JP2019533746A - 表面結合した疎水性修飾アルキル基を含むナノ粒子を含む硬化性樹脂 - Google Patents

表面結合した疎水性修飾アルキル基を含むナノ粒子を含む硬化性樹脂 Download PDF

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Abstract

開示される様々な実施形態は、表面結合した疎水性修飾アルキル基を含むナノ粒子を含む樹脂に関する。本発明は、硬化性樹脂を含む樹脂成分を提供する。樹脂成分はまた、樹脂中に分散したナノ粒子を含む。ナノ粒子は、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C1〜C50)ヒドロカルビル基を含む。(C1〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C1〜C50)アルキル基であり、表面結合した疎水性修飾(C1〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C6〜C50)アリール基である。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[背景技術]
ナノ粒子強化熱硬化性樹脂は、繊維複合材、スポーツ用品、ジェットエンジン部品、自動車部品、圧縮ガスシリンダー、及び組成物を含む広範囲の用途を有する。ナノ粒子樹脂修飾の使用を探索するための推進力の1つには、このような樹脂を使用して複合部品に提供される向上した強度/剛性があり、軽量複合部品の製造を可能にする。
航空宇宙及び輸送用途で遭遇するものなどの高温環境におけるナノ粒子強化樹脂の使用の増加により、高温/湿潤条件下での機械的特性保持及び性能に関する研究が再活性化している。
[発明の概要]
様々な実施形態において、本発明は、樹脂成分を提供する。樹脂成分は、硬化性樹脂を含む。樹脂成分は、樹脂中に分散したナノ粒子を含む。ナノ粒子は、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含む。(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アルキル基であり、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アリール基である。
様々な実施形態において、本発明は樹脂系を提供する。樹脂系は樹脂成分を含む。樹脂系はまた、硬化性成分を含む。
様々な実施形態において、本発明は、樹脂系の形成方法を提供する。方法は、樹脂系を形成するために、樹脂成分を硬化性成分と合わせること、を含む。
様々な実施形態において、本発明は、樹脂系の硬化生成物を提供する。
様々な実施形態において、本発明は、硬化生成物の形成方法を提供する。方法は、樹脂系を含む反応混合物を硬化させること、を含む。反応混合物を硬化させることにより、樹脂系の硬化生成物を形成する。
様々な実施形態において、本発明は、樹脂系の硬化生成物を含む物品を提供する。
様々な実施形態において、本発明は、エポキシ樹脂を含む樹脂成分を提供する。エポキシ樹脂は、樹脂成分の約35重量%〜約90重量%である。樹脂成分は、樹脂中に分散したナノ粒子を含む。ナノ粒子は、約5nm〜約500nmの粒径を有する。ナノ粒子は、樹脂成分の約15重量%〜約65重量%である。ナノ粒子は、各々独立して、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含む。(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくともいくつかは、フェニル基及び(C〜C10)アルキル基から選択され、フェニル基の(C〜C10)アルキル基に対するモル比は、約95:5〜約50:50である。
様々な実施形態において、樹脂成分、それを含む樹脂系、及びその硬化生成物は、他の硬化性材料及びその硬化生成物を上回る、特定の利点を有し得る。例えば、様々な実施形態において、本発明の樹脂成分は、他の硬化性樹脂よりもより長期間にわたってその粘度を実質的に維持することなどによって、他の樹脂成分と比較して、貯蔵寿命を長くすることができる。様々な実施形態において、本発明の樹脂系は、樹脂系が加工可能であり、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、トウ配置、樹脂注入プロセス、引抜成形、又はこれらの組み合わせに好適であるように、他の樹脂系よりも低い粘度を有し得る。
様々な実施形態において、樹脂成分は、修飾ナノ粒子を含有し、表面結合した基のうちの少なくとも1つがナノ粒子と樹脂成分の硬化性部分との相溶性を増加させるように選択される。いくつかの実施形態において、樹脂成分は、修飾ナノ粒子を更に含有し、表面結合した基の一部分が粒子及び樹脂成分の疎水性を高めるように選択される。
いくつかの実施形態において、樹脂成分は、相溶性を増加させるための1つの型の表面結合した基で修飾された粒子と、疎水性を増大させるための第2の型の表面結合した基とを含有し、樹脂成分は、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、トウ配置、プレプレギング、樹脂注入、引抜成形、及び他の同様のプロセスなどの加工を可能にするのに十分に低い粘度を有することによって特徴付けられる。
様々な実施形態において、上記の修飾基を両型とも有する樹脂成分の粘度は、相溶化型の表面修飾のみを有する同様の樹脂成分の粘度と同等であるか、低くなるか、又は著しく低くなる。
様々な実施形態において、本発明の硬化生成物は、比較的乾燥した室温条件と、高温、湿潤、又はこれらの組み合わせの条件との間のガラス転移温度を、他の硬化生成物よりも効果的に保持することができる(例えば、水分にさらした後のTの変化が少なくなる)。様々な実施形態において、本発明の硬化生成物は、他の硬化生成物と比較して、同じ条件下で、空気からより低重量パーセントの水を吸収し得る。様々な実施形態において、ガラス転移温度の保持(例えば、水分にさらした後のTにおける変化が少ない)、並びに空気からの水分取り込みの速度及び量は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基の型及び分布、ナノ粒子のサイズ、又はこれらの組み合わせを変化させることによって調整することができる硬化生成物の特性である。
[発明を実施するための形態]
以下、開示されている主題のある特定の実施形態について詳細に述べる。開示されている主題は、列挙された請求項に関連して記述されるが、例示されている主題は、これらの請求項を開示されている主題に限定することを意図しないことが理解される。
この文書全体にわたって、範囲の形式で表される値は、その範囲の限界として明示的に記載されている数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれる全ての個々の数値又は部分範囲も、各数値範囲及び部分範囲が明示的に記載されている場合と同様に含むように、柔軟に解釈すべきである。例えば、「約0.1%〜約5%」又は「約0.1%〜5%」という範囲は、約0.1%〜約5%だけでなく、示された範囲内の各値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%〜0.5%、1.1%〜2.2%、3.3%〜4.4%)も含むと解釈すべきである。「約X〜Y」という記述は、特に断りのない限り、「約Y〜約X」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に断りのない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
本文書において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」という用語は、文脈上明確な別段の指示がない限り、1つ以上を含めるために使用される。「又は」という用語は、特に断りのない限り非排他的な(nonexclusive)「又は」を指すために使用される。「A及びBのうちの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。加えて、本明細書で用いられている特に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定するためではないと理解されるべきである。節の見出しの使用はいずれも、本文書の読み取りを補助することを意図しており、限定と解釈すべきではなく、節の見出しに関連する情報は、その特定の節の中又は外に存在し得る。
本明細書に記載の方法において、行為は、時間的又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、本発明の原理を逸脱することなく任意の順序で行うことができる。更に、特定の行為が別個に行われることが請求項で明示的に記載されていない限り、それらの行為は同時に行うことができる。例えば、Xするという特許請求されている行為及びYするという特許請求されている行為は、単一の操作で同時に行うことができ、結果として生じるプロセスは特許請求されている文言上の範囲内に入る。
本明細書で使用される「約」という用語は、値又は範囲のある程度の変動性、例えば、記述されている値の又は記述されている範囲の限界の10%以内、5%以内、又は1%以内を許容することができ、かつ正確な記述されている値又は範囲を含む。
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、若しくは少なくとも約99.999%以上等の大部分若しくはほとんど又は100%を指す。「実質的に含まない」という用語は、組成物が、材料の約0重量%〜約5重量%、又は約0重量%〜約1重量%、又は約5重量%以下、又は約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約0.001重量%以下、又は約0重量%であるようなわずかな量を有することを意味し得る。
本発明で使用される「有機基」という用語は、任意の炭素含有官能基を指す。例としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基等の酸素含有基;カルボン酸、カルボン酸塩、及びカルボン酸エステルを含むカルボキシル基;アルキル及びアリールスルフィド基等の硫黄含有基;並びに他のヘテロ原子含有基を挙げることができる。有機基の非限定的な例としては、OR、OOR、OC(O)N(R)、CN、CF、OCF、R、C(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R)、SR、SOR、SOR、SON(R)、SOR、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CHC(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)、OC(O)N(R)、C(S)N(R)、(CH0〜2N(R)C(O)R、(CH0〜2N(R)N(R)、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)、N(R)SOR、N(R)SON(R)、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)、N(R)C(S)N(R)、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)、C(O)N(OR)R、C(=NOR)R、及び置換又は非置換(C〜C100)ヒドロカルビルが挙げられ、式中、Rは水素(他の炭素原子を含む例において)又は炭素をベースとした部分であり得、炭素をベースとした部分は置換又は非置換であり得る。
