JP2019532965A - 非酵素的過酸化水素分解触媒を用いた歯石を除去するための方法及びキット - Google Patents

Abstract

歯から歯石を除去するための方法及びキットであって、方法は、Ａ成分を歯に適用することであって、Ａ成分が、過酸化水素又はその前駆体を含む、適用することと、Ｂ成分を歯に適用することであって、Ｂ成分が、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含む、適用することと、歯から歯石の少なくとも一部を除去することと、を含むことができ、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させる、方法及びキット。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、２０１６年１０月２０日に出願された米国特許仮出願第６２／４１０７０６号の利益を主張するものである。

歯石は、歯肉炎及び歯周炎を含めた歯周疾患をもたらし得る。歯石を除去する既存の方法は、熟練した歯科従事者によるスケーリング等の機械的手段に頼ったものである。このような既存の除去処置は、患者にとって苦痛かつ不快であり得る。加えて、既存の除去処置は、かなりの物理的な負担を衛生士に与えることがあり、しばしば、筋肉及び反復運動疾患（例えば、手根管症候群）につながる。その上、歯石除去には、歯科予防処置中のかなりの時間が割り当てられる。したがって、歯石を除去するより良い解決策を創出することが望ましい。

本開示のいくつかの態様は、歯から歯石を除去する方法を提供する。方法は、Ａ成分を歯に適用することであって、Ａ成分は、過酸化水素又はその前駆体を含む、ことと、Ｂ成分を歯に適用することであって、Ｂ成分は、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含む、ことと、歯から歯石の少なくとも一部を除去することと、を含むことができ、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させる。

本開示のいくつかの態様は、歯から歯石を除去するための部品のキットを提供する。キットは、過酸化水素又はその前駆体を含むＡ成分と、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含むＢ成分と、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させるための、並びに歯から歯石の少なくとも一部を除去するための、指示書と、を含むことができる。

定義
本特許出願において使用される場合：
用語「含む（comprise）」及びその変化形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲において現れる場合、限定的な意味を有するものではない。このような用語は、記載されたある１つの工程若しくは要素、又は複数の工程若しくは要素の群が包含されることを意味し、いかなる他の工程若しくは要素、又は複数の工程若しくは要素の群も排除されないことを意味するものと理解される。「からなる（consisting of）」は、この語句「からなる」に続くいかなるものも包含し、これらに限定されることを意味する。したがって、語句「からなる」は、列挙された要素が必要又は必須であって、他の要素が存在し得ないことを示す。「から本質的になる（consisting essentially of）」は、この語句の後に列挙されるいかなる要素も含み、これらの列挙された要素に関して本開示で特定した作用又は機能に干渉又は寄与しない他の要素に限定されることを意味する。したがって、語句「から本質的になる」は、列挙された要素が必要又は必須であるが、他の要素は任意に含まれ、列挙された要素の作用若しくは機能に実質的に影響を及ぼすか否かに応じて存在してもよい、又は、しなくてもよいことを意味する。

用語「好ましい」及び「好ましくは」は、一定の状況下で一定の利益を提供できる、本開示の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下又は他の状況下において、他の実施形態もまた好適であり得る。更には、１つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。

本出願では、「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」等の用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、例示のために具体例が使用され得る一般的な部類を含むことを意図するものである。用語「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」は、用語「少なくとも１つの」と交換可能に使用される。列挙が後続する「〜のうちの少なくとも１つ（at least one of）」及び「〜のうちの少なくとも１つを含む（comprises at least one of）」という語句は、列挙内の項目のうちのいずれか１つ、及び、列挙内の２つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。

列挙が後続する「〜のうちの少なくとも１つ」及び「〜のうちの少なくとも１つを含む」という語句は、列挙内の項目のうちのいずれか１つ、及び、列挙内の２つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。

本明細書で使用する場合、用語「又は」は、内容がそうでない旨を特に明示しない限り、概して「及び／又は」を含む通常の意味で使用される。

用語「及び／又は」は、列挙された要素の１つ若しくは全て、又は列挙された要素の任意の２つ以上の組み合わせを意味する（例えば、苦痛を予防及び／又は治療することは、更なる苦痛を予防すること、治療すること、又は治療すること及び予防することの両方を意味する）。

本明細書において、様々な数値範囲の集合（例えば、特定の部分における炭素原子数の、特定の成分の量の、等）が記載されており、各集合内で、範囲の任意の下限値を範囲の任意の上限値と組にすることができる。そのような数値範囲はまた、その範囲内に包含される全ての数も含むことが意図される（例えば、１〜５は１、１．５、２、２．７５、３、３．８０、４、５、等を含む）。

また、本明細書においては、全ての数は「約」という用語で修飾されるものと想定され、好ましくは「厳密に」という用語で修飾されると想定される。本明細書において、測定された量に関連して使用するとき、用語「約（about）」は、測定を行い、測定の目的及び使用した測定装置の精度に対応した水準の注意を払った当業者によって予測されるであろう、測定された量のばらつきを指す。本明細書において、「最大で」ある数字（例えば、最大で５０）は、その数字（例えば、５０）を含む。

本明細書全体にわたって「一実施形態（one embodiment）」、「実施形態（an embodiment）」、「特定の実施形態（certain embodiments）」、又は「いくつかの実施形態（some embodiments）」等についての言及は、それらの実施形態に関して記載されている特定の特徴、構成、組成、又は特性が、本開示の少なくとも１つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な箇所にこのような語句が記載されている場合、必ずしも、本発明の同一の実施形態について言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構成、組成、又は特性は、１つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。

上記の発明の概要は、本開示の全ての実施形態又は全ての実施を記載するものではない。以下の詳細な説明により、例示的な実施形態をより具体的に記載する。発明を実施するための形態の全体にわたって、実施例の列挙を通して指針が提供され、実施例は様々な組み合わせで用いることができる。いずれの場合にも、記載された列挙は、代表的な群としての役割を果たすのみであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。

歯石（dental calculus）（歯石（dental tartar）とも呼ぶ）は、種々のリン酸カルシウムの結晶又は部分的若しくは完全に石灰化された歯垢が溜まった、石化した歯のバイオフィルムとして定義される。これは、歯の歯垢上に、口腔環境内の流体由来のミネラルが持続的に蓄積されていることによって生じ得る。歯石は、ヒト及び様々な動物種を悩ます一般的な口腔状態であり、歯石の存在は歯周病を引き起こし得る。スケーリング等の機械的手段に頼った、歯石を除去する既存の方法は、時間がかかり、歯科従事者にとって労力を要するものであり、患者にとっても痛みを伴いかつ不快な経験となり得る。

本開示は、一般に、歯から歯石を除去する方法及びキットに関する。一般に、方法は、Ａ成分を歯に適用することであって、Ａ成分は、過酸化水素又はその前駆体を含む、ことと、Ｂ成分を歯に適用することであって、Ｂ成分は、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含む、ことと、歯から歯石の少なくとも一部を除去することと、を含むことができ、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させる。特定の実施形態では、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前又は適用した後に適用する。

本開示の方法は、例えば、歯石のより容易な除去を提供することができる。加えて、本開示の方法は、歯石除去の時間を短縮することができる。例えば、Ａ成分及びＢ成分の適用後、歯石の除去はより容易かつ迅速になる。このように、本開示の方法により、処置効率を改善でき、より多くの患者が機会を得ることができ、歯科従事者は他の処置を行う更なる時間及びより多くの休憩時間を持つことができる。

