アッセイのための酵素および基質の濃度を表1に示す。
生データの評価
各キナーゼについて、3つのウェルのcpmの中央値を「低対照」と定義する(n=3)。この値は、プロテインキナーゼの非存在下ではあるが基質の存在下での、プレートへの放射活性の非特異的結合を反映する。さらに、各キナーゼについて、他の3つのウェルのcpmの中央値を「高対照」、すなわち任意の阻害剤の非存在下での全活性とみなす(n=3)。各酵素の高対照と低対照との間の差を100%活性とみなす。データ評価の一環として、各キナーゼの低対照値を、高対照値ならびにそれらの対応する「化合物値」から差し引く。各化合物ウェルに対する残存活性(%で)は、次の式:残存活性(%)=100×[(化合物のシグナル−低対照)/(高対照−低対照)]を使用して計算される。非標準IC50は、XLFitアドインと共にカスタマイズされたエクセルスプレッドシートを使用して計算される。データ点数が少ないため、(4)XL−Fitは3つのパラメーターが固定値に固定されている4パラメトリック方程式を使用して非標準IC50を計算する。
式は以下である:
Y=B+((A−B))/[1+(x/C)]^D
A:活性の最小値、Bottomとしても知られる。0に固定
B:活性の最大値、Topとしても知られる。100に固定
C:曲線の変曲点
D:勾配1に固定
Y:従属変数(すなわち、シグナルとして測定したもの)
X:独立変数(すなわち、コントロールするもの、例えば、用量、濃度など)
非標準IC50を計算する方法は、Cパラメーターにランダムな値を割り当て、それを反復的に繰り返すことである。次いで、アルゴリズムは残差の二乗和の差を測定し、残差の変化が収束している連続した連続反復を探す。収束限界が満たされると、解は最適とみなし、フィッティングプロセスを終了する。
CDK12およびCDK13(ProQinase)は、本質的に上記の通りに試験されるが、半対数希釈を使用して10の濃度(2×10M〜6×1010M)で別々に試験される。10点について、分析は各濃度についての残存活性であり、化合物のIC50値は、QUATTRO(登録商標)WORKFLOW(商標)V3.1.1を使用して計算される。IC50決定のためのフィッティングモデルは、「top」を100%および「bottom」を0%に固定した「シグモイド応答(可変勾配)」であった。使用したフィッティング方法は最小二乗法であった。データを以下の表1に示す。
これらのデータは、実施例1の化合物が代表的なキナーゼ群からCDK7に対して非常に選択的であることを示している。
細胞増殖アッセイ
表2のデータは、実施例1の化合物が特定の腫瘍細胞株の増殖および生存率を阻害することを示している。細胞株を、1ウェルあたり100μLの増殖培地中、1ウェルあたり細胞5000個の密度で、白色の96ウェル細胞培養プレートにプレーティングする。細胞株および培地の情報については表2を参照されたい。プレートを37℃および5%COでインキュベートする。翌日、試験化合物の連続希釈物を、化合物をDMSO中に1:3で10点で希釈することによって調製する。DMSOプレートは最終濃度の1000倍である。CDK7阻害剤に加えて、DMSO単独カラムが最大増殖対照として含まれ、10μMスタウロスポリン最終カラムが最大増殖阻害対照として含まれる。次いで、1000×DMSOプレートからウェル当たり2μLをOMEM(Life Technologies、Carlsbad, CA,、カタログ番号31985−070)198μLに添加することによって10倍希釈プレートを調製する。1×最終濃度のために、1ウェル当たり100μLの増殖培地を含有する細胞プレートに、10×OMEMプレートから1ウェル当たり11μLを添加することによって、指示された化合物で細胞を処理する。プレートを37℃および5%COのインキュベーターに戻す。化合物添加の7日後、プレートをインキュベーターから取り出し、RTに平衡化させる。Cell Titer Glo(登録商標)試薬を室温で解凍し、次いで1バイアルのアッセイ緩衝液を1バイアルの基質と混合することにより調製し、穏やかに回転させて混合する。次いで、Cell Titer Glo(登録商標)試薬を細胞プレートに100μL/ウェルで添加し、Titer Plate Shaker上にスピード設定2で室温で15分間置く。振盪機上で15分間インキュベートした後、Wallac VICTOR2(商標)を使用して、1ウェルあたり1秒間発光を読み取る。Graphpad Prism6ソフトウェアを用いて、非線形回帰およびシグモイド用量反応曲線を使用して半最大阻害濃度(IC50)を計算する。
これらのデータは、実施例Iの化合物が結腸、乳房、肺、卵巣および胃を含む種々の組織からの癌細胞株のインビトロ増殖を用量依存的に阻害することを示している。
異種移植腫瘍モデル
このアッセイの目的は、実施例1の化合物に応答する腫瘍体積の減少を測定することである。試験化合物のインビボでの有効性を評価するために、複数の異種移植腫瘍モデルが利用される。手短に言えば、1:1MATRIGEL(登録商標)混合物(総体積0.2mL)中の5〜10×10個の腫瘍細胞を、異種移植片腫瘍モデルの大部分について雌性無胸腺ヌードマウス(Envigo、Harlan laboratories)に皮下注射する。代替のマウス系統を利用して、MDAMB468(NOD SCID Gamma、Jackson labs)、CT26およびEMT6(BALB/c、Envigo、Harlan Laboratories)異種移植片を樹立する。腫瘍を〜300〜500mmの所望の大きさに到達させた後、動物は、有効性試験のための6〜8のグループに無作為に分けられる。試験化合物は、指示された用量および計画で強制経口投与(PO)により投与される。腫瘍増殖および体重を経時的にモニターして、有効性および毒性の徴候を評価する。