本明細書で規定されている分子又は有機基と関連して本明細書で使用される「置換(された)」という用語は、そこに含まれる1つ以上の水素原子が1つ以上の非水素原子で置き換えられている状態を指す。本明細書で使用される「官能基」又は「置換基」という用語は、分子又は有機基上に置換可能な又は置換される基を指す。置換基又は官能基の例としては、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、及びI);ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボン酸塩、及びカルボン酸エステルを含むカルボキシル基等の基内の酸素原子;チオール基、アルキル及びアリールスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、及びスルホンアミド基等の基内の硫黄原子;アミン、ヒドロキシアミン、ニトリル、ニトロ基、N−オキシド、ヒドラジド、アジド、及びエナミン等の基内の窒素原子並びに様々な他の基内の他のヘテロ原子が挙げられるが、これらに限定されない。置換された炭素(又は他の)原子と結合可能な置換基の非限定的な例としては、F、Cl、Br、I、OR、OC(O)N(R)、CN、NO、NO、ONO、アジド、CF、OCF、R、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R)、SR、SOR、SOR、SON(R)、SOR、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CHC(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)、OC(O)N(R)、C(S)N(R)、(CH0〜2N(R)C(O)R、(CH0〜2N(R)N(R)、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)、N(R)SOR、N(R)SON(R)、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)、N(R)C(S)N(R)、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)、C(O)N(OR)R、及びC(=NOR)Rが挙げられ、式中、Rは水素若しくは炭素をベースとした部分であり得、例えばRは、水素、(C〜C100)ヒドロカルビル、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアリールアルキルであってもよく、又は式中、窒素原子と若しくは隣接窒素原子と結合した2つのR基が前述の1つ以上の窒素原子と一緒にヘテロシクリルを形成してもよい。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜40個の炭素原子、1〜約20個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、又はいくつかの実施形態において1〜8個の炭素原子を有する、直鎖状及び分枝状アルキル基、並びにシクロアルキル基を指す。直鎖状アルキル基の例としては、1〜8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基が挙げられる。分枝状アルキル基の例としては、イソプロピル基、イソ−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、及び2,2−ジメチルプロピル基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、n−アルキル、イソアルキル、及びアンテイソアルキル基並びにアルキルの他の分枝鎖形態を包含する。代表的な置換アルキル基は、本明細書に列挙されている基のいずれか、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、チオ基、アルコキシ基、及びハロゲン基で、1回以上置換されていてもよい。
本明細書で使用する「アルケニル」という用語は、2つの炭素原子間に少なくとも1個の二重結合が存在すること以外は、本明細書で規定されている直鎖状及び分枝鎖並びに環状アルキル基を指す。したがって、アルケニル基は、2〜40個の炭素原子、又は2〜約20個の炭素原子、又は2〜12個の炭素原子、又はいくつかの実施形態において2〜8個の炭素原子を有する。例としては、特に、ビニル、−CH=CH(CH)、−CH=C(CH、−C(CH)=CH、−C(CH)=CH(CH)、−C(CHCH)=CH、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、及びヘキサジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「アシル」という用語は、カルボニル部分を含む基を指し、この基はカルボニル炭素原子を介して結合している。カルボニル炭素原子は、水素に結合して「ホルミル」基を形成しているか、又は別の炭素原子に結合しており、これは、アルキル、アリール、アラルキル シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基等の一部であってもよい。アシル基は、カルボニル基に結合した炭素原子を更に0〜約12個、0〜約20個、又は0〜約40個含むことができる。アシル基は、本明細書における意味の範囲内で二重結合又は三重結合を含むことができる。アクリロイル基はアシル基の一例である。アシル基はまた、本明細書における意味の範囲内でヘテロ原子を含むこともできる。ニコチノイル基(ピリジル−3−カルボニル)は、本明細書における意味の範囲内でアシル基の一例である。他の例としては、アセチル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基、ピリジルアセチル基、シンナモイル基、及びアクリロイル基等が挙げられる。カルボニル炭素原子に結合した炭素原子を含む基がハロゲンを含有する場合、この基は「ハロアシル」基と呼ばれる。一例はトリフルオロアセチル基である。
本明細書で使用する「アリール」という用語は、環内にヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素基を指す。したがってアリール基としては、フェニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニル基、インダセニル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ビフェニレニル基、アントラセニル基及びナフチル基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基は、基の環部分に約6〜約14個の炭素を含有する。アリール基は、本明細書で規定されている通り、非置換又は置換であり得る。代表的な置換アリール基は、一置換であってもよく、又は2回以上置換されていてもよく、例えば、フェニル環の2位、3位、4位、5位、若しくは6位のいずれか1つ以上が置換されたフェニル基、又はその2位〜8位のいずれか1つ以上が置換されたナフチル基等であるがこれらに限定されない。
本明細書で使用する「ヘテロシクリル」という用語は、3つ以上の環員を含有し、その環員のうちの1つ以上がN、O及びS等であるがこれらに限定されないヘテロ原子である、芳香族又は非芳香族環化合物を指す。
「ハロ」、「ハロゲン」、又は「ハライド」基という用語は、本明細書で使用する場合、それら自体が又は別の置換基の一部として、特に記載がない限りフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。
本明細書で使用する「炭化水素」又は「ヒドロカルビル」という用語は、炭素原子及び水素原子を含む分子又は官能基を指す。この用語はまた、通常、炭素原子及び水素原子の両方を含むが、全ての水素原子が他の官能基で置換されている分子又は官能基も指し得る。
本明細書で使用する場合、「ヒドロカルビル」という用語は、直鎖状、分枝状、又は環状の炭化水素から誘導される官能基を指し、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、アシル、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。ヒドロカルビル基は、(C〜C)ヒドロカルビルと表すことができ、式中、a及びbは整数であり、a〜b個の数の炭素原子を有することを意味する。例えば、(C〜C)ヒドロカルビルは、このヒドロカルビル基がメチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)、又はブチル(C)であり得ることを意味し、(C〜C)ヒドロカルビルは、ある特定の実施形態においてヒドロカルビル基が存在しないことを意味する。
本明細書で使用する「硬化する」という用語は、任意の形態の放射線に曝露すること、加熱すること、又は固化若しくは粘度の上昇をもたらす物理的若しくは化学的反応を起こさせることを指す。熱硬化性材料は、加熱することによって、又は材料が固化するように別の方法で照射に曝露することによって、硬化させることができる。
本明細書で使用する「溶媒」という用語は、固体、液体、又は気体を溶解することができる液体を指す。溶媒の非限定的な例は、シリコーン、有機化合物、水、アルコール、イオン性液体、及び超臨界流体である。
本明細書で使用する「室温」という用語は、約15℃〜28℃の温度を指す。
本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、少なくとも1つの繰り返し単位を有する分子を指し、コポリマーを含み得る。
樹脂成分
様々な実施形態において、本発明は、樹脂成分を提供する。樹脂成分は、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂を含む。樹脂成分はまた、ナノ粒子を含む。ナノ粒子は、樹脂成分中に実質的に均質に分散されている。ナノ粒子は、各々独立して、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含む。(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アルキル基である。いくつかの実施形態において、樹脂成分はまた、疎水性修飾を含まないナノ粒子を含んでもよく、これは異なる修飾を有するか、又は表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含むナノ粒子以外のナノ粒子を含まなくてもよい。
樹脂成分は、1つの硬化性樹脂又は2つ以上の硬化性樹脂を含むことができる。1つ以上の硬化性樹脂は、樹脂成分が本明細書に記載されるように使用され得るように、樹脂成分のうちの任意の好適な割合とすることができる。1つ以上の硬化性樹脂は、樹脂成分の約35重量%〜約99重量%、約35重量%〜約90重量%、約35重量%〜約60重量%、約35重量%以下、又は約36重量%、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約99重量%以上でもよい。
硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、硬化性イミド樹脂(例えばマレイミド樹脂であり得、また例えば市販のK−3ポリイミド(DuPontから入手可能)及び末端反応基、例えばアセチレン、ジアセチレン、フェニルエチニル、ノルボルネン、ナジミド(nadimide)、又はベンゾシクロブタンを有するポリイミドも含む)、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂(例えば、(メタ)アクリルエステル又はポリオール、エポキシ、及びアミンのアミド)、ビスベンゾシクロブタン樹脂、ポリシアネートエステル樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル、又はこれらの組み合わせも挙げ得る。硬化性樹脂は、モノマー又はプレポリマーの形態で利用することができる。
エポキシ樹脂は当該技術分野において公知であり、1つ以上のエポキシ基を含有する化合物又は化合物の混合物を含む。化合物は、飽和又は不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式であることができ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。1個を超すエポキシ基を含有する化合物(例えば、ポリエポキシド)を使用することができる。