いくつかの実施形態において、Ａ成分は、過酸化水素を含むことができる。過酸化水素は、対応する基質と組み合わせた過酸化物発生酵素（例えばグルコースオキシダーゼ及びスーパーオキシドジスムターゼ（ＳＯＤ））によって生成することができる。例えば、グルコースオキシダーゼは、グルコースから過酸化水素への酸化を触媒することができる。いくつかの実施形態において、過酸化水素は、過酸化カルバミド、過炭酸塩若しくは酸、ポリビニルピロリドン（ＰＶＰ）過酸化物、又はこれらの組み合わせ等の過酸化水素付加物の形態であってもよい。好適な過炭酸塩又は酸としては、過炭酸、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸マグネシウム、過炭酸カルシウム、及び過炭酸亜鉛を挙げることができるが、これらに限定されない。

いくつかの実施形態において、Ａ成分は、過ホウ酸塩若しくは酸、金属過酸化物、有機過酸化物、無機ペルオキシ酸若しくは塩、又はこれらの組み合わせ等の過酸化水素前駆体を含むことができる。好適な過ホウ酸塩又は酸としては、過ホウ酸、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過ホウ酸マグネシウム、過ホウ酸カルシウム、及び過ホウ酸亜鉛を挙げることができるが、これらに限定されない。好適な金属過酸化物としては、過酸化カルシウム及び過酸化マグネシウムを挙げることができるが、これらに限定されない。好適な有機過酸化物としては、過酢酸又はその塩、過マロン酸又はその塩、過酒石酸又はその塩、及び過クエン酸又はその塩等のペルオキシカルボン酸を挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、有機過酸化物は、過酢酸塩であり得る。好適な無機ペルオキシ酸又は塩としては、ペルオキシ一硫酸、過リン酸、及び過硫酸（sulfuric peroxyacid）のカリウム塩を挙げることができるが、これらに限定されない。

いくつかの実施形態において、Ａ成分は、少なくとも約１．０モル（Ｍ）の過酸化水素を含むことができる。いくつかの実施形態において、Ａ成分は、少なくとも１．１Ｍ、又は少なくとも１．２Ｍ、又は少なくとも１．３Ｍ、又は少なくとも１．４Ｍ、又は少なくとも１．５Ｍ、又は少なくとも２．０Ｍ、又は少なくとも３．０Ｍの過酸化水素を含むことができる。いくつかの実施形態において、Ａ成分は、最大で１２Ｍ、最大で１０Ｍ、最大で８Ｍ、最大で６Ｍ、又は最大で５Ｍの過酸化水素を含むことができる。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、Ａ成分は、１．０Ｍ〜１２Ｍの過酸化水素を含むことができる。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、Ａ成分は、１．５Ｍ〜５Ｍの過酸化水素を含むことができる。

いくつかの実施形態において、Ａ成分は、３重量パーセント（重量％）、５重量％、１０重量％、３０重量％、３５重量％、又はこれらの値のうちのいずれか２つを含むその２つの間の範囲の量の過酸化水素を含むことができる。他の実施形態では、Ａ成分は、同様の濃度の過酸化水素、例えば、少なくとも約１．５Ｍの過酸化水素を生成することができる過酸化水素前駆体又は過酸化水素付加物を含むことができる。例えば、１５重量％の過酸化カルバミド溶液は、５重量％の過酸化水素を含む溶液を生成することができる。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、水溶性無機化合物、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体、水不溶性無機化合物、金属ポルフィリン錯体、単核金属非ポルフィリン錯体、二核金属非ポルフィリン錯体（これは対称又は非対称であってもよい）、三核金属非ポルフィリン錯体、四核金属非ポルフィリン錯体、及びこれらの組み合わせを含むことができる。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は水溶性無機化合物を含む。これに関連して、「水溶性」とは、２０℃で少なくとも１ミリモル（ｍＭ）の水溶液を形成することが可能な、又は５ナノメートル（ｎｍ）未満の一次粒子径で水中に分散可能な、無機化合物である。

好適な水溶性無機化合物としては、ヨウ素酸塩前駆体（例えば、ＫＩ）、モリブデン酸塩前駆体（例えば、Ｎａｒｄｅｌｌｏ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｍｏｌｅｃｕｌａｒ Ｃａｔａｌｙｓｉｓ Ａ：Ｃｈｅｍｉｃａｌ，２５１（１−２），１８５−１９３（２００６）に開示されているＮａ_２ＭｏＯ_４）、ポリオキソメタレート（polyoxometallate）（例えば、Ｎａｒｄｅｌｌｏ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｍｏｌｅｃｕｌａｒ Ｃａｔａｌｙｓｉｓ Ａ：Ｃｈｅｍｉｃａｌ，２５１（１−２），１８５−１９３（２００６）に開示されているＮａ_１２［ＷＺｎ_３（ＺｎＷ_９Ｏ_３４）_２］）、ＨＣｌ−Ｃｌ_２溶液（Ｌｉｖｉｎｇｓｔｏｎ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ ｔｈｅ Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｏｃｉｅｔｙ，４７（８），２０６９−２０８２（１９２５）に開示されている）、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。

好適なヨウ素酸塩前駆体としては、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ土類金属ヨウ化物、遷移金属ヨウ化物（Ｂｒａｙ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ ｔｈｅ Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｏｃｉｅｔｙ，５３（１），３８−４４（１９３１）に開示されている）、又はこれらの組み合わせ等のヨウ化物源を挙げることができるが、これらに限定されず、これらの大分部は、水に可溶性である（例えば、ｈｔｔｐｓ：／／ｅｎ．ｗｉｋｉｐｅｄｉａ．ｏｒｇ／ｗｉｋｉ／Ｉｏｄｉｄｅを参照されたい）。好適なアルカリ金属ヨウ化物としては、ＬｉＩ、ＮａＩ、ＫＩ、ＲｂＩ、及びＣｓＩが挙げられる。好適なアルカリ土類金属ヨウ化物としては、ＭｇＩ_２、ＣａＩ_２、及びＳｒＩ_２が挙げられる。好適な遷移金属ヨウ化物としては、ＦｅＩ_２及びＺｎＩ_２が挙げられる。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、水中に０．０５Ｍを超える、又は少なくとも０．１Ｍのヨウ素酸塩前駆体を含む。いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、最大で水中での溶解限度のヨウ素酸塩前駆体（例えば、２０℃でＫＩの場合８．４Ｍ）を含むが、多くの場合、より少ない、例えば最大で２Ｍ、又は最大で１Ｍのヨウ素酸塩前駆体を含む。典型的には、ヨウ素酸塩前駆体の濃度は、歯に着色する及び／又は対象の口中に不快な味をもたらすであろう濃度よりも低い。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分はＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む。好適なＦｅ（ＩＩＩ）錯体としては、Ｆｅ（ＩＩＩ）−エチレンジアミン四酢酸（すなわち、Ｗａｌｌｉｎｇ ｅｔ ａｌ．，Ｉｎｏｒｇａｎｉｃ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ，９（４），９３１−９３７（１９７０）に開示されているＦｅ（ＩＩＩ）−ＥＤＴＡ）、ＦｅＴｒＦ_５Ｐｈ−β（ＳＯ_３）_２−コロール^２−（Ｔｏｖｍａｓｙａｎ ｅｔ ａｌ．，Ｆｒｅｅ Ｒａｄｉｃ Ｂｉｏｌ Ｍｅｄ，８６，３０８−３２１（２０１５）に開示されている）、５，１４−ジヒドロ−５，９，１４，１８−テトラアザ−ジ（２，２−ジメチル−［５，６］ベンゾ−［１，３］ジオキソロ）［ａ，ｈ］シクロテトラデセン−Ｆｅ（ＩＩＩ）クロリド（すなわち、Ｒａｕｅｎ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍ Ｂｉｏｌ Ｄｒｕｇ Ｄｅｓ，７３（５），４９４−５０１（２００９に開示されているＴＡＡ−１／Ｆｅ（ＩＩＩ）Ｃｌ）、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような例示的な化合物の構造は、以下の通りである。