試験化合物は、精製水(HEC)中の1%ヒドロキシエチルセルロース、0.25%ポリソルベート80、0.05%消泡剤中の5%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に製剤化され、表4に示す用量で経口胃管栄養法(最終容量0.2mL)で投与される。試験化合物は、毎週製剤化され、4℃で保存される。ビヒクルは、1用量当たり0.2mLの容量を使用して上記で用いたスケジュールに従って対照群に投与される。マウスに経口胃管栄養法により投与し、腫瘍試料を終了時に収集し、−80℃で保存する。
腫瘍サイズおよび体重を記録し、隔週で分析する。投与の2時間後および終了時に、DBS(dried blood spot)カードを使用して採血する。試験終了時に腫瘍を収集し、3つの切片に切断し、曝露およびタンパク質分析のために急速冷凍するか、またはRNA分析のためにRNAlater(登録商標)に入れる。組織試料を凍結し、−80℃で保存する。
実施例1の化合物は、ヒト癌異種移植モデルにおいて有意な抗腫瘍活性を示す(表3)。
デルタT/C%は、処置群におけるエンドポイント腫瘍体積がベースライン腫瘍体積にあるか、または超える場合に算出する。式は100*(T−T0)/(C−C0)である。ここで、TおよびCは、それぞれ処置群または対照群における平均エンドポイント腫瘍体積である。T0およびC0は、これらの群における平均ベースライン腫瘍体積である。*:有意(p<0.05)
バイオマーカー試験
この試験の目的は、本発明の化合物についての潜在的な予測バイオマーカーを評価することである。
癌細胞株は、試験化合物の抗増殖活性を評価するためにインビトロでプロファイルされる。癌細胞株におけるARID1A、KMT2C、KMT2Dおよび/またはRB1遺伝子の変異、コピー数および遺伝子発現情報は、COSMICデータベース(cancer.sanger.ac.uk)およびcBioportal(http://www.cbioportal.org/)から得られる。細胞を増殖培地中で培養し、100μL/ウェル増殖培地中の5000細胞/ウェルで96ウェルプレートに蒔き、次いで37℃、5%COで一晩インキュベートする。当該技術分野で周知の供給業者推奨培地および条件、例えば、HEPES&L−グルタミン(Thermo SH30255.01)および1mMピルビン酸ナトリウム、および10%FBS(Gibco cat#10082)を含むまたは含まないRPMI1640を用いて細胞を培養する。1000倍の中間希釈プレートは、DMSO中の試験試料の10mM作業溶液を作製し、DMSO中で1:3の希釈を10点で行うことによって調製される。10倍投与プレートは、1000倍の中間希釈プレートからの2μLを198μLのOPTIMEM(登録商標)+10%FBSに添加し、よく混合することによって調製される。次いで、細胞プレートを、10倍投与プレートからの11μLを100μL/ウェル細胞プレートに最終濃度1倍で添加することにより処理する。スタウロスポリンは、最終濃度5μMで最大増殖阻害対照として使用される。細胞プレートを37℃、5%COで7日間インキュベートする。処理の7日後、Cell Titer−Glo(登録商標)(Promega cat#G7571)アッセイ緩衝液および基質を−20℃から取り出し、RTに平衡化させる。アッセイ緩衝液を基質に添加し、穏やかに回転させて混合する。CELL TITER−GLO(登録商標)試薬(100μL/ウェル)を細胞プレートに添加し、室温で15分間インキュベートする。15分後、プレートリーダーを使用して発光を読み取る。データはExcelで分析され、GraphPad Prismでグラフ化される。GraphPad Prismを使用したMann−Whitneyノンパラメトリックt検定を使用して、統計分析およびp値を計算する。
増殖データの概要を表4に示す。試験化合物の抗増殖効果は、鈍感(IC50≧1μM)、細胞増殖抑制(IC50<1μMおよび%阻害<70%)または細胞毒性(IC50<1μMおよび%阻害≧70%)として分類される。ARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子のいずれかにおいて不活性化または機能喪失(LOF)変異を有する細胞株は、パネル中の残りの細胞株と比較して実施例1に対して有意に大きい細胞毒性応答を示した(表5)。対照的に、非LOF細胞株は、実施例1に応答してより高い(%)細胞増殖抑制応答を示した。
さらに、これらの変異を有するいくつかの異種移植腫瘍モデルを利用して、単剤療法としての実施例1の有効性を評価した(表3)。
有効性試験および抗腫瘍活性(ΔT/C)の概要を表3に示す。実施例1は、ARID1A、KMT2CまたはRB1遺伝子における変異を含む腫瘍モデルにおいて顕著な退行が認められ、様々な腫瘍モデルにおいて強力な有効性を実証した。まとめると、これらの知見は、ARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における不活性化変異が、複数の癌タイプにわたる実施例1による治療のための潜在的な患者選択戦略を提示することを示す。
表4:示した通り様々な癌細胞株において実施例1の抗増殖性log−GI50(nM)および増殖阻害(%)のまとめ細胞株を7日間処理し、CellTiter−Glo(登録商標)アッセイを使用して分析する。
培地情報
A.RPMI1640(Gibco11835、Gibco22400−089、またはHyclone cat#SH30027)+10%FBS(Gibco cat#10082)
B.L−グルタミン(Thermo cat#SH30022)+NaPyr+NEAA+HEPES+10%FBS(Gibco cat#10082)を含むDMEM
C.HEPESおよびL−グルタミン(Gibco22400+1mMピルビン酸ナトリウム+10%FBS(Gibco cat#10082)を含むRPMI1640。
D.F−12K培地(cat#30−2004)+10%FBS(Gibco cat#10082)
E.EMEM(CellGro cat#17−305−CV)+L−Glutamine+Na Pyruvate+Na Bicarbonate+10%FBS(Gibco cat#10082)