ポリエポキシドは、脂肪族又は芳香族ポリエポキシドを含むことができる。芳香族ポリエポキシドは、例えば、高温用途に使用することができる。芳香族ポリエポキシドは、多価フェノールのポリグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA誘導体樹脂、エポキシクレゾール−ノボラック樹脂、ビスフェノールF誘導体樹脂、エポキシフェノール−ノボラック樹脂)、芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、及び芳香族アミンのグリシジルアミンなどの、少なくとも1つの芳香族環構造(例えばベンゼン環)と、1つを超すエポキシ基と、を含有する化合物である。芳香族ポリエポキシドは、多価フェノールのポリグリシジルエーテルであり得る。芳香族ポリエポキシドとしては、芳香族カルボン酸のグリシジルエステル(例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル及びピロメリト酸テトラグリシジルエステル及びこれらの混合物)、N−グリシジルアミノベンゼン(例えば、N,N−ジグリシジルベンゼンアミン、ビス(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェニル)メタン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン及びN,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシベンゼンアミン及びこれらの混合物)、及び多価フェノールのポリグリシジル誘導体(例えば、2,2−ビス−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパン)、多価フェノール(例えば、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及びトリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン)のポリグリシジルエーテル、ノボラックのポリグリシジルエーテル(酸触媒の存在下での、一価又は多価フェノールとアルデヒドとの反応生成物)、並びにこれらの混合物が挙げることができる。多価フェノールのポリグリシジルエーテルは、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]ノルカンファン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]デカヒドロ−1,4,5,8−ジメタノナフタレン、又は9,9−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]フルオレンなどの、ペンダント炭素環式基を有するビスフェノールのジグリシジルエーテルであり得る。
脂肪族ポリエポキシドとしては、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)−5,1’’−スピロ−3’’,4’’−エポキシシクロヘキサン−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、リノール酸のダイマー酸のジグリシジルエステル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ブタン、4−(1,2−エポキシエチル)−1,2−エポキシシクロヘキサン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロールなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、又は完全水素添加4,4’−ジヒドロキシジフェニル−ジメチルメタン及びこれらの混合物を挙げることができる。
マレイミド樹脂としては、ビスマレイミド、ポリマレイミド、又はポリアミノビスマレイミド、例えばN,N’−ビスマレイミドを挙げることができる。N,N’−ビスマレイミドは、1,2−エタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,4−ベンゼンジアミン、4,4’−メチレンビスベンゼンアミン、2−メチル−1,4−ベンゼンジアミン、3,3’−メチレンビスベンゼンアミン、3,3’−スルホニルビスベンゼンアミン、4,4’−スルホニルビスベンゼンアミン、3,3’−オキシビスベンゼンアミン、4,4’−オキシビスベンゼンアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキサンアミン、1,3−ベンゼンジメタンアミン、1,4−ベンゼンジメタンアミン、4,4’−シクロヘキサンビスベンゼンアミン、及びこれらの混合物のN,N’−ビスマレイミドであり得る。
ビスマレイミドと共に使用するための共反応物質としては、複数の不飽和(例えば、エチレン性、アセチレン性、又はその両方)を有するものなどの、任意の多種多様な不飽和有機化合物を挙げることができる。例としては、アクリル酸及びアミド、並びにこれらのエステル誘導体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びメチルメタクリレート;ジシアノエチレン;テトラシアノエチレン;アリルアルコール;2,2’−ジアリルビスフェノールA;2,2’−ジプロペニルビスフェノールA;ジアリルフタレート;トリアリルイソシアヌレート;トリアリルシアヌレート;N−ビニル−2−ピロリジノン;N−ビニルカプロラクタム;エチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート;ペンタエリスリトールテトラメタクリレート;4−アリル−2−メトキシフェノール;トリアリルトリメリテート;ジビニルベンゼン;ジシクロペンタジエニルアクリレート;ジシクロペンタジニエニルオキシエチルアクリレート;1,4−ブタンジオールジビニルエーテル;1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン;スチレン;α−メチルスチレン;クロロスチレン;p−フェニルスチレン;p−メチルスチレン;t−ブチルスチレン;及びフェニルビニルエーテルが挙げられる。ビス(アルケニルフェノール)と組み合わせたビスマレイミド、例えば4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、及びo,o’−ジアリルビスフェノールAを含む樹脂、を使用することができる。
ポリシアネートエステル樹脂としては、1,2−ジシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、2,2’−ジシアナトジフェニルメタン、3,3’−ジシアナトジフェニルメタン、4,4’−ジシアナトジフェニルメタン、及びビスフェノールA、ビスフェノールF、又はビスフェノールSから調製されるジシアネートを挙げることができる。三官能性以上のシアネート樹脂を使用することができる。
樹脂成分は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を有する1つの型のナノ粒子を含むことができるか、又は1つを超す型のこのようなナノ粒子を含むことができる。1つ以上の疎水性修飾ナノ粒子は、樹脂成分のうちの任意の好適な割合、例えば、樹脂成分の約1重量%〜約65重量%、又は約15重量%〜約65重量%、又は約1重量%以下、又は約2重量%、4、6、8、10、12、14、15、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、64重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約65重量%以上を構成することができる。
ナノ粒子は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア、クロミア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、炭酸カルシウム、カルサイト、又はこれらの組み合わせなどの任意の好適な材料を含むことができる。ナノ粒子は、シリカナノ粒子であることができ、いくつかの実施形態において、シリカ以外の材料を実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、樹脂成分は、硬化性樹脂をナノ粒子及び溶媒が含まれるゾルと合わせ、続いて溶媒を蒸発させることによって形成することができる。
ナノ粒子は、例えば、約1nm〜約1,000nm未満、約5nm〜約500nm、約10nm〜約200nm、又は約1nm以下、又は約2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、275、300、325、350、375、400、450、500、550、600、700、800、900nm未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより大きいか、又は約1000nm未満であるなどの任意の好適な粒径(例えば、粒子の最大寸法)を有し得る。粒径は、透過型電子顕微鏡検査(TEM)などを介して、任意の好適な方法で測定することができる。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、1つの平均粒径を有する。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、ナノ粒子が少なくとも2つの平均粒径など、1つを超す平均粒径を有するように、複数の粒径にわたって分布する。例えば、第1平均粒径は、約1nm〜約1,000nm未満、約5nm〜約500nm、約10nm〜約200nm、又は約1nm以下、又は約2、3、4、5、10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、350、400、450、500、600、700、800、900nm未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより大きいか、又は約1000nm未満であり得、第2平均粒径は、約1nm〜約1,000nm未満、約5nm〜約500nm、約10nm〜約200nm、又は約1nm以下、又は約2、3、4、5、10、20、30、40、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、350、400、450、500、600、700、800、900nm未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより大きいか、又は約1000nm未満であり得る。
ナノ粒子は、1つの表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基又は複数のこのような基を含むことができる。表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アリール基、又はフェニル基であり得る。(C〜C50)アルキル表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基は、(C〜C10)アルキル基であり得る。表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基は、メチル基、エチル基、又はイソオクチル基であり得る。
表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基は、1価アルコール、ポリオール、オルガノシラン、オルガノチタネート、又はこれらの組み合わせなどの任意の好適な材料から誘導され得る。表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基は、ナノ粒子(NP)及び疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基(G)が、構造NP−SiR−G[式中、R及びRは、(C〜C15)アルキル基、(C〜C15)アルコキシ基、(C〜C18)アリール基、及び−O−C(O)−(C〜C15)アルカン基から選択される]を有するように、−SiR−リンカーを介してナノ粒子に結合することができる。
