JP2019533013A - 新しい抗微生物化合物、哺乳動物感染症の治療のためのそれらの使用及び新しい代謝メカニズム - Google Patents

新しい抗微生物化合物、哺乳動物感染症の治療のためのそれらの使用及び新しい代謝メカニズム Download PDF

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Abstract

本発明は、細菌によって引き起こされる哺乳動物(ヒト及び動物)の感染症の治療の一般的分野に関し、特に、結核(TB)、マイコバクテリアによって引き起こされるブルーリ潰瘍及びハンセン病のような疾患の治療に関する。本発明は、上記の問題を克服する可能性を有する一連の新しいベンゾチアジノン化合物の生成を目的とする。本発明は、好ましい実施形態において、置換基R1〜R15が請求項1及び従属請求項に記載の意味を有する一般式(I)の化合物に関する。

Description

技術分野
本発明は、細菌によって引き起こされる哺乳動物(ヒト及び動物)の感染症の一般的治療分野に関し、特に、マイコバクテリアによって引き起こされる結核(TB)、ブルーリ潰瘍及びハンセン病のような疾患の予防的又は治療的処置に関する。
特に、本発明は、既知の抗結核化合物の最近のin vivo代謝試験、それによって達成された結果について、並びに既知化合物と比較して生物活性及びin vivo代謝安定性を改善する可能性を有する一連の新しいベンゾチアジノン化合物について報告する。
発明の背景
マイコバクテリアの感染に起因する結核、ハンセン病及びブルーリ潰瘍のような感染症は、疾病負荷と死亡率の点では、ヒトの健康への最も挑戦的な脅威に属する。結果として、特に薬物耐性を克服し、そして利用可能な薬物の既知の劇的な副作用を克服するために、改善された生物活性又は改善された代謝安定性を有する新しい薬物に対する緊急の必要性がある。
ベンゾチアジノン及びそれらの抗菌剤としての、特にマイコバクテリアに対する使用は、一般に知られている。(S)−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−ベンゾ[e][1,3]チアジン−4−オン(BTZ043)と関連する2−[4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4−H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(PBTZ169)は、国際公開第2007/134625号及び国際公開第2012/066518号に記載されている。両化合物は、可能性のある開発のために広範な研究を受けている、非常に強力な抗結核剤である。
発明の要約
上記の背景を考慮すると、マイコバクテリアに対する高い抗菌活性を提供するだけでなく、以前に記載された化合物と比較して、安全性、代謝安定性及び良好なADMEプロファイルのようなの代替的な又はさらに改善された特性をも示す新規化合物を開発することが非常に望ましい。
本発明は、上記の問題を克服する可能性を有する一連の新しいベンゾチアジノン化合物の生成を目的とする。
本発明の一部として報告されているベンゾチアジノンを用いた最近のin vivo研究は、BTZ043及びPBTZ169のマイゼンハイマー錯体を含む、新しくかつ全く前例のない還元経路を明らかにした。この還元経路は、前記マイゼンハイマー錯体及びその後続の化学の詳細な特徴付けを可能にした化学的研究によって確認されている。
これらのin vivo研究及び化学的研究とLC−MSの物理化学的特徴付け及びアッセイ開発との組み合わせもまた、抗結核剤のこの有望なクラスの合理的なリード化合物の最適化(lead optimization)のための基礎を提供した。特に、ニトロ置換ベンゾチアジノン化合物のin vivo代謝は、前記ニトロベンゾチアジノン部分の脱芳香族化を含むことが見出された。以下の式(I)中の位置R及びRの一方又は両方の水素原子をより大きな置換基で置換することにより、これらのベンゾチアジノンの重要な代謝を変えることができ、及びしたがってさらに改良された抗マイコバクテリア化合物への合理的なアクセスが可能になる。
好ましい実施形態では、本発明は、したがって、式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩に関する。:
Figure 2019533013
(I)