F.EMEM(CellGro cat#17−305−CV)+L−Glutamine+Na Pyruvate+Na Bicarbonate+NEAA+10%FBS(Gibco cat#10082)
G.DMEM(Gibco11995)+1mMピルビン酸ナトリウム+10%FBS(Gibco cat#10082)
H.DMEM高グルコース(Hyclone cat#SH30022)+10%HI FBS(Gibco cat#10082)+1X NEAA(Hyclone SH30328)
I.ATCC変性RPMI1640(Gibco A1049101)+1mMピルビン酸ナトリウム+10%FBS(Gibco cat#10082)
J.McCoy’s 5A+10%FBS(Gibco cat#10082)
K.DMEM(Gibco11965)+10%FBS
L.アール塩入りMEMイーグル(Gibco11095−080)+1%NEAA+1%NaPyr+10%FBS(Gibco cat#10082)
M.L−グルタミンおよびHEPES+10%熱不活性化FBSを含むRPMI−1640
N.L−グルタミンを含むDMEM(Thermo cat#SH30022)+ピルビン酸ナトリウム+10%FBS(Gibco cat#10082)
O.MEM(Gibco11095)+ピルビン酸ナトリウム+NEAA+10%FBS(Gibco cat#10082)
P.HEPESおよびL−グルタミン(Thermo SH30255.01またはGibco11835)を含むRPMI1640+1mMピルビン酸ナトリウム+10%FBS(Gibco cat#10082)
Q.DMEM:F12w/2.5mM L−グルタミン、15mM HEPES+0.5mM NaPyruv+10%FBS
R.49%RPMI1640+49%ハムのF12+2%h.i.FBS
S.45%RPMI1640+45%ハムのF12+10%h.i.FBS
T.DMEM(Gibco11965)+1mMピルビン酸ナトリウム+5%FBS(Gibco cat#10082)
U.LeibovitzのL15(Gibco cat#11415−064)+10%FBS(Gibco cat#10082)、COなし
V.高Glu&L−gln+10%熱不活性化FBS+NaPyr+NEAA+HEPESを用いたDMEM
W.DMEM:F12(1:1)+ITS+10nMヒドロコルチゾン+10nMβ−エストラジオール+4.5mM L−グルタ+5%FBS(Gibco cat#10082)
X.L−グルタミンとHEPES+10%FBSを含むRPMI−1640
Y.HEPESおよびL−グルタミン(Gibco22400)+1mMピルビン酸ナトリウム+NEAA+20%FBS(Gibco cat#10082)を含むRPMI1640
Z.DMEM+2mMグルタミン+1mMピルビン酸ナトリウム(NaP)+20IU/lウシインスリン+10%FBS(Gibco cat#10082)
AA.WilliamのEメディア(Gibco cat#12551)+10%FBS
BB.MEM+10%FBS+NaPyr+NEAA+HEPES+1.5g/L NaHCO
CC.McCoy’s 5A(Gibco16600)+15%FBS(Gibco cat#10082)
DD.1:1MEM(11095):F12(CellGro10−080−CV)+10%FBS(Gibco cat#10082)
EE.グルタミンおよびHEPES(Hyclone cat#SH30255)を含むRPMI−1640+10%FBS(Gibco cat#16000)+1X NaPyr
FF.Iscoveの改良型ダルベッコ培地、L−グルタミン、25mMHEPES[GIBCO12440−053]+20%FBS
GG.HEPESおよびL−グルタミン(フェノールレッドフリー)+1mMピルビン酸ナトリウム+10%FBS(Gibco cat#10082)を含むRPMI1640
HH.1:1ハムF12:DMEM+L−グルタミン+5%FBS(Gibco cat#10082)
II.RPMI−1640(Hyclone cat#SH30027)+10%熱不活性化FBS(Gibco cat#10082)
JJ.1:1の最終濃度1.5g/Lの重炭酸ナトリウムを含有するMCDB105培地と2.2g/Lの重炭酸ナトリウム+15%FBSを含有する培地199との混合物

本発明は次の態様を含む。
(1)式(I)の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
(2)式(II)の請求項1に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
(3)式(II)の上記(2)に記載の化合物
(4)式(III)の上記(1)に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
(5)式(III)の上記(4)に記載の化合物
(6)[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、上記(2)に記載の化合物または塩。
(7)[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、上記(2)に記載の化合物または塩。
(8)[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、上記(4)に記載の化合物または塩。
(9)[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、上記(4)に記載の化合物または塩。
(10)結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、上記(2)または上記(6)に記載の化合物または塩。