いくつかの実施形態において、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体は、Ｆｅ（ＩＩＩ）−エチレンジアミン四酢酸（すなわち、Ｆｅ（ＩＩＩ）−ＥＤＴＡ）である。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、少なくとも０．０２ＭのＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む。いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、最大で水中での溶解限度のＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む。いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、最大で０．２ＭのＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、水不溶性無機化合物を含む。これに関連して、「水不溶性」とは、２０℃で少なくとも１ミリモル（ｍＭ）の水溶液を形成することができない、又は５ナノメートル（ｎｍ）以上の一次粒子径で水中に分散可能な、無機化合物である。

好適な水不溶性無機化合物としては、酸化鉄ナノ粒子（Ｃｈｅｎ ｅｔ ａｌ．，ＡＣＳ Ｎａｎｏ，６（５），４００１−４０１２（２０１２）に開示されている）、水酸化カルシウム（Ｎａｒｄｅｌｌｏ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ（５），５９９−６００（１９９８）に開示されている）、ランタンドープ水酸化炭酸亜鉛（zinc hydroxycarbonate）（Ｗａｈｌｅｎ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｃａｔａｌｙｓｉｓ，２４９（１），１５−２３（２００７）に開示されている）、ゼオライト担持ランタン（例えば、Ｗａｈｌｅｎ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｃａｔａｌｙｓｉｓ，２３３（２），４２２−４３３（２００５）に開示されているＬａＮａ−ＺＳＭ−５）、層状複水酸化物（ＬＤＨ）担持モリブデン酸塩（例えば、Ｎａｒｄｅｌｌｏ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｍｏｌｅｃｕｌａｒ Ｃａｔａｌｙｓｉｓ Ａ：Ｃｈｅｍｉｃａｌ，２５１（１−２），１８５−１９３（２００６）に開示されているＭｇ_ｘＡｌ_{（１−ｘ）}（ＯＨ）_２（ＭｏＯ_４）_{０．５（１−ｘ）}）、粘土担持ランタン（例えば、Ｗａｈｌｅｎ ｅｔ ａｌ．，Ｊｏｕｒｎａｌ ｏｆ Ｃａｔａｌｙｓｉｓ，２３３（２），４２２−４３３（２００５）に開示されているＬａＮａ−モンモリロナイト）、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、金属ポルフィリン錯体を含む。好適な金属ポルフィリン錯体（すなわち、ポルフィリン金属錯体）としては、ＦｅＴＥ−２−ＰｙＰ^５＋（Ｔｏｖｍａｓｙａｎ ｅｔ ａｌ．，Ｆｒｅｅ Ｒａｄｉｃ Ｂｉｏｌ Ｍｅｄ，８６，３０８−３２１（２０１５）に開示されている）、ＦｅＴｎＯｃｔ−２−ＰｙＰ^５＋（Ｔｏｖｍａｓｙａｎ ｅｔ ａｌ．，Ｆｒｅｅ Ｒａｄｉｃ Ｂｉｏｌ Ｍｅｄ，８６，３０８−３２１（２０１５）に開示されている）、マンガン（ＩＩＩ）テトラキス（４−安息香酸）ポルフィリンクロリド（すなわち、ＭｎＴＢＡＰ Ｃｌ）（Ｄａｙ ｅｔ ａｌ．，Ｂｉｏｃｈｅｍ Ｐｈａｒｍａｃｏｌ，７７（３），２８５−２９６（２００９）に開示されている）、マンガン（ＩＩＩ）メソ−テトラキス（ジ−Ｎ−エチルイミダゾール）ポルフィリンクロリド（すなわち、Ｄａｙ ｅｔ ａｌ．，Ｂｉｏｃｈｅｍ Ｐｈａｒｍａｃｏｌ，７７（３），２８５−２９６（２００９）に開示されている、又はＡＥＯＬ １０１５０としてＡｅｏｌｕｓ Ｐｈａｒｍａｃｅｕｔｉｃａｌｓ（ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ａｏｌｓｒｘ．ｃｏｍ／ｐｒｏｄｕｃｔ−ｐｉｐｅｌｉｎｅ／ａｅｏｌ−１０１５０）から入手可能な、ＭｎＤＴＥＩＰ Ｃｌ）、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような例示的な化合物の構造は、以下の通りである。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、単核金属非ポルフィリン錯体を含む。好適な単核金属非ポルフィリン錯体（本明細書に記載のＦｅ（ＩＩＩ）錯体以外の）としては、［Ｍｎ（ＳＯ_３−ｓａｌｐｎ（ＯＨ））］⁻（Ｓｉｇｎｏｒｅｌｌａ ｅｔ ａｌ．，Ｃｏｏｒｄｉｎａｔｉｏｎ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｒｅｖｉｅｗｓ，２５６（１１−１２），１２２９−１２４５（２０１２）に開示されている）、［Ｍｎ^ＩＩ（ｃｈｅｄａｍ）（ｂｉｐｙ）（Ｈ_２Ｏ）］（Ｓｉｇｎｏｒｅｌｌａ ｅｔ ａｌ．，Ｃｏｏｒｄｉｎａｔｉｏｎ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｒｅｖｉｅｗｓ，２５６（１１−１２），１２２９−１２４５（２０１２）に開示されている）、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。二ナトリウム塩によって例示される［Ｍｎ（ＳＯ_３−ｓａｌｐｎ（ＯＨ））］⁻のＳＯ_３−ｓａｌｐｎ（ＯＨ）配位子（式中、Ｙ＝ＯＨ）の構造は、以下の通りである：