(式中、
はNOを表し、
はCFを表し、
置換基R及びRのうちの少なくとも一方は、OH、SR14、NHR15、CN、N、1〜4個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、場合のよってハロゲン化された、直鎖又は分岐の脂肪族基、直鎖又は分岐のC〜Cアルコキシ、C〜Cアシルであり、R及びRのうちの他方は、さらに水素であってもよく、
は、2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル又は4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基を表し、
14及びR15は互いに独立して水素又はC−Cアルキル基である)
実施形態[1]に記載の上記式(I)における一実施形態では、R及びRは両方とも上記で定義された通りであり、且つ、水素とは異なる。本発明の別の実施形態において、Rは水素であり、そしてRは上で定義された通りである。本発明のさらなる実施形態において、Rは水素であり、そしてRは上で定義された通りである。
本発明の新規ベンゾチアジノン化合物及び/又はそれらの医薬的に許容可能な塩は、疾患の治療的処置に有用である。好ましくは、前記疾患は結核、ハンセン病又はブルーリ潰瘍を含む群から選択される。
図面の説明
図1a)−d)は、以下を開示している。: a)ニトロベンゾチアジノン一般の作用の分子機構; b)BTZ043処理ミニブタの血漿サンプルの代表的なHPLCクロマトグラムセクション(254nmのUVトレース)、サンプル調製直後(上)及び数時間後(下); c)NaBHを介したBTZ043の還元によって得られた生成物混合物の特徴的な化学シフト領域; d)NaBHを介したBTZ043の還元によって得られた生成物混合物(下)と比較したBTZ043処理ミニブタの血漿サンプル(上)のHPLCクロマトグラムセクション(254nmのUVトレース)。 図2a)−b)は、 a)還元及びメチル化ステップの略図、 b)6a/b及び5bの構造ならびに6a/bの特徴的なCOSY、NOESY及びHMBCカップリング、である。 図3a)−d)は、 a)新鮮な(fresh)全血をBTZ043及びDMSOと共にin vitroでインキュベートした後に得られた血漿サンプルのHPLCプロファイルセクション(254nmトレース)(ヒト血液による対照(control))、ここで、5bの同一性は明白にUV特性及び保持時間によって保証されている、HPLCプロファイルセクション; b)m/z=459.1649〜459.1695(corr.7b [PBTZ169+2H+H]+)での、 I: 新鮮な全血をPBTZ169とin vitroでインキュベートした後に得られた血漿サンプル; II: 新鮮な全血をBTZ043とin vitroでインキュベートした後に得られた血漿サンプル(陰性対照); III: アセトニトリル/水中でPBTZ169をNaBHで還元することによって調製した標準(reference)混合物;の抽出イオンクロマトグラム(HPLC−HRMS、ポジティブモード)、ここで7a/7bの位置化学は5a/bと同様に提案された、抽出イオンクロマトグラム; c)BTZ043を用いたMe−グリニヤール反応の略図; d)新鮮な全血を、m/z=434.0970−434.1014(corr. 5b [BTZ043+2H+H]+)で、 I: BTZ043(陽性対照)と、 対照(controls): アセトニトリル/水中でNaBHを用いてII: 9a及びIII: 9bを還元することによって調製した標準混合物と;一緒にin vitroでインキュベートした後に得られた血漿サンプルの正規化抽出イオンクロマトグラム(HPLC−HRMS、ポジティブモード)であって、ここで、位置化学は割り当てられなかった、正規化抽出イオンクロマトグラム;である。 図4は、合成された5b標準化合物(下)及びBTZ043と共に15分間嫌気的にインキュベートされた酵母細胞懸濁液からの上清(上)のHPLCプロファイルセクション(254nmトレース)であり、ここで5bの同一性は、UV特性及び保持時間によって明確に保証されている。
発明の詳細な説明
本発明は、既知のベンゾチアジノン化合物BTZ043及びPBTZ169の使用に関する最近のin vivo研究の結果を開示するのであって、前記2つの化合物のマイゼンハイマー錯体を含む新しい、且つ、完全に前例のない還元経路を明らかにした。前記還元は、in vivo試験及び化学試験と、LC−MSの物理化学的特性決定及びアッセイ開発との組み合わせを用いることによって、マイゼンハイマー錯体及びその後続の化学の完全な特性決定を可能にする化学試験によって確認された。
化学構造(S)−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロ−メチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、(1)、を有するBTZ043、及び化学構造2−[4−[シクロヘキシルメチル]ピペラジン−1−イル]−8−ニトロ−6−(トリフルオロ−メチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン、(2)、を有する関連化合物PBTZ169は、可能性のある開発のために広範な研究を受けている非常に強力な抗結核薬である(Makarov et al. Benzothiazinones Kill Mycobacterium tuberculosis by Blocking Arabinan Synthesis. Science 324, 801−804 (2009)。
図1に示すように、BTZ043、関連ベンゾチアジノン(benzothazinones)及び単純化された類似体(参考文献1)は、ニトロ置換基が一過性ニトロソ部分(3)に還元され、次いで結核菌(Mycobacterium tuberculosis(Mtb))のデカプレニルホスホリル−β−D−リボース2’オキシダーゼ(DprE1)の必須システイン残基と反応してセミメルカプタール(4)を与える、プロドラッグである。前記DprE1酵素は、マイコバクテリアの細胞壁構築に不可欠なプロセスであるアラビナン生合成に必要であり(参考文献2)、そして共有結合付加物の形成(4)は結核菌の生存能力の阻害及び喪失をもたらす。したがって、重要な還元化学の詳細はかなり興味深いものである。システインを模倣するチオラートを包含する求核剤は、BTZ043のニトロ芳香族コアへの古典的なcine付加(参考文献3)(フォンリヒター反応、参考文献4)、及び一過性かつ反応性のニトロソ中間体へのニトロ基の同時還元を伴う類似体を受ける(参考文献5)ことが以前に報告されている。前記ニトロ芳香族コアの位置選択的求電子性は、ニトロ基に対してortho及びparaの有意な正の性質を示すMulliken電荷計算と一致していた。(構造1参照)。
我々は、BTZ043が水素化物によってもin vivoで代謝的に還元されて一時的ではあるが分離可能なマイゼンハイマー錯体を形成し、それらが次に親化合物に容易に再酸化されることを見出した。完全な物理化学的特徴付け及びその後の化学変換の確認のために十分な量のマイゼンハイマー錯体を得るために、還元を化学的に行うこともできる。このプロセスの解明は、in vivo実験中の様々な薬物濃度の観察を明らかにしながら、新しいin vivoプロドラッグの生成、そして最終的には新しい抗マイコバクテリア薬への洞察を提供した。結果は、この重要なクラスの抗結核薬の継続的な開発の間に考慮することが重要であろう重要な意味を有する。
BTZ043の低ナノモルin vitro抗結核活性は、非常に初期のin vivo研究を促進した。いくつかの血漿サンプルを室温で保存した後に薬物曝露について繰り返し分析した場合、それぞれの血漿サンプルの分析物濃度及び生物活性は有意に増加するように思われた。
この事象から数年後、PK試験における薬物曝露値は、経時的に決定されたBTZ043の濃度について非常に高い偏差と謎の増加を特徴としていた(図1bを参照)。
興味深いことに、未処理動物からのブランク血漿にBTZ043をスパイクした場合、この観察はなされなかった。スパイクしたサンプルでは、ピーク面積は経時的に完全に変化しないままであった。それゆえ、この現象の可能な説明は、空気にさらされたときに熱的又は酸化的に不安定な未だ未知の代謝産物を含むであろうと推論された。しかし、初期の標準化されたin vitro代謝アッセイ(ミクロソームと肝細胞)では、決定的な化学的仮説を立てるのに役立つ代謝物は同定されなかった。
見過ごされがちな代謝産物を明らかにするために、室温での異なるインキュベーションタイム後の血漿サンプルの高分解能HPLCクロマトグラムの慎重な分析を組み込んだBTZ043のさらなる代謝研究を行った。クロマトグラフィー条件の最大の安定性を確実にするために、全ての溶媒を真空処理及び/又は窒素でスパージすること(sparging)により慎重に脱気した。確かに、これらのより厳しい条件下では、親薬物による積分面積は時間とともに増加したが、非常に異常なUVスペクトルを有するより早い溶出ピークが最初に認められたが、時間とともに消失することがわかった(図1b)。BTZ043ピーク面積の同時の劇的な増加(一部のサンプルでは>100%)は、この一時的な代謝産物の重要性を強調していた。HRMS分析は、この新たに検出された化合物(m/z=434.0988、C1719)がBTZ043それ自体(m/z=432.0835、C1717)より2個だけ多い水素原子を含むことを示唆した。この代謝産物はBTZ043の酵素的還元によって形成される可能性があり、それが空気中の酸素に対して不安定であることが疑われた。
その化学的不安定性及びプラズマからの材料の限られた利用可能性のために、詳細な研究のために十分な量を得るための代替方法が求められた。その分子量に基づいて、新しい化合物はBTZ043の化学的還元によって入手できるかもしれないと予想された。さらに、以前に報告されたcine付加化学に基づいて、単純な化学水素化物源もまた還元プロセスを開始することができると予想された。実際、様々な溶媒中でBTZ043をNaBHで処理すると、持続性のある明るいオレンジ色/赤色の溶液が直ちに形成された。水素化物の添加の30秒後に取った反応混合物のアリコートのLC/MSは、以前に検出された代謝産物と同一の保持時間、明確なUVスペクトル及び質量を有するピークを含有する化合物混合物の生成を明らかにした。過剰のNaBHを添加して反応を完結させた。