(11)CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、12.4°、17.3°、および15.8°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた21.5°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、上記(10)に記載の化合物または塩。
(12)結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、上記(2)または上記(7)に記載の化合物または塩。
(13)CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、21.5°、16.7°、および15.2°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた18.5°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、上記(12)に記載の化合物または塩。
(14)結晶性[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、上記(4)または(8)に記載の化合物または塩。
(15)結晶性[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、上記(4)または(9)に記載の化合物または塩。
(16)上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。
(17)1つ以上の他の治療薬を含む、上記(16)に記載の薬学的組成物。
(18)尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、または神経膠腫を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
(19)前記癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である、上記(18)に記載の方法。
(20)前記癌が、乳癌である、上記(18)または(19)に記載の方法。
(21)患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、前記患者からの生物学的試料においてARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異の存在を試験することと、前記試料が前記機能喪失変異について陽性であると試験された場合に、前記患者に治療有効量の上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することと、を含む、方法。
(22)患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、前記患者からの生物学的試料がARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異を含有するという条件で、前記患者に治療有効量の上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
(23)患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、前記患者からの生物学的試料がARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異について陽性であると試験された場合に、前記患者が治療のために選択されるという条件で、前記患者に治療有効量の上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
(24)前記化合物または塩が、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩である、上記(18)〜(23)のいずれか一項に記載の方法。
(25)前記化合物または塩が、[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩である、上記(18)〜(23)のいずれか一項に記載の方法。
(26)前記塩が、ベシル酸塩である、上記(18)〜(25)のいずれか一項に記載の方法。
(27)前記塩が、ヘミエジシル酸塩水和物である、上記(18)〜(25)のいずれか一項に記載の方法。
(28)前記生物学的試料が、腫瘍試料であり、前記試料が、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる、上記(21)〜(27)のいずれか一項に記載の方法。
(29)前記試料が、前記化合物または塩を前記患者に最初に投与する前に、前記患者から得られる、上記(21)〜(28)のいずれか一項に記載の方法。
(30)前記遺伝子が、ARID1A遺伝子である、上記(21)〜(29)のいずれか一項に記載の方法。
(31)前記遺伝子が、KMT2C遺伝子である、上記(21)〜(29)のいずれか一項に記載の方法。
(32)前記遺伝子が、KMT2D遺伝子である、上記(21)〜(29)のいずれか一項に記載の方法。
(33)前記遺伝子が、RB1遺伝子である、上記(21)〜(29)のいずれか一項に記載の方法。
(34)治療に使用するための、上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(35)尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫の治療に使用するための、上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(36)前記癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である、上記(35)に記載の使用のための化合物または塩。
(37)前記癌が、乳癌である、上記(35)または(36)に記載の使用のための化合物または塩。