［Ｍｎ^ＩＩ（ｃｈｅｄａｍ）（ｂｉｐｙ）（Ｈ_２Ｏ）］のｃｈｅｄａｍ及びｂｉｐｙ配位子の構造は、以下の通りである：

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、二核金属非ポルフィリン錯体（これは対称又は非対称であってもよい）を含む。好適な二核金属非ポルフィリン錯体としては、［Ｍｎ（ｂｐｉａ）（μ−ＯＡｃ）］_２（Ｗｕ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗｓ，１０４（２），９０３−９３８（２００４）に開示されている対称配位子錯体）、［Ｍｎ^ＩＶ _２（ｓａｌｐｎ）（μ−Ｏ）］_２（Ｗｕ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗｓ，１０４（２），９０３−９３８（２００４）に開示されている対称配位子錯体）、［Ｍｎ^ＩＩＩ（２−ＯＨｓａｌｐｎ）］_２（Ｗｕ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗｓ，１０４（２），９０３−９３８（２００４）に開示されている対称配位子錯体）、［Ｍｎ_２ ^ＩＩ（μ−ＯＡｃ）（μ−ＯＨ_２）（ｂｅｎｚｉｍｐｎＯ）］^２＋（Ｓｉｇｎｏｒｅｌｌａ ｅｔ ａｌ．，Ｃｏｏｒｄｉｎａｔｉｏｎ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｒｅｖｉｅｗｓ，２５６（１１−１２），１２２９−１２４５（２０１２）に開示されている対称配位子錯体）、［Ｍｎ_２（ｂｐｈｐｍｐ）（μ−ＯＡｃ）_２］^＋（Ｓｉｇｎｏｒｅｌｌａ ｅｔ ａｌ．，Ｃｏｏｒｄｉｎａｔｉｏｎ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ Ｒｅｖｉｅｗｓ，２５６（１１−１２），１２２９−１２４５（２０１２）に開示されている非対称配位子錯体）、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような例示的な化合物の構造は、以下の通りである。

［Ｍｎ（ｂｐｉａ）（μ−ＯＡｃ）］_２のｂｐｉａ配位子の構造は、以下の通りである：

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、三核金属非ポルフィリン錯体を含む。好適な三核金属非ポルフィリン錯体としては、これに限定はされないが、β−Ｍｎ^ＩＩＩ _２Ｍｎ^ＩＩ（ｓａｌａｄｈｐ）_２（ＯＡｃ）_４（ＣＨ_３ＯＨ）_２（Ｗｕ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗｓ，１０４（２），９０３−９３８（２００４）に開示されている）が挙げられ、これは以下の構造を有する：

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、四核金属非ポルフィリン錯体を含む。好適な四核金属非ポルフィリン錯体としては、（Ｂａ，Ｃａ）_２［Ｍｎ_４（μ−Ｏ）（μ−ＯＨ）（Ｏ_２−ＣＣＨ_３）_２（ｄａｈｐｔａ）_２］（Ｗｕ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗｓ，１０４（２），９０３−９３８（２００４）に開示されている）、［Ｍｎ_４Ｏ_６（ｂｐｅａ）_４］^３＋（Ｗｕ ｅｔ ａｌ．，Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｒｅｖｉｅｗｓ，１０４（２），９０３−９３８（２００４）に開示されている）、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ｄａｈｐｔａ及びｂｐｅａ配位子の構造は以下の通りである：

Ａ成分及びＢ成分の反応条件（すなわち、Ａ成分及びＢ成分を歯に適用する条件）に応じて、酸素ガス及び／又はフリーラジカルが形成され得る。したがって、本開示の方法では、条件は、フリーラジカルよりも優先的に酸素ガスが発生するように選択される。このような「条件」は、ｐＨ及び触媒を形成する成分の正しい組み合わせ（例えば、溶液中に第一鉄又は第二鉄イオンの存在下でＥＤＴＡを含む）を含む。

いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、少なくとも５のｐＨを有する。特定の触媒では、ｐＨが酸性すぎる場合、フリーラジカルが形成される。いくつかの実施形態において、Ｂ成分は、最大で１０、又は最大で９、又は最大で８、又は最大で７のｐＨを有する。特定の触媒では、ｐＨが塩基性すぎる場合、対象の口内で使用するのは十分に安全でない可能性がある。いくつかの実施形態において、Ｂ成分は７のｐＨを有する。

Ｂ成分のｐＨは、ｐＨ緩衝剤を使用することによって調整してもよい。いくつかの実施形態において、Ｂ成分ｐＨ緩衝剤は、クエン酸、第二リン酸ナトリウム（sodium phosphate dibasic）、第一リン酸ナトリウム（sodium phosphate monobasic）、２，２−ビス（ヒドロキシメチル）−２，２’，２”−ニトリロトリエタノール、グリシン、ジグリシン、Ｎ−［トリス（ヒドロキシメチル）メチル］グリシン、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）グリシン、２−アミノ−２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、及びこれらの組み合わせ等の化合物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ｐＨ緩衝剤は、リン酸緩衝生理食塩水、クエン酸−リン酸ナトリウム緩衝剤、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝剤、ビス−トリス緩衝剤（すなわち、２，２−ビス（ヒドロキシメチル）−２，２’，２”−ニトリロトリエタノール緩衝剤）、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝剤、ジグリシン緩衝剤、トリシン緩衝剤（すなわち、Ｎ−［トリス（ヒドロキシメチル）メチル］グリシン緩衝剤）、ビシン緩衝剤（すなわち、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）グリシン緩衝剤）、及びトリス緩衝剤（すなわち、２−アミノ−２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール緩衝剤）を含むが、これらに限定されない。

一般に、本開示の方法において、Ａ成分を、Ｂ成分を歯表面に適用する前又は適用した後に、歯表面に適用する。いくつかの実施形態において、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する３０秒前又は適用した３０秒後に適用する。Ａ成分又はＢ成分のいずれかは、（独立して）口腔送達に好適な任意の形態、例えば、水溶液（例えば、リンス）、ジェル、ペースト、又は粉末の形態等とすることができる。例えば、Ａ成分及びＢ成分を、両方ともリンスとして適用することができる。いくつかの実施形態において、Ａ成分をジェルとして適用し、Ｂ成分をリンスとして適用することができる。

いくつかの実施形態において、本開示の方法は、方法を（例えば、１回、及び場合によっては複数回にわたって）実行したときに肉眼で観察される顕著な漂白がないように、Ａ成分の比較的短い曝露時間を含む。

いくつかの実施形態において、Ａ成分又はＢ成分を、特にもう一方の成分を適用する前に、１時間未満、３０分未満、１０分未満、５分未満、２分未満、１分未満、又は３０秒未満の時間にわたって適用する。これらの実施形態のいくつかにおいて、Ａ成分又はＢ成分を、１０分間、５分間、２分間、１分間、３０秒間、１５秒間、又はこれらの値のうちのいずれか２つを含むその２つの間の範囲で、適用する。いくつかの実施形態において、Ａ成分及びＢ成分の両方を、１時間未満、３０分未満、１０分未満、５分未満、２分未満、又は１分未満の時間にわたって適用する。

過酸化水素付加物又は過酸化水素前駆体を歯に適用すると、口腔内環境で解離して過酸化水素を生じる。過酸化水素は、非酵素的過酸化水素分解酵素触媒の存在下で、酸素ガスを発生させ、これにより歯の歯石を軟化及び／又は弛緩させる。発生した酸素ガスは、例えば、歯石と歯表面との接着を弱めることができ、その結果、Ａ成分及びＢ成分に比較的短時間曝露した後に歯石を容易に除去することができる。いくつかの実施形態において、発生した酸素ガスは、歯石を軟化及び／又は弛緩させることができ、その結果、例えばハンドスケーリングによる歯石の除去が非常に容易になる。例えば、より短時間で又はより少ない力で歯石を除去することができる。