表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含む修飾ナノ粒子は、未修飾ナノ粒子を構造:
Figure 2019533746

を有するシランと反応させることにより形成され得る。
、R、及びRは、独立して、表面官能化を提供するか、又はナノ粒子との結合を形成するように選択することができる。R、R、及びRは、独立して、(C〜C15)アルキル基、(C〜C15)アルコキシ基、(C〜C18)アリール基、及び−O−C(O)−(C〜C15)アルカン基から選択することができ、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、(C〜C15)アルコキシ基又は−O−C(O)−(C〜C15)アルカン基である。Gは、疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基であり得る。表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含むナノ粒子は、フェニルトリメチルオキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ジイソオクチルジメトキシシラン、トリイソオクチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリフェニルアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、トリエチルアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、イソオクチルトリアセトキシシラン、ジイソオクチルアセトキシシラン、トリイソオクチルアセトキシシラン、類似のシラン材料、又はこれらの組み合わせで、ナノ粒子を処理することにより形成することができる。
表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基は、1種類の(C〜C50)ヒドロカルビル基を含むことができるか、又は1種類を超す(C〜C50)ヒドロカルビル基のブレンドを含むことができる。例えば、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基は、(C〜C50)アリール基と(C〜C50)アルキル基とのブレンド、例えば、フェニル基と(C〜C10)アルキル基(例えば、メチル、エチル、又はイソオクチル)のブレンドを含むことができる。表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アリール基及び表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基は、約99:1〜約1:99、約95:5〜約50:50、約90:10〜約70:30、又は約99:1以上、又は約95:5、90:10:88:12、86:14、84:16、82:18、80:20、78:22、76:24、74:26、72:28、70:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、40:60、35:65、30:70、25:75、20:80、15:85、10:90、5:95未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約1:99以下であるモル比を有し得る。
(C〜C50)アリール基と(C〜C50)アルキル基とのブレンドを含む表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を有する、ナノ粒子を含む樹脂成分は、任意の数の好適な特性を有し得る。例えば、樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物は、対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物と比較して、同じ期間及び同じ条件下で所与の期間にわたってより少量の水分を吸収し得る。いくつかの実施形態において、樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物は、周囲湿度(例えば、制御されていない湿度条件)にて80℃の空気で10日間乾燥させた後と、85%湿度の空気に85℃で10日間さらした後との2つの条件の間でガラス転移温度の変化を有し得、これは対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物について同じ2つの条件の間で観察されるガラス転移温度の降下又は低下よりも小さい。樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物は、低湿度にて80℃の空気で10日間乾燥させた後のガラス転移温度が、対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物について同じ条件下で観察されるガラス転移温度と比較して、より高くなり得る。樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物は、85%湿度の空気に85℃で10日間さらした後のガラス転移温度が、対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物について同じ条件下で観察されるガラス転移温度と比較して、より高くなり得る。
様々な実施形態において、ナノ粒子、硬化性樹脂、樹脂成分、樹脂系、又はこれらの組み合わせは、KOH、NaOH、NHOH、又はこれらの組み合わせなどの無機水溶性塩を実質的に含まないものにできる。このような塩は、イオン交換プロセスから生じ得る。いくつかの実施形態において、このような塩の存在は、粘度の増加を引き起こし得る。
樹脂系
様々な実施形態において、本発明は樹脂系を提供する。樹脂系は、樹脂成分と硬化性成分とを含む。樹脂成分は、例えば、硬化性樹脂と、樹脂中に分散した、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含むナノ粒子であって、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは(C〜C50)アルキル基であるナノ粒子とを含む、本明細書に記載の樹脂成分の任意の好適な実施形態であってもよい。
樹脂系は硬化性系であり、例えば、樹脂成分と硬化性成分とを共に硬化させて、好適な条件下に置いた場合にこれらの硬化生成物を形成することができる。樹脂系は熱硬化性樹脂系であることができ、樹脂系の加熱によって樹脂系を硬化させることができる。樹脂成分と硬化性成分とが実質的に均質に混合されるように、樹脂系は実質的に均質に混合することができる。
表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を有するナノ粒子は、樹脂系のうちの任意の好適な割合を構成することができる。例えば、ナノ粒子は、樹脂系の約1重量%〜約80重量%、約15重量%〜約50重量%、約20重量%〜約45重量%、又は約1重量%以下、又は約2重量%、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、55、60、65、70、75重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約80重量%以上とすることができる。
樹脂成分は、樹脂系のうちの任意の好適な割合とすることができる。樹脂成分は、樹脂系の約1重量%〜約99重量%、樹脂系の約60重量%〜約90重量%、又は約1重量%以下、又は約2重量%、3、4、5、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、85、90、95、96、97、98重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約99重量%以上とすることができる。
硬化性成分は、樹脂系のうちの任意の好適な割合を構成することができる。硬化性成分は、樹脂系の約1重量%〜約99重量%、約3重量%〜約55重量%、又は樹脂系の約1重量%以下、又は樹脂系の約2重量%、3、4、5、6、8、10、15、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、又は約99重量%以上とすることができる。硬化性成分は、硬化性樹脂の化学量論量の約0.1倍以下、又は0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、若しくは約1.9倍以上未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより大きくなるような、硬化性樹脂の化学量論量の約0.1〜約2倍の量で存在し得る(例えば、1:1の比は、その非触媒成分の全てが、樹脂成分と完全に反応し、実質的に過剰な樹脂成分を残さないような硬化性成分の量である)。
硬化性成分は、樹脂成分と共に硬化させることができる(例えば、共に反応させるか又は触媒となって、固化した材料を形成することができる)任意の好適な成分を含むことができる。硬化性成分は、硬化剤、触媒、架橋剤、又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、硬化剤、架橋剤、又はこれらの組み合わせは、硬化性成分の全体を実質的に構成し得るが、他の実施形態において、他の材料が硬化性成分中に存在し得る。いくつかの実施形態において、硬化性成分は、無水物、アミン硬化剤、アミド硬化剤、ポリカルボン酸、ポリフェノール、又はこれらの組み合わせを含むことができる。硬化性成分は、置換若しくは非置換フタル酸無水物、置換若しくは非置換フタル酸無水物の水素添加誘導体、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
エポキシ樹脂硬化剤としては、置換若しくは非置換フタル酸無水物、置換若しくは非置換フタル酸無水物又はクロレンディック酸無水物の水素添加誘導体などの無水物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アミノエチルエタノールアミンなど、ジアミノジフェニルスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−クロロ−4−(アミノフェニル)フルオレンなどのアミン硬化剤;ジシアンジアミドなどのアミド硬化剤;アジピン酸などのポリカルボン酸、ビスフェノールAなどのポリフェノール;又はこれらの組み合わせを挙げることができる。硬化剤の例としては、米国特許第4,684,678号(Schultzら)に開示されているものを挙げることができ、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
N,N’−ビスビスマレイミド樹脂は、ジアミン硬化剤を使用して、又は他の機構、例えば、芳香族オレフィン(ビス−アリルフェニルエーテル、4,4’−ビス(o−プロペニルフェノキシ)ベンゾフェノン、又はo,o’−ジアリルビスフェノールAなど)を用いた共硬化又は自己重合機構を介した熱硬化を用いて硬化させることができる。ポリイソシアネート樹脂は、熱の適用によって、並びに/又はオクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸スズ、銅アセチルアセトネート、若しくは鉄、コバルト、亜鉛、銅、マンガン、及びチタンのカテコールなどの二座配位子とのキレートなどの触媒を使用することによって架橋することができる。