(38)前記患者からの生物学的試料を使用してインビトロアッセイを行うことと、ARID1A、KMT2C、KMT2DおよびRB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異の存在を決定することと、遺伝子のいずれかにおける少なくとも1つの不活性化変異が存在する場合に、前記患者に治療有効量の前記化合物またはその塩を投与することと、もまた含む、上記(34)〜(37)のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
(39)前記生物学的試料が、腫瘍試料であり、前記試料が、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる、上記(38)に記載の使用のための化合物またはその塩。
(40)前記試料が、前記化合物またはその塩を前記患者に最初に投与する前に、前記患者から得られる、上記(38)または(39)に記載の使用のための化合物またはその塩。
(41)ARID1A遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、上記(34)〜(40)のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
(42)KMT2C遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、上記(34)〜(40)のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
(43)KMT2D遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、上記(34)〜(40)のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
(44)RB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、上記(34)〜(40)のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
(45)前記化合物またはその塩が、約1mg〜2gの用量で前記患者に投与される、上記(34)〜(44)のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
(46)尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療するための薬剤の製造における、上記(1)〜(15)のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
(47)前記癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌からなる群から選択される、上記(46)に記載の使用。
(48)前記患者からの生物学的試料を使用してインビトロアッセイを行うことと、ARID1A、KMT2C、KMT2DおよびRB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異の存在を決定することと、前記遺伝子のいずれかにおける少なくとも1つの不活性化変異が存在する場合に、前記患者に治療有効量の前記化合物またはその塩を投与することと、もまた含む、上記(46)または(47)に記載の使用。
(49)前記生物学的試料が、腫瘍試料であり、前記試料が、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる、上記(48)に記載の使用。
(50)前記試料が、前記化合物またはその塩を前記患者に最初に投与する前に、前記患者から得られる、上記(46)〜(49)のいずれか一項に記載の使用。
(51)ARID1A遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、上記(46)〜(50)のいずれか一項に記載の使用。
(52)KMT2C遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、上記(46)〜(50)のいずれか一項に記載の使用。
(53)KMT2D遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、上記(46)〜(50)のいずれか一項に記載の使用。
(54)RB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、上記(46)〜(50)のいずれか一項に記載の使用。
(55)前記化合物またはその塩が、約1mg〜2gの用量で前記患者に投与される、上記(46)〜(50)のいずれか一項に記載の使用。

Claims (55)

  1. 式(I)の化合物
    またはその薬学的に許容される塩。
  2. 式(II)の請求項1に記載の化合物
    またはその薬学的に許容される塩。
  3. 式(II)の請求項2に記載の化合物
  4. 式(III)の請求項1に記載の化合物
    またはその薬学的に許容される塩。
  5. 式(III)の請求項4に記載の化合物
  6. [(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、請求項2に記載の化合物または塩。
  7. [(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、請求項2に記載の化合物または塩。
  8. [(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、請求項4に記載の化合物または塩。
  9. [(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、請求項4に記載の化合物または塩。