興味深いことに、BTZ043をPd/C(H)、Pt/C(H)、電気化学的還元(Pt/Pt)、Zn/NHClaq.、BH−付加物、トリエチルシラン、二酸化硫黄、亜ジチオン酸ナトリウム、ハンチュ(Hantzsch)エステル(参考文献8)及びNADHを包含する様々な他の還元条件で処理した場合、同じ還元代謝物は生成されなかった。より穏やかなホウ素系水素化物、NaBH(OAc)及びNaBHCNとの反応は無効であり、出発BTZ043の完全な回収をもたらした。その後のHNMR分光法による分析は、実際に形成された還元生成物が、最初に用いられた中性クロマトグラフィー条件下で共溶出した2つの主成分の混合物であることを明らかにした(図1c)。HPLCを酸性pH(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA))で実施した場合、両方の化合物を分離することができた。2つの化合物は実質的に異なるUVスペクトルを有していたが同じ質量ピーク(m/z=434.0988)を有し、これらは異性体であることを示唆していた。還元化合物は2つの方法のいずれかによって単離することができた。反応溶媒を除去し、続いて分取HPLC及び凍結乾燥により、鮮やかなオレンジ色の赤色固体を得た。これをLC/MS及び詳細なNMR研究による再分析により、同じ還元生成物の混合物であることを確認した。あるいは、反応混合物をTFAで酸性化すると、濃い赤色の顔料が沈殿し、これを洗浄し、遠心分離により集め、真空乾燥することができた(図2a)。この固体は、室温でも大気中の酸素でも短期間安定していることが証明されたが、酸性化した反応混合物を放置した場合、又は単離した固体を脱気していない溶液に溶解して保存した場合、還元された物質は容易にBTZ043に再酸化された。
標準物質として、この化学的に生成された反応生成物混合物を用いた詳細なLC/MS実験は、マイナーな異性体(5b)が、経口投与量のBTZ043を受けたミニブタからの血漿サンプル中に観察された未知の代謝産物と実際に同一である一方、主成分(5a)は血漿サンプル中に完全に存在しないことを示した(図1d参照)。
還元生成物の混合物の予備的NMR研究は、BTZ043(1)についての特徴的な芳香族プロトンシグナルの損失及びさらなる高磁場(upfield)シグナルの出現を示した。還元中の赤/オレンジ色の急速な形成、及びBTZ043への求核剤のcine付加化学の以前の観察と一緒に、これは、水素化物が一時的であるが検出可能なマイゼンハイマー錯体を形成するために添加されたかもしれないことを示唆した。
異性体還元生成物を分離するのに必要とされる酸性HPLC条件もまた取り扱い中の急速な再酸化を促進したので、より詳細な構造確認のために、より安定で単離可能な誘導体を生成することが求められていた。
脱芳香族化還元生成物は、詳細な特徴付けに適した誘導体を提供するかもしれない求電子剤との反応を受けやすいはずであると予想された。実際、還元生成物混合物と硫酸ジメチルとの反応は、代謝産物(5b)及びその異性体(5a)とほぼ同一である別々のUVスペクトルを有する2つの新しい低極性生成物(6a、b)を与えた(図2a)。
したがって、新しく識別された構造5a及び5bならびに6a及び6bは、本発明の一部を形成する。
両方の化合物は、分取HPLCによるマルチミリグラム規模でのそれらの単離及び1D及び2D NMRによるそれらの完全な特徴付けを可能にするために室温で十分に可溶性かつ安定であることが証明された。マイゼンハイマー錯体の生成と一致して、各異性体(6a/b)は、1つの低磁場プロトン(それぞれ3.7及び3.5ppm)及び後にDEPT135測定によってメチレン基であると割り当てられた新たな高磁場シグナル(それぞれ7.0及び7.3ppm)のみを有した。このデータは、BTZ043の還元が芳香族コアで起こり、2つの生成物(5a/bに対応する6a/b)がマイゼンハイマー錯体水素化物の位置異性体であることを明確に示していた(図2a)。マイゼンハイマー錯体は知られているが、但し、電子不足の芳香族系の求核置換反応における非常に不安定な中間体であることが多い。そして、Yarrowia lipolyticaによるTNTのような爆発物の生分解のような生物学的システムでは稀な例が確認されている。
しかしながら、本発明者らの知る限りでは、マイゼンハイマー錯体をin vivoで得るための変換は、いかなる薬物又は薬物候補についても記載されていない。6a/bにメチル基を導入することで、NOESYとHMBCのカップリング研究を組み合わせることで、両方の異性体の位置化学を割り当てることもできた(図2b)。化学水素化物還元は2つの異性体生成物を生成したが、in vivoで5bしか観察されなかったという事実は、酵素プロセスが代謝物の生成に関与している可能性があることを示唆しており、これも活性ニトロソ類似体の直接の前駆体として役立つ可能性がある(図2a)。したがって、我々は、BTZ043を5bに変換するそれらの能力について生物学的材料をスクリーニングした。
in vitro代謝実験と一致して、5bはミクロソーム分解アッセイでは検出できず、嫌気性条件下及び過剰量の添加NADHの存在下でさえ検出できなかった。また、細胞株(K562、白血病細胞株)に暴露しても、BTZ043と共に5μg・mL−1でインキュベートした場合、5bの痕跡は見られなかった(データ未掲載)。しかしながら、BTZ043に曝露された新鮮な全ヒト血液のHPLC分析は、数時間後にBTZ043の5bへの変換を明らかにした(図3a参照)。対照的に、新たに調製された血漿中に5bの生成は見られなかった(データ未掲載)。
この実験は、血球がニトロベンゾチアジノンを対応するマイゼンハイマー錯体に変換することができることを実証しただけでなく、5bの形成がヒトにおいても同様に関連性があることを実証した。
ニトロベンゾチアジノンが臨床試験に入るとき、この知識はメソッド開発とサンプル取り扱いにとって非常に重要になる。アッセイの再現性を高めるために、我々はまた、C57BL/6Jマウスのマウス血液をその代謝能力について調べたところ、再び5bの産生を確認見出した(図3a)。BTZ043の経口投与を受けたミニブタ及びラットの血漿サンプルを用いたさらなる研究でも同様の結果が得られ、推定還元酵素が哺乳動物に豊富に存在することが示唆された。PBTZ169はBTZ043と同じ電子的に反応性のあるコアを持っているので、我々はそれを同様の化学的及び血液誘発性還元研究に付した。予想通り、反応のHPLC−HRMS分析は、PBTZ169もまた、BTZ043で観察されたのと同じ位置選択性で対応するマイゼンハイマー錯体(7b)と同程度の還元を受けることを示している(図3b)。これもまた、これらの重要なニトロベンゾチアジノン抗結核剤の中でこの化学の影響を強調している。血液誘発性の還元の証明は、対応するマイゼンハイマー錯体の形成についてのニトロベンゾチアジノンライブラリの代謝研究を可能にするであろう。
BTZ043及びPBTZ169の生物学的還元がそれぞれ単一の位置異性体還元生成物(すなわち5b)を生成したという事実は、ベンゾチアジノンコアの5位に置換基を導入することにより、リード化合物の最適化(lead optimization)及び潜在的な代謝抑制の機会を提供した。ベンゾチアジノンとDprE1の結合モデルもこの位置でいくらかの柔軟性を示した。
5−置換ベンゾチアジノンの製造は、水素化物研究の結果に触発されたBTZ043合成経路を修正することによって達成することができたが、我々は1ステップで置換ベンゾチアジノンを得るために他の求核試薬との反応を検討した。示されたように、我々は以前に、チオレート及びシアン化物を包含する求核試薬が、BTZ043及び類似体のニトロ芳香族コアへの古典的なcine付加(フォン・リヒター反応)を受けることを報告した。
BTZ043がMeMgBr又は(Me)Znと容易に反応して、ゆっくり酸化されて9a/bの位置異性体混合物を与えるMe−BTZマイゼンハイマー錯体(8a/b)を与えることも示すことができた。異性体を分取HPLCにより分離し、そして十分に特徴付けした。
したがって、新しい構造8a/b及び9a/bも本発明の一部を形成する。
別々の化合物を血液アッセイにおけるそれらの代謝挙動について注意深く調べた。上記の仮説と一致して、HPLC−HRMS分析によって示されるように、異性体9bの還元型は、代謝アッセイにおいて痕跡量でしか検出され得なかったが、興味深いことに、9aもin vitroでかなり検出可能な量のマイゼンハイマー錯体のみを形成した。
これらの結果によって動機付けられた、メチル、エチル、シクロプロピル、エチニル及びニトリル残基を有する1及び2のさらなる誘導体を、同様の求核的アプローチにより合成した一方、対応するマイゼンハイマー錯体中間体を2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)の付加により酸化した。新しい誘導体は低い細胞毒性(HeLa)を示し、血液分析においてマイゼンハイマー錯体(相対マイゼンハイマー錯体水素化物(hydride Meisenheimer complex、MHC)形成)を形成する傾向を劇的に減少させ、及び良好な乃至優秀な抗マイコバクテリア活性を示した(表1)。Mtb株H37Rv及び多剤耐性株に対する最良の効力が、1及び2の5−メチル誘導体について観察された。
これらの結果は、ベンゾチアジノンのマイゼンハイマー錯体を形成する代謝傾向は、ベンゾチアジノンコアの5位及び7位に置換基を導入することによって調整することができ、そして深部構造活性研究においてさらに標的代謝的に推進される段階を設定することができることを示す。
結論
従って、ベンゾチアジノン類(BTZ043、PBTZ169)の薬物動態試験における不安定薬物曝露は、マイゼンハイマー錯体を生じるまだ見過ごされている代謝変換の結果であることを実証することができた。それらの代謝産物は酸素感受性であり、そして容易に親薬物に再変換する。酸素に対するそれらの不安定性にもかかわらず、BTZ043を経口投与されたミニブタ及びラットの血漿サンプル中にかなりの量のマイゼンハイマー錯体5bが単一の位置異性体として検出された。
真正標準物質を提供するために、HPLCにより分離可能なマイゼンハイマー錯体の位置異性体混合物を得るため、水素化ホウ素ナトリウムを使用することができる、1ステップ合成アプローチが見出された。
結局、メチル化によってこれらの化合物を安定化する方法が見出された。これは、それらの構造を完全に解明するための、且つ、それらの位置化学をNMRによって特定するための重要な要件であった。この代謝変換を起こしやすくてもよい他の化合物のスクリーニングを可能にするために、非常に単純なHPLC−HRMSに基づく全血アッセイが設計され、そして他のベンゾチアジノン類(例えばPBTZ169)も同様に変換できることを見出した。
最後に、in vivoでの水素化物攻撃の高い位置選択性は、リード化合物の最適化(lead optimization)のための選択肢を促した一方、求核攻撃による1ステップ戦略でベンゾチアジノンコアに置換基を組み込むための非常に柔軟なアプローチが見出された。
in vitroでマイゼンハイマー錯体を形成する傾向は、これらの置換基の導入によって制御できることを示すことができた。
ニトロ化合物は結核治療薬の中で非常に普及しているので、生物分析的定量化、毒性評価、又は単に生物学的材料の適切な取り扱いを包含するすべての下流の手順に重大な影響を与える可能性があるため、開発の非常に早い段階でこのタイプの代謝変換を考慮する必要があることは明らかである。
特に肺結核治療において、肺内のプロドラッグ5bの酸化によるBTZ043の遊離は、標的とされた局所抗生作用に対する全く新しい概念を示している。強力なベンゾチアジノン足場(PBTZ169、(2)も参照)は一般にこの種の還元化学に傾向があるように思われるので、他の結核発症(TB-development)プログラムにおいても同様の変化に遭遇する可能性が非常に高い。
[1]したがって、本発明はまた、式(I)の新規化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩を包含する。
Figure 2019533013
(I)