樹脂系の粘度は、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、トウ配置、樹脂注入プロセス、引抜成形、又はこれらの組み合わせなどの低粘度樹脂系を必要とするプロセスによる複合物品の調製に好適であり得る。樹脂系の粘度は、任意の好適な粘度であり得る。例えば、室温で混合した後、樹脂系は、約0.1Pa・s〜約300Pa・s、約1Pa・s〜約100Pa・s、又は約0.1Pa・s以下、又は約0.5Pa・s、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290Pa・s未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより大きいか、又は約300Pa・s以上である室温複素粘度を有し得る。
樹脂系は、任意の1つ以上の任意選択的な成分を含んでもよく、又は、任意の1つ以上の任意選択的な成分を含まなくてもよい。例えば、樹脂系は、任意選択的に、触媒、染料、難燃剤、顔料、耐衝撃性改良剤、流動制御剤、反応性希釈剤、消泡剤(例えば、混合又は使用時に泡を減らすため)、硬化促進剤、触媒、充填剤、溶媒、尿素、又はこれらの組み合わせを含んでもよいか、又はこれらを含まなくてもよい。触媒は、ルイス酸又は塩基、三級若しくは四級アミン、イミダゾール、錯化ルイス酸、又はこれらの有機金属化合物若しくは塩などの熱活性化触媒剤であり得る。
樹脂系は、最終使用用途において硬化部分が適切に機能することを可能にする任意の含水量を有し得る。含水量がTに影響を及ぼし得ることを理解すると、性能の考慮には、最終使用用途に必要な強度及びモジュラスを保持するための適切なTの維持を含むことができる。硬化した樹脂系は、水を実質的に含まなくてもよい。硬化した樹脂系は、樹脂系の約5重量%以下、又は約0重量%〜約2重量%、又は約0重量%、又は約0.1重量%以下、又は約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.5、3、3.5、4、若しくは4.5重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い含水量を有し得る。
樹脂系の形成方法
様々な実施形態において、本発明は、樹脂系の形成方法を提供する。方法は、本明細書に開示の樹脂成分と硬化性成分とを含む樹脂系などの、樹脂系の実施形態を形成する任意の好適な方法であり得、樹脂成分が、硬化性樹脂とナノ粒子とを含み、ナノ粒子は、樹脂中に分散した、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは(C〜C50)アルキル基である。
方法は、樹脂系を形成するために、樹脂成分を硬化性成分と合わせること、を含むことができる。方法は、樹脂成分と硬化性成分とが実質的に均質に混合されるように、樹脂成分と硬化性成分とを混合すること、を含むことができる。
樹脂系の硬化生成物
様々な実施形態において、本発明は、樹脂系の硬化生成物を提供する。硬化生成物は、本明細書に記載の樹脂成分と硬化性成分とを含む樹脂系の硬化生成物などの、樹脂系の実施形態の任意の好適な硬化生成物であり得、樹脂成分が、硬化性樹脂とナノ粒子とを含み、ナノ粒子は、樹脂中に分散した、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは(C〜C50)アルキル基である。
樹脂系の硬化生成物は、本明細書に記載の樹脂系の組成物と一致する任意の好適な特性を有し得る。例えば、85%の湿度で85℃の空気にさらした後、11日後、全水分取り込み量は、約0重量%〜約3重量%、又は約1.5重量%〜約2.5重量%、又は約0重量%、又は約0.1重量%以下、又は約0.2重量%、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.8重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多いか、若しくは約3重量%以上とすることができる。
樹脂系の硬化生成物のガラス転移温度は、他の樹脂系と比較して、高温及び湿潤条件下でより良好に保持することができる。例えば、周囲湿度(例えば、制御されていない湿度条件)にて80℃の空気で10日間後と、85%の湿度の空気に85℃で10日間さらした後の条件との間の硬化生成物のガラス転移温度の変化は、約10℃〜約60℃、又は約25℃〜約40℃、又は約10℃以下、又は約15℃、20、25、26、28、30、32、34、36、38、40、45、50、55℃未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより大きいか、又は約60℃以上とすることができる。
樹脂系の硬化生成物は、任意の好適な含水量を有し得る。樹脂系の硬化生成物は、水を実質的に含まなくてもよい。樹脂系の硬化生成物は、硬化生成物の約5重量%以下、又は約0重量%〜約2重量%、又は約0重量%、又は約0.1重量%以下、又は約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.5、3、3.5、4、若しくは4.5重量%未満であるか、これらと等しいか、若しくはこれらより多い含水量を有し得る。
硬化生成物の形成方法
様々な実施形態において、本発明は、硬化生成物の形成方法を提供する。方法は、本明細書で形成される硬化生成物、例えば、樹脂成分と硬化性成分とを含む樹脂系の硬化生成物の実施形態を形成する任意の好適な方法であり得、樹脂成分が、硬化性樹脂とナノ粒子とを含み、ナノ粒子は、樹脂中に分散した、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは(C〜C50)アルキル基である。
方法は、少なくとも樹脂成分と硬化性成分とを混合して、反応混合物を形成すること、を含むことができる。樹脂系は、熱硬化性樹脂系とであることができ、樹脂系を含む反応混合物を硬化させることは、反応混合物を加熱すること、を含むことができる。樹脂系は、硬化生成物の形成中に様々な技術を介して容易に加工可能であるように、低粘度を有し得る。樹脂系は、十分に高い粘度であることができ、プリプレグ(又は樹脂系で予め含浸させた布地)に容易に加工可能であるような温度を有する、適切なレオロジープロファイルを有し得る。硬化は、熱、電子ビーム放射、マイクロ波放射、紫外線若しくは可視光放射、又はこれらの組み合わせの適用を含むことができる。
硬化生成物の形成方法は、樹脂トランスファー成形プロセスを含むことができる。繊維は最初にプリフォームに成形することができ、次いでこれを金属成形型内の最終部品形状に圧縮することができる。次いで、樹脂系を成形型内にポンプ注入し、熱硬化させることができる。
硬化生成物の形成方法は、典型的には、円形又は楕円形の断面形状を有する円筒又は他の複合材を調製するために使用されるフィラメントワインディングプロセスを含むことができる。このプロセスでは、繊維トウ又はトウのアレイを樹脂系浴に通すことにより樹脂系に含浸させ、次いで含浸されたトウをマンドレル上に巻き付ける。次いで、得られた複合材を熱硬化させることができる。
硬化生成物の形成方法は、引抜成形プロセスを含むことができる。引抜成形は、一定の断面部分を調製するために使用される連続的なプロセスである。方法は、樹脂系浴内で連続繊維の大アレイをウェットアウトさせ、次いで、得られたウェットアレイを加熱されたダイを通して引っ張ること、を含むことができ、ここで捕捉された空気が絞り出され、樹脂系が硬化される。
生成物の形成方法は、プリプレグ(又は樹脂系で予め含浸された布地)を形成すること、を含むことができ、これはその後に成形及び硬化される。
物品
様々な実施形態において、本発明は、硬化生成物を含む物品を提供する。物品は、本明細書に記載の硬化生成物の実施形態、例えば樹脂成分と硬化性成分とを含む樹脂系の硬化生成物を含む、任意の好適な物品であり得、樹脂成分が、硬化性樹脂とナノ粒子とを含み、ナノ粒子は、樹脂中に分散した、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは(C〜C50)アルキル基である。
物品は、硬化生成物で含浸した繊維を含む、複合材を含むことができる。物品は、硬化生成物を含むコーティングを含む、基材を含むことができる。
繊維を含む物品は、有機繊維又は無機繊維など任意の好適な種類の繊維、例えば、炭素繊維又は黒鉛繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ホウ素繊維、炭化ケイ素繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維など、及びこれらの組み合わせを含むことができる。炭素、ガラス、又はポリアミドの繊維を使用することができ、低コスト、良好な物理的特性、及び加工容易性を含む利点を有し得る。このような繊維は、個々の連続繊維、織布、編布、糸、ロービング、編組構造、又は不織マットの単向性アレイの形態であることができる。一般に、複合物品は、構造用途の要件に応じて、例えば、約30体積%〜約80体積%の繊維、又は約45体積%〜約70体積%の繊維を含有することができる。
本発明の様々な実施形態は、例示によって提供される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解することができる。本発明は、本明細書に記載されている実施例に限定されない。
特に記載のない限り、全ての試薬はSigma−Aldrich Company(St.Louis,Missouri)から得られたか、若しくは入手可能であり、又は既知の方法により合成し得る。別途記載のない限り、全ての比は、重量%基準である。
表1は、実施例で使用した略称について記載する。表2は、実施例で使用した材料について記載する。
Figure 2019533746
Figure 2019533746
実施例1.
IR−120のマスターバッチを、溶離水が透明になるまで21℃の脱イオン水ですすいだ。次いで、得られた洗浄したイオン交換樹脂を、約90重量%の水性懸濁液で維持した。
攪拌器、冷却器、サーモウォッチ及び温度計を取り付けた3口フラスコに、21℃で、400グラムのTX−15502を添加した。20.3グラムのIR−120懸濁液を4分間にわたって更に添加しながらシリカゾルを連続的に攪拌することにより、シリカゾルを脱イオンし、pHを約2.5に低下させた。pH2.5になってから、溶液を45分間攪拌し、次いでIR−120をシリカゾルから濾別した。次いで、酸性ゾルを3口フラスコに移し、攪拌しながら、1.46グラムの30%重量%水酸化アンモニウム溶液を素早く添加して、pHを9.50まで上昇させた。水酸化アンモニウムの添加後、ゾルのゲル化が起こらないように、最低5分間、迅速に攪拌を継続した。400グラムの1−メトキシ−2−プロパノールを、2.7グラムのPTMS及び0.36グラムのIOTMSと合わせて(これは90:10のモル比のフェニルトリメトキシシラン:オクチルトリメトキシシラン異性体に相当する)、混合物を10分にわたって攪拌ゾルにゆっくりと添加した。連続的に攪拌しながら、フラスコの内容物を90〜95℃まで加熱し、この温度で20時間保持し、次いで21℃まで冷却した。得られたシラン修飾シリカゾルは、その後、23.8重量%のシリカであると測定された。
220.0gのこの修飾ゾルを、攪拌器及び真空引き器を取り付けたフラスコに移した。57.5グラムのEpon862を添加し、約90%の揮発性物質が除去されるまで、混合物を真空下で連続的に攪拌しながら85〜90℃まで加熱した。次いで、温度を150℃まで上昇させ、45分間保持し、最後に21℃まで冷却した。得られたナノシリカ充填エポキシ中の得られたシリカ濃度は、その後、46.7重量%であると測定された。
10グラムのこのナノシリカ充填エポキシを、モデルFlack−Tec150高速ミキサーに移した。これに、0.19グラムのDC−1400B及び0.19グラムのU−24を添加し、混合物を2,500rpmで2分間均質に分散させた。次いで、混合物を真空オーブン内に入れ、50℃で30分間脱気し、再び2,500rpmで2分間分散させ、次いで75℃に予熱した成形型に移した。次いで、材料を80℃で1時間、続いて150℃で2時間硬化させ、21℃まで冷却し、その後、硬化した材料を成形型から取り出した。
実施例2.