  10. 結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、請求項2または請求項6に記載の化合物または塩。
  11. CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、12.4°、17.3°、および15.8°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた21.5°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、請求項10に記載の化合物または塩。
  12. 結晶性[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、請求項2または請求項7に記載の化合物または塩。
  13. CuKα線を使用して、2θ±0.2°において、21.5°、16.7°、および15.2°からなる群から選択される1つ以上のピークと組み合わせた18.5°で生じる特徴的なピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、請求項12に記載の化合物または塩。
  14. 結晶性[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートベシル酸塩である、請求項4または請求項8に記載の化合物または塩。
  15. 結晶性[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートヘミエジシル酸塩水和物である、請求項4または請求項9に記載の化合物または塩。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。
  17. 1つ以上の他の治療薬を含む、請求項16に記載の薬学的組成物。
  18. 尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、または神経膠腫を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  19. 前記癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記癌が、乳癌である、請求項18または請求項19に記載の方法。
  21. 患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、前記患者からの生物学的試料においてARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異の存在を試験することと、前記試料が前記機能喪失変異について陽性であると試験された場合に、前記患者に治療有効量の請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することと、を含む、方法。
  22. 患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、前記患者からの生物学的試料がARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異を含有するという条件で、前記患者に治療有効量の請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  23. 患者における、尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療する方法であって、前記患者からの生物学的試料がARID1A、KMT2C、KMT2DまたはRB1遺伝子における少なくとも1つの機能喪失変異について陽性であると試験された場合に、前記患者が治療のために選択されるという条件で、前記患者に治療有効量の請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  24. 前記化合物または塩が、[(3S)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩である、請求項18〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記化合物または塩が、[(3R)−1−[(E)−4−(ジメチルアミノ)ブト−2−エノイル]ピロリジン−3−イル]4−[(3−イソプロピル−5−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)アミノ]ピペリジン−1−カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩である、請求項18〜23のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記塩が、ベシル酸塩である、請求項18〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記塩が、ヘミエジシル酸塩水和物である、請求項18〜25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記生物学的試料が、腫瘍試料であり、前記試料が、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる、請求項21〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記試料が、前記化合物または塩を前記患者に最初に投与する前に、前記患者から得られる、請求項21〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記遺伝子が、ARID1A遺伝子である、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記遺伝子が、KMT2C遺伝子である、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記遺伝子が、KMT2D遺伝子である、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記遺伝子が、RB1遺伝子である、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  34. 治療に使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  35. 尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫の治療に使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