(式中、
はNOを表し、
はCFを表し、
置換基R及びRのうちの少なくとも一方は、OH、SR14、NHR15、CN、N、1〜4個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、場合のよってハロゲン化された、直鎖又は分岐の脂肪族基、直鎖又は分岐のC〜Cアルコキシ、C〜Cアシルであり、R及びRのうちの他方は、さらに水素であってもよく、
は、2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル又は4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基を表し、
14及びR15は互いに独立して水素又はC−Cアルキル基である)
式(I)の化合物の前記異なる置換基は以下のように定義される。
前記ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
前記脂肪族基は、直鎖又は分岐鎖のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル又はC−Cシクロアルキル基(radical)である。
前記C−Cアルキルは直鎖又は分岐鎖アルキルであり、そしてメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチル、ペンチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルブチルを包含する。
前記C−Cアルキルは直鎖又は分岐鎖アルキルであり、そしてメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2又は第3ブチルを包含する。
前記C−Cアルケニルは直鎖又は分枝鎖アルケニルであり、そしてビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル、4−メチル−3−ペンテニルを包含する。
前記C−Cアルキニルは直鎖又は分枝鎖アルキニルであり、そしてエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルを包含する。
前記C−Cシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
前記脂肪族基(radical)は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素で置換されていてもよい。
前記C−Cアルコキシは直鎖又は分枝鎖アルコキシ、及びメトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ、ブトキシ又はイソブトキシである。
前記C−Cアシルは、ホルミル、アセチル、プロピオニル及びブチリル基を包含する。
式(I)の前記新規化合物は、当技術分野において公知の方法に従って合成することができる。
好ましくは、上記式(I)において、R及びRの両方は、上記で定義した通りであり、且つ、両方とも水素とは異なる。本発明の別の実施形態において、Rは水素であり、そしてRは上で定義された通りである。本発明のさらなる実施形態において、Rは水素であり、Rは上記の通りである。
[2]好ましい実施形態は、
(S)−7−メチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(9a)、
(S)−5−メチル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(9b)、
(S)−5−エチル−2−(2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(10)、
(S)−7−エチル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(11)、
(S)−5−シクロプロピル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(12)、
(S)−5−エチニル−2−(2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(13)、
(S)−2−(2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−4−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−7−カルボニトリル(14)、
(S)−5、7−ジメチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1、3−ベンゾチアジン−4−オン(15)、
2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−5−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(16)、
2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−7−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(17)、
からなる群から選択される[1]に記載の式(I)の化合物である。
[3]さらに好ましい実施形態は、
(S)−5−メチル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(9b)、
2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−5−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(16)、
からなる群から選択される実施形態[2]に記載の式(I)の化合物である。
本発明の化合物は、細菌によって引き起こされる感染症の治療に有用である。より具体的には、本発明の化合物は、ヒト及び動物における結核感染症及び他のマイコバクテリア感染症の予防的及び治療的処置に有用である。したがって、本発明のさらなる態様は、式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
[4]したがって、本発明のさらなる態様はまた、[1]から[3]にに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関する。
1つ以上の医薬的に許容可能な担体及び/又は賦形剤をさらに含む、実施形態[6]に記載の式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物も開示される。
本発明の化合物のイオン化可能なバージョンの医薬的に許容可能な塩は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトの組織又は動物の組織との接触に使用するのに適していると当該技術分野において一般に考えられる酸又は塩基の塩である。そのような塩には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩及び有機酸塩、ならびにカルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩が包含される。
具体的な医薬的に許容可能な塩には、塩酸、リン酸、臭化水素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸、酢酸などのアルカン酸などの酸の塩が包含される。
同様に、医薬的に許容可能なカチオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムが包含されるが、これらに限定されない。
当業者であれば、Remington´s Pharmaceutical Sciences, 17th Ed., Mack Publ. Co., Easton, Pa., p.1418 (1985)によって列挙されたものを包含する、本発明の化合物のためのさらなる医薬的に許容可能な塩を認識するであろう。
[5]本発明はさらに、微生物感染によって引き起こされる疾患の治療方法において使用するための化合物に関するものであって、式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩、又は[1]〜[4]のいずれか1項に記載の医薬組成物の治療有効量が、それを必要とする患者に投与されることを含む。
[6]特に、本発明による式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩は、哺乳動物におけるマイコバクテリア感染症の治療方法において使用することができる。
[7]哺乳動物における結核又はハンセン病感染の治療的又は予防的処置に使用するための、本発明による式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩が特に好ましい。
本発明の化合物は、静脈内、皮下もしくは筋肉内注射による又は鼻腔内塗布による局所又は非経口投与のための、医薬的に許容可能な媒体中の希釈溶液又は懸濁液の形態で当該技術分野で知られている方法の使用により処方することができる(formulated)。好ましい方法では、前記新規化合物は、経口投与用の医薬的に許容可能な賦形剤と共に錠剤、カプセル剤又は水性懸濁液剤の形態で製造される。
医薬的に許容可能な賦形剤は製薬分野において周知であり、例えば、Remington´s Pharmaceutical Sciences, 17th Ed., Mack Publ. Co., Easton, Pa. (1985)に記載されている。前記医薬的賦形剤は、意図される投与経路及び標準的な薬務に関して選択することができる。
さらに、上に実証されたように、前記新たに同定された還元経路はベンゾチアジノン化合物に適用可能である。そのような化合物とのマイゼンハイマー錯体は等しく本発明の一部を形成する。
[8]本発明の別の態様は、式(II)の単離可能な新たに同定されたマイゼンハイマー錯体である。
Figure 2019533013
(II)
式中、
及びRは、互いに独立してNO、NR、NHOR、−COOR、CN、CONR1011、CHO、F、Cl、Br、−SONR1213、直鎖又は分枝状のC−Cアルコキシ、OCF、1〜3個の炭素原子を有するモノ−、ジ−又はトリフルオロアルキルであり;ただし、R及びRの少なくとも一方はニトロ基であり;
、Rは、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、−SR14、CN、−N、又は1〜4個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の、場合によりハロゲン化された、直鎖状もしくは分岐鎖状の脂肪族基(radical)、F、Cl、Br、直鎖もしくは分岐鎖のC−Cアルコキシであり;
は、水素、又は1〜6個の炭素原子を有する不飽和もしくは飽和の、場合によりハロゲン化された、直鎖もしくは分岐の脂肪族基(radical);1〜4個の炭素原子を含有するアシル、−CONHR10又は−のSiR121314であり;
は、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル又はヘテロアリール置換基であり;
、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、互いに独立して、水素、1〜6個の炭素原子を有する不飽和もしくは飽和、場合によりハロゲン化された、直鎖もしくは分岐脂肪族基(radical);フェニル;1〜4個の炭素原子を有するベンジル又はアシル;から選択される。
式(II)の化合物の前記異なる置換基は以下のように定義される。
前記ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
前記脂肪族基は、直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル又はC−Cシクロアルキル基である。
前記C−Cアルキルは直鎖又は分岐鎖アルキルであり、そしてメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチル、ペンチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルブチルを包含する。
前記C1−C4アルキルは直鎖又は分岐鎖アルキルであり、そしてメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2又は第3ブチルを包含する。
前記C−Cアルケニルは直鎖又は分枝鎖アルケニルであり、そしてビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル、4−メチル−3−ペンテニルを包含する。
前記C−Cアルキニルは直鎖又は分枝鎖アルキニルであり、そしてエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルを包含する。
前記C3−C6シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
前記脂肪族基は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素で置換されていてもよい。
前記C−Cアルコキシ基は直鎖状又は分枝状であるアルコキシ、及びメトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシ、ブトキシ又はイソブトキシである。
前記C−Cアシルは、ホルミル、アセチル、プロピオニル及びブチリル基を包含する。
前記ヘテロアリールは、炭素原子、水素原子、及び1以上のヘテロ原子、好ましくは窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される、1〜3個のヘテロ原子、を含む単環式又は多環式芳香族環である。ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、(1,2,3)−及び(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フェニル、イソオキサゾリル、及びオキサゾリルが包含される。
前記ヘテロアリール基は、非置換であるか、又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニル、F、Cl、Br、C−Cアルコキシ及びC−Cアシルから選択される1〜3個の置換基で置換することができる。
好ましくは、ヘテロアリール基は単環式環であり、ここで前記環は窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子、ならびに2〜5個の炭素原子を含む。特に好ましいのは、窒素原子1〜2個、並びに酸素原子及び硫黄原子から選ばれる0〜1個の原子を含有し、且つ、5〜6個の環構成原子を有するヘテロアリール基であり、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニルが包含される。
前記ヘテロシクロアルキルは、炭素及び水素原子及び少なくとも一つのヘテロ原子、好ましくは、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子、を含む非芳香族単環式又は多環式環である。ヘテロシクロアルキルは、前記環がそれらの存在によって芳香族にされない限り、前記環内に1個以上の炭素−炭素二重結合又は炭素−ヘテロ原子二重結合を有することができる。ヘテロシクロアルキル基の例には、アジリジニル、ピロリジニル、ピロリジノ、ピペリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペラジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、及びピラニルが包含される。
ヘテロシクロアルキル基は、非置換であるか、又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニル、F、Cl、Br、C−Cアルコキシ及びC−Cアシルから選択される1〜3個の置換基で置換することができる。
好ましくは、前記ヘテロシクロアルキル基は、1〜3個のヘテロ原子を有する単環式又は二環式環である。特に好ましいのは、前記2−メチル−1、4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル及び前記4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基である。
前記ヘテロアルキルは、炭素及び水素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子、を含む直鎖状又は分枝状アルキルである。ヘテロアルキルは、1つ以上の炭素−炭素二重結合又は炭素−ヘテロ原子二重結合を持つことができる。
ヘテロアルキル基は、非置換であるか、又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニル、F、Cl、Br、C−Cアルコキシ及びC−Cアシルから選択される1〜3個の置換基で置換することができる。
好ましい実施形態では、式(II)の前記マイゼンハイマー錯体は、非置換であるRのヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル又はヘテロアリール基を含有する。
[9]別の実施形態によれば、実施形態[8]に記載の式(II)の前記マイゼンハイマー錯体の前記ヘテロ、ヘテロアルキル又はヘテロアリール基R6は、C−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルキニル、F、Cl、Br、C−Cアルコキシ、C−Cアシルから選択される1〜3個の置換基で置換されている。
[10]さらなる実施形態は、式(II)の単離マイゼンハイマー錯体である。式中、RがNOであり、RがCFであり、R及びRがそれぞれ1又は2個の水素又はメチル及び水素であり、Rが水素又はメチルであり、Rは2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イルである。
[11]さらなる一実施形態は、実施形態[8]の式(II)によるマイゼンハイマー錯体を包含する。式中、RがNOであり、RがCFであり、R及びRがそれぞれ1個又は2個の水素であり、Rが水素又はメチルであり、Rは4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基である。
[12]ニトロ置換ベンゾチアジノン化合物の代謝を解明するための研究手段としての、上記実施形態[8]〜[11]のいずれかに記載のマイゼンハイマー錯体の使用。したがって、BTZ043及びPBTZ169の新たに同定されたマイゼンハイマー錯体もまた本発明の一部を形成する。
実験セクション
計装
分析用HPLC(LC−UV/Vis)は、MicroALSオートサンプラー、CapPump、ALSTherm、カラムオーブン及びDADからなる1100シリーズHPLCシステム(AgilentTechnologies,Inc.、カリフォルニア州サンタクララ)で実施した。
HPLC条件: PhenomenexカラムKinetex5μm、XB−C18、100Å、250×4.6mm及び勾配溶出(MeCN(0.1%(v/v)TFA):0.1%(v/v)TFA(HO);10:90〜100:0、20分、及び100:0、さらに10分間、流速0.5mL・min−1)、注入量3−5μL。
クロマトグラフィーモジュールAlliance HT、フォトダイオードアレイ検出器2996、及び質量分析計Micromass ZQからなるWaters(Waters、Milford、MA、www.waters.com)ZQ装置で緩衝液(buffered)LC−MS分析を行った。
HPLC条件: Waters Pro C18YMC 3×50mmカラム及び勾配溶出(MeCN):10mMの酢酸アンモニウム(HO);5:95〜80:20、10分、流量0.7mL・min−1)。
MSエレクトロスプレー源は、キャピラリー電圧3.5kV及び脱溶媒和温度300℃で操作した。
LC−HRMS測定は、エレクトロスプレーイオン源を備えたExactive Q Orbitrap高性能ベンチトップLC HRMSと、カラムオーブンを備えたオートサンプラー、1250ポンプ、及びPDA検出器からなるAccela HPLCシステム(Thermo Fisher Scientific)を使用して行った。
HPLC条件: サーモサイエンティフィックカラムAccucore C18、2.6μm、100x2.1mm及び勾配溶出(MeCN(0.1%(v/v)ギ酸):0.1%(v/v)ギ酸(HO);5:95〜98:2、10分及び98:2、さらに12分間、流量0.2mL・min−1)、3〜5μL注入容量。
分取HPLCは、BinaryPump321及び156UV/Vis検出器を備えたGilson Abimedで行った。
HPLC条件: PhenomenexカラムLuna C18、10μm、250×21.2mm及び勾配溶出(MeCN(0.1%(v/v)TFA):0.1%(v/v)TFA(HO);流速21mL・分−1)、酸性条件、及び勾配溶出(MeCN:HO;流速21mL・分−1)、中性条件。
NMRスペクトルは、Bruker AVANCE III 500MHz又は600MHz機器で記録した。スペクトルは残留溶媒シグナルに対して正規化した。以下の略語が多重度のために使用された: s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、qt=クインテット。
化学調製
全ての化学薬品(chemicals)は商業的供給業者から購入し、そしてそれ以上精製せずに使用した。BTZ043(1)及びPBTZ169(2)は、国際公開第2007/134625号A1パンフレット、国際公開第2009/010163号A1パンフレット及び国際公開第2012/066518号A1パンフレットに詳細に記載されている既知の調製方法と同様にして合成した。
シュレンクテクニックを用いて、不活性ガス(アルゴン)下で反応を行った。アセトニトリル、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテルは、Innovative Technology PureSolv MD−7EN溶媒精製システムから使用した。酢酸エチル、アセトニトリル及び水を3回の凍結−排気−解凍−サイクルによって脱気した。
Figure 2019533013
化合物の混合物5a/b: BTZ043は(200mgは、464μmol)をアセトニトリルと水の混合物(5mL、4:1)に溶解し、TLC分析で遊離体が消失するまで水素化ホウ素ナトリウムをゆっくり加えた。反応中に形成された沈殿物を追加の水の添加により連続的に溶解させた。深紅色の固体の沈殿が完了するまでTFAをゆっくり加えた。混合物を遠心分離し、上清を捨てた。残渣を水(2×5mL)及びアセトニトリル(2×5mL)で洗浄し、高真空中で乾燥して、5a/bを主に含む粗混合物を得た(175mg、5a:5b≒7:3、約404μmol、約87%)。この物質をさらに精製することなくその後の化学誘導体化に使用した。
Figure 2019533013
化合物5b: 並行実験において、酸性条件下(40分間で15〜70%のアセトニトリル)で5a/bの粗反応生成物の分取HPLCにより5b(基準物質)の分析サンプルを生成した(TFA沈殿前)。すべての溶媒を即座に除去し、乾燥生成物を不活性ガス下で貯蔵したとき、材料は比較的安定していた。溶液中、特に大気中の酸素の存在下で急速な酸化が起こった。適切な不活性操作条件下でも、目的の化合物を完全に回収することが重要であった。
Figure 2019533013
化合物6A/B: 5a/bの化合物混合物(175mg、約404μmol)をアセトニトリル(8mL)に溶解した。硫酸ジメチル(140μL、186mg、1.48mmol)及びトリエチルアミン(200μL、146mg、1.44mmol)をゆっくり加えた。メタノール(200μL、158mg、4.93mmol)を加えた後、混合物を室温で70分間、さらに60分間攪拌した。赤色溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、塩酸で洗浄した(2×50mL、2M)。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残渣をアセトニトリルに溶解し、遠心分離し、そして上清を分取HPLC(中性条件、60分間で40〜70%アセトニトリル)にかけて純粋な6a(保持時間=28分、17mg、8%)及び6b(保持時間=47分、4mg、2%)を得た。
化合物6a:
Figure 2019533013
化合物6b:
Figure 2019533013
式(I)の新規実施例化合物9a/bは、一般に上記の方法に類似した方法に従って合成された。
一般的な手順:
非置換ベンゾチアジノン(0.46ミリモル;BTZ043又はPBTZ169)を無水THF(5〜10ml)中に溶解し、−78°Cまで冷却した。そして対応する有機金属試薬(1.6〜2.2当量)を滴下した。有機リチウム化合物を使用する場合、THF中の前記ベンゾチアジノンの溶液を予備形成された有機金属種に添加した。