2.7グラムのPTMSを2.4グラムに減らし、0.36グラムのIOTMSを0.71グラムに増やして(これは80:20のモル比のフェニルトリメトキシシラン:オクチルトリメトキシシラン異性体に相当する)、概ね実施例1に記載されている手順を繰り返した。
実施例3.
2.7グラムのPTMSを2.1グラムに減らし、0.36グラムのIOTMSを1.1グラムに増やして(これは70:30のモル比のフェニルトリメトキシシラン:オクチルトリメトキシシラン異性体に相当する)、概ね実施例1に記載されている手順を繰り返した。
比較例A〜C及び実施例4〜11
官能化ナノ粒子ゾル(FNP)の調製
1.120重量部のNP1Aを、70°F(21.1℃)のオープンヘッドステンレス鋼混合容器に添加した。次いで、1.0重量部の1M2Pの大部分を、圧搾空気により駆動されたインペラによってNP1Aにゆっくりと混合した。別個に、0.0150重量部のPTMSを1.0重量部の1M2Pの残部と混合し、その後、それを容器にゆっくりと添加し、70°F(21.1℃)で更に30分間混合し続けた。次いで、この混合物を27リットルのステンレス鋼連続流式水熱反応器に供給した。その既知の設計は、Adschiri,et al.,J.Am.Ceram.Soc,75(4),1019−1022(1992)、米国特許第5,453,262号(Dawsonら)及び国際公開第2009/120848号(Tiefenbruckら)に記載されている。反応器の温度は150℃、背圧設定330psi(2.3MPa)、滞留時間は35分とした。得られた官能化ナノ粒子ゾルを「FNP1A」と命名した。
表3に列挙されたような、反応器条件(反応器サイズ、滞留時間及び温度)、ナノ粒子ゾル(種類及び重量部)及びシラン(種類、モル比、及び重量部)に従って、概ねFNPA1の調製について記載されている手順を繰り返したが、場合によっては(表3に示すように)より小型の0.5リットル水熱反応器を使用した。対応する重量部は、1.00である場合の1M2Pを基準とした。
Figure 2019533746
相分離手順
ワイプフィルム蒸発器(WFE)供給組成物
比較例Aについての供給混合物を以下のように処理した。4.770重量部のFNP1A、0.653重量部のFNP2A、及び1.000重量部のEPON826エポキシ樹脂を380Lのケトルに移した。ケトルを25℃で維持し、成分を40分間攪拌し、その後、攪拌を停止し、供給混合物を1時間静置した。ほとんどの場合、相分離は、ケトルの上部に透明な溶媒層が存在し、下部に不透明なエマルジョン層が存在するように生じた。透明な溶媒層をデカントすることにより除去し、秤量した。デカント後の材料の重量を、添加した成分の元々の重量の比率として計算し、表4に報告する。デカント後、0.231重量部のH107、0.254重量部のBAの量を供給混合物に添加し、攪拌を少なくとも30分間再び行った。相分離からのエマルジョン層を、1平方メートルのBUSS FILMTRUDER向流ポリマープロセッサを使用してWFEに計量した。WFEローターを、25HP(18.6KW)駆動並びに蒸気ゾーン1及び2で108℃の温度、ゾーン3で144℃の温度、ゾーン4で134℃の温度、真空レベル3.6〜3.9KPaで、340rpmの速度に設定した。約15分後、WFE溶出液を無溶媒の液体ナノ粒子含有樹脂系として単離した。比較例1(CE−1)についてのナノ粒子含有樹脂系を、表4に示すように樹脂1と命名した。残りの比較例及び実施例、並びに樹脂番号に対する相互関係を表6に見出すことができる。
比較例A及びC、並びに実施例4及び5を、表4に列挙した条件に従って、概ね上記のとおり調製した。EPON826の重量部は1.00とした。
Figure 2019533746
ロールフィルム蒸発器(RFE)供給組成物
比較例Bについての供給混合物を以下のように処理した。5.9344重量部のFNP1B及び1.000重量部のEPON826エポキシ樹脂を、70°F(21.1℃)のプラスチック容器内で均質になるまでブレンドした。攪拌後、混合物を約1時間静置し、透明な溶媒リッチな上層、及び下層には不透明なエマルジョンを得た。透明な溶媒リッチな層をデカントし、秤量し、表5に報告されるように、溶媒層の重量パーセントを測定した。0.102重量部のEPON826、0.250重量部のH107及び0.307重量部のBAを供給混合物に添加し、均質になるまで約15分間攪拌を再び行った。特に、供給混合物が、HTR溶出液(複数可)及びEPON826のみを合わせた後に最初に相分離しなかった場合、供給混合物の残りと共にEPON826、H107及びBAの添加及び攪拌後に、相分離する場合があった。これらの場合、供給混合物を静置し、透明な溶媒リッチな上層が得られ、これをデカントし、秤量した。全ての予め添加した成分の最初に添加した重量と比較した透明な溶媒層の比率を計算した。溶媒層デカント中に滞留した成分を相殺するために、続けてEPON826エポキシ樹脂を添加し、2回目のH107を添加し、BAを適宜添加し、供給混合物を均質になるまで更に1回攪拌した。次いで、均質なエマルジョンを、ChemTech,Inc.(Rockwell,Illinois)から入手したステンレス鋼ロールフィルム蒸発器、モデル「KDL−6」、0.06mに供給した。RFE条件には、7mL/分の供給速度、315rpmのローター速度、3.6〜3.7KPaの真空、及び148℃のジャケット温度を含めた。留出物/凝縮物を、0℃に保持されたグリコール水冷却器によって冷却されたトラップ内に回収した。不揮発性RFE溶出生成物を別個の容器に回収し、樹脂2と命名した。
実施例6〜11(樹脂6〜11)を概ね上記のとおり調製し、表5に列挙した組成に従って供給混合物を調製した。比較例B及び実施例6に関して、HTR溶出液(表5の量)を最初に1.00重量部のEPON826と共に攪拌した後、次いで約1時間静置したところ、相分離が生じた。デカント後、列挙された量(表5)のEPON826、H107及びBAを添加した。実施例7〜11に関して、HTR溶出液及び1.00部のEPON826エポキシ樹脂が共に攪拌された最適の成分となる場合、初期相分離はなかった。表5に示すようなH107及びBAの添加は、最初の1時間後に完了し、供給混合物を均質になるまで再度攪拌した。1時間放置すると、実施例7〜11の供給混合物中で相分離が生じた。デカントプロセスを実施し、(表5に示すように)供給成分(EPON826、H107及びBA)の2回目の添加を行った。2回目の添加プロセスの後、混合物を攪拌して、均質な供給混合物を形成した。
Figure 2019533746
硬化試料の調製
比較例A.
1.00重量部の樹脂1を適切なカップに添加し、0.48重量部のL36Y硬化剤と70°F(21.1℃)で合わせた。カップを閉じ、FlackTek,Inc.(Landrum,South Carolina)から入手したモデル「DAC 600 FVZ」高速ミキサーに入れ、800rpmで30秒間、1500rpmで30秒間、最後に2000rpmで30秒間攪拌した。混合した樹脂系を成形型に注ぎ、63℃で3時間、続いて91℃で2時間、最後に85℃で6時間かけて硬化させた。得られた硬化試料を、70°F(21.1℃)まで約8時間にわたってゆっくりと放冷し、次いで成形型から取り出し、試験に必要なサイズに切断した。
比較例B及びC、並びに実施例1〜8を、表6に列挙した組成に従って、概ね上記のとおり調製した。
Figure 2019533746

比較例C並びに実施例4及び5は、表6及び表4に記載されるように、BYKを含有する。
試験方法
硬化試料で、以下の試験を行った。実施例1〜3の結果を表7に列挙し、比較例A〜C及び実施例4〜11の結果を表8にまとめる。
水分取り込み量−試験手順1
実施例1〜3からの硬化材料を、20×20×2mmの切片に切断した。2つの切片を、密封したボトル内の乾燥剤上で、65℃にて48時間乾燥させた。切片を秤量し、次いでデシケータ内の水の層の上に置いた。デシケータを密封し、80℃に設定したオーブンに移した。切片を週に1回取り出し、拭き取って乾燥させ、再秤量した後、それらをデシケータに戻した。このプロセスは、更なる重量増加が記録されなくなるまで継続し、それから全水分取り込み量を測定した。
水分取り込み量−試験手順2
実施例4〜11及び比較例A〜Cからの厚さ2.3mmの硬化材料を、3.5cm×1.0cm及び1.9cm×1.9cmの2つの名目上の(nominal)サイズのうちの1つに切断した。試料表面を微細グリットサンドペーパーでサンディングして、潜在的な表面効果を全て除去し、その後の水分取り込み量実験のために新鮮な試料表面を露出させた。試料を水で洗浄し、80℃のオーブン内で10日間乾燥させ、秤量した。次いで、試料を湿度チャンバに移し、85℃及び相対湿度85%で100日間保持し、その際、試料を定期的に秤量して水分の増加を記録した。100日後、試料をチャンバから取り出し、軽くたたいて乾燥させ、21℃に達してから再び秤量した。こうして計測された初期重量及び最終重量から、水分取り込み量を算出した。本明細書で報告される結果は、1試験につき4つの試料の平均を表す。
シリカ含有量
樹脂成分及び硬化樹脂試料のシリカ含有量を、TA Instruments(New Castle,Delaware)から入手したモデルTGA 500熱重量分析器を使用して測定した。試料を、空気中で20℃/分で30℃から850℃まで加熱した。不燃性残留物を樹脂の元々のナノシリカ含有量であるとみなした。
−試験手順1.