Ａ成分及びＢ成分を適用した後、好適な機械的手段（例えば、スケーリング（歯科用スケーラーを使用したもの等）、ブラッシング、スワッビング、ワイピング、超音波スケーリング、エアーポリッシング又は噴射水）によって、歯石の少なくとも一部を歯から除去することができる。いくつかの実施形態において、歯石の一部は、歯磨き以外の機械的手段によって、例えば歯科用スケーラーによって、除去されてもよい。いくつかの実施形態において、除去工程は、適用工程の後、１日、１２時間、６時間、３時間、１時間、３０分、１０分、５分、２分、１分、３０秒、又は１５秒以内に行われる。いくつかの実施形態において、除去工程は、１０分未満、５分未満、２分未満、又は１分未満の時間にわたって続く。他の実施形態において、除去工程は、１０分、５分、２分、１分、３０秒、又はこれらの値のいずれか２つを含むその２つの間の範囲の間続く。したがって、本開示の方法は、例えば、より容易かつ／又は迅速な歯石の除去をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、適用工程及び除去工程は、１日未満、１２時間未満、６時間未満、３時間未満、１時未満、３０分未満、１０分未満、５分未満、２分未満、又は１分未満で、全て完了する。

例示的な実施形態において、まず、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を、歯石を含む歯表面に適用する。１分後、過酸化水素リンス水溶液を歯表面に適用する。約１５秒後、歯石をハンドスケーリングする。

いくつかの実施形態において、添加剤を歯表面に適用することができる。いくつかの実施形態において、添加剤はＡ成分及び／又はＢ成分と一緒に適用することができる。この方法において使用される添加剤としては、防腐剤及び保存剤、抗生物質、矯味物質（flavoring material）、界面活性剤、研磨剤、増粘剤及び結合剤、噴霧剤、担体、歯石抑制剤（tartar control agent）、カルシウム封鎖剤、フッ化物塩、並びに染料を挙げることができるが、これらに限定されない。

好適な防腐剤及び保存剤としては、クロルヘキシジン及びその塩、ポリヘキサメチレンビグアニド、オクテニジン、第四級アンモニウム塩及びそれらのポリマー、有機酸、キレート剤、例えばカルシウムキレート剤（例えばエチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ））、精油並びにパラベンを挙げることができるが、これらに限定されない。抗生物質の非限定的な例としては、ペニシリン、テトラサイクリン、ミノサイクリン等を挙げることができる。抗生物質の例として、米国特許第６，６８５，９２１号（Ｌａｗｌｏｒ）に記載のものも挙げることができる。矯味物質の例としては、人工甘味料、植物油、及び合成香味料を挙げることができる。研磨剤の例としては、シリカ粒子、合成無機粒子、及び合成又は植物由来の有機粒子を挙げることができる。好適な界面活性剤としては、米国特許出願第２００６／００５１３８５号（Ｓｃｈｏｌｚ）に記載のものを挙げることができる。このような界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びアニオン性界面活性剤が挙げられる。増粘剤の例としては、グリセロール、シリカ、セルロース系高分子、植物ガム（例えば、グアーガム及びキサンタンガム）、ワセリン等の石油由来の材料、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポリ乳酸、長鎖脂肪酸アルコール、並びにアクリレートポリマーを挙げることができる。好適な結合剤としては、米国特許第８，６４７，６０８号（Ｙａｎｇ ｅｔ ａｌ．）に記載のものを挙げることができる。好適な担体としては、米国特許第８，６４７，６０８号（Ｙａｎｇ ｅｔ ａｌ．）に記載のものを挙げることができる。担体としては、エタノール、イソプロパノール及びグリセロールを含めた、対象の口腔内で使用するのに好適な任意のアルコールを挙げることができる。好適な染料としては、歯科用製品において通常使用されるものが挙げられる。歯石抑制剤の例としては、米国特許第６，６８５，９２１号（Ｌａｗｌｏｒ）に記載のものを挙げることができる。デンタルケア製品において使用されることが知られている抗歯石剤としては、リン酸塩を挙げることができるが、これに限定されない。リン酸塩としては、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、ポリホスホン酸塩、及びこれらの混合物を挙げることができる。ピロリン酸塩としては、二アルカリ金属ピロリン酸塩、四アルカリ金属ピロリン酸塩及びこれらの混合物を挙げることができる。フッ化物塩の例としては、米国特許第６，６８５，９２１号（Ｌａｗｌｏｒ）、米国特許第３，５３５，４２１号（Ｂｒｉｎｅｒ ｅｔ ａｌ．）、及び米国特許第３，６７８，１５４号（Ｂｒｉｎｅｒ ｅｔ ａｌ．）に記載のものを挙げることができる。

歯から歯石を除去する本開示のキットは、過酸化水素又はその前駆体を含むＡ成分と、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含むＢ成分と、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させるための、並びに歯から歯石の少なくとも一部を除去するための、指示書と、を含み得る。このようなキットにおいて、成分A及び／又はＢ成分は、本明細書に記載の一つ以上の添加剤を更に含んでもよい。

実施形態
以下の実施形態は、本開示を例示することが意図され、限定するものではない。

実施形態１は、歯から歯石を除去する方法であって、
Ａ成分を歯に適用することであって、Ａ成分が、過酸化水素又はその前駆体を含む、適用することと、
Ｂ成分を歯に適用することであって、Ｂ成分が、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含む、適用することと、
歯から歯石の少なくとも一部を除去することと、
を含み、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させる、方法である。

実施形態２は、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前又は適用した後に適用する、実施形態１に記載の方法である。

実施形態３は、Ａ成分が、少なくとも１．０Ｍ、少なくとも１．１Ｍ、又は少なくとも１．２Ｍ、又は少なくとも１．３Ｍ、又は少なくとも１．４Ｍ、又は少なくとも１．５Ｍ、又は少なくとも２．０Ｍ、又は少なくとも３．０Ｍの過酸化水素を含む、実施形態１又は２に記載の方法である。

実施形態４は、Ａ成分が、最大で１２Ｍ、又は最大で５Ｍの過酸化水素を含む、実施形態１〜３のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５は、過酸化水素が、過酸化水素付加物である、実施形態１〜４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態６は、過酸化水素付加物が、過酸化カルバミド、過炭酸塩又は酸、ポリビニルピロリドン（ＰＶＰ）過酸化物、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態５に記載の方法である。

実施形態７は、過酸化水素前駆体が、過ホウ酸塩又は酸、金属過酸化物、有機過酸化物、無機ペルオキシ酸又は塩、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態１〜４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態８は、前駆体が有機過酸化物であり、有機過酸化物が過酢酸又はその塩である、実施形態７に記載の方法である。

実施形態９は、過酸化水素が、過酸化物発生酵素（peroxide generating enzyme）によって発生する、実施形態１〜４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態１０は、過酸化物発生酵素がグルコースオキシダーゼである、実施形態９に記載の方法である。

実施形態１１は、Ｂ成分が、水溶性無機化合物、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体、水不溶性無機化合物、金属ポルフィリン錯体、単核金属非ポルフィリン錯体、二核金属非ポルフィリン錯体（これは対称又は非対称であってもよい）、三核金属非ポルフィリン錯体、四核金属非ポルフィリン錯体、及びこれらの組み合わせを含む、実施形態１〜１０のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態１２は、Ｂ成分が、水溶性無機化合物を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態１３は、水溶性無機化合物が、ヨウ素酸塩前駆体（例えば、ＫＩ）、モリブデン酸塩前駆体（例えば、Ｎａ_２ＭｏＯ_４）、ポリオキソメタレート（例えば、Ｎａ_１２［ＷＺｎ_３（ＺｎＷ_９Ｏ_３４）_２］）、ＨＣｌ−Ｃｌ_２溶液、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態１２に記載の方法である。