添加完了後、混合物を1〜18時間撹拌した。DDQ(1.7〜2.3当量)を添加し、混合物を0℃で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(4×75ml)、水(75ml)及びブライン(75ml)で洗浄した。有機溶液をNaSO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣の精製をカラムクロマトグラフィーにより行った(SiO、軽油−EtOAc又は軽油−DCM−アセトン)。
実施例9a及び実施例9b:
Figure 2019533013
化合物9a/b。 MeMgBr(ジブチルエーテル中、340μL、0.34mmol、1M)を、ジエチルエーテル(3mL)及びテトラヒドロフラン(3mL)中の1の溶液(146mg、0.34mmol)にゆっくり加えた。溶液を室温で2時間撹拌し、水(5mL)を加え、そして混合物を酢酸エチル(2×35mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、分取HPLC(10分間で10%〜100%のアセトニトリル)によって精製して、9a(20mg、13%)及び9b(5mg、3%)を得た。
あるいは、MeMgBr(THF中0.3M)を用いた一般的手順に従って、40mg(19%、0.09mmol)の9b及び27mg(13%、0.06mmol)の9aを淡黄色固体として得た。
化合物例9a((S)−7−メチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013
実施例9b ((S)−5−メチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013
実施例10 ((S)−5−エチル−2−(2−メチル−1、4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013
BTZ043及びEtMgBr(THF中0.3M)を用いた一般手順に従って、31mg(15%、0.07mmol)の表題化合物を明黄色の固体として得た。
Figure 2019533013
実施例11 ((S)−7−エチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013