Rheometrics,Inc.(Piscataway,New Jersey)から入手したモデルRDA−700粘弾性動的分析器(Rheometrics Dynamic Analyzer)を用いて、3点曲げ試験モードを使用して、実施例1〜3のガラス転移温度(T)を測定した。試験片を5.08cm×1.27cm×0.16cmに機械加工した。1分間の灼熱処理で、毎分5℃の加熱速度で35℃から樹脂のガラス転移温度を超えるまで、データを、5℃の間隔で収集した後、各測定を行った。初期ひずみは0.45%とし、機械はひずみ調整モードとした。
−試験手順2
実施例4〜11及び比較例A〜CのTは、TA Instruments,Inc.(New Castle,Delaware)から入手したモデルDMA Q800動的機械分析器を使用して、ひずみ振幅15μmでひずみ制御モードで実施される二重片持ち梁試験治具を使用して測定した。試験片を名目上の寸法3.5×1.0cmに機械加工した。上記の水分取り込み量試験手順2からの初期及び最終水分取り込み試料に対応する、乾燥T及び湿潤Tについて、各々2つの試料を測定した。試料を30℃で平衡化し、1分間等温で保持し、次いで5℃/分で160℃まで昇温させた。報告される「デルタT」は、平均乾燥T値から平均湿潤T値を引いたものである。
Figure 2019533746
Figure 2019533746
比較例B及び比較例Aの試料からの平衡時の水分取り込み量を比較すると、水分取り込み量は、2.42重量%から2.20重量%まで減少した。これは、樹脂成分中に二峰性の粒度分布の官能化ナノ粒子を有する比較例Aでは水分取り込み量がより低いことに対応しており、他方、比較例B試料は、樹脂成分中に単峰性の粒度分布の官能化ナノ粒子を有する。
比較例Cの試料(この比較のための対照)からの平衡時の水分取り込み量を実施例4及び5のものと比較すると、平衡時の水分取り込み量は4〜16%の間で減少したことが明らかである。比較例C並びに実施例4及び5は全て消泡剤を含有し、L36V硬化剤で硬化させた。3つの試料についてデルタTを更に調べると、実施例4及び5は、比較例C(39℃)と比較した場合に、乾燥T値と湿潤T値との間での下落が少ないこと(わずか29〜31℃)を示しており、注目に値し得る。
比較例Bの試料(この比較のための対照)からの平衡時の水分取り込み量を実施例6〜11と比較すると、平衡時の水分取り込み量は3〜9%の間で減少したことが明らかである。比較例B及び実施例6〜11は消泡剤を含有せず、L36Y硬化剤で硬化させた。比較例B及び実施例6〜11についてデルタTを更に調べると、実施例6〜11からの試料は、比較例C(51℃)と比較した場合に、乾燥T値と湿潤T値との間での下落が少ないこと(34〜47℃の範囲のデルタT)を示しており、注目に値し得る。全体的に、より少ない水分取り込み量を示した試料はまた、高温湿潤条件にさらされた後のT(最小デルタT)の最良の保持を示した。
用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴又はその一部分の均等物を除外する意図はなく、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、特定の実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明を具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、本発明の実施形態の範囲内であると見なされることが理解されるべきである。
追加の実施形態
以下の例示的な実施形態を示すが、その番号付けは重要度を示すものと解釈されるものではない。
実施形態1は、
硬化性樹脂と、
樹脂中に分散したナノ粒子と、
を含む樹脂成分であって、ナノ粒子は、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アルキル基である、樹脂成分を提供する。
実施形態2は、硬化性樹脂が、樹脂成分の約35重量%〜約99重量%である、実施形態1に記載の樹脂成分を提供する。
実施形態3は、硬化性樹脂が、樹脂成分の約35重量%〜約90重量%である、実施形態1又は2に記載の樹脂成分を提供する。
実施形態4は、硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、硬化性イミド樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ビスベンゾシクロブタン樹脂、ポリシアネートエステル樹脂、マレイミド樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル、又はこれらの組み合わせである、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態5は、硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態6は、ナノ粒子が、樹脂成分の約1重量%〜約65重量%である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態7は、ナノ粒子が、樹脂成分の約15重量%〜約65重量%である、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態8は、ナノ粒子が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア、クロミア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、炭酸カルシウム、カルサイト、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態9は、ナノ粒子が、シリカナノ粒子である、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態10は、ナノ粒子が、約1nm〜約1,000nm未満の粒径を有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態11は、ナノ粒子が、約5nm〜約500nmの粒径を有する、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態12は、ナノ粒子が、約10nm〜約200nmの粒径を有する、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態13は、ナノ粒子が、少なくとも2つの平均粒径を有する、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態14は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、(C〜C50)アリール基である、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態15は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つが、フェニル基である、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態16は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基が、(C〜C10)アルキル基である、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態17は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基が、メチル基、エチル基、又はイソオクチル基である、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態18は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、1価アルコール、ポリオール、オルガノシラン、オルガノチタネート、又はこれらの組み合わせから誘導される、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態19は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、−SiR−リンカー[式中、R及びRは、独立して、ナノ粒子との結合、(C〜C15)アルキル基、(C〜C15)アルコキシ基、(C〜C18)アリール基、及び−O−C(O)−(C〜C15)アルカン基から選択される]を介してナノ粒子に結合している、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態20は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含むナノ粒子が、未修飾ナノ粒子を、構造:
Figure 2019533746

[式中、
、R、及びRは、独立して、(C〜C15)アルキル基、(C〜C15)アルコキシ基、(C〜C18)アリール基、及び−O−C(O)−(C〜C15)アルカン基から選択され、R、R、及びRのうちの少なくとも1つは、(C〜C15)アルコキシ基又は−O−C(O)−(C〜C15)アルカン基であり、
Gは、疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基である]を有するシランと反応させることにより形成される、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態21は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含むナノ粒子が、フェニルトリメチルオキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ジイソオクチルジメトキシシラン、トリイソオクチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、トリフェニルアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、トリエチルアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、イソオクチルトリアセトキシシラン、ジイソオクチルアセトキシシラン、トリイソオクチルアセトキシシラン、又はこれらの組み合わせで、ナノ粒子を処理することにより形成される、実施形態1〜20のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態22は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、1種類を超す(C〜C50)ヒドロカルビル基のブレンドを含む、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態23は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、1種類を超す(C〜C50)アルキル基のブレンドを含む、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態24は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、(C〜C50)アリール基と(C〜C50)アルキル基とのブレンドを含む、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態25は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アリール基と表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基とが、約99:1〜約1:99のモル比を有する、実施形態24に記載の樹脂成分を提供する。
実施形態26は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アリール基と表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基とが、約95:5〜約50:50のモル比を有する、実施形態24又は25に記載の樹脂成分を提供する。