実施形態１４は、水溶性無機化合物が、ヨウ素酸塩前駆体を含む、実施形態１３に記載の方法である。

実施形態１５は、ヨウ素酸塩前駆体がヨウ化物源を含む、実施形態１４に記載の方法である。

実施形態１６は、ヨウ化物源が、アルカリ金属ヨウ化物（例えば、ＬｉＩ、ＮａＩ、ＫＩ、ＲｂＩ、ＣｓＩ）、アルカリ土類金属ヨウ化物（例えば、ＭｇＩ_２、ＣａＩ_２、ＳｒＩ_２）、遷移金属ヨウ化物（例えば、ＦｅＩ_２、ＺｎＩ_２）、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態１５に記載の方法である。

実施形態１７は、Ｂ成分が、０．０５Ｍを超えるヨウ素酸塩前駆体を含む、実施形態１４〜１６のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態１８は、Ｂ成分が、少なくとも０．１Ｍのヨウ素酸塩前駆体を含む、実施形態１７に記載の方法である。

実施形態１９は、Ｂ成分が、最大で溶解限度のヨウ素酸塩前駆体（例えば、２０℃でＫＩの場合８．４Ｍ）を含む、実施形態１２〜１４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態２０は、Ｂ成分が、最大で２Ｍのヨウ素酸塩前駆体を含む、実施形態１９に記載の方法である。

実施形態２１は、Ｂ成分が、最大で１Ｍのヨウ素酸塩前駆体を含む、実施形態２０に記載の方法である。

実施形態２２は、Ｂ成分が、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態２３は、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体が、Ｆｅ（ＩＩＩ）−エチレンジアミン四酢酸（すなわち、Ｆｅ（ＩＩＩ）−ＥＤＴＡ）、ＦｅＴｒＦ_５Ｐｈ−β（ＳＯ_３）_２−コロール^２−、５，１４−ジヒドロ−５，９，１４，１８−テトラアザ−ジ（２，２−ジメチル−［５，６］ベンゾ−［１，３］ジオキソロ）［ａ，ｈ］シクロテトラデセン−Ｆｅ（ＩＩＩ）クロリド（すなわち、ＴＡＡ−１／Ｆｅ（ＩＩＩ）Ｃｌ）、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態２２に記載の方法である。

実施形態２４は、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体が、Ｆｅ（ＩＩＩ）−エチレンジアミン四酢酸（Ｆｅ（ＩＩＩ）−ＥＤＴＡ）である、実施形態２３に記載の方法である。

実施形態２５は、Ｂ成分が、少なくとも０．０２ＭのＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む、実施形態２２〜２４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態２６は、Ｂ成分が、最大で０．２ＭのＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む、実施形態２２〜２５のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態２７は、Ｂ成分が、水不溶性無機化合物を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態２８は、水不溶性無機化合物が、酸化鉄ナノ粒子、水酸化カルシウム、ランタンドープ水酸化炭酸亜鉛、ゼオライト担持ランタン（例えば、ＬａＮａ−ＺＳＭ−５）、層状複水酸化物（ＬＤＨ）担持モリブデン酸塩（例えば、Ｍｇ_ｘＡｌ_{（１−ｘ）}（ＯＨ）_２（ＭｏＯ_４）_{０．５（１−ｘ）}）、粘土担持ランタン（例えば、ＬａＮａ−モンモリロナイト）、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態２７に記載の方法である。

実施形態２９は、Ｂ成分が、金属ポルフィリン錯体を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態３０は、金属ポルフィリン錯体（すなわち、ポルフィリン金属錯体）が、ＦｅＴＥ−２−ＰｙＰ^５＋、ＦｅＴｎＯｃｔ−２−ＰｙＰ^５＋、マンガン（ＩＩＩ）テトラキス（４−安息香酸）ポルフィリンクロリド（すなわち、ＭｎＴＢＡＰ Ｃｌ）、マンガン（ＩＩＩ）メソ−テトラキス（ジ−Ｎ−エチルイミダゾール）ポルフィリンクロリド（すなわち、ＭｎＤＴＥＩＰ Ｃｌ又はＡＥＯＬ １０１５０）、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態２９に記載の方法である。

実施形態３１は、Ｂ成分が、単核金属非ポルフィリン錯体を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態３２は、単核金属非ポルフィリン錯体（本明細書に記載のＦｅ（ＩＩＩ）錯体以外の）が、［Ｍｎ（ＳＯ_３−ｓａｌｐｎ（ＯＨ））］⁻、［Ｍｎ^ＩＩ（ｃｈｅｄａｍ）（ｂｉｐｙ）（Ｈ_２Ｏ）］、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態３１に記載の方法である。

実施形態３３は、Ｂ成分が、二核金属非ポルフィリン錯体を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態３４は、二核金属非ポルフィリン錯体が、［Ｍｎ（ｂｐｉａ）（μ−ＯＡｃ）］_２、［Ｍｎ^ＩＶ _２（ｓａｌｐｎ）（μ−Ｏ）］_２、［Ｍｎ^ＩＩＩ（２−ＯＨｓａｌｐｎ）］_２、［Ｍｎ_２ ^ＩＩ（μ−ＯＡｃ）（μ−ＯＨ_２）（ｂｅｎｚｉｍｐｎＯ）］^２＋、［Ｍｎ_２（ｂｐｈｐｍｐ）（μ−ＯＡｃ）_２］^＋、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態３３に記載の方法である。

実施形態３５は、Ｂ成分が、三核金属非ポルフィリン錯体を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態３６は、三核金属非ポルフィリン錯体が、β−Ｍｎ^ＩＩＩ _２Ｍｎ^ＩＩ（ｓａｌａｄｈｐ）_２（ＯＡｃ）_４（ＣＨ_３ＯＨ）_２である、実施形態３５に記載の方法である。

実施形態３７は、Ｂ成分が、四核金属非ポルフィリン錯体を含む、実施形態１１に記載の方法である。

実施形態３８は、四核金属非ポルフィリン錯体が、（Ｂａ，Ｃａ）_２［Ｍｎ_４（μ−Ｏ）（μ−ＯＨ）（Ｏ_２−ＣＣＨ_３）_２（ｄａｈｐｔａ）_２］、［Ｍｎ_４Ｏ_６（ｂｐｅａ）_４］^３＋、及びこれらの組み合わせの群から選択される、実施形態３７に記載の方法である。

実施形態３９は、Ｂ成分が、少なくとも５のｐＨを有する、実施形態１〜３８のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態４０は、Ｂ成分が、最大で１０（又は最大で９、又は最大で８、又は最大で７）のｐＨを有する、実施形態１〜３９のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態４１は、Ｂ成分がｐＨ緩衝剤を含む、実施形態１〜４０のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態４２は、Ｂ成分緩衝剤が、クエン酸、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、２，２−ビス（ヒドロキシメチル）−２，２’，２”−ニトリロトリエタノール、グリシン、ジグリシン、Ｎ−［トリス（ヒドロキシメチル）メチル］グリシン、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）グリシン、２−アミノ−２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、及びこれらの組み合わせから選択される化合物を含む、実施形態４１に記載の方法である。