BTZ043及びEtMgBr(THF中0.3M)を用いた一般手順に従って、32mg(15%、0.07mmol)の表題化合物をオフホワイトの固体として得た。
Figure 2019533013

実施例12((S)−5−シクロプロピル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1、3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013

BTZ043及び臭化シクロプロピルマグネシウム(THF中0.5M)を用いた一般的手順に従って、42mg(19%、0.09mmol)の表題化合物を淡黄色固体として得た。
Figure 2019533013
実施例13 (S)−5−エチニル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013

[2−(トリメチルシリル)エチニル]−リチウム及びBTZ043を用いた一般的手順に従って、45mg(19%、0.09mmol)の淡褐色油状物を得た。そのうち25mg(0.05mmol)をTHF(1mL)に溶解させた。MeOH(1mL)、KF(8.3mg、0.14mmol)を加え、混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、半飽和NaHCO(2×10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥した。減圧下で濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、軽油−DCM−アセトン、4:4:1)で精製して20mg(93%、0.044mmol)の感光性灰色固体を得た。
Figure 2019533013
実施例14 ((S)−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−4−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−7−カルボニトリル):
Figure 2019533013

無水THF(7mL)中のBTZ043(200mg、0.46mmol)の溶液を−78℃に冷却し、無水THF(3mL)中のn−BuNCN(157mg、0.56mmol)の溶液を滴下した。添加完了後、混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いでDDQ(175mg、0.77mmol)を添加した。混合物を0℃に温め、18時間撹拌した。酢酸エチル(100mL)で希釈した後、混合物を飽和NaHCO(4×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥した。減圧下で濃縮した後、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、軽油−DCM−アセトン、5:5:1及びCHCl−MeOH、50/1)及びMeCNからの再結晶によって精製して50mg(24%、0.11mmol)の表題化合物を黄色固体として得た。
Figure 2019533013
実施例15 (S)−5,7−ジメチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013

9a(207mg、0.46mmol)及びMeMgBr(THF中3M)を使用する一般手順に従って、25mg(11.7%、0.05mmol)の表題化合物をオフホワイトの固体として得た。
Figure 2019533013
実施例16 (2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−5−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013

PBTZ169(CAS[1377239−83−2])及びMeMgCl(THF中3M)使用する一般的な手順に従って、53mg(24%、0.11mmol)の表題化合物を橙色固体として得た。
Figure 2019533013
実施例17 (2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−7−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン):
Figure 2019533013