実施形態27は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アリール基と表面結合した疎水性修飾(C〜C50)アルキル基とが、約90:10〜約70:30のモル比を有する、実施形態24〜26のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態28は、樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物が、対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物と比較して、同じ期間及び同じ条件下で所与の期間にわたってより少量の水分を吸収する、実施形態24〜27のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態29は、樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物が、低湿度にて80℃の空気で10日間乾燥させた後と、85%の湿度の空気に85℃で10日間さらした後との2つの条件の間でガラス転移温度の変化を有し、これは対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物について同じ2つの条件下で観察されるガラス転移温度の変化よりも小さい、実施形態24〜28のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態30は、樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物が、低湿度にて80℃の空気で10日間乾燥させた後、対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物について同じ条件下で観察されるガラス転移温度と比較して、より高いガラス転移温度を有する、実施形態24〜29のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態31は、樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物が、85%湿度の空気に85℃で10日間さらした後、対応する(C〜C50)アルキル基の(C〜C50)アリール基に対するモル比がより低い樹脂成分と硬化性成分との硬化生成物について同じ条件下で観察されるガラス転移温度と比較して、より高いガラス転移温度を有する、実施形態24〜30のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態32は、表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、フェニル基と(C〜C10)アルキル基とのブレンドを含む、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態33は、ナノ粒子、硬化性樹脂、樹脂成分、又はこれらの組み合わせが、無機水溶性塩を実質的に含まない、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態34は、ナノ粒子、硬化性樹脂、樹脂成分、又はこれらの組み合わせが、KOH、NaOH、NHOH、又はこれらの組み合わせを実質的に含まない、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の樹脂成分を提供する。
実施形態35は、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の樹脂成分と、
硬化性成分と、
を含む、樹脂系を提供する。
実施形態36は、樹脂成分と硬化性成分とが実質的に均質に混合されている、実施形態35に記載の樹脂系を提供する。
実施形態37は、樹脂系が、硬化性系である、実施形態35又は36に記載の樹脂系を提供する。
実施形態38は、ナノ粒子が、樹脂系の約1重量%〜約80重量%である、実施形態35〜37のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態39は、ナノ粒子が、樹脂系の約15重量%〜約50重量%である、実施形態35〜38のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態40は、樹脂系が、熱硬化性樹脂系である、実施形態35〜39のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態41は、樹脂成分が、樹脂系の約1重量%〜約99重量%である、実施形態35〜40のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態42は、樹脂成分が、樹脂系の約60重量%〜約90重量%である、実施形態35〜41のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態43は、硬化性成分が、樹脂系の約1重量%〜約99重量%である、実施形態35〜42のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態44は、硬化性成分が、樹脂系の約3重量%〜約55重量%である、実施形態35〜43のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態45は、硬化性成分が、硬化性樹脂の化学量論量の約0.1〜約2倍の量で存在する、実施形態35〜44のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態46は、硬化性成分が、硬化剤、触媒、架橋剤、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態35〜45のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態47は、硬化性成分が、無水物、アミン硬化剤、アミド硬化剤、ポリカルボン酸、ポリフェノール、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態35〜46のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態48は、硬化性成分が、置換若しくは非置換フタル酸無水物、置換若しくは非置換フタル酸無水物の水素添加誘導体、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン、又はこれらの組み合わせである、実施形態35〜47のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態49は、樹脂系の粘度が、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、トウ配置、樹脂注入プロセス、引抜成形、又はこれらの組み合わせによる複合物品の調製に好適である、実施形態35〜48のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態50は、触媒、染料、難燃剤、顔料、耐衝撃性改良剤、流動調整剤、反応性希釈剤、消泡剤、硬化促進剤、触媒、充填剤、溶媒、尿素、又はこれらの組み合わせを更に含む、実施形態35〜49のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態51は、室温で混合した後、樹脂系が、0.1Pa・s〜約300Pa・sの室温複素粘度を有する、実施形態35〜50のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態52は、室温で混合した後、樹脂系が、約1Pa・s〜約100Pa・sの室温複素粘度を有する、実施形態35〜51のいずれか1つに記載の樹脂系を提供する。
実施形態53は、樹脂系を形成するために、樹脂成分を硬化性成分と合わせること、を含む、実施形態35〜52のいずれか1つに記載の樹脂系の形成方法を提供する。
実施形態54は、実施形態35〜52のいずれか1つに記載の樹脂系の硬化生成物を提供する。
実施形態55は、85%湿度を有する85℃の空気にさらした後、11日後、全水分取り込み量が、約0重量%〜約3重量%である、実施形態54に記載の硬化生成物を提供する。
実施形態56は、85%湿度を有する85℃の空気にさらした後、11日後、全水分取り込み量が、約1.5重量%〜約2.5重量%である、実施形態54又55に記載の硬化生成物を提供する。
実施形態57は、低湿度にて80℃の空気で10日間後と、85%の湿度の空気に85℃で10日間さらした後の条件との間での硬化生成物のガラス転移温度の変化が、約10℃〜約60℃である、実施形態54〜56のいずれか1つに記載の硬化生成物を提供する。
実施形態58は、低湿度にて80℃の空気で10日間後と、85%の湿度の空気に85℃で10日間さらした後の条件との間での硬化生成物のガラス転移温度の変化が、約25℃〜約40℃である、実施形態54〜57のいずれか1つに記載の硬化生成物を提供する。
実施形態59は、硬化生成物が、約5重量%以下の含水量を有する、実施形態54〜58のいずれか1つに記載の硬化生成物を提供する。
実施形態60は、硬化生成物が、約0重量%〜約2重量%の含水量を有する、実施形態54〜59のいずれか1つに記載の硬化生成物を提供する。
実施形態61は、実施形態54〜60のいずれか1つに記載の硬化生成物の形成方法であって、
実施形態56〜62のいずれか1つに記載の硬化生成物を形成するために樹脂系を含む反応混合物を硬化させること、を含む、方法を提供する。
実施形態62は、少なくとも樹脂成分と硬化性成分とを混合して、反応混合物を形成すること、を更に含む、実施形態61に記載の方法を提供する。
実施形態63は、樹脂系を含む反応混合物を硬化させることが、反応混合物を加熱すること、を含む、実施形態61又は62に記載の方法を提供する。
実施形態64は、実施形態54〜60のいずれか1つに記載の硬化生成物を含む物品を提供する。
実施形態65は、硬化生成物で含浸した繊維を含む複合材を含む、実施形態64に記載の物品を提供する。
実施形態66は、硬化生成物を含むコーティングを含む基材を含む、実施形態64又は65に記載の物品を提供する。
実施形態67は、
エポキシ樹脂と、
樹脂中に分散したナノ粒子であって、
エポキシ樹脂は、樹脂成分の約35重量%〜約90重量%であり、ナノ粒子は、約5nm〜約500nmの粒径を有し、ナノ粒子は、樹脂成分の約15重量%〜約65重量%であり、ナノ粒子は、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくともいくつかは、フェニル基及び(C〜C10)アルキル基から選択され、フェニル基の(C〜C10)アルキル基に対するモル比は、約95:5〜約50:50である、ナノ粒子と、
を含む樹脂成分を提供する。
実施形態68は、列挙されている全ての要素又は選択肢が使用又は選択可能であるように任意選択的に構成された、実施形態1〜67のいずれか1つ又は任意の組み合わせの樹脂成分、樹脂系、硬化生成物、方法、又は物品を提供する。

Claims (15)

  1. 硬化性樹脂と、
    前記樹脂中に分散したナノ粒子と、
    を含む樹脂成分であって、前記ナノ粒子は、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、前記(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アルキル基であり、前記表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つは、(C〜C50)アリール基である、樹脂成分。
  2. 前記硬化性樹脂が、前記樹脂成分の約35重量%〜約99重量%である、請求項1に記載の樹脂成分。
  3. 前記ナノ粒子が、前記樹脂成分の約1重量%〜約65重量%である、請求項1又は2に記載の樹脂成分。
  4. 前記表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくとも1つが、フェニル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂成分。
  5. 前記表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、−SiR−リンカー[式中、R及びRは、独立して、前記ナノ粒子との結合、(C〜C15)アルキル基、(C〜C15)アルコキシ基、及び(C〜C18)アリール基から選択される]を介して前記ナノ粒子に結合している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂成分。
  6. 前記表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、1種類を超す前記(C〜C50)ヒドロカルビル基のブレンドを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂成分。
  7. 前記表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、前記(C〜C50)アリール基と(C〜C10)アルキル基とのブレンドを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂成分。
  8. 前記表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基が、フェニル基と(C〜C10)アルキル基とのブレンドを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂成分。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂成分と、
    硬化性成分と、
    を含む樹脂系。
  10. 前記硬化性成分が、硬化剤、触媒、架橋剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の樹脂系。
  11. 前記樹脂系を形成するために、前記樹脂成分を前記硬化性成分と合わせること、を含む、請求項9又は10に記載の樹脂系の形成方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の樹脂系の硬化生成物。
  13. 請求項12に記載の硬化生成物の形成方法であって、
    請求項12に記載の硬化生成物を形成するために前記樹脂系を含む反応混合物を硬化させること、を含む、方法。
  14. 請求項12に記載の硬化生成物を含む物品。
  15. エポキシ樹脂と、
    前記樹脂中に分散したナノ粒子であって、
    前記エポキシ樹脂は、前記樹脂成分の約35重量%〜約90重量%であり、前記ナノ粒子は、約5nm〜約500nmの粒径を有し、前記ナノ粒子は、前記樹脂成分の約15重量%〜約65重量%であり、前記ナノ粒子は、各々独立して表面結合した疎水性修飾(C〜C50)ヒドロカルビル基を含み、前記(C〜C50)ヒドロカルビル基のうちの少なくともいくつかは、フェニル基及び(C〜C10)アルキル基から選択され、前記フェニル基の前記(C〜C10)アルキル基に対するモル比は、約95:5〜約50:50である、ナノ粒子と、
    を含む樹脂成分。
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