実施形態４３は、緩衝剤が、リン酸緩衝生理食塩水、クエン酸−リン酸ナトリウム緩衝剤、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝剤、ビス−トリス緩衝剤（すなわち、２，２−ビス（ヒドロキシメチル）−２，２’，２”−ニトリロトリエタノール緩衝剤）、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝剤、ジグリシン緩衝剤、トリシン緩衝剤（すなわち、Ｎ−［トリス（ヒドロキシメチル）メチル］グリシン緩衝剤）、ビシン緩衝剤（すなわち、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）グリシン緩衝剤）、及びトリス緩衝剤（すなわち、２−アミノ−２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール緩衝剤）の群から選択される、実施形態４２に記載の方法である。

実施形態４４は、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する少なくとも３０秒前に適用する、実施形態２〜４３のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態４５は、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前に１時間未満の時間にわたって適用する、実施形態２〜４４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態４６は、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前に３０分未満の時間にわたって適用する、実施形態４５に記載の方法である。

実施形態４７は、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前に１分未満の時間にわたって適用する、実施形態４６に記載の方法である。

実施形態４８は、Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前に３０秒未満の時間にわたって適用する、実施形態４７に記載の方法である。

実施形態４９は、Ｂ成分を、Ａ成分を適用する少なくとも３０秒前に適用する、実施形態２〜４３のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５０は、Ｂ成分を、Ａ成分を適用する前に１時間未満の時間にわたって適用する、実施形態２〜４３及び実施形態４９のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５１は、Ｂ成分を、Ａ成分を適用する前に３０分未満の時間にわたって適用する、実施形態５０に記載の方法である。

実施形態５２は、Ｂ成分を、Ａ成分を適用する前に１分未満の時間にわたって適用する、実施形態５１に記載の方法である。

実施形態５３は、Ｂ成分を、Ａ成分を適用する前に３０秒未満の時間にわたって適用する、実施形態５２に記載の方法である。

実施形態５４は、Ａ成分及びＢ成分の両方を、１時間未満の時間にわたって適用する、実施形態１〜５３のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５５は、除去工程が、適用工程の後、１時間以内に行われる、実施形態１〜５４のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５６は、適用工程及び除去工程が、１日未満で全て完了する、実施形態１〜５５のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５７は、歯石の少なくとも一部を、機械的手段によって除去する、実施形態１〜５６のいずれか一つに記載の方法である。

実施形態５８は、歯石の少なくとも一部を、歯磨き以外の機械的手段によって除去する、実施形態５７に記載の方法である。

実施形態５９は、歯石の少なくとも一部を、歯科用スケーラーによって除去する、実施形態５７又は５８に記載の方法である。

実施形態６０は、歯から歯石を除去する部品のキットであって、過酸化水素又はその前駆体を含むＡ成分と、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含むＢ成分と、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて歯の歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させるための、並びに歯から歯石の少なくとも一部を除去するための、指示書と、を含む、部品のキットである。

実施形態６１は、Ａ成分及び／又はＢ成分が、一つ以上の添加剤を更に含む、実施形態６０に記載の部品のキットである。

実施形態６２は、一つ以上の添加剤が、防腐剤及び保存剤、抗生物質、矯味物質、界面活性剤、研磨剤、増粘剤及び結合剤、噴霧剤、担体、歯石抑制剤、カルシウム封鎖剤、フッ化物塩、並びに染料から選択される、実施形態６１に記載の部品のキットである。

以下の実施例は本発明の範囲を例示するために示すものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書では、全ての部及びパーセンテージは、別段の指定がない限り、重量によるものとする。全ての市販材料は、販売元から入手したまま使用した。別段の指定がない限り、材料は、Ｓｉｇｍａ−Ａｌｄｒｉｃｈ Ｃｏｒｐ．（Ｓｔ．Ｌｏｕｉｓ，ＭＯ）から入手することができる。

材料及び方法
過酸化水素（Ｈ_２Ｏ_２）は、３０重量％の水溶液の形態で、Ａｖａｎｔｏｒ Ｐｅｒｆｏｒｍａｎｃｅ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ（Ｃｅｎｔｅｒ Ｖａｌｌｅｙ，ＰＡ）又はＡｃｒｏｓ Ｏｒｇａｎｉｃｓ（Ｇｅｅｌ，Ｂｅｌｇｉｕｍ）から入手した。希釈過酸化水素水溶液（約３Ｍ、１．５Ｍ、及び０．３Ｍ）を、脱イオン水又は蒸留水のいずれかを用いて調製した。室温（約２３℃）での各過酸化水素水溶液のモル濃度は、溶液の重量パーセント及びおおよその密度から計算した（密度は２５℃で、Ｅａｓｔｏｎ，Ｍ．Ｆ．，Ｍｉｔｃｈｅｌｌ，Ａ．Ｇ．，Ｗｙｎｎｅ−Ｊｏｎｅｓ，Ｗ．Ｆ．Ｋ．，「Ｔｈｅ Ｂｅｈａｖｉｏｕｒ ｏｆ Ｍｉｘｔｕｒｅｓ ｏｆ Ｈｙｄｒｏｇｅｎ Ｐｅｒｏｘｉｄｅ ａｎｄ Ｗａｔｅｒ．Ｐａｒｔ Ｉ．Ｄｅｔｅｒｍｉｎａｔｉｏｎ ｏｆ ｔｈｅ Ｄｅｎｓｉｔｉｅｓ ｏｆ Ｍｉｘｔｕｒｅｓ ｏｆ Ｈｙｄｒｏｇｅｎ Ｐｅｒｏｘｉｄｅ ａｎｄ Ｗａｔｅｒ」，Ｔｒａｎｓ．Ｆａｒａｄａｙ Ｓｏｃ．，４８，７９６（１９５２）の式（３）を用いて計算した）。

ヨウ化カリウムを、ＥＭ Ｓｃｉｅｎｃｅ（Ｇｉｂｂｓｔｏｗｎ，ＮＪ）から入手し、脱イオン水に溶解して１Ｍ及び０．１Ｍの溶液を調製した。

エチレンジアミン四酢酸鉄（ＩＩＩ）ナトリウム塩（ＮａＦｅＥＤＴＡ）はＳｉｇｍａ−Ａｌｄｒｉｃｈ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手した。ＮａＦｅＥＤＴＡ溶液（０．２Ｍ、０．０２５Ｍ、及び０．０１Ｍ）を、０．２Ｍリン酸緩衝液（ＰＢＳ）（ｐＨ７．９）中で調製した。

歯石の沈着した複数の領域を含む抜去したヒト歯（ｅｎｒｅｔｅｃ ＧｍｂＨ（Ｖｅｌｔｅｎ，Ｇｅｒｍａｎｙ）等の様々な供給業者から入手可能）を、使用前に０．５〜１．０重量％のクロラミン−Ｔ水溶液中に保存した。歯石除去試験用の抜去歯を準備するために、各歯を脱イオン水ですすいだ。以下の実施例に記載されている歯石沈着のハンドスケーリングは、ＯＳＵＮＧ ＭＮＤ ＣＯ．，ＬＴＤ．（韓国）から市販されているユニバーサル（すなわち、コロンビア型）キュレットを使用して実施した。