PBTZ169(CAS[1377239−83−2])及びMeMgCl(THF中3M)を使用する一般的な手順に従って、85mg(39%、0.18mmol)の表題化合物を橙色固体として得た。
Figure 2019533013
バイオ分析手順
全ての動物実験はATRC(Aurigon Toxicological Research Center、Dunakeszi、ハンガリー)で行われた。
ミニブタ血漿サンプル:
ミニブタは360mg/kgの経口用量のBTZ043を受けた。血液は、化合物製剤の投与後2時間に採取し、直ちに氷上で冷却し、血漿アリコート得るため、4℃、3000rpmで遠心分離し、急速凍結した血漿アリコートを−80℃で保存した。血漿アリコート(50μL)を氷上で不活性条件下でアセトニトリル(200μL)と混合し(Don Whitley Scientific、嫌気性ワークステーション)、ボルテックスし、超音波浴中で処理し(3〜5秒)、4℃及び9750rpmで遠心分離した。上清を窒素流で残留量約40μLまで濃縮し、HPLC及びLC−HRMSで分析した。
ラット血漿サンプル:
雌ウィスターは170mg/kgBTZ043の経口投与を受けた。イソフルラン麻酔下で化合物製剤を投与して2時間後に採血し(K−EDTA)、直ちに氷上で冷却し、4℃及び3000rpmで遠心分離して血漿アリコートを得、これを瞬間凍結して−80℃で保存した。。血漿アリコート(50μL)を氷上で不活性条件下でアセトニトリル(200μL)と混合し、ボルテックスし、超音波浴中で処理し(3〜5秒)、4℃及び9750rpmで遠心分離した。上清を窒素流で残留量約40μLまで濃縮し、HPLC及びLC−HRMSで分析した。
新鮮血アッセイ
ヒト:
DMSO中のBTZ043溶液(5mg/mL)を調製し、この溶液1μLを新鮮な全血の1mLアリコートに添加した。混合物を37℃で2時間又は16時間振盪し、4℃及び3000rpmで遠心分離して血漿を得た。血漿サンプル(60μL)を氷上でアセトニトリル(240μL)と混合し、ボルテックスし、超音波浴中で処理し(3〜5秒)、そして4℃及び9750rpmで遠心分離した。上清を窒素流で残留量約40μLまで濃縮し、HPLC及びLC−HRMSで分析した。
マウス:
イソフルラン麻酔下での頸椎脱臼後にC57BL/6Jマウスから新鮮な全血を採取した。テストアイテム溶液をDMSO(5mg/mL)において調製し、この溶液0.4μLを新鮮な全血400μLに加えた。混合物を37℃で4時間インキュベートし、4℃及び3000rpmで遠心分離して血漿を得た。血漿サンプル(50μL)を氷上でアセトニトリル(200μL)と混合し、ボルテックスし、超音波浴(3〜5秒)中で処理し、そして4℃及び9750rpmで遠心分離した。上清を窒素流で残留量約40μLまで濃縮し、HPLC及びLC−HRMSで分析した。
酵母アッセイ:
嫌気条件下で(Don Whitley Scientific、嫌気性ワークステーション)、新鮮な商業パン酵母(200mgの湿潤質量)をリン酸カリウム緩衝液に懸濁した(pH7.5、100mM)、DMSO中BTZ043の溶液(5μL、5mg/mL)を加えた。混合物を37℃で5分間インキュベートし、氷上でアセトニトリル(200μL)と混合し、そして4℃及び9750rpmで遠心分離した。上清を窒素流で残留量約40μLまで濃縮し、HPLCで分析した。図4を参照。
相対マイゼンハイマー錯体水素化物(HMC)形成
安楽死後、C57BL/6Jマウスから新鮮な全血を採取した。テストアイテムの溶液はDMSOで調製し(通常10mg/mL、溶解性の低い化合物は低い)、0.5μLの各溶液を300μLの新鮮な全血に不活性条件下(グローブボックス、<20ppm O)で添加した。混合物を37℃で4時間(750rpm)インキュベートし、4℃及び3000rpmで遠心分離して血漿を得た。血漿アリコート(25μL)を−45℃で保存し、LC−HRMS測定の1.5時間前までに解凍した。アリコートを直ちに氷上でアセトニトリル(75μL、内部標準として2.5μg・mL−1[D]−BTZ043を含有する)と混合し、ボルテックスし、4℃及び16.1krcfで遠心分離した。上清をエアーシールバイアルに移し、LC−HRMSにより分析した。全てのサンプルは二通りに調製した。マイゼンハイマー錯体水素化物(HMC)の形成は、[M+2H+H]ピーク(複数可)の面積の商、及び各試験項目のそれぞれの抽出イオンクロマトグラムにおける[M+H]及び[M+2H+H]ピーク面積の合計として計算された(5ppmウィンドウ)。相対的HMC形成は、同じアッセイにおける各誘導体のHMC形成とBTZ043のHMC形成との商として計算された。
レサズリンマイクロタイターアッセイ(REMA)
当該アッセイは、以前に記載されているように行った(Palomino et al.; Resazurin microtiter assay plate: simple and inexpensive method for detection of drug resistance in Mycobacterium tuberculosis. Anticrob. Agents. Chemother. 46(8), 2720−2 (2002))。1ウェルあたりの接種物として100μLの細菌懸濁液を使用した。無菌ポリスチレン96ウェル平底プレート(BD)の各深層化において、物質作業溶液の連続2倍希釈液100μlを与えた。各プレートには薬物を含まない増殖コントロール及びMTBを含まない培地の無菌コントロールを含めた。インキュベーション中の蒸発を避けるために、200マイクロリットルの滅菌水をすべての外周ウェルに加えた。次いでプレートを自己接着膜で覆い、そして37℃でインキュベートした。7日後、アッセイを0.02%レサズリンの新たに調製した溶液30μlを添加することにより染色した。レサズリン(シグマ−アルドリッチ、ドイツ)。プレートを37℃でさらに24時間再インキュベートした。青色(酸化状態)からピンク色(還元状態)への色の変化は細菌の増殖を示し、そしてMICはこの色の変化を妨げる薬物の最低濃度として定義された。REMAプレートの各ロットは、MICの範囲(4μg/mL−63pg/mL)を評価することによって品質が保証されていた。
細胞毒性測定
テストアイテムをDMSOに溶解した(典型的には10mg/mL、溶解性の低い化合物は低い)。溶液をRPMI1640培地で希釈した。HeLa細胞(DSM ACC57)をRPMI 1640中で増殖させ、0.02%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)中0.25%トリプシンを使用してソフトトリプシン処理した後に対数増殖期で回収した。各実験について、96ウェルマイクロプレートの1ウェルあたり約10,000細胞に0.1mLの培養培地を播種した。試験化合物を添加する前に、HeLa細胞を48時間プレインキュベートした(最終DMSO濃度≦0.5%)。試験化合物はサブコンフルエント単層上で注意深く希釈した。次いで、インキュベーションを37℃及び5%COの加湿雰囲気中で行った。接着性HeLa細胞をグルタルアルデヒドで固定し、0.05%のメチレンブルー溶液で10分間染色した。穏やかに洗浄した後、染色剤をウェル内で0.2mLの0.33N HClで溶出した。SUNRISEマイクロプレートリーダー(TECAN)中で660nmで光学濃度を測定した。
前述のバイオ分析手順の結果を表1に記載する。
Figure 2019533013