  36. 前記癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌である、請求項35に記載の使用のための化合物または塩。
  37. 前記癌が、乳癌である、請求項35または36に記載の使用のための化合物または塩。
  38. 前記患者からの生物学的試料を使用してインビトロアッセイを行うことと、ARID1A、KMT2C、KMT2DおよびRB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異の存在を決定することと、遺伝子のいずれかにおける少なくとも1つの不活性化変異が存在する場合に、前記患者に治療有効量の前記化合物またはその塩を投与することと、もまた含む、請求項34〜37のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
  39. 前記生物学的試料が、腫瘍試料であり、前記試料が、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる、請求項38に記載の使用のための化合物またはその塩。
  40. 前記試料が、前記化合物またはその塩を前記患者に最初に投与する前に、前記患者から得られる、請求項38または39に記載の使用のための化合物またはその塩。
  41. ARID1A遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、請求項34〜40のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
  42. KMT2C遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、請求項34〜40のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
  43. KMT2D遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、請求項34〜40のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
  44. RB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が治療のために選択される、請求項34〜40のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
  45. 前記化合物またはその塩が、約1mg〜2gの用量で前記患者に投与される、請求項34〜44のいずれか一項に記載の使用のための化合物またはその塩。
  46. 尿路上皮癌、子宮癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、胃癌、肝胆癌、膵臓癌、子宮頸癌、前立腺癌、血液癌、肉腫、皮膚癌、または神経膠腫を治療するための薬剤の製造における、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
  47. 前記癌が、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、または胃癌からなる群から選択される、請求項46に記載の使用。
  48. 前記患者からの生物学的試料を使用してインビトロアッセイを行うことと、ARID1A、KMT2C、KMT2DおよびRB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異の存在を決定することと、前記遺伝子のいずれかにおける少なくとも1つの不活性化変異が存在する場合に、前記患者に治療有効量の前記化合物またはその塩を投与することと、もまた含む、請求項46または47に記載の使用。
  49. 前記生物学的試料が、腫瘍試料であり、前記試料が、ゲノム/DNA配列決定によってアッセイされる、請求項48に記載の使用。
  50. 前記試料が、前記化合物またはその塩を前記患者に最初に投与する前に、前記患者から得られる、請求項46〜49のいずれか一項に記載の使用。
  51. ARID1A遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、請求項46〜50のいずれか一項に記載の使用。
  52. KMT2C遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、請求項46〜50のいずれか一項に記載の使用。
  53. KMT2D遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、請求項46〜50のいずれか一項に記載の使用。
  54. RB1遺伝子における少なくとも1つの不活性化変異を有する患者が選択される、請求項46〜50のいずれか一項に記載の使用。
  55. 前記化合物またはその塩が、約1mg〜2gの用量で前記患者に投与される、請求項46〜50のいずれか一項に記載の使用。
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