実施例１
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対照部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のＮａＦｅＥＤＴＡ（０．２Ｍ）溶液を適用し、続いて１５秒後、２〜３滴の過酸化水素（１０重量％、約３Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対照部分と比較した場合に、歯石領域の処理部分では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善が認められた。

実施例２
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対照部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のＮａＦｅＥＤＴＡ（０．０２５Ｍ）溶液を適用し、続いて速やかに２〜３滴の過酸化水素（１０重量％、約３Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対照部分と比較した場合に、歯石領域の処理部分では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善が認められた。

実施例３
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対称部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のヨウ化カリウム（１Ｍ）溶液を適用し、続いて速やかに２〜３滴の過酸化水素（１０重量％、約３Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対称部分と比較した場合に、歯石領域の処理領域では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善が認められた。

実施例４
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対称部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のヨウ化カリウム（０．１Ｍ）溶液を適用し、続いて速やかに２〜３滴の過酸化水素（１０重量％、約３Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対称部分と比較した場合に、歯石領域の処理領域では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善が認められた。

実施例５
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対称部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のヨウ化カリウム（１Ｍ）溶液を適用し、続いて１５秒後、２〜３滴の過酸化水素（５重量％、約１．５Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対称部分と比較した場合に、歯石領域の処理領域では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善が認められた。

比較例１．
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対称部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のＮａＦｅＥＤＴＡ（０．２Ｍ）溶液を適用し、続いて１５秒後、２〜３滴の過酸化水素（１重量％、約０．３Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対照部分と比較した場合に、歯石領域の処理部分では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善は認められなかった。

比較例２．
抜去歯の歯石領域を脱イオン水で処理した。この領域のある部分をハンドスケーリングし、これを歯石領域の対称部分とみなした。

歯の同じ歯石領域のスケーリングしていない部分に対して、２〜３滴のＮａＦｅＥＤＴＡ（０．０１Ｍ）溶液を適用し、続いて１５秒後、２〜３滴の過酸化水素（１０重量％、約３Ｍ）溶液を適用した。約３０秒待った後に、この部分のハンドスケーリングを実施した。これを、歯石領域の処理部分とみなした。

歯石領域の対照部分と比較した場合に、歯石領域の処理部分では、ハンドスケーリングによる歯石除去の容易さの顕著な改善は認められなかった。

本明細書に引用した特許、特許文献、及び刊行物に含まれる参照されている記載は、それぞれが個別に援用されている場合と同様に、それらの全体が参照により援用される。本開示の範囲及び趣旨を逸脱することなく、本開示に対する様々な予測不能な改変及び変更が、当業者には明らかとなるであろう。本開示は、本明細書に記載した例示的な実施形態及び実施例によって不当に制限されることは意図していないこと、並びにそのような実施例及び実施形態は、例示としてのみ提示されており、本開示の範囲は、以下のような本明細書に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図していることを理解されたい。

Claims (20)

1. 歯から歯石を除去する方法であって、
   Ａ成分を前記歯に適用することであって、Ａ成分が、過酸化水素又はその前駆体を含む、適用することと、
   Ｂ成分を前記歯に適用することであって、Ｂ成分が、酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含む、適用することと、
   前記歯から前記歯石の少なくとも一部を除去することと、
   を含み、Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、前記歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて前記歯の前記歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させる、方法。
2. Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前又は適用した後に適用する、請求項１に記載の方法。
3. Ａ成分を、Ｂ成分を適用する前に１時間未満の時間にわたって適用する、請求項２に記載の方法。
4. Ｂ成分を、Ａ成分を適用する前に１時間未満の時間にわたって適用する、請求項２に記載の方法。
5. Ｂ成分が、水溶性無機化合物、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体、水不溶性無機化合物、金属ポルフィリン錯体、単核金属非ポルフィリン錯体、二核金属非ポルフィリン錯体、三核金属非ポルフィリン錯体、四核金属非ポルフィリン錯体、及びこれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の方法。
6. Ｂ成分が、水溶性無機化合物を含む、請求項５に記載の方法。
7. 前記水溶性無機化合物が、ヨウ素酸塩前駆体、モリブデン酸塩前駆体、ポリオキソメタレート、ＨＣｌ−Ｃｌ２溶液、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項６に記載の方法。
8. Ｂ成分が、０．０５Ｍを超えるヨウ素酸塩前駆体を含む、請求項７に記載の方法。
9. Ｂ成分が、Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体を含む、請求項５に記載の方法。
10. Ｂ成分が、少なくとも０．０２ＭのＦｅ（ＩＩＩ）錯体を含む、請求項９に記載の方法。
11. 前記Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体が、Ｆｅ（ＩＩＩ）−エチレンジアミン四酢酸、ＦｅＴｒＦ５Ｐｈ−β（ＳＯ３）２−コロール２−、５，１４−ジヒドロ−５，９，１４，１８−テトラアザ−ジ（２，２−ジメチル−［５，６］ベンゾ−［１，３］ジオキソロ）［ａ，ｈ］シクロテトラデセン−Ｆｅ（ＩＩＩ）クロリド、及びこれらの組み合わせの群から選択される、請求項９に記載の方法。
12. 前記Ｆｅ（ＩＩＩ）錯体が、Ｆｅ（ＩＩＩ）−エチレンジアミン四酢酸である、請求項１１に記載の方法。
13. Ｂ成分が、少なくとも５から最大で１０のｐＨを有する、請求項１に記載の方法。
14. Ｂ成分が、ｐＨ緩衝剤を含む、請求項１３に記載の方法。
15. 前記Ｂ成分緩衝剤が、クエン酸、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、２，２−ビス（ヒドロキシメチル）−２，２’，２”−ニトリロトリエタノール、グリシン、ジグリシン、Ｎ−［トリス（ヒドロキシメチル）メチル］グリシン、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）グリシン、２−アミノ−２−（ヒドロキシメチル）−１，３−プロパンジオール、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、及びこれらの組み合わせから選択される化合物を含む、請求項１４に記載の方法。
16. Ａ成分が、少なくとも１．０Ｍの過酸化水素を含む、請求項１に記載の方法。
17. 前記歯石の少なくとも一部を、機械的手段によって除去する、請求項１に記載の方法。
18. 歯から歯石を除去するための部品のキットであって、
    過酸化水素又はその前駆体を含むＡ成分と、
    酸素ガスを発生させるための非酵素的過酸化水素分解触媒を含むＢ成分と、
    Ａ成分及びＢ成分を、同時に又は順次、前記歯に適用することにより、酸素ガスを発生させて前記歯の前記歯石の少なくとも一部を軟化及び／又は弛緩させるための、並びに前記歯から前記歯石の少なくとも一部を除去するための、指示書と、
    を含む、部品のキット。
19. Ａ成分及び／又はＢ成分が、一つ以上の添加剤を更に含む、請求項１８に記載の部品のキット。
20. 一つ以上の添加剤が、防腐剤及び保存剤、抗生物質、矯味物質、界面活性剤、研磨剤、増粘剤及び結合剤、噴霧剤、担体、歯石抑制剤、カルシウム封鎖剤、フッ化物塩、並びに染料から選択される、請求項１９に記載の部品のキット。