PDR=多剤耐性(イソニアジド及びストレプトマイシン);
n.d.=決定されていない(not determined)。
参考文献
1 Makarov, V., Manina, G., Mikusova, K., Moellmann, U., Ryabova, O., Saint−Joanis, B., Dhar, N., Pasca, M. R., Buroni, S., Lucarelli, A. P., Milano, A., De Rossi, E., Belanova, M., Bobovska, A., Dianiskova, P., Kordulakova, J., Sala, C., Fullam, E., Schneider, P., McKinney, J. D., Brodin, P., Christophe, T., Waddell, S., Butcher, P., Albrethsen, J., Rosenkrands, I., Brosch, R., Nandi, V., Bharath, S., Gaonkar, S., Shandil, R. K., Balasubramanian, V., Balganesh, T., Tyagi, S., Grosset, J., Riccardi, G. & Cole, S. T. Benzothiazinones Kill Mycobacterium tuberculosis by Blocking Arabinan Synthesis. Science 324, 801−804 (2009).
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4 Tiwari, R., Moellmann, U., Cho, S., Franzblau, S. G., Miller, P. A. & Miller, M. J. Design and Syntheses of Anti−Tuberculosis Agents Inspired by BTZ043 Using a Scaffold Simplification Strategy. ACS Med. Chem. Lett, 5, 587−591 (2014).
5 Batt, S. M., Jabeen, T., Bhowruth, V., Quill, L., Lund, P. A., Eggeling, L., Alderwick, L. J., Fuetterer, K. & Besra, G. S. Structural basis of inhibition of Mycobacterium tuberculosis DprE1 by benzothiazinone inhibitors. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 109, 11354−11359 (2012).
6 Trefzer, C., Skovierova, H., Buroni, S., Bobovska, A., Nenci, S., Molteni, E., Pojer, F., Pasca, M. R., Makarov, V., Cole, S. T., Riccardi, G., Mikusova, K. & Johnsson, K. Benzothiazinones are suicide inhibitors of mycobacterial decaprenylphosphoryl−beta−D−ribofuranose 2’−oxidase DprE1. J. Am. Chem. Soc. 134, 912−915 (2012).
7 Neres, J., Pojer, F., Molteni, E., Chiarelli, L. R., Dhar, N., Boy−Roettger, S., Buroni, S., Fullam, E., Degiacomi, G., Lucarelli, A. P., Read, R. J., Zanoni, G., Edmondson, D. E., De Rossi, E., Pasca, M. R., McKinney, J. D., Dyson, P. J., Riccardi, G., Mattevi, A., Cole, S. T. & Binda, C. Structural Basis for Benzothiazinone−Mediated Killing of Mycobacterium tuberculosis. Sci. Trans. Med. 4, 150ra121−150ra121 (2012).
8 Anderson, J. C. & Koovits, P. J. An enantioselective tandem reduction/nitro−Mannich reaction of nitroalkenes using a simple thiourea organocatalyst. Chem. Sci. 4, 2897 (2013).
9 Khilyas, I. V., Ziganshin, A. M., Pannier, A. J. & Gerlach, R. Effect of ferrihydrite on 2,4,6−trinitrotoluene biotransformation by an aerobic yeast. Biodegradation 24, 631−644 (2013).
10 Tiwari, R., Moraski, G. C., Krchnak, V., Miller, P. A., Colon−Martinez, M., Herrero, E., Oliver, A. G. & Miller, M. J. Thiolates chemically induce redox activation of BTZ043 and related potent nitroaromatic anti−tuberculosis agents. J. Am. Chem. Soc. 135, 3539−3549 (2013).
11 Palomino, J. C., Martin, A., Camacho, M. et al. Resazurin microtiter assay plate: simple and inexpensive method for detection of drug resistance in Mycobacterium tuberculosis. Anticrob. Agents. Chemother. 46(8), 2720−2 (2002).

Claims (12)

  1. 式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩。
    Figure 2019533013
    (I)

    (式中、
    はNOを表し、
    はCFを表し、
    置換基R及びRのうちの少なくとも一方は、OH、SR14、NHR15、CN、N、1〜4個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、場合のよってハロゲン化された、直鎖又は分岐の脂肪族基、直鎖又は分岐のC〜Cアルコキシ、C〜Cアシルであり、R及びRのうちの他方は、さらに水素であってもよく、
    は、2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル又は4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基を表し、
    14及びR15は互いに独立して水素又はC−Cアルキル基である)
  2. (S)−7−メチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(9a)、
    (S)−5−メチル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(9b)、
    (S)−5−エチル−2−(2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(10)、
    (S)−7−エチル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(11)、
    (S)−5−シクロプロピル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(12)、
    (S)−5−エチニル−2−(2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(13)、
    (S)−2−(2−メチルー1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−4−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−7−カルボニトリル(14)、
    (S)−5、7−ジメチル−2−(2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1、3−ベンゾチアジン−4−オン(15)、
    2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−5−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(16)、
    2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−7−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(17)、
    からなる群から選択される請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. (S)−5−メチル−2−(2−メチル1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル)−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(9b)、
    2−(4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル)−5−メチル−8−ニトロ−6−(トリフルオロメチル)−4H−1,3−ベンゾチアジン−4−オン(16)、
    からなる群から選択される請求項2に記載の式(I)の化合物。
  4. 前記請求項のいずれかに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物。
  5. 微生物感染によって引き起こされる疾患の治療方法において使用するための化合物であって、式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩、又は請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物の治療有効量が、それを必要とする患者に投与されることを含む、化合物。
  6. 哺乳動物におけるマイコバクテリア感染症の治療的もしくは予防的処置のための方法における使用のための、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩。
  7. 前記方法が、哺乳動物における結核又はハンセン病感染の治療的もしくは予防的処置のためである、請求項6に記載の使用のための化合物及び/又はその医薬的に許容可能な塩。
  8. 下記式(II)に示す構造を有するマイゼンハイマー錯体。
    Figure 2019533013
    (II)
    (式中、
    及びRは、互いに独立してNO、NR、NHOR、−COOR、CN、CONR1011、CHO、F、Cl、Br、−SONR1213、直鎖又は分枝状のC−Cアルコキシ、OCF、1〜3個の炭素原子を有するモノ−、ジ−又はトリフルオロアルキルであり;ただし、R及びRの少なくとも一方はニトロ基であり;
    、Rは、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、−SR14、CN、−N、又は1〜4個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の、場合によりハロゲン化された、直鎖状もしくは分岐鎖状の脂肪族基(radical)、F、Cl、Br、直鎖もしくは分岐鎖のC−Cアルコキシであり;
    は、水素、又は1〜6個の炭素原子を有する不飽和もしくは飽和の、場合によりハロゲン化された、直鎖もしくは分岐の脂肪族基(radical);1〜4個の炭素原子を含有するアシル、−CONHR10又は−のSiR121314であり;
    は、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル又はヘテロアリール置換基、好ましくは2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル基又は4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基であり;
    、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、互いに独立して、水素、1〜6個の炭素原子を有する不飽和もしくは飽和、場合によりハロゲン化された、直鎖もしくは分岐脂肪族基(radical);フェニル;1〜4個の炭素原子を有するベンジル又はアシル;から選択される)
  9. 前記ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル又はヘテロアリール置換基が、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、F、Cl、Br又はC−Cアルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項8に記載の式(II)のマイゼンハイマー錯体。
  10. 式中、RがNOであり、RがCFであり、R及びRがそれぞれ1又は2個の水素又はメチル及び水素であり、Rが水素又はメチルであり、Rは2−メチル−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イルである、請求項8又は9に記載の式(II)のマイゼンハイマー錯体。
  11. 式中、RがNOであり、RがCFであり、R及びRがそれぞれ1個又は2個の水素であり、Rが水素又はメチルであり、Rは4−(シクロヘキシルメチル)ピペラジン−1−イル基である、請求項8又は9に記載の式(II)のマイゼンハイマー錯体。
  12. ニトロ置換ベンゾチアジノン化合物の代謝を解明するための研究手段としての、請求項8〜11のいずれか一項に記載のマイゼンハイマー錯体の使用。
JP2019536701A 2016-09-22 2017-09-21 新しい抗微生物化合物、哺乳動物感染症の治療のためのそれらの使用及び新しい代謝メカニズム Active JP7125941B2 (ja